JP3067453B2 - 路面摩擦係数推定装置 - Google Patents

路面摩擦係数推定装置

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JP3067453B2
JP3067453B2 JP7418293A JP7418293A JP3067453B2 JP 3067453 B2 JP3067453 B2 JP 3067453B2 JP 7418293 A JP7418293 A JP 7418293A JP 7418293 A JP7418293 A JP 7418293A JP 3067453 B2 JP3067453 B2 JP 3067453B2
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neural network
vehicle
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surface friction
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両走行中にその走
行路面の摩擦係数を推定する装置に関し、特に、ニュー
ラルネットワークを利用することにより、比較的検出の
容易な車両の走行状態に関する情報に基づいて、走行中
に直接測定することが困難な路面摩擦係数を推定可能と
したものである。
【0002】
【従来の技術】従来から4WS(4輪操舵装置)、AB
S(アンチロック・ブレーキ・システム)、TCS(ト
ラクション・コントロール・システム)、4WD(4輪
駆動装置)等のように車両の操縦安定性を高める種々の
技術が存在しており、これらは実際に車両に搭載されて
操縦安定性の向上に大きく貢献している。
【0003】しかし、上記のような操縦安定性を高める
従来の装置にあっては、走行路面の摩擦係数自体を測定
又は推定しその結果を考慮して制御を行っているものは
存在しなかった。これは、路面の摩擦係数は、車両走行
中に直接測定することが非常に困難だからである。従っ
て、走行路面の摩擦係数は一定の値であると仮定して制
御を行うことになるのであるが、当然に実際の走行路面
の摩擦係数は一定の値ではない。このため、摩擦係数が
どのような値であっても車両の操縦安定性を損なわない
ように4WSにおける後輪舵角制御や4WDにおける駆
動力配分制御を行わなければならないのであり、摩擦係
数を考慮できない分、それら操縦安定性を高める技術の
有する能力が十分に活用されていないのが現状である。
【0004】なお、路面の滑り状態を前後輪の車輪速差
や雨滴センサ等から間接的に判断して制御内容を変更す
る程度のものは存在するが(例えば、特開平1−959
68号公報等参照)、車輪速差や雨滴センサ等から判断
するため、路面の滑り状態の検出精度はそれほど高くな
い。また、超音波センサ等を使って路面の荒さを読み取
る技術も研究されているが、実用レベルには至っていな
い。
【0005】一方、車両パラメータのうち測定が容易な
パラメータに基づいて、測定が困難なパラメータを推定
するという技術が存在し(特開平4−138970号公
報参照)、かかる従来の技術では、推定演算のためにニ
ューラルネットワークを利用していた。即ち、上記公開
公報に開示された従来の技術は、車両パラメータを、他
の車両パラメータに基づいてニューラルネットワークを
利用して推定するというものであり、具体的に開示され
ているのは、車両に発生している前後加速度、横加速
度、上下加速度、操舵トルク、前輪舵角、車速、後輪舵
角等に基づいて、その車両に発生しているであろう横滑
り角及びヨーレートを推定する技術であり、いずれにし
ても、車両パラメータに基づいて他の車両パラメータを
推定する技術のみが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、横滑り
角及びヨーレートは現在では安価なジャイロ等を用いる
ことにより容易に直接測定できるパラメータであり、こ
れを推定するためにニューラルネットワークを利用する
必要性は薄れている。つまり、車両の挙動そのものであ
る車両パラメータを推定するためにニューラルネットワ
ークを用いる必要性は現在では皆無といってもいいので
あり、むしろ、そのような検出が容易な車両の挙動に基
づいて、車両の操縦安定性に大きく影響を与えるが直接
測定が困難な数値等をニューラルネットワークによって
推定するのが望ましいのである。
【0007】本発明は、このような観点からなされたも
のであり、車両の操縦安定性に大きな影響を与える路面
の摩擦係数を、実際に測定が容易な情報に基づいて推定
する装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明である路面摩擦係数推定装置
は、車両の走行状態を検出する車両走行状態検出手段
と、この車両走行状態検出手段が検出した車両の走行状
態を入力とし路面摩擦係数を出力とするニューラルネッ
トワークと、を備え、前記ニューラルネットワークは、
複数個の数値を並列に出力するニューラルネットワーク
を用いるとともに、前記複数個の出力と同じ個数の要素
からなり既知の路面摩擦係数に応じたパターンに設定さ
れる数列を教師信号として学習を行ったものである。
【0009】また、請求項2記載の発明である路面摩擦
係数推定装置は、車両の走行状態を検出する車両走行状
態検出手段と,この車両走行状態検出手段が検出した車
両の走行状態を入力とし路面摩擦係数を出力とするニュ
ーラルネットワークと、を備え、前記ニューラルネット
ワークは自己回帰モデルを有するニューラルネットワー
クを用いるとともに、前記自己回帰モデルの出力を利用
して前記ニューラルネットワークを学習させるオンライ
ン学習手段を設けた
【0010】さらに,請求項3記載の発明である路面摩
擦係数推定装置は、上記請求項1記載の発明において、
前記ニューラルネットワークは自己回帰モデルを有する
ニューラルネットワークを用いるとともに、前記自己回
帰モデルの出力を利用して前記ニューラルネットワーク
を学習させるオンライン学習手段を設けた。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明にあっては、車両走行状態
検出手段が車両の走行状態(例えば、舵角,スロットル
開度等の運転状態や、前後加速度,ヨーレート等の車両
挙動状態等)を検出すると、それらがニューラルネット
ワークに入力される。すると、ニューラルネットワーク
において各ニューロンの結合状態や入力に対する重み係
数等に応じた演算が行われ、ニューラルネットワークの
出力層から路面摩擦係数の推定結果が出力される。
【0012】入力として用いられる車両の走行状態は、
路面摩擦係数の影響を受けて変化するものである必要が
あるが、検出可能な車両の走行状態の多くは路面摩擦係
数の影響を受けることから、この路面摩擦係数推定装置
を搭載する車両における他の制御(例えば、後輪操舵制
御、駆動力配分制御等)で使用されているセンサの出力
を利用すればよい。また、ニューラルネットワークは、
車両に搭載される前に、そのような車両の走行状態を入
力とし既知の路面摩擦係数を教師信号として多くのケー
スに基づく学習を済ませておく必要がある。
【0013】また、ニューラルネットワークは複数個
(ここでは、n個とする)の数値を並列に出力するた
め、それら出力のそれぞれの値をOi (i=1,…,
n)、ニューラルネットワークの学習の際に用いられる
教師信号をTj (j=1,…,n)、その教師信号Tj
の各要素をtji、教師信号Tj に対応する既知の路面摩
擦係数をμj * とすれば、出力Oi が教師信号Tj の対
応する要素tjiに一致するように例えばバックプロパゲ
ーション等のアルゴリズムに従って学習を行うことによ
りニューラルネットワークのシステム同定が行われるこ
とになる。
【0014】そして、ニューラルネットワークによって
路面摩擦係数を推定する際には、複数の出力Oi によっ
て一つの路面摩擦係数が表されることになるから、一つ
の出力で路面摩擦係数を表す場合に比べて高精度の推定
が行われる。さらに、請求項2又は3記載の発明にあっ
ては、自己回帰モデルを有するニューラルネットワーク
を用いるとともに、オンライン学習手段を有するため、
過渡応答時であっても高精度の路面摩擦係数の推定が行
われる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の第1実施例における車両の概略
構成図であって、この実施例は、4WS機能を有する車
両に本発明に係る路面摩擦係数推定装置を適用したもの
である。
【0016】先ず、構成を説明すると、図1において、
前輪1L,1Rはナックル(図示せず)を介してタイロ
ッド3L,3Rの外端に連結され、そのタイロッド3
L,3Rの内端は、ラックアンドピニオン式ステアリン
グ装置4のラック軸4aに接続されている。そして、ラ
ックアンドピニオン式ステアリング装置4のピニオン軸
(図示せず)とステアリングホイール6とがステアリン
グシャフト5を介して回転伝達可能に接続されている。
つまり、前輪1L,1Rは、操縦者がステアリングホイ
ール6を操舵することにより、左右に転舵されるように
なっている。
【0017】一方、後輪2L,2Rには、図示しないデ
ィファレンシャルギヤボックスで分配された駆動力を受
けて回転する車軸10L,10Rの外端が回転力伝達可
能に連結されている。従って、この車両は後輪2L,2
Rが駆動輪となる後輪駆動車である。さらに、この車両
は、モータ11の回転力によって駆動する後輪操舵装置
12を有しており、この後輪操舵装置12に内端が連結
された後輪操舵用のタイロッド13L,13Rの外端
が、後輪2L,2Rに連結されている。従って、後輪2
L,2Rは、モータ11に供給する電流を制御すること
により、任意の方向に且つ任意の大きさで転舵されるよ
うになっている。
【0018】モータ11には、モータドライバ15が接
続されていて、このモータドライバ15と、これに電力
を供給するバッテリ16のリレースイッチ16aとが、
マイクロコンピュータや必要なインタフェース回路等を
含んで構成されるコントローラ20によって制御される
ようになっている。コントローラ20は、後述する演算
処理を実行して車両の操縦安定性が向上するような目標
後輪舵角δr * を算出し、そして、後輪2L,2Rの実
際の舵角である実後輪舵角δr がその目標後輪舵角δr
* に一致するように、モータドライバ15に制御信号C
Sを出力してモータ11を駆動させるものであり、かか
るコントローラ20には、そのような制御に必要な種々
の信号が供給されている。
【0019】この実施例では、コントローラ20には、
例えば公知のポテンショメータから構成されステアリン
グホイール6の操舵角を検出する操舵角センサ21、例
えば変速機の出力軸に取り付けられた回転速度計から構
成され車速を検出する車速センサ22、例えば公知のジ
ャイロから構成され車両に発生しているヨーレートを検
出するヨーレートセンサ23、例えば公知のジャイロ等
を利用して構成され車両の横滑り角を検出する横滑り角
センサ24及び例えば後輪操舵装置12のギアの回転角
等に基づいて後輪2L,2Rの実後輪舵角δr を検出す
る後輪舵角センサ25が接続されていて、それら各セン
サ21〜25から供給される操舵角θ、車速v、ヨーレ
ートφ、横滑り角β及び実後輪舵角δr に基づいて所定
の制御を実行する。
【0020】図2はコントローラ10内で実行される後
輪操舵制御に関する処理の概要を示すフローチャートで
あり、この処理は、図示しないオペレーティングシステ
ムにより所定周期(例えば、5msec)毎の割り込み処理
として実行される。処理の流れをフローチャートに従っ
て説明すると、先ずそのステップ101において、操舵
角センサ21から供給される操舵角θ、車速センサ22
から供給される車速v、ヨーレートセンサから供給され
るヨーレートφ、横滑り角センサ24から供給される横
滑り角β及び後輪舵角センサ25から供給される実後輪
舵角δr を読み込む。
【0021】次いで、ステップ102に移行し、ステッ
プ101で読み込んだ操舵角θ、車速v、ヨーレートφ
及び横滑り角βを入力として、図3に示すようなニュー
ラルネットワークNNに基づく演算処理を実行して、路
面摩擦係数μを演算する。ニューラルネットワークNN
の内容については後に詳細に説明する。そして、ステッ
プ103に移行し、次のステップ104で使用する後輪
舵角決定用係数C1 を下記の(1)式に従って設定す
る。
【0022】 C1 =C0 ・μ ……(1) ステップ102で演算される路面摩擦係数μは、0.0≦
μ≦1.0という範囲に収まる無次元化された係数であっ
て、乾いた舗装路のように滑り難い状態で1.0に近い値
を採り、凍結された路面のように滑り易い状態では0.0
に近い値を採るようになっている。従って、後輪舵角決
定用係数C1 は、走行路面が滑り難い状態では定数C0
に近い値を採り、走行路面が滑り易くなるほど小さい値
を採ることになる。
【0023】ステップ103の演算が行われた後には、
ステップ104に移行し、車両を2輪モデルで近似して
横滑り角β=0とした場合のヨーレートφと前輪舵角δ
f との関係を表す下記の(2)式に従って、目標ヨーレ
ートφ* を演算する。 φ* ={G0 /(1+τ0 s)}δf ……(2) なお、前輪舵角δf は、前輪1L,1R側のステアリン
グギア比Nから、 δf =θ/N として求められる。また、 G0 =C1 VL/(MLr 2 +LLf 1 ) τ0 =VI/(MLr 2 +LLf 1 ) であり、M,I,Lf ,Lr ,L(=Lf +Lr )は車
両諸元等によって決まる定数、sはラプラス演算子であ
る。
【0024】目標ヨーレートφ* が求められたら、ステ
ップ105に移行し、下記の(3)式に従って目標後輪
舵角δr * を演算する。 δr * =Kp (φ* −φ) ……(3) Kp は比例定数である。このように目標ヨーレートφ*
と実際のヨーレートφとの偏差に比例定数Kp を乗じる
ことにより目標後輪舵角δr * が決定されるのであるか
ら、比例定数Kp を大きくすれば外乱があっても車両を
目標ヨーレートφ* に近づけることが可能であるが、実
際にはモータ11等の応答遅れ等が存在するため、比例
定数Kp をあまり大きくすることはできない。ここで
は、Kp =−1(sec )とする。
【0025】そして、ステップ106に移行し、実後輪
舵角δr が目標後輪舵角δr * に一致するようなモータ
ドライバ15に対する制御信号CSを決定し、この制御
信号CSをステップ107においてモータドライバ15
に供給する。なお、ステップ107では、リレースイッ
チ16aがオフの場合にはこれをオンとするような制御
信号も出力する。モータドライバ15に制御信号を供給
したら、今回の割り込み処理を終了し、次の割り込みタ
イミングとなったらステップ101に戻って上述した処
理を繰り返し実行するようになっている。
【0026】ここで、ステップ102における路面摩擦
係数μの演算に用いられるニューラルネットワークNN
は、図3に示すように、操舵角θ,車速v,ヨーレート
φ及び横滑り角βを入力とし、路面摩擦係数μを出力と
したネットワークであって、この例では、入力層,中間
層及び出力層の三層構造のニューラルネットワークNN
を用いている。
【0027】そして、ニューラルネットワークNNを構
成する各ニューロンnrは、所定個数の入力xk に対し
て一つの出力yを生成する処理要素であって、所定の伝
達関数に従って出力yを生成する。例えば、各ニューロ
ンnrへの個々の入力に対する重み係数をwk 、自己の
状態に関する定数をεとすれば、下記の(4)式のよう
な伝達関数を用いることができる。
【0028】 ニューラルネットワークNNは、車両に搭載される前に
学習を行っておく必要がある。具体的には、多数パター
ンの操舵角θ,車速v,ヨーレートφ及び横滑り角βに
対する既知の路面摩擦係数μ* を教師信号として、その
既知の路面摩擦係数μ* と出力層のニューロンnrから
出力される路面摩擦係数μとの誤差が小さくなるよう
に、各ニューロンnrの重み係数や定数εを更新するの
である。このような学習のアルゴリズムとしては、例え
ば公知のバックプロパゲーション等が適用される。
【0029】図4(b)〜(g)は、車速v=100km
/hにおいて操舵角θを図4(a)に示すように正弦波
状に変化させた場合のヨーレートφ及び横滑り角βの変
化を複数の路面摩擦係数μ(=1.0,0.4,0.1)毎に
求めた車体運動シミュレーションの結果を示す波形図で
あり、これら波形図からも判るように、操舵に対する応
答としてのヨーレートφ及び横滑り角βは、路面摩擦係
数μの影響を受けて大きく変化するものである。なお、
ここには図示しないが、車速vが異なればヨーレートφ
及び横滑り角βの波形も変化することが判っている。
【0030】従って、図3に示すようなニューラルネッ
トワークNNを用いれば、路面摩擦係数μを推定するこ
とは十分に可能である。次に、本実施例の動作を説明す
る。コントローラ20内のマイクロコンピュータにおい
て所定の割り込みタイミング毎に図2に示す処理が実行
されるため、各センサの出力値である操舵角θ,車速
v,ヨーレートφ,横滑り角β及び実後輪舵角δr が読
み込まれ、そして、操舵角θ,車速v,ヨーレートφ及
び横滑り角βを入力として、図3に示したニューラルネ
ットワークNNに基づく演算処理が実行され、路面摩擦
係数μが演算される。ただし、ニューラルネットワーク
NNは異なる単位の数値を入力として、やはりそれら入
力とは単位の異なる路面摩擦係数μを演算するものであ
るから、入力値は無次元化(0.0〜1.0の範囲内で正規
化)する必要があり、出力値は無次元化された値として
得られる。
【0031】表1は、図3に示すニューラルネットワー
クNNによって演算された路面摩擦係数μの結果を種々
の車速v毎に示しており、同時に路面摩擦係数μの真の
値も示している。なお、この結果を得たニューラルネッ
トワークNNは、3つの路面摩擦係数μ(=1.0,0.
4,0.1)に対して学習を行ったものである。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示す結果からも判るように、ニュー
ラルネットワークNNを用いることにより、直接測定す
ることが非常に困難な路面摩擦係数μを、ある程度の精
度で推定することが可能となるのである。なお、上記表
1に示す結果を得たニューラルネットワークNNは、剛
体マスバネモデルを用いた車両の応答を使って学習を行
っているため、その推定精度がやや低いかも知れない
が、これは、実際に対象とする車両を種々の速度で且つ
異なる摩擦係数の道路を走行させて運動特性を表すパラ
メータ(ここでは、操舵角θ,ヨーレートφ,横滑り角
β)を記録し、その記録したパラメータに基づいてニュ
ーラルネットワークNNの学習を行えば、より高い精度
の推定が可能となる。また、ここでは3つの路面摩擦係
数μ(=1.0,0.4,0.1)に対して学習を行っている
が、教師信号の種類をさらに多くすれば、ニューラルネ
ットワークNNの推定精度をさらに上げることは可能で
ある。
【0034】そして、コントローラ10内のマイクロコ
ンピュータは、その推定された路面摩擦係数μを考慮し
て目標後輪舵角δr * を演算し、そして、実後輪舵角δ
r がその目標後輪舵角δr * に一致するようにモータド
ライバ15に対して制御信号CSを出力する。つまり、
本実施例にあっては、直接測定することが実質的に不可
能な路面摩擦係数μを、測定が容易な操舵角θ,車速
v,ヨーレートφ及び横滑り角βに基づいて推定するこ
とが可能であり、そして、その推定された路面摩擦係数
μを用いて4WS車両の後輪舵角制御を行う構成となっ
ているため、路面摩擦係数μを考慮せずに後輪舵角制御
を行っていた従来の4WS車両よりもさらに操縦安定性
が向上するようになるのである。
【0035】図5は、乾いた路面を車速v=120km/
hで直進走行中に、操舵角θを30度だけステップ状に
変化させた場合のヨーレートφ,横方向速度vy 及び後
輪舵角δr の変化を示す波形図であって、波形Aは路面
摩擦係数μを考慮しない従来の4WS車両の応答、波形
Bは通常の2WS車両の応答を示している。このよう
に、路面摩擦係数μを考慮せずに後輪を操舵する従来の
4WS車両であっても、通常の2WS車両に比べて、ヨ
ーレートφのハンチングを抑制でき、横滑り角(=vy
/v)も零に近づくため、運転し易くなっているといえ
る。
【0036】図6は、積雪のある路面を車速v=120
km/hで直進走行中に、操舵角θを30度だけステップ
状に変化させた場合のヨーレートφ,横方向速度vy
び後輪舵角δr の変化を示す波形図であって、波形Aは
路面摩擦係数μを考慮しない従来の4WS車両の応答、
波形Bは通常の2WS車両の応答、波形Cは超音波セン
サ等により路面摩擦係数μを検出しその検出値に基づい
て後輪操舵制御を行った4WS車両の応答、波形Dは本
実施例の4WS車両の応答を示している。
【0037】これによれば、積雪のある路面では、従来
の4WS車両でも横滑り角をそれほど抑えることができ
ないのに対し、路面摩擦係数μを考慮して後輪操舵制御
を行う4WS車両では、横滑り角を小さく抑えて運転が
し易くなっている。特に、本実施例の4WS車両であれ
ば、積雪のある路面においても、従来の4WS車両が乾
いた路面で達成できるのと同程度に横滑り角を小さくす
ることができる。つまり、本実施例の構成であれば、路
面摩擦係数μの変化に関わらず、良好な操縦安定性を得
ることができるのである。
【0038】ここで、本実施例にあっては、操舵角セン
サ21,車速センサ22,ヨーレートセンサ23及び横
滑り角センサ24のそれぞれが車両走行状態検出手段に
対応し、操舵角θ,車速v,ヨーレートφ及び横滑り角
βのそれぞれが車両の走行状態に対応する。図7は本発
明の第2実施例を示す図であり、この実施例は、統計的
な数学モデルに基づくニューラルネットワークNNを用
いた点に特徴がある。
【0039】具体的には、ニューラルネットワークNN
は、出力層に3個のニューロンnrを設けることによ
り、3個の出力O1 ,O2 及びO3 を並列に出力するよ
うになっている。そして、このニューラルネットワーク
NNも、上記第1実施例の場合と同様に車両に搭載され
る前に適宜学習を行っておく必要があるが、ニューラル
ネットワークNNの出力がO1 ,O2 ,O3 という3つ
の数値として得られるため、これに対応した学習を行う
必要がある。
【0040】ここでは、図7にも示すように、ニューラ
ルネットワークNNの出力に対応した3つの教師信号T
1 ,T2 ,T3 を用いるとともに、それら一つ一つを、
既知の路面摩擦係数μ1 * (=1.0),μ2 * (=0.
4),μ3 * (=0.1)に対応させ、そして、各教師信
号T1 ,T2 ,T3 は、ニューラルネットワークNNの
出力の個数に対応した3つの要素t.1,t.2,t.3(・
=1,2又は3)から構成している。この実施例では、 T1 =(1,0,0) T2 =(0,1,0) T3 =(0,0,1) であり、それら各教師信号T1 ,T2 ,T3 の各要素t
.1,t.2,t.3と、出力O1 ,O2 ,O3 との誤差が小
さくなるように、バックプロパゲーション等の学習アル
ゴリズムを利用して学習を行うのである。
【0041】表2は、表1と同様に図7に示すニューラ
ルネットワークNNによって演算された路面摩擦係数μ
の結果を種々の車速v毎に示した表である。
【0042】
【表2】
【0043】ただし、ニューラルネットワークNNの出
力がO1 〜O3 の3つの数値であり、学習の際に上述し
たような教師信号T1 〜T3 を用いていることから、路
面摩擦係数μは、下記の(5)式に基づいて演算され
る。 表1及び表2を比較すると、本実施例のように統計的な
数学モデルに基づくニューラルネットワークNNを用い
た方が高精度に路面摩擦係数μを推定することができる
のが判る。これは、一つの路面摩擦係数μを3つの出力
1 〜O3 で表現されるように、出力層に3つのニュー
ロンnrを設けたため、推定精度に影響を与える重み係
数の個数が増えるとともにニューロンnr間の結合関係
が複雑になったことが主な原因である。
【0044】つまり、本実施例にあっては、直接測定す
ることが実質的に不可能な路面摩擦係数μを、上記第1
実施例よりもさらに高精度に推定することが可能である
から、その推定された路面摩擦係数μを用いて4WS車
両の後輪舵角制御を行えば、上記第1実施例よりもさら
に操縦安定性が向上するようになる。その他の作用効果
等は上記第1実施例と同様であるためその説明は省略す
る。
【0045】なお、本実施例では、ニューラルネットワ
ークNNの出力を3つとしているが、この個数は任意で
あり、マイクロコンピュータの演算能力等に応じて適宜
増減できるものである。そして、ニューラルネットワー
クNNの出力の個数は多いほど高精度に路面摩擦係数μ
が推定されるようになるから、マイクロコンピュータの
演算能力の範囲で可能な限り出力の個数は多くした方が
よい。
【0046】図8及び図9は本発明の第3実施例を示す
図であり、この実施例は、自己回帰モデルの一つである
ARMA(Auto Regressive Moving Average)モデルを
有するニューラルネットワークNNを用いた点に特徴が
ある。ここで、上記第1実施例で説明した図4にも示さ
れるように、路面摩擦係数μが異なればヨーレートφ及
び横滑り角βの応答に特徴が現れるのであるが、操舵状
態が変化した直後は、ヨーレートφ及び横滑り角βは過
渡応答の状態であり、その過渡応答は路面摩擦係数μに
よっても異なるが1〜4秒程度続いてしまうため、操舵
状況が変化した後は、ヨーレートφ及び横滑り角βの応
答が定常応答となるまでの間は路面摩擦係数μの推定精
度が極端に落ちてしまう恐れがある。
【0047】つまり、高速道路を走行している場合のよ
うに同じ操舵状態が比較的長く続く走行状況であれば特
に問題はないのであるが、通常の街中を走行している場
合のように操舵状態が頻繁に変化する状況においては、
路面摩擦係数μの推定精度が低い恐れがあることから、
路面摩擦係数μを推定してもそれを後輪操舵制御等に有
効に活用できないことになる。
【0048】これに対し、本実施例では、図に示すよ
うに、入力I1 (t),…,Im (t)(これら入力
は、例えば上記第1,第2実施例のように、操舵角θ,
車速v,ヨーレートφ及び横滑り角βであってもよい
し、後に説明する他の実施例のようにその他のセンサ出
力であってもよい。)とともにその時間遅れ値I1 (t
−1),…,I1 (t−k),…,Im (t−1),
…,Im (t−k)をニューラルネットワークNNの入
力層に供給し、さらに、ニューラルネットワークNNの
出力O1 (t),…,On (t)を時間遅れ演算部31
及びARMAモデル30を介してニューラルネットワー
クNNの入力層に戻している。
【0049】ARMAモデル30の基本的概念の一例を
図9に示す。この図9の例は、一つの主記憶30aと二
つの補助記憶30b,30cとから構成されたものであ
って、その入力x(k)及び出力y(k+1)間の関係
は、ARMAモデル内の重み係数をαi (t),β
j (t),γk (t)、主記憶30a及び補助記憶30
b,30cの記憶数をn,l,mとすれば、下記の
(6)式のようになる。
【0050】 そして、ARMAモデル30の出力y(t+1)と、次
の処理におけるARMAモデル30への入力x(t+
1)との誤差e(t+1){=x(t+1)−y(t+
1)}が小さくなるように、最小自乗法を利用して、重
み係数をαi (t),βj (t),γk (t)及び記憶
数をn,l,mを適宜更新する処理を上記第1実施例で
説明した図2に示す処理とともに実行する。
【0051】つまり、本実施例では、上記第1,第2実
施例のように現在の入力値のみではなく、過去の入力や
出力をそれに応じた重み係数を乗じてニューラルネット
ワークNNに取り込むとともに、ARMAモデル30の
出力を利用してニューラルネットワークNNの一部をな
すARMAモデル30内の重み係数や記憶数を更新する
機能(即ち、オンライン学習機能)を備えているため、
定常応答時だけでなく、操舵状態が変化した直後のよう
に過渡応答時であっても、高精度に路面摩擦係数μを推
定することができるのである。
【0052】よって、通常の街中を走行するような場合
であっても、路面摩擦係数μを取り入れて後輪操舵制御
を行うことができるから、全体的に操縦安定性を向上さ
せることができるようになる。ちなみに、本実施例のよ
うに自己回帰モデルを有するニューラルネットワークN
Nを用いずに同等の効果を得ようとすると、センサ入力
を多数の周波数成分毎に分解し、各周波数成分毎に設け
られたニューラルネットワークで演算を行い、それら各
ニューラルネットワークの出力を時間軸上に戻して路面
摩擦係数μを演算する構成としなければならないが、十
分な精度を得るためにはセンサ入力を非常に多く次数成
分毎(例えば、100次以上)に分解する必要があるた
め、実質的に実現不可能である。
【0053】ここで、本実施例では、上述した最小自乗
法を利用して重み係数及び記憶数を更新する処理によっ
て、オンライン学習手段が構成される。なお、本実施例
では、自己回帰モデルとしてARMAモデルを適用した
場合について説明したが、他の自己回帰モデル、例え
ば、ARMAX(ARMA+ARX(Auto Regressive
Exogenous ))モデルや、拡張カルマンフィルタ等を用
いてもよい。
【0054】図10は本発明の第4実施例を示す図であ
り、この実施例では、ニューラルネットワークNNへの
入力として、操舵角θ,車速v及びヨーレートφの3つ
のセンサ出力を利用したものである。即ち、上記第1〜
第3実施例では、操舵角θ,車速v,ヨーレートφ及び
横滑り角βの4つをニューラルネットワークNNへの入
力としているのに対し、本実施例では、横滑り角βを省
略しているのであり、横滑り角センサが不要である分、
安価な構成とすることができる。つまり、横滑り角セン
サを有しない車両であっても、容易に適用することがで
きるという利点がある。また、本実施例の構成は、特に
4WS車両であれば既に必要なセンサが備えられている
ことから、安価に実現できる。
【0055】図11は本発明の第5実施例を示す図であ
り、上記第4実施例の構成に前後加速度Xgをニューラ
ルネットワークNNへの入力として加えたものである。
即ち、車体に発生するヨーレートφは、路面摩擦係数μ
の影響を受けて大きく変化するものであるが、その他に
制動力の影響を受けても大きく変化するものであること
から、その制動力に応じて変化する前後方向加速度Xg
をニューラルネットワークNNへの入力とすることによ
り、路面摩擦係数μの推定精度を向上させようというも
のである。
【0056】例えば、路面摩擦係数μが1.0に近い乾い
た路面を走行中に、軽いブレーキ操作をしつつステアリ
ングを操舵すると、大きめのヨーレートが発生するが、
同じ状況で強いブレーキ操作をすれさ小さめのヨーレー
トが発生するのである。従って、本実施例のように前後
方向加速度XgをもニューラルネットワークNNへの入
力とすれば、さらに高精度に路面摩擦係数μを推定する
ことができるようになる。また、本実施例の構成は、特
に4WS車両であれば必要なセンサが既に備えられてい
ることから、安価に実現できる。
【0057】図12は本発明の第6実施例を示す図であ
り、上記第5実施例の構成に実後輪舵角δr をニューラ
ルネットワークNNへの入力として加えてものである。
即ち、4WS車両であれば、後輪舵角によっても発生す
るヨーレートが変化することから、実後輪舵角δr をも
ニューラルネットワークNNへの入力とすればまたさら
に高精度に路面摩擦係数μを推定することができるよう
になる。
【0058】図13は本発明の第7実施例を示す図であ
り、車輪回転数ω,ブレーキ圧力P及びブレーキトルク
B をニューラルネットワークNNへの入力としたもの
である。即ち、路面摩擦係数μが異なれば、同じブレー
キ圧力Pに対する車輪回転数ω及びブレーキトルクTB
が異なることから、本実施例の構成であっても、路面摩
擦係数μの推定が可能となるのである。
【0059】特に、本実施例の構成であれば、車両の直
進時であってもブレーキ操作が行われれば路面摩擦係数
μを推定することができるという利点がある。また、本
実施例の構成は、ABSを有する車両であれば必要なセ
ンサは既に備えられていることから、安価に実現でき
る。図14は本発明の第8実施例を示す図であり、車輪
回転数ω,エンジン回転数NE ,スロットル開度κ及び
駆動トルクTE をニューラルネットワークNNへの入力
としたものである。
【0060】このような構成であれば、アクセルを踏み
込んだ時の車輪回転数ωの変化から路面摩擦係数μを推
定することができるから、直進走行時に単に加速する場
合でも路面摩擦係数μを推定することができるようにな
る。また、本実施例の構成は、TCSを有する車両であ
れば必要なセンサは既に備えられていることから、安価
に実現できる。
【0061】図15は本発明の第9実施例を示す図であ
り、操舵角θ及びパワーステアリング装置の油圧PS
ニューラルネットワークNNへの入力としたものであ
る。即ち、油圧式パワーステアリング装置を有する車両
においては、路面摩擦係数μが異なれば、操舵角θに対
して発生するパワステ油圧PS が異なることから、本実
施例の構成であっても、路面摩擦係数μの推定が可能と
なる。
【0062】そして、本実施例の構成であれば、4W
S,ABS,TCS等の特殊な機能を有しない車両であ
っても、安価に実現できるという利点がある。図16は
本発明の第10実施例を示す図であり、上記第9実施例
の構成に車速vをニューラルネットワークNNへの入力
として加えたものである。このような構成であれば、上
記第9実施例と同様の利点があり、車速感応型の油圧式
パワーステアリング装置であっても高精度に路面摩擦係
数μを推定することができるようになる。
【0063】図17は本発明の第11実施例を示す図で
あり、これは、上記各実施例で説明したような特徴を有
するニューラルネットワークNNを複数設けるととも
に、それらニューラルネットワークNNの出力である路
面摩擦係数μをさらに別のニューラルネットワークNN
0 の入力とし、そのニューラルネットワークNN0 でさ
らに路面摩擦係数μ0 を演算しようとするものである。
【0064】このような構成であれば、上記各実施例で
求められた路面摩擦係数μに基づいて路面摩擦係数μ0
が求められることから、推定精度が飛躍的に向上するよ
うになる。図18は本発明の第12実施例を示す図であ
り、この実施例は、上記第4〜第11実施例の機能を統
合したものである。
【0065】即ち、上記第4〜第11実施例に必要なセ
ンサ出力を全て読み込み可能とし、それらセンサ出力
を、データローダ35及びスイッチ36を介して、必要
な組み合わせにしてニューラルネットワークNNに供給
可能としたものである。そして、例えば車両が4WS車
両として機能しており且つ操舵が行われている場合には
上記第4,第5又は第6実施例として機能させるべくそ
れに必要なセンサ出力をニューラルネットワークNNに
供給し、例えば制動時には上記第7実施例として機能さ
せるべくそれに必要なセンサ出力をニューラルネットワ
ークNNに供給し、例えば加速時には上記第8実施例と
して機能させるべくそれに必要なセンサ出力をニューラ
ルネットワークNNに供給し、特に高精度の路面摩擦係
数μの推定が必要な場合には上記第11実施例として機
能させるべく全てのセンサ出力をニューラルネットワー
クNNに供給する。なお、本実施例の場合、ニューラル
ネットワークNNの入力数は選択された機能によって異
なることになるが、非供給状態の入力層には“0”を入
力するようにし、それに対応して適宜学習を行っておけ
ばよい。
【0066】このような構成であれば、上記各実施例の
それぞれの利点を生かすことができるから、どのような
状況においても路面摩擦係数μを推定し、これを各種制
御に有効に用いることができるようになる。なお、上記
各実施例では、特に4WS車両に本発明を適用した場合
について説明したが、本発明を適用できる車両はこれに
限定されるものではなく、4WD,ABS,TCS等の
各種の機能を備えた車両であってもよいし、或いはエン
ジン制御やパワーステアリング制御等に適用することも
可能である。
【0067】また、ニューラルネットワークNNへの入
力としての車両の走行状態は、上記各実施例で説明した
ものに限定されるものではなく、要は、路面摩擦係数の
影響受けて変化し且つ検出が可能なものであれば何であ
ってもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
車両の走行状態を検出し、これをニューラルネットワー
クへの入力として路面摩擦係数を演算する構成としたた
め、直接検出可能なパラメータに基づき、直接測定が困
難な路面摩擦係数を高精度に推定することができるとい
う効果がある。
【0069】特に、請求項記載の発明であれば、より
高精度に路面摩擦係数を推定することができるという効
果がある。また、請求項記載の発明であれば、過渡応
答時であっても高精度に路面摩擦係数を推定することが
できるという効果がある。さらに、請求項3記載の発明
であれば、請求項1記載の発明と請求項2記載の発明と
を併せた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における車両の構成を示す
概念図である。
【図2】コントローラ内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである。
【図3】第1実施例におけるニューラルネットワークの
構成を示す概念図である。
【図4】操舵に対するヨーレート及び横滑り角の応答の
例を示す波形図である。
【図5】従来の4WS車両の制御効果を説明する波形図
である。
【図6】本実施例の効果を説明する波形図である。
【図7】第2実施例におけるニューラルネットワークの
構成を示す概念図である。
【図8】第3実施例におけるニューラルネットワークの
構成を示す概念図である。
【図9】ARMAモデルの一例を示す概念図である。
【図10】第4実施例の構成図である。
【図11】第5実施例の構成図である。
【図12】第6実施例の構成図である。
【図13】第7実施例の構成図である。
【図14】第8実施例の構成図である。
【図15】第9実施例の構成図である。
【図16】第10実施例の構成図である。
【図17】第11実施例の構成図である。
【図18】第12実施例の構成図である。
【符号の説明】
20 コントローラ 21 操舵角センサ 22 車速センサ 23 ヨーレートセンサ 24 横滑り角センサ 25 後輪舵角センサ NN ニューラルネットワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 113:00 123:00 127:00 137:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行状態を検出する車両走行状態
    検出手段と、この車両走行状態検出手段が検出した車両
    の走行状態を入力とし路面摩擦係数を出力とするニュー
    ラルネットワークと、を備え 前記ニューラルネットワークは、複数個の数値を並列に
    出力するニューラルネットワークを用いるとともに、前
    記複数個の出力と同じ個数の要素からなり既知の路面摩
    擦係数に応じたパターンに設定される数列を教師信号と
    して学習を行ったものである ことを特徴とする路面摩擦
    係数推定装置。
  2. 【請求項2】 車両の走行状態を検出する車両走行状態
    検出手段と、この車両走行状態検出手段が検出した車両
    の走行状態を入力とし路面摩擦係数を出力とするニュー
    ラルネットワークと、を備え、 前記ニューラルネットワークは自己回帰モデルを有する
    ニューラルネットワークを用いるとともに、前記自己回
    帰モデルの出力を利用して前記ニューラルネットワーク
    を学習させるオンライン学習手段を設けたことを特徴と
    する 路面摩擦係数推定装置。
  3. 【請求項3】 前記ニューラルネットワークは自己回帰
    モデルを有するニューラルネットワークを用いるととも
    に、前記自己回帰モデルの出力を利用して前記ニューラ
    ルネットワークを学習させるオンライン学習手段を設け
    た請求項1記載の路面摩擦係数推定装置。
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