JP2002098832A - 光学補償シート、偏光板およびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シート、偏光板およびそれを用いた液晶表示装置

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JP2002098832A
JP2002098832A JP2000287403A JP2000287403A JP2002098832A JP 2002098832 A JP2002098832 A JP 2002098832A JP 2000287403 A JP2000287403 A JP 2000287403A JP 2000287403 A JP2000287403 A JP 2000287403A JP 2002098832 A JP2002098832 A JP 2002098832A
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cellulose acetate
liquid crystal
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JP2000287403A
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English (en)
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Masataka Ogawa
雅隆 小川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一枚のセルロースアセテートフイルムからな
る光学補償シートを用いて優れた表示品位の液晶表示装
置を実現する。 【解決手段】 酢化度が59.0乃至61.5%の範囲
にあるセルロースアセテートを含む一枚のセルロースア
セテートフイルムからなり、セルロースアセテートフイ
ルムの、Reレターデーション値が20乃至200nm
の範囲にあり、Rthレターデーション値が70乃至40
0nmの範囲にあり、そして鹸化処理前後のReレター
デーション値の変化が3nm以下である光学補償シート
を液晶表示装置に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアセテ
ートからなる光学補償シートおよびそれを用いた偏光板
と液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアセテートフイルムは、その
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れている。セルロースアセテートフイルムは、代表的な
写真感光材料の支持体である。また、セルロースアセテ
ートフイルムは、液晶表示装置にも用いられている。セ
ルロースアセテートフイルムには、他のポリマーフイル
ムと比較して、光学的等方性が高い(レターデーション
値が低い)との特徴がある。従って、光学的等方性が要
求される用途、例えば偏光板には、セルロースアセテー
トフイルムを用いることが普通である。液晶表示装置の
光学補償シート(位相差フイルム)には、逆に光学的異
方性(高いレターデーション値)が要求される。従っ
て、光学補償シートとしては、ポリカーボネートフイル
ムやポリスルホンフイルムのようなレターデーション値
が高い合成ポリマーフイルムを用いることが普通であ
る。
【0003】以上のように光学材料の技術分野では、ポ
リマーフイルムに光学的異方性(高いレターデーション
値)が要求される場合には合成ポリマーフイルムを使用
し、光学的等方性(低いレターデーション値)が要求さ
れる場合にはセルロースアセテートフイルムを使用する
ことが一般的な原則であった。欧州特許0911656
A2号明細書には、従来の一般的な原則を覆して、光学
的異方性が要求される用途にも使用できる高いレターデ
ーション値を有するセルロースアセテートフイルムが開
示されている。このセルロースアセテートフイルムを偏
光板と液晶セルの間に挿入することにより表示品位の高
い液晶表示装置の得られることが記載されている。
【0004】また、光学補償シートを応用したλ/4板
は、反射防止膜や液晶表示装置に関連する多くの用途を
有している。しかし、λ/4板と称していても、ある特
定波長でλ/4を達成しているものが大部分であった。
特開平5−27118号および同5−27119号の各
公報には、レターデーションが大きい複屈折フイルム
と、レターデーションが小さい複屈折率フイルムとを、
それらの光軸が直交するように積層させたλ/4板が開
示されている。二枚のフイルムのレターデーションの差
が可視光域の全体にわたりλ/4であれば、理論的に
は、可視光域の全体にわたりλ/4板として機能する。
【0005】特開平10−68816号公報に、特定波
長においてλ/4となっているポリマーフイルムと、そ
れと同一素材からなり同じ波長においてλ/2となって
いるポリマーフイルムとを積層させて、広い波長領域で
λ/4が得られるλ/4板が開示されている。特開平1
0−90521号公報にも、二枚のポリマーフイルムを
積層することにより広い波長領域でλ/4を達成できる
λ/4板が開示されている。以上のポリマーフイルムと
しては、ポリカーボネートのような合成ポリマーの延伸
フイルムが使用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の光学補償シート
を用いれば、ある程度液晶セルを光学的に補償可能であ
るが、さらに表示品位を改善する余地がある。また、光
学補償シートを応用した従来のλ/4においては、二枚
のポリマーフイルムを積層することにより、広い領域で
λ/4を達成することができる。しかし、そのために
は、二枚のポリマーフイルムの角度を厳密に調整しなが
ら積層する必要がある。一枚のポリマーフイルムからな
るλ/4板も提案されている。しかし、広い波長領域で
λ/4が達成されている一枚のフイルムは、ほとんど存
在しない。さらに、一枚のポリマーフイルムからなるλ
/4板を液晶表示装置に組み込んで使用しても、液晶表
示装置の視野角が期待されるほどには改善されないこと
も判明した。
【0007】液晶表示装置に用いられる偏光板は、偏光
膜の両側に透明保護膜が設けられている。そして、前記
の光学補償シートと偏光膜を積層して偏光板とすれば、
光学補償シートを偏光膜の一方の透明保護膜として機能
させることができる。そのような偏光板は、透明保護
膜、偏光膜、光学補償シートの順序の層構成を有する。
液晶表示装置は薄型で軽量との特徴があり、構成要素の
一つ(偏光板の一方の保護膜)を兼用によって削減すれ
ば、装置をさらに薄く軽量にすることができる。また、
液晶表示装置の構成要素を一つ削減すれば、構成要素の
貼り合わせ工程も一つ削減され、装置を製造する際に故
障が生じる可能性が低くなる。
【0008】透明保護膜としてセルロースアセテートフ
イルムを用いた場合、偏光膜(通常はポリビニルアルコ
ールフイルム)との親和性が問題になる。ポリビニルア
ルコールフイルムとセルロースアセテートフイルムとの
双方を強力に接着できる適当な接着剤がない。特開平8
−94838号公報記載の発明は、透明保護膜を鹸化処
理することにより、偏光膜と透明支持体との親和性の問
題を解決している。透明保護膜を鹸化処理すると、表面
部分のセルロースアセテートのエステル結合が部分的に
加水分解され、セルロースが本来有していた水酸基に戻
る。セルロースとポリビニルアルコールとは、共に水酸
基を有するポリマーであって親和性が高い。そのため、
鹸化処理した透明保護膜と偏光膜とは、容易に接着する
ことができる。
【0009】ところが、鹸化処理を実施して製造した、
透明保護膜、偏光膜、そしてセルロースアセテートフイ
ルムからなる光学補償シートを積層した偏光板を調べた
ところ、光学補償シートの光学的機能が鹸化処理前より
も低下していることが判明した。また、鹸化処理に使用
するアルカリ液が、処理後に黄色に変色する問題も生じ
た。本発明の目的は、一枚のセルロースアセテートから
なり、鹸化処理前後で光学的機能が実質的に変動のない
光学補償シート、およびこれを用いた偏光板を提供する
ことである。また、本発明の目的は、一枚のセルロース
アセテートからなり、鹸化前後で光学的機能が実質的に
変動のない光学補償シートを用いて、優れた表示品位を
有する液晶表示装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者の鋭意研究によ
り、上記の問題は、セルロースアセテートフイルムの光
学特性を調節するために添加するレターデーション上昇
剤が、鹸化処理に用いるアルカリ液に溶出することが原
因で生じることが判明した。本発明の目的は、下記
(1)〜(6)の光学補償シート、下記(7)の偏光板
および下記(8)〜(10)の液晶表示装置により達成
された。 (1)酢化度が59.0乃至61.5%の範囲にあるセ
ルロースアセテートを含む一枚のセルロースアセテート
フイルムからなり、セルロースアセテートフイルムの、
下記式(I)により定義されるReレターデーション値
が20乃至200nmの範囲にあり、下記式(II)によ
り定義されるRthレターデーション値が70乃至400
nmの範囲にあり、そして鹸化処理前後のReレターデ
ーション値の変化が3nm以下であることを特徴とする
光学補償シート。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であ
り;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである。
【0011】(2)前記のセルロースアセテートフイル
ムが、液温が25乃至70℃の範囲にあるpH10以上
のアルカリ水溶液に1乃至300秒浸漬することによ
り、鹸化処理がされていることを特徴とする(1)に記
載の光学補償シート。 (3)前記のセルロースアセテートフイルムが、少なく
とも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を含むことを
特徴とする(1)に記載の光学補償シート。 (4)前記のセルロースアセテート100質量部に対し
て、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を
0.01乃至20質量部含むことを特徴とする(3)に
記載の光学補償シート。 (5)前記の芳香族化合物が、少なくとも1つの1,
3,5−トリアジン環を有することを特徴とする(3)
に記載の光学補償シート。 (6)セルロースアセテートフイルムの鹸化処理におけ
る芳香族化合物の溶出量が、0.3%未満であることを
特徴とする(3)に記載の光学補償シート。
【0012】(7)偏光膜およびその両側に配置された
二枚の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜
の一方が、酢化度が59.0乃至61.5%の範囲にあ
るセルロースアセテートを含む一枚のセルロースアセテ
ートフイルムからなり、セルロースアセテートフイルム
の、下記式(I)により定義されるReレターデーショ
ン値が20乃至200nmの範囲にあり、下記式(II)
により定義されるRthレターデーション値が70乃至4
00nmの範囲にあり、そして鹸化処理前後のReレタ
ーデーション値の変化が3nm以下であることを特徴と
する偏光板。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であ
り;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである。
【0013】(8)液晶セルおよびその両側に配置され
た二枚の偏光板からなり、偏光板が偏光膜およびその両
側に配置された二枚の透明保護膜からなる液晶表示装置
であって、液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の
透明保護膜の一方が、酢化度が59.0乃至61.5%
の範囲にあるセルロースアセテートを含む一枚のセルロ
ースアセテートフイルムからなり、セルロースアセテー
トフイルムの、下記式(I)により定義されるReレタ
ーデーション値が20乃至200nmの範囲にあり、下
記式(II)により定義されるRthレターデーション値が
70乃至400nmの範囲にあり、そして鹸化処理前後
のReレターデーション値の変化が3nm以下であるこ
とを特徴とする液晶表示装置。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であ
り;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである。 (9)液晶セルがVAモード、TNモード、またはn-
ASMモードの液晶セルである(8)に記載の液晶表示
装置。
【0014】(10)反射板、液晶セルおよび偏光膜が
この順に積層されている反射型液晶表示装置であって、
反射板と偏光膜との間に、酢化度が59.0乃至61.
5%の範囲にあるセルロースアセテートを含む一枚のセ
ルロースアセテートフイルムからなり、セルロースアセ
テートフイルムの、下記式(I)により定義されるRe
レターデーション値が20乃至200nmの範囲にあ
り、下記式(II)により定義されるRthレターデーショ
ン値が70乃至400nmの範囲にあり、そして鹸化処
理前後のReレターデーション値の変化が3nm以下で
あることを特徴とする反射型液晶表示装置。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であ
り;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである。
【0015】なお本明細書中、特に指定がない場合は、
Reレターデーション値およびRthレターデーション値
は、波長550nmにおける測定値を意味する。
【0016】
【発明の効果】本発明者は、セルロースアセテートフイ
ルムへの添加剤(具体的には、二つの芳香族環を有する
芳香族化合物)の種類と量あるいは製造条件(例えば、
フイルムの延伸条件)を調節することによって、Reレ
ターデーション値が20乃至200の範囲にあり、Rth
レターデーション値が70乃至400nmの範囲にあ
り、鹸化処理前後で光学特性が実質的に変動せず、そし
て鹸化処理に用いるアルカリ処理液の着色が小さい光学
補償シートを製造することに成功した。このセルロース
アセテートフイルムは、液晶セルを光学的に補償するた
めに充分な光学的異方性を有している。従って、一枚の
セルロースアセテートフイルムのみからなる光学補償シ
ートが得られる。偏光板の保護膜は、一般にセルロース
アセテートフイルムからなる。上記のセルロースアセテ
ートフイルムを偏光板の一方の保護膜として用いると、
偏光板の構成要素の数を増加することなく、偏光板に光
学補償機能を追加することができる。なお、酢化度が5
9.0%未満のセルロースアセテートフイルムを使用す
ると、上記の光学的異方性を容易に達成できるが、セル
ロースアセテートフイルムとしての物性が低下する。本
発明では、酢化度が59.0乃至61.5%の範囲にあ
るセルロースアセテートを使用し、他の手段(上記の添
加剤や製造条件の調節)で上記のレターデーション値を
達成することにより、光学的異方性と物性との双方が優
れたセルロースアセテートフイルムを得ている。さら
に、この光学補償シートを液晶表示装置に取り付けて使
用したところ、視野角とコントラストが著しく改善され
た。
【0017】
【発明の実施の形態】[フイルムのレターデーション]
フイルムのReレターデーション値およびRthレターデ
ーション値は、それぞれ、下記式(I)および(II)で
定義される。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内
の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率であ
る。式(I)および(II)において、nyは、フイルム
面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率
である。式(II)において、nzは、フイルムの厚み方
向の屈折率である。式(I)および(II)において、d
は、単位をnmとするフイルムの厚さである。
【0018】本発明では、セルロースアセテートフイル
ムのReレターデーション値を20乃至200nmの範
囲に、そして、Rthレターデーション値を70乃至4
00nmの範囲に調節する。液晶表示装置に二枚の光学
的異方性セルロースアセテートフイルムを使用する場
合、フイルムのRthレターデーション値は70乃至2
00nmの範囲にあることが好ましい。液晶表示装置に
一枚の光学的異方性セルロースアセテートフイルムを使
用する場合、フイルムのRthレターデーション値は1
50乃至400nmの範囲にあることが好ましい。光学
補償シートをλ/4板として使用する場合は、波長45
0nmで測定したReレターデーション値(Re45
0)が100乃至125nmであり、かつ波長590n
mで測定したReレターデーション値(Re590)が
120乃至160nmであり、そして、Re590−R
e450≧2nmの関係を満足よう調整する。Re59
0−Re450≧5nmであることがさらに好ましく、
Re590−Re450≧10nmであることが最も好
ましい。
【0019】[セルロースアセテート]本発明では、酢
化度が59.0乃至61.5%の範囲にあるセルロース
アセテートを使用する。酢化度とは、セルロース単位質
量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、AST
M:D−817−91(セルロースアセテート等の試験
法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。セ
ルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、250
以上であることが好ましく、290以上であることがさ
らに好ましい。また、本発明に使用するセルロースエス
テルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
るMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分
子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なM
w/Mnの値としては、1.0乃至1.7であることが
好ましく、1.3乃至1.65であることがさらに好ま
しく、1.4乃至1.6であることが最も好ましい。
【0020】[レターデーション上昇剤]セルロースア
セテートフイルムのレターデーションを調整するため、
少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレタ
ーデーション上昇剤として使用する。芳香族化合物は、
セルロースアセテート100質量部に対して、0.01
乃至20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セ
ルロースアセテート100質量部に対して、0.05乃
至15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1
乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好まし
い。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香
族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、
芳香族性ヘテロ環を含む。
【0021】芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、
ベンゼン環)であることが特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ
環は、5員環、6員環または7員環であることが好まし
く、5員環または6員環であることがさらに好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。
ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原
子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、
オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、
イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フ
ラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピ
リダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,
5−トリアジン環が含まれる。芳香族環としては、ベン
ゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサ
ゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾー
ル環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および
1,3,5−トリアジン環が好ましく、ベンゼン環およ
び1,3,5−トリアジン環がさらに好ましい。芳香族
化合物は、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環
を有することが特に好ましい。
【0022】芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2
乃至20であることが好ましく、2乃至12であること
がより好ましく、2乃至8であることがさらに好まし
く、2乃至6であることが最も好ましい。二つの芳香族
環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)
単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合
する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は
形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれ
でもよい。
【0023】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、イン
ドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾ
チオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール
環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベン
ゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメ
ン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キ
ナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジ
ン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、
フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フ
ェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン
環およびチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、ア
ズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベン
ゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリア
ゾール環およびキノリン環が好ましい。(b)の単結合
は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好
ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、
二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環
を形成してもよい。
【0024】(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−C
O−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O
−CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0025】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シア
ノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファ
モイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル
基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族
置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換
スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香
族性複素環基が含まれる。
【0026】アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であ
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0027】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0028】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。、脂
肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含
まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の
例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド
およびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族
置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。レターデーション
上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ま
しい。
【0029】[赤外線吸収剤]各波長におけるレターデ
ーション値を調整するため、赤外線吸収剤をポリマーフ
イルムに添加することができる。赤外線吸収剤は、ポリ
マー100重量部に対して、0.01乃至5重量部の範
囲で使用することが好ましく、0.02乃至2重量部の
範囲で使用することがより好ましく、0.05乃至1重
量部の範囲で使用することがさらに好ましく、0.1乃
至0.5重量部の範囲で使用することが最も好ましい。
二種類以上の赤外線吸収剤を併用してもよい。赤外線吸
収剤は、750乃至1100nmの波長領域に最大吸収
を有することが好ましく、800乃至1000nmの波
長領域に最大吸収を有することがさらに好ましい。赤外
線吸収剤は、可視領域に実質的に吸収を有していないこ
とが好ましい。
【0030】赤外線吸収剤としては、赤外線吸収染料ま
たは赤外線吸収顔料を用いることが好ましく、赤外線吸
収染料を用いることが特に好ましい。赤外線吸収染料に
は、有機化合物と無機化合物が含まれる。有機化合物で
ある赤外線吸収染料を用いることが好ましい。有機赤外
線吸収染料には、シアニン化合物、金属キレート化合
物、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、キノン化
合物、スクアリリウム化合物およびメチン化合物が含ま
れる。赤外線吸収染料については、色材、61〔4〕2
15−226(1988)、および化学工業、43−5
3(1986、5月)に記載がある。
【0031】赤外線吸収機能あるいは吸収スペクトルの
観点で染料の種類を検討すると、ハロゲン化銀写真感光
材料の技術分野で開発された赤外線吸収染料が優れてい
る。ハロゲン化銀写真感光材料の技術分野で開発された
赤外線吸収染料には、ジヒドロペリミジンスクアリリウ
ム染料(米国特許5380635号明細書および特願平
8−189817号明細書記載)、シアニン染料(特開
昭62−123454号、同3−138640号、同3
−211542号、同3−226736号、同5−31
3305号、同6−43583号の各公報、特願平7−
269097号明細書および欧州特許0430244号
明細書記載)、ピリリウム染料(特開平3−13864
0号、同3−211542号の各公報記載)、ジイモニ
ウム染料(特開平3−138640号、同3−2115
42号の各公報記載)、ピラゾロピリドン染料(特開平
2−282244号記載)、インドアニリン染料(特開
平5−323500号、同5−323501号の各公報
記載)、ポリメチン染料(特開平3−26765号、同
4−190343号の各公報および欧州特許37796
1号明細書記載)、オキソノール染料(特開平3−93
46号明細書記載)、アントラキノン染料(特開平4−
13654号明細書記載)、ナフタロシアニン色素(米
国特許5009989号明細書記載)およびナフトラク
タム染料(欧州特許568267号明細書記載)が含ま
れる。
【0032】[セルロースアセテートフイルムの製造]
ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフイ
ルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法
では、セルロースアセテートを有機溶媒に溶解した溶液
(ドープ)を用いてフイルムを製造する。有機溶媒は、
炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃
至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルお
よび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選
ばれる溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンお
よびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテ
ル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O
−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上
有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。
有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を
有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶
媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有す
る化合物の規定範囲内であればよい。
【0033】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の
有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0034】一般的な方法でセルロースアセテート溶液
を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常
温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調
製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調
製方法および装置を用いて実施することができる。な
お、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化
炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ま
しい。セルロースアセテートの量は、得られる溶液中に
10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30質量%であることが
さらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する
任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温
(0乃至40℃)でセルロースアセテートと有機溶媒と
を撹拌することにより調製することができる。高濃度の
溶液は、加圧および加熱条件下で撹拌してもよい。具体
的には、セルロースアセテートと有機溶媒とを加圧容器
に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以
上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪
拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好まし
くは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃
至110℃である。
【0035】各成分は予め粗混合してから容器に入れて
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は撹拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に撹拌翼を設けて、こ
れを用いて撹拌することが好ましい。撹拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。撹拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0036】冷却溶解法により、溶液を調製することも
できる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒中にもセルロースアセテートを
溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセル
ロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶
解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果があ
る。冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロ
ースアセテートを撹拌しながら徐々に添加する。セルロ
ースアセテートの量は、この混合物中に10乃至40質
量%含まれるように調整することが好ましい。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30質量%であることが
さらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の
添加剤を添加しておいてもよい。
【0037】次に、混合物を−100乃至−10℃(好
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、セルロースアセテートと有機溶媒の混合物は
固化する。冷却速度は、4℃/分以上であることが好ま
しく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12
℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速
いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限で
あり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして1
00℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、
冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷
却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間
で割った値である。
【0038】さらに、これを0乃至200℃(好ましく
は0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、
最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒
中にセルロースアセテートが溶解する。昇温は、室温中
に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。加
温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/
分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上で
あることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好まし
いが、10000℃/秒が理論的な上限であり、100
0℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が
実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始す
る時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始して
から最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値で
ある。以上のようにして、均一な溶液が得られる。な
お、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り
返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視によ
り溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
【0039】冷却溶解法においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒
により異なる。
【0040】調製したセルロースアセテート溶液(ドー
プ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセ
テートフイルムを製造する。ドープは、ドラムまたはバ
ンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成す
る。流延前のドープは、固形分量が18乃至35%とな
るように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたは
バンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好まし
い。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法
については、米国特許2336310号、同23676
03号、同2492078号、同2492977号、同
2492978号、同2607704号、同27390
69号、同2739070号、英国特許640731
号、同736892号の各明細書、特公昭45−455
4号、同49−5614号、特開昭60−176834
号、同60−203430号、同62−115035号
の各公報に記載がある。ドープは、表面温度が10℃以
下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。
流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好まし
い。得られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取
り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高
温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以
上の方法は、特公平5−17844号公報に記載があ
る。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を
短縮することが可能である。この方法を実施するために
は、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてド
ープがゲル化することが必要である。
【0041】セルロースアセテートフイルムには、機械
的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため
に、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル
酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フ
タル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが
含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DE
P、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用
いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤
の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25
質量%であることが好ましく、1乃至20質量%である
ことがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが
最も好ましい。
【0042】セルロースアセテートフイルムには、劣化
防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加して
もよい。劣化防止剤については、特開平3−19920
1号、同5−1907073号、同5−194789
号、同5−271471号、同6−107854号の各
公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ま
しく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好
ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防
止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%
を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードア
ウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好まし
い劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げる
ことができる。
【0043】セルロースアセテートフイルムは、さらに
延伸処理によりレターデーションをを調整することがで
きる。延伸倍率は、3乃至100%であることが好まし
い。セルロースアセテートフイルムの厚さは、40乃至
140μmであることが好ましく、70乃至120μm
であることがさらに好ましい。
【0044】[鹸化処理工程]セルロースエステルフイ
ルムをアルカリ水溶液に浸漬することにより鹸化処理を
実施する。アルカリは、水酸化ナトリウムまたは水酸化
カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物であることが
好ましい。水溶液のpHは、10以上であることが好ま
しい。アルカリ処理は、アルカリ水溶液に、少なくとも
セルロースアセテートフイルムの偏光膜側の面を浸漬し
て実施することが好ましいが、両面をアルカリ処理して
も良い。浸漬時間は、1ないし300秒であることが好
ましく、5ないし240秒であることがさらに好まし
い。処理温度は、25ないし70℃であることが好まし
く、35ないし60℃であることがさらに好ましい。浸
漬終了後、セルロースアセテートフイルムを水で洗浄す
ることが好ましい。
【0045】[偏光板]偏光板は、偏光膜およびその両
側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護
膜として、上記のセルロースアセテートフイルムを用い
る。他方の保護膜は、通常のセルロースアセテートフイ
ルムを用いてもよい。偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二
色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜があ
る。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリ
ビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。セルロ
ースアセテートフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸と
は、実質的に平行になるように配置する。特にセルロー
スアセテートフイルムをλ/4板として使用する場合
は、λ/4板の面内の遅相軸と偏光膜の透過軸との角度
が実質的に45゜になるように配置する。実質的に45
゜とは、40乃至50゜であることを意味する。λ/4
板の面内の遅相軸と偏光膜の透過軸との角度は、41乃
至49゜であることが好ましく、42乃至48゜である
ことがより好ましく、43乃至47゜であることがさら
に好ましく、44乃至46゜であることが最も好まし
い。λ/4板の面内の遅相軸と偏光膜の透過軸との角度
が実質的に45゜になるように配置することで円偏光板
を形成することができる。
【0046】[液晶表示装置]上記のセルロースアセテ
ートフイルムからなる光学補償シート、または上記のセ
ルロースアセテートフイルムを用いた偏光板は、液晶表
示装置に用いられる。その液晶表示装置の特徴により、
光学異方性セルロースアセテートフイルムのレターデー
ションは適当な値が決定される。
【0047】[透過型液晶表示装置]透過型液晶表示装
置に対して光学異方性セルロースアセテートフイルムを
使用することができる。透過型液晶表示装置は、液晶セ
ルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる。
液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持してい
る。本発明の光学補償シートは、液晶セルと一方の偏光
板との間に、一枚配置するか、あるいは液晶セルと双方
の偏光板との間に二枚配置する。二枚のセルロースアセ
テートフイルムを使用する場合、フイルムのRthレタ
ーデーション値は70乃至200nmであることが好ま
しい。一枚のセルロースアセテートフイルムを使用する
場合、フイルムのRthレターデーション値は150乃
至400nmであることが好ましい。本発明の偏光板を
用いる場合は、液晶セルと偏光膜との間に配置される透
明保護膜として、上記のセルロースアセテートフイルム
を用いる。一方の偏光板の(液晶セルと偏光膜との間
の)透明保護膜のみ上記のセルロースアセテートフイル
ムを用いるか、あるいは双方の偏光板の(液晶セルと偏
光膜との間の)二枚の透明保護膜に、上記のセルロース
アセテートフイルムを用いる。液晶セルは、VAモード
またはTNモードであることが好ましい。
【0048】VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時
に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VA
モードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無
印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的
に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開
平2−176625および特公平7−69536号公報
記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモード
をマルチドメイン化した液晶セルが含まれる。具体的に
は、MVA(SID 97、Digest of tech. Papers(予稿
集)28(1997)845、SID 99、Digest of tech. Papers(予
稿集)30(1999)206および特開平11−258605号公
報記載)、SURVAIVAL(月刊ディスプレイ、第
6巻、第3号(1999)14記載)、PVA(Asia Display9
8、Proc.of the 18thInter.Display res.Conf.(予稿集)
(1998)383記載)、Para−A(LCD/PDP Internation
al'99で発表)、DDVA(SID 98、Digest of tech. P
apers(予稿集)29(1998)838記載)、EOC(SID 98、D
igest of tech. Papers(予稿集)29(1998)319記載)、
PSHA(SID 98、Digest of tech. Papers(予稿集)
29(1998)1081記載)、RFFMH(Asia Display98、Pr
oc.of the 18thInter.Display res.Conf.(予稿集)(1
998)375記載)、HMD(SID98、Digest o
f tech. Papers(予稿集)29(1998)702記載)が含まれ
る。その他に(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実
質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイ
ン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル
(IWD'98、Proc.of the 5thInter.Display Workshop.
(予稿集)(1998)143記載)も含まれる。TNモードの液
晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に
水平配向し、さらに60乃至120゜にねじれ配向して
いる。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示
装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載
がある。
【0049】[反射型液晶表示素子]セルロースアセテ
ートフイルムからなる光学補償シートをλ/4板として
使用する場合、その光学補償シートまたは光学補償シー
トを保護膜として用いた偏光板は、特に反射型液晶表示
素子に有利に用いることができる。図1は、反射型液晶
表示装置の基本的な構成を示す模式図である。図1に示
す反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板(1)、
反射電極(2)、下配向膜(3)、液晶層(4)、上配
向膜(5)、透明電極(6)、上基板(7)、λ/4板
(8)、そして偏光膜(9)からなる。下基板(1)と
反射電極(2)が反射板を構成する。下配向膜(3)〜
上配向膜(5)が液晶セルを構成する。λ/4板(8)
は、反射板と偏光膜(9)との間の任意の位置に配置す
ることができる。カラー表示の場合には、さらにカラー
フィルター層を設ける。カラーフィルター層は、反射電
極(2)と下配向膜(3)との間、または上配向膜
(5)と透明電極(6)との間に設けることが好まし
い。図1に示す反射電極(2)の代わりに透明電極を用
いて、別に反射板を取り付けてもよい。透明電極と組み
合わせて用いる反射板としては、金属板が好ましい。反
射板の表面が平滑であると、正反射成分のみが反射され
て視野角が狭くなる場合がある。そのため、反射板の表
面に凹凸構造(特許275620号公報記載)を導入す
ることが好ましい。反射板の表面が平坦である場合は
(表面に凹凸構造を導入する代わりに)、偏光膜の片側
(セル側あるいは外側)に光拡散フイルムを取り付けて
もよい。本発明の光学補償シートをλ/4として用いる
場合、図1に示した反射型液晶表示装置のλ/4板
(8)の代わりとすればよい。
【0050】液晶セルは、TN(Twisted Nematic )
型、STN(Supper Twisted Nematic)型またはHAN
(Hybrid Aligned Nematic)型であることが好ましい。
TN型液晶セルのツイスト角は、40乃至100゜であ
ることが好ましく、50乃至90゜であることがさらに
好ましく、60乃至80゜であることが最も好ましい。
液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)と
の積(Δnd)の値は、0.1乃至0.5μmであるこ
とが好ましく、0.2乃至0.4μmであることがさら
に好ましい。STN型液晶セルのツイスト角は、180
乃至360゜であることが好ましく、220乃至270
゜であることがさらに好ましい。液晶層の屈折率異方性
(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値
は、0.3乃至1.2μmであることが好ましく、0.
5乃至1.0μmであることがさらに好ましい。HAN
型液晶セルは、片方の基板上では液晶が実質的に垂直に
配向しており、他方の基板上のプレチルト角が0乃至4
5゜であることが好ましい。液晶層の屈折率異方性(Δ
n)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値は、
0.1乃至1.0μmであることが好ましく、0.3乃
至0.8μmであることがさらに好ましい。液晶を垂直
配向させる側の基板は、反射板側の基板であってもよい
し、透明電極側の基板であってもよい。
【0051】偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料
を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ
素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルア
ルコール系フイルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸
は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。反射
型液晶表示装置は、印加電圧が低い時に明表示、高い時
に暗表示であるノーマリーホワイトモードでも、印加電
圧が低い時に暗表示、高い時に明表示であるノーマリー
ブラックモードでも用いることができる。ノーマリーホ
ワイトモードの方が好ましい。
【0052】
【実施例】[実施例1] (光学補償シートの作製)下記の組成物をミキシングタ
ンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解
し、セルロースアセテート溶液を調製した。
【0053】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部 ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部 メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部 メタノール(第2溶媒) 54質量部 1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部 ────────────────────────────────────
【0054】別のミキシングタンクに、下記のレターデ
ーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質
量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しなが
ら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーシ
ョン上昇剤溶液25質量部を混合し、充分に攪拌してド
ープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、
セルロースアセテート100質量部に対して、3.5質
量部であった。
【0055】
【化1】
【0056】得られたドープを、バンド流延機を用いて
流延した。残留溶剤量が15質量%のフイルムを、13
0℃の条件で、テンターを用いて25%の延伸倍率で横
延伸し、延伸後の幅のまま50℃で30秒間保持した後
クリップを外してセルロースアセテートフイルム(光学
補償シート)を製造した。得られたフイルムの膜厚は8
0μmあった。作製した光学補償シート(TAC−1)
について、エリプソメーター(M−150、日本分光
(株)製)を用いて波長550nmにおけるレターデー
ション値を測定した結果、Reレターデーション値は4
0nm、Rthレターデーション値は130nmであっ
た。
【0057】(鹸化処理)光学補償シート(TAC−
1)を、液温55℃で規定濃度1.5Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液(pH13)に2分間浸漬して鹸化処理し、
流水で洗浄した後、乾燥した。作製した光学補償シート
について、鹸化処理前後のReレターデーション変化Δ
Re(鹸化後のRe−鹸化前のRe)と、溶出したレタ
ーデーション上昇剤濃度(元の含有量に対する溶出量の
比)を測定した。結果は第1表に示す。
【0058】[実施例2] (光学補償シートの作製)下記の組成のセルロースアセ
テート溶液(ドープ)を調製した。
【0059】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度59.7%のセルロースアセテート 117.87質量部 実施例1のレターデーション上昇剤 1.18質量部 トリフェニルホスフェート(可塑剤) 9.19質量部 ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 4.60質量部 トリベンジルアミン 2.36質量部 メチレンクロライド(第1溶媒) 609.37質量部 メタノール(第2溶媒) 53.00質量部 1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部 ────────────────────────────────────
【0060】得られたドープを、ガラス板上に流延し、
室温で1分間乾燥後、45℃で5分間乾燥させた。乾燥
後の溶剤残留量は25質量%であった。セルロースアセ
テートフイルムをガラス板から剥離し、100℃で10
分間乾燥した後、120℃で20分間乾燥させた。乾燥
後の残留溶剤量は2.1%であった。乾燥させたフイル
ムを適当な大きさに切断した後、130℃で流延方向と
は平行な方向に1.4倍に延伸した。延伸方向と垂直な
方向は、自由に収縮できるようにした。延伸後、そのま
まの状態で室温雰囲気下に取り出し冷却した。得られた
フイルムの膜厚は102μmあった。また、溶剤残留量
は0.1質量%であった。作製した光学補償シート(T
AC−2)について、エリプソメーター(M−150、
日本分光(株)製)を用いて波長450nmにおけるR
eレターデーション値は116nmであった。また、波
長550nmにおけるレターデーション値を測定した結
果、Reレターデーション値は137nm、Rthレタ
ーデーション値は137nmであった。
【0061】(鹸化処理)光学補償シート(TAC−
2)について、実施例1と同様の鹸化処理を行った。作
製した光学補償シートについて、鹸化処理前後のReレ
ターデーション変化ΔRe(鹸化後のRe−鹸化前のR
e)と、溶出したレターデーション上昇剤濃度(元の含
有量に対する溶出量の比)を測定した。結果は第1表に
示す。
【0062】[比較例1] (透明支持体の作製)下記の成分をミキシングタンクに
投入し、加熱撹拌して、セルロースアセテート溶液を調
製した。 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 トリフェニルホスフェート 7.8質量部 ビフェニルジフェニルホスフェート 3.9質量部 メチレンクロライド 300質量部 メタノール 54質量部 1−ブタノール 11質量部 ────────────────────────────────────
【0063】別のミキシングタンクに、下記の成分を投
入し、加熱撹拌して、レターデーション上昇剤溶液を調
製した。 ──────────────────────────────────── レターデーション上昇剤溶液組成 ──────────────────────────────────── 2−ヒドロキシー4−ベンジルオキシベンゾフェノン 12質量部 2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン 4質量部 メチレンクロライド 80質量部 メタノール 20質量部 ────────────────────────────────────
【0064】セルロースアセテート溶液474質量部
に、レターデーション上昇剤溶液22質量部を添加し、
十分に撹拌して、ドープを調製した。セルロースアセテ
ート100質量部に対するレターデーション上昇剤の量
は3質量部であった。ドープを流延口から0℃に冷却し
たドラム上に流延した。フィルムの溶媒含有率が70質
量%の状態でドラムから剥ぎ取り、フイルムの幅方向の
両端をピンテンターで固定し、溶媒含有率が3乃至5質
量%の領域で、幅方向(機械方向に垂直な方向)の延伸
率が3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処
理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥
し、ガラス転移温度が120℃を超える領域で機械方向
の延伸率が実質0%、(剥ぎ取り時に機械方向に4%延
伸することを考慮して)幅方向の延伸率と機械方向の延
伸率との比が0.75となるように調製して、厚さ10
7μmのセルロースアセテートフイルムを作製した。作
製した光学補償シート(TAC−3)について、エリプ
ソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて
波長550nmにおけるレターデーション値を測定した
結果、Reレターデーション値は11nm、Rthレタ
ーデーション値は80nmであった。
【0065】(鹸化処理)光学補償シート(TAC−
3)について、実施例1と同様の鹸化処理を行った。作
製した光学補償シートについて、鹸化処理前後のReレ
ターデーション変化ΔRe(鹸化後のRe−鹸化前のR
e)と、溶出したレターデーション上昇剤濃度(元の含
有量に対する溶出量の比)を測定した。結果は第1表に
示す。
【0066】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── ΔRe レターデーション上昇剤の フイルム (鹸化後Re−鹸化前Re) 溶出量 ──────────────────────────────────── 実施例1 TAC−1 −2nm 0.1% 実施例2 TAC−2 −1nm 0.1% 比較例1 TAC−3 −4nm 0.7% ────────────────────────────────────
【0067】[実施例3] (偏光板の作製)延伸したポリビニルアルコールフイル
ムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。実施例1で
作製して鹸化処理した光学補償シートTAC−1を、ポ
リビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の片側に
貼り付けた。光学補償シートTAC−1と偏光膜の長手
方向が平行になる様に貼り付け、TAC−1の遅相軸の
平均方向と偏光膜の透過軸のなす角度は0°にした。市
販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックT
D80UF、富士写真フイルム(株)製)をケン化処理
し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の
反対側に貼り付けた。このようにして偏光板を作製し
た。
【0068】[比較例2] (偏光板の作製)実施例1で作製した鹸化処理をしてい
ない光学補償シートTAC−1を用いた以外は、実施例
3と同様にして偏光板を作製した。
【0069】(偏光板の耐久性評価)実施例3、比較例
2で作製した偏光板を、アクリル系接着剤を用いてガラ
ス板に貼り付け、高温、加圧下でエイジングした後、9
0℃の恒温槽に入れ、1000時間放置した。そして、
セルロースアセテートフイルム(光学補償シート)と偏
光膜の剥離の有無、および気泡の発生を目視で調べた。
結果を表2に示す。
【0070】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 偏光板 剥離の有無 気泡の有無 ──────────────────────────────────── 実施例3 なし なし 比較例2 あり あり ────────────────────────────────────
【0071】(垂直配向型液晶セルへの実装による視野
角評価)垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置
(VL−1530S、富士通(株)製)に設けられてい
る一対の偏光板および一対の光学補償シートを剥がし、
代わりに実施例3で作製した偏光板を、実施例1で作製
したセルロースアセテートフイルムが液晶セル側となる
ように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側
に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上
下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が
左右方向になるように、クロスニコル配置とした。作製
した液晶表示装置について、測定機(EZ-Contrast160
D、ELDIM社製)を用いて視野角特性を測定した。コント
ラスト10の視野角領域は、上下方向で160°以上、
左右方向で160°以上であった。
【0072】(TN型液晶セルへの実装による視野角評
価)TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(6E−A
3、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板
を剥がし、代わりに実施例3で作製した偏光板を、実施
例1で作製したセルロースアセテートフイルムが液晶セ
ル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバッ
クライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の
透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板
の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置と
した。作製した液晶表示装置について、測定機(EZ-Con
trast160D、ELDIM社製)を用いて視野角特性を測定し
た。コントラスト10、階調反転の無い視野角領域は、
上下方向で45°、左右方向で160°であった。
【0073】[実施例4] (偏光板の作製)延伸したポリビニルアルコールフイル
ムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。実施例2で
作製して鹸化処理をした光学補償シートTAC−2を、
ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の片側
に貼り付けた。TAC−2の遅相軸と偏光膜の透過軸と
の角度は、45°に調整した。市販のセルローストリア
セテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真
フイルム(株)製)を鹸化処理し、ポリビニルアルコー
ル系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。こ
のようにして偏光板を作製した。得られた偏光板の光学
的性質を調べたところ、いずれも広い波長領域(450
〜590nm)において、ほぼ完全な円偏光が達成され
ていた。
【0074】[比較例3] (偏光板の作製)実施例2で作製して鹸化処理をしてい
ない光学補償シートTAC−2を用いた以外は、実施例
4と同様にして偏光板を作製した。
【0075】(偏光板の耐久性評価)実施例4、比較例
3で作製した偏光板を、アクリル系接着剤を用いてガラ
ス板に貼り付け、高温、加圧下でエイジングした後、9
0℃の恒温槽に入れ、1000時間放置した。そして、
セルロースアセテートフイルム(光学補償シート)と偏
光膜の剥離の有無、および気泡の発生を目視で調べた。
結果を表3に示す。
【0076】
【表3】 第3表 ──────────────────────────────────── 偏光板 剥離の有無 気泡の有無 ──────────────────────────────────── 実施例4 なし なし 比較例3 あり あり ────────────────────────────────────
【0077】(反射型液晶液晶パネルへの実装による視
野角評価)実施例4で作製した偏光板を反射型液晶パネ
ルに実装し、測定機(EZ-Contrast160D、ELDIM社製)を
用いて視野角特性を測定した。コントラスト3の視野角
領域は、上下方向131°、左右方向121°であっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式
図である。
【符号の説明】
1 下基板 2 反射電極 3 下配向膜 4 液晶層 5 上配向膜 6 透明電極 7 上基板 8 λ/4板 9 偏光膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢化度が59.0乃至61.5%の範囲
    にあるセルロースアセテートを含む一枚のセルロースア
    セテートフイルムからなり、セルロースアセテートフイ
    ルムの、下記式(I)により定義されるReレターデー
    ション値が20乃至200nmの範囲にあり、下記式
    (II)により定義されるRthレターデーション値が70
    乃至400nmの範囲にあり、そして鹸化処理前後のR
    eレターデーション値の変化が3nm以下であることを
    特徴とする光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
  2. 【請求項2】 前記のセルロースアセテートフイルム
    が、液温が25乃至70℃の範囲にあるpH10以上の
    アルカリ水溶液に1乃至300秒浸漬することにより、
    鹸化処理がされていることを特徴とする請求項1に記載
    の光学補償シート。
  3. 【請求項3】 前記のセルロースアセテートフイルム
    が、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を
    含むことを特徴とする請求項1に記載の光学補償シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記のセルロースアセテート100質量
    部に対して、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族
    化合物を0.01乃至20質量部含むことを特徴とする
    請求項3に記載の光学補償シート。
  5. 【請求項5】 前記の芳香族化合物が、少なくとも1つ
    の1,3,5−トリアジン環を有することを特徴とする
    請求項3に記載の光学補償シート。
  6. 【請求項6】 セルロースアセテートフイルムの鹸化処
    理における芳香族化合物の溶出量が、0.3%未満であ
    ることを特徴とする請求項3に記載の光学補償シート。
  7. 【請求項7】 偏光膜およびその両側に配置された二枚
    の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の一
    方が、酢化度が59.0乃至61.5%の範囲にあるセ
    ルロースアセテートを含む一枚のセルロースアセテート
    フイルムからなり、セルロースアセテートフイルムの、
    下記式(I)により定義されるReレターデーション値
    が20乃至200nmの範囲にあり、下記式(II)によ
    り定義されるRthレターデーション値が70乃至400
    nmの範囲にあり、そして鹸化処理前後のReレターデ
    ーション値の変化が3nm以下であることを特徴とする
    偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
  8. 【請求項8】 液晶セルおよびその両側に配置された二
    枚の偏光板からなり、偏光板が偏光膜およびその両側に
    配置された二枚の透明保護膜からなる液晶表示装置であ
    って、液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の透明
    保護膜の一方が、酢化度が59.0乃至61.5%の範
    囲にあるセルロースアセテートを含む一枚のセルロース
    アセテートフイルムからなり、セルロースアセテートフ
    イルムの、下記式(I)により定義されるReレターデ
    ーション値が20乃至200nmの範囲にあり、下記式
    (II)により定義されるRthレターデーション値が70
    乃至400nmの範囲にあり、そして鹸化処理前後のR
    eレターデーション値の変化が3nm以下であることを
    特徴とする液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
  9. 【請求項9】 液晶セルがVAモード、TNモード、ま
    たはn-ASMモードの液晶セルである請求項8に記載
    の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 反射板、液晶セルおよび偏光膜がこの
    順に積層されている反射型液晶表示装置であって、反射
    板と偏光膜との間に、酢化度が59.0乃至61.5%
    の範囲にあるセルロースアセテートを含む一枚のセルロ
    ースアセテートフイルムからなり、セルロースアセテー
    トフイルムの、下記式(I)により定義されるReレタ
    ーデーション値が20乃至200nmの範囲にあり、下
    記式(II)により定義されるRthレターデーション値が
    70乃至400nmの範囲にあり、そして鹸化処理前後
    のReレターデーション値の変化が3nm以下であるこ
    とを特徴とする反射型液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
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