JPWO2003002408A1 - 操舵装置 - Google Patents
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Abstract
操舵輪(20、120、220)側から舵(30、130、230)側へ操舵の制御量を伝達する伝達ライン(L1、L3)の少なくとも一部をワイヤ等の操舵用ケーブルで構成すると共に、操舵輪の操作による制御量を伝達ラインの進退動作によって舵側に伝へて操舵を行うようにした操舵装置であって、補助力供給手段(70、170、270)を付加して設けると共に、前記伝達ラインにはその途中に仲介リンク桿(60、160、260)を介在して設け、該仲介リンク桿に対して前記伝達ラインの他に前記補助力供給手段側からの補助力の伝達ライン(L2)を連結し、これによって前記操舵輪側からの手動力と補助力供給手段側からの補助力との合力で仲介リンク桿を進退させ、操舵を行うようにした。
Description
技術分野
本発明は操舵装置に関する。更に詳しくは、主として中・小型用の船舶の操舵装置として好ましく用いることができる操舵装置に関する。
背景技術
モータボートやその他のレジャーボート等の中・小型用の船舶に一般的に用いられる操舵装置として、操舵輪での操作をワイヤ等の操舵用ケーブルを用いて舵側に伝達する機構としたものがある。
第9図に操舵用ケーブルを用いた従来の操舵装置の典型例を示す。
ボート等の船舶1には、運転用の操舵輪2が設けられている。また操舵輪2とは離れた船舶の後端部に舵3が設けられている。そして操舵輪2側と舵3側との間は、ワイヤ等の操舵用ケーブルからなる伝達ライン4で繋がれている。
前記舵3は、この例ではエンジン3a、スクリュー3bを備えた船外機である。
今、運転者によって操舵輪2が操作されると、その操作によって伝達ライン4が繰り出され或いは繰り込まれて、進退する。伝達ライン4はガイド5のロッド6に連結されており、伝達ライン4の進退に伴ってロッド6が進退する。このロッド6の進退により連接棒7を介してレバー8が左右に動かされ、舵3(船外機)の向きが変更される。
上記のように、操舵輪2の操作による制御量を操舵用ケーブル等の伝達ライン4の進退量として舵3に伝え、操舵を行う方式は、設備自体を非常に簡易で低コストに構成することができる利点がある。また伝達ライン4は操舵用ケーブル等の可撓性のある材料を用いることができるので、より自由度の大きい配線が可能となる。よって操舵装置の配線を他の設備の邪魔にならないように、迂回させて取り付けることができるという利点がある。
ところが、上記のような操舵用ケーブルを用いた手動の操舵装置においては、運転者の手動力だけで操舵輪2を操作して舵4を動かす必要があることから、力の弱い女性等が運転するのには、あまり向いていないという問題があった。
また操舵に必要な手動力が大きいことから、船舶の規模が大きくなると手動力では操舵が困難となってくる。その結果として、船舶の規模がある程度以下に限定され、それ以上に大型化することができないという問題があった。
そこで本発明は上記従来の操舵装置における欠点を解消し、ワイヤ等の操舵用ケーブルを用いた操舵装置における構成の簡便性や低コスト性或いは配線の容易性等の利点を保持しながら、しかも運転者に操舵のための大きな力を要求することなく、軽減された力で操舵ができる操舵装置の提供を目的とする。
加えて、操舵用ケーブルを用いた操舵装置を搭載した船舶において、従来のものよりも、より規模の大きな船舶にまで適用することができる操舵装置の提供を目的とする。
更に、手動操舵による手ごたえも併せて実感することができる操舵装置の提供を目的とする。
勿論、運転者が操舵装置を現実に操作しない限り、決して補助力供給手段だけが加わったりすることのない、安全性が十分に確保された操舵装置の提供を目的とする。
発明の開示
上記目的を達成するため、本発明の操舵装置では、操舵輪側と舵側とを操舵用ケーブル等の伝達ラインで繋ぎ、操舵輪の操作を前記伝達ラインで舵に伝えて操舵を行うという操舵機構を前提としつつ、運転者によって操舵輪操作が開始されると、加わった手動力に応じて従動的に補助力が加わるようにした斬新な操舵装置を提供する。
即ち本発明の操舵装置は、操舵輪側から舵側へ操舵の制御量を伝達する伝達ラインの少なくとも一部をワイヤ等の操舵用ケーブルで構成すると共に、操舵輪の操作による制御量を前記伝達ラインの進退動作によって舵側に伝へて操舵を行うようにした操舵装置であって、操舵輪操作に要する手動力を補うための補助力供給手段を付加して設けると共に、前記伝達ラインにはその途中に仲介リンク桿を介在して設け、該仲介リンク桿に対して操舵輪側からの伝達ラインと前記舵側への伝達ラインとを連結すると共に前記補助力供給手段側から供給される補助力の伝達ラインを連結し、これによって操舵輪側からの手動力と補助力供給手段側からの補助力との合力で前記仲介リンク桿を進退させ、前記操舵輪側からの制御量を舵側に伝達して操舵を行うことを第1の特徴としている。
上記第1の特徴においては、運転者によって加えられた手動力は操舵輪から伝達ラインを介して仲介リンク桿に加わる。加えて補助力供給手段によって供給された補助力が伝達ラインを介して仲介リンク桿に加わる。そして仲介リンク桿において前記手動力と補助力とが合成され、その合力でもって仲介リンク桿が進退される。その進退及び合力が更に伝達ラインを介して舵側に伝達される。
よって運転者は、補助力が加わった時点からは、舵を動かすのに必要な力から補助力を差し引いた手動力を加えるだけでよくなる。これにより運転者は軽い力で操舵を容易に行うことができる。補助力としては一定力の補助力とする他、後述する比例制御による補助力、比例積分制御による補助力、比例積分微分制御による補助力、その他の補助力とすることができる。
また操舵輪側から舵側へ操舵の制御量を伝達する伝達ラインは、少なくともその一部がワイヤ等の操舵用ケーブルで構成されることで、従来の手動操舵装置における利点、即ち、機構、構成が簡便で低コストである利点が得られる。
また伝達ラインが操舵用ケーブルで構成されることで、操舵輪側から舵側へ動力や制御量を伝達するための伝達手段の配置、配線の自由度が大きく、他の重要な設備の邪魔とならないという利点が引き続き得られる。
また手動操舵の手ごたえも実感することができる。
また運転手の手動操作に要する力を軽減することができるので、操舵用ケーブルを用いた操舵装置を搭載した船舶において、従来の船舶の規模より大きな船舶にまで適用を広げることができる。
次に本発明の操舵装置は、上記第1の特徴による構成において、仲介リンク桿に対する操舵輪側からの伝達ラインの連結点と補助力供給手段側からの伝達ラインの連結点とを相互に離間して設け、操舵輪の操作によって両連結点の位置関係に初期状態からの偏差が生じると、前記補助力供給手段に対して前記偏差が解消される方向に補助力を供給するよう指令する制御手段を設けたことを第2の特徴としている。
上記第2の特徴において、仲介リンク桿にそれぞれ連結された操舵輪側からの伝達ラインの連結点と補助力供給手段側からの伝達ラインの連結点との位置関係は、その初期状態においては、ある一定の状態にある。この初期状態から前記操舵輪の手動操作が開始されると、操舵輪側からの伝達ラインの連結点が進退され、その結果、補助力供給手段側からの伝達ラインの連結点との間に位置的な偏差が生じる。偏差が生じると、制御手段は補助力供給手段を働かせて前記偏差が解消される方向に補助力を発生させ、作用させる。ここで偏差が解消される方向は、操舵輪側からの伝達ラインの連結点が移動される方向と同じ方向となり、従って運転者による手動力が加わる方向と同じ方向ということになる。これによって仲介リンク桿には運転者による手動力の他に補助力が同方向に加わることになり、その合力で舵が動かされることになる。よって一旦補助力の付加が開始された後は、該補助力が付加されている限り、運転者は舵を動かすのに必要な力から補助力を差し引いた力で操舵輪を操作すれば十分となり、軽い力で操舵することができることになる。
前記補助力供給手段からの補助力は偏差が生じている限り継続する。
前記偏差は、前記両連結点間における角度差、両連結点間における移動距離差等の位置的偏差を採用することができる。
また本発明の操舵装置は、上記第2の特徴に示す構成において、偏差は、補助力供給手段側からの伝達ラインの連結点と操舵輪側からの伝達ラインの連結点との間に生じる角度偏差として検出することを第3の特徴としている。
この第3の特徴によれば、実際に変化した角度を検出することで、比較的大きな変化をポテンショメータ等を用いた角度偏差検出器により容易に大きな信号として検出することができ、その後の信号処理や制御が簡単に行えるメリットがある。
また本発明の操舵装置は、上記第2の特徴に示す構成において、仲介リンク桿から舵側への伝達ラインの連結点を、操舵輪側から仲介リンク桿への伝達ラインの連結点と補助力供給手段側から仲介リンク桿への伝達ラインの連結点との中間に、位置調節可能に設けてあることを第4の特徴としている。
この第4の特徴によれば、上記第2の特徴による作用効果に加えて、リンク桿に連結される3つの伝達ラインの連結点のうち、仲介リンク桿から力の伝達を受ける連結点(仲介リンク桿から舵側への伝達ラインの連結点)が中間に配置され、仲介リンク桿に力を加える2つの連結点(操舵輪側から仲介リンク桿への伝達ラインの連結点と、補助力供給手段側から仲介リンク桿への伝達ラインの連結点)がその両側に配置されることで、手動力と補助力とによる2つの力を、その中間の位置にある出力点(連結点)に対して両側からバランスよく安定して加えることができる。
仲介リンク桿から力の伝達を受ける連結点(仲介リンク桿から舵側への伝達ラインの連結点)を他の2つの連結点の中間において位置調節可能とすることで、舵を動かすのに必要な全必要力に対して分担すべき手動力と補助力との大小の比と操舵輪を回した際の舵の応答性とを変更調整することができる。即ち、例えば中間の連結点が両側の連結点のちょうど中点にある場合は、舵を動かすのに必要な全必要力に対して手動力と補助力とはちょうど1/2ずつの力を分担すればよい。そして前記中間の連結点が手動力を加える連結点に近くなるほど、全必要力に対して分担すべき手動力は大きくなるが、運転者による操舵輪の操作に対する舵の応答性は速くすることができる。一方、前記中間の連結点が手動力を加える連結点から遠くなるほど、全必要力に対して分担する手動力を小さくすることができる。
以上のように仲介リンク桿から力の伝達を受ける連結点の位置を調節することで、操舵輪操作に対する舵の追従の素早さと、必要な手動力の調節を行うことができる。
また本発明の操舵装置は、上記第2の特徴に示す構成において、補助力供給手段は少なくともモータと減速機と前記モータの回転運動を直線運動に変換する機構を含むことを第5の特徴としている。
この第5の特徴によれば、上記第2の特徴による作用効果に加えて、補助力供給手段のモータで発生された回転力は、減速機によって減速され、更に回転運動が直線運動に変換されて補助力となる。この補助力は、伝達ラインの進退運動として仲介リンク桿に加わる。前記回転運動を直線運動に変換する機構は、例えばラックとピニオンの組み合わせ機構とすることができる。
また本発明の操舵装置は、上記第2〜5の特徴に示す構成において、制御手段による補助力供給手段の制御は、補助力の大きさを偏差の大きさに比例させる比例動作を含むフィードバック制御とすることを第6の特徴としている。
この第6の特徴において、偏差の大きさは、定性的には、運転者が加えた手動力と補助力供給手段から供給された補助力との差が大きいほど大きくなる。従って補助力の大きさを偏差の大きさに比例させるということは、運転者が加えた手動力と補助力との差が大きいほど補助力を大きく増加させるということであり、この補助力の増加によって以後における運転手に必要な手動力が軽減されると共に、運転手による操舵輪の操作量(制御量)と舵の移動量とのギャップがより早く縮小される。
また本発明の操舵装置は、上記第6の特徴に示す構成において、制御手段による補助力供給手段の制御は、偏差を積分して加える積分動作を比例動作に加えたフィードバック制御とすることを第7の特徴としている。
この第7の特徴によれば、上記第6の特徴による比例制御だけの場合に生じ得る定常偏差をなくすことができる。即ち、比例制御だけの場合には定常偏差が生じる場合があり得る。例えば操舵輪の操作が停止された状態において小さな偏差が残っている場合に、その小さな偏差に対応する小さな補助力を加えるだけでは舵側からの抵抗力に抗して舵を動かすことができなくなる場合である。定常偏差が生じると、例えば次回に操舵輪を操作する際に、その初期において操舵輪と舵との位置関係にズレが生じることもあり得る。
偏差を積分して加える積分動作を比例動作に加えることで、前記定常偏差の発生を確実に解消することができる。
また本発明の操舵装置は、上記第7の特徴に示す構成において、制御手段による補助力供給手段の制御は、偏差を微分して加える微分動作を比例動作及び積分動作に加えたフィードバック制御とすることを第8の特徴としている。
この第8の特徴によれば、上記第7の特徴による作用効果に加えて、偏差の変化が大きい場合においても、その偏差の大きな変化に対して好ましく追従して補助力を供給してゆくことができる。
発明を実施するための最良の形態
先ず本発明に係る好ましい操舵装置の一例を、第1図〜第3図に従って説明する。
船舶10の運転部に操舵装置の操舵輪20が設けられ、船舶10の船尾に駆動源を兼ねた舵30が配置されている。操舵輪20側から操舵用ケーブル41が延長されて、ガイド機構50のガイド51内を進退するロッド52に連結されている。そして前記ロッド52は仲介リンク桿60に連結されている。前記操舵用ケーブル41とロッド52とで操舵輪20側から仲介リンク桿60への伝達ラインL1を構成する。
一方、運転者が前記操舵輪20を操作するのに要する手動力を補うための補助力供給手段70が設けられている。この補助力供給手段70側からは補助力を伝達するための伝達用ケーブル42が延長されて、ガイド機構50の他方のガイド53内を進退するロッド54に連結されている。そして前記ロッド54は仲介リンク桿60に連結されている。前記伝達用ケーブル42とロッド54とで補助力供給手段70側から仲介リンク桿60への伝達ラインL2を構成する。
前記仲介リンク桿60から舵30側へは、連接棒81と舵レバー82を介して動きが伝達される。前記連接棒81、舵レバー82は仲介リンク桿60から舵30側への伝達ラインL3を構成する。
90は制御手段であるコントローラである。
前記操舵輪20には、回転運動を直線運動に変換する運動方向変換機構21が設けられている。この運動方向変換機構21は、ラックとピニオンとからなる機構とすることができる。操舵輪20の回転をピニオンが受け、これをラックに伝えることで、前記操舵輪20の回転量、回転方向、回転速度に応じた進退量、進退方向、進退速度でラックが直線運動を行う。このラックに前記操舵用ケーブル41が連結されることで、ラックの直線運動が操舵用ケーブル41に伝わる。即ち、運転者による操舵輪20の回転操作が運動方向変換機構21を介して直線運動として、操舵用ケーブル41及びロッド52からなる伝達ラインL1に伝達される。
前記舵30は、本例の場合には、既述したように船外機とされており、エンジン31とスクリュー32とを有する。そして全体が舵30となっており、舵レバー82の回動作により舵方向が変更される。
前記ガイド機構50は、本例ではフレーム55によって2本のガイド51、53が平行に配され、各ガイド51、53によってロッド52、54が進退自在に設けられた状態とされている。
前記仲介リンク桿60は、加わる力や位置に関する制御量を途中で仲介する仲介機能を果たすリンク桿である。即ち仲介リンク桿60は、前記伝達ラインL1(操舵用ケーブル41、ロッド52)を伝達されてくる手動力及び舵の位置に関する制御量と、前記伝達ラインL2(伝達用ケーブル42、ロッド54)を伝達されてくる補助力及び舵の位置に関する制御量とを受けて、舵30側への伝達ラインL3(連接棒81、舵レバー82)に前記手動力と補助力との合力や舵の位置に関する制御量を伝達する。
伝達ラインL1のロッド52は、その先端近くで前記仲介リンク桿60の第1の固定軸61によって貫通された形で仲介リンク桿60に連結されている。これによってロッド52と仲介リンク桿60とは第1の固定軸61を中心に相互に回動自在とされている。
同様に伝達ラインL2のロッド54も、その先端近くで前記仲介リンク桿60の第2の固定軸62によって貫通された状態で仲介リンク桿60に連結されている。これによってロッド54と仲介リンク桿60とは第2の固定軸62を中心に相互に回動自在とされている。
従って、例えば伝達ラインL2のロッド54は動かず、伝達ラインL1のロッド52だけが進退した場合には、仲介リンク桿60は、時計の針のように、第2の固定軸62を中心に前記進退した量に相当する角度だけ回転する。その結果として、元の状態からの偏差が生じる。
前記伝達ラインL3の構成要素である連接棒81は仲介リンク桿60に連結される。この連接棒81が連結される仲介リンク桿60上の連結点P3の位置は、前記伝達ラインL1のロッド52が連結される仲介リンク桿60上の連結点P1と、伝達ラインL2のロッド54が連結される仲介リンク桿60上の連結点P2との中間である。具体的には、連接棒81は、その基端付近から垂下する差込部81aが仲介リンク桿60に設けられた複数個の嵌合穴63の1つに回動自在に差し込まれて、抜け止めされている。これによって伝達ラインL3の連結点P3は、前記伝達ラインL1の連結点P1と伝達ラインL2の連結点P2との中間に配置されている。
従って仲介リンク桿60が前記ロッド52、54によって動かされると、この仲介リンク桿60の動きに連接棒81が従動される。すると連接棒81に連結された舵レバー82が回動され、この舵レバー82の回動によって舵30が回動される。
前記連接棒81が連結される嵌合穴63は複数個設けられることで、連接棒81の連結点P3の位置を連結点P1に近い位置から遠い位置まで調節をすることができる。なお第3図において、嵌合穴63は4個設けられているが、これに限定されるものではなく、1個以上の適当な数を設けることができる。
前記補助力供給手段70はモータ71、減速機72、クラッチ73、前記モータ71の回転運動を直線運動に変換する運動方向変換機構74を有している。
前記モータ71は直流モータとすることができるが、回転速度の調節が良好にできるものであれば、直流モータに限定されるものではない。
前記運動方向変換機構74は、本例ではラック74aとピニオン74bで構成している。そしてラック74aに固定された接続棒75に前記伝達用ケーブル42が連結されている。前記運動方向変換機構74はモータ71による回転運動を直線運動に変換できるものであれば、前記ラック74aとピニオン74bの組み合わせに限定されるものではない。
前記モータ71が回転されると、その回転が減速機72、クラッチ73、運動方向変換機構74を介して直線運動に変換される。その結果、モータ71による回転補助力が伝達用ケーブル42の進退に変換され、直線的な補助力となる。この補助力は伝達用ケーブル42及びロッド54からなる伝達ラインL2を介して仲介リンク桿60を動かす。
前記クラッチ73は必ずしも設ける必要はないが、これを設けることでモータ71側からの補助力を自在に断接することができる。これにより運転者がクラッチ操作を行うことで、手動力のみの運転と、補助力供給手段70による補助力を利用した運転とを、必要に応じて使い分けることができる。
コントローラ90は補助力供給手段70を制御する手段である。このコントローラ90により、前記直流モータ等のモータ71が回転するのを適当に制御することで、所望の補助力を供給することができる。このコントローラ90は、より具体的には、偏差検出器91(第3図参照)によって検出された2つの連結点P1とP2との間の偏差を信号ライン92を経て入力し、その偏差に応じた制御量でモータ71の回転方向、回転速度を制御する。
前記偏差検出器91は、仲介リンク桿60の2つの連結点P1とP2の位置的関係が初期状態から変化した場合に、それによって生じた両連結点P1、P2間の偏差を検出するものである。この偏差検出器91は、本例では両連結点P1、P2間の角度偏差を検出する角度偏差検出器として設けられている。第3図に示すように、偏差検出器91は第2の固定軸62の部分に設けて、該第2の固定軸62の初期状態からの回転角を検出するようにされている。
93はバッテリーである。このバッテリー93によって必要な電力がコントローラ90及びモータ71に供給される。該バッテリー93は船外機のエンジン31が運転されることによって充電される充電式のバッテリーとするが、これに限定されるものではない。
バッテリー93からモータ71及びコントローラ90への電力供給は、前記船外機のエンジン31がオンされると自動スイッチ94、95がオンされて電源が入り、またエンジン31がオフされると自動スイッチ94、95がオフされて電源が切れるようにすることができる。勿論、コントローラ90の電源はモータ71の電源よりも早くオンし、モータ71の電源オフより遅くオフするようにしてもよい。
またバッテリー93からの電力供給ラインに、前記クラッチ73と連動した図示しない手動開閉スイッチを設けるようにしてもよい。手動開閉スイッチを設けることで、補助力供給手段を利用しない手動力だけの運転をする場合には、補助力供給手段への電源も切った状態とすることができる。
第4図を参照して、操舵装置の機構及び動作の原理を更に説明する。
今、第4図の実線で示す仲介リンク桿60の姿勢、即ち仲介リンク桿60上の3つの連結点P1、P2、P3が図面上において垂直線Y1上にある状態を、初期状態とする。そしてこの初期状態から運転者によって操舵輪20の操作が開始されると、操舵輪20の回動に伴って運動方向変換機構21を介して操舵用ケーブル41等からなる伝達ラインL1が進退される(図面上では矢印方向に進出される)。これによって仲介リンク桿60の連結点P1が前記進退量に応じた距離d1だけ進退する。この時には補助力供給手段70からの補助力は未だ連結点P2には加わっていないので、補助力供給手段70側からの伝達ラインL2の連結点P2は不動である。よって連結点P1と連結点P2との間に偏差が生じる。この偏差は、例えば角度偏差θとしてとらえることができる。この時点では、仲介リンク桿60はY2で示す斜め線に一致し、連結点P1は距離d1を動き、これに追従して舵30側への伝達ラインL3の連結点P3は距離d3だけ(d1>d3)動き、舵30を動かすことになる。また連結点P2は元の位置のままとなる。
前記運転者による操舵輪20の操作によって仲介リンク桿60に角度偏差θが生じると、偏差検出器91がその角度偏差θを検出し、この角度偏差θ情報を信号ライン92を介してコントローラ90に入力する。角度偏差θの発生情報を得たコントローラ90は、補助力供給手段70のモータ71を駆動させ、前記偏差が解消される方向に補助力を発生させる。この補助力は減速機72、クラッチ73、運動方向変換機構74を介して伝達ラインL2に直線的な押動力として伝わり、連結点P2を介して仲介リンク桿60を手動力と同方向に押す。即ち、補助力供給手段70からの補助力が運転者による手動力に加わって、その合力が連結点P3を介して伝達ラインL3に伝わり、舵30を動かす。言い換えれば、前記偏差が生じることで補助力が加わると、その後、運転者は舵30を動かすのに必要な力から補助力を引いた力で操舵輪20を回せばよく、運転者は補助力が加わる分だけ軽い力で操舵輪20を操作することができる。
前記コントローラ90による補助力供給手段70の制御は、前記角度偏差θからなる偏差に補助力が比例するようにしたフィードバック制御とすることができる。即ち偏差が大きくなると、それに比例して加える補助力も大きくなるように制御する。偏差が大きいということは、大まかには、仲介リンク桿60に加わる運転手の手動力に比較して補助力供給手段70からの補助力が小さく、不十分であるということである。従って偏差が大きいほど補助力を大きくするということは、運転者が操舵輪操作に要した手動力が大きいほど補助力を大きくすることであり、運転者の負担する手動力を速やかに軽減するということである。
前記比例動作を用いたフィードバック制御においては、偏差が存在する限り補助力が加えられるので、偏差がゼロになるまで、即ち仲介リンク桿60における各連結点P1、P2、P3が図面上の垂直線Y1上に一致する初期状態になるまで継続されることになる。
運転者によって操舵輪20の操作がなされた後に再び各連結点の関係が初期状態に戻るということは、運転者による操舵輪20の制御量と舵30の移動量との間にギャップがないということである。
一方、比例動作によるフィードバック制御の場合、最終的に角度偏差θが残る場合が生じ得る。この場合には、操舵輪20側からの伝達ラインL1の進退量、即ち舵30に対する制御量に対して舵30側への伝達ラインL3の進退量が、d1−d3の距離だけギャップを持つことになる。
前記最終的に残る偏差は定常偏差であり、比例動作だけによるフィードバック制御を行う場合に発生することがあり得る。即ち、偏差が小さくなると仲介リンク桿60を偏差ゼロに戻そうとする力も小さくなる結果、その力が舵30側からの抵抗に打ち勝てなくなる場合には、定常偏差が生じるのである。
前記定常偏差をなくすためには、偏差を積分して加える積分動作を比例動作に加えればよい。この積分動作を含む比例積分制御(PI制御)により定常偏差をなくし、よって運転者の操舵輪20操作による制御量と舵30の移動量との間にギャップが生じる可能性を確実に解消することができる。
またこれらの比例制御、PI制御に微分項を加えた比例積分微分制御(PID制御)とすることも可能である。
前記中間に置かれる連結点P3の位置は、前記嵌合穴63(第3図参照)等により位置調節を行うことができる。
今、連結点P3の位置を連結点P1と連結点P2との中点にした場合、連結点P3を中心とした回転モーメントを考えると、連結点P3からP1までの距離と連結点P3からP2までの距離が等しくなるので、補助力と手動力とはそれぞれが舵30を動かすのに必要な合力の1/2の力であればよい。即ち、運転者に必要な手動力は舵30を動かすのに必要な力の半分でよいことになる。これによって仲介リンク桿60を安定させた状態で移動させることができる。
同様にして、前記連結点P3を連結点P2側に近づけると、補助力が大きくなり、運転者に必要な手動力はそれだけ軽減される。
一方、前記連結点P3を連結点P1側に近づけると、補助力は小さくなり、運転者に必要な手動力の軽減程度は少なくなる。その代わり、運転者による操舵輪20操作の制御量(伝達ラインL1の進退量)に対する舵30の移動量(正確には伝達ラインL3の進退量)のギャップ(d1−d3)が少なくなり、操舵輪20の操作に対する舵30の追従性を良好に維持することができる。
なお本例では、仲介リンク桿60に生じる偏差を角度偏差θでとらえるようにしたが、伝達ラインL1とL2における初期状態からの移動距離の差をとらえて偏差を検出する等、他の方法で偏差を検出することが可能である。前記角度偏差θを検出する場合には、ポテンショメータ等を用いて比較的容易に正確に偏差をとらえることができる。
本発明に係る好ましい操舵装置の他の一例を、第5図と第6図に従って説明する。
既述した第1〜3図に示す構造においては、仲介リンク桿60を舵30に近い位置に配置し、補助力供給手段70から伝達用ケーブル42を延長して仲介リンク桿60に補助力を伝達するようにした。これに対して第5図と第6図に示す装置においては、仲介リンク桿160を補助力供給手段170の近傍に配置して、前記伝達用ケーブル42を省いている。その一方、仲介リンク桿160から舵130側に操舵用ケーブル143を延長して設けている。
本発明全体においては、他の実施例も含めて、操舵輪の位置及び舵の位置は、それぞれ操舵輪が船舶の前部にある運転部に配置され、舵が船舶の後尾に配置されるように、ほぼ既定の位置に規制される。その一方、それ以外の仲介リンク桿や補助力供給手段等の位置は、操舵輪近くに配したり、舵近くに配したり、或いは操舵輪と舵との中間位置に配する等、自由に設計することができる。
本例では、操舵輪120から仲介リンク桿160に操舵用ケーブル141が延設され、また仲介リンク桿160と舵130との間にも操舵用ケーブル143が延設されて、補助力供給手段170が操舵輪120と舵130との途中に設けられた状態を示している。
船舶110の運転部に操舵輪120が設けられ、この操舵輪120に付随して運動方向変換機構121を設けている。これらは既述した例における操舵輪20、運動方向変換機構21と同じ機構である。また船舶110の後尾に舵130がエンジン131とスクリュー132とを有する船外機として配置されている。これらは既述した舵30、エンジン31、スクリュー32と同じ機構である。
前記操舵輪120側からは操舵用ケーブル141が延長され、この操舵用ケーブル141はガイド151に通されたロッド152に連結され、このロッド152が仲介リンク桿160に連結されている。この連結構造は既述した例と同様に行われる。前記操舵用ケーブル141とロッド152で伝達ラインL1が構成される。この伝達ラインL1の仲介リンク桿160への連結点を、既述の例の場合と同様にP1とする。
前記補助力供給手段170は、モータ171、減速機172、クラッチ173、運動方向変換機構174からなり、運動方向変換機構174はラック174aとピニオン174bからなり、ラック174aには接続棒175が固定されている。これらの機構は既述した補助力供給手段70の場合と同様である。
本例では、前記接続棒175が補助力供給手段170側から仲介リンク桿160への伝達ラインL2を構成する。この伝達ラインL2の場合には、既述の例における伝達用ケーブル42は省いた構成としている。伝達ラインL2の仲介リンク桿160への連結点を、既述の例の場合と同様にP2とする。この連結点P2の軸上に角度偏差θを検出する偏差検出器191が設けられている。偏差検出器191の取り付けは既述した例における偏差検出器91の場合と同様に行うことができる。
前記仲介リンク桿160から舵130側へは、操舵用ケーブル143が延設されて、固定されたガイド156内に通されたロッド157に連結されている。前記ロッド157は連接棒181に連結され、この連接棒181が舵レバー182に連結されている。前記操舵用ケーブル143、ロッド157、連接棒181、舵レバー182が仲介リンク桿160から舵130側への伝達ラインL3を構成する。仲介リンク桿160から伝達ラインL3(実際には操舵用ケーブル143)への連結点を、既述の例の場合と同様にP3とする。この連結点P3の位置は調節可能である。
190はコントローラ、192は偏差検出器191からの信号ライン、193はバッテリー、194、195はそれぞれ自動スイッチである。これらは既述した例におけるコントローラ90、信号ライン92、バッテリー93、自動スイッチ94、95と同じである。
以上の構成からなる本例における操舵動作は、基本的には第4図に従って説明した動作と同様である。今、運転者によって操舵輪120が操作されると、操舵輪120の回転は運動方向変換機構121によって直線運動に変換され、伝達ラインL1の進退運動となって伝達される。この進退運動が連結点P1を介して仲介リンク桿160に加わる。即ち、運転者の操舵輪120操作による手動力が連結点P1を介して仲介リンク桿160に加わる。これによって仲介リンク桿160が連結点P2を中心に回動され、角度偏差θを生じる。この角度偏差θは偏差検出器191によって検出され、信号ライン192を通じてコントローラ190に入力される。コントローラ190は前記偏差を入力すると、補助力供給手段170のモータ171を前記入力した偏差の大きさに比例した回転数に制御する。このモータ171の回転は減速機172、クラッチ173、運動方向変換機構174を介して伝達ラインL2(接続棒175)に伝達され、該伝達ラインL2が前記伝達ラインL1と同方向に進退される。これによって、運転者の操舵輪120操作の手動力に補助力供給手段170からの補助力が連結点P2に加わり、その合力で仲介リンク桿160全体を進退させる。この仲介リンク桿160の進退は連結点P3を介して伝達ラインL3(操舵用ケーブル143)に加わり、該伝達ラインL3を進退する。この伝達ラインL3の進退は実際には連接棒181及び舵レバー182を介して舵130が動く。
補助力が加わることで、運転者は舵130を動かすのに必要な力から補助力を差し引いた手動力で操舵輪120を動かすことが可能となる。よって運転者による操舵輪120操作に必要な手動力が軽減される。
前記舵130の動作方向は操舵輪120の回転方向により決まり、舵130の動作量は操舵輪120の回転量が制御量となって決まる。
前記コントローラ190による制御は、偏差が解消する方向に補助力を加えるが、その補助力の大きさについては、既述した例の場合と同様、一定の補助力を与えるようにしてもよいし、偏差に比例した補助力を比例項としたフィードバック制御としてもよい。更に偏差の積分を積分項として前記比例項に加えるPI制御からなるフィードバック制御としてもよい。またこれらの比例制御、PI制御に微分項を加えた比例積分微分制御(PID制御)とすることも可能である。
勿論、既述したように、連結点P3の位置を連結点P2に近くすることで手動力に対する補助力の割合を大きくすることができる。同様に連結点P3の位置を連結点P1に近くすることで、操舵輪120操作に対する舵130の応答性をよくすることができる。
本発明に係る好ましい操舵装置の更に他の一例を、第7図と第8図に従って説明する。
本例においては、仲介リンク桿260や補助力供給手段270を操舵輪220のある船舶210の運転部付近に集合させた構成としている。
また本例では、操舵輪220に付随する運動方向変換機構221に接続棒222を介して仲介リンク桿260を連結させている。即ち、接続棒222が第4図で説明した伝達ラインL1を構成し、また接続棒222と仲介リンク桿260との連結点が連結点P1を構成する。本例では第1図や第5図に示す例における操舵用ケーブル41、141、伝達用ケーブル42が省かれており、操舵用ケーブル243だけを用いた構成としている。
前記運動方向変換機構221は、既述の例と同様にラック221aとピニオン221bからなり、ラック221aに前記接続棒222が固定して取り付けられている。
補助力供給手段270は、第5図と第6図で説明した既述の例の場合と同じ構成とすることができる。即ち、モータ271、減速機272、クラッチ273、運動方向変換機構274からなる。運動方向変換機構274はラック274aとピニオン274bからなり、ラック274aには接続棒275が固定されている。これらの機構は既述した補助力供給手段170の場合と同様である。本例では、前記接続棒275が補助力供給手段270側から仲介リンク桿260への伝達ラインL2を構成し、接続棒275と仲介リンク桿260との連結点が連結点P2を構成する。この連結点P2の軸上に角度偏差θを検出する偏差検出器291が設けられている。偏差検出器291の取り付けは、第3図で既述した例における偏差検出器91の場合と同様に行うことができる。
前記仲介リンク桿260から舵230側へは、操舵用ケーブル243が延設され、固定されたガイド256内に通されたロッド257に連結されている。前記ロッド257は連接棒281に連結され、この連接棒281が舵レバー282に連結されている。前記操舵用ケーブル243、ロッド257、連接棒281、舵レバー282が仲介リンク桿260から舵230側への伝達ラインL3を構成する。仲介リンク桿260から伝達ラインL3(実際には操舵用ケーブル243)への連結点を、既述の例の場合と同様にP3とする。この連結点P3の位置は調節可能である。
290はコントローラ、292は偏差検出器291からの信号ライン、293はバッテリー、294、295はそれぞれ自動スイッチである。これらは既述した例におけるコントローラ90、190、信号ライン92、192、バッテリー93、193、自動スイッチ94、194、95、195と同じである。
船舶210の後尾に舵230がエンジン231とスクリュー232とを有する船外機として配置されている。これらは既述した例と同じ機構である。
以上の構成からなる本例における操舵動作は、基本的には既述した例に置ける動作と同様である。今、運転者によって操舵輪220が操作されると、操舵輪220の回転は運動方向変換機構221によって直線運動に変換され、伝達ラインL1(接続棒222)の進退運動となって伝達される。この進退運動が連結点P1を介して仲介リンク桿260に加わる。即ち、運転者の操舵輪220操作による手動力が接続棒222、連結点P1を介して仲介リンク桿260に加わる。これによって仲介リンク桿260が連結点P2を中心に回動され、角度偏差θが生じる。この角度偏差θは偏差検出器291によって検出され、信号ライン292を通じてコントローラ290に入力される。コントローラ290は前記偏差が入力されると、補助力供給手段270のモータ271を前記入力された偏差の大きさに比例した回転数に制御する。このモータ271の回転は減速機272、クラッチ273、運動方向変換機構274を介して伝達ラインL2(接続棒275)に伝達され、該伝達ラインL2(接続棒275)が前記伝達ラインL1と同方向に進退される。これによって運転者の操舵輪220の操作による手動力に、補助力供給手段270からの補助力が連結点P2に加わり、その合力で仲介リンク桿260全体を進退させる。この仲介リンク桿260の進退は連結点P3を介して伝達ラインL3(操舵用ケーブル243)に加わり、該伝達ラインL3を進退させる。この伝達ラインL3の進退により、連接棒281及び舵レバー282を介して舵230が動く。
前記コントローラ290による制御は、偏差が解消する方向に補助力を加えるが、その補助力の大きさについては、既述した例の場合と同様、一定の補助力を与えるようにしてもよいし、偏差に比例した補助力を比例項としたフィードバック制御としてもよい。更に偏差の積分を積分項として前記比例項に加えるPI制御からなるフィードバック制御としてもよい。またこれらの比例制御、PI制御に微分項を加えた比例積分微分制御(PID制御)とすることも可能である。
上記した本発明の各例において、操舵輪20、120、220は輪に限定されるものではなく、要するに船を操縦するためのハンドルであればよい。本発明における操舵輪20、120、220は、そのような輪を始めとして種々の形状のものを含めた操縦手段を意味するものとする。
また上記した本発明の各例においては、舵30、130、230はエンジン31、131、231とスクリュー32、132、232からなる必要はない。勿論、舵30、130、230の具体的な形状は限定されるものではなく、要するに舵の機能を果たすものであればよい。
また上記した各例において、操舵用ケーブル41、141、143、243及び伝達用ケーブル42は、ワイヤで構成することができる。このケーブルは、要するに操舵輪の回転方向及び回転量を進退方向、進退量として伝えることができると共に、それ自身が適当に湾曲できる可撓性を有する線材を意味する。前記のようなケーブルを用いることで、操舵輪の動きを簡単に舵に伝えることができ、低コストの操舵機構を構成することができる。またケーブルの持つ大きな配線の自由度により、他の設備の邪魔にならないように、操舵輪から離れた舵までを配線できる利点がある。
また上記した各例において、仲介リンク桿60、160、260は、要するに操舵輪側からの手動力と補助力供給手段側からの補助力との2つの力と制御量(操舵量)とを受けて、その合力と制御量を舵側に伝える役割をなすものとして、一種のリンク機構の仲介リンクとしての機能を果たしている。従って、このような役割を果たすものは仲介リンク桿の範疇に属するものとする。
また上記した各例において、補助力供給手段70、170、270は、要するに補助力を提供するものであればよく、補助力源として回転モータである必要はなく、伝達ラインL2に直線的な力を加えられるものであればよい。
産業上の利用の可能性
本発明の操舵装置は、操舵輪での操舵力、操舵量をワイヤ等の操舵ケーブルによって船尾の舵に伝えるようにした、いわゆるワイヤ方式の操舵装置の分野において、従来は運転者の手動力にのみ頼って運転しなければならなかったのを、その手動力を十分に軽減することを可能とした。従って運転者が、例えば力が弱い女性であっても、運転が可能となり、レジャーボート等としての利用者の範囲を広げることができる。また一方、補助力の付加によって同じ手動力でより大きな操舵力を供給することができるので、この種ワイヤ方式の操舵装置を採用できる船舶の規模を従来よりも大きくすることができる。
また船の規模が大きい場合には油圧を用いた操舵装置が使用されることになるが、油圧操舵装置の場合には油を使用するため海水を汚染する問題を含んでおり、且つエネルギー効率の劣る等の欠点もあった。本発明の操舵装置によれば、従来の技術では油圧操舵とすべき船の規模の一部を、ワイヤー方式に置き換えることが可能となる。よって前記の環境問題やエネルギー効率の問題に対する対策としても好ましく利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図に本発明に係る好ましい操舵装置の例を示す。
第1図〜第3図は本発明の第1の形態に関し、第1図は船舶に操舵装置を搭載した状態を示す概略図、第2図は操舵装置の構成図で、(A)は全体図、(B)は運動方向変換機構付近の側面図、第3図は仲介リンク桿付近の詳細図で、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A断面図である。
第4図は本発明の操舵装置の動作機構を説明するためのモデル化された機構図である。
第5図〜第6図は本発明の第2の形態に関し、第5図は船舶に操舵装置を搭載した状態を示す概略図、第6図は操舵装置の構成図で、(A)は全体図、(B)は運動方向変換機構付近の側面図である。
第7図〜第8図は本発明の第3の形態に関し、第7図は船舶に操舵装置を搭載した状態を示す概略図、第8図は操舵装置の構成図で、(A)は全体図、(B)は運動方向変換機構付近の側面図である。
第9図は従来の手動式の操舵装置の例を示す概略図である。
本発明は操舵装置に関する。更に詳しくは、主として中・小型用の船舶の操舵装置として好ましく用いることができる操舵装置に関する。
背景技術
モータボートやその他のレジャーボート等の中・小型用の船舶に一般的に用いられる操舵装置として、操舵輪での操作をワイヤ等の操舵用ケーブルを用いて舵側に伝達する機構としたものがある。
第9図に操舵用ケーブルを用いた従来の操舵装置の典型例を示す。
ボート等の船舶1には、運転用の操舵輪2が設けられている。また操舵輪2とは離れた船舶の後端部に舵3が設けられている。そして操舵輪2側と舵3側との間は、ワイヤ等の操舵用ケーブルからなる伝達ライン4で繋がれている。
前記舵3は、この例ではエンジン3a、スクリュー3bを備えた船外機である。
今、運転者によって操舵輪2が操作されると、その操作によって伝達ライン4が繰り出され或いは繰り込まれて、進退する。伝達ライン4はガイド5のロッド6に連結されており、伝達ライン4の進退に伴ってロッド6が進退する。このロッド6の進退により連接棒7を介してレバー8が左右に動かされ、舵3(船外機)の向きが変更される。
上記のように、操舵輪2の操作による制御量を操舵用ケーブル等の伝達ライン4の進退量として舵3に伝え、操舵を行う方式は、設備自体を非常に簡易で低コストに構成することができる利点がある。また伝達ライン4は操舵用ケーブル等の可撓性のある材料を用いることができるので、より自由度の大きい配線が可能となる。よって操舵装置の配線を他の設備の邪魔にならないように、迂回させて取り付けることができるという利点がある。
ところが、上記のような操舵用ケーブルを用いた手動の操舵装置においては、運転者の手動力だけで操舵輪2を操作して舵4を動かす必要があることから、力の弱い女性等が運転するのには、あまり向いていないという問題があった。
また操舵に必要な手動力が大きいことから、船舶の規模が大きくなると手動力では操舵が困難となってくる。その結果として、船舶の規模がある程度以下に限定され、それ以上に大型化することができないという問題があった。
そこで本発明は上記従来の操舵装置における欠点を解消し、ワイヤ等の操舵用ケーブルを用いた操舵装置における構成の簡便性や低コスト性或いは配線の容易性等の利点を保持しながら、しかも運転者に操舵のための大きな力を要求することなく、軽減された力で操舵ができる操舵装置の提供を目的とする。
加えて、操舵用ケーブルを用いた操舵装置を搭載した船舶において、従来のものよりも、より規模の大きな船舶にまで適用することができる操舵装置の提供を目的とする。
更に、手動操舵による手ごたえも併せて実感することができる操舵装置の提供を目的とする。
勿論、運転者が操舵装置を現実に操作しない限り、決して補助力供給手段だけが加わったりすることのない、安全性が十分に確保された操舵装置の提供を目的とする。
発明の開示
上記目的を達成するため、本発明の操舵装置では、操舵輪側と舵側とを操舵用ケーブル等の伝達ラインで繋ぎ、操舵輪の操作を前記伝達ラインで舵に伝えて操舵を行うという操舵機構を前提としつつ、運転者によって操舵輪操作が開始されると、加わった手動力に応じて従動的に補助力が加わるようにした斬新な操舵装置を提供する。
即ち本発明の操舵装置は、操舵輪側から舵側へ操舵の制御量を伝達する伝達ラインの少なくとも一部をワイヤ等の操舵用ケーブルで構成すると共に、操舵輪の操作による制御量を前記伝達ラインの進退動作によって舵側に伝へて操舵を行うようにした操舵装置であって、操舵輪操作に要する手動力を補うための補助力供給手段を付加して設けると共に、前記伝達ラインにはその途中に仲介リンク桿を介在して設け、該仲介リンク桿に対して操舵輪側からの伝達ラインと前記舵側への伝達ラインとを連結すると共に前記補助力供給手段側から供給される補助力の伝達ラインを連結し、これによって操舵輪側からの手動力と補助力供給手段側からの補助力との合力で前記仲介リンク桿を進退させ、前記操舵輪側からの制御量を舵側に伝達して操舵を行うことを第1の特徴としている。
上記第1の特徴においては、運転者によって加えられた手動力は操舵輪から伝達ラインを介して仲介リンク桿に加わる。加えて補助力供給手段によって供給された補助力が伝達ラインを介して仲介リンク桿に加わる。そして仲介リンク桿において前記手動力と補助力とが合成され、その合力でもって仲介リンク桿が進退される。その進退及び合力が更に伝達ラインを介して舵側に伝達される。
よって運転者は、補助力が加わった時点からは、舵を動かすのに必要な力から補助力を差し引いた手動力を加えるだけでよくなる。これにより運転者は軽い力で操舵を容易に行うことができる。補助力としては一定力の補助力とする他、後述する比例制御による補助力、比例積分制御による補助力、比例積分微分制御による補助力、その他の補助力とすることができる。
また操舵輪側から舵側へ操舵の制御量を伝達する伝達ラインは、少なくともその一部がワイヤ等の操舵用ケーブルで構成されることで、従来の手動操舵装置における利点、即ち、機構、構成が簡便で低コストである利点が得られる。
また伝達ラインが操舵用ケーブルで構成されることで、操舵輪側から舵側へ動力や制御量を伝達するための伝達手段の配置、配線の自由度が大きく、他の重要な設備の邪魔とならないという利点が引き続き得られる。
また手動操舵の手ごたえも実感することができる。
また運転手の手動操作に要する力を軽減することができるので、操舵用ケーブルを用いた操舵装置を搭載した船舶において、従来の船舶の規模より大きな船舶にまで適用を広げることができる。
次に本発明の操舵装置は、上記第1の特徴による構成において、仲介リンク桿に対する操舵輪側からの伝達ラインの連結点と補助力供給手段側からの伝達ラインの連結点とを相互に離間して設け、操舵輪の操作によって両連結点の位置関係に初期状態からの偏差が生じると、前記補助力供給手段に対して前記偏差が解消される方向に補助力を供給するよう指令する制御手段を設けたことを第2の特徴としている。
上記第2の特徴において、仲介リンク桿にそれぞれ連結された操舵輪側からの伝達ラインの連結点と補助力供給手段側からの伝達ラインの連結点との位置関係は、その初期状態においては、ある一定の状態にある。この初期状態から前記操舵輪の手動操作が開始されると、操舵輪側からの伝達ラインの連結点が進退され、その結果、補助力供給手段側からの伝達ラインの連結点との間に位置的な偏差が生じる。偏差が生じると、制御手段は補助力供給手段を働かせて前記偏差が解消される方向に補助力を発生させ、作用させる。ここで偏差が解消される方向は、操舵輪側からの伝達ラインの連結点が移動される方向と同じ方向となり、従って運転者による手動力が加わる方向と同じ方向ということになる。これによって仲介リンク桿には運転者による手動力の他に補助力が同方向に加わることになり、その合力で舵が動かされることになる。よって一旦補助力の付加が開始された後は、該補助力が付加されている限り、運転者は舵を動かすのに必要な力から補助力を差し引いた力で操舵輪を操作すれば十分となり、軽い力で操舵することができることになる。
前記補助力供給手段からの補助力は偏差が生じている限り継続する。
前記偏差は、前記両連結点間における角度差、両連結点間における移動距離差等の位置的偏差を採用することができる。
また本発明の操舵装置は、上記第2の特徴に示す構成において、偏差は、補助力供給手段側からの伝達ラインの連結点と操舵輪側からの伝達ラインの連結点との間に生じる角度偏差として検出することを第3の特徴としている。
この第3の特徴によれば、実際に変化した角度を検出することで、比較的大きな変化をポテンショメータ等を用いた角度偏差検出器により容易に大きな信号として検出することができ、その後の信号処理や制御が簡単に行えるメリットがある。
また本発明の操舵装置は、上記第2の特徴に示す構成において、仲介リンク桿から舵側への伝達ラインの連結点を、操舵輪側から仲介リンク桿への伝達ラインの連結点と補助力供給手段側から仲介リンク桿への伝達ラインの連結点との中間に、位置調節可能に設けてあることを第4の特徴としている。
この第4の特徴によれば、上記第2の特徴による作用効果に加えて、リンク桿に連結される3つの伝達ラインの連結点のうち、仲介リンク桿から力の伝達を受ける連結点(仲介リンク桿から舵側への伝達ラインの連結点)が中間に配置され、仲介リンク桿に力を加える2つの連結点(操舵輪側から仲介リンク桿への伝達ラインの連結点と、補助力供給手段側から仲介リンク桿への伝達ラインの連結点)がその両側に配置されることで、手動力と補助力とによる2つの力を、その中間の位置にある出力点(連結点)に対して両側からバランスよく安定して加えることができる。
仲介リンク桿から力の伝達を受ける連結点(仲介リンク桿から舵側への伝達ラインの連結点)を他の2つの連結点の中間において位置調節可能とすることで、舵を動かすのに必要な全必要力に対して分担すべき手動力と補助力との大小の比と操舵輪を回した際の舵の応答性とを変更調整することができる。即ち、例えば中間の連結点が両側の連結点のちょうど中点にある場合は、舵を動かすのに必要な全必要力に対して手動力と補助力とはちょうど1/2ずつの力を分担すればよい。そして前記中間の連結点が手動力を加える連結点に近くなるほど、全必要力に対して分担すべき手動力は大きくなるが、運転者による操舵輪の操作に対する舵の応答性は速くすることができる。一方、前記中間の連結点が手動力を加える連結点から遠くなるほど、全必要力に対して分担する手動力を小さくすることができる。
以上のように仲介リンク桿から力の伝達を受ける連結点の位置を調節することで、操舵輪操作に対する舵の追従の素早さと、必要な手動力の調節を行うことができる。
また本発明の操舵装置は、上記第2の特徴に示す構成において、補助力供給手段は少なくともモータと減速機と前記モータの回転運動を直線運動に変換する機構を含むことを第5の特徴としている。
この第5の特徴によれば、上記第2の特徴による作用効果に加えて、補助力供給手段のモータで発生された回転力は、減速機によって減速され、更に回転運動が直線運動に変換されて補助力となる。この補助力は、伝達ラインの進退運動として仲介リンク桿に加わる。前記回転運動を直線運動に変換する機構は、例えばラックとピニオンの組み合わせ機構とすることができる。
また本発明の操舵装置は、上記第2〜5の特徴に示す構成において、制御手段による補助力供給手段の制御は、補助力の大きさを偏差の大きさに比例させる比例動作を含むフィードバック制御とすることを第6の特徴としている。
この第6の特徴において、偏差の大きさは、定性的には、運転者が加えた手動力と補助力供給手段から供給された補助力との差が大きいほど大きくなる。従って補助力の大きさを偏差の大きさに比例させるということは、運転者が加えた手動力と補助力との差が大きいほど補助力を大きく増加させるということであり、この補助力の増加によって以後における運転手に必要な手動力が軽減されると共に、運転手による操舵輪の操作量(制御量)と舵の移動量とのギャップがより早く縮小される。
また本発明の操舵装置は、上記第6の特徴に示す構成において、制御手段による補助力供給手段の制御は、偏差を積分して加える積分動作を比例動作に加えたフィードバック制御とすることを第7の特徴としている。
この第7の特徴によれば、上記第6の特徴による比例制御だけの場合に生じ得る定常偏差をなくすことができる。即ち、比例制御だけの場合には定常偏差が生じる場合があり得る。例えば操舵輪の操作が停止された状態において小さな偏差が残っている場合に、その小さな偏差に対応する小さな補助力を加えるだけでは舵側からの抵抗力に抗して舵を動かすことができなくなる場合である。定常偏差が生じると、例えば次回に操舵輪を操作する際に、その初期において操舵輪と舵との位置関係にズレが生じることもあり得る。
偏差を積分して加える積分動作を比例動作に加えることで、前記定常偏差の発生を確実に解消することができる。
また本発明の操舵装置は、上記第7の特徴に示す構成において、制御手段による補助力供給手段の制御は、偏差を微分して加える微分動作を比例動作及び積分動作に加えたフィードバック制御とすることを第8の特徴としている。
この第8の特徴によれば、上記第7の特徴による作用効果に加えて、偏差の変化が大きい場合においても、その偏差の大きな変化に対して好ましく追従して補助力を供給してゆくことができる。
発明を実施するための最良の形態
先ず本発明に係る好ましい操舵装置の一例を、第1図〜第3図に従って説明する。
船舶10の運転部に操舵装置の操舵輪20が設けられ、船舶10の船尾に駆動源を兼ねた舵30が配置されている。操舵輪20側から操舵用ケーブル41が延長されて、ガイド機構50のガイド51内を進退するロッド52に連結されている。そして前記ロッド52は仲介リンク桿60に連結されている。前記操舵用ケーブル41とロッド52とで操舵輪20側から仲介リンク桿60への伝達ラインL1を構成する。
一方、運転者が前記操舵輪20を操作するのに要する手動力を補うための補助力供給手段70が設けられている。この補助力供給手段70側からは補助力を伝達するための伝達用ケーブル42が延長されて、ガイド機構50の他方のガイド53内を進退するロッド54に連結されている。そして前記ロッド54は仲介リンク桿60に連結されている。前記伝達用ケーブル42とロッド54とで補助力供給手段70側から仲介リンク桿60への伝達ラインL2を構成する。
前記仲介リンク桿60から舵30側へは、連接棒81と舵レバー82を介して動きが伝達される。前記連接棒81、舵レバー82は仲介リンク桿60から舵30側への伝達ラインL3を構成する。
90は制御手段であるコントローラである。
前記操舵輪20には、回転運動を直線運動に変換する運動方向変換機構21が設けられている。この運動方向変換機構21は、ラックとピニオンとからなる機構とすることができる。操舵輪20の回転をピニオンが受け、これをラックに伝えることで、前記操舵輪20の回転量、回転方向、回転速度に応じた進退量、進退方向、進退速度でラックが直線運動を行う。このラックに前記操舵用ケーブル41が連結されることで、ラックの直線運動が操舵用ケーブル41に伝わる。即ち、運転者による操舵輪20の回転操作が運動方向変換機構21を介して直線運動として、操舵用ケーブル41及びロッド52からなる伝達ラインL1に伝達される。
前記舵30は、本例の場合には、既述したように船外機とされており、エンジン31とスクリュー32とを有する。そして全体が舵30となっており、舵レバー82の回動作により舵方向が変更される。
前記ガイド機構50は、本例ではフレーム55によって2本のガイド51、53が平行に配され、各ガイド51、53によってロッド52、54が進退自在に設けられた状態とされている。
前記仲介リンク桿60は、加わる力や位置に関する制御量を途中で仲介する仲介機能を果たすリンク桿である。即ち仲介リンク桿60は、前記伝達ラインL1(操舵用ケーブル41、ロッド52)を伝達されてくる手動力及び舵の位置に関する制御量と、前記伝達ラインL2(伝達用ケーブル42、ロッド54)を伝達されてくる補助力及び舵の位置に関する制御量とを受けて、舵30側への伝達ラインL3(連接棒81、舵レバー82)に前記手動力と補助力との合力や舵の位置に関する制御量を伝達する。
伝達ラインL1のロッド52は、その先端近くで前記仲介リンク桿60の第1の固定軸61によって貫通された形で仲介リンク桿60に連結されている。これによってロッド52と仲介リンク桿60とは第1の固定軸61を中心に相互に回動自在とされている。
同様に伝達ラインL2のロッド54も、その先端近くで前記仲介リンク桿60の第2の固定軸62によって貫通された状態で仲介リンク桿60に連結されている。これによってロッド54と仲介リンク桿60とは第2の固定軸62を中心に相互に回動自在とされている。
従って、例えば伝達ラインL2のロッド54は動かず、伝達ラインL1のロッド52だけが進退した場合には、仲介リンク桿60は、時計の針のように、第2の固定軸62を中心に前記進退した量に相当する角度だけ回転する。その結果として、元の状態からの偏差が生じる。
前記伝達ラインL3の構成要素である連接棒81は仲介リンク桿60に連結される。この連接棒81が連結される仲介リンク桿60上の連結点P3の位置は、前記伝達ラインL1のロッド52が連結される仲介リンク桿60上の連結点P1と、伝達ラインL2のロッド54が連結される仲介リンク桿60上の連結点P2との中間である。具体的には、連接棒81は、その基端付近から垂下する差込部81aが仲介リンク桿60に設けられた複数個の嵌合穴63の1つに回動自在に差し込まれて、抜け止めされている。これによって伝達ラインL3の連結点P3は、前記伝達ラインL1の連結点P1と伝達ラインL2の連結点P2との中間に配置されている。
従って仲介リンク桿60が前記ロッド52、54によって動かされると、この仲介リンク桿60の動きに連接棒81が従動される。すると連接棒81に連結された舵レバー82が回動され、この舵レバー82の回動によって舵30が回動される。
前記連接棒81が連結される嵌合穴63は複数個設けられることで、連接棒81の連結点P3の位置を連結点P1に近い位置から遠い位置まで調節をすることができる。なお第3図において、嵌合穴63は4個設けられているが、これに限定されるものではなく、1個以上の適当な数を設けることができる。
前記補助力供給手段70はモータ71、減速機72、クラッチ73、前記モータ71の回転運動を直線運動に変換する運動方向変換機構74を有している。
前記モータ71は直流モータとすることができるが、回転速度の調節が良好にできるものであれば、直流モータに限定されるものではない。
前記運動方向変換機構74は、本例ではラック74aとピニオン74bで構成している。そしてラック74aに固定された接続棒75に前記伝達用ケーブル42が連結されている。前記運動方向変換機構74はモータ71による回転運動を直線運動に変換できるものであれば、前記ラック74aとピニオン74bの組み合わせに限定されるものではない。
前記モータ71が回転されると、その回転が減速機72、クラッチ73、運動方向変換機構74を介して直線運動に変換される。その結果、モータ71による回転補助力が伝達用ケーブル42の進退に変換され、直線的な補助力となる。この補助力は伝達用ケーブル42及びロッド54からなる伝達ラインL2を介して仲介リンク桿60を動かす。
前記クラッチ73は必ずしも設ける必要はないが、これを設けることでモータ71側からの補助力を自在に断接することができる。これにより運転者がクラッチ操作を行うことで、手動力のみの運転と、補助力供給手段70による補助力を利用した運転とを、必要に応じて使い分けることができる。
コントローラ90は補助力供給手段70を制御する手段である。このコントローラ90により、前記直流モータ等のモータ71が回転するのを適当に制御することで、所望の補助力を供給することができる。このコントローラ90は、より具体的には、偏差検出器91(第3図参照)によって検出された2つの連結点P1とP2との間の偏差を信号ライン92を経て入力し、その偏差に応じた制御量でモータ71の回転方向、回転速度を制御する。
前記偏差検出器91は、仲介リンク桿60の2つの連結点P1とP2の位置的関係が初期状態から変化した場合に、それによって生じた両連結点P1、P2間の偏差を検出するものである。この偏差検出器91は、本例では両連結点P1、P2間の角度偏差を検出する角度偏差検出器として設けられている。第3図に示すように、偏差検出器91は第2の固定軸62の部分に設けて、該第2の固定軸62の初期状態からの回転角を検出するようにされている。
93はバッテリーである。このバッテリー93によって必要な電力がコントローラ90及びモータ71に供給される。該バッテリー93は船外機のエンジン31が運転されることによって充電される充電式のバッテリーとするが、これに限定されるものではない。
バッテリー93からモータ71及びコントローラ90への電力供給は、前記船外機のエンジン31がオンされると自動スイッチ94、95がオンされて電源が入り、またエンジン31がオフされると自動スイッチ94、95がオフされて電源が切れるようにすることができる。勿論、コントローラ90の電源はモータ71の電源よりも早くオンし、モータ71の電源オフより遅くオフするようにしてもよい。
またバッテリー93からの電力供給ラインに、前記クラッチ73と連動した図示しない手動開閉スイッチを設けるようにしてもよい。手動開閉スイッチを設けることで、補助力供給手段を利用しない手動力だけの運転をする場合には、補助力供給手段への電源も切った状態とすることができる。
第4図を参照して、操舵装置の機構及び動作の原理を更に説明する。
今、第4図の実線で示す仲介リンク桿60の姿勢、即ち仲介リンク桿60上の3つの連結点P1、P2、P3が図面上において垂直線Y1上にある状態を、初期状態とする。そしてこの初期状態から運転者によって操舵輪20の操作が開始されると、操舵輪20の回動に伴って運動方向変換機構21を介して操舵用ケーブル41等からなる伝達ラインL1が進退される(図面上では矢印方向に進出される)。これによって仲介リンク桿60の連結点P1が前記進退量に応じた距離d1だけ進退する。この時には補助力供給手段70からの補助力は未だ連結点P2には加わっていないので、補助力供給手段70側からの伝達ラインL2の連結点P2は不動である。よって連結点P1と連結点P2との間に偏差が生じる。この偏差は、例えば角度偏差θとしてとらえることができる。この時点では、仲介リンク桿60はY2で示す斜め線に一致し、連結点P1は距離d1を動き、これに追従して舵30側への伝達ラインL3の連結点P3は距離d3だけ(d1>d3)動き、舵30を動かすことになる。また連結点P2は元の位置のままとなる。
前記運転者による操舵輪20の操作によって仲介リンク桿60に角度偏差θが生じると、偏差検出器91がその角度偏差θを検出し、この角度偏差θ情報を信号ライン92を介してコントローラ90に入力する。角度偏差θの発生情報を得たコントローラ90は、補助力供給手段70のモータ71を駆動させ、前記偏差が解消される方向に補助力を発生させる。この補助力は減速機72、クラッチ73、運動方向変換機構74を介して伝達ラインL2に直線的な押動力として伝わり、連結点P2を介して仲介リンク桿60を手動力と同方向に押す。即ち、補助力供給手段70からの補助力が運転者による手動力に加わって、その合力が連結点P3を介して伝達ラインL3に伝わり、舵30を動かす。言い換えれば、前記偏差が生じることで補助力が加わると、その後、運転者は舵30を動かすのに必要な力から補助力を引いた力で操舵輪20を回せばよく、運転者は補助力が加わる分だけ軽い力で操舵輪20を操作することができる。
前記コントローラ90による補助力供給手段70の制御は、前記角度偏差θからなる偏差に補助力が比例するようにしたフィードバック制御とすることができる。即ち偏差が大きくなると、それに比例して加える補助力も大きくなるように制御する。偏差が大きいということは、大まかには、仲介リンク桿60に加わる運転手の手動力に比較して補助力供給手段70からの補助力が小さく、不十分であるということである。従って偏差が大きいほど補助力を大きくするということは、運転者が操舵輪操作に要した手動力が大きいほど補助力を大きくすることであり、運転者の負担する手動力を速やかに軽減するということである。
前記比例動作を用いたフィードバック制御においては、偏差が存在する限り補助力が加えられるので、偏差がゼロになるまで、即ち仲介リンク桿60における各連結点P1、P2、P3が図面上の垂直線Y1上に一致する初期状態になるまで継続されることになる。
運転者によって操舵輪20の操作がなされた後に再び各連結点の関係が初期状態に戻るということは、運転者による操舵輪20の制御量と舵30の移動量との間にギャップがないということである。
一方、比例動作によるフィードバック制御の場合、最終的に角度偏差θが残る場合が生じ得る。この場合には、操舵輪20側からの伝達ラインL1の進退量、即ち舵30に対する制御量に対して舵30側への伝達ラインL3の進退量が、d1−d3の距離だけギャップを持つことになる。
前記最終的に残る偏差は定常偏差であり、比例動作だけによるフィードバック制御を行う場合に発生することがあり得る。即ち、偏差が小さくなると仲介リンク桿60を偏差ゼロに戻そうとする力も小さくなる結果、その力が舵30側からの抵抗に打ち勝てなくなる場合には、定常偏差が生じるのである。
前記定常偏差をなくすためには、偏差を積分して加える積分動作を比例動作に加えればよい。この積分動作を含む比例積分制御(PI制御)により定常偏差をなくし、よって運転者の操舵輪20操作による制御量と舵30の移動量との間にギャップが生じる可能性を確実に解消することができる。
またこれらの比例制御、PI制御に微分項を加えた比例積分微分制御(PID制御)とすることも可能である。
前記中間に置かれる連結点P3の位置は、前記嵌合穴63(第3図参照)等により位置調節を行うことができる。
今、連結点P3の位置を連結点P1と連結点P2との中点にした場合、連結点P3を中心とした回転モーメントを考えると、連結点P3からP1までの距離と連結点P3からP2までの距離が等しくなるので、補助力と手動力とはそれぞれが舵30を動かすのに必要な合力の1/2の力であればよい。即ち、運転者に必要な手動力は舵30を動かすのに必要な力の半分でよいことになる。これによって仲介リンク桿60を安定させた状態で移動させることができる。
同様にして、前記連結点P3を連結点P2側に近づけると、補助力が大きくなり、運転者に必要な手動力はそれだけ軽減される。
一方、前記連結点P3を連結点P1側に近づけると、補助力は小さくなり、運転者に必要な手動力の軽減程度は少なくなる。その代わり、運転者による操舵輪20操作の制御量(伝達ラインL1の進退量)に対する舵30の移動量(正確には伝達ラインL3の進退量)のギャップ(d1−d3)が少なくなり、操舵輪20の操作に対する舵30の追従性を良好に維持することができる。
なお本例では、仲介リンク桿60に生じる偏差を角度偏差θでとらえるようにしたが、伝達ラインL1とL2における初期状態からの移動距離の差をとらえて偏差を検出する等、他の方法で偏差を検出することが可能である。前記角度偏差θを検出する場合には、ポテンショメータ等を用いて比較的容易に正確に偏差をとらえることができる。
本発明に係る好ましい操舵装置の他の一例を、第5図と第6図に従って説明する。
既述した第1〜3図に示す構造においては、仲介リンク桿60を舵30に近い位置に配置し、補助力供給手段70から伝達用ケーブル42を延長して仲介リンク桿60に補助力を伝達するようにした。これに対して第5図と第6図に示す装置においては、仲介リンク桿160を補助力供給手段170の近傍に配置して、前記伝達用ケーブル42を省いている。その一方、仲介リンク桿160から舵130側に操舵用ケーブル143を延長して設けている。
本発明全体においては、他の実施例も含めて、操舵輪の位置及び舵の位置は、それぞれ操舵輪が船舶の前部にある運転部に配置され、舵が船舶の後尾に配置されるように、ほぼ既定の位置に規制される。その一方、それ以外の仲介リンク桿や補助力供給手段等の位置は、操舵輪近くに配したり、舵近くに配したり、或いは操舵輪と舵との中間位置に配する等、自由に設計することができる。
本例では、操舵輪120から仲介リンク桿160に操舵用ケーブル141が延設され、また仲介リンク桿160と舵130との間にも操舵用ケーブル143が延設されて、補助力供給手段170が操舵輪120と舵130との途中に設けられた状態を示している。
船舶110の運転部に操舵輪120が設けられ、この操舵輪120に付随して運動方向変換機構121を設けている。これらは既述した例における操舵輪20、運動方向変換機構21と同じ機構である。また船舶110の後尾に舵130がエンジン131とスクリュー132とを有する船外機として配置されている。これらは既述した舵30、エンジン31、スクリュー32と同じ機構である。
前記操舵輪120側からは操舵用ケーブル141が延長され、この操舵用ケーブル141はガイド151に通されたロッド152に連結され、このロッド152が仲介リンク桿160に連結されている。この連結構造は既述した例と同様に行われる。前記操舵用ケーブル141とロッド152で伝達ラインL1が構成される。この伝達ラインL1の仲介リンク桿160への連結点を、既述の例の場合と同様にP1とする。
前記補助力供給手段170は、モータ171、減速機172、クラッチ173、運動方向変換機構174からなり、運動方向変換機構174はラック174aとピニオン174bからなり、ラック174aには接続棒175が固定されている。これらの機構は既述した補助力供給手段70の場合と同様である。
本例では、前記接続棒175が補助力供給手段170側から仲介リンク桿160への伝達ラインL2を構成する。この伝達ラインL2の場合には、既述の例における伝達用ケーブル42は省いた構成としている。伝達ラインL2の仲介リンク桿160への連結点を、既述の例の場合と同様にP2とする。この連結点P2の軸上に角度偏差θを検出する偏差検出器191が設けられている。偏差検出器191の取り付けは既述した例における偏差検出器91の場合と同様に行うことができる。
前記仲介リンク桿160から舵130側へは、操舵用ケーブル143が延設されて、固定されたガイド156内に通されたロッド157に連結されている。前記ロッド157は連接棒181に連結され、この連接棒181が舵レバー182に連結されている。前記操舵用ケーブル143、ロッド157、連接棒181、舵レバー182が仲介リンク桿160から舵130側への伝達ラインL3を構成する。仲介リンク桿160から伝達ラインL3(実際には操舵用ケーブル143)への連結点を、既述の例の場合と同様にP3とする。この連結点P3の位置は調節可能である。
190はコントローラ、192は偏差検出器191からの信号ライン、193はバッテリー、194、195はそれぞれ自動スイッチである。これらは既述した例におけるコントローラ90、信号ライン92、バッテリー93、自動スイッチ94、95と同じである。
以上の構成からなる本例における操舵動作は、基本的には第4図に従って説明した動作と同様である。今、運転者によって操舵輪120が操作されると、操舵輪120の回転は運動方向変換機構121によって直線運動に変換され、伝達ラインL1の進退運動となって伝達される。この進退運動が連結点P1を介して仲介リンク桿160に加わる。即ち、運転者の操舵輪120操作による手動力が連結点P1を介して仲介リンク桿160に加わる。これによって仲介リンク桿160が連結点P2を中心に回動され、角度偏差θを生じる。この角度偏差θは偏差検出器191によって検出され、信号ライン192を通じてコントローラ190に入力される。コントローラ190は前記偏差を入力すると、補助力供給手段170のモータ171を前記入力した偏差の大きさに比例した回転数に制御する。このモータ171の回転は減速機172、クラッチ173、運動方向変換機構174を介して伝達ラインL2(接続棒175)に伝達され、該伝達ラインL2が前記伝達ラインL1と同方向に進退される。これによって、運転者の操舵輪120操作の手動力に補助力供給手段170からの補助力が連結点P2に加わり、その合力で仲介リンク桿160全体を進退させる。この仲介リンク桿160の進退は連結点P3を介して伝達ラインL3(操舵用ケーブル143)に加わり、該伝達ラインL3を進退する。この伝達ラインL3の進退は実際には連接棒181及び舵レバー182を介して舵130が動く。
補助力が加わることで、運転者は舵130を動かすのに必要な力から補助力を差し引いた手動力で操舵輪120を動かすことが可能となる。よって運転者による操舵輪120操作に必要な手動力が軽減される。
前記舵130の動作方向は操舵輪120の回転方向により決まり、舵130の動作量は操舵輪120の回転量が制御量となって決まる。
前記コントローラ190による制御は、偏差が解消する方向に補助力を加えるが、その補助力の大きさについては、既述した例の場合と同様、一定の補助力を与えるようにしてもよいし、偏差に比例した補助力を比例項としたフィードバック制御としてもよい。更に偏差の積分を積分項として前記比例項に加えるPI制御からなるフィードバック制御としてもよい。またこれらの比例制御、PI制御に微分項を加えた比例積分微分制御(PID制御)とすることも可能である。
勿論、既述したように、連結点P3の位置を連結点P2に近くすることで手動力に対する補助力の割合を大きくすることができる。同様に連結点P3の位置を連結点P1に近くすることで、操舵輪120操作に対する舵130の応答性をよくすることができる。
本発明に係る好ましい操舵装置の更に他の一例を、第7図と第8図に従って説明する。
本例においては、仲介リンク桿260や補助力供給手段270を操舵輪220のある船舶210の運転部付近に集合させた構成としている。
また本例では、操舵輪220に付随する運動方向変換機構221に接続棒222を介して仲介リンク桿260を連結させている。即ち、接続棒222が第4図で説明した伝達ラインL1を構成し、また接続棒222と仲介リンク桿260との連結点が連結点P1を構成する。本例では第1図や第5図に示す例における操舵用ケーブル41、141、伝達用ケーブル42が省かれており、操舵用ケーブル243だけを用いた構成としている。
前記運動方向変換機構221は、既述の例と同様にラック221aとピニオン221bからなり、ラック221aに前記接続棒222が固定して取り付けられている。
補助力供給手段270は、第5図と第6図で説明した既述の例の場合と同じ構成とすることができる。即ち、モータ271、減速機272、クラッチ273、運動方向変換機構274からなる。運動方向変換機構274はラック274aとピニオン274bからなり、ラック274aには接続棒275が固定されている。これらの機構は既述した補助力供給手段170の場合と同様である。本例では、前記接続棒275が補助力供給手段270側から仲介リンク桿260への伝達ラインL2を構成し、接続棒275と仲介リンク桿260との連結点が連結点P2を構成する。この連結点P2の軸上に角度偏差θを検出する偏差検出器291が設けられている。偏差検出器291の取り付けは、第3図で既述した例における偏差検出器91の場合と同様に行うことができる。
前記仲介リンク桿260から舵230側へは、操舵用ケーブル243が延設され、固定されたガイド256内に通されたロッド257に連結されている。前記ロッド257は連接棒281に連結され、この連接棒281が舵レバー282に連結されている。前記操舵用ケーブル243、ロッド257、連接棒281、舵レバー282が仲介リンク桿260から舵230側への伝達ラインL3を構成する。仲介リンク桿260から伝達ラインL3(実際には操舵用ケーブル243)への連結点を、既述の例の場合と同様にP3とする。この連結点P3の位置は調節可能である。
290はコントローラ、292は偏差検出器291からの信号ライン、293はバッテリー、294、295はそれぞれ自動スイッチである。これらは既述した例におけるコントローラ90、190、信号ライン92、192、バッテリー93、193、自動スイッチ94、194、95、195と同じである。
船舶210の後尾に舵230がエンジン231とスクリュー232とを有する船外機として配置されている。これらは既述した例と同じ機構である。
以上の構成からなる本例における操舵動作は、基本的には既述した例に置ける動作と同様である。今、運転者によって操舵輪220が操作されると、操舵輪220の回転は運動方向変換機構221によって直線運動に変換され、伝達ラインL1(接続棒222)の進退運動となって伝達される。この進退運動が連結点P1を介して仲介リンク桿260に加わる。即ち、運転者の操舵輪220操作による手動力が接続棒222、連結点P1を介して仲介リンク桿260に加わる。これによって仲介リンク桿260が連結点P2を中心に回動され、角度偏差θが生じる。この角度偏差θは偏差検出器291によって検出され、信号ライン292を通じてコントローラ290に入力される。コントローラ290は前記偏差が入力されると、補助力供給手段270のモータ271を前記入力された偏差の大きさに比例した回転数に制御する。このモータ271の回転は減速機272、クラッチ273、運動方向変換機構274を介して伝達ラインL2(接続棒275)に伝達され、該伝達ラインL2(接続棒275)が前記伝達ラインL1と同方向に進退される。これによって運転者の操舵輪220の操作による手動力に、補助力供給手段270からの補助力が連結点P2に加わり、その合力で仲介リンク桿260全体を進退させる。この仲介リンク桿260の進退は連結点P3を介して伝達ラインL3(操舵用ケーブル243)に加わり、該伝達ラインL3を進退させる。この伝達ラインL3の進退により、連接棒281及び舵レバー282を介して舵230が動く。
前記コントローラ290による制御は、偏差が解消する方向に補助力を加えるが、その補助力の大きさについては、既述した例の場合と同様、一定の補助力を与えるようにしてもよいし、偏差に比例した補助力を比例項としたフィードバック制御としてもよい。更に偏差の積分を積分項として前記比例項に加えるPI制御からなるフィードバック制御としてもよい。またこれらの比例制御、PI制御に微分項を加えた比例積分微分制御(PID制御)とすることも可能である。
上記した本発明の各例において、操舵輪20、120、220は輪に限定されるものではなく、要するに船を操縦するためのハンドルであればよい。本発明における操舵輪20、120、220は、そのような輪を始めとして種々の形状のものを含めた操縦手段を意味するものとする。
また上記した本発明の各例においては、舵30、130、230はエンジン31、131、231とスクリュー32、132、232からなる必要はない。勿論、舵30、130、230の具体的な形状は限定されるものではなく、要するに舵の機能を果たすものであればよい。
また上記した各例において、操舵用ケーブル41、141、143、243及び伝達用ケーブル42は、ワイヤで構成することができる。このケーブルは、要するに操舵輪の回転方向及び回転量を進退方向、進退量として伝えることができると共に、それ自身が適当に湾曲できる可撓性を有する線材を意味する。前記のようなケーブルを用いることで、操舵輪の動きを簡単に舵に伝えることができ、低コストの操舵機構を構成することができる。またケーブルの持つ大きな配線の自由度により、他の設備の邪魔にならないように、操舵輪から離れた舵までを配線できる利点がある。
また上記した各例において、仲介リンク桿60、160、260は、要するに操舵輪側からの手動力と補助力供給手段側からの補助力との2つの力と制御量(操舵量)とを受けて、その合力と制御量を舵側に伝える役割をなすものとして、一種のリンク機構の仲介リンクとしての機能を果たしている。従って、このような役割を果たすものは仲介リンク桿の範疇に属するものとする。
また上記した各例において、補助力供給手段70、170、270は、要するに補助力を提供するものであればよく、補助力源として回転モータである必要はなく、伝達ラインL2に直線的な力を加えられるものであればよい。
産業上の利用の可能性
本発明の操舵装置は、操舵輪での操舵力、操舵量をワイヤ等の操舵ケーブルによって船尾の舵に伝えるようにした、いわゆるワイヤ方式の操舵装置の分野において、従来は運転者の手動力にのみ頼って運転しなければならなかったのを、その手動力を十分に軽減することを可能とした。従って運転者が、例えば力が弱い女性であっても、運転が可能となり、レジャーボート等としての利用者の範囲を広げることができる。また一方、補助力の付加によって同じ手動力でより大きな操舵力を供給することができるので、この種ワイヤ方式の操舵装置を採用できる船舶の規模を従来よりも大きくすることができる。
また船の規模が大きい場合には油圧を用いた操舵装置が使用されることになるが、油圧操舵装置の場合には油を使用するため海水を汚染する問題を含んでおり、且つエネルギー効率の劣る等の欠点もあった。本発明の操舵装置によれば、従来の技術では油圧操舵とすべき船の規模の一部を、ワイヤー方式に置き換えることが可能となる。よって前記の環境問題やエネルギー効率の問題に対する対策としても好ましく利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図に本発明に係る好ましい操舵装置の例を示す。
第1図〜第3図は本発明の第1の形態に関し、第1図は船舶に操舵装置を搭載した状態を示す概略図、第2図は操舵装置の構成図で、(A)は全体図、(B)は運動方向変換機構付近の側面図、第3図は仲介リンク桿付近の詳細図で、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A断面図である。
第4図は本発明の操舵装置の動作機構を説明するためのモデル化された機構図である。
第5図〜第6図は本発明の第2の形態に関し、第5図は船舶に操舵装置を搭載した状態を示す概略図、第6図は操舵装置の構成図で、(A)は全体図、(B)は運動方向変換機構付近の側面図である。
第7図〜第8図は本発明の第3の形態に関し、第7図は船舶に操舵装置を搭載した状態を示す概略図、第8図は操舵装置の構成図で、(A)は全体図、(B)は運動方向変換機構付近の側面図である。
第9図は従来の手動式の操舵装置の例を示す概略図である。
Claims (8)
- 操舵輪(20、120、220)側から舵(30、130、230)側へ操舵の制御量を伝達する伝達ラインの少なくとも一部をワイヤ等の操舵用ケーブルで構成すると共に、操舵輪の操作による制御量を前記伝達ラインの進退動作によって舵側に伝へて操舵を行うようにした操舵装置であって、操舵輪操作に要する手動力を補うための補助力供給手段(70、170、270)を付加して設けると共に、前記伝達ラインにはその途中に仲介リンク桿(60、160、260)を介在して設け、該仲介リンク桿に対して操舵輪側からの伝達ライン(L1)と前記舵側への伝達ライン(L3)とを連結すると共に前記補助力供給手段側から供給される補助力の伝達ライン(L2)を連結し、これによって操舵輪側からの手動力と補助力供給手段側からの補助力との合力で前記仲介リンク桿を進退させ、前記操舵輪側からの制御量を舵側に伝達して操舵を行うことを特徴とする操舵装置。
- 請求項1に記載の構成において、仲介リンク桿(60、160、260)に対する操舵輪(20、120、220)側からの伝達ライン(L1)の連結点(P1)と補助力供給手段(70、170、270)側からの伝達ライン(L2)の連結点(P2)とを相互に離間して設け、操舵輪の操作によって両連結点の位置関係に初期状態からの偏差が生じると、前記補助力供給手段に対して前記偏差が解消される方向に補助力を供給するよう指令する制御手段(90、190、290)を設けたことを特徴とする操舵装置。
- 請求項1に記載の構成において、偏差は、補助力供給手段(70、170、270)側からの伝達ライン(L2)の連結点(P2)と操舵輪(20、120、220)側からの伝達ライン(L1)の連結点(P1)との間に生じる角度偏差として検出することを特徴とする操舵装置。
- 請求項2に記載の構成において、仲介リンク桿(60、160、260)から舵(30、130、230)側への伝達ライン(L3)の連結点(P3)を、操舵輪(20、120、220)側から仲介リンク桿への伝達ライン(L1)の連結点(P1)と補助力供給手段(70、170、270)側から仲介リンク桿への伝達ライン(L2)の連結点(P2)との中間に、位置調節可能に設けてあることを特徴とする操舵装置。
- 請求項2に記載の構成において、補助力供給手段(70、170、270)は少なくともモータ(71、171、271)と減速機(72、172、272)と前記モータの回転運動を直線運動に変換する機構(74、174、274)を含むことを特徴とする操舵装置。
- 請求項2〜5に記載の構成において、制御手段(90、190、290)による補助力供給手段(70、170、270)の制御は、補助力の大きさを偏差の大きさに比例させる比例動作を含むフィードバック制御とすることを特徴とする操舵装置。
- 請求項6に記載の構成において、制御手段(90、190、290)による補助力供給手段(70、170、270)の制御は、偏差を積分して加える積分動作を比例動作に加えたフィードバック制御とすることを特徴とする操舵装置。
- 請求項7に記載の構成において、制御手段(90、190、290)による補助力供給手段(70、170、270)の制御は、偏差を微分して加える微分動作を比例動作及び積分動作に加えたフィードバック制御とすることを特徴とする操舵装置。
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