JPH11208494A - 車両の自動操舵装置 - Google Patents

車両の自動操舵装置

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JPH11208494A
JPH11208494A JP10011573A JP1157398A JPH11208494A JP H11208494 A JPH11208494 A JP H11208494A JP 10011573 A JP10011573 A JP 10011573A JP 1157398 A JP1157398 A JP 1157398A JP H11208494 A JPH11208494 A JP H11208494A
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  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際に車両を走行させてデータを採取しなく
とも、適応的にPID制御を行えるようにするととも
に、積載量および車速が変化しても制御マップを用いず
に有効な追従制御を行い、走行データの過渡的な変動な
どによるひんぱんな自動操舵の解除および設定の繰り返
しを少なくする。 【解決手段】 操舵目標値(S)と現在の操舵値(M)
との差分(Δ)に対して行ったPID処理により得られ
た制御出力(δ)を演算関数として表された車両モデル
を介して制御回路の入力に負帰還させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に利用す
る。本発明は、自動車の自動操舵制御を行うための論理
演算の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の自動操舵は、操舵目標として、道
路に描かれた走行レーンに沿って走行するもの、道路に
沿って送信される無線信号あるいは光信号に追従するも
の、先行車両に追尾するもの、その他が知られている。
この制御のための演算論理を図を用いて説明する。
【0003】図6は従来例制御装置の演算論理を説明す
るフローチャートである。自動操舵が開始され装置がリ
セットされると、操舵目標値(S)を取込み(ステップ
1)、この目標値(S)と自車の現在の操舵値(M)と
の差分(Δ)を演算し(ステップ2)、この差分(Δ)
に対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を送出し
(ステップ3)、この制御出力(δ)をアクチュエータ
に出力する(ステップ4)ように構成されている。操舵
目標値(S)はたとえば路面に描かれた走行レーンを基
準とする目標である。
【0004】そしてこの従来例装置では、車両に設けら
れた各種センサ出力(7)から走行条件データの取込み
演算が実行され(ステップ8)、そのデータの正常また
は異常が判定される(ステップ9)。そのデータが異常
であるときには、自動的にかつ強制的にこの自動制御を
解除して(ステップ10)手動操舵に戻す。そのデータ
が正常であるときにはこの制御を継続する。
【0005】また、上記PID演算処理を行う演算回路
には、比例利得(P)、積分利得(I)、および微分利
得(D)についてそれぞれ最適値を演算するためのマッ
プを用意しておき、走行条件のデータにしたがってその
PID値を自動設定する(ステップ11)ように構成さ
れている。これはたとえば、車両速度(V)が大きくな
るにしたがい、ロバスト性が高い制御感度になるように
設定されている。
【0006】なお、公知の従来例技術として、自動操舵
制御が自動的に解除されて手動操舵に戻るときに、操舵
輪の拘束トルクを徐々に緩やかに制御する技術(特開平
5−170118号公報)、あるいは手動操舵から自動
操舵への切り換えを行うときに、自動制御装置の診断を
実行して異常があるときには自動操舵への切り換えを禁
止する技術(特開平6−198108号公報)などが知
られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図6で説明した従来例
技術では、PID制御回路の最適利得がマップを参照す
ることにより演算されるので、車種毎に異なるマップを
用意することが必要である。さらに厳密には、車種毎に
車両を走行させて得られるデータからマップを作成する
ことが必要である。したがって、装置に記憶しなければ
ならないデータ量が大きくなるとともに、複数の車種に
ついてそれぞれ最適のマップを設定するために大きい工
数を要する欠点がある。この装置を市販車両に実施する
場合には、取付けられるタイヤ、ボディー形状、最大積
載量、その他パラメタがわずかづつ変更された車両につ
いて、その特性を試験してマップを作成することにな
る。
【0008】また、この従来例装置では、走行データに
異常が検出されたときには、直ちに自動操舵が解除され
るようになっているから、走行データの過渡的な変動な
どでひんぱんに自動操舵の解除が行われることになる。
自動制御の解除が行われるとあらためて操作により自動
制御の設定を行うことが必要であり、このような操作が
ひんぱんに行われ運転操作がわずらわしくなる。また、
速度零の発進時から自動操舵の条件を選ぶことができな
い不都合がある。
【0009】本発明はこのような背景に行われたもので
あって、実際に車両を走行させてデータを採取しなくと
も、適応的にPID制御を行うことができる装置を提供
することを目的とする。実用車両で積載量が変化したと
き、運転車速が変化したときにも、マップを用いること
なく有効な追従制御を行うことができる自動操舵装置を
提供することを目的とする。本発明は、走行データに異
常が検出されたとき、あるいは車速が零にあるときに
も、自動制御を解除するのではなく、制御感度を低くし
て(ロバスト性の高い感度に設定して)自動制御を継続
し、走行データの過渡的な変動などによりひんぱんに自
動操舵の解除および設定を繰り返す必要のない装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、実際に車両を
走行させデータを採取することなく、車両条件および走
行条件の変化に対応して自動操舵制御を行うことを特徴
とする。
【0011】すなわち、本発明の第一の観点は、操舵目
標値(S)を取込む手段(1)と、この目標値(S)と
自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ)を演算する手
段(2)と、この差分(Δ)に対してPID演算処理を
行い制御出力(δ)を送出する制御回路(3)とを備え
た車両の自動操舵装置において、伝達関数として自車の
車両モデル(5)を備え、前記制御出力(δ)がこの車
両モデルを介して前記制御回路(3)の入力に負帰還接
続されたことを特徴とする(図1参照)。
【0012】前記車両モデルは、車速(V)、積荷を含
む車体質量(m)および走行中の路面の摩擦係数(μ)
をパラメタに含む演算関数として与えられ、かつ、車両
に設けられたセンサ出力にしたがってリアルタイムに与
えられる演算関数であることが望ましい。
【0013】自動操舵が開始され装置がリセットされる
と、操舵目標値(S)を取込み、自車の現在の操舵値
(M)との差分(Δ)を演算し、この差分(Δ)に対し
てPID演算処理を行い、この処理によって得られた制
御出力(δ)を車両モデルを介して負帰還させる。車両
モデル(5)には、車両に設けられた各種センサ(7)
の出力データを演算することにより得られた走行条件が
出力されるので、この負帰還処理で得られた制御出力
(δ)により車両条件および走行条件の変化に対応した
制御信号をアクチュエータに出力する。
【0014】車両のモデルのパラメタはその車両につい
て関数により設定される。すなわち、PID演算の入力
ΔinはΔin=Δ−f(δ),fは車両モデルを表す
関数となる。これは走行にしたがい適応的に変化するの
で、関数fとして複数の車種に共通の演算関数を与えて
おくことにより車種により、あるいはタイヤ特性(荷重
−コーナリング特性)などのこまかい仕様により、制御
マップを変更するなどの設定操作は必要がなくなる。
【0015】これを概念的に説明すると次のとおりであ
る。図7を参照して、従来から制御パラメタを変更する
には図7(c)のようにPID制御のパラメタそれ自体
を変更することが必要であったところ、本発明では、図
7(a)のようにPID出力からモデルを介して負帰還
接続することにより、モデルのパラメタを変更すること
により、実質的にPID制御のパラメタを変更すること
になる。すなわち、図7(a)は図7(b)と等価であ
り、モデルのパラメタを変更することにより実質的にP
IDの制御のパラメタが変更される。そして、モデルの
パラメタは車両特性の模擬特性であり、車速(V)、走
行中の路面摩擦係数(μ)、積荷を含む車体の質量
(m)、その他車両特性はそのままモデル化することが
できる。したがって、PID制御のパラメタを変更する
ために、複雑な変換関数を用いたり、あるいはあらかじ
め用意された変換マップを利用して変換を行うなどの必
要がなく、そのままモデルのパラメタを車両の各時点の
特性変化にしたがって単純に変更すればよいことにな
る。変換関数や変換マップは車両の種別により異なる
が、モデルとなる関数は基本的に車種や積荷の変化によ
って変更されることはなく、多数の車種に共通に設定し
て利用することができる。したがって、PID制御のパ
ラメタを変更することが複雑であったところが、本発明
では、実質的に制御のパラメタを変更することがきわめ
て単純であり分かりやすくなる。
【0016】自動操舵における車両条件として積荷を含
む車体質量(m)の変化があり、また走行条件として車
速(V)および走行中の路面摩擦係数(μ)の変化があ
るので、車両モデルは、積荷を含む車体の質量(m)、
車速(V)および路面摩擦係数(μ)をパラメタとする
演算関数として与え、これらのパラメタについて、車両
に設けられたセンサ出力にしたがってリアルタイムに設
定される。
【0017】本発明の第二の観点は、走行データに異常
が検出されたとき、あるいは車速が零にあるときには、
制御感度を低くして(ロバスト性の高い感度に設定し
て)自動制御を継続する構成についてであって、操舵目
標値(S)を取込む手段(1)と、この目標値(S)と
自車の現在の操舵値(M)との差分(Δ)を演算する手
段(2)と、この差分(Δ)に対してPID演算処理を
行い制御出力(δ)を送出する制御回路(3)とを備え
た車両の自動操舵装置において、前記制御回路(3)の
制御利得(G)を G=P+(I/s)+Ds ただし、Pは比例利得、Iは積分利得、Dは微分利得、
sはラプラス演算子とするとき、車両に設けられたセン
サ出力に異常が検出されるときに、前記制御回路(3)
にP=p0 、I≒0、D≒0(ただし、p0 <1)を設
定する手段(6)を備えたことを特徴とする(図1参
照)。
【0018】車両に設けられたセンサ出力に異常が検出
されるときには、車速が零であるとき(V=0)を含
み、前記p0 は0.1 ≦p0 ≦0.2 であることが望まし
い。
【0019】自動操舵が開始され装置がリセットされる
と、各種センサ(7)の出力を取込み、車速(V)、積
荷を含む車体質量(m)および走行中の路面摩擦係数
(μ)により示される車両条件を含む走行条件を車両モ
デル(5)に出力するとともに、そのデータが正常であ
るか否かを判定する。その値が正常であればPID制御
をそのまま継続し同様の処理を繰り返す。異常であれ
ば、 比例利得 P=p0 (0.1≦p0 ≦0.2) 積分利得 I≒0 微分利得 D≒0 を設定し制御回路(3)に出力する。
【0020】制御回路(3)は、この値を用いて、制御
利得(G)を G=P+(I/s)+Ds により演算し、この小さい値に設定された制御利得
(G)による制御出力(δ)を車両モデル(5)を介し
て負帰還させ、この負帰還処理により補正された制御出
力(δ)をアクチュエータに出力し自動操舵制御を継続
する。
【0021】これにより、走行データに異常が表れても
直ちに自動制御が解除されるのではなく、比例制御のみ
が継続され、しかもその比例利得がきわめて小さい値
(ロバスト性の高い感度)で継続されるので、感度が鈍
く制御が乱れる可能性は小さい。走行データが正常に戻
るとただちに前の制御をつづけて実行することができ
る。したがって運転者は自動制御の解除に伴う再設定の
操作を繰り返し行う必要はない。
【0022】本発明の第三の観点は、車両モデルにより
自車の走行状態を推測しフィードバックするとともに、
走行データに異常が検出されたとき、あるいは車速が零
にあるときには、制御感度を低くして自動制御を継続す
る構成についてであって、上述の二つの制御をともに備
えた構成を特徴とする。
【0023】すなわち、操舵目標値(S)を取込む手段
(1)と、この目標値(S)と自車の現在の操舵値
(M)との差分(Δ)を演算する手段(2)と、この差
分(Δ)に対してPID演算処理を行い制御出力(δ)
を送出する制御回路(3)とを備えた車両の自動操舵装
置において、伝達関数として自車の車両モデル(5)を
備え、前記制御出力(δ)がこの車両モデルを介して前
記制御回路(3)の入力に負帰還接続され、前記制御回
路(3)の制御利得(G)を G=P+(I/s)+Ds ただし、Pは比例利得、Iは積分利得、Dは微分利得、
sはラプラス演算子とするとき、車両に設けられたセン
サ出力に異常が検出されるときに、前記制御回路(3)
にP=p0 、I≒0、D≒0(ただしp0 <1)を設定
する手段(6)を備えたことを特徴とする(図1参
照)。
【0024】このような制御を行うことにより、自動操
舵走行を行う場合に、実際に車両を走行させてデータを
採取しなくても、積載量および運転車速の変化に対応し
て、制御マップを用いることなく有効な追従制御を行う
ことができる。また、走行データに異常が検出されたと
き、あるいは車速が零を示しているときであっても、制
御感度を低くして自動制御を継続することができるの
で、走行データの過渡的な変動などによるひんぱんな自
動操舵の解除および設定の繰り返し操作を少なくするこ
とができる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明による自動操舵装置
の演算論理について説明する。図1は本発明による自動
操舵装置の演算論理を説明するフローチャートである。
【0026】自動操舵が開始され装置がリセットされる
と、道路に描かれた走行レーン、道路に沿って送信され
る無線信号あるいは光信号、先行車両などの操舵目標値
(S)を取込み(ステップ1)、自車の現在の操舵値
(M)との差分(Δ=S−M)、すなわち自車の位置と
目標コースとのずれを演算し(ステップ2)、この差分
(Δ)に対して制御回路がPID演算処理を行い(ステ
ップ3)、この演算処理によって得られた制御出力
(δ)を車両モデルを介して(ステップ5)制御回路の
入力に負帰還させる(ステップ4)。この負帰還により
車両条件および走行条件が変化した場合には、操舵目標
値(S)に対する補正が行われ、補正された操舵角を設
定するために必要な電圧が制御出力(δ)としてアクチ
ュエータに付与される(ステップ4)。
【0027】一方、自動操舵開始のための装置のリセッ
トにともなって、制御回路は各種センサからの出力を取
込み(ステップ7)、車速(V)、積荷を含む車体質量
(m)および走行中の路面摩擦係数(μ)により示され
る車両条件を含む現在の走行条件を車両モデルに出力す
るとともに(ステップ8)、そのデータが正常であるか
否かを判定する(ステップ9)。
【0028】そのデータが正常であれば制御回路による
PID制御を継続して同様の処理を繰り返す。データに
異常がある場合には、例えば走行路のカーブなどによっ
て操舵目標値(S)が一時的に取込まれなかったことに
よりデータ異常が示されるようなことがあるので、走行
状態の変化をリアルタイムに表わす比例利得Pの値を車
速(V)が変化しても制御成績が最も安定する値p0
設定するとともに、走行状態の変化が表われにくい積分
利得(I)および微分利得(D)をほぼ零に設定して制
御回路に出力する。制御回路はこの出力により制御利得
(G)を G=P+(I/s)+Ds sはラプラス演算子により演算し、現状に適応した制御
出力(δ)をアクチュエータに出力する。
【0029】比例利得Pに設定する値は、0.1≦p0
≦0.2の範囲で設定される。図2は本発明装置にかか
わるP値と制御成績との関係を車速毎に示したものであ
る。縦軸の制御成績は、図3に示す操舵角の実測値と演
算された操舵角の値とのずれ量を面積(斜線の部分)で
表わした値である。P値を変化させると、車速が40k
m/h、60km/h、80km/hのときのいずれも
制御成績は変化するが、車速が変化しても制御成績が安
定するP値が存在する。この例ではその安定する範囲は
0.1〜0.2であり、したがってその中心値0.15
を設定すれば有効な制御を行うことができる。
【0030】なお、車両条件がない状態、例えば、発車
前あるいはセンサ故障時には、車両モデルおよび制御回
路は動作できない状態にあるので仮の初期値を設定す
る。この初期値には、実車の挙動と車両モデルで計算し
た挙動に大きな違いが発生しない安定した制御ができる
値を設定する。
【0031】
【実施例】ここで、本発明による演算論理を用いた自動
操舵装置の実施例について説明する。図4は本発明実施
例自動操舵装置による自動操舵状態を説明する図、図5
は本発明実施例自動操舵装置の要部の構成を示すブロッ
ク図である。操舵目標としては、道路に描かれた走行レ
ーンに沿って走行するもの、道路に沿って送信される無
線信号あるいは光信号に追従するもの、先行車両に追尾
するものなどがあるが、図2には先行車両に追尾する形
態の実施例が示されている。
【0032】本発明実施例は、先行車両を操舵目標とし
てレーダ装置21からその操舵目標値(S)を取込む操
舵目標値取込手段11と、この目標値(S)と操舵角セ
ンサ20より検出された自車の現在の操舵値(M)との
差分(Δ)を演算する操舵値差分演算手段12と、この
差分(Δ)に対してPID演算処理を行うPID演算処
理手段10を含み制御出力(δ)を操舵アクチュエータ
22に送出する制御回路13とが備えられ、本発明の特
徴として、車両モデル15が備えられ、制御出力(δ)
がこの車両モデル15を介して制御回路13の入力に負
帰還接続される。
【0033】車両モデル15は、車速センサ23により
検出された車速(V)、荷重センサ24により検出され
た積荷を含む車体質量(m)、および路面摩擦係数推定
装置25により推定演算された走行中の路面の摩擦係数
(μ)その他をパラメタに含む演算関数として、例え
ば、
【0034】
【数1】 として与えられる。
【0035】ただし、β:横すべり角、γ:ヨーレイ
ト、kf :フロント・コーナリング・フォース、kr
リヤ・コーナリング・フォース、lf :フロント車軸の
中心から重心までの距離、lr :リヤ車軸の中心から重
心までの距離、Im :ヨー慣性モーメント 車両モデル15には、その他の制御情報として、ヨーレ
イト・センサ26、ブレーキ・センサ27および加速度
センサ28の出力が接続される。
【0036】さらに、制御回路13の制御利得(G)を G=P+(I/s)+Ds ただし、Pは比例利得、Iは積分利得、Dは微分利得、
sはラプラス演算子とするとき、車両に設けられたセン
サ出力に異常が検出されたときに、制御回路13にP=
0 、I≒0、D≒0(ただし、p0 <1)を設定する
PID値設定手段16が備えられる。
【0037】車両に設けられたセンサ出力に異常が検出
されたときには、車速が零であるとき(V=0)が含ま
れ、比例利得Pに設定されるp0 は、 0.1≦p0 ≦0.2 の範囲で設定される。
【0038】次に、このように構成された本発明実施例
自動操舵装置による動作について説明する。本実施例装
置の動作は図1に示すフローチャートの流れにしたがっ
て行われる。
【0039】すなわち、自動操舵が開始され装置がリセ
ットされると、操舵目標値取込手段11がレーダ装置2
1が検知した先行車両を操舵目標値(S)として取込
み、操舵値差分演算手段12が操舵角センサからの出力
に示されている現在の操舵値(M)との差分(Δ=S−
M)を演算する。この差分(Δ)が自車の位置と目標コ
ースとのずれとなる。演算された差分(Δ)は制御回路
13に出力され、制御回路13のPID演算処理手段1
0がその差分に対してPID演算処理を行い制御出力
(δ)を算出し、車両モデル15を介して制御回路13
に負帰還する。
【0040】この負帰還により車両条件および走行条件
に変化があれば、操舵目標値(S)に対する補正が行わ
れ、補正された操舵角を設定するために必要とされる電
圧が制御出力(δ)として操舵アクチュエータ22に付
与される。
【0041】一方、自動操舵開始のリセットにともなっ
て、車速センサ23、荷重センサ24および路面摩擦係
数推定装置25から車速(V)、積荷を含む車体質量
(m)および走行中の路面摩擦係数(μ)を取込み、現
在の車両条件を含む走行条件を示す制御情報として車両
モデル15に出力するとともに、そのデータが正常であ
るか否かを判定する。
【0042】正常であれば制御回路13によるPID制
御を継続して同様の処理を繰り返す。そのデータが異常
であれば走行状態の変化をリアルタイムに表わす比例利
得Pの値を車速(V)が変化しても制御成績が最も安定
する値p0 (例えば0.15)に選定するとともに、走
行状態の変化が表われにくい積分利得(I)および微分
利得(D)をほぼ零に設定して制御回路13に出力す
る。
【0043】制御回路13はこの出力により制御利得
(G)を G=P+(I/s)+Ds sはラプラス演算子により演算し、現状に適応した制御
出力(δ)を操舵アクチュエータ22に出力する。操舵
アクチュエータ22はこの制御出力にしたがって操舵を
行い操舵目標に車両を追従させる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、自
動操舵走行を行う自動車において、実際に車両を走行さ
せてデータを採取しなくても、積載量および運転車速の
変化に対応して、制御マップを用いることなく有効な追
従制御を行うことができる。また、走行データに異常が
検出されたとき、あるいは車速が零にあるときであって
も、制御感度を低くして(ロバスト性の高い感度に設定
して)自動制御を継続し、走行データの過渡的な変動な
どによるひんぱんな自動操舵の解除および設定の繰り返
し操作をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動操舵装置の演算論理を説明す
るフローチャート。
【図2】本発明による自動操舵装置にかかわるP値と制
御成績との関係を示す図。
【図3】本発明による自動操舵装置にかかわる操舵角の
実測値と演算値とのずれを説明する図。
【図4】本発明実施例自動操舵装置による自動操舵状態
を説明する図。
【図5】本発明実施例自動操舵装置の要部の構成を示す
ブロック図。
【図6】従来例自動操舵装置の演算論理を説明するフロ
ーチャート。
【図7】(a)、(b)および(c)はPID制御のパ
ラメタ変更を説明する図。
【符号の説明】
10 PID演算処理手段 11 操舵目標値取込手段 12 操舵値差分演算手段 13 制御回路 15 車両モデル 16 PID値設定手段 20 操舵角センサ 21 レーダ装置 22 操舵アクチュエータ 23 車速センサ 24 荷重センサ 25 路面摩擦係数推定装置 26 ヨーレイト・センサ 27 ブレーキ・センサ 28 加速度センサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 113:00 131:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵目標値(S)を取込む手段(1)
    と、この目標値(S)と自車の現在の操舵値(M)との
    差分(Δ)を演算する手段(2)と、この差分(Δ)に
    対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を送出する
    制御回路(3)とを備えた車両の自動操舵装置におい
    て、 伝達関数として自車の車両モデル(5)を備え、前記制
    御出力(δ)がこの車両モデルを介して前記制御回路
    (3)の入力に負帰還接続されたことを特徴とする車両
    の自動操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記車両モデルは、車速(V)、積荷を
    含む車体質量(m)および走行中の路面の摩擦係数
    (μ)をパラメタに含む演算関数として与えられる請求
    項1記載の車両の自動操舵装置。
  3. 【請求項3】 前記車両モデルは、車両に設けられたセ
    ンサ出力にしたがってリアルタイムに与えられる演算関
    数である請求項2記載の自動操舵装置。
  4. 【請求項4】 操舵目標値(S)を取込む手段(1)
    と、この目標値(S)と自車の現在の操舵値(M)との
    差分(Δ)を演算する手段(2)と、この差分(Δ)に
    対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を送出する
    制御回路(3)とを備えた車両の自動操舵装置におい
    て、 前記制御回路(3)の制御利得(G)を G=P+(I/s)+Ds ただし、Pは比例利得、Iは積分利得、Dは微分利得、 sはラプラス演算子とするとき、車両に設けられたセン
    サ出力に異常が検出されるときに、前記制御回路(3)
    にP=p0 、I≒0、D≒0(ただし、p0 <1)を設
    定する手段(6)を備えたことを特徴とする車両の自動
    操舵装置。
  5. 【請求項5】 車両に設けられたセンサ出力に異常が検
    出されるときには、車速が零であるとき(V=0)を含
    む請求項4記載の車両の自動制御装置。
  6. 【請求項6】 0.1 ≦p0 ≦0.2 である請求項4記載の
    車両の自動操舵装置。
  7. 【請求項7】 操舵目標値(S)を取込む手段(1)
    と、この目標値(S)と自車の現在の操舵値(M)との
    差分(Δ)を演算する手段(2)と、この差分(Δ)に
    対してPID演算処理を行い制御出力(δ)を送出する
    制御回路(3)とを備えた車両の自動操舵装置におい
    て、 伝達関数として自車の車両モデル(5)を備え、前記制
    御出力(δ)がこの車両モデルを介して前記制御回路
    (3)の入力に負帰還接続され、 前記制御回路(3)の制御利得(G)を G=P+(I/s)+Ds ただし、Pは比例利得、Iは積分利得、Dは微分利得、 sはラプラス演算子とするとき、車両に設けられたセン
    サ出力に異常が検出されるときに、前記制御回路(3)
    にP=p0 、I≒0、D≒0(ただしp0 <1)を設定
    する手段(6)を備えたことを特徴とする車両の自動操
    舵装置。
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