JP3547969B2 - 車両の自動操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に利用する。本発明は、自動車の自動操舵制御を行うための論理演算の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の自動操舵は、操舵目標として、道路に描かれた走行レーンに沿って走行するもの、道路に沿って送信される無線信号あるいは光信号に追従するもの、先行車両に追尾するもの、その他が知られている。この制御のための演算論理を図を用いて説明する。
【0003】
図6は従来例制御装置の演算論理を説明するフローチャートである。自動操舵が開始され装置がリセットされると、操舵目標値(S)を取込み(ステップ1)、この目標値(S)と自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ)を演算し(ステップ2)、この差分(Δ)に対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を送出し(ステップ3)、この制御出力(δ)をアクチュエータに出力する(ステップ4)ように構成されている。操舵目標値(S)はたとえば路面に描かれた走行レーンを基準とする目標である。
【0004】
そしてこの従来例装置では、車両に設けられた各種センサ出力(7)から走行条件データの取込み演算が実行され(ステップ8)、そのデータの正常または異常が判定される(ステップ9)。そのデータが異常であるときには、自動的にかつ強制的にこの自動制御を解除して(ステップ10)手動操舵に戻す。そのデータが正常であるときにはこの制御を継続する。
【0005】
また、上記PID演算処理を行う演算回路には、比例利得(P)、積分利得(I)、および微分利得(D)についてそれぞれ最適値を演算するためのマップを用意しておき、走行条件のデータにしたがってそのPID値を自動設定する(ステップ11)ように構成されている。これはたとえば、車両速度(V)が大きくなるにしたがい、ロバスト性が高い制御感度になるように設定されている。
【0006】
なお、公知の従来例技術として、自動操舵制御が自動的に解除されて手動操舵に戻るときに、操舵輪の拘束トルクを徐々に緩やかに制御する技術(特開平5−170118号公報)、あるいは手動操舵から自動操舵への切り換えを行うときに、自動制御装置の診断を実行して異常があるときには自動操舵への切り換えを禁止する技術(特開平6−198108号公報)などが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図6で説明した従来例技術では、PID制御回路の最適利得がマップを参照することにより演算されるので、車種毎に異なるマップを用意することが必要である。さらに厳密には、車種毎に車両を走行させて得られるデータからマップを作成することが必要である。したがって、装置に記憶しなければならないデータ量が大きくなるとともに、複数の車種についてそれぞれ最適のマップを設定するために大きい工数を要する欠点がある。この装置を市販車両に実施する場合には、取付けられるタイヤ、ボディー形状、最大積載量、その他パラメタがわずかづつ変更された車両について、その特性を試験してマップを作成することになる。
【0008】
また、この従来例装置では、走行データに異常が検出されたときには、直ちに自動操舵が解除されるようになっているから、走行データの過渡的な変動などでひんぱんに自動操舵の解除が行われることになる。自動制御の解除が行われるとあらためて操作により自動制御の設定を行うことが必要であり、このような操作がひんぱんに行われ運転操作がわずらわしくなる。また、速度零の発進時から自動操舵の条件を選ぶことができない不都合がある。
【0009】
本発明はこのような背景に行われたものであって、実際に車両を走行させてデータを採取しなくとも、適応的にPID制御を行うことができる装置を提供することを目的とする。実用車両で積載量が変化したとき、運転車速が変化したときにも、マップを用いることなく有効な追従制御を行うことができる自動操舵装置を提供することを目的とする。本発明は、走行データに異常が検出されたとき、あるいは車速が零にあるときにも、自動制御を解除するのではなく、制御感度を低くして(ロバスト性の高い感度に設定して)自動制御を継続し、走行データの過渡的な変動などによりひんぱんに自動操舵の解除および設定を繰り返す必要のない装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、実際に車両を走行させデータを採取することなく、車両条件および走行条件の変化に対応して自動操舵制御を行うことを特徴とする。
【0011】
すなわち、本発明の第一の観点は、操舵目標値(S)を取込む手段(1)と、この目標値(S)と自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ)を演算する手段(2)と、この差分(Δ)に対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を送出する制御回路(3)とを備えた車両の自動操舵装置において、伝達関数として自車の車両モデル(5)を備え、前記制御出力(δ)がこの車両モデルを介して前記制御回路(3)の入力に負帰還接続されたことを特徴とする(図1参照)。
【0012】
前記車両モデルは、車速(V)、積荷を含む車体質量(m)および走行中の路面の摩擦係数(μ)をパラメタに含む演算関数として与えられ、かつ、車両に設けられたセンサ出力にしたがってリアルタイムに与えられる演算関数であることが望ましい。
【0013】
自動操舵が開始され装置がリセットされると、操舵目標値(S)を取込み、自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ)を演算し、この差分(Δ)に対してPID演算処理を行い、この処理によって得られた制御出力(δ)を車両モデルを介して負帰還させる。車両モデル(5)には、車両に設けられた各種センサ(7)の出力データを演算することにより得られた走行条件が出力されるので、この負帰還処理で得られた制御出力(δ)により車両条件および走行条件の変化に対応した制御信号をアクチュエータに出力する。
【0014】
車両のモデルのパラメタはその車両について関数により設定される。すなわち、PID演算の入力Δinは
Δin=Δ−f(δ),fは車両モデルを表す関数
となる。これは走行にしたがい適応的に変化するので、関数fとして複数の車種に共通の演算関数を与えておくことにより車種により、あるいはタイヤ特性(荷重−コーナリング特性)などのこまかい仕様により、制御マップを変更するなどの設定操作は必要がなくなる。
【0015】
これを概念的に説明すると次のとおりである。図7を参照して、従来から制御パラメタを変更するには図7(c)のようにPID制御のパラメタそれ自体を変更することが必要であったところ、本発明では、図7(a)のようにPID出力からモデルを介して負帰還接続することにより、モデルのパラメタを変更することにより、実質的にPID制御のパラメタを変更することになる。すなわち、図7(a)は図7(b)と等価であり、モデルのパラメタを変更することにより実質的にPIDの制御のパラメタが変更される。そして、モデルのパラメタは車両特性の模擬特性であり、車速(V)、走行中の路面摩擦係数(μ)、積荷を含む車体の質量(m)、その他車両特性はそのままモデル化することができる。したがって、PID制御のパラメタを変更するために、複雑な変換関数を用いたり、あるいはあらかじめ用意された変換マップを利用して変換を行うなどの必要がなく、そのままモデルのパラメタを車両の各時点の特性変化にしたがって単純に変更すればよいことになる。変換関数や変換マップは車両の種別により異なるが、モデルとなる関数は基本的に車種や積荷の変化によって変更されることはなく、多数の車種に共通に設定して利用することができる。したがって、PID制御のパラメタを変更することが複雑であったところが、本発明では、実質的に制御のパラメタを変更することがきわめて単純であり分かりやすくなる。
【0016】
自動操舵における車両条件として積荷を含む車体質量(m)の変化があり、また走行条件として車速(V)および走行中の路面摩擦係数(μ)の変化があるので、車両モデルは、積荷を含む車体の質量(m)、車速(V)および路面摩擦係数(μ)をパラメタとする演算関数として与え、これらのパラメタについて、車両に設けられたセンサ出力にしたがってリアルタイムに設定される。
【0017】
本発明の第二の観点は、走行データに異常が検出されたとき、あるいは車速が零にあるときには、制御感度を低くして(ロバスト性の高い感度に設定して)自動制御を継続する構成についてであって、操舵目標値(S)を取込む手段(1)と、この目標値(S)と自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ)を演算する手段(2)と、この差分(Δ)に対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を送出する制御回路(3)とを備えた車両の自動操舵装置において、
前記制御回路(3)の制御利得(G)を
G=P+(I/s)+Ds
ただし、Pは比例利得、Iは積分利得、Dは微分利得、
sはラプラス演算子
とするとき、車両に設けられたセンサ出力に異常が検出されるときに、前記制御回路(3)にP=p、I≒0、D≒0(ただし、p<1)を設定する手段(6)を備えたことを特徴とする(図1参照)。
【0018】
車両に設けられたセンサ出力に異常が検出されるときには、車速が零であるとき(V=0)を含み、前記pは0.1 ≦p≦0.2 であることが望ましい。
【0019】
自動操舵が開始され装置がリセットされると、各種センサ(7)の出力を取込み、車速(V)、積荷を含む車体質量(m)および走行中の路面摩擦係数(μ)により示される車両条件を含む走行条件を車両モデル(5)に出力するとともに、そのデータが正常であるか否かを判定する。その値が正常であればPID制御をそのまま継続し同様の処理を繰り返す。異常であれば、
比例利得 P=p(0.1≦p≦0.2)
積分利得 I≒0
微分利得 D≒0
を設定し制御回路(3)に出力する。
【0020】
制御回路(3)は、この値を用いて、制御利得(G)を
G=P+(I/s)+D
により演算し、この小さい値に設定された制御利得(G)による制御出力(δ)を車両モデル(5)を介して負帰還させ、この負帰還処理により補正された制御出力(δ)をアクチュエータに出力し自動操舵制御を継続する。
【0021】
これにより、走行データに異常が表れても直ちに自動制御が解除されるのではなく、比例制御のみが継続され、しかもその比例利得がきわめて小さい値(ロバスト性の高い感度)で継続されるので、感度が鈍く制御が乱れる可能性は小さい。走行データが正常に戻るとただちに前の制御をつづけて実行することができる。したがって運転者は自動制御の解除に伴う再設定の操作を繰り返し行う必要はない。
【0022】
本発明の第三の観点は、車両モデルにより自車の走行状態を推測しフィードバックするとともに、走行データに異常が検出されたとき、あるいは車速が零にあるときには、制御感度を低くして自動制御を継続する構成についてであって、上述の二つの制御をともに備えた構成を特徴とする。
【0023】
すなわち、操舵目標値(S)を取込む手段(1)と、この目標値(S)と自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ)を演算する手段(2)と、この差分(Δ)に対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を送出する制御回路(3)とを備えた車両の自動操舵装置において、伝達関数として自車の車両モデル(5)を備え、前記制御出力(δ)がこの車両モデルを介して前記制御回路(3)の入力に負帰還接続され、
前記制御回路(3)の制御利得(G)を
G=P+(I/s)+Ds
ただし、Pは比例利得、Iは積分利得、Dは微分利得、
sはラプラス演算子
とするとき、車両に設けられたセンサ出力に異常が検出されるときに、前記制御回路(3)にP=p、I≒0、D≒0(ただしp<1)を設定する手段(6)を備えたことを特徴とする(図1参照)。
【0024】
このような制御を行うことにより、自動操舵走行を行う場合に、実際に車両を走行させてデータを採取しなくても、積載量および運転車速の変化に対応して、制御マップを用いることなく有効な追従制御を行うことができる。また、走行データに異常が検出されたとき、あるいは車速が零を示しているときであっても、制御感度を低くして自動制御を継続することができるので、走行データの過渡的な変動などによるひんぱんな自動操舵の解除および設定の繰り返し操作を少なくすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による自動操舵装置の演算論理について説明する。図1は本発明による自動操舵装置の演算論理を説明するフローチャートである。
【0026】
自動操舵が開始され装置がリセットされると、道路に描かれた走行レーン、道路に沿って送信される無線信号あるいは光信号、先行車両などの操舵目標値(S)を取込み(ステップ1)、自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ=S−M)、すなわち自車の位置と目標コースとのずれを演算し(ステップ2)、この差分(Δ)に対して制御回路がPID演算処理を行い(ステップ3)、この演算処理によって得られた制御出力(δ)を車両モデルを介して(ステップ5)制御回路の入力に負帰還させる(ステップ4)。この負帰還により車両条件および走行条件が変化した場合には、操舵目標値(S)に対する補正が行われ、補正された操舵角を設定するために必要な電圧が制御出力(δ)としてアクチュエータに付与される(ステップ4)。
【0027】
一方、自動操舵開始のための装置のリセットにともなって、制御回路は各種センサからの出力を取込み(ステップ7)、車速(V)、積荷を含む車体質量(m)および走行中の路面摩擦係数(μ)により示される車両条件を含む現在の走行条件を車両モデルに出力するとともに(ステップ8)、そのデータが正常であるか否かを判定する(ステップ9)。
【0028】
そのデータが正常であれば制御回路によるPID制御を継続して同様の処理を繰り返す。データに異常がある場合には、例えば走行路のカーブなどによって操舵目標値(S)が一時的に取込まれなかったことによりデータ異常が示されるようなことがあるので、走行状態の変化をリアルタイムに表わす比例利得Pの値を車速(V)が変化しても制御成績が最も安定する値pに設定するとともに、走行状態の変化が表われにくい積分利得(I)および微分利得(D)をほぼ零に設定して制御回路に出力する。制御回路はこの出力により制御利得(G)を
G=P+(I/s)+Ds
sはラプラス演算子
により演算し、現状に適応した制御出力(δ)をアクチュエータに出力する。
【0029】
比例利得Pに設定する値は、0.1≦p≦0.2の範囲で設定される。図2は本発明装置にかかわるP値と制御成績との関係を車速毎に示したものである。縦軸の制御成績は、図3に示す操舵角の実測値と演算された操舵角の値とのずれ量を面積(斜線の部分)で表わした値である。P値を変化させると、車速が40km/h、60km/h、80km/hのときのいずれも制御成績は変化するが、車速が変化しても制御成績が安定するP値が存在する。この例ではその安定する範囲は0.1〜0.2であり、したがってその中心値0.15を設定すれば有効な制御を行うことができる。
【0030】
なお、車両条件がない状態、例えば、発車前あるいはセンサ故障時には、車両モデルおよび制御回路は動作できない状態にあるので仮の初期値を設定する。この初期値には、実車の挙動と車両モデルで計算した挙動に大きな違いが発生しない安定した制御ができる値を設定する。
【0031】
【実施例】
ここで、本発明による演算論理を用いた自動操舵装置の実施例について説明する。図4は本発明実施例自動操舵装置による自動操舵状態を説明する図、図5は本発明実施例自動操舵装置の要部の構成を示すブロック図である。操舵目標としては、道路に描かれた走行レーンに沿って走行するもの、道路に沿って送信される無線信号あるいは光信号に追従するもの、先行車両に追尾するものなどがあるが、図2には先行車両に追尾する形態の実施例が示されている。
【0032】
本発明実施例は、先行車両を操舵目標としてレーダ装置21からその操舵目標値(S)を取込む操舵目標値取込手段11と、この目標値(S)と操舵角センサ20より検出された自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ)を演算する操舵値差分演算手段12と、この差分(Δ)に対してPID演算処理を行うPID演算処理手段10を含み制御出力(δ)を操舵アクチュエータ22に送出する制御回路13とが備えられ、本発明の特徴として、車両モデル15が備えられ、制御出力(δ)がこの車両モデル15を介して制御回路13の入力に負帰還接続される。
【0033】
車両モデル15は、車速センサ23により検出された車速(V)、荷重センサ24により検出された積荷を含む車体質量(m)、および路面摩擦係数推定装置25により推定演算された走行中の路面の摩擦係数(μ)その他をパラメタに含む演算関数として、例えば、
【0034】
【数1】
Figure 0003547969
として与えられる。
【0035】
ただし、β:横すべり角、γ:ヨーレイト、k:フロント・コーナリング・フォース、k:リヤ・コーナリング・フォース、l:フロント車軸の中心から重心までの距離、l:リヤ車軸の中心から重心までの距離、I:ヨー慣性モーメント
車両モデル15には、その他の制御情報として、ヨーレイト・センサ26、ブレーキ・センサ27および加速度センサ28の出力が接続される。
【0036】
さらに、制御回路13の制御利得(G)を
G=P+(I/s)+Ds
ただし、Pは比例利得、Iは積分利得、Dは微分利得、sはラプラス演算子とするとき、車両に設けられたセンサ出力に異常が検出されたときに、制御回路13にP=p、I≒0、D≒0(ただし、p<1)を設定するPID値設定手段16が備えられる。
【0037】
車両に設けられたセンサ出力に異常が検出されたときには、車速が零であるとき(V=0)が含まれ、比例利得Pに設定されるpは、
0.1≦p≦0.2
の範囲で設定される。
【0038】
次に、このように構成された本発明実施例自動操舵装置による動作について説明する。本実施例装置の動作は図1に示すフローチャートの流れにしたがって行われる。
【0039】
すなわち、自動操舵が開始され装置がリセットされると、操舵目標値取込手段11がレーダ装置21が検知した先行車両を操舵目標値(S)として取込み、操舵値差分演算手段12が操舵角センサからの出力に示されている現在の操舵値(M)との差分(Δ=S−M)を演算する。この差分(Δ)が自車の位置と目標コースとのずれとなる。演算された差分(Δ)は制御回路13に出力され、制御回路13のPID演算処理手段10がその差分に対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を算出し、車両モデル15を介して制御回路13に負帰還する。
【0040】
この負帰還により車両条件および走行条件に変化があれば、操舵目標値(S)に対する補正が行われ、補正された操舵角を設定するために必要とされる電圧が制御出力(δ)として操舵アクチュエータ22に付与される。
【0041】
一方、自動操舵開始のリセットにともなって、車速センサ23、荷重センサ24および路面摩擦係数推定装置25から車速(V)、積荷を含む車体質量(m)および走行中の路面摩擦係数(μ)を取込み、現在の車両条件を含む走行条件を示す制御情報として車両モデル15に出力するとともに、そのデータが正常であるか否かを判定する。
【0042】
正常であれば制御回路13によるPID制御を継続して同様の処理を繰り返す。そのデータが異常であれば走行状態の変化をリアルタイムに表わす比例利得Pの値を車速(V)が変化しても制御成績が最も安定する値p(例えば0.15)に選定するとともに、走行状態の変化が表われにくい積分利得(I)および微分利得(D)をほぼ零に設定して制御回路13に出力する。
【0043】
制御回路13はこの出力により制御利得(G)を
G=P+(I/s)+Ds
sはラプラス演算子
により演算し、現状に適応した制御出力(δ)を操舵アクチュエータ22に出力する。操舵アクチュエータ22はこの制御出力にしたがって操舵を行い操舵目標に車両を追従させる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、自動操舵走行を行う自動車において、実際に車両を走行させてデータを採取しなくても、積載量および運転車速の変化に対応して、制御マップを用いることなく有効な追従制御を行うことができる。また、走行データに異常が検出されたとき、あるいは車速が零にあるときであっても、制御感度を低くして(ロバスト性の高い感度に設定して)自動制御を継続し、走行データの過渡的な変動などによるひんぱんな自動操舵の解除および設定の繰り返し操作をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動操舵装置の演算論理を説明するフローチャート。
【図2】本発明による自動操舵装置にかかわるP値と制御成績との関係を示す図。
【図3】本発明による自動操舵装置にかかわる操舵角の実測値と演算値とのずれを説明する図。
【図4】本発明実施例自動操舵装置による自動操舵状態を説明する図。
【図5】本発明実施例自動操舵装置の要部の構成を示すブロック図。
【図6】従来例自動操舵装置の演算論理を説明するフローチャート。
【図7】(a)、(b)および(c)はPID制御のパラメタ変更を説明する図。
【符号の説明】
10 PID演算処理手段
11 操舵目標値取込手段
12 操舵値差分演算手段
13 制御回路
15 車両モデル
16 PID値設定手段
20 操舵角センサ
21 レーダ装置
22 操舵アクチュエータ
23 車速センサ
24 荷重センサ
25 路面摩擦係数推定装置
26 ヨーレイト・センサ
27 ブレーキ・センサ
28 加速度センサ

Claims (7)

  1. 操舵目標値(S)を取込む手段(1)と、この目標値(S)と自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ)を演算する手段(2)と、この差分(Δ)に対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を送出する制御回路(3)とを備えた車両の自動操舵装置において、
    伝達関数として自車の車両モデル(5)を備え、前記制御出力(δ)がこの車両モデルを介して前記制御回路(3)の入力に負帰還接続されたことを特徴とする車両の自動操舵装置。
  2. 前記車両モデルは、車速(V)、積荷を含む車体質量(m)および走行中の路面の摩擦係数(μ)をパラメタに含む演算関数として与えられる請求項1記載の車両の自動操舵装置。
  3. 前記車両モデルは、車両に設けられたセンサ出力にしたがってリアルタイムに与えられる演算関数である請求項2記載の自動操舵装置。
  4. 操舵目標値(S)を取込む手段(1)と、この目標値(S)と自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ)を演算する手段(2)と、この差分(Δ)に対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を送出する制御回路(3)とを備えた車両の自動操舵装置において、
    前記制御回路(3)の制御利得(G)を
    G=P+(I/s)+Ds
    ただし、Pは比例利得、Iは積分利得、Dは微分利得、
    sはラプラス演算子
    とするとき、車両に設けられたセンサ出力に異常が検出されるときに、前記制御回路(3)にP=p、I≒0、D≒0(ただし、p<1)を設定する手段(6)を備えたことを特徴とする車両の自動操舵装置。
  5. 車両に設けられたセンサ出力に異常が検出されるときには、車速が零であるとき(V=0)を含む請求項4記載の車両の自動制御装置。
  6. 0.1 ≦p≦0.2 である請求項4記載の車両の自動操舵装置。
  7. 操舵目標値(S)を取込む手段(1)と、この目標値(S)と自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ)を演算する手段(2)と、この差分(Δ)に対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を送出する制御回路(3)とを備えた車両の自動操舵装置において、
    伝達関数として自車の車両モデル(5)を備え、前記制御出力(δ)がこの車両モデルを介して前記制御回路(3)の入力に負帰還接続され、
    前記制御回路(3)の制御利得(G)を
    G=P+(I/s)+Ds
    ただし、Pは比例利得、Iは積分利得、Dは微分利得、
    sはラプラス演算子
    とするとき、車両に設けられたセンサ出力に異常が検出されるときに、前記制御回路(3)にP=p、I≒0、D≒0(ただしp<1)を設定する手段(6)を備えたことを特徴とする車両の自動操舵装置。
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