JPWO2002035263A1 - ポリマーフイルムと偏光膜とからなる偏光板 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ポリマーフイルムと偏光膜とが、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが実質的に45°となるように配置されている偏光板に関する。また、本発明は、入射した可視光全域にわたって円偏光を実現する円偏光板にも関する。さらに本発明は、偏光板を用いた表示品位の高い反射型液晶表示装置にも関する。
[従来技術]
λ/4板は、反射防止膜や液晶表示装置に関連する多くの用途を有しており、既に実際に使用されている。しかし、λ/4板と称していても、ある特定波長でλ/4やλ/2を達成しているものが大部分であった。
特開平5−27118号および同5−27119号の各公報には、レターデーションが大きい複屈折性フイルムと、レターデーションが小さい複屈折率フイルムとを、それらの光軸が直交するように積層させた位相差板が開示されている。二枚のフイルムのレターデーションの差が可視光域の全体にわたりλ/4であれば、位相差板は理論的には、可視光域の全体にわたりλ/4板として機能する。
特開平10−68816号公報に、特定波長においてλ/4となっているポリマーフイルムと、それと同一材料からなり同じ波長においてλ/2となっているポリマーフイルムとを積層させて、広い波長領域でλ/4が得られる位相差板が開示されている。
特開平10−90521号公報にも、二枚のポリマーフイルムを積層することにより広い波長領域でλ/4を達成できる位相差板が開示されている。
これに対し、特開平2000−137116号公報、およびWO00/26705号明細書には、一枚のポリマーフイルムで測定波長が短いほど位相差が小さくなる位相差板、円偏光板、および反射型液晶表示装置への適応に関しての記載がある。
[発明の要旨]
一枚のポリマーフイルムからなる位相差板を使用した反射型液晶表示装置は、ある程度のコントラストは得られるものの、そのレベルは充分ではなかった。本発明者が研究を進めたところ、この原因が、入射光が偏光板とλ/4フイルムを透過した際に短波長側で円偏光度がずれることが判明した。
本発明の目的は、一枚で、耐久性と光学的性質とに優れたポリマーフイルムを偏光膜の片側に、その遅相軸を偏光膜の透過軸に45°となる配置することで、優れた光学的性質を有する偏光板を得ることである。
本発明の目的は、短波長側での偏光度のズレを補正し、色ズレのない表示品位の高い反射型液晶表示装置を提供することでもある。
本発明は、ポリマーフイルムと偏光膜とからなり、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが実質的に45°となるように配置されている偏光板であって、偏光膜の透過率が30%乃至50%であり、偏光膜の偏光度が90%乃至100%であり、偏光板に450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率と透過軸に垂直な方向への透過率との比が下記式(I)を満足し、さらに、590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率と透過軸に垂直な方向への透過率との比が下記式(II)を満足することを特徴とする偏光板を提供する。
(I) 0.6≦T//(450)/T⊥(450)≦1.5
(II)0.6≦T//(590)/T⊥(590)≦1.5
[式中、T//(450)は、450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率であり;T⊥(450)は、450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に垂直な方向への透過率であり;T//(590)は、590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率であり;そして、T⊥(590)は、590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に垂直な方向への透過率である]。
また、本発明は、液晶セル、その片側に配置された一枚の偏光板、および反射板からなる反射型液晶表示装置であって、偏光板がポリマーフイルムと偏光膜とからなり、ポリマーフイルムが液晶セル側になり、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが実質的に45°となるように配置されており、偏光膜の透過率が30%乃至50%であり、偏光膜の偏光度が90%乃至100%であり、偏光板に450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率と透過軸に垂直な方向への透過率との比が上記式(I)を満足し、さらに、590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率と透過軸に垂直な方向への透過率との比が上記式(II)を満足することを特徴とする反射型液晶表示装置も提供する。
なお、本発明は、上記ポリマーフイルムがλ/4板(好ましくは広い波長領域でλ/4板)として機能し、上記偏光板が円偏光板として機能する場合に特に有効である。
本発明者は、偏光板における短波長側での偏光度のずれを、偏光膜とポリマーフイルムの改良、特にポリマーフイルム側の改良(例えば、レターデーション上昇剤の使用)により補正することに成功した。その結果、広い波長域で良好な光学的性質を有する偏光板が得られた。
上記の偏光板を反射型液晶表示装置に用いると、短波長側での偏光度のズレが補正され、色ズレのない高い表示品位が得られる。
[発明の詳細な説明]
(偏光板)
本発明に従う偏光板は、一枚のポリマーフイルムと一枚の偏光膜とからなる基本構成を有する。偏光膜のポリマーフイルムが設けられていない面に、透明保護膜を設けてもよい。透明保護膜としては、反対側と同じポリマーフイルムを用いてもよい。また、透明保護膜として、通常のセルロースアセテートフイルムを用いてもよい。
ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に45°となるように配置する。実質的に45°とは、40乃至50°であることを意味し、41乃至49°であることが好ましく、42乃至48°であることがより好ましく、43乃至47°であることがさらに好ましく、44乃至46°であることが最も好ましい。
偏光板の偏光膜側から450nmの光を入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(450))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(450))の比は、下記式(I)を満足する。
(I)0.6≦T//(450)/T⊥(450)≦1.5
さらに0.7≦T//(450)/T⊥(450)≦1.4であることが好ましい。
また、590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(590))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(590))の比が、下記式(II)を満足する。
(II)0.6≦T//(590)/T⊥(590)≦1.5
さらに0.7≦T//(590)/T⊥(590)≦1.4であることが好ましい。
(偏光膜)
偏光膜の透過率は、30%乃至50%である。透過率は、35%乃至50%であることが好ましく、40%乃至50%であることがさらに好ましい。
偏光膜の偏光度は、90%乃至100%である。偏光度は、95%乃至100%であることが好ましく、99%乃至100%であることがさらに好ましい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
市販の偏光膜を使用してもよい。
ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸の関係を適用される液晶表示装置の種類により異なるが、本発明の反射型液晶表示装置の場合は、実質的に45度となるように配置することが好ましい。
(ポリマーフイルム)
ポリマーフイルムをλ/4板として機能させる場合は、波長450nmで測定したレターデーション値(Re(450))が100乃至125nmであり、かつ波長590nmで測定したレターデーション値(Re(590))が120乃至160nmであり、そして、Re(590)−Re(450)≧2nmの関係を満足することが好ましい。Re(590)−Re(450)≧5nmであることがさらに好ましく、Re(590)−Re(450)≧10nmであることが最も好ましい。
波長450nmで測定したレターデーション値(Re(450))が108乃至120nmであり、波長550nmで測定したレターデーション値(Re(550))が125乃至142nmであり、波長590nmで測定したレターデーション値(Re(590))が130乃至152nmであり、そして、Re(590)−Re(550)≧2nmの関係を満足することが好ましい。Re(590)−Re(550)≧5nmであることがさらに好ましく、Re(590)−Re(550)≧10nmであることが最も好ましい。また、Re(550)−Re(450)≧10nmであることも好ましい。
ポリマーフイルムををλ/2板として機能させる場合は、波長450nmで測定したレターデーション値(Re(450))が200乃至250nmであり、かつ波長590nmで測定したレターデーション値(Re(590))が240乃至320nmであり、そして、Re(590)−Re(450)≧4nmの関係を満足する。Re(590)−Re(450)≧10nmであることがさらに好ましく、Re(590)−Re(450)≧20nmであることが最も好ましい
波長450nmで測定したレターデーション値(Re(450))が216乃至240nmであり、波長550nmで測定したレターデーション値(Re(550))が250乃至284nmであり、波長590nmで測定したレターデーション値(Re(590))が260乃至304nmであり、そして、Re(590)−Re(550)≧4nmの関係を満足することが好ましい。Re(590)−Re(550)≧10nmであることがさらに好ましく、Re(590)−Re(550)≧20nmであることが最も好ましい。また、Re(550)−Re(450)≧20nmであることも好ましい。
レターデーション値(Re)は、下記式に従って算出する。
レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d
式中、nxは、位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率(面内の最大屈折率)であり;nyは、位相差板の面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率であり;そして、dは、位相差板の厚さ(nm)である。
ポリマーフイルムは、一枚で下記式を満足することが好ましい。
1≦(nx−nz)/(nx−ny)≦2
式中、nxは、位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率であり;nyは、位相差板の面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率であり;そして、nzは、厚み方向の屈折率である。
ポリマーフイルムは、透明(光透過率が80%以上)であることが好ましい。
ポリマーフイルムは、外力により複屈折が発現しにくいことが好ましい。外力により複屈折が発現しにくいポリマの例には、セルロース誘導体(例、セルロースエステル、セルロースエーテル)、ノルボルネン系ポリマー、ビニル系ポリマー(例、ポリメチルメタクリレート)が含まれる。ノルボルネン系ポリマーとして、市販品(例、アートン、ゼオネックス)を用いてもよい。なお、複屈折の発現しやすいことが知られているポリマー(例、ポリカーボネート、ポリスルホン)であっても、分子修飾によって複屈折の発現性を低下させたポリマー(WO00/26705号明細書に記載)を本発明に使用することもできる。
セルロース誘導体が好ましく、セルロースエステルがさらに好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルが最も好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルロースアセテートが最も好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。
酢化度が57.0乃至61.5%であるセルロースアセテートを使用することが特に好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
セルロースアセテートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
また、セルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0乃至1.7であることが好ましく、1.3乃至1.65であることがさらに好ましく、1.4乃至1.6であることが最も好ましい。
ポリマーフイルムのレターデーションを調整するために、外力を与える方法(例えば、延伸)が一般的である。外力に代えて、レターデーション上昇剤を用いることもできる。レターデーション上昇剤としては、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物(欧州特許0911656A2号明細書記載)を用いることができる。
芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.05乃至15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。
芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が好ましい。
芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至12であることがより好ましく、2乃至8であることがさらに好ましく、3乃至6であることが最も好ましい。また、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環を芳香族環として有することが好ましい。
二つの芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれでもよい。
(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ましい。
(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環を形成してもよい。
(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせであることが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆になってもよい。
c1:−CO−O−
c2:−CO−NH−
c3:−アルキレン−O−
c4:−NH−CO−NH−
c5:−NH−CO−O−
c6:−O−CO−O−
c7:−O−アルキレン−O−
c8:−CO−アルケニレン−
c9:−CO−アルケニレン−NH−
c10:−CO−アルケニレン−O−
c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−
c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−O−
c13:−O−CO−アルキレン−CO−O−
c14:−NH−CO−アルケニレン−
c15:−O−CO−アルケニレン−
芳香族環および連結基は、置換基を有していてもよい。
置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファモイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香族性複素環基が含まれる。
アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有していてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メトキシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれる。
アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であることが好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセニルが含まれる。
アルキニル基の炭素原子数は、2乃至8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブチニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、アセチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。
脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセトキシが含まれる。
アルコキシ基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコキシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキシ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含まれる。
アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノおよびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メチルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。脂肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。
脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミドおよびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。
脂肪族置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノが含まれる。
脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カルバモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチルカルバモイルが含まれる。
脂肪族置換スルファモイル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモイルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。
脂肪族置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウレイドが含まれる。
非芳香族性複素環基の例には、ピペリジノおよびモルホリノが含まれる。
レターデーション上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ましい。
レターデーション上昇剤については、特開2000−111914号、同2000−275434号、同2001−166144号の各公報およびWO00/65384号明細書にも記載がある。
ソルベントキャスト法によりポリマーフイルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造する。
ポリマーフイルムの製造を、セルロースアセテートを例に説明する。
有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、30乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
二種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
一般的な方法でセルロースアセテート溶液を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースアセテートの量は、得られる溶液中に10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロースアセテートの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
溶液は、常温(0乃至40℃)でセルロースアセテートと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロースアセテートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃至110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
冷却溶解法により、溶液を調製することもできる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させることが困難な有機溶媒中にもセルロースアセテートを溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロースアセテートを撹拌しながら徐々に添加する。
セルロースアセテートの量は、この混合物中に10乃至40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアセテートの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
次に、混合物を−100乃至−10℃(好ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、セルロースアセテートと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
さらに、これを0乃至200℃(好ましくは0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒中にセルロースアセテートが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
なお、セルロースアセテート(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、33℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10℃程度の温度で保する必要がある。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
調製したセルロースアセテート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフイルムを製造する。
ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18乃至35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
ポリマーフイルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
可塑剤の添加量は、ポリマーの量の0.1乃至25質量%であることが好ましく、1乃至20質量%であることがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが最も好ましい。
ポリマーフイルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ましく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
ポリマーフイルムは、さらに延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3乃至100%であることが好ましい。
ポリマーフイルムの厚さは、10乃至70μmが好ましく、20乃至60μmが更に好ましく、最も好ましくは30乃至50μmである。
ポリマーフイルムの複屈折は、550nmの光で、0.00196乃至0.01375であることが好ましく、0.00168乃至0.006875であることがさらに好ましく、0.00275乃至0.00458であることが最も好まい。
ポリマーフイルムには、表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理を実施する。
フイルムの平面性を保持する観点から、表面処理におけるポリマーフイルムの温度を、ポリマーのガラス転移温度(Tg)以下とすることが好ましい。
偏光膜との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理を実施することが特に好ましい。ポリマーがセルロースアセテートである場合。酸処理またはアルカリ処理は、セルロースアセテートの鹸化処理として機能する。
アルカリ鹸化処理が特に好ましい。アルカリ鹸化処理は、フイルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。
アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は0.1N乃至3.0Nであることが好ましく、0.5N乃至2.0Nであることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温乃至90℃の範囲が好ましく、40℃乃至70℃がさらに好ましい。
ポリマーフイルム上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。接着層の厚みは0.1乃至2μmであることが好ましく、0.2乃至1μmであることがさらに好ましい。
(反射型液晶表示装置)
本発明に従う偏光板は、液晶表示装置、特に反射型液晶表示装置に有利に用いられる。
図1は、反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
図1に示す反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板(1)、反射電極(2)、下配向膜(3)、液晶層(4)、上配向膜(5)、透明電極(6)、上基板(7)、λ/4板(8)、そして偏光膜(9)からなる。
下基板(1)と反射電極(2)が反射板を構成する。下配向膜(3)〜上配向膜(5)が液晶セルを構成する。λ/4板(8)は、反射板と偏光膜(9)との間の任意の位置に配置することができる。
カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を設ける。カラーフィルター層は、反射電極(2)と下配向膜(3)との間、または上配向膜(5)と透明電極(6)との間に設けることが好ましい。
図1に示す反射電極(2)の代わりに透明電極を用いて、別に反射板を取り付けてもよい。透明電極と組み合わせて用いる反射板としては、金属板が好ましい。反射板の表面が平滑であると、正反射成分のみが反射されて視野角が狭くなる場合がある。そのため、反射板の表面に凹凸構造(特許275620号公報記載)を導入することが好ましい。反射板の表面が平坦である場合は(表面に凹凸構造を導入する代わりに)、偏光膜の片側(セル側あるいは外側)に光拡散フイルムを取り付けてもよい。
液晶セルは、TN(twisted nematic)型、STN(Supper Twisted Nematic)型またはHAN(Hybrid Aligned Nematic)型であることが好ましい。
TN型液晶セルのツイスト角は、40乃至100°であることが好ましく、50乃至90°であることがさらに好ましく、60乃至80°であることが最も好ましい。液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値は、0.1乃至0.5μmであることが好ましく、0.2乃至0.4μmであることがさらに好ましい。
STN型液晶セルのツイスト角は、180乃至360°であることが好ましく、220乃至270°であることがさらに好ましい。液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値は、0.3乃至1.2μmであることが好ましく、0.5乃至1.0μmであることがさらに好ましい。
HAN型液晶セルは、片方の基板上では液晶が実質的に垂直に配向しており、他方の基板上のプレチルト角が0乃至45°であることが好ましい。液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値は、0.1乃至1.0μmであることが好ましく、0.3乃至0.8μmであることがさらに好ましい。液晶を垂直配向させる側の基板は、反射板側の基板であってもよいし、透明電極側の基板であってもよい。
反射型液晶表示装置は、印加電圧が低い時に明表示、高い時に暗表示であるノーマリーホワイトモードでも、印加電圧が低い時に暗表示、高い時に明表示であるノーマリーブラックモードでも用いることができる。ノーマリーホワイトモードの方が好ましい。
[実施例1]
(ポリマーフイルムの作製)
室温において、平均酢化度57.5%のセルロースアセテート120質量部、トリフェニルホスフェート9.36質量部、ビフェニルジフェニルホスフェート4.68質量部、下記のレターデーション上昇剤3.00質量部、トリベンジルアミン2.00質量部、メチレンクロリド543.14質量部、メタノール99.35質量部およびn−ブタノール19.87質量部を混合して、溶液(ドープ)を調製した。
得られたドープを、製膜バンド上に流延し、室温で1分間乾燥後、45℃で5分間乾燥させた。乾燥後の溶剤残留量は30質量%であった。セルロースアセテートフイルムをバンドから剥離し、120℃で10分間乾燥した後、130℃で流延方向とは平行な方向に延伸した。延伸方向と垂直な方向は、自由に収縮できるようにした。延伸後、120℃で30分間乾燥した後、延伸フイルムを取り出した。延伸後の溶剤残留量は0.1質量%であった。
得られたポリマーフイルムフイルム(PF−1)の厚さは、54μmであり、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長450nm、550nmおよび590nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、118.3nm、137.2nmおよび140.7nmであった。従って、このセルロースアセテートフイルムは、広い波長領域でλ/4を達成していた。
さらに、アッベ屈折率計による屈折率測定と、レターデーションの角度依存性の測定から、波長550nmにおける面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の屈折率nzを求め、(nx−nz)/(nx−ny)の値を計算したところ、1.58であった。
(偏光板の作製)
市販の偏光膜(HLC2−5618HCS、サンリッツ(株)製)を使用した。偏光膜の透過率は43.4%、偏光膜の偏光度は99.98%であった。
作製したセルロースアセテートフイルムと偏光膜とを、フイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが45度となるように粘着剤で貼り合わせて偏光板を得た。
得られた偏光板の光学的性質を調べたところ、450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(450))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(450))の比(T//(450)/T⊥(450))は0.73であった。590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(590))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(590))の比(T//(590)/T⊥(590))は1.33であった。また、広い波長領域(450〜590nm)において、ほぼ完全な円偏光が達成されていた。
[実施例2]
(ポリマーフイルムの作製)
実施例1で得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量%のフイルムを、150℃の条件で、テンターを用いて45%の延伸倍率で横延伸して、ポリマーフイルム(PF−2 厚さ:40μm)を製造した。
作製したPF−2について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長450nm、550nmおよび590nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、118.3nm、137.2nmおよび140.7nmであった。従って、このセルロースアセテートフイルムは、広い波長領域でλ/4を達成していた。
さらに、アッベ屈折率計による屈折率測定と、レターデーションの角度依存性の測定から、波長550nmにおける面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の屈折率nzを求め、(nx−nz)/(nx−ny)の値を計算したところ、1.70であった。
(偏光板の作製)
市販の偏光膜(HLC2−5618HCS、サンリッツ(株)製)を使用した。偏光膜の透過率は43.4%、偏光膜の偏光度は99.98%であった。
作製したセルロースアセテートフイルムと偏光膜とを、フイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが45度となるように粘着剤で貼り合わせて偏光板を得た。
得られた偏光板の光学的性質を調べたところ、450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(450))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(450))の比(T//(450)/T⊥(450))は0.73であった。590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(590))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(590))の比(T//(590)/T⊥(590))は1.33であった。また、広い波長領域(450〜590nm)において、ほぼ完全な円偏光が達成されていた。
[実施例3]
(ポリマーフイルムの作製)
室温において、平均酢化度59.0%のセルロースアセテート120質量部、実施例1で用いたレターデーション上昇剤2.0質量部、トリフェニルホスフェート9.36質量部、ビフェニルジフェニルホスフェート4.68質量部、メチレンクロリド543.14質量部、メタノール99.35質量部およびn−ブタノール19.87質量部を混合して、溶液(ドープ)を調製した。
得られたドープを、製膜バンド上に流延し、室温で1分間乾燥後、45℃で5分間乾燥させた。乾燥後の溶剤残留量は30質量%であった。セルロースアセテートフイルムをバンドから剥離し、120℃で5分間乾燥した後、130℃で流延方向と45度方向に延伸した。延伸後、130℃で20分間乾燥した後、延伸フイルムを取り出した。延伸後の溶剤残留量は0.1質量%であった。
得られたポリマーフイルム(PF−3)の厚さは、97μmであり、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長450nm、550nmおよび590nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、115.7nm、137.4nmおよび141.1nmであった。従って、このセルロースアセテートフイルムは、広い波長領域でλ/4を達成していた。
さらに、アッベ屈折率計による屈折率測定と、レターデーションの角度依存性の測定から、波長550nmにおける面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の屈折率nzを求め、(nx−nz)/(nx−ny)の値を計算したところ、1.50であった。
(偏光板の作製)
市販の偏光膜(HLC2−5618HCS、サンリッツ(株)製)を使用した。偏光膜の透過率は43.4%、偏光膜の偏光度は99.98%であった。
作製したセルロースアセテートフイルムと偏光膜とを、フイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが45度となるように粘着剤で貼り合わせて偏光板を得た。
得られた偏光板の光学的性質を調べたところ、450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(450))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(450))の比(T//(450)/T⊥(450))は0.81であった。590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(590))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(590))の比(T//(590)/T⊥(590))は、1.33であった。また、広い波長領域(450〜590nm)において、ほぼ完全な円偏光が達成されていた。
[実施例4]
(偏光膜の作製)
平均重合度4000、ケン化度99.8mol%のPVAを水に溶解し、4.0%の水溶液を得た。この溶液をバンド流延、乾燥し、バンドから剥ぎ取り、ドライで流延方向に延伸してそのままヨウ素0.5g/l、ヨウ化カリウム50g/lの水溶液中に30℃にて1分間浸漬し、次いでホウ酸100g/l、ヨウ化カリウム60g/lの水溶液中に70℃にて5分間浸漬し、さらに水洗層で20℃、10秒間水洗して、さらに80℃で5分間乾燥してロール状偏光膜を得た。フイルムは幅1290mm、厚みは20μmであった。
偏光膜の透過率は43.7%、偏光膜の偏光度は99.97%であった。
(偏光板の作製)
実施例3で作製したセルロースアセテートフイルム、上記のように作製した偏光膜、そして市販のロール状セルロースアセテートフイルム(フジタック 富士写真フイルム(株)製)をこの順にロール・ツー・ロールで積層して偏光板を得た。
得られた偏光板の光学的性質を調べたところ、450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(450))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(450))の比(T//(450)/T⊥(450))は0.81であった。590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(590))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(590))の比(T//(590)/T⊥(590))は1.33であった。また、広い波長領域(450〜590nm)において、ほぼ完全な円偏光が達成されていた。
[実施例5]
(TN型反射型液晶表示装置の作製)
ITO透明電極を設けたガラス基板と、微細な凹凸が形成されたアルミニウム反射電極を設けたガラス基板とを用意した。二枚のガラス基板の電極側に、それぞれポリイミド配向膜(SE−7992、日産化学(株)製)を形成し、ラビング処理を行った。3.4μmのスペーサーを介して、二枚の基板を配向膜が向かい合うように重ねた。二つの配向膜のラビング方向は、110°の角度で交差するように、基板の向きを調節した。基板の間隙に、液晶(MLC−6252、メルク社製)を注入し、液晶層を形成した。このようにして、ツイスト角が70°、Δndの値が269nmのTN型液晶セルを作製した。
表面がAR処理された保護膜(特開2000−275404号公報に記載の実施例2の防眩性反射防止膜)を偏光膜に積層した以外は、実施例4と同様に偏光板を作製した。
ITO透明電極を設けたガラス基板の側に、作製した偏光板ををセルロースアセテートフイルム側から貼り付けた。
作製した反射型液晶表示装置に、1kHzの矩形波電圧を印加した。白表示1.5V、黒表示4.5Vとして目視で評価を行ったところ、白表示においても、黒表示においても、色味がなく、ニュートラルグレイが表示されていることが確認できた。
次に、測定機(EZcontrast160D、Eldim社製)を用いて反射輝度のコントラスト比を測定したところ、正面からのコントラスト比が25であり、コントラスト比3となる視野角は、上下120°以上、左右120°以上であった。また、60℃90%RH 500時間の耐久テストでも表示上、何の問題も発生しなかった。
[実施例6]
(STN型反射型液晶表示装置の作製)
ITO透明電極を設けたガラス板と、平坦なアルミニウム反射電極を設けたガラス基板とを用意した。二枚のガラス基板の電極側に、それぞれポリイミド配向膜(SE−150、日産化学(株)製)を形成し、ラビング処理を行った。6.0μmのスペーサを介して二枚の基板を配向膜が向かい合うように重ねた。二つの配向膜のラビング方向は、60°の角度で交差するように、基板の向きを調節した。基板の隙間に、液晶(ZLI−2977、メルク社製)を注入し、液晶層を形成した。このようにしてツイスト角が240°、Δndの値が791nmのSTN型液晶セルを作製した。
ITO透明電極を設けたガラス基板の側に、内部拡散シート(IDS、大日本印刷(株)製)と、実施例4で作製した偏光板を、この順序でそれぞれ粘着を介して、偏光板が最外層となるように貼り付けた。
作製した反射型液晶表示装置に、55Hzの矩形波電圧を印加した。黒表示2.0V、白表示2.5Vとして目視で評価を行ったところ、白表示においても黒表示においても、色味がなく、ニュートラルグレイが表示されていることが確認できた。
次に測定器(EZcontrast160D、Eldim社製)を用いて反射輝度のコントラスト比を測定したところ、正面からのコントラスト比が8であり、コントラスト比3となる視野角は、上下90°、左右105°であった。
[実施例7]
(HAN型反射型液晶表示装置の作製)
ITO透明電極を設けたガラス基板と、平坦なアルミニウム反射電極を設けたガラス基板とを用意した。ITO透明電極を設けたガラス基板の電極側に、ポリイミド配向膜(SE−610、日産化学(株)製)を形成し、ラビング処理を行った。アルミニウム反射電極を設けたガラス基板の電極側に垂直配向膜(SE−1211、日産化学(株)製)を形成した。アルミニウム反射電極上の配向膜にはラビング処理を行わなかった。4.0μmのスペーサを介して二枚の基板を配向膜が向かい合うように重ねた。基板の隙間に、液晶(ZLI−1565、メルク社製)を注入し、液晶層を形成した。このようにしてΔndの値が519nmのHAN型液晶セルを作製した。
ITO透明電極を設けたガラス基板の側に、実施例4で作製した偏光板を、粘着剤を介して貼り付けた。さらにその上に光拡散膜(ルミスティ、住友化学(株)製)を貼り付けた。
作製した反射型液晶表示装置に55Hzの矩形波電圧を印加した。黒表示0.8V、白表示2.0Vとして目視で評価を行ったところ、白表示においても、黒表示においても、色味がなく、ニュートラルグレイが表示されていることが確認できた。
次に測定器(EZcontrast160D、Eldim社製)を用いて反射輝度のコントラスト比を測定したところ、正面からのコントラスト比が8であり、コントラスト比3となる視野角は、上下120°以上、左右120°以上であった。
[比較例1]
(偏光板の作製)
質量平均分子量10万のポリカーボネートを塩化メチレンに溶解して、17質量%溶液を得た。この溶液をガラス板上に、乾燥膜厚が80μmとなるように流延し、室温で30分乾燥後、70℃で30分乾燥した。ポリカーボネートフイルム(揮発分:約1質量%)をガラス板から剥離し、5cm×10cmのサイズに裁断した。158℃で一軸延伸し、ポリカーボネートの延伸複屈折フイルムを得た。
得られたポリカーボネートフイルム(λ/4板)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長450nm、550nmおよび590nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、147.8nm、137.5nmおよび134.9nmであった。
さらに作製したポリカーボネートフイルムを市販の偏光膜(サンリッツ製)とを、フイルムの遅相軸と偏光板の透過軸とが45度となるように粘着剤で貼り合わせて偏光板を得た。
得られた偏光板の光学的性質を調べたところ、450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(450))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(450))の比(T//(450)/T⊥(450))は0.33であった。590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率(T//(590))と透過軸に垂直な方向への透過率(T⊥(590))の比(T//(590)/T⊥(590))は1.18であった。
(TN反射型液晶表示装置の作製)
実施例5で作製したTN型液晶セルのITO透明電極を設けたガラス基板の側に、上記の偏光板のポリカーボネートフイルムが配置されるように接着剤を介して貼り付けた。偏光膜の透過軸とλ/4板の遅相軸との角度は45°となるように配置した。
作製した反射型液晶表示装置に、1kHzの矩形波電圧を印加した。白表示1.5V、黒表示4.5Vとして目視で評価を行ったところ、白表示ではやや青緑色味が、黒表示においてはやや紫色味が認められた。
次に、測定機(EZcontrast160D、Eldim社製)を用いて反射輝度のコントラスト比を測定したところ、正面からのコントラスト比が10であり、コントラスト比3となる視野角は、上下100°、左右80°であった。
【図面の簡単な説明】
図1は、反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
Claims (11)
- ポリマーフイルムと偏光膜とからなり、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが実質的に45°となるように配置されている偏光板であって、偏光膜の透過率が30%乃至50%であり、偏光膜の偏光度が90%乃至100%であり、偏光板に450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率と透過軸に垂直な方向への透過率との比が下記式(I)を満足し、さらに、590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率と透過軸に垂直な方向への透過率との比が下記式(II)を満足することを特徴とする偏光板:
(I) 0.6≦T//(450)/T⊥(450)≦1.5
(II)0.6≦T//(590)/T⊥(590)≦1.5
[式中、T//(450)は、450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率であり;T⊥(450)は、450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に垂直な方向への透過率であり;T//(590)は、590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率であり;そして、T⊥(590)は、590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に垂直な方向への透過率である]。 - ポリマーフイルムが、3乃至100%の延伸倍率で延伸されたフイルムである請求の範囲第1項に記載の偏光板。
- ポリマーフイルムが、酢化度が57.0乃至61.5%のセルロースアセテートからなる請求の範囲第1項に記載の偏光板。
- セルロースアセテート100質量部に対して、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を0.01乃至20質量部含む請求の範囲第3項に記載の偏光板。
- 芳香族化合物が、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環を有する請求の範囲第4項に記載の偏光板。
- 波長450nmで測定したポリマーフイルムのレターデーション値であるRe(450)が100乃至125nmであり、波長590nmで測定したポリマーフイルムのレターデーション値であるRe(590)が120乃至160nmであり、そして、Re(590)−Re(450)≧2nmの関係を満足する請求の範囲第1項に記載の偏光板。
- 波長450nmで測定したポリマーフイルムのレターデーション値であるRe(450)が108乃至120nmであり、波長550nmで測定したポリマーフイルムのレターデーション値であるRe(550)が125乃至142nmであり、波長590nmで測定したポリマーフイルムのレターデーション値であるRe(590)が130乃至152nmであり、そして、Re(590)−Re(550)≧2nmの関係を満足する請求の範囲第6項に記載の偏光板。
- ポリマーフイルムの面内の遅相軸方向の屈折率であるnx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率であるnyおよび厚み方向の屈折率であるnzが、1≦(nx−nz)/(nx−ny)≦2の関係を満足する請求の範囲第1項に記載の偏光板。
- ポリマーフイルムが、10乃至70μmの厚さを有する請求の範囲第1項に記載の偏光板。
- 液晶セル、その片側に配置された一枚の偏光板、および反射板からなる反射型液晶表示装置であって、偏光板がポリマーフイルムと偏光膜とからなり、ポリマーフイルムが液晶セル側になり、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが実質的に45°となるように配置されており、偏光膜の透過率が30%乃至50%であり、偏光膜の偏光度が90%乃至100%であり、偏光板に450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率と透過軸に垂直な方向への透過率との比が下記式(I)を満足し、さらに、590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率と透過軸に垂直な方向への透過率との比が下記式(II)を満足することを特徴とする反射型液晶表示装置:
(I) 0.6≦T//(450)/T⊥(450)≦1.5
(II)0.6≦T//(590)/T⊥(590)≦1.5
[式中、T//(450)は、450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率であり;T⊥(450)は、450nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に垂直な方向への透過率であり;T//(590)は、590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に平行な方向の透過率であり;そして、T⊥(590)は、590nmの光を偏光膜側から入射した時の透過軸に垂直な方向への透過率である]。 - ポリマーフイルムがλ/4板であり、偏光板が円偏光板である請求の範囲第10項に記載の反射型液晶表示装置。
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