JP2002071954A - 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シート、偏光板および液晶表示装置

Info

Publication number
JP2002071954A
JP2002071954A JP2000268278A JP2000268278A JP2002071954A JP 2002071954 A JP2002071954 A JP 2002071954A JP 2000268278 A JP2000268278 A JP 2000268278A JP 2000268278 A JP2000268278 A JP 2000268278A JP 2002071954 A JP2002071954 A JP 2002071954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
liquid crystal
refractive index
polarizing
optical compensation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000268278A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Sata
博暁 佐多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000268278A priority Critical patent/JP2002071954A/ja
Publication of JP2002071954A publication Critical patent/JP2002071954A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広視野角で正面コントラストが優れた液晶表
示装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも二つの芳香族環を有する芳香
族化合物を含むポリマーフイルムからなり、Reレター
デーション値が0乃至70nmの範囲にあり、Rthレタ
ーデーション値が30乃至400nmの範囲にあり、そ
してヘイズが2.0%以下であることを特徴とする光学
補償シートを液晶表示装置に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーフイルム
のみからなる光学補償シートおよびそれを用いた偏光板
と液晶表示装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアセテートフイルムは、その
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れている。セルロースアセテートフイルムは、代表的な
写真感光材料の支持体である。また、セルロースアセテ
ートフイルムは、液晶表示装置にも用いられている。セ
ルロースアセテートフイルムには、他のポリマーフイル
ムと比較して、光学的等方性が高い(レターデーション
値が低い)との特徴がある。従って、光学的等方性が要
求される用途、例えば偏光板には、セルロースアセテー
トフイルムを用いることが普通である。液晶表示装置の
光学補償シート(位相差フイルム)には、逆に光学的異
方性(高いレターデーション値)が要求される。従っ
て、光学補償シートとしては、ポリカーボネートフイル
ムやポリスルホンフイルムのようなレターデーション値
が高い合成ポリマーフイルムを用いることが普通であ
る。
【0003】以上のように光学材料の技術分野では、ポ
リマーフイルムに光学的異方性(高いレターデーション
値)が要求される場合には合成ポリマーフイルムを使用
し、光学的等方性(低いレターデーション値)が要求さ
れる場合にはセルロースアセテートフイルムを使用する
ことが一般的な原則であった。欧州特許0911656
A2号明細書には、従来の一般的な原則を覆して、光学
的異方性が要求される用途にも使用できる高いレターデ
ーション値を有するセルロースアセテートフイルムが開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらのポリマーフイ
ルムは、液晶セルを光学的に補償するのに充分な光学異
方性を有するとは言えなかった。即ち液晶表示装置の視
野角特性などは、まだ改良の余地がある。また、従来の
ポリマーフィルムを用いて光学的異方性を確保しようと
する場合には、ポリマーフイルムを高い延伸倍率で延伸
したり、レターデーション値を調節する添加物の添加量
を多く設定する必要があり、ポリマーフイルムの透過率
を低下させる場合が多かった。透過率が低いと液晶表示
装置の輝度が低下するため好ましくない。
【0005】本発明の目的は、ポリマーフイルムのみ
で、液晶セルを光学的に補償することである。別の本発
明の目的は、ポリマーフイルムのみからなり、透過率が
高い光学補償シートを提供することである。さらに別の
本発明の目的は、偏光板の構成要素の数を増加すること
なく、偏光板に光学補償機能を追加することである。さ
らにまた別の本発明の目的は、ポリマーフイルムによっ
て光学的に補償された液晶表示装置を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(7)の光学補償シート、下記(8)の偏光板
および下記(9)〜(12)の液晶表示装置により達成
された。 (1)少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物
を含むポリマーフイルムからなり、下記式(I)により
定義されるReレターデーション値が0乃至70nmの
範囲にあり、下記式(II)により定義されるRthレター
デーション値が30乃至400nmの範囲にあり、そし
てヘイズが2.0%以下であることを特徴とする光学補
償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである]。 (2)前記のポリマーフイルムが、ロールフイルム形態
における幅方向に3乃至100%の範囲の延伸倍率で延
伸された延伸物であることを特徴とする(1)に記載の
光学補償シート。
【0007】(3)前記のポリマーフイルムの延伸物の
遅相軸角度の面内の平均の絶対値が3゜以下であり、か
つ遅相軸角度の標準偏差が1.5゜以下である一枚のポ
リマーフイルムのみからなることを特徴とする(2)に
記載の光学補償シート。 (4)ポリマーフイルムがセルロースアセテートからな
ることを特徴とする(1)に記載の光学補償シート。 (5)セルロースアセテートの酢化度が59.0乃至6
1.5%の範囲にあることを特徴とする(4)に記載の
光学補償シート。 (6)セルロースアセテート100質量部に対して、少
なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を0.0
1乃至20質量部含むことを特徴とする(4)に記載の
光学補償シート。
【0008】(7)芳香族化合物が、少なくとも一つの
1,3,5−トリアジン環を有することを特徴とする
(6)に記載の光学補償シート。 (8)偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保
護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の一方が、少
なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を含むポ
リマーフイルムからなる光学補償シートであり、光学補
償シートの下記式(I)により定義されるReレターデ
ーション値が0乃至70nmの範囲にあり、下記式(I
I)により定義されるRthレターデーション値が30乃
至400nmの範囲にあり、ヘイズが2.0%以下で
り、そして、光学補償シートが、その遅相軸の平均方向
と偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対値が3゜以下にな
るように配置されていることを特徴とする偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである]。
【0009】(9)液晶セルおよびその両側に配置され
た二枚の偏光板からなり、偏光板が偏光膜およびその両
側に配置された二枚の透明保護膜からなる液晶表示装置
であって、液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の
透明保護膜の一方が、少なくとも二つの芳香族環を有す
る芳香族化合物を含むポリマーフイルムからなる光学補
償シートであり、光学補償シートの下記式(I)により
定義されるReレターデーション値が0乃至70nmの
範囲にあり、下記式(II)により定義されるRthレター
デーション値が30乃至400nmの範囲にあり、ヘイ
ズが2.0%以下であり、そして、光学補償シートが、
その遅相軸の平均方向と、隣接する偏光膜の透過軸との
なす角度の絶対値が3゜以下になるように配置されてい
ることを特徴とする液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである]。 (10)液晶セルが、VAモード、OCBモード、TN
モードまたはn−ASMモードの液晶セルである(9)
に記載の液晶表示装置。
【0010】(11)液晶セルおよびその両側に配置さ
れた二枚の偏光板からなり、偏光板が偏光膜およびその
両側に配置された二枚の透明保護膜からなる液晶表示装
置であって、液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚
の透明保護膜のそれぞれが、少なくとも二つの芳香族環
を有する芳香族化合物を含むポリマーフイルムからなる
光学補償シートであり、光学補償シートの下記式(I)
により定義されるReレターデーション値が0乃至70
nmの範囲にあり、下記式(II)により定義されるRth
レターデーション値が30乃至400nmの範囲にあ
り、ヘイズが2.0%以下であり、そして、一方の光学
補償シートの遅相軸の平均方向が該光学補償シートに隣
接する偏光膜の透過軸となす角度の絶対値と、他方の光
学補償シートの遅相軸の平均方向が該光学補償シートに
隣接する偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対値と、の和
が3゜以下になるように二枚の光学補償シートが配置さ
れていることを特徴とする液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである]。 (12)液晶セルが、VAモード、OCBモード、TN
モードまたはn−ASMモードの液晶セルである(1
1)に記載の液晶表示装置。
【0011】
【発明の効果】本発明者は、ポリマーフイルムのみで液
晶セルを光学的に補償することに成功した。ポリマーフ
イルムへの添加剤(具体的には、二つの芳香族環を有す
る芳香族化合物)の種類と量あるいは製造条件(例え
ば、フイルムの延伸条件)を調節することによって、R
eレターデーション値が0乃至70nmであり、Rthレ
ターデーション値が30乃至400nmであるポリマー
フイルムが得られる。また、ポリマーフイルムのReレ
ターデーション値は20乃至70nmに、Rthレターデ
ーション値が70乃至400nmに調節することが好ま
しい。このポリマーフイルムは、液晶セルを光学的に補
償するために充分な光学的異方性を有している。従っ
て、一枚のポリマーフイルムのみからなる光学補償シー
トが得られる。ポリマーフイルムで高いレターデーショ
ン値を実現しようとすると、添加剤の添加量が増えた
り、大きい延伸倍率が必要になりやすい。本発明で用い
る添加剤の種類と量あるいは製造条件を調節することに
よって、透明性に優れたポリマーフイルムのみからなる
光学補償シートが得られる。偏光板の保護膜は、一般に
セルロースアセテートフイルムからなる。上記のポリマ
ーフイルムを偏光板の一方の保護膜として用いると、偏
光板の構成要素の数を増加することなく、偏光板に光学
補償機能を追加するができる。また、本発明に用いるポ
リマーフイルムとしては、セルロースアセテートフイル
ムを用いることが好ましい。なお、酢化度が59.0未
満のセルロースアセテートを使用すると、上記の光学的
異方性を容易に達成できるが、耐久性が低下する。本発
明では、酢化度が59.0乃至61.5%であるセルロ
ースアセテートを使用し、他の手段(上記の添加剤や製
造条件の調節)で上記のレターデーション値を達成する
ことにより、光学的異方性と耐久性との双方が優れたセ
ルロースアセテートフイルムを得ている。上記のポリマ
ーフイルムのみからなる光学補償シートおよび上記のポ
リマーフイルムを保護膜として用いた偏光板は、VA
(Vertically Aligned)型またはTN(Twisted Nemati
c)型の液晶表示装置に、特に有利に用いることができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】[フイルムのレターデーション]
フイルムのReレターデーション値およびRthレターデ
ーション値は、それぞれ、下記式(I)および(II)で
定義される。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内
の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率であ
る。式(I)および(II)において、nyは、フイルム
面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率
である。式(II)において、nzは、フイルムの厚み方
向の屈折率である。式(I)および(II)において、d
は、単位をnmとするフイルムの厚さである。
【0013】本発明では、ポリマーフイルムのReレタ
ーデーション値を0乃至70nmに、そして、Rthレタ
ーデーション値を30乃至400nmに調節する。ま
た、ポリマーフイルムのReレターデーション値を20
乃至70nmに、そして、Rthレターデーション値を7
0乃至400nmに調節することがさらに好ましい。液
晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフイルムを使
用する場合、フイルムのRthレターデーション値は70
乃至200nmであることが好ましい。液晶表示装置に
一枚の光学的異方性ポリマーフイルムを使用する場合、
フイルムのRthレターデーション値は150乃至400
nmであることが好ましい。なお、ポリマーフイルムの
複屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00025乃至
0.00088であることが好ましい。また、ポリマー
フイルムの厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−
nz}は、0.00088乃至0.005であることが
好ましい。
【0014】[ヘイズ]光学補償シートのヘイズは下記
の式にしたがって算出される。 ヘイズ(H)=拡散透過率(D)/全光線透過率(T)
×100(%) ヘイズは2.0%以下が好ましく、1.0%以下が好ま
しく、0.6%以下が最も好ましい。また、ポリマーフ
イルムのヘイズは、0.2%以上であるのが一般的であ
る。光学補償シートが高いレターデーション値を有して
いても、ヘイズ値が大きいと光学補償シートの透明性が
低く、液晶表示装置の表示輝度が充分には得られず好ま
しくない。詳細は後述するが本発明においては、光学補
償シートに必要とされる高いレターデーション値を、レ
ターデーション上昇剤の添加、ポリマーフイルムの延伸
処理などにより実現している。さらに、光学補償シート
に用いるポリマー材料の重合度、レターデーション上昇
剤の種類と添加量、そして、ポリマーフイルムの延伸処
理条件などを調整することにより、ヘイズ値の小さい光
学補償シートを得ている。これにより透明度が高く(ヘ
イズ値の小さい)かつ高いレターデーション値を有する
光学補償シートが得られる。
【0015】[フイルムの遅相軸角度]ポリマーフイルム
面内における遅相軸の角度は、ロール状フイルムの幅方
向を基準線(0゜)とし、遅相軸と基準線のなす角度で
定義する。時計回りを+とする。遅相軸角度の平均値の
絶対値は3゜以下であることが好ましく、2゜以下であ
ることがさらに好ましく、1゜以下であることが最も好
ましい。遅相軸角度の平均値の方向を遅相軸の平均方向
と定義する。また、遅相軸角度の標準偏差は1.5゜以
下であることが好ましく、0.8゜以下であることがに
さら好ましく、0.4゜以下であることが最も好まし
い。
【0016】光学補償シートを使用した透過型液晶表示
装置においては、通電後時間が経過すると画面周辺部に
「額縁状の表示ムラ」が発生することがある。このムラ
は、画面周辺部の透過率の上昇によるものであり、特に
黒表示時に顕著となる。透過型液晶表示装置では、バッ
クライトから発熱しており、しかも液晶セル面内で温度
分布が生じる。この温度分布により光学補償シートの光
学特性(レターデーション値、遅相軸の角度)が変化す
ることが「額縁状の表示ムラ」の発生原因である。光学
補償シートの光学特性の変化は、温度上昇による光学補
償シートの膨張または収縮が液晶セルまたは偏光板との
粘着により抑制されるために、光学補償シートに弾性変
形が生じることに起因する。上記のような「額縁状の表
示ムラ」を抑制するには、光学補償シートに熱伝導率が
高いポリマーフイルムを使用することが好ましい。熱伝
導率が高いポリマーとしては、セルロースアセテート
(0.22W/m・℃)、低密度ポリエチレン(0.3
4W/m・℃)、ABS(0.36W/m・℃)が好ま
しい。
【0017】[ポリマーフイルム]本発明に用いるポリ
マーフィルムとしては、光透過率が80%以上であるポ
リマーフィルムを用いることが好ましい。ポリマーフイ
ルムを形成するポリマーの例としては、セルロース系ポ
リマー、商品名アートン(JSR(株)製)および商品
名ゼオネックス(日本ゼオン(株)製)などのノルボル
ネン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、低密度ポ
リエチレン、およびABSなどが挙げられる。セルロー
ス系ポリマーとしては、セルロースエステルが好まし
い。セルロースエステルとしては、セルロースアセテー
トが好ましく、その例としては、ジアセチルセルロース
およびトリアセチルセルロースなどが挙げられる。ま
た、ポリマーフィルムの粘度平均重合度(DP)は、2
50以上であることが好ましく、290以上であること
がさらに好ましい。また、ポリマーフィルムは、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn
(Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子
量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値
としては、1.0乃至1.7であることが好ましく、
1.3乃至1.65であることがさらに好ましく、1.
4乃至1.6であることが最も好ましい。
【0018】本発明のポリマーフィルムとしては、酢化
度が59.0乃至61.5%であるセルロースアセテー
トフィルムを用いることが好ましい。酢化度とは、セル
ロース単位重量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度
は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテー
ト等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算
に従う。フイルムの機械特性や製造安定性の改善、酢化
度の調整のために2種類以上のセルロースアセテートを
用いてもよい。2種類以上のセルロースアセテートを用
いた場合にはヘイズが発生しやすく透明性を悪化させや
すいことが知られている。本発明のようにヘイズを2.
0%以下にするために、2種類以上のセルロースアセテ
ートを用いる場合には、最も大きい平均重合度(P1)
であるセルロースアセテートと、最も小さい平均重合度
(P2)であるセルロースアセテートが1<P1/P2
<3を満足する範囲で使用する。
【0019】[レターデーション上昇剤]ポリマーフイ
ルムのレターデーションを調整するため、少なくとも二
つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション
上昇剤として使用する。ポリマーフィルムとしてセルロ
ースアセテートフィルムを用いる場合、芳香族化合物
は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.
01乃至20質量部の範囲で使用する。これよりも多い
と溶解または相溶しにくくなり、ヘイズが発生し透明性
が悪化する。芳香族化合物は、セルロースアセテート1
00質量部に対して、0.05乃至15質量部の範囲で
使用することが好ましく、0.1乃至10質量部の範囲
で使用することがさらに好ましい。二種類以上の芳香族
化合物を併用してもよい。芳香族化合物の芳香族環に
は、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含
む。
【0020】芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、
ベンゼン環)であることが特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ
環は、5員環、6員環または7員環であることが好まし
く、5員環または6員環であることがさらに好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。
ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原
子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、
オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、
イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フ
ラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピ
リダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,
5−トリアジン環が含まれる。芳香族環としては、ベン
ゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサ
ゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾー
ル環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および
1,3,5−トリアジン環が好ましく、ベンゼン環およ
び1,3,5−トリアジン環がさらに好ましい。芳香族
化合物は、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環
を有することが特に好ましい。
【0021】芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2
乃至20であることが好ましく、2乃至12であること
がより好ましく、2乃至8であることがさらに好まし
く、2乃至6であることが最も好ましい。二つの芳香族
環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)
単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合
する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は
形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれ
でもよい。
【0022】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、トリフェ
ニレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン
環、アントラセン環、アセナフチレン環、ナフタセン
環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベン
ゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベ
ンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミ
ダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダ
ゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、
キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサ
リン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール
環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン
環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイ
ン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれ
る。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾ
オキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾ
ール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ま
しい。(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間
の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの
芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環ま
たは非芳香族性複素環を形成してもよい。
【0023】(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO
−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−
CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0024】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シア
ノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファ
モイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル
基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族
置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換
スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香
族性複素環基が含まれる。
【0025】アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であ
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0026】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0027】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。、脂
肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含
まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の
例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド
およびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族
置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。レターデーション
上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ま
しい。添加量を出来るだけ少なくし、ヘイズの発生を抑
えるためには、複屈折率(Δn:nx−ny)が大きい
素材が好ましい。具体的にはトリフェニレン環やトリア
ジン環に芳香環が多く結合したレターデーション上昇剤
が好適に用いられる。
【0028】[ポリマーフイルムの製造]ソルベントキ
ャスト法によりポリマーフイルムを製造することが好ま
しい。ソルベントキャスト法では、ポリマー材料を有機
溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造
する。ドープには、前記のレターデーション上昇剤を添
加することが好ましい。本発明のポリマーフィルムの製
造を、セルロースアセテートを例に具体的に説明する。
有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素
原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至12
のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭
化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エーテ
ル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していても
よい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すな
わち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれか
を二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いること
ができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他
の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有
する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官
能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
【0029】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の
有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0030】一般的な方法でセルロースアセテート溶液
を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常
温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調
製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調
製方法および装置を用いて実施することができる。な
お、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化
炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ま
しい。セルロースアセテートの量は、得られる溶液中に
10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30質量%であることが
さらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する
任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温
(0乃至40℃)でセルロースアセテートと有機溶媒と
を攪拌することにより調製することができる。高濃度の
溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体
的には、セルロースアセテートと有機溶媒とを加圧容器
に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以
上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪
拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好まし
くは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃
至110℃である。
【0031】各成分は予め粗混合してから容器に入れて
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0032】冷却溶解法により、溶液を調製することも
できる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒中にもセルロースアセテートを
溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセル
ロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶
解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果があ
る。冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロ
ースアセテートを撹拌しながら徐々に添加する。セルロ
ースアセテートの量は、この混合物中に10乃至40質
量%含まれるように調整することが好ましい。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30質量%であることが
さらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の
添加剤を添加しておいてもよい。
【0033】次に、混合物を−100乃至−10℃(好
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、セルロースアセテートと有機溶媒の混合物は
固化する。冷却速度は、4℃/分以上であることが好ま
しく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12
℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速
いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限で
あり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして1
00℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、
冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷
却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間
で割った値である。
【0034】さらに、これを0乃至200℃(好ましく
は0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、
最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒
中にセルロースアセテートが溶解する。昇温は、室温中
に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。加
温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/
分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上で
あることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好まし
いが、10000℃/秒が理論的な上限であり、100
0℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が
実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始す
る時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始して
から最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値で
ある。以上のようにして、均一な溶液が得られる。な
お、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り
返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視によ
り溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
【0035】冷却溶解法においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒
により異なる。
【0036】調製したセルロースアセテート溶液(ドー
プ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセ
テートフイルムを製造する。ドープには、前記のレター
デーション上昇剤を添加することが好ましい。ドープ
は、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させて
フイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が1
8乃至35%となるように濃度を調整することが好まし
い。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げて
おくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流
延および乾燥方法については、米国特許2336310
号、同2367603号、同2492078号、同24
92977号、同2492978号、同2607704
号、同2739069号、同2739070号、英国特
許640731号、同736892号の各明細書、特公
昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60
−176834号、同60−203430号、同62−
115035号の各公報に記載がある。ドープは、表面
温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延するこ
とが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥す
ることが好ましい。得られたフイルムをドラムまたはバ
ンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次
温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させるこ
ともできる。以上の方法は、特公平5−17844号公
報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取り
までの時間を短縮することが可能である。この方法を実
施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温
度においてドープがゲル化することが必要である。
【0037】セルロースアセテートフイルムには、機械
的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため
に、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル
酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フ
タル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが
含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DE
P、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用
いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤
の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25
質量%であることが好ましく、1乃至20質量%である
ことがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが
最も好ましい。
【0038】セルロースアセテートフイルムには、劣化
防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加して
もよい。劣化防止剤については、特開平3−19920
1号、同5−1907073号、同5−194789
号、同5−271471号、同6−107854号の各
公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ま
しく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好
ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防
止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%
を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードア
ウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好まし
い劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げる
ことができる。
【0039】[ポリマーフィルムの延伸処理]ポリマー
フイルムは、さらに延伸処理によりレターデーションを
調整することができる。しかしながら、延伸倍率が大き
すぎると結晶化やクレーズ、ボイドが発生して白化し透
明性が悪化する。延伸するポリマーフイルムは、ドープ
溶液に用いられる溶媒を含有していても良い。ポリマー
フイルムの延伸は、一般的な公知な方法でおこなうこと
ができる。セルロースアセテートフイルムを用いる場
合、延伸倍率は3乃至100%が好ましく、3乃至70
%がさらに好ましく、3乃至40%であることが最も好
ましい。セルロースアセテートフイルムの厚さは、40
乃至140μmであることが好ましく、70乃至120
μmであることがさらに好ましい。
【0040】[ポリマーフイルムの表面処理]ポリマー
フイルムを偏光板の透明保護膜として使用する場合、ポ
リマーフイルムを表面処理することが好ましい。表面処
理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処
理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理を実施
する。酸処理またはアルカリ処理、すなわちポリマーフ
イルムに対するケン化処理を実施することが特に好まし
い。
【0041】[偏光板]偏光板は、偏光膜およびその両
側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護
膜として、上記のポリマーフイルムを用いることができ
る。他方の保護膜は、通常のセルロースアセテートフイ
ルムを用いてもよい。偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二
色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜があ
る。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリ
ビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。ポリマ
ーフイルムの遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸のなす
角度は3゜以下になるように配置することが好ましく、
2゜以下になるように配置することがさらに好ましく、
1゜以下になるように配置することが最も好ましい。
【0042】[液晶表示装置]上記のポリマーフイルム
からなる光学補償シート、または上記のポリマーフイル
ムを用いた偏光板は、液晶表示装置、特に透過型液晶表
示装置に有利に用いられる。透過型液晶表示装置は、液
晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からな
る。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持して
いる。光学補償シートは、液晶セルと一方の偏光板との
間に、一枚配置するか、あるいは液晶セルと双方の偏光
板との間に二枚配置する。偏光板では、液晶セルと偏光
膜との間に配置される透明保護膜として、上記のポリマ
ーフイルムを用いる。一方の偏光板の(液晶セルと偏光
膜との間の)透明保護膜のみ上記のポリマーフイルムを
用いるか、あるいは双方の偏光板の(液晶セルと偏光膜
との間の)二枚の透明保護膜に、上記のポリマーフイル
ムを用いる。前者の場合、ポリマーフイルムの遅相軸の
平均方向とポリマーフイルムに隣接する偏光膜の透過軸
とのなす角度の絶対値が3℃以下となるようにポリマー
フイルムを配置することが好ましい。後者の場合、一方
のポリマーフイルムの遅相軸の平均方向が、ポリマーフ
イルムに隣接する偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対値
と、他方のポリマーフイルムの遅相軸の平均方向が、ポ
リマーフイルムに隣接する偏光膜の透過軸となす角度の
絶対値と、の和が3℃以下となるように二枚のポリマー
フイルムを配置することが好ましい。液晶セルは、VA
モード、OCBモードまたはTNモードであることが好
ましい。
【0043】OCBモードの液晶表示装置の場合、本発
明の光学補償シートは、ポリマーフイルム上に円盤状化
合物、もしくは棒状液晶化合物を含む光学異方性層を有
していても良い。光学異方性層は、円盤状化合物(もし
くは棒状液晶化合物)を配向させ、その配向状態を固定
することにより形成する。円盤状化合物は、一般に大き
な複屈折率を有する。また、円盤状化合物には、多様な
配向形態がある。従って、円盤状化合物を用いること
で、従来の延伸複屈折フイルムでは得ることができない
光学的性質を有する光学補償シートを製造することがで
きる。円盤状化合物を用いた光学補償シートについて
は、特開平6−214116号公報、米国特許5583
679号、同5646703号、西独特許公報3911
620A1号の各明細書に記載がある。
【0044】VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時
に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VA
モードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無
印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的
に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開
平2−176625および特公平7−69536号公報
記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモード
をマルチドメイン化した液晶セルが含まれる。具体的に
は、MVA(SID97、Digest of tech. Papers(予
稿集)28(1997)845、SID99、Digest o
f tech. Papers(予稿集)30(1999)206、及
び特開平11−258605号公報記載)、SURVA
IVAL(月刊ディスプレイ、第6巻、第3号(199
9)14記載)、PVA(Asia Display98、Proc.of
the 18thInter.Display res. Conf.(予稿集)(199
8)383記載)、Para-A(LCD/PDP Internation
al’99で発表)、DDVA(SID98、Digest of
tech. Papers(予稿集)29(1998)838記
載)、EOC(SID98、Digest of tech. Papers
(予稿集)29(1998)319記載)、PSHA
(SID98、Digest of tech. Papers(予稿集)29
(1998)1081記載)、RFFMH(Asia Displ
ay98、Proc.of the 18thInter.Display res.Conf.(予
稿集)(1998)375記載)、HMD(SID9
8、Digest of tech. Papers(予稿集)29(199
8)702記載)が含まれる。その他に(3)棒状液晶
性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印
加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−A
SMモード)の液晶セル(IWD’98、Proc.of the
th Inter.Display Workshop.(予稿集)(1998)1
43記載)も含まれる。
【0045】TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時
に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60乃
至120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セ
ルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用さ
れており、多数の文献に記載がある。
【0046】
【実施例】(光学特性の測定)作製した光学補償シート
について、エリプソメーター(M−150、日本分光
(株)製)を用いて、波長550nmにおけるReレタ
ーデーション値およびRthレターデーション値を測定し
た。また、自動複屈折計(KOBRA−21ADH、王
子計測機器(株))で軸ずれ角度を測定した。各々の測
定は幅方向10点で行い、平均値を求めた。遅相軸角度
については標準偏差も求めた。 (ヘイズの測定)作製したポリマーフイルム(位相差
板)について、ヘイズ計(NDH1001−DP、日本
電色工業(株)製)を用いて、ヘイズを測定した。ヘイ
ズは任意の5点の測定値の平均値を採用した。
【0047】[実施例1]下記の組成物をミキシングタ
ンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解
し、セルロースアセテート溶液を調製した。
【0048】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部 ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部 メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部 メタノール(第2溶媒) 30質量部 ────────────────────────────────────
【0049】別のミキシングタンクに、下記のレターデ
ーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド92質
量部およびメタノール8質量部を投入し、加熱しながら
攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。セ
ルロースアセテート溶液474質量部にレターデーショ
ン上昇剤溶液25質量部を混合し、充分に攪拌してドー
プを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セ
ルロースアセテート100質量部に対して、3.5質量
部であった。
【0050】
【化1】
【0051】得られたドープを、バンド流延機を用いて
流延した。残留溶剤量が15質量%のフイルムを、13
0℃の条件で、テンターを用いて25%の延伸倍率で横
延伸し、延伸後の幅のまま50℃で30秒間保持した後
クリップを外してセルロースアセテートフイルムTAC
−1(厚さ:80μm)を製造した。作製したセルロー
スアセテートフイルム(光学補償シート)について、光
学特性およびヘイズを測定した。結果は第1表に示す。
【0052】[実施例2]実施例1で得られたドープを、
バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量
%のフイルムを、130℃の条件で、テンターを用いて
25%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の幅のまま50℃
で15秒間保持した後クリップを外してセルロースアセ
テートフイルムTAC−2(厚さ:80μm)を製造し
た。作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償
シート)について、光学特性およびヘイズを測定した。
結果は第1表に示す。
【0053】[実施例3]セルロースアセテート溶液4
74質量部にレターデーション上昇剤溶液56質量部を
混合してドープを調製し(セルロースアセテート100
質量部に対して、レターデーション上昇剤7.8質量部
を使用し)、延伸倍率を14%に変更した以外は、実施
例1と同様にセルロースアセテートフイルムTAC−3
(光学補償シート)を作製して光学特性およびヘイズを
測定した。結果は第1表に示す。
【0054】[実施例4]実施例1で得られたドープを
用い、延伸倍率を40%に変更した以外は、実施例2と
同様にセルロースアセテートフイルムTAC−4(光学
補償シート)を作製して光学特性およびヘイズを測定し
た。結果は第1表に示す。
【0055】[比較例1]実施例1で得られたドープを用
い、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15
質量%のフイルムを、170℃の条件で、テンターを用
いて120%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の幅のまま
130℃で15秒間保持した後クリップを外してTAC
−5セルロースアセテートフイルム(厚さ:80μm)
を製造した。作製したセルロースアセテートフイルム
(光学補償シート)について、光学特性およびヘイズを
測定した。結果は第1表に示す。
【0056】[比較例2]実施例1で得られたドープを、
バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量
%のフイルムを、130℃の条件で、テンターを用いて
25%の延伸倍率で横延伸し、延伸直後に130℃下で
クリップを外してセルロースアセテートフイルムTAC
−6(厚さ:80μm)を製造した。作製したセルロー
スアセテートフイルム(光学補償シート)について、ヘ
イズを測定した。結果は第1表に示す。
【0057】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── フイルム Re Rth 遅相軸角度 標準偏差 ヘイズ ──────────────────────────────────── 実施例1 40nm 130nm 0.5゜ 0.3゜ 0.3 実施例2 39nm 132nm 0.3゜ 0.5゜ 0.3 実施例3 50nm 240nm 1.0゜ 0.4゜ 0.4 実施例4 51nm 137nm 0.4゜ 0.9゜ 0.9 比較例1 − − 1.0゜ 2.0゜ 8.5 比較例2 51nm 149nm 4.2゜ 2.5゜ 4.0 ────────────────────────────────────
【0058】[実施例5]延伸したポリビニルアルコー
ルフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。実
施例1で作製したセルロースアセテートフイルムTAC
−1をケン化処理し、ポリビニルアルコール系接着剤を
用いて、偏光膜の片側に貼り付けた。TAC−1と偏光
膜の長手方向が平行になる様に貼り付けた。TAC−1
の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸のなす角度は0.
5゜であった。市販のセルローストリアセテートフイル
ム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)
製)をケン化処理し、ポリビニルアルコール系接着剤を
用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。このようにして
偏光板を作製した。
【0059】[実施例6]実施例2で作製したセルロー
スアセテートフイルムを用いた以外は、実施例5と同様
にして、偏光板を作製した。TAC−2の遅相軸の平均
方向と偏光膜の透過軸のなす角度は0.3゜であった。
【0060】[実施例7]実施例3で作製した6セルロ
ースアセテートフイルムを用いた以外は、実施例5と同
様にして、偏光板を作製した。TAC−3の遅相軸の平
均方向と偏光膜の透過軸のなす角度は1.0゜であっ
た。
【0061】[実施例8]実施例4で作製したセルロー
スアセテートフイルムを用いた以外は、実施例5と同様
にして、偏光板を作製した。TAC−4の遅相軸の平均
方向と偏光膜の透過軸のなす角度は0.4゜であった。
【0062】[比較例3]比較例2で作製したセルロー
スアセテートフイルムを用いた以外は、実施例5と同様
にして、偏光板を作製した。TAC−5の遅相軸の平均
方向と偏光膜の透過軸のなす角度は3.9゜であった。
【0063】[実施例9]垂直配向型液晶セルを使用し
た液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)
に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シ
ートを剥がし、代わりに実施例5で作製した偏光板を、
実施例1で作製したセルロースアセテートフイルムが液
晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側および
バックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光
板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏
光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配
置とした。作製した液晶表示装置について、測定機(E
Z−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、パ
ネル面内の10箇所でコントラスト比を測定した。結果
を第2表に示す。
【0064】[実施例10]垂直配向型液晶セルを使用
した液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)
製)に設けられている一対の偏光板および一対の光学補
償シートを剥がし、代わりに実施例6で作製した偏光板
を、実施例2で作製したセルロースアセテートフイルム
が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側お
よびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の
偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側
の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコ
ル配置とした。作製した液晶表示装置について、測定機
(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用い
て、パネル面内の10箇所でコントラスト比を測定し
た。結果を第2表に示す。
【0065】[実施例11]垂直配向型液晶セルを使用
した液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)
製)に設けられている一対の偏光板および一対の光学補
償シートを剥がし、代わりに実施例7で作製した偏光板
を、実施例3で作製したセルロースアセテートフイルム
が液晶セル側となるように粘着剤を介して一枚、観察者
側に貼り付けた。また、バックライト側には、市販の偏
光板(HLC2−5618HCS、(株)サンリッツ
製)を一枚貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上
下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が
左右方向になるように、クロスニコル配置とした。作製
した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast1
60D、ELDIM社製)を用いて、パネル面内の10
箇所でコントラスト比を測定した。結果を第2表に示
す。
【0066】[比較例4]垂直配向型液晶セルを使用し
た液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)
に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シ
ートを剥がし、代わりに比較例3で作製した偏光板を、
比較例2で作製したセルロースアセテートフイルムが液
晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側および
バックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光
板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏
光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配
置とした。作製した液晶表示装置について、測定機(E
Z−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、パ
ネル面内の10箇所でコントラスト比を測定した。結果
を第2表に示す。
【0067】パネル面内の正面コンラスト比の最大値お
よび最小値をそれぞれ第2表に示した。また、正面コン
トラスト比が最大値である測定点および最小値である測
定点における左右方向の視野角も示した。ここで、視野
角とはコントラスト比が10以上の角度範囲を意味す
る。
【0068】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 液晶表示装置 正面コントラスト比 視野角/゜ 最大値 最小値 最大 最小 ──────────────────────────────────── 実施例9 400 328 >160 150 実施例10 388 291 >160 140 実施例11 384 328 >160 152 比較例4 412 40 >160 30 ────────────────────────────────────
【0069】[実施例12]TN型液晶セルを使用した
液晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)に設け
られている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例5で
作製した偏光板を、実施例1で作製したセルロースアセ
テートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介し
て、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付け
た。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏
光板の透過軸とは直交であり、Oモードとなるように配
置した。作製した液晶表示装置について、測定機(EZ
−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、パネ
ル面内の10箇所でコントラスト比を測定した。結果を
第3表に示す。
【0070】[実施例13]TN型液晶セルを使用した
液晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)に設け
られている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例6で
作製した偏光板を、実施例2で作製したセルロースアセ
テートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介し
て、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付け
た。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏
光板の透過軸とは直交であり、Oモードとなるように配
置した。作製した液晶表示装置について、測定機(EZ
−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、パネ
ル面内の10箇所でコントラスト比を測定した。結果を
第3表に示す。
【0071】[比較例5]TN型液晶セルを使用した液
晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)に設けら
れている一対の偏光板を剥がし、代わりに比較例3で作
製した偏光板を、比較例2で作製したセルロースアセテ
ートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介し
て、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付け
た。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏
光板の透過軸とは直交であり、Oモードとなるように配
置した。作製した液晶表示装置について、測定機(EZ
−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、パネ
ル面内の10箇所でコントラスト比を測定した。結果を
第3表に示す。
【0072】パネル面内の正面コンラスト比の最大値お
よび最小値をそれぞれ第3表に示した。また、正面コン
トラスト比が最大値である測定点および最小値である測
定点における左右方向の視野角も示した。ここで、視野
角とはコントラスト比が10以上の角度範囲を意味す
る。
【0073】
【表3】 第3表 ──────────────────────────────────── 液晶表示装置 正面コントラスト比 視野角/゜ 最大値 最小値 最大 最小 ──────────────────────────────────── 実施例12 227 122 160 110 実施例13 214 112 160 100 比較例5 149 23 140 30 ────────────────────────────────────
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA27 BA42 BB03 BB19 BB33 BB43 BB49 BC03 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA41Z FB02 FD10 HA07 HA09 HA10 KA02 KA10 LA17 LA19

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも二つの芳香族環を有する芳香
    族化合物を含むポリマーフイルムからなり、下記式
    (I)により定義されるReレターデーション値が0乃
    至70nmの範囲にあり、下記式(II)により定義され
    るRthレターデーション値が30乃至400nmの範囲
    にあり、そしてヘイズが2.0%以下であることを特徴
    とする光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
  2. 【請求項2】 前記のポリマーフイルムが、ロールフイ
    ルム形態における幅方向に3乃至100%の範囲の延伸
    倍率で延伸された延伸物であることを特徴とする請求項
    1に記載の光学補償シート。
  3. 【請求項3】 前記のポリマーフイルムの延伸物の遅相
    軸角度の面内の平均の絶対値が3゜以下であり、かつ遅
    相軸角度の標準偏差が1.5゜以下である一枚のポリマ
    ーフイルムのみからなることを特徴とする請求項2に記
    載の光学補償シート。
  4. 【請求項4】 ポリマーフイルムがセルロースアセテー
    トからなることを特徴とする請求項1に記載の光学補償
    シート。
  5. 【請求項5】 セルロースアセテートの酢化度が59.
    0乃至61.5%の範囲にあることを特徴とする請求項
    4に記載の光学補償シート。
  6. 【請求項6】 セルロースアセテート100質量部に対
    して、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物
    を0.01乃至20質量部含むことを特徴とする請求項
    4に記載の光学補償シート。
  7. 【請求項7】 芳香族化合物が、少なくとも一つの1,
    3,5−トリアジン環を有することを特徴とする請求項
    6に記載の光学補償シート。
  8. 【請求項8】 偏光膜およびその両側に配置された二枚
    の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の一
    方が、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物
    を含むポリマーフイルムからなる光学補償シートであ
    り、光学補償シートの下記式(I)により定義されるR
    eレターデーション値が0乃至70nmの範囲にあり、
    下記式(II)により定義されるRthレターデーション値
    が30乃至400nmの範囲にあり、ヘイズが2.0%
    以下でり、そして、光学補償シートが、その遅相軸の平
    均方向と偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対値が3゜以
    下になるように配置されていることを特徴とする偏光
    板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
  9. 【請求項9】 液晶セルおよびその両側に配置された二
    枚の偏光板からなり、偏光板が偏光膜およびその両側に
    配置された二枚の透明保護膜からなる液晶表示装置であ
    って、液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の透明
    保護膜の一方が、少なくとも二つの芳香族環を有する芳
    香族化合物を含むポリマーフイルムからなる光学補償シ
    ートであり、光学補償シートの下記式(I)により定義
    されるReレターデーション値が0乃至70nmの範囲
    にあり、下記式(II)により定義されるRthレターデー
    ション値が30乃至400nmの範囲にあり、ヘイズが
    2.0%以下であり、そして、光学補償シートが、その
    遅相軸の平均方向と、隣接する偏光膜の透過軸とのなす
    角度の絶対値が3゜以下になるように配置されているこ
    とを特徴とする液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
  10. 【請求項10】 液晶セルが、VAモード、OCBモー
    ド、TNモードまたはn−ASMモードの液晶セルであ
    る請求項9に記載の液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 液晶セルおよびその両側に配置された
    二枚の偏光板からなり、偏光板が偏光膜およびその両側
    に配置された二枚の透明保護膜からなる液晶表示装置で
    あって、液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の透
    明保護膜のそれぞれが、少なくとも二つの芳香族環を有
    する芳香族化合物を含むポリマーフイルムからなる光学
    補償シートであり、光学補償シートの下記式(I)によ
    り定義されるReレターデーション値が0乃至70nm
    の範囲にあり、下記式(II)により定義されるRthレタ
    ーデーション値が30乃至400nmの範囲にあり、ヘ
    イズが2.0%以下であり、そして、一方の光学補償シ
    ートの遅相軸の平均方向が該光学補償シートに隣接する
    偏光膜の透過軸となす角度の絶対値と、他方の光学補償
    シートの遅相軸の平均方向が該光学補償シートに隣接す
    る偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対値と、の和が3゜
    以下になるように二枚の光学補償シートが配置されてい
    ることを特徴とする液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
  12. 【請求項12】 液晶セルが、VAモード、OCBモー
    ド、TNモードまたはn−ASMモードの液晶セルであ
    る請求項11に記載の液晶表示装置。
JP2000268278A 2000-09-05 2000-09-05 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 Pending JP2002071954A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000268278A JP2002071954A (ja) 2000-09-05 2000-09-05 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000268278A JP2002071954A (ja) 2000-09-05 2000-09-05 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009010923A Division JP4611428B2 (ja) 2009-01-21 2009-01-21 Va型液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002071954A true JP2002071954A (ja) 2002-03-12

Family

ID=18755075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000268278A Pending JP2002071954A (ja) 2000-09-05 2000-09-05 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002071954A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003089965A1 (en) * 2002-04-19 2003-10-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical compensatory sheet comprising polymer film
JP2005241794A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Konica Minolta Opto Inc 液晶表示装置及び偏光板セット
JP2005331915A (ja) * 2004-04-19 2005-12-02 Konica Minolta Opto Inc ロール状位相差フィルムの製造方法、位相差フィルム、偏光板及び表示装置
WO2006054695A1 (ja) * 2004-11-19 2006-05-26 Zeon Corporation 液晶表示装置
WO2006068183A1 (ja) * 2004-12-25 2006-06-29 Matsushita Electric Works, Ltd. 液晶表示装置
WO2006090887A1 (en) * 2005-02-23 2006-08-31 Fujifilm Corporation Optical compensation sheet and liquid crystal display device
JP2010262304A (ja) * 2004-06-16 2010-11-18 Sumitomo Chemical Co Ltd 位相差フィルムおよびそれを備えた液晶表示装置
JP2014125610A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Tosoh Corp 樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルム
JP2014125609A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Tosoh Corp 樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルム

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003089965A1 (en) * 2002-04-19 2003-10-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical compensatory sheet comprising polymer film
US7105212B2 (en) 2002-04-19 2006-09-12 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical compensatory sheet comprising polymer film
CN1306293C (zh) * 2002-04-19 2007-03-21 富士胶片株式会社 含有聚合物薄膜的光学补偿片
KR100961426B1 (ko) 2002-04-19 2010-06-09 후지필름 가부시키가이샤 중합체 필름을 포함하는 광학 보상 시트
JP2005241794A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Konica Minolta Opto Inc 液晶表示装置及び偏光板セット
JP2005331915A (ja) * 2004-04-19 2005-12-02 Konica Minolta Opto Inc ロール状位相差フィルムの製造方法、位相差フィルム、偏光板及び表示装置
KR101135773B1 (ko) 2004-04-19 2012-04-23 코니카 미놀타 옵토 인코포레이티드 롤상 위상차 필름의 제조 방법, 위상차 필름, 편광판 및표시 장치
JP4577033B2 (ja) * 2004-04-19 2010-11-10 コニカミノルタオプト株式会社 位相差フィルムの製造方法
JP2010262304A (ja) * 2004-06-16 2010-11-18 Sumitomo Chemical Co Ltd 位相差フィルムおよびそれを備えた液晶表示装置
WO2006054695A1 (ja) * 2004-11-19 2006-05-26 Zeon Corporation 液晶表示装置
JPWO2006054695A1 (ja) * 2004-11-19 2008-06-05 日本ゼオン株式会社 液晶表示装置
WO2006068183A1 (ja) * 2004-12-25 2006-06-29 Matsushita Electric Works, Ltd. 液晶表示装置
JP5052900B2 (ja) * 2004-12-25 2012-10-17 パナソニック株式会社 液晶表示装置
US7981489B2 (en) 2005-02-23 2011-07-19 Fujifilm Corporation Optical compensation sheet and liquid crystal display device
WO2006090887A1 (en) * 2005-02-23 2006-08-31 Fujifilm Corporation Optical compensation sheet and liquid crystal display device
JP2014125610A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Tosoh Corp 樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルム
JP2014125609A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Tosoh Corp 樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001249223A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP4260376B2 (ja) 光学補償シートの製造方法
JP2002014230A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP2002090536A (ja) 偏光板および液晶表示装置
JPWO2002035263A1 (ja) ポリマーフイルムと偏光膜とからなる偏光板
JP2002082226A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP4460792B2 (ja) Vaモードの液晶表示装置用光学補償シートおよびvaモードの液晶表示装置
JP2002071954A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP2002071949A (ja) 光学補償シート、偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
JP4485024B2 (ja) 光学補償シートの製造方法
JP2003114330A (ja) 光学補償シート
JP4282247B2 (ja) 光学補償シートの製造方法
JP4611428B2 (ja) Va型液晶表示装置
JP2002062426A (ja) 配向膜、光学補償シート、楕円偏光板、およびそれを用いた液晶表示装置
JP2001100039A (ja) セルロースエステルフイルム、光学補償シートおよび楕円偏光板
JP2002022942A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP4181757B2 (ja) 光学補償フィルムおよび偏光板の製造方法
JP2000284124A (ja) 楕円偏光板およびtn型液晶表示装置
JP2002022959A (ja) 位相差板および円偏光板
JP2002071955A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP2002040242A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP2002098832A (ja) 光学補償シート、偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
JP2002055230A (ja) 光学補償シート、楕円偏光板、および液晶表示装置
JP2002236215A (ja) 光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置
JP2002098835A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050916

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081007

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081121