JPWO2003005478A1 - ポリマー電池及びポリマー電解質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、正極と、負極と、ポリマー、支持塩及びホスファゼン誘導体を含むポリマー電解質とよりなるポリマー電池で、電池として必要な電池特性等を維持しつつ、自己消火性又は難燃性、安定性、低温放電特性及び高温保存特性に優れ、電解液の液漏れが無く、薄膜・小型化が可能であるため、各種の分野に好適に利用できる。

Description

技術分野
本発明は、電解液の液漏れが無く、薄膜・小型化が可能であるため各種の分野に好適に利用可能なポリマー電池に関する。
背景技術
従来、特に、パソコン・VTR等のAV・情報機器のメモリーバックアップやそれらの駆動電源用の二次電池としては、ニカド電池が主流であった。近年、高電圧・高エネルギー密度という利点を有し、かつ、優れた自己放電性を示すことから、ニカド電池に代替するものとして非水電解液二次電池が非常に注目され、種々の開発が試みられて、その一部は商品化されている。例えば、ノート型パソコンや携帯電話等は、その半数以上が非水電解液二次電池によって駆動している。これらの非水電解液二次電池においては、負極を形成する材料として、カーボンが多用されているが、その表面にリチウムが生成した場合の危険性の低減及び高駆動電圧化を目的として、各種有機溶媒が電解液として使用されている。又、カメラ用の非水電解液二次電池としては、負極材料としてアルカリ金属(特に、リチウム金属やリチウム合金)等が用いられているため、その電解液としては、通常エステル系有機溶媒等の非プロトン性有機溶媒が使用されている。
しかし、これらの非水電解液二次電池は、高性能ではあるものの、安全性において以下のように問題があった。先ず、非水電解液二次電池の負極材料として用いられるアルカリ金属(特にリチウム金属やリチウム合金等)を用いた場合には、該アルカリ金属は、水分に対して非常に高活性であるため、例えば電池の封口が不完全で水分が侵入した際等には、負極材料と水とが反応して水素が発生したり、発火する等の危険性が高いという問題があった。また、リチウム金属は低融点(約170℃)であるため、短絡時等に大電流が急激に流れると、電池が異常に発熱して電池が溶融する等の非常に危険な状況を引き起こすという問題があった。更に、電池の発熱につれ前述の有機溶媒をベースとする電解液が気化・分解してガスを発生したり、発生したガスによって電池の破裂・発火が起こるという問題があった。
前記問題を解決するため、例えば、筒形電池において、電池の短絡時・過充電時に温度が上がって電池内部の圧力が上昇した際に、安全弁が作動すると同時に電極端子を破断させることにより、該筒型電池に、所定量以上の過大電流が流れることを抑止する機構を電池に設けた技術が提案されている(日刊工業新聞社、「電子技術」1997年39巻9号)。しかし、前記機構が常に正常に作動すると信頼できるわけではなく、正常に作動しない場合には、過大電流による発熱が大きくなり、発火等の危険な状態となることが懸念されるため問題が残る。従って、前記問題を解決するためには、前述のように安全弁等の付帯的部品を設けることによる安全対策ではなく、根本的に高い安全性を有する非水電解液二次電池の開発が要求されている。
この要求を満たす一例として、一次電池、二次電池に従来用いられている液状の電解質に基づく電池外部への液漏れ等による信頼性の低下、電解液の着火等の諸問題を解決した各種ポリマー電解質が提案されている。また、近年、技術の進歩に伴い、かかるポリマー電解質を用いて、より安全性に優れると共に信頼性が高く、電池のフィルム状化及びスペースの有効利用等により各種の電子機器等への組み込みが容易なポリマー電池が提案されている。しかし、これらポリマー電解質には燃焼し易いという問題がある。
発明の開示
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、電池として必要な電池特性等を維持しつつ、自己消火性又は難燃性、安定性、低温放電特性、及び高温保存特性に優れ、電解液の液漏れが無く、小型・薄型化が可能で、各種機器への組み込みが容易なポリマー電池、及び該ポリマー電池に好適に用いられるポリマー電解質を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
1. 正極と、負極と、ポリマー、支持塩及びホスファゼン誘導体を含むポリマー電解質とを有することを特徴とするポリマー電池である。
2. 前記ホスファゼン誘導体が、下記一般式(1)及び(2)の少なくとも何れかで表される前記1項に記載のポリマー電池である。
Figure 2003005478
(式中、R、R及びRは、一価の置換基又はハロゲン元素を表す。Xは、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、酸素、イオウ、セレン、テルル及びポロニウムからなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む基を表す。Y、Y及びYは、2価の連結基、2価の元素又は単結合を表す。)
Figure 2003005478
(式中、Rは一価の置換基又はハロゲン元素で、nは3〜14を表す。)
3. 前記ホスファゼン誘導体が、分子構造内にリン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基を有することを特徴とする前記1又は2項に記載のポリマー電池である。
4. 前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合が、炭素原子−炭素原子間多重結合である前記3項に記載のポリマー電池である。
5. 前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合が、二重結合である前記3又は4項に記載のポリマー電池である。
6. 前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基が、アリル基及びビニル基の少なくとも何れかである前記3項に記載のポリマー電池である。
7. 前記負極の表面粗さ(Ra)が0.6mm以下である前記1項に記載のポリマー電池である。
8. 前記ポリマーが、ポリエチレンオキシド、ポリアクリレート及びポリプロピレンオキシドの少なくとも何れかである前記1項に記載のポリマー電池である。
9. 前記ポリマーの重量平均分子量が、10万以上である前記1又は8項に記載のポリマー電池である。
10. 前記ポリマーの重量平均分子量が、500万以上である前記9項に記載のポリマー電池である。
11. 前記ポリマー電解質において、ポリマー及び支持塩の総量に対するポリマーの量が、80〜95質量%である前記1項に記載のポリマー電池である。
12. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも0.5質量%である前記1項に記載のポリマー電池である。
13. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも2質量%である前記12項に記載のポリマー電池である。
14. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも2.5質量%である前記13項に記載のポリマー電池である。
15. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも3質量%である前記14項に記載のポリマー電池である。
16. ポリマー、支持塩及びホスファゼン誘導体を含み、ポリマー電池に用いられることを特徴とするポリマー電解質である。
発明を実施するための最良の態様
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリマー電池は、正極と、負極と、ポリマー電解質とを有し、必要に応じてその他の部材を有する。
[正極]
前記正極の材料としては、特に制限はなく、公知の正極材料から適宜選択して使用できる。例えば、V、V13、MnO、MoO、LiCoO、LiNiO、LiMn等の金属酸化物、TiS、MoS等の金属硫化物、ポリアニリン等の導電性ポリマー等が好適に挙げられ、これらの中でも、高容量で安全性が高く電解液の濡れ性に優れる点で、LiCoO、LiNiO、LiMnが特に好適である。これらの材料は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記正極の形状としては、特に制限はなく、ポリマー電池における電極として公知の形状の中から適宜選択することができる。例えば、シート状、円柱形状、板状形状、スパイラル形状等が挙げられる。これらの中でも、電池の薄型化の点で、シート状等が好ましい。
[負極]
前記負極は、例えば、リチウム又はリチウムイオン等を吸蔵・放出可能である。従ってその材料としては、例えば、リチウム又はリチウムイオン等を吸蔵・放出可能であれば特に制限はなく、公知の負極材料から適宜選択して使用できる。例えばリチウムを含む材料、具体的には、リチウム金属自体、リチウムと、アルミニウム、インジウム、鉛、又は亜鉛等との合金、リチウムをドープした黒鉛等の炭素材料等が好適に挙げられ、これらの中でも安全性がより高い点で黒鉛等の炭素材料が好ましい。これらの材料は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記負極の形状としては、特に制限はなく、前記正極の形状と同様の公知の形状から適宜選択することができる。負極の表面形状としては、デンドライトの析出を更に効果的に抑制し得るため、平滑であるのが好ましく、具体的には、表面粗さ(Ra)が、0.6mm以下であるのが好ましい。
[ポリマー電解質]
前記ポリマー電解質は、ポリマー、支持塩及びホスファゼン誘導体を含み、必要に応じてその他の成分を含む。
−ポリマー−
前記ポリマーとしては、特に制限は無く、ポリマー電池において通常用いられるポリマーが総て好適に用いられ、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリアクリレート、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、エチレンオキシドユニットを含むポリアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、電気的に安定な点で、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等が特に好ましい。
前記ポリマーの重量平均分子量としては、10万以上が好ましく、500万以上がより好ましく、大きい程好ましい。重量平均分子量が、10万未満であると、強度が弱く、ゲルというよりはむしろゾルに近い状態となることがある。
−支持塩−
前記支持塩としては、例えば、リチウムイオンのイオン源となる支持塩等が好ましい。リチウムイオンのイオン源としては、特に制限はないが、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、及び、LiAsF、LiCSO、Li(CFSON、Li(CSON等のリチウム塩が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマー電解質において、前記ポリマー及び前記支持塩の総量に対する、前記ポリマーの量としては、80〜95質量%が好ましく、90質量%程度が特に好ましい。ポリマーの量が、80質量%未満であると、電気伝導率が向上する一方で、強度が弱くなることがある一方、95質量%を超えると、電気伝導率の低下を招くことがある。
−ホスファゼン誘導体−
前記ポリマー電解質が、ホスファゼン誘導体を含有する理由としては、以下の通りである。従来、リチウム金属等を負極活物質として含む二次電池等では、放電時に電解液中にイオンとなって溶解したリチウムが、充電時に部分的にデンドライト(樹枝状結晶)となって析出し、内部短絡・破裂等を招くという問題があった。一方、ホスファゼン誘導体を含む電解質を用いることにより、前記デンドライトの析出が効果的に抑制され、電池の内部短絡・破裂等の危険がなく、安全で長寿命な電池が提供される。
また従来、二次電池等の電解液として、非プロトン性有機溶媒をベースとした非水電解液が用いられているが、該非水電解液においては、短絡時等に大電流が急激に流れ、電池が異常に発熱した際に、気化・分解してガスが発生したり、発生したガス及び熱により電池の破裂・発火が起こることがあるため危険性が高い。
一方、ホスファゼン誘導体が電解質に含まれている電池においては、ホスファゼン誘導体から誘導される窒素ガス及びハロゲンガス等の作用によって、該電解質が優れた自己消火性又は難燃性を発現し得るため、前述のような危険性を低減することが可能とる。また、リンには、電池を構成する高分子材料の連鎖分解を抑制する作用があるため、効果的に自己消火性又は難燃性を付与することができる。
更に従来の二次電池等において、電解液として用いられているエステル系等の電解液においては、例えば、支持塩であるLiPF塩等のリチウムイオン源等が、経時と共にLiF及びPFに分解し発生するPFガスや、該発生したPFガスが更に水等と反応して発生する弗化水素ガス等により、腐触が進行して劣化すると考えられる。つまり、電解液の導電性が低下する上に、発生する弗化水素ガスで極材が劣化する現象が起こる。一方、ホスファゼン誘導体は、例えば、前記LiPF等のリチウムイオン源の分解を抑制し安定化に寄与する。したがって、電解質にホスファゼン誘導体を含有させることにより、分解反応が抑制され、腐触、劣化を抑制することが可能となる。
<ホスファゼン誘導体の含有量>
前記ポリマー電解質における前記ホスファゼン誘導体の含有量としては、該ホスファゼン誘導体を含有することにより得られる効果によって、「デンドライトの析出を好適に抑制」し得る第1の含有量、ポリマー電解質に好適に「自己消火性」を付与し得る第2の含有量、ポリマー電解質に好適に「難燃性」を付与し得る第3の含有量、及びポリマー電解質に好適に「耐劣化性」を付与し得る第4の含有量の4通りの含有量が挙げられる。
「デンドライトの析出を好適に抑制」し得る観点からは、前記ホスファゼン誘導体の前記ポリマー電解質における第1の含有量としては、0.5質量%以上が好ましい。
「自己消火性」の観点からは、前記ホスファゼン誘導体の前記ポリマー電解質における第2の含有量としては、2.5質量%以上が好ましい。尚、本発明において、「自己消火性」とは、下記評価方法において、着火した炎が25〜100mmラインで消火し、かつ、落下物にも着火が認められない状態となる性質をいう。
「難燃性」の観点からは、前記ホスファゼン誘導体の前記ポリマー電解質における第3の含有量としては、3質量%以上が好ましい。尚、本発明において、「難燃性」とは、下記評価方法において、着火した炎が25mmラインまで到達せず、かつ、落下物にも着火が認められない状態となる性質をいう。
また本発明において、下記評価方法において、試験炎を添加しても全く着火しない性質、即ち、試験炎が試験片に着火しない(燃焼長:0mm)性質を「不燃性」という。
<<自己消火性、難燃性乃至不燃性の評価方法>>
前記自己消火性、難燃性乃至不燃性の評価は、UL(アンダーライティングラボラトリー)規格のUL94HB法をアレンジした方法を用い、大気環境下において着火した炎の燃焼挙動を測定・評価した。その際、着火性、燃焼性、炭化物の生成、二次着火時の現象についても観察した。具体的には、UL試験基準に基づき、本発明において用いるホスファゼン誘導体を含浸させ膨潤させたポリマー電解質(127mm×12.7mmの試験片)を作製して行なった。
「耐劣化性」の観点からは、前記ホスファゼン誘導体の前記ポリマー電解質における第4の含有量としては、2質量%以上が好ましい。尚、本発明において、「劣化」とは、前記支持塩(例えば、リチウム塩)の分解をいい、該劣化防止の効果を下記「安定性の評価方法」により評価した。
<<安定性の評価方法>>
(1)先ず、ポリマー電解質を作製後、水分率を測定する。次に、高速液体クロマトグラフィー(イオンクロマトグラフィー)により、ポリマー電解質中の弗化水素の濃度を測定する。更に、目視によりポリマー電解質中の色調を観察した後、充放電試験により充放電容量を算出する。
(2)上記ポリマー電解質を2ヶ月間グローブボックス内で放置した後、再び、水分率、弗化水素の濃度を測定し、色調を観察し、充放電容量を算出し、得られた数値の変化により安定性を評価する。
<ホスファゼン誘導体の引火点>
前記ホスファゼン誘導体の引火点としては、特に制限はないが、発火・燃焼の抑制等の点から、100℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましく、230℃以上が更に好ましく、引火しないものが最も好ましい。前記ホスファゼン誘導体が、100℃以上に引火点を有していると、発火等が抑制され、また、仮に電池内部で発火等が生じても、引火して電解液表面に燃え広がる危険性を低下させることが可能となる。
尚、引火点とは、具体的には、物質表面に炎が燃え広がり、少なくとも該物質表面の75%を覆う温度を言う。該引火点は、空気と可燃性混合物を形成する傾向度を見る尺度となるものであり、本発明においては、以下のミニフラッシュ法により測定した値を用いた。即ち、密閉したカップ方式で、4mlの小さな測定チャンバー、加熱カップ、フレーム、イグニッション部、及び自動フレーム感知システムを備えた装置(自動引火測定器)(MINIFLASH、GRABNRINSTRUMENTS社製)を用意し、測定する試料1mlを加熱カップに入れ、カバーをし、カバー上部から加熱カップを加熱開始した。以降、一定間隔で試料温度を上昇させ、カップ内の蒸気と空気混合物へ一定温度間隔でイグニッションさせ、引火を検知した。引火が検知された時の温度を引火点と認定した。
<ホスファゼン誘導体の具体的分子構造>
前記ホスファゼン誘導体としては、分子構造中にハロゲン元素を含む置換基を有するのが好ましい。分子構造中に、ハロゲン元素を含む置換基を有すれば、該ホスファゼン誘導体から誘導されるハロゲンガスによって、より効果的に、電解質に自己消火性又は難燃性を発現させることが可能となる。また、置換基にハロゲン元素を含む化合物においてはハロゲンラジカルの発生が問題となることがあるが、前記ホスファゼン誘導体は、分子構造中のリン元素がハロゲンラジカルを捕捉し、安定なハロゲン化リンを形成するため、このような問題は発生しない。
前記ハロゲン元素の前記ホスファゼン誘導体における含有量としては、2〜80質量%が好ましく、2〜60質量%がより好ましく、2〜50質量%が更に好ましい。含有量が、2質量%未満では、前記ハロゲン元素を含ませる効果が充分に現れないことがある一方、80質量%を超えると、導電率が低下することがある。前記ハロゲン元素としては、特に、フッ素、塩素、臭素等が好適であり、フッ素が特に好ましい。
前記ホスファゼン誘導体としては、常温(25℃)において液体であれば特に制限はないが、デンドライトの析出抑制効果に優れ、かつ、自己消火性又は難燃性に優れる点で、一般式(1)で表される鎖状ホスファゼン誘導体及び一般式(2)で表される環状ホスファゼン誘導体等が好ましい。
Figure 2003005478
(式中、R、R及びRは、一価の置換基又はハロゲン元素を表す。Xは、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、酸素、イオウ、セレン、テルル及びポロニウムからなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む基を表す。Y、Y及びYは、2価の連結基、2価の元素、又は単結合を表す。)
Figure 2003005478
(式中、Rは一価の置換基又はハロゲン元素で、nは3〜14を表す。)
式(1)において、R、R及びRとしては、一価の置換基又はハロゲン元素であれば特に制限はなく、一価の置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、アルキル基、カルボキシル基、アシル基、アリール基等が挙げられる。又、ハロゲン元素としては、例えば前述のハロゲン元素が好適に挙げられる。これらの中でも、特にポリマーに含浸する後述の非プロトン性有機溶媒等を低粘度化し得る点で、アルコキシ基が好ましい。R〜Rは、総て同一の種類の置換基でもよく、それらのうちのいくつかが異なる種類の置換基でもよい。
前記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等や、メトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基等のアルコキシ置換アルコキシ基等が挙げられる。これらの中でも、R〜Rとしては、総てがメトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、又は、メトキシエトキシエトキシ基が好適であり、低粘度・高誘電率の観点から、総てがメトキシ基又はエトキシ基であるのが特に好適である。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
前記アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基等が挙げられる。
前記アリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
これらの置換基中の水素元素は、ハロゲン元素で置換されているのが好ましい。
式(1)において、Y、Y及びYで表される基としては、例えば、CH基のほか、酸素、硫黄、セレン、窒素、ホウ素、アルミニウム、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウム、ランタン、タリウム、炭素、ケイ素、チタン、スズ、ゲルマニウム、ジルコニウム、鉛、リン、バナジウム、ヒ素、ニオブ、アンチモン、タンタル、ビスマス、クロム、モリブデン、テルル、ポロニウム、タングステン、鉄、コバルト、ニッケル等の元素を含む基が挙げられ、これらの中でも、CH基、及び、酸素、硫黄、セレン、窒素の元素を含む基等が好ましい。特に、Y、Y及びYが、硫黄、セレンの元素を含む場合には、電解質の自己消火性又は難燃性が格段に向上するため好ましい。Y〜Yは、総て同一種類でもよく、いくつかが互いに異なる種類でもよい。
式(1)において、Xとしては、有害性、環境等への配慮の観点からは、炭素、ケイ素、窒素、リン、酸素及びイオウからなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む基が好ましく、以下の一般式(3)で表される構造を有する基がより好ましい。
Figure 2003005478
但し、一般式(3)において、R〜Rは、一価の置換基又はハロゲン元素を表す。Y〜Yは、2価の連結基、2価の元素、又は単結合を表し、Zは2価の基又は2価の元素を表す。
式(3)において、R〜Rとしては、式(1)におけるR〜Rで述べたのと同様の一価の置換基又はハロゲン元素がいずれも好適に挙げられる。又、これらは、同一基内において、それぞれ同一の種類でもよく、いくつかが互いに異なる種類でもよい。RとRとは、及びRとRとは、互いに結合して環を形成していてもよい。
式(3)において、Y〜Yで表される基としては、式(1)におけるY〜Yで述べたのと同様の2価の連結基又は2価の基等が挙げられ、同様に、硫黄、セレンの元素を含む基である場合には、電解質の自己消火性又は難燃性が格段に向上するため特に好ましい。これらは、同一基内において、それぞれ同一の種類でもよく、いくつかが互いに異なる種類でもよい。
式(3)において、Zとしては、例えば、CH基、CHR(Rは、アルキル基、アルコキシル基、フェニル基等を表す。以下同様。)基、NR基のほか、酸素、硫黄、セレン、ホウ素、アルミニウム、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウム、ランタン、タリウム、炭素、ケイ素、チタン、スズ、ゲルマニウム、ジルコニウム、鉛、リン、バナジウム、ヒ素、ニオブ、アンチモン、タンタル、ビスマス、クロム、モリブデン、テルル、ポロニウム、タングステン、鉄、コバルト、ニッケル等の元素を含む基等が挙げられ、これらの中でも、CH基、CHR基、NR基のほか、酸素、硫黄、セレンの元素を含むのが好ましい。特に、硫黄、セレンの元素を含む場合には、電解質の難燃性が格段に向上するため好ましい。
式(3)における基としては、特に効果的に自己消火性又は難燃性を好適に付与し得る点で、基(A)で表されるようなリンを含む基が特に好ましい。また、基(B)で表されるようなイオウを含む基である場合には、電解質の小界面抵抗化の点で特に好ましい。
式(2)において、Rとしては、一価の置換基又はハロゲン元素であれば特に制限はなく、一価の置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、アルキル基、カルボキシル基、アシル基、アリール基等が挙げられる。又、ハロゲン元素としては、例えば、前述のハロゲン元素が好適に挙げられる。これらの中でも、特にアルコキシ基、フェノキシ基等が好ましい。該アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基が特に好ましい。これらの置換基中の水素元素は、ハロゲン元素で置換されているのが好ましい。
式(2)で表されるホスファゼン誘導体としては、前記デンドライトの析出を特に効果的に抑制し得る等の点で、Rが、アルコキシ基、フェノキシ基、及びフッ素の少なくともいずれかであって、全Rにおける少なくとも1つがフッ素であり、少なくとも他の1つがアルコキシ基及びフェノキシ基のいずれかであるのが好ましい。
式(1)〜(3)におけるR〜R、Y〜Y、Y〜Y、Zを適宜選択することにより、より好適な粘度、混合に適する溶解性等を有する電解液が含浸されたポリマー電解質が得られる。これらのホスファゼン誘導体は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ホスファゼン誘導体は、ポリマー電解質に含浸させて電極を安定化する観点からは、分子構造内にリン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基を有するのが好ましい。分子構造内にリン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基を有するホスファゼン誘導体をポリマー電池に使用すると、電池の充電時等に、電極表面にイオン導電性の高い安定な膜が形成され、電池の充放電等に伴う電極と電解質との反応(即ち、電解質の分解反応)が抑制される等の理由により、サイクル特性に優れ、電極の安定性に優れ、長期間安定なポリマー電池を好適に提供可能となる。
前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合としては、例えば、炭素原子−炭素原子間多重結合、炭素原子−酸素原子間多重結合、炭素原子−窒素原子間多重結合等が挙げられる。これらの中でも、よりサイクル特性に優れ、電極の安定性に優れ、長期安定なポリマー電池を好適に提供可能な点で、炭素原子−炭素原子間多重結合、炭素原子−窒素原子間多重結合等が特に好ましい。
前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合の結合態様としては、二重結合、三重結合等が挙げられるが、前記炭素原子−炭素原子間多重結合である場合には、更にサイクル特性に優れ、電極の安定性に優れ、長期安定なポリマー電池を好適に提供可能な点で、二重結合が特に好ましい。
前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基の具体例としては、例えば、アリル基、ビニル基、カルボキシル基、アシル基(ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基等)等が挙げられる。これらの基は、更に他の置換基(例えば、アルキル基、ハロゲン元素等)や連結基(例えば、酸素、窒素、リン、炭素等)を有していてもよく、又、これらの置換基や連結基は、互いに結合し環を形成していてもよい。
電極を安定化する観点から、上記分子構造内にリン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基を有するホスファゼン誘導体のポリマー電解質における含有量としては、0.3質量%以上が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。分子構造内にリン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基を有するホスファゼン誘導体のポリマー電解質における含有量が0.3質量%以上の場合、ポリマー電池の充電時等に電極表面にイオン導電性の高い安定な膜が形成され、ポリマー電池の充放電等に伴う電極とポリマー電解質との反応(即ち、電解質の分解反応)が抑制される等により、サイクル特性に優れ、電極の安定性に優れ、長期間安定なポリマー電池が好適に提供される。
前記分子構造内にリン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基を有するホスファゼン誘導体としては、常温(25℃)において液体であれば特に制限はないが、サイクル特性に優れ、電極の安定性に優れ、長期安定なポリマー電池を好適に提供可能で、かつ自己消火性又は難燃性に優れる点で、式(1)のR〜R及びXのうち少なくとも何れかが「リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基」である鎖状ホスファゼン誘導体、並びに式(2)の同一分子内においてRのうち少なくとも何れかが「リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基」である環状ホスファゼン誘導体等が好ましい。
式(2)で表され、かつ分子構造内にリン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基を有するホスファゼン誘導体としては、サイクル特性に優れ、電極の安定性に優れ、長期安定なポリマー電池を好適に提供可能で、かつ自己消火性又は難燃性に優れる点で、Rが、アルコキシ基、フェノキシ基及びフッ素の少なくとも何れかであって、全Rにおける少なくとも1つがフッ素であり、少なくとも他の1つがアルコキシ基及びフェノキシ基の何れかであるのが好ましい。
前記分子構造内にリン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基を有するホスファゼン誘導体の製造方法としては、例えば、先ず原料として(PNCl(環状Cl体)を用い、これをアセトニトリル等の溶媒の下、80℃の温度条件で5時間、フッ素化剤(例:NaF等)によりフッ素化した後、蒸留して(PNF(環状F体)を得る。次に、(PNF(環状F体)に、ヘキサン等の溶媒の下、炭酸カリウムの存在下で、アルコール(アリルアルコール、ビニルアルコール等)を反応させ、その後減圧下で単蒸留等する方法等が挙げられる。
−その他の成分−
前記ポリマー電解質に含まれるその他の成分としては、非プロトン性有機溶媒が特に好ましい。該非プロトン性有機溶媒は、安全性の点から、電解質に含まれるのが好適である。即ち、電解質に、非プロトン性有機溶媒が含有されていれば、前記負極の材料等と反応することなく高い安全性を得ることができる。また、容易にポリマー電池としての最適なイオン導電性を達成することができる。
前記非プロトン性有機溶媒としては、特に制限はないが、エーテル化合物やエステル化合物等が挙げられる。具体的には、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、メチルエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等が好適に挙げられる。これらの中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル化合物、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状エステル化合物、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル化合物等が好適である。特に、環状のエステル化合物は、比誘電率が高くリチウム塩等の溶解性に優れる点で、鎖状のエステル化合物及びエーテル化合物は、低粘度であるため前記ポリマーに含浸する前記ホスファゼン誘導体及び非プロトン性有機溶媒よりなる非水電解液の低粘度化の点で好適である。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用するのが好適である。前記非プロトン性有機溶媒の25℃における粘度としては、特に制限はないが、10mPa・s(10cP)以下が好ましく、5mPa・s(5cP)以下がより好ましい。
−ポリマー電解質の作製・形状−
前記ポリマー電解質の作製方法としては、特に制限はないが、例えば、前記ポリマー及び支持塩を、質量比(ポリマー/支持塩)9/1の割合で混合し、揮発性溶媒を添加して均一に混合し、80℃程度で均一溶解させ、真空で40℃程度に加熱し、揮発性溶媒を揮発させ、乾燥した後、ホスファゼン誘導体を含む電解液を含浸させ、膨潤させてポリマー電解質を得る方法等が挙げられる。前記揮発性溶媒としては、アセトニトリル、アルコール類等が挙げられ、溶解性等に優れる点で、アセトニトリル等が好ましい。前記ポリマー電解質の形状としては、特に制限はないが、電池の薄型化等の点で、シート状等が好ましい。
[その他の部材]
前記その他の部材としては、通常ポリマー電池に使用されている公知の各部材が好適に挙げられる。
本発明のポリマー電池の形態としては、特に制限はなく、コインタイプ、ボタンタイプ、ペーパータイプ、角型又はスパイラル構造の円筒型電池等、種々の公知の形態が好適に挙げられる。スパイラル構造の場合、例えば、シート状の正極を作製して集電体を挟み、これに、負極(シート状)を重ね合わせて巻き上げる等によりポリマー電池を作製することができる。
以上説明した本発明のポリマー電池は、電池として必要な電池特性等を維持しつつ、自己消火性又は難燃性に優れ、低温放電特性及び高温保存特性に優れ、かつ、電解液の液漏れが無く、小型・薄型化が可能で、各種機器への組み込みが容易であるため、携帯電話・電気自動車等を始め、各種の分野に好適に利用される。特に、過酷な温度条件においても、放電容量の高い電池として有用であり、長時間高温環境で保存された後の電池性能が要求される、各種自動車用電池として極めて有用である。
尚、本発明において、前記「低温放電特性」は、具体的には以下のようにして放電容量減少率を測定し評価した。
<低温放電特性>
先ず、常温(25℃)において、上限電圧4.5V、下限電圧3.0V、放電電流100mA、充電電流50mAの条件で、50サイクルまで充放電を繰り返した後の放電容量(25℃)を測定した。
その後、放電時の温度を−30℃に変えたほかは、同様にして50サイクルまで充放電を繰り返した後の放電容量(−30℃)を測定した。
この時の放電容量(−30℃)を、放電容量(25℃)と比較し、下記式より放電容量減少率を算出し、低温放電特性の評価とした。
式:放電容量減少率=
100−(放電容量(−30℃)/放電容量(25℃))×100(%)
また、本発明において、前記「高温保存特性」は、具体的には、以下のようにして評価した。
<高温保存特性:高温試験後(保存後)の常温放電特性の測定・評価>
80℃にて10日間電池を保存した後、常温(25℃)にて放電特性(放電容量(mAh/g)、平均放電電圧(V)等)を測定し評価した。また、該放電特性の測定・評価の際の、50%放電深度(全容量の50%を放電した状態)における内部抵抗値(Ω、25℃、1kHzインピーダンス)を測定し評価した。
[ポリマー電解質]
前記本発明のポリマー電解質は、ポリマー、支持塩及びホスファゼン誘導体を含み、ポリマー電池に用いられる。該ポリマー、支持塩、及びホスファゼン誘導体としては、前記本発明の「ポリマー電池」で述べたのと総て同様である。前記ポリマー電池としては、特に制限はなく、従来公知の構成のポリマー電池が好適に挙げられる。
以上説明した本発明のポリマー電解質は、ポリマー電池に用いられることにより、電池として必要な電池特性等を維持しつつ、自己消火性又は難燃性、安定性、低温放電特性及び高温保存特性に優れ、電解液の液漏れが無く、小型・薄型化が可能で、各種機器への組み込みが容易なポリマー電池を好適に提供することが可能となる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[非水電解液の調製]
ジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):ジエチルカーボネート/エチレンカーボネート=1/1)(非プロトン性有機溶媒)47.5mlに、ホスファゼン誘導体A(環状EO/F型ホスファゼン誘導体(前記一般式(2)において、n=3、全Rにおけるエトキシ基(EO)及びフッ素(F)の比(EO/F比)=2/4)、粘度1.3mPa・s(1.3cP))の2.5mlを添加(5体積%)し、非水電解液を調製した。
[ポリマー電解質の作製]
ポリエチレンオキシド3.6g(Mw=500万〜600万)及び支持塩(LiPF)0.4gを、質量比(ポリエチレンオキシド/LiPF)9/1の割合で混合し、揮発性溶媒(アセトニトリル)10mLを添加して均一に混合し、80℃で均一溶解させ、真空で40℃に加熱し、揮発性溶媒(アセトニトリル)を揮発させ、乾燥させた。その後、前記非水電解液1mLを含浸させ、膨潤させてゲル状のポリマー電解質を得た。
−自己消火性、難燃性乃至不燃性の評価−
得られたポリマー電解質について、前述の「自己消火性、難燃性乃至不燃性の評価方法」と同様にして、下記に示すように評価を行った。結果を表1に示す。
<不燃性の評価>
試験炎が試験片に着火しなかった(燃焼長:0mm)場合を不燃性ありと評価した。
<難燃性の評価>
着火した炎が、装置の25mmラインまで到達せず、かつ網からの落下物にも着火が認められなかった場合を難燃性ありと評価した。
<自己消火性の評価>
着火した炎が、25〜100mmラインの間で消火し、かつ、網落下からの落下物にも着火が認められなかった場合を自己消火性ありと評価した。
<燃焼性の評価>
着火した炎が、100mmラインを超えた場合を燃焼性ありと評価した。
[ポリマー電池の作製]
前記ポリマー電解質を用い、以下のようにしてポリマー電池を作製した。LiCoO(日本化学工業社製)100質量部に対して、アセチレンブラックを10質量部、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を10質量部添加し、有機溶媒(酢酸エチルとエタノールとの50/50体積%混合溶媒)で混練した後、ロール圧延により厚さ100μm、幅40mmの薄層状の正極シートを作製した。また、負極には厚さ150μmの黒鉛製のシートを使用した。
次に、前記アセトニトリル溶媒に溶解させたポリエチレンオキシドゾル(ポリエチレンオキシドとLiPFとを含む)をポリエチレン製セパレータの両面に、ドクターブレードを用いて厚みが150μmとなるように塗布した後、前記アセトニトリル溶媒を蒸発させ、ポリエチレンオキシド−リチウムゲル電解質(ドライゲル)を作製した。これを正極及び負極間に挟み込んで巻き上げ、更に前記[非水電解液の調製]において調製したホスファゼン誘導体Aを5体積%含有する、ジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):ジエチルカーボネート/エチレンカーボネート=1/1)(非プロトン性有機溶媒)を含浸させて単三型ポリマー電池を作製した。該電池の正極長さは約260mmであった。
<電池特性等の測定・評価>
得られた電池について、25℃において、初期の電池特性(電圧、内部抵抗)を測定・評価した後、下記評価の方法により、充放電サイクル性能を測定・評価した。これらの結果を表1に示す。
−充放電サイクル性能の評価−
上限電圧4.5V、下限電圧3.0V、放電電流100mA、充電電流50mAの条件で、50サイクルまで充放電を繰り返した。この時の充放電の容量を、初期における充放電の容量と比較し、50サイクル後の容量減少率を算出した。合計3本の電池について、同様に測定・算出し、これらの平均値をとり、充放電サイクル性能の評価とした。
<低温放電特性の評価(低温放電容量の測定)>
得られた電池について、常温(25℃)で充電した後、低温(−30℃)で放電し、この時の低温における放電容量を、25℃において充放電を行なった電池における放電容量と比較し、下記式より放電容量減少率を算出した。合計3本の電池について、同様に測定・算出し、これらの平均値をとり、低温放電特性の評価とした。結果を表1に示す。
式:放電容量減少率=
100−(低温放電容量/放電容量(25℃))×100(%)
<高温保存特性の評価:高温試験後の常温放電特性の測定・評価>
得られた電池について、80℃にて10日間保存した後、常温(25℃)にて放電特性(放電容量(mAh/g)、平均放電電圧(V)等)を測定し評価した。結果を表1に示す。また、該放電特性の測定・評価の際、50%放電深度(全容量の50%を放電した状態)における内部抵抗値(25℃、1kHzインピーダンス)を測定し評価したところ、34.6Ωであった。
<デンドライト析出抑制効果の評価>
25℃において、1Cの充放電を30回繰り返し行なった後、電池を分解し、正極及び負極の内側表面を目視により観察したところ、特にリチウムの析出は無く変化は無かった。
(比較例1)
実施例1の「非水電解液の調製」において、ジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):ジエチルカーボネート/エチレンカーボネート=1/1)(非プロトン性有機溶媒)の量を50mlに変え、ホスファゼン誘導体Aを添加しなかったほかは、実施例1と同様に非水電解液の調製、ポリマー電解質の作製、ポリマー電池の作製を行い、自己消火性、難燃性乃至不燃性、初期の電池特性(電圧、内部抵抗)、充放電サイクル性能、低温放電特性、及び高温保存特性をそれぞれ測定・評価した。結果を表1に示す。尚、高温保存特性の評価において、放電特性の測定・評価の際、50%放電深度(全容量の50%を放電した状態)における内部抵抗値(25℃、1kHzインピーダンス)を測定し評価したところ、89.5Ωであった。
更に、実施例1と同様にして、デンドライト析出抑制効果を評価したところ、負極表面にはリチウム結晶(デンドライト)の成長が確認された。また正極表面には、粒状リチウムの析出による細かな凹凸が観察された。
(実施例2)
実施例1の「非水電解液の調製」において、ホスファゼン誘導体Aに代え、ホスファゼン誘導体B(環状EO/F型ホスファゼン誘導体(前記一般式(2)において、n=3、全Rにおけるエトキシ基(EO)及びフッ素(F)の比(EO/F比)=1/5)、粘度1.1mPa・s(1.1cP))を添加したほかは、実施例1と同様に非水電解液の調製、ポリマー電解質の作製、ポリマー電池の作製を行い、自己消火性、難燃性乃至不燃性、初期の電池特性(電圧、内部抵抗)、充放電サイクル性能、低温放電特性、及び高温保存特性をそれぞれ測定・評価した。結果を表1に示す。尚、高温保存特性の評価において、放電特性の測定・評価の際、50%放電深度(全容量の50%を放電した状態)における内部抵抗値(25℃、1kHzインピーダンス)を測定し評価したところ、28.3Ωであった。
更に、実施例1と同様にして、デンドライト析出抑制効果を評価したところ、正極及び負極の内側表面にリチウムの析出は無く変化は無かった。
(実施例3)
実施例1の「非水電解液の調製」において、ホスファゼン誘導体Aに代え、ホスファゼン誘導体C(環状nPO/F型ホスファゼン誘導体(前記一般式(2)において、n=3、全Rにおけるn−プロポキシ基(nPO)及びフッ素(F)の比(nPO/F比)=1/5)、粘度1.1mPa・s(1.1cP))を添加したほかは、実施例1と同様に非水電解液の調製、ポリマー電解質の作製、ポリマー電池の作製を行い、自己消火性、難燃性乃至不燃性、初期の電池特性(電圧、内部抵抗)、充放電サイクル性能、低温放電特性、及び高温保存特性をそれぞれ測定・評価した。結果を表1に示す。尚、高温保存特性の評価において、放電特性の測定・評価の際、50%放電深度(全容量の50%を放電した状態)における内部抵抗値(25℃、1kHzインピーダンス)を測定し評価したところ、23.4Ωであった。
更に、実施例1と同様にして、デンドライト析出抑制効果を評価したところ、正極及び負極の内側表面にリチウムの析出は無く変化は無かった。
(実施例4)
実施例1の「非水電解液の調製」において、ホスファゼン誘導体Aに代え、ホスファゼン誘導体D(鎖状EO型ホスファゼン誘導体(前記一般式(1)において、Xが前記一般式(3)で表される有機基(A)の構造であり、Y〜Y及びY〜Yが総て単結合であり、R〜R及びR〜Rが総てエトキシ基であり、Zが酸素である化合物)、粘度4.9mPa・s(4.9cP))を添加したほかは、実施例1と同様に非水電解液の調製、ポリマー電解質の作製、ポリマー電池の作製を行い、自己消火性、難燃性乃至不燃性、初期の電池特性(電圧、内部抵抗)、充放電サイクル性能、低温放電特性、及び高温保存特性をそれぞれ測定・評価した。結果を表1に示す。尚、高温保存特性の評価において、放電特性の測定・評価の際、50%放電深度(全容量の50%を放電した状態)における内部抵抗値(25℃、1kHzインピーダンス)を測定し評価したところ、35.1Ωであった。
更に、実施例1と同様にして、デンドライト析出抑制効果を評価したところ、正極及び負極の内側表面にリチウムの析出は無く変化は無かった。
(実施例5)
実施例1の「非水電解液の調製」において、ホスファゼン誘導体Aに代え、ホスファゼン誘導体E(環状AO/F型ホスファゼン誘導体(前記一般式(2)において、n=3、全Rにおけるアリロキシ基(−O−CH−CH=CH)(AO)及びフッ素(F)の比(AO/F比)=1/5)、粘度1.2mPa・s(1.2cP))を添加したほかは、実施例1と同様に非水電解液の調製、ポリマー電解質の作製、ポリマー電池の作製を行い、自己消火性、難燃性乃至不燃性、初期の電池特性(電圧、内部抵抗)、充放電サイクル性能、低温放電特性、及び高温保存特性をそれぞれ測定・評価した。結果を表1に示す。尚、高温保存特性の評価において、放電特性の測定・評価の際、50%放電深度(全容量の50%を放電した状態)における内部抵抗値(25℃、1kHzインピーダンス)を測定し評価したところ、26.7Ωであった。
更に、実施例1と同様にして、デンドライト析出抑制効果を評価したところ、正極及び負極の内側表面にリチウムの析出は無く変化は無かった。
Figure 2003005478
産業上の利用可能性
本発明によれば、電池として必要な電池特性等を維持しつつ、自己消火性又は難燃性、安定性、低温放電特性及び高温保存特性に優れ、電解液の液漏れが無く、小型・薄型化が可能で、各種機器への組み込みが容易なポリマー電池、及び、該ポリマー電池に好適に用いられるポリマー電解質を提供することができる。
【0003】
題とする。即ち、本発明は、電池として必要な電池特性等を維持しつつ、自己消火性又は難燃性、安定性、低温放電特性、及び高温保存特性に優れ、電解液の液漏れが無く、小型・薄型化が可能で、各種機器への組み込みが容易なポリマー電池、及び該ポリマー電池に好適に用いられるポリマー電解質を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
1. 正極と、負極と、ポリマー、支持塩及び25℃において液体のホスファゼン誘導体を含むポリマー電解質とを有することを特徴とするポリマー電池である。
2. 前記ホスファゼン誘導体が、下記一般式(1)及び(2)の少なくとも何れかで表される前記1項に記載のポリマー電池である。
Figure 2003005478
(式中、R、R及びRは、一価の置換基又はハロゲン元素を表す。Xは、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、酸素、イオウ、セレン、テルル及びポロニウムからなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む基を表す。Y、Y及びYは、2価の連結基、2価の元素又は単結合を表す。)
(PNR ・・・ 一般式(2)
(式中、Rは一価の置換基又はハロゲン元素で、nは3〜14を表す。)
3. 前記ホスファゼン誘導体が、分子構造内にリン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基を有することを特徴とする前記1又は2項に記載のポリマー電池である。
【0004】
4. 前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合が、炭素原子−炭素原子間多重結合である前記3項に記載のポリマー電池である。
5. 前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合が、二重結合である前記3又は4項に記載のポリマー電池である。
6. 前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基が、アリル基及びビニル基の少なくとも何れかである前記3項に記載のポリマー電池である。
7. 前記負極の表面粗さ(Ra)が0.6mm以下である前記1項に記載のポリマー電池である。
8. 前記ポリマーが、ポリエチレンオキシド、ポリアクリレート及びポリプロピレンオキシドの少なくとも何れかである前記1項に記載のポリマー電池である。
9. 前記ポリマーの重量平均分子量が、10万以上である前記1又は8項に記載のポリマー電池である。
10. 前記ポリマーの重量平均分子量が、500万以上である前記9項に記載のポリマー電池である。
11. 前記ポリマー電解質において、ポリマー及び支持塩の総量に対するポリマーの量が、80〜95質量%である前記1項に記載のポリマー電池である。
12. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも0.5質量%である前記1項に記載のポリマー電池である。
13. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも2質量%である前記12項に記載のポリマー電池である。
14. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも2.5質量%である前記13項に記載のポリマー電池である。
15. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも3質量%である前記14項に記載のポリマー電池である。
16. ポリマー、支持塩及び25℃において液体のホスファゼン誘導体を含み、ポリマー電池に用いられることを特徴とするポリマー電解質である。

Claims (16)

  1. 正極と、負極と、ポリマー、支持塩及びホスファゼン誘導体を含むポリマー電解質とを有することを特徴とするポリマー電池。
  2. 前記ホスファゼン誘導体が、下記一般式(1)及び(2)の少なくとも何れかで表される請求項1に記載のポリマー電池。
    Figure 2003005478
    (式中、R、R及びRは、一価の置換基又はハロゲン元素を表す。Xは、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、酸素、イオウ、セレン、テルル及びポロニウムからなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む基を表す。Y、Y及びYは、2価の連結基、2価の元素又は単結合を表す。)
    Figure 2003005478
    (式中、Rは一価の置換基又はハロゲン元素で、nは3〜14を表す。)
  3. 前記ホスファゼン誘導体が、分子構造内にリン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマー電池。
  4. 前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合が、炭素原子−炭素原子間多重結合である請求項3に記載のポリマー電池。
  5. 前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合が、二重結合である請求項3又は4に記載のポリマー電池。
  6. 前記リン原子−窒素原子間多重結合以外の多重結合を含む基が、アリル基及びビニル基の少なくとも何れかである請求項3に記載のポリマー電池。
  7. 前記負極の表面粗さ(Ra)が0.6mm以下である請求項1に記載のポリマー電池。
  8. 前記ポリマーが、ポリエチレンオキシド、ポリアクリレート及びポリプロピレンオキシドの少なくとも何れかである請求項1に記載のポリマー電池。
  9. 前記ポリマーの重量平均分子量が、10万以上である請求項1又は8に記載のポリマー電池。
  10. 前記ポリマーの重量平均分子量が、500万以上である請求項9に記載のポリマー電池。
  11. 前記ポリマー電解質において、ポリマー及び支持塩の総量に対するポリマーの量が、80〜95質量%である請求項1に記載のポリマー電池。
  12. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも0.5質量%である請求項1に記載のポリマー電池。
  13. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも2質量%である請求項12に記載のポリマー電池。
  14. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも2.5質量%である請求項13に記載のポリマー電池。
  15. 前記ポリマー電解質におけるホスファゼン誘導体の含有量が、少なくとも3質量%である請求項14に記載のポリマー電池。
  16. ポリマー、支持塩及びホスファゼン誘導体を含み、ポリマー電池に用いられることを特徴とするポリマー電解質。
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