JP3271956B2 - 車両の路面摩擦係数推定装置 - Google Patents

車両の路面摩擦係数推定装置

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JP3271956B2
JP3271956B2 JP26773099A JP26773099A JP3271956B2 JP 3271956 B2 JP3271956 B2 JP 3271956B2 JP 26773099 A JP26773099 A JP 26773099A JP 26773099 A JP26773099 A JP 26773099A JP 3271956 B2 JP3271956 B2 JP 3271956B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行環境に応じて
適切に路面μを推定することのできる車両の路面摩擦係
数推定装置。
【0002】
【従来の技術】近年、車両においてはトラクション制
御,制動力制御,或いはトルク配分制御等について様々
な制御技術が提案され、実用化されている。これらの技
術では、必要な制御パラメータの演算、或いは、補正に
路面μを用いるものも多く、その制御を確実に実行する
ためには、正確な路面μを推定する必要がある。
【0003】この路面μの推定には、車両の運動方程式
に基づいて予め設定された車両運動モデルに車両の運転
状態を入力して得られた所定パラメータの基準値に対し
て、実際値(センサ値やオブザーバによる推定値)を比
較して路面μを推定する技術が種々提案されている。例
えば、本出願人も、特願平10−242030号におい
て、オブザーバにより推定した車体すべり角を車両運動
モデルに基づいた高μ路および低μ路での車体すべり角
基準値と比較して路面μを推定する技術等を提案してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年では、車両
の走行環境をカメラその他で検出可能になってきてお
り、これら走行環境から路面μがあきらかに予想できる
場合がある。このような場合は、これらのデータを積極
的に活用すれば、路面μ推定に係わる演算負荷も低減す
ることができ、路面μの推定も迅速かつ正確に行える。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、走行環境のデータを積極的に活用し、路面μ推定に
係わる演算負荷を低減することができ、路面μの推定も
迅速かつ正確に行うことができる車両の路面摩擦係数推
定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の本発明による車両の路面摩擦係数推定装
置は、車両の運動状態を基に路面μを推定する路面μ推
定手段を備えた車両の路面摩擦係数推定装置において、
走行環境を検出し認識する走行環境認識手段と、低μ路
走行状態を検出する低μ路走行状態検出手段と、車両の
運動状態と上記低μ路走行状態検出手段からの低μ路走
行状態に応じて路面μを推定する低μ側路面μ推定手段
とを有し、上記路面μ推定手段は、上記走行環境認識手
段で一面雪とみなせる状態を検出した際、路面μを上記
低μ側路面μ推定手段で推定する路面μに応じて推定す
ることを特徴とする。
【0007】すなわち、走行環境認識手段で走行環境を
検出し認識し、低μ路走行状態検出手段で低μ路走行状
態を検出し、低μ側路面μ推定手段は車両の運動状態と
低μ路走行状態検出手段からの低μ路走行状態に応じて
路面μを推定する。そして、路面μ推定手段は、車両の
運動状態を基に路面μを推定するが、走行環境認識手段
で一面雪とみなせる状態を検出した際には、路面μを上
記低μ側路面μ推定手段で推定する路面μに応じて推定
する。
【0008】また、請求項2記載の本発明による車両の
路面摩擦係数推定装置は、請求項1記載の車両の路面摩
擦係数推定装置において、上記路面μ推定手段は、オブ
ザーバによりヨーレートの実際値を演算する実際値推定
部と、車両運動モデルにより所定の高μ路におけるヨー
レートの基準値を演算する高μ路基準値推定部と、車両
運動モデルにより所定の低μ路におけるヨーレートの基
準値を演算する低μ路基準値推定部と、上記ヨーレート
の実際値を上記高μ路基準値および上記低μ路基準値と
比較して現在の路面μを推定するヨーレート比較路面μ
推定部とを具備したことを特徴とする。
【0009】すなわち、路面μ推定手段は、実際値推定
部で、オブザーバによりヨーレートの実際値を演算し、
高μ路基準値推定部で、車両運動モデルにより所定の高
μ路におけるヨーレートの基準値を演算し、低μ路基準
値推定部で、車両運動モデルにより所定の低μ路におけ
るヨーレートの基準値を演算する。そして、ヨーレート
比較路面μ推定部は、ヨーレートの実際値を高μ路基準
値および低μ路基準値と比較して現在の路面μを推定す
る。
【0010】更に、請求項3記載の本発明による車両の
路面摩擦係数推定装置は、請求項1又は請求項2に記載
の車両の路面摩擦係数推定装置において、上記低μ側路
面μ推定手段は、車両の横運動の運動方程式に基づく車
両運動状態の演算値と検出値との比較により前後輪のコ
ーナリングパワーが現在の推定値より高いのか低いのか
に基づく適応制御理論のパラメータ調整則により前後輪
のコーナリングパワーを推定し、上記パラメータ調整則
により推定された前後輪のコーナリングパワーと高μ路
での前後輪のコーナリングパワーとの比により路面μを
推定するものであって、低μ路状態を示す入力がある際
には初期値を低μ路寄りの値に設定するものであること
を特徴とし、適応制御で路面μを正確に推定する。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図4は本発明の実施の形態
を示し、図1は路面摩擦係数推定装置の構成を示す機能
ブロック図、図2は4輪車の等価的な2輪車モデルを示
す説明図、図3は実際値比較路面μ推定部の構成を示す
機能ブロック図、図4はオブザーバの構成を示す説明図
である。
【0016】図1において、符号1は車両に搭載され、
路面μを推定する路面摩擦係数推定装置を示し、この路
面摩擦係数推定装置1は、適応制御路面μ推定部2と実
際値比較路面μ推定部3の2つの路面μ推定部を備えて
主要に構成されており、これら2つの路面μ推定部2,
3には走行環境認識部4からの認識結果による信号が入
力されるようになっている。
【0017】上記走行環境認識部4は、走行環境認識手
段としてのもので、車室内の天井左右に設けた一対のカ
メラ5で、車外の対象を異なる視点からステレオ撮像
し、この一組のステレオ画像対に対し、対応する位置の
ずれ量から三角測量の原理により画像全体に渡る距離情
報を求める処理を行なって、三次元の距離分布を表す距
離画像を生成する。そして、この距離画像を、格納して
おいた様々なデータに基づき処理して、車両前方の道路
状態や立体物(先行車)の認識等を行うようになってい
る。
【0018】また、この走行環境認識部4は、本出願人
が特願平11−216191号で詳述するように、一対
のカメラ5により得られた撮像画像中の所定領域に設定
された監視領域における画像データに基づいて、路面一
面雪とみなせる状態を検出したときに画像ホールトの信
号を出力するフェールセーフ機能を有している。具体的
には、監視領域の水平方向に関する輝度エッジの数と、
監視領域の全体的な輝度の大きさを算出し、輝度エッジ
の数が判定値よりも少なく、かつ、全体的な輝度の大き
さが判定値よりも大きい場合に一面雪とみなせる状態と
判定する。そして、走行環境認識部4は、走行環境が一
面雪とみなせる状態の際に、これを示す信号(以下、雪
状態信号と称す)を2つの路面μ推定部2,3に出力す
る。
【0019】上記適応制御路面μ推定部2は、上記走行
環境認識部4に加え、前輪舵角センサ6、車速センサ
7、及びヨーレートセンサ8が接続され、それぞれ、前
輪舵角δfs,車速Vs ,ヨーレート(ヨー角速度)(d
ψ/dt)s の各センサ値が入力されるようになってい
る。尚、各パラメータの添字sは、センサ値であること
を区別するためのものである。
【0020】また、車両には、ワイパースイッチ12、
低外気温判定部13、トラクション制御装置14、アン
チロックブレーキ(ABS)制御装置15、制動力制御
装置16、スリップ検出装置17、トランスミッション
制御装置18のうち少なくとも一つが搭載され、上記適
応制御路面μ推定部2に作動信号を入力するようになっ
ている。ここで、上記ワイパースイッチ12、低外気温
判定部13、トラクション制御装置14、アンチロック
ブレーキ(ABS)制御装置15、制動力制御装置1
6、スリップ検出装置17、トランスミッション制御装
置18は、車両が低μ路走行状態と推定される際に、適
応制御路面μ推定部2に作動信号を出力するようになっ
ており、低μ路走行状態検出手段としてのものである。
【0021】これらを簡単に説明すると、上記ワイパー
スイッチ12は、ワイパーが作動した際に、作動信号を
適応制御路面μ推定部2に出力する。
【0022】上記低外気温判定部13は、例えば、外気
温度が低外気温(例えば、0℃以下)か否か判定し、低
外気温の場合に作動信号を適応制御路面μ推定部2に出
力する。
【0023】上記トラクション制御装置14は、例え
ば、4輪車輪速度を基に各車輪のスリップ率を検出し、
このスリップ率が設定値以上になった際に、ブレーキ駆
動系とエンジン制御系に所定の制御信号を出力して制動
またはエンジンのトルクダウンを行うようになってお
り、このトラクション制御装置14の作動信号は、適応
制御路面μ推定部2に対しても出力される。
【0024】上記ABS制御装置15は、例えば、4輪
車輪速度とブレーキスイッチからの信号に基づいて各車
輪の速度、加減速度および似的演算車体速度(ブレー
キペダルが踏まれており、かつ車輪速度の減速度が所定
値以上の場合は急ブレーキと判断し、その時点の車輪速
度を初速として設定し、それ以降は所定の減速度で減速
させて演算した値)などを演算し、似的演算車体速度
と車輪速度との比較、車輪の加減速の大きさなどから判
断してアンチロックブレーキ作動の際に増圧、保持、減
圧の3つの油圧モードを選択し、選択された所定のブレ
ーキ制御信号をブレーキ駆動系に出力する。また、上記
ABS制御装置15の作動信号は、適応制御路面μ推定
部2に対しても出力される。
【0025】上記制動力制御装置16は、例えば、4輪
車輪速度、前輪舵角、ヨーレート、及び車両諸元を基に
目標ヨーレートの微分値、低μ路走行の予測ヨーレート
の微分値および両微分値の偏差を算出し、また実ヨーレ
ートと目標ヨーレートとの偏差を算出し、これらの値に
基づいて、車両のアンダーステア傾向、或いは、オーバ
ーステア傾向を修正する目標制動力を算出し、車両のア
ンダーステア傾向を修正するためには旋回方向内側後輪
を、オーバーステア傾向を修正するためには旋回方向外
側前輪を制動力を加える制動輪として選択し、ブレーキ
駆動系に制御信号を出力して選択車輪に目標制動力を付
加して制動力制御する。この制動力制御装置16の作動
信号は、適応制御路面μ推定部2に対しても出力され
る。
【0026】上記スリップ検出装置17は、例えば、前
輪車輪速度の左右平均と後輪車輪速度の左右平均の回転
数比が予め設定しておいた閾値を超えるか否かでスリッ
プ状態か否か判定し、スリップ状態の際に適応制御路面
μ推定部2に対して作動信号を出力する。
【0027】上記トランスミッション制御装置18は、
主に低μ路における牽引、走破性、脱出性を高めるため
の1レンジが選択されている際に、作動信号が適応制御
路面μ推定部2に対して出力される。
【0028】そして、上記適応制御路面μ推定部2は、
路面μを推定演算し、この推定した路面μを動力配分制
御装置21に出力する一方、走行環境認識部4から雪状
態信号が入力されると、実際値比較路面μ推定部3によ
り路面μの推定値が読み込まれるようになっている。上
記動力配分制御装置21は、この推定された路面μに応
じ、図示しないセンターディファレンシャルの差動制限
トルクを制御して、前後の動力配分を制御するようにな
っている。
【0029】上記適応制御路面μ推定部2は、路面μ
を、例えば、本出願人が、特開平8−2274号公報で
開示した適応制御を用いた方法により、前輪舵角δfs,
車速Vs ,ヨーレート(dψ/dt)s を用いて車両の
横運動の運動方程式に基づき、前後輪のコーナリングパ
ワーを非線形域に拡張して推定し、高μ路での前後輪の
等価コーナリングパワーに対する上記推定した前後輪の
コーナリングパワーの比を基に路面状況に応じた路面μ
を推定(路面μ推定値E)するようになっている。
【0030】路面μの推定方法は、車両の運動方程式に
基づくヨーレート応答と実際のヨーレートを比較し、タ
イヤの等価コーナリングパワーを未知パラメータとして
その値をオンラインで推定する。具体的には、以下の適
応制御理論によるパラメータ調整則で算出される。
【0031】図2の車両運動モデルを用いて、車両横方
向の並進運動に関する運動方程式は、前後輪のコーナリ
ングフォース(1輪)をFf,Fr、車体質量をM、横
加速度を(d2 y/dt2 )として、 M・(d2 y/dt2 )=2・Ff+2・Fr …(1) で与えられる。
【0032】一方、重心点まわりの回転運動に関する運
動方程式は、重心から前後輪軸までの距離をLf,L
r、車体のヨーイング慣性モーメントをIz、ヨー角加
速度を(d2 ψ/dt2 )として、 Iz・(d2 ψ/dt2 )=2・Ff・Lf−2・Fr・Lr …(2) で示される。
【0033】また、車体すべり角をβ、車体すべり角速
度(dβ/dt)とすると、横加速度(d2 y/d
2 )は、 (d2 y/dt2 )=V・((dβ/dt)+(dψ/dt)) …(3) で表される。
【0034】コーナリングフォースはタイヤの横すべり
角に対して1次遅れに近い応答をするが、この応答遅れ
を無視し、更に、サスペンションの特性をタイヤ特性に
取り込んだ等価コーナリングパワーを用いて線形化する
と以下となる。 Ff=−Kf・βf …(4) Fr=−Kr・βr …(5) ここで、Kf,Krは前後輪の等価コーナリングパワ
ー、βf,βrは前後輪の横すべり角である。
【0035】等価コーナリングパワーKf,Krの中で
ロールやサスペンションの影響を考慮するものとして、
この等価コーナリングパワーKf,Krを用いて、前後
輪の横すべり角βf,βrは、前輪舵角をδfとして以
下のように簡略化できる。 βf=β+Lf・(dψ/dt)/V−δf …(6) βr=β−Lr・(dψ/dt)/V …(7)
【0036】そこで上述の運動方程式を状態変数表現で
示し、パラメータ調整則を設定して適応制御理論を展開
することで種々のパラメータが推定される。次に、推定
されたパラメータから実車のコーナリングパワーを求め
る。実車のパラメータとしては、車体質量やヨーイング
慣性モーメント等があるが、これらは一定と仮定し、タ
イヤのコーナリングパワーのみが変化するものとする。
タイヤのコーナリングパワーが変化する要因としては、
すべり角に対する横力の非線形性、路面μの影響、荷重
移動の影響等がある。ヨーレートの変化により推定され
る(ヨーレートの変化により同定される)パラメータ
p、前輪舵角δfにより推定される(ステアリング角入
力によって同定が進む)パラメータqにより、前後輪の
コーナリングパワーKf,Krを求めると、例えば以下
のようになる。 Kf=(q・Iz・n)/(2・Lf) …(8) Kr=(p・Iz+Lf・Kf)/Lr …(9)
【0037】従って、上述の式により、前輪舵角δfs,
車速Vs ,ヨーレート(dψ/dt)s で演算して非線
形域の前後輪のコーナリングパワーKf,Krが推定さ
れる。そして推定された前後輪のコーナリングパワーK
f,Krは、例えば前後輪毎に高μ路のものと比較する
ことで、路面μが算出され、路面μに基づいて非線形域
の路面μ推定値Eが高い精度で設定される。
【0038】すなわち、前輪側と後輪側の基準等価コー
ナリングパワー(高μ路での等価コーナリングパワー)
を、それぞれKf0,Kr0とすると、前輪側と後輪側の路
面μ推定値Ef,Erは、 Ef=Kf/Kf0 …(10) Er=Kr/Kr0 …(11) そして、前輪側と後輪側の路面μ推定値Ef,Erの平
均値を最終的な路面μ推定値Eとする。 E=(Ef+Er)/2 …(12)
【0039】上述の適応制御理論を応用した路面μ推定
方法では、推定した路面μ(現在の推定値)で制御を行
って、その結果、どの程度、実際の路面μがずれている
のか演算され、上記現在の推定値に演算したずれ量がプ
ラスされて、すなわち現在の推定値よりも高いのか低い
のかに基づく積分動作で行われて正確な値が求められる
ようになっている。
【0040】また、上記ワイパースイッチ12のワイパ
ー作動信号、低外気温判定部13の低外気温判定信号、
トラクション制御装置14の作動信号、ABS制御装置
15の作動信号、制動力制御装置16の作動信号、スリ
ップ検出装置17のスリップ検出信号、トランスミッシ
ョン制御装置18の1レンジ選択による信号が適応制御
路面μ推定部2に入力されると、上記路面μ推定方法で
設定値を超える路面μが演算されている場合、路面μが
低μ寄り(例えば圧雪相当の0.3)に強制的に初期設
定され、この低μ寄りの値から再び路面μが演算され
る。
【0041】すなわち、適応制御路面μ推定部2におけ
る上述の路面μ推定方法は、路面μが現在の推定値より
も高いのか低いのかに基づく積分動作で行われるため、
路面μが変動した際に初めの路面μ推定値(初期値)が
実際の路面μと大きく異なっていると、適切な路面μ推
定結果を得るまでの時間が長くなってしまう。このた
め、車両のスリップ走行状態と低い路面μの走行路での
走行状態の少なくとも一方の場合に発生する上記各信号
が入力された際は、低μ寄りの値、すなわち、実際の路
面μに近い値から路面μを演算することで応答性の向上
が図られている。従って、適応制御路面μ推定部2は、
低μ路であっても正確に路面μを推定できる低μ側路面
μ推定手段として設けられている。そして、低μ路であ
っても正確に路面μを推定できることから、特に低μ路
で、その十分な作動が期待される動力配分制御装置21
に、路面μの推定値が出力される。また、走行環境認識
部4から、雪状態信号が入力されると、実際値比較路面
μ推定部3により路面μ推定値Eが読み込まれるように
なっている。
【0042】また、適応制御路面μ推定部2は、車両の
始動が長期停止後の始動を示す判定信号が入力された際
は、路面μが高μ領域と低μ領域の中間の領域の値(例
えば、μ=0.5)に強制的に初期設定され、この中間
の値から路面μが演算されるようになっている。ここで
長期停止後の始動の長期とは、例えば、車両出荷時又は
ディーラー等でのユニットを交換するのに要する程度の
期間である。通常のエンジン再始動時等では、バックア
ップ電源により前回推定したコーナリングパワに基づき
路面μが推定されるようになっている。
【0043】一方、前記実際値比較路面μ推定部3は、
路面μ推定手段としてのもので、前記走行環境認識部4
に加え、前輪舵角センサ6、車速センサ7、ヨーレート
センサ8、及び横加速度センサ9が接続され、それぞ
れ、前輪舵角δfs,車速Vs ,ヨーレート(dψ/d
t)s ,横加速度(d2 y/dt2 )s の各センサ値が
入力されるようになっている。
【0044】そして、上記実際値比較路面μ推定部3
は、路面μを推定演算し、この推定した路面μを、運転
支援制御装置2に出力し、この運転支援制御装置2
は、路面μを用いて前方に存在するカーブのコーナリン
グに係る制御等を行って、ドライバを支援する。ここ
で、上記実際値比較路面μ推定部3は、前記走行環境認
識部4から雪状態信号が入力された際は、その状態が予
め設定した時間(例えば、90秒)継続する場合は、適
応制御路面μ推定部2から路面μ推定値Eを読み込ん
で、推定する路面μを路面μ推定値Eに漸近させるよう
になっている。
【0045】上記実際値比較路面μ推定部3は、図3に
示すように、高μ路基準値推定部3a、低μ路基準値推
定部3b、実際値推定部3c、ヨーレート比較路面μ推
定部3dから主要に構成されている。
【0046】上記高μ路基準値推定部3aは、車速Vs
と前輪舵角δfsが入力され、予め設定しておいた高μ路
における車両の運動方程式に基づく車両運動モデルによ
り、検出した車速Vs 、前輪舵角δfsに対応するヨーレ
ートを高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)H として推
定演算し、ヨーレート比較路面μ推定部3dに出力す
る。
【0047】また、上記高μ路基準値推定部3aから
は、上記高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)H に加
え、高μ路基準のヨー角加速度(d2 ψ/dt2 )H と
横加速度(d2 y/dt2 )H が、ヨーレート比較路面
μ推定部3dに出力される。尚、上記高μ路基準値推定
部3aから出力される各パラメータの添字Hは、高μ路
基準のパラメータであることを示す。
【0048】上記低μ路基準値推定部3bは、車速Vs
と前輪舵角δfsが入力され、予め設定しておいた低μ路
における車両の運動方程式に基づく車両運動モデルによ
り、検出した車速Vs 、前輪舵角δfsに対応するヨーレ
ートを低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L として推
定演算し、ヨーレート比較路面μ推定部3dに出力す
る。
【0049】また、上記低μ路基準値推定部3bから
は、上記低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L に加
え、低μ路基準のヨー角加速度(d2 ψ/dt2 )L
が、ヨーレート比較路面μ推定部3dに出力される。
尚、上記低μ路基準値推定部3bから出力される各パラ
メータの添字Lは、低μ路基準のパラメータであること
を示す。
【0050】上記高μ路基準値推定部3a及び低μ路基
準値推定部3bで用いる車両運動モデルと、各パラメー
タの演算について、図2を基に説明する。すなわち、図
2の車両運動モデルについて、得られる前記(1)〜
(7)式により、以下の状態方程式を得る。 (dx(t) /dt)=A・x(t) +B・u(t) …(13) x(t) =[β (dψ/dt)]T u(t) =[δf 0]T a11=−2・(Kf+Kr)/(M・V) a12=−1−2・(Lf・Kf−Lr・Kr)/(M・
2 ) a21=−2・(Lf・Kf−Lr・Kr)/Iz a22=−2・(Lf2 ・Kf+Lr2 ・Kr)/(Iz
・V) b11=2・Kf/(M・V) b21=2・Lf・Kf/Iz b12=b22=0
【0051】上記高μ路基準値推定部3aでは、上記
(13)式に、例えば路面μが1.0における等価コー
ナリングパワーKf,Krを予め設定しておき、そのと
きどきの車両運動状態(車速Vs 、前輪舵角δfs)にお
ける(dx(t) /dt)=[(dβ/dt) (d2 ψ
/dt2 )]T を計算することで、高μ路基準の車体す
べり角速度(dβ/dt)H とヨー角加速度(d2 ψ/
dt2 )H を演算する。そして、演算した高μ路基準の
車体すべり角速度(dβ/dt)H とヨー角加速度(d
2 ψ/dt2 )H を積分することにより、高μ路基準の
車体すべり角βHとヨーレート(dψ/dt)H が得ら
れる。また、高μ路基準の車体すべり角βH とヨーレー
ト(dψ/dt)H を前記(6)式に代入することによ
り、高μ路基準前輪すべり角βfHが算出される。更に、
高μ路基準の車体すべり角速度(dβ/dt)H とヨー
レート(dψ/dt)H を前記(3)式に代入すること
により、高μ路基準横加速度(d2 y/dt2 )H が算
出される。
【0052】同様に、上記低μ路基準値推定部3bで
は、上記(13)式に、例えば路面μが0.3における
等価コーナリングパワーKf,Krを予め設定してお
き、そのときどきの車両運動状態(車速Vs 、前輪舵角
δfs)における(dx(t) /dt)=[(dβ/dt)
(d2 ψ/dt2 )]T を計算することで、低μ路基
準の車体すべり角速度(dβ/dt)L とヨー角加速度
(d2 ψ/dt2 )L を演算する。そして、演算した低
μ路基準の車体すべり角速度(dβ/dt)L とヨー角
加速度(d2 ψ/dt2 )L を積分することにより、低
μ路基準の車体すべり角βL とヨーレート(dψ/d
t)L が得られる。また、低μ路基準の車体すべり角β
L とヨーレート(dψ/dt)L を前記(6)式に代入
することにより、低μ路基準前輪すべり角βfLが算出さ
れる。
【0053】上記実際値推定部3cは、車速Vs 、前輪
舵角δfs、横加速度(d2 y/dt 2 )s 及びヨーレー
ト(dψ/dt)s が入力され、実際の車両の挙動をフ
ィードバックしつつ、実際のヨーレート(dψ/dt)
O を推定演算する、車両運動モデルにより形成したオブ
ザーバである。実際値推定部3cで推定演算されたヨー
レート(dψ/dt)O は、ヨーレート比較路面μ推定
部3dに対して出力される。また、実際値推定部3cか
らは、上記ヨーレート(dψ/dt)O に加え、ヨー角
加速度(d2 ψ/dt2 )O がヨーレート比較路面μ推
定部3dに対して出力される。尚、上記実際値推定部3
cから出力される各パラメータの添字Oは、オブザーバ
からのパラメータであることを示す。
【0054】ここで、本実施の形態によるオブザーバの
構成を図4により説明する。測定できる(センサで検出
できる)出力が、以下で示されるとき、 y(t) =C・x(t) …(14) オブザーバの構成は次のようになる。 (dx'(t)/dt)=(A−K・C)・x'(t)+K・y(t) +B・u(t) …(15)
【0055】ここで、このオブザーバを車両運動モデル
に適用すると、x(t) は状態変数ベクトル(x'(t)
の「’」は推定値であることを示す)、u(t) は入力ベ
クトル、A、Bは状態方程式の係数行列であり、これら
は前述したものに対応する。また、y(t) は観測可能な
センサ出力ベクトルで、 y(t) =[βs (dψ/dt)s ]T であり、センサによる車体すべり角βs は、前記(3)
式の関係から、センサによる横加速度(d2 y/d
2 )s 及びヨーレート(dψ/dt)s を基に得られ
るセンサによる車体すべり角速度(dβ/dt)s を積
分することにより求められる。さらに、Cはセンサ出力
と状態変数の関係を示す行列(本実施形態では単位行
列)、Kは任意に設定可能なフィードバックゲイン行列
であり、以下のように示される。
【0056】これらの関係から、オブザーバによりヨー
角加速度(d2 ψ/dt2 )O と車体すべり角速度(d
β/dt)O が以下の(16)、(17)式で推定演算
される。 (d2 ψ/dt2 )O =a11・(dψ/dt)O +a12・βO +b11・δfs +k11・((dψ/dt)s −(dψ/dt)O ) +k12・(βs −βO ) …(16) (dβ/dt)O =a21・(dψ/dt)O +a22・βO +k21・((dψ/dt)s −(dψ/dt)O ) +k22・(βs −βO ) …(17)
【0057】そして、これらにより演算されるヨー角加
速度(d2 ψ/dt2 )O と車体すべり角速度(dβ/
dt)O を積分することにより、ヨーレート(dψ/d
t)O と車体すべり角βO を演算する。さらに、車体す
べり角βO とヨーレート(dψ/dt)O を前記(6)
式に代入することにより、前輪すべり角βfOが算出され
る。
【0058】尚、上記高μ路基準値推定部3a、低μ路
基準値推定部3b、実際値推定部3cでの演算は、車速
Vs =0では、0による除算となり演算が行えない。こ
のため、極低速(例えば、10km/hに達しない速度)で
は、ヨーレート及び横加速度はセンサ値とする。すなわ
ち、 (dψ/dt)H =(dψ/dt)L =(dψ/dt)
O =(dψ/dt)s (d2 y/dt2 )O =(d2 y/dt2 )s とする。また、車体すべり角については、定常円旋回の
幾何学的関係から、 βH =βL =βO =δfs・Lr/(Lf+Lr) とする。このとき、コーナリングフォースは発生してい
ないので、前輪すべり角は全て0となる。
【0059】βfH=βfL=βfO=0
【0060】上記ヨーレート比較路面μ推定部3dに
は、車速Vs 、前輪舵角δfsのセンサ値と、高μ路基準
のヨーレート(dψ/dt)H 、ヨー角加速度(d2 ψ
/dt 2 )H 、横加速度(d2 y/dt2 )H と、低μ
路基準のヨーレート(dψ/dt)L 、ヨー角加速度
(d2 ψ/dt2 )L と、実際値として推定されたヨー
レート(dψ/dt)O 及びヨー角加速度(d2 ψ/d
2 )O が入力される。そして、後述する実行条件が満
たされる場合に、高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)
H と低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L とヨーレー
ト(dψ/dt)Oとにより、以下(18)式に基づき
新たな路面摩擦係数μγnを演算する。
【0061】ここで、μH は、高μ路基準値推定部3a
において予め想定した路面摩擦係数(例えば1.0)
を、μL は、低μ路基準値推定部3bにおいて予め想定
した路面摩擦係数(例えば0.3)をそれぞれ示してい
る。 μγn=((μH −μL )・(dψ/dt)O +μL ・(dψ/dt)H −μH ・(dψ/dt)L )/((dψ/dt)H −(dψ/dt)L ) …(18)
【0062】すなわち、この(18)式では、高μ路基
準ヨーレート(dψ/dt)H と低μ路基準ヨーレート
(dψ/dt)L から一次関数を形成し、この一次関数
にヨーレート(dψ/dt)O を代入することにより路
面μを求め、新たな路面摩擦係数μγnとする。尚、こ
の新たな路面摩擦係数μγnは、所定の上限値(例え
ば、1.0)と下限値(例えば、特に低μ路において精
度良く求めた他の路面摩擦係数値)の間で制限するもの
とする。
【0063】そして、(19)式のように、前回推定し
た路面摩擦係数μn-1 と今回の路面摩擦係数μγnとで
加重平均することでヨーレート比較による路面摩擦係数
μγを演算して、このヨーレート比較による路面摩擦係
数μγを、最終的に推定した路面μとして出力するよう
になっている。
【0064】 μγ=μn-1 +κ1 ・(μγn−μn-1 ) …(19) ここで、重み関数κ1 は、高μ路基準ヨーレート(dψ
/dt)H と低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L と
の差が大きいほど信頼性が高い推定値と考え、予め以下
のように定めた。 κ1 =0.3・|(dψ/dt)H −(dψ/dt)L | /|(dψ/dt)H | …(20)
【0065】また、上記ヨーレート比較路面μ推定部3
dで、ヨーレート比較による路面摩擦係数μγを演算す
る条件として次の条件を予め設定しておく。
【0066】(1−1)本来、多自由度系である車両
を、横移動+鉛直軸周りの2自由度で近似し、且つ2輪
モデルとしているため、実車両との挙動差が大きくな
る、低速走行、大転舵時には演算を行わない。例えば、
車速Vs が10km/hに達しない場合、ステアリング角の
絶対値が500deg より大きい場合には演算を行わな
い。
【0067】(1−2)センサ入力値の電気ノイズや、
モデル化の段階で考慮されていない外乱等の影響を考慮
し、ノイズや外乱等の影響の割合が相対的に大きくなる
ヨーレートの絶対値が小さい場合には演算を行わない。
例えば、ヨーレート(dψ/dt)O の絶対値が1.5
deg/s に達しない場合には演算を行わない。
【0068】(1−3)路面摩擦係数によってコーナリ
ングフォースに差が現れることを利用した路面摩擦係数
推定であるため、路面摩擦係数の影響に対してノイズや
外乱等の影響の割合が相対的に大きくなるコーナリング
フォースが小さい場合、すなわち、コーナリングフォー
スに比例する横加速度の絶対値が小さい場合には演算を
行わない。例えば、高μ路基準横加速度(d2 y/dt
2 )H の絶対値が0.15Gに達しない場合には演算を
行わない。
【0069】(1−4)舵角入力に対するヨーレート応
答は、路面摩擦係数により変化し遅れを生じる場合があ
る。この遅れが生じている時に路面摩擦係数の推定を行
うと誤差が大きくなる。従って、遅れが大きい場合や、
遅れによる誤差が大きくなると判断できる場合には演算
を行わない。例えば、ヨーレートの立ち上がり(ヨーレ
ートが発生し始めてから収束側に移行する間の設定範
囲)時以外の遅れによる誤差が大きくなると判断できる
場合には演算を行わない。ここで、ヨーレートの立ち上
がりは、(ヨーレート)・(ヨー角加速度)で判定す
る。
【0070】(1−5)高μ路基準ヨーレートと低μ路
基準ヨーレートとの差の絶対値がノイズや外乱等の影響
に対して十分な大きさを有しない場合は演算を行わな
い。例えば、高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)H と
低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L との差の絶対値
が1deg/s に達しない場合は演算を行わない。
【0071】(1−6)前記(20)式で0除算を避け
るため、例えば、高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)
H の絶対値が1deg/s に達しない場合は演算を行わな
い。
【0072】さらに、上記ヨーレート比較路面μ推定部
3dには、走行環境認識部4から走行環境を示す信号が
入力されるようになっている。そして、走行環境認識部
4から雪状態信号が入力された際、その状態が設定時間
(例えば、90秒)継続した場合は、上記適応制御路面
μ推定部2から路面μ推定値Eを読み込んで、ヨーレー
ト比較路面μ推定部3dで推定する路面摩擦係数μγ
を、適応制御路面μ推定部2からの路面μ推定値Eに漸
近させて、この値を最終的に推定した路面摩擦係数μと
して出力する。また、走行環境認識部4からの雪状態信
号がなくなった場合、上記ヨーレート比較路面μ推定部
3dは、所定時間(例えば、180秒)経過した後、通
常の路面μ推定に復帰するようになっている。
【0073】すなわち、走行環境認識部4から雪状態信
号が入力された場合、車両は低μ路走行をしている可能
性が高いため、実際値比較路面μ推定部3は、特に低μ
路であっても路面μの推定が正確に行える適応制御路面
μ推定部2からの路面μ推定値Eを採用するのである。
【0074】尚、本実施の形態においては、適応制御路
面μ推定部2と実際値比較路面μ推定部3の2つの路面
μ推定部を備えて、走行環境が一面雪とみなせる状態の
際、実際値比較路面μ推定部3の路面μ推定値を、低μ
の推定に特に優れた適応制御路面μ推定部2からの推定
値に漸近させるようになっているが、以下のような応用
ももちろん可能である。
【0075】路面摩擦係数推定装置が、適応制御路面μ
推定部、実際値比較路面μ推定部、或いは、他の方法の
路面μ推定部等一つのみで構成される場合、走行環境が
一面雪とみなせる状態の際は、予め設定しておいた路面
μの固定値(例えば、0.35)を設定する。
【0076】また、路面摩擦係数推定装置が、適応制御
路面μ推定部のみの場合、前述の適応制御路面μ推定部
2で説明した、ワイパースイッチ12、低外気温判定部
13、トラクション制御装置14、ABS制御装置15
等からの作動信号と同様にして、走行環境が一面雪とみ
なせる状態の際は、適応制御の初期値を予め設定してお
いた値(例えば、0.35)とする。
【0077】さらに、本実施の形態においては、適応制
御による路面μ推定方法とオブザーバによる路面μ推定
方法の組み合わせで説明しているが、他の路面μ推定方
法の組み合わせであっても応用できることは云うまでも
ない。
【0078】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
走行環境を検出し認識して、一面雪とみなせる状態を検
出した際は、この走行環境に応じた路面μが迅速に設定
できるので、走行環境のデータを積極的に活用して路面
μ推定に係わる演算負荷を低減することができ、路面μ
の推定も迅速かつ正確に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】路面摩擦係数推定装置の構成を示す機能ブロッ
ク図
【図2】4輪車の等価的な2輪車モデルを示す説明図
【図3】実際値比較路面μ推定部の構成を示す機能ブロ
ック図
【図4】オブザーバの構成を示す説明図
【符号の説明】
1 路面摩擦係数推定装置 2 適応制御路面μ推定部(低μ側路面μ推定手段) 3 実際値比較路面μ推定部(路面μ推定手段) 3a 高μ路基準値推定部 3b 低μ路基準値推定部 3c 実際値推定部 3d ヨーレート比較路面μ推定部 4 走行環境認識部(走行環境認識手段) 6 前輪舵角センサ 7 車速センサ 8 ヨーレートセンサ 9 横加速度センサ 12 ワイパースイッチ(低μ路走行状態検出手段) 13 低外気温判定部(低μ路走行状態検出手段) 14 トラクション制御装置(低μ路走行状態検出手
段) 15 ABS制御装置(低μ路走行状態検出手段) 16 制動力制御装置(低μ路走行状態検出手段) 17 スリップ検出装置(低μ路走行状態検出手段) 18 トランスミッション制御装置(低μ路走行状態
検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 21/00 G01N 21/00 (56)参考文献 特開 平11−230898(JP,A) 特開 平11−64128(JP,A) 特開 平10−138792(JP,A) 特開 平6−281539(JP,A) 特開 平11−101732(JP,A) 特開 平8−2274(JP,A) 特開 平11−216191(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/00 B62D 6/00 B60K 17/348 B60G 23/00 G01N 19/02 G01N 21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の運動状態を基に路面μを推定する
    路面μ推定手段を備えた車両の路面摩擦係数推定装置に
    おいて、 走行環境を検出し認識する走行環境認識手段と、低μ路
    走行状態を検出する低μ路走行状態検出手段と、車両の
    運動状態と上記低μ路走行状態検出手段からの低μ路走
    行状態に応じて路面μを推定する低μ側路面μ推定手段
    とを有し、上記路面μ推定手段は、上記走行環境認識手
    段で一面雪とみなせる状態を検出した際、路面μを上記
    低μ側路面μ推定手段で推定する路面μに応じて推定す
    ることを特徴とする車両の路面摩擦係数推定装置。
  2. 【請求項2】 上記路面μ推定手段は、オブザーバによ
    りヨーレートの実際値を演算する実際値推定部と、 車両運動モデルにより所定の高μ路におけるヨーレート
    の基準値を演算する高μ路基準値推定部と、 車両運動モデルにより所定の低μ路におけるヨーレート
    の基準値を演算する低μ路基準値推定部と、 上記ヨーレートの実際値を上記高μ路基準値および上記
    低μ路基準値と比較して現在の路面μを推定するヨーレ
    ート比較路面μ推定部とを具備したことを特徴とする請
    求項1記載の車両の路面摩擦係数推定装置。
  3. 【請求項3】 上記低μ側路面μ推定手段は、車両の横
    運動の運動方程式に基づく車両運動状態の演算値と検出
    値との比較により前後輪のコーナリングパワーが現在の
    推定値より高いのか低いのかに基づく適応制御理論のパ
    ラメータ調整則により前後輪のコーナリングパワーを推
    定し、上記パラメータ調整則により推定された前後輪の
    コーナリングパワーと高μ路での前後輪のコーナリング
    パワーとの比により路面μを推定するものであって、低
    μ路状態を示す入力がある際には初期値を低μ路寄りの
    値に設定するものであることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の車両の路面摩擦係数推定装置。
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