JP2002202411A - 位相差板、偏光板およびそれを用いた反射型液晶表示素子 - Google Patents

位相差板、偏光板およびそれを用いた反射型液晶表示素子

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JP2002202411A
JP2002202411A JP2001071844A JP2001071844A JP2002202411A JP 2002202411 A JP2002202411 A JP 2002202411A JP 2001071844 A JP2001071844 A JP 2001071844A JP 2001071844 A JP2001071844 A JP 2001071844A JP 2002202411 A JP2002202411 A JP 2002202411A
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retardation
wavelength
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JP2001071844A
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Hiroaki Sata
博暁 佐多
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一枚のフイルムで、可視光域の全体にわたり
λ/4を達成し、かつ平面性が改善された位相差板を提
供すること。 【解決手段】 波長400から700nmにおける複屈
折が長波長ほど大きく、波長450nmで測定したレタ
ーデーション値(Re450)が80乃至125nmの
範囲にあり、波長590nmで測定したレターデーショ
ン値(Re590)が120乃至160nmの範囲にあ
る一枚のセルロースアシレートフイルムからなり、該セ
ルロースアシレートフイルムが共流延法により製膜され
たフィルムであることを特徴とする位相差板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相差板、および
それを用いた円偏光板と反射型液晶表示素子とに関す
る。特に本発明は、反射型液晶表示素子において使用さ
れるλ/4板として有効な位相差板に関する。
【0002】
【従来の技術】λ/4板は、反射防止膜や液晶表示装置
に関連する多くの用途を有しており、既に実際に使用さ
れている。しかし、λ/4板と称していても、ある特定
波長でλ/4を達成しているものが大部分であった。λ
/4を達成できる波長領域が狭いと、表示画像のコント
ラストが低下するという問題があった。特開平5−27
118号および同5−27119号の各公報には、レタ
ーデーションが大きい複屈折性フイルムと、レターデー
ションが小さい複屈折率フイルムとを、それらの光軸が
直交するように積層させた位相差板が開示されている。
二枚の複屈折性フイルムのレターデーションの差が可視
光域の波長全体にわたりλ/4であれば、位相差板は理
論的には、可視光域の波長全体にわたりλ/4板として
機能する。
【0003】特開平10−68816号公報に、特定波
長においてλ/4となっているポリマーフイルムと、そ
れと同一材料からなり同じ波長においてλ/2となって
いるポリマーフイルムとを積層させて、広い波長領域で
λ/4が得られる位相差板が開示されている。特開平1
0−90521号公報にも、二枚のポリマーフイルムを
積層することにより広い波長領域でλ/4を達成できる
位相差板が開示されている。以上のポリマーフイルムと
しては、ポリカーボネートのような合成ポリマーの延伸
フイルムが使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】二枚のポリマーフイル
ムを積層することにより、広い波長領域でλ/4を達成
することができる。しかし、そのためには、二枚のポリ
マーフイルムの角度を厳密に調整しながら積層する必要
がある。特開2000−137116号公報において、
一枚の高分子配向フイルムからなるλ/4板が開示され
ている。特に好ましい高分子フイルムとしてセルロース
アセテートが用いられており、セルロースアセテートの
アセチル化度を調整することにより、広い波長領域でλ
/4を達成している。しかし本発明者の研究により、い
くつかの問題があることが明らかになった。
【0005】λ/4板の光学特性を決定するレターデー
ション値は、フイルム面内の複屈折値とフイルムの膜厚
の積で定義される。本来、セルロースアシレートフイル
ムは面内の複屈折が小さいことが知られている。従っ
て、概ねλ/4のレターデーション値を達成するには、
適当な膜厚と複屈折の発現が必要である。膜厚は、フイ
ルムの製膜時の設定と、その後の延伸処理による膜厚減
少により決まる。また、複屈折の値は、延伸したときの
セルロースアシレートフイルムの複屈折発現性と延伸倍
率により決まる。セルロースアシレートは、延伸処理し
て使用されることが多いエンジニアプラスチックである
ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネ
ート(PC)に比べると延伸することが難しく、複屈折
を発現させることが難しい。また、酢化度が大きくなる
ほど、延伸による複屈折発現性は小さくなる。複屈折が
小さい場合には、膜厚を厚くする必要がある。
【0006】セルロースアシレートフイルムの製膜は、
従来、セルロースアシレートを含有する一種類の濃厚溶
液(ドープ)を用いて溶液キャスト法で製膜されてい
る。そして、溶液キャスト法に用いるドープの溶媒を有
機溶媒とした、ソルベントキャスト法が好ましく利用さ
れている。しかしながら、本発明の位相差板を同様の方
法で作製しようとすると、ブツによる故障が発生した
り、平面性が悪いフイルムが製膜されやすいことが分か
った。また、フイルムの内部と表面では溶剤の揮発速度
に差が生じ、内部ほど溶剤が揮発しにくいことが明らか
になった。このようなフイルムを延伸処理すると、延伸
ムラが生じ、均一な光学特性が達成できない。このよう
な現象は膜厚が厚くなるほど発生しやすい。一方、薄い
膜厚で本発明の位相差板を作製する場合、大きな複屈折
発現性が必要となる。固有複屈折は物質により決まるの
で、大きな延伸倍率が必要となる。延伸しにくいセルロ
ースアシレートを高倍率で延伸するためには大きなテン
ションが必要となる。大きなテンションで延伸するとツ
レシワが発生したり、ロール上ですべってスリキズがつ
きやすいため、フイルムの面状が悪化する。また、高倍
率で延伸すると結晶化やクレーズによるヘイズが発生し
やすい。
【0007】本発明の目的は、広い波長領域でλ/4を
達成し、かつフイルム全面にわたって透明で均一な光学
特性を有し、更には異物やキズがなく、平面性に優れる
一枚のセルロースアシレートフイルムからなる位相差板
を提供することである。別の本発明の目的は、上記位相
差板を用いて、広い視野角と優れた表示品位を有する直
線偏光板および反射型液晶表示素子を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(7)の位相差板、下記(8)〜(9)の偏光
板および下記(10)〜(11)の反射型液晶表示素子
により達成された。 (1)波長400から700nmにおける複屈折が長波
長ほど大きく、波長450nmで測定したレターデーシ
ョン値(Re450)が80乃至125nmの範囲にあ
り、波長590nmで測定したレターデーション値(R
e590)が120乃至160nmの範囲にある一枚の
セルロースアシレートフイルムからなり、該セルロース
アシレートフイルムが共流延法により製膜されたフィル
ムであることを特徴とする位相差板。 (2)波長400から700nmにおける複屈折が長波
長ほど大きく、波長450nmで測定したレターデーシ
ョン値(Re450)が80乃至125nmの範囲にあ
り、波長590nmで測定したレターデーション値(R
e590)が120乃至160nmの範囲にある一枚の
セルロースアシレートフイルムからなり、該セルロース
アシレートフイルムが、ハロゲン化炭化水素以外の溶媒
を用いたセルロースアシレート溶液から製膜されたフィ
ルムであることを特徴とする位相差板。 (3)前記のセルロースアシレートフイルムが、平均酢
化度が56.0乃至62.5%の範囲にあるセルロース
アセテートからなるフイルムであることを特徴とする
(1)もしくは(2)に記載の位相差板。 (4)前記のセルロースアシレートフイルムが、セルロ
ースアシレートの6位置換率が、30%以上40%以下
であるセルロースアセテートからなるフイルムであるこ
とを特徴とする(1)乃至(3)のうちのいずれかに記
載の位相差板。 (5)前記のセルロースアシレートフイルムの、波長5
50nmで測定した面内の遅相軸方向の屈折率nx、面
内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の
屈折率nzが、0.3≦(nx−nz)/(nx−n
y)≦2の関係を満足することを特徴とする(1)乃至
(4)のうちのいずれかに記載の位相差板。 (6)前記のセルロースアシレートフイルムが、延伸処
理されたフイルムであることを特徴とする(1)乃至
(5)のうちのいずれかに記載の位相差板。 (7)前記のセルロースアシレートフイルムが、少なく
とも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を含むことを
特徴とする(1)乃至(6)のうちのいずれかに記載の
位相差板。
【0009】(8)位相差板と偏光板とが、位相差板の
面内の遅相軸と偏光板の偏光軸との角度が実質的に45
°になるように貼り合わせられている円偏光板であっ
て、位相差板が(1)乃至(7)のうちのいずれかに記
載の位相差板であることを特徴とする円偏光板。 (9)位相差板と直線偏光膜とが、位相差板の面内の遅
相軸と直線偏光膜の偏光軸との角度が実質的に45゜に
なるように積層されている円偏光板であって、位相差板
が(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の位相差板
であることを特徴とする円偏光板。 (10)反射板、液晶セルおよび偏光膜がこの順に積層
されている反射型液晶表示素子であって、さらに、
(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の位相差板
が、反射板と偏光膜との間に配置されていることを特徴
とする反射型液晶表示素子。 (11)λ/4板を備えたゲストホスト反射型液晶表示
素子であって、λ/4板が(1)乃至(7)のうちのい
ずれかに記載の位相差板であることを特徴とするゲスト
ホスト反射型液晶表示素子。
【0010】
【発明の効果】本発明者は、研究の結果、セルロースア
シレートフイルムの製造方法を調節することにより、広
い波長領域でλ/4を達成し、かつブツによる欠陥や光
学特性のムラのない透明な位相差板を製造することに成
功した。さらに、この位相差板を液晶表示素子に取り付
けて使用したところ、視野角とコントラストが著しく改
善された。一枚のセルロースアシレートフイルムを用い
て広い波長領域でλ/4を達成できる位相差板が得られ
たことで、従来の二枚のポリマーフイルムの角度を厳密
に調整しながら積層する工程が不要になる。さらに、本
発明の位相差板を反射型液晶表示素子に取り付けると、
広い視野角が達成できる。また、本発明のλ/4板は一
枚のフイルムからなるため、厚みが薄く、光の減衰が少
なく、反射輝度が高い表示素子が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】[位相差板]位相差板をλ/4板
として使用する場合は、波長400から700nmにお
ける複屈折が長波長ほど大きく、波長450nmで測定
したレターデーション値(Re450)が80乃至12
5nmであり、かつ波長590nmで測定したレターデ
ーション値(Re590)が120乃至160nmであ
る関係を満足する。Re590−Re450≧5nmで
あることがさらに好ましく、Re590−Re450≧
10nmであることが最も好ましい。波長450nmで
測定したレターデーション値(Re450)が100乃
至120nmであり、波長550nmで測定したレター
デーション値(Re550)が125乃至142nmで
あり、波長590nmで測定したレターデーション値
(Re590)が130乃至152nmであり、そし
て、Re590−Re550≧2nmの関係を満足する
ことが好ましい。Re590−Re550≧5nmであ
ることがさらに好ましく、Re590−Re550≧1
0nmであることが最も好ましい。また、Re550−
Re450≧10nmであることも好ましい。
【0012】レターデーション値(Re)は、下記式に
従って算出する。 レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d 式中、nxは、位相差板の面内の遅相軸方向の屈折率
(面内の最大屈折率)であり;nyは、位相差板の面内
の遅相軸に垂直な方向の屈折率であり;そして、dは、
位相差板の厚さ(nm)である。
【0013】さらに、本発明の位相差板は、下記式を満
足する一枚のセルロースアシレートフイルムからなるこ
とが好ましい。 0.3≦(nx−nz)/(nx−ny)≦2 式中、nxは、550nmで測定した位相差板の面内の
遅相軸方向の屈折率であり;nyは、550nmで測定
した位相差板の面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率であ
り;そして、nzは、550nmで測定した厚み方向の
屈折率である。三方向の屈折率の調整はセルロースアシ
レートの酢化度、および添加剤の種類と量、および延伸
処理にり調節することができる。位相差板を構成する一
枚のセルロースアシレートの厚さは、5乃至1000μ
mであることが好ましく、10乃至500μmであるこ
とがより好ましく、40乃至200μmであることがさ
らに好ましく、λ/4板の場合には特に70乃至120
μmであることが最も好ましい。
【0014】[セルロースアシレート]本発明に用いら
れるセルロースアシレートについて、以下に記す。本発
明に用いられるセルロースアシレートの原料セルロース
としては、綿花リンターや木材パルプなどがあるが、何
れの原料セルロースから得られるセルロースアシレート
でも使用できるし、これらを混合して使用してもよい。
これらのセルロースから得られる本発明のセルロースア
シレートは、好ましくはセルロースの水酸基への置換度
が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものである。
【0015】(I) 2.5≦A+B≦3.0 (II) 2.0≦A≦3.0 (III) 0≦B≦0.8 ここで、式中A及びBはセルロースの水酸基に置換され
ているアシル基の置換基を表し、Aはアセチル基の置換
度、またBは炭素原子数3以上のアシル基の置換度を表
す。セルロースには1グルコース単位に3個の水酸基が
あり、上記の数字はその水酸基3.0に対する置換度を
表すもので、最大の置換度が3.0である。
【0016】本発明に使用するセルロースアシレートの
重合度(粘度平均)は200〜700であることが好ま
しく、250〜550であることがより好ましい。一般
的にセルローストリアセテートを含むセルロースアシレ
ートフイルムの、繊維または成型品の機械的強度がタフ
であるためには重合度が200以上あることが必要とさ
れている。この重合度については、祖父江寛、右田伸彦
編「セルロースハンドブック」朝倉書房(1958)
や、丸沢廣、宇田和夫編「プラスチック材料講座17」
日刊工業新聞社(1970)に詳しく記載されている。
本発明のセルロースアシレートフイルムの重合度は、2
50〜350であることが特に好ましい。粘度平均重合
度は、オストワルド粘度計で測定することができ、測定
されたセルロースアシレートの固有粘度[η]から下記
式により求められる。 DP=[η]/Km 式中、DPは粘度平均重合度を意味し、Kmは定数6×
10-4である。
【0017】また、アセチル基と炭素原子数3以上のア
シル基を有するセルロースアシレートは、セルロース混
合脂肪酸エステルとも呼ばれており、混合脂肪酸エステ
ルを用いても良い。炭素原子数3以上のアシル基は、好
ましくはプロピオニル基(C 2 5 CO−)、ブチリル
基(C3 7 CO−)(n−、iso−)、バレリル基
(C4 9 CO−)(n−、iso−、sec−、te
rt−)で、これらのうちn−置換のものがフイルムに
した時の機械的強さ、溶解し易さ等から好ましく、特に
n−プロピオニル基が好ましい。また、アセチル基の置
換度が低いと機械的強さ、耐湿熱性が低下する。炭素原
子数3以上のアシル基の置換度が高いと有機溶媒への溶
解性は向上し、それぞれの置換度が前記の範囲であれば
良好な物性を示す。
【0018】これらのアシル基のアシル化剤としては、
酸無水物や酸クロライドである場合は反応溶媒としての
有機溶媒は、有機酸、例えば酢酸やメチレンクロライド
等が使用される。触媒としては、硫酸のようなプロトン
性触媒が好ましく用いられる。アシル化剤が酸クロライ
ド(例えばCH3 CH2 COCl)の場合には塩基性化
合物が用いられる。工業的に最も一般的な方法は、セル
ロースをアセチル基及び他のアシル基に対応する脂肪酸
(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸)又はそれらの酸
無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水
吉草酸)を含む混合有機酸成分でアシル化してセルロー
スアシレートを合成する。
【0019】本発明に用いられるセルロースアシレート
の具体的な製造方法については、例えば、特開平10−
45804号公報に記載されている方法により合成出来
る本発明に用いられるセルロースアシレートのなかでも
特にセルロースアセテートが好ましく用いられる。セル
ロースアセテートの平均酢化度(アセチル化度)は、4
5.0乃至62.5%であることが好ましく、56.0
乃至62.5%であることがさらに好ましい。酢化度は
結合酢酸量を意味し、セルロース単位質量当たりの結合
酢酸の質量百分率をいい、ASTM:D−817−91
(セルロースアセテートなどの試験方法)のアセチル化
度の測定法に準じて測定できる。平均酢化度の調整のた
めに、二種類以上のセルロースアセテートを用いてもよ
い。一般に、セルロースアシレートの2,3,6の水酸
基は全体の置換度の1/3づつに均等に分配されるわけ
ではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向があ
る。本発明ではセルロースアシレートの6位水酸基の置
換度が、2,3位に比べて多いほうが好ましい。全体の
置換度に対して6位の水酸基が30%以上40%以下で
アシル基で置換されていることが好ましく、更には31
%以上、特に32%以上であることが好ましい。さらに
セルロースアシレートの6位アシル基の置換度が0.8
8以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル
基以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル
基、ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アク
リロイル基などで置換されていてもよい。各位置の置換
度の測定は、NMRによって求める事ができる。本発明
のセルロースアシレートとして、特開平11−5851
号公報の段落番号0043〜0044に記載されている
合成例1、段落番号0048〜0049に記載されてい
る合成例2、そして段落番号0051〜0052に記載
されている合成例3の方法で得られたセルロースアセテ
ートを用いることができる。
【0020】[レターデーション上昇剤]各波長におけ
るレターデーション値を調整するため、そして出来るだ
け低い延伸倍率でλ/4のレターデーションを達成する
ために、セルロースアシレートフイルムにレターデーシ
ョン上昇剤を添加することができる。レターデーション
上昇剤は、ポリマー100質量部に対して、0.05乃
至20質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1
乃至10質量部の範囲で使用することがより好ましく、
0.2乃至5質量部の範囲で使用することがさらに好ま
しく、0.5乃至2質量部の範囲で使用することが最も
好ましい。二種類以上のレターデーション上昇剤を併用
してもよい。レターデーション上昇剤は、250乃至4
00nmの波長領域に最大吸収を有することが好まし
い。レターデーション上昇剤は、可視領域に実質的に吸
収を有していないことが好ましい。
【0021】レターデーション上昇剤としては、少なく
とも二つの芳香族環を有する化合物を用いることが好ま
しい。本明細書において、「芳香族環」は、芳香族炭化
水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。芳香族炭化
水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であること
が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘ
テロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環ま
たは7員環であることが好ましく、5員環または6員環
であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般
に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒
素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子
が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン
環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソ
オキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イ
ミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾー
ル環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジ
ン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含
まれる。芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チ
オフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール
環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピ
リミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン
環が好ましい。
【0022】レターデーション上昇剤が有する芳香族環
の数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至12
であることがより好ましく、2乃至8であることがさら
に好ましく、2乃至6であることが最も好ましく、少な
くとも1つの1,3,5−トリアジン環を有する化合物
が特に好ましい。二つの芳香族環の結合関係は、(a)
縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合お
よび(c)連結基を介して結合する場合に分類できる
(芳香族環のため、スピロ結合は形成できない)。結合
関係は、(a)〜(c)のいずれでもよい。
【0023】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、ナフタセン
環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベン
ゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベ
ンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミ
ダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダ
ゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、
キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサ
リン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール
環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン
環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイ
ン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれ
る。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾ
オキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾ
ール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ま
しい。(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間
の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの
芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環ま
たは非芳香族性複素環を形成してもよい。
【0024】(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO
−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−
CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0025】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シア
ノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファ
モイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル
基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族
置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換
スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香
族性複素環基が含まれる。
【0026】アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であ
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0027】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0028】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。脂肪
族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが好
ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含ま
れる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至
8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の例
には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミドお
よびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族置
換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好
ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。レターデーション
上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ま
しいレターデーション上昇剤の具体例は、特開2000
−111914号、同2000−275434号などに
記載の化合物を挙げることができる。
【0029】[セルロースアシレートフイルムの製造]
ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフイ
ルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法
では、ポリマーを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を
用いてフイルムを製造する。本発明のセルロースアシレ
ートフイルムは共流延法により製膜することができる。
共流延法を用いることにより、高粘度の溶液を同時に支
持体上に押出すことができ、平面性も良化し優れた面状
のフイルムが作製できるばかりでなく、濃厚なセルロー
スアシレート溶液を用いることで乾燥負荷の低減化が達
成でき、フイルムの生産スピードを高めることができ
る。共流延法により製膜する場合、有機溶媒は炭素原子
数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12の
ケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび炭素
原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶
媒を含むことが好ましい。また、ハロゲン化炭化水素の
溶媒は実質的に用いないことがさらに好ましい。実質的
に用いないとは、溶媒全体に対して5質量%以下である
ことを示す。従来から知られている単層の流延法でも製
膜することができる。単層で製膜する場合、有機溶媒は
炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃
至12のケトンおよび炭素原子数が3乃至12のエステ
ルから選ばれる溶媒を含むことが好ましく、ハロゲン化
炭化水素の溶媒は実質的に用いない。実質的に用いない
とは、溶媒全体に対して0質量%以上5質量%以下であ
ることを示す。このような溶媒を用いて作製したフイル
ムを残留溶剤が高い状態で延伸すると、低い応力でλ/
4のレターデーションが実現できるため、ツレシワなど
が発生しない面状の優れた位相差板を製造できる。有機
溶媒として用いるエーテル、ケトンおよびエステルは、
環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよび
エステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および
−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有
機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコ
ール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。
二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素
原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲
内であればよい。
【0030】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の
有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0031】特に好ましい有機溶媒としては、互いに異
なる三種類以上の溶媒の混合溶媒であって、第一の溶媒
としては炭素原子数が3〜4のケトンおよび炭素原子数
が3〜4のエステル或いはその混合液から選ばれ、第二
の溶媒としては炭素原子数が5〜7のケトン類またはア
セト酢酸エステルから選ばれ、第三の溶媒として沸点が
30〜170℃のアルコールおよび沸点が30〜170
℃の炭化水素から選ばれる。第一の溶媒のケトンおよび
エステルとしては、アセトン、酢酸メチル、蟻酸メチ
ル、および蟻酸エチルを用いることが好ましい。第二の
溶媒としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、
アセチル酢酸メチルを用いることが好ましい。
【0032】第三の溶媒は、沸点が30〜170℃のア
ルコールおよび沸点が30〜170℃の炭化水素から選
ばれる。アルコールは一価であることが好ましい。アル
コールの炭化水素部分は、直鎖であっても、分岐を有し
ていても、環状であってもよい。炭化水素部分は、飽和
脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水
酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アル
コールの例には、メタノール(沸点:64.65℃)、
エタノール(沸点:78.325℃)、1−プロパノー
ル(沸点:97.15℃)、2−プロパノール(沸点:
82.4℃)、1−ブタノール(沸点:117.9
℃)、2−ブタノール(沸点:99.5℃)、t−ブタ
ノール(沸点:82.45℃)、1−ペンタノール(沸
点:137.5℃)、2−メチル−2−ブタノール(沸
点:101.9℃)およびシクロヘキサノール(沸点:
161℃)が含まれる。アルコールとしては、2種類以
上の混合液を用いることが好ましい。炭化水素は、直鎖
であっても、分岐を有していても、環状であってもよ
い。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いる
ことができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽
和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン
(沸点:80.7℃)、ヘキサン(69℃)、ベンゼン
(80.1℃)、トルエン(沸点:110.6℃)およ
びキシレン(沸点:138.4〜144.4℃)が含ま
れる。
【0033】三種混合溶媒中には、第一の溶媒が30〜
95質量%含まれることが好ましく、40〜90質量%
含まれることがより好ましく、50〜90質量%含まれ
ることが更に好ましく、50〜質量%含まれることが最
も好ましい。第二の溶媒及び第三の溶媒は、1〜40質
量%含まれることが好ましく、3〜30質量%含まれる
ことがより好ましい。本発明に好ましく用いられるこれ
らの溶媒の組み合わせと混合比の例を以下に示す。セル
ロースアシレート/酢酸メチル/シクロヘキサノン/メ
タノール/エタノール(X/(70−X)/20/5/
5、質量部)、セルロースアシレート/酢酸メチル/メ
チルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール
(X/(50−X)/20/20/5/5、質量部)、
セルロースアシレート/アセトン/アセト酢酸メチル/
エタノール(X/(75−X)/20//5、質量
部)、セルロースアシレート/酢酸メチル/1、3ジオ
キソラン/メタノール/エタノール(X/(70−X)
/20/5/5、質量部)、セルロースアシレート/酢
酸メチル/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノ
ール(X/(60−X)/20/10/5/5、質量
部)、セルロースアシレート/1,3ジオキソラン/シ
クロヘキサノン/メチルエチルケトン/メタノール/エ
タノール(X/(55−X)/20/10/5/5/
5、質量部)が好ましい組み合わせである。ここでXは
セルロースアシレートの質量部を表わし、10〜25で
あることが好ましく、15〜23であることが特に好ま
しい。
【0034】共流延法で製膜するために用いるセルロー
スアセテートの溶液(ドープ)は、一般的な方法で調製
できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温また
は高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、
通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法
および装置を用いて実施することができる。ポリマーの
量は、得られる溶液中に10乃至40質量%含まれるよ
うに調整する。ポリマーの量は、10乃至30質量%で
あることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中に
は、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶
液は、常温(0乃至40℃)でポリマーと有機溶媒とを
攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶
液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的
には、ポリマーと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉
し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が
沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温
度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60乃至2
00℃であり、さらに好ましくは80乃至110℃であ
る。
【0035】各成分は予め粗混合してから容器に入れて
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。ま
た、共流延法で製膜するために用いるドープの調整は、
後述の冷却溶解法によって調整することもできる。
【0036】単層流延法により製膜されるセルロースア
シレート溶液(ドープ)の調製は、冷却溶解法に従い実
施され、以下に説明する。まず室温近辺の温度(−10
〜40℃)で有機溶媒中にセルロースアシレートを撹拌
しながら徐々に添加される。複数の溶媒を用いる場合
は、その添加順は特に限定されない。例えば、主溶媒中
にセルロースアシレートを添加した後に、他の溶媒(例
えばアルコールなどのゲル化溶媒など)を添加してもよ
いし、逆にゲル化溶媒を予めセルロースアシレートに湿
らせた後の主溶媒を加えてもよく、不均一溶解の防止に
有効である。セルロースアシレートの量は、この混合物
中に10〜40質量%含まれるように調整することが好
ましい。セルロースアシレートの量は、10〜30質量
%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には
後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
【0037】次に、混合物は−100〜−10℃(好ま
しくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−
20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却され
る。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−
75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30
〜−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、
セルロースアシレートと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、特に限定されないがバッチ式での冷却の場
合は、冷却に伴いセルロースアシレート溶液の粘度が上
がり、冷却効率が劣るために所定の冷却温度に達するた
めに効率よい溶解釜とすることが必要である。また、本
発明のセルロースアシレート溶液は膨潤させたあと、所
定の冷却温度にした冷却装置を短時間移送することで達
成できる。冷却速度は、速いほど好ましいが、1000
0℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術
的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限で
ある。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最
終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷
却温度に達するまでの時間で割った値である。さらに、
これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに
好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)
に加温すると、有機溶媒中にセルロースアシレートが流
動する溶液となる。昇温は、室温中に放置するだけでも
よし、温浴中で加温してもよい。
【0038】なお、溶解が不充分である場合は冷却、加
温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどう
かは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断する
ことができる。冷却溶解方法においては、冷却時の結露
による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが
望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧
し、加温時に減圧すると溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。
【0039】本発明のドープのセルロースアシレート溶
液の濃度は前述のごとく、高濃度のドープが得られるの
が特徴であり、濃縮という手段に頼らずとも高濃度でし
かも安定性の優れたセルロースアシレート溶液が得られ
る。更に溶解し易くするために低い濃度で溶解してか
ら、濃縮手段を用いて濃縮してもよい。濃縮の方法に特
に限定はないが、例えば、低濃度溶液を筒体とその内部
の周方向に回転する回転羽根外周の回転軌跡との間に導
くとともに、溶液との間に温度差を与えて溶媒を蒸発さ
せながら高濃度溶液を得る方法(例えば、特開平4−2
59511号公報等)、加熱した低濃度溶液をノズルか
ら容器内に吹き込み、溶液をノズルから容器内壁に当た
るまでの間で溶媒をフラッシュ蒸発させるとともに、溶
媒蒸気を容器から抜き出し、高濃度溶液を容器底から抜
き出す方法(例えば、USP第2,541,012号、
同第2,858,229号、同第4,414,341
号、同第4,504,355号各明細書等などに記載の
方法)を例として挙げることができる。
【0040】溶液は流延に先だって金網やネルなどの適
当な濾材を用いて、未溶解物やゴミ、不純物などの異物
を濾過除去しておくのが好ましい。セルロースアシレー
ト溶液の濾過には絶対濾過精度が0.005mm以上
で、0.1mm以下のフィルタを用いられ、さらには絶
対濾過精度が0.005mm未満、0.0005mm以
上であるフィルタを用いることが好ましく用いられる。
その場合、16kg/cm2 以下(好ましくは12kg
/cm2 以下、更に好ましくは10kg/cm2以下、
特に好ましくは2kg/cm2 以下)の濾過圧力で濾過
して製膜することが好ましい。この濾過によりクロスニ
コル状態で認識される大きさが50μmを越える異物は
面積250mm2 当たり実質上0個が達成でき、さらに
は5〜50μmの異物が面積250mm2 当たり200
個以下が達成でき、偏光板用保護膜の商品価値を著しく
あげることができる。ここで異物の個数は、本発明の位
相差板をクロスニコル状態で配置した二枚の偏光板の間
に置いて、一方の偏光板の外側から光を当てて、他方の
偏光板の外側から顕微鏡(透過光源で倍率30倍)で観
察して数える。250mm2 における異物の数は、フイ
ルムの任意の10箇所において250mm2 中にある異
物の数を数えて平均した値を1回の評価値とし、5回の
評価値を平均した時の異物の数と定義したものである。
【0041】本発明のセルロースアシレート溶液を用い
たフイルムの製造方法について述べる。本発明のセルロ
ースアシレートフイルムを製造する方法及び設備は、従
来よりセルローストリアセテートフイルムの製造に用い
られている溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用
いられる。溶解機(釜)において調製されたドープ(セ
ルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドー
プに含まれている泡の脱泡などの最終調製をする。ドー
プをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に
定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダ
イに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)から
エンドレスに走行している流延部の支持体の上に均一に
流延され、支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのド
ープ膜(ウェブとも呼ぶ)を支持体から剥離する。得ら
れるウェブの両端をクリップで挟み、幅を保持しながら
テンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群
で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き
取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせは
その目的により変わる。以下に各製造工程について簡単
に述べるが、これらに限定されるものではない。
【0042】まず、調製したセルロースアシレート溶液
(ドープ)を、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を
蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固
形分量が10〜40%となるように濃度を調整すること
が好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に
仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法に
おける流延および乾燥方法については、米国特許233
6310号、同2367603号、同2492078
号、同2492977号、同2492978号、同26
07704号、同2739069号、同2739070
号、英国特許640731号、同736892号の各明
細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、
特開昭60−176834号、同60−203430
号、同62−115035号の各公報に記載がある。ド
ープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上
に流延することが好ましく用いられる。
【0043】共流延法を用いる場合には、支持体の進行
方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロース
アシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させな
がらフイルムを作製してもよく、例えば特開昭61−1
58414号、特開平1−122419号、特開平11
−198285号、などに記載の方法を用いることがで
きる。また、2つの流延口からセルロースアシレート溶
液を流延することによってもフイルム化してもよく、例
えば特公昭60−27562号、特開昭61−9472
4号、特開昭61−947245号、特開昭61−10
4813号、特開昭61−158413号、特開平6−
134933号、に記載の方法で実施できる。また、特
開昭56−162617号に記載の高粘度セルロースア
シレート溶液の流れを低粘度のセルロースアシレート溶
液で包み込み、その高,低粘度のセルロースアシレート
溶液を同時に押出すセルロースアシレートフイルム流延
方法を用いることができる。
【0044】また二個の流延口を用いて、第一の流延口
により支持体に成型したフイルムを剥ぎ取り、支持体面
に接していた側に第二の流延を行なうことでより、フイ
ルムを作製してもよく、例えば特公昭44−20235
号に記載されている方法を用いることができる。流延す
るセルロースアシレート溶液は同一の溶液でもよいし、
濃度の異なるセルロースアシレート溶液でもよい。製膜
後に層間を観察しても界面が分からない状態にある時
に、一枚のフイルムで製膜されたと表現する。セルロー
スアシレートフイルムに機能を持たせるために、その機
能に応じたセルロースアシレート溶液を、それぞれの流
延口から押出してもよい。また、他の機能層(例えば、
接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、
紫外線吸収層、偏光層など)を同時に流延してもよい。
ただし、この場合は、機能層を積層したフイルムが製膜
されたと表現する。
【0045】セルロースアシレートフイルムには、機械
的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため
に、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル
酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フ
タル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが
含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DE
P、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用
いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤
の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25
質量%であることが好ましく、1乃至20質量%である
ことがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが
最も好ましい。
【0046】セルロースアシレートフイルムには、劣化
防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加して
もよい。劣化防止剤については、特開平3−19920
1号、同5−1907073号、同5−194789
号、同5−271471号、同6−107854号の各
公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ま
しく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好
ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防
止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%
を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードア
ウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好まし
い劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げる
ことができる。
【0047】セルロースアシレートフイルムには、吸湿
膨張係数を低くするために、疎水性を有する化合物を添
加してもよい。疎水性を有する素材としては、分子中に
アルキル基やフェニル基のような疎水基を有する素材で
あれば特に制限はないが、上記の可塑剤や劣化防止剤の
中で該当する素材が特に好ましく用いられる。添加量は
調整する溶液(ドープ)の0.01乃至10質量%が好
ましく、0.1乃至5質量%がさらに好ましく、1乃至
3質量%が最も好ましい。
【0048】セルロースアシレートフイルムには、製造
時のハンドリング性向上のために、片面または両面にマ
ット剤とポリマーを含有するマット層を設けてもよい。
マット剤およびポリマーについては特開平10−443
27に記載されている素材を好ましく用いることができ
る。
【0049】セルロースアシレートフイルムは、延伸処
理により屈折率(面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内
の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の屈
折率nz)を調整することが好ましい。固有複屈折率が
正であると、ポリマー鎖が配向した方向に屈折率が高く
なる。このような固有複屈折率が正のポリマーを延伸す
ると、通常、屈折率は、nx>ny≧nzとなる。これ
は、面内の方向に配向したポリマー鎖が、延伸によって
x成分が多くなり、z成分が最も小さくなるためであ
る。これにより、0.3≦(nx−nz)/(nx−n
y)の関係を満足することができる。さらに、(nx−
nz)/(nx−ny)≦2の関係を満足するために
は、一軸延伸の延伸倍率を制御するか、あるいはアンバ
ランスな二軸延伸を実施して屈折率を調整すればよい。
好ましくは(nx−nz)/(nx−ny)の値は1以
上2以下であり、より好ましくは1.2以上1.8以下
であり、最も好ましくは1.4以上1.6以下である。
延伸温度はポリマーのガラス転移温度より10℃以上高
く、結晶化温度より20℃以上低い温度が好ましく、ガ
ラス転移温度より10℃以上高く、結晶化温度より40
℃以上低い温度がさらに好ましい。ここで、ガラス転移
温度と結晶化温度は示差走査熱量計(DSC)を用い、
昇温速度10℃/minで測定したときの値である。延
伸速度は特に制限はないが、1%/秒乃至40%/秒が
好ましい。40%/秒以上の延伸速度の場合にはレター
デーションのムラが発生しやすい。延伸方法は特に制限
しないが、ロール延伸法が好ましい。延伸処理は、複数
回行われてもよく、同時処理であっても、逐次処理であ
ってもよい。レターデーションムラおよびツレシワを防
止するために、延伸間距離とフイルム幅を適当に調節す
ることが望ましい。具体的には延伸間距離(L)が5m
以下が好ましく、3m以下がより好ましく、1.5m以
下が最も好ましい。また、延伸間距離とフイルム幅
(W)の比(L/W値)が2.0以上、5.0以下が好
ましい。延伸時の残留溶剤量は、共流延法で製膜したフ
イルムである場合、0乃至5質量%であることが好まし
く、0乃至2質量%であることがさらに好ましい。単層
流延法の場合には5乃至60質量%であることが好まし
く、10乃至50質量%であることがさらに好ましく、
10乃至40質量%であることが最も好ましい。
【0050】延伸処理したフイルムを熱処理しても良
い。熱処理温度はセルロースアシレートフイルムのガラ
ス転移温度より20℃低い値から10℃高い温度で行う
ことが好ましい。熱処理時間は1秒間乃至3分間である
ことが好ましく、1秒間乃至2分間であることがさらに
好ましく、1秒間乃至1分間であることが最も好まし
い。加熱方法はゾーン加熱であっても、赤外線ヒータの
ような部分加熱であっても良い。
【0051】[円偏光板]λ/4板と(直線)偏光膜と
を、λ/4板の面内の遅相軸と(直線)偏光膜の偏光軸
との角度が実質的に45゜になるように積層すると円偏
光板が得られる。実質的に45゜とは、40乃至50゜
であることを意味する。λ/4板の面内の遅相軸の平均
的な方向と(直線)偏光膜の偏光軸との角度は、41乃
至49゜であることが好ましく、42乃至48゜である
ことがより好ましく、43乃至47゜であることがさら
に好ましく、44乃至46゜であることが最も好まし
い。 (直線)偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用
いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系
偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコ
ール系フイルムを用いて製造する。(直線)偏光膜の偏
光軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。 (直線)偏光膜のλ/4板とは反対側の面には、透明保
護膜を設けることが好ましい。 (直線)偏光膜の代わりに直線偏光板を積層してもよ
い。直線偏光板は偏光膜の両面に透明保護膜が積層され
ており、市販されている直線偏光板を好適に用いること
ができる。
【0052】[反射型液晶表示素子]図1は、反射型液晶
表示素子の基本的な構成を示す模式図である。図1に示
す反射型液晶表示素子は、下から順に、下基板(1)、
反射電極(2)、下配向膜(3)、液晶層(4)、上配
向膜(5)、透明電極(6)、上基板(7)、λ/4板
(8)、そして直線偏光膜(9)からなる。下基板
(1)と反射電極(2)が反射板を構成する。下配向膜
(3)〜上配向膜(5)が液晶セルを構成する。λ/4
板(8)は、反射板と直線偏光膜(9)との間の任意の
位置に配置することができる。カラー表示の場合には、
さらにカラーフィルター層を設ける。カラーフィルター
層は、反射電極(2)と下配向膜(3)との間、または
上配向膜(5)と透明電極(6)との間に設けることが
好ましい。図1に示す反射電極(2)の代わりに透明電
極を用いて、別に反射板を取り付けてもよい。透明電極
と組み合わせて用いる反射板としては、金属板が好まし
い。反射板の表面が平滑であると、正反射成分のみが反
射されて視野角が狭くなる場合がある。そのため、反射
板の表面に凹凸構造(特許2756206号公報記載)
を導入することが好ましい。反射板の表面が平坦である
場合は(表面に凹凸構造を導入する代わりに)、偏光膜
の片側(セル側あるいは外側)に光拡散フイルムを取り
付けてもよい。
【0053】液晶セルは、TN(twisted nematic )
型、STN(Supper Twisted Nematic)型またはHAN
(Hybrid Aligned Nematic)型であることが好ましい。
TN型液晶セルのツイスト角は、40乃至100゜であ
ることが好ましく、50乃至90゜であることがさらに
好ましく、60乃至80゜であることが最も好ましい。
液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)と
の積(Δnd)の値は、0.1乃至0.5μmであるこ
とが好ましく、0.2乃至0.4μmであることがさら
に好ましい。STN型液晶セルのツイスト角は、180
乃至360゜であることが好ましく、220乃至270
゜であることがさらに好ましい。液晶層の屈折率異方性
(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値
は、0.3乃至1.2μmであることが好ましく、0.
5乃至1.0μmであることがさらに好ましい。HAN
型液晶セルは、片方の基板上では液晶が実質的に垂直に
配向しており、他方の基板上のプレチルト角が0乃至4
5゜であることが好ましい。液晶層の屈折率異方性(Δ
n)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値は、
0.1乃至1.0μmであることが好ましく、0.3乃
至0.8μmであることがさらに好ましい。液晶を垂直
配向させる側の基板は、反射板側の基板であってもよい
し、透明電極側の基板であってもよい。反射型液晶表示
装置は、印加電圧が低い時に明表示、高い時に暗表示で
あるノーマリーホワイトモードでも、印加電圧が低い時
に暗表示、高い時に明表示であるノーマリーブラックモ
ードでも用いることができる。ノーマリーホワイトモー
ドの方が好ましい。
【0054】[ゲストホスト反射型液晶表示素子]図2
は、ゲストホスト反射型液晶表示素子の代表的な態様を
示す断面模式図である。図2に示すゲストホスト反射型
液晶表示素子は、下基板(11)、有機層間絶縁膜(1
2)、金属反射板(13)、λ/4板(14)、下透明
電極(15)、下配向膜(16)、液晶層(17)、上
配向膜(18)、上透明電極(19)、光拡散板(2
0)、上基板(21)および反射防止層(22)が、こ
の順に積層された構造を有する。下基板(11)および
上基板(21)は、ガラス板またはプラスチックフイル
ムからなる。下基板(11)と有機層間絶縁膜(12)
との間には、TFT(23)が取り付けられている。液
晶層(17)は、液晶と二色性色素との混合物からな
る。液晶層は、スペーサー(24)により形成されてい
るセルギャップに液晶と二色性色素との混合物を注入し
て得られる。光拡散板(20)を設ける代わりに、金属
反射板(13)の表面に凹凸を付けることで、金属反射
板(13)に光拡散機能を付与してもよい。反射防止層
(22)は、反射防止機能に加えて、防眩機能も有して
いることが好ましい。
【0055】図3は、ゲストホスト反射型液晶表示素子
の別の代表的な態様を示す断面模式図である。図3に示
すゲストホスト反射型液晶表示素子は、下基板(3
1)、有機層間絶縁膜(32)、コレステリックカラー
反射板(33)、λ/4板(34)、下透明電極(3
5)、下配向膜(36)、液晶層(37)、上配向膜
(38)、上透明電極(39)、上基板(41)および
反射防止層(42)が、この順に積層された構造を有す
る。下基板(31)および上基板(41)は、ガラス板
またはプラスチックフイルムからなる。下基板(31)
と有機層間絶縁膜(32)との間には、TFT(43)
が取り付けられている。λ/4板(34)は、光拡散板
としても機能させてもよい。液晶層(37)は、液晶と
二色性色素との混合物からなる。液晶層は、スペーサー
(44)により形成されているセルギャップに液晶と二
色性色素との混合物を注入して得られる。上透明電極
(39)と上基板(41)との間には、ブラックマトリ
ックス(45)が取り付けられている。反射防止層(4
2)は、反射防止機能に加えて、防眩機能も有している
ことが好ましい。
【0056】本発明に従うλ/4板は、図2および図3
で説明したゲストホスト反射型液晶表示素子のλ/4板
(14)および(34)として使用できる。λ/4板を
備えたゲストホスト反射型液晶表示素子については、特
開平6−222350号、同8−36174号、同10
−268300号、同10−292175号、同10−
293301号、同10−311976号、同10−3
19442号、同10−325953号、同10−33
3138号、同11−38410号の各公報に記載があ
る。本発明に従うλ/4板は、上記各公報記載のゲスト
ホスト反射型液晶表示素子にも利用することができる。
【0057】
【実施例】(レターデーションおよび屈折率の測定)作
製したセルロースアセテートフイルム(位相差板)につ
いて、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)
製)を用いて、波長450nm、550nmおよび59
0nmにおけるレターデーション(Re)値を測定し
た。また、アッベ屈折率計による屈折率測定と、レター
デーションの角度依存性の測定から、波長550nmに
おける面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内の遅相軸に
垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の屈折率nzを
求め、(nx−nz)/(nx−ny)の値を計算し
た。
【0058】(ヘイズの測定)フイルムのヘイズはヘイ
ズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用い
て測定した。1サンプルにつき5点を測定し、その平均
値を採用した。
【0059】(フイルムの凹凸、異物の評価)フイルム
を目視で観察し、その面状を以下の如く評価した。 A:フイルム表面は平滑である。 B:フイルム表面は平滑であるが、少し異物が見られ
る。 C:フイルム表面に弱い凹凸が見られ、異物の存在がは
っきり観察される。 D:フイルムに凹凸が見られ、異物が多数見られる。
【0060】[実施例1] (位相差板の作製)下記に示す組成の内層用セルロース
アシレート溶液(ドープ)および表面層用セルロースア
シレート溶液(ドープ)を調整した。溶解は一般的な溶
解法を用いた。
【0061】
【表1】
【0062】
【化1】
【0063】次に得られた表面層用ドープを50℃に
て、絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社
製、FH025)にて濾過した。同様にして、内層用ド
ープも絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙
(株)製、#63)にて濾過した。
【0064】これらのドープを三層共流延ダイを用い、
内層用ドープが内側に表面層用ドープが両外側になるよ
うに配置して金属支持体上に同時に吐出させて重層流延
した。このとき、内層の膜厚が96μm、表面層が各1
2μmになるように設定して流延した。流延膜を支持体
から剥ぎ取り、乾燥して、セルロースアセテートフイル
ムを製造した。乾燥は70℃で3分、120℃で5分し
た後、支持体からフイルムを剥ぎ取り、そして130
℃、30分で段階的に乾燥して溶剤を蒸発させセルロー
スアセテートフイルムを得た。セルロースアセテートフ
イルム中の残留溶剤量は0.9%であった。
【0065】得られたフイルムをロール延伸機で縦一軸
延伸処理をおこなった。ロール延伸機のロールは表面を
鏡面処理した誘導発熱ジャケットロールを用い、各ロー
ルの温度は個別に調整できるようにした。延伸ゾーンは
ケーシングで覆い130℃とした。延伸部の前のロール
は徐々に130℃に加熱できるように設定した。L/W
比は2.5となるように延伸間距離を調整した。延伸し
たときの延伸したときの応力は7.2kgf/mm2
あった。延伸後は冷却して巻き取った。延伸倍率を測定
したところ1.45倍であった。また、膜厚は101μ
mであった。得られた位相差板の光学特性、面状を観察
した。得られた結果を表4に示す。
【0066】[実施例2] (位相差板の作製)下記に示す組成の内層用セルロース
アシレート溶液(ドープ)および表面層用セルロースア
シレート溶液(ドープ)を調整した。溶解は冷却溶解法
を用いた。詳細には組成物を添加後、室温(25℃)に
て3時間放置した。不均一なゲル状溶液を、−70℃に
て6時間冷却した後、50℃に加温し攪拌して溶液を得
た。
【0067】
【表2】
【0068】次に得られた表面層用ドープを50℃に
て、絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社
製、FH025)にて濾過した。同様にして、内層用ド
ープも絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙
(株)製、#63)にて濾過した。
【0069】これらのドープを三層共流延ダイを用い、
実施例1と同様にして、セルロースアセテートフイルム
を製造した。乾燥は70℃で3分、140℃で5分した
後、支持体からフイルムを剥ぎ取った。剥ぎ取りの段階
での残留溶剤量は30%であった。
【0070】剥ぎ取ったフイルムをロール延伸機で縦一
軸延伸処理をおこなった。ロール延伸機のロール表面は
鏡面処理をした。ロールの温度は加熱した油を循環する
ことで調整できるようにし、延伸温度は100℃とし
た。L/W比は2.2となるように延伸間距離を調整し
た。また、延伸したときの応力は3.5kgf/mm2
であった。延伸後、130℃で30分間乾燥して巻き取
った。延伸倍率を測定したところ1.47倍であった。
また、膜厚は103μmであった。得られた位相差板の
光学特性、面状を観察した。得られた結果を表4に示
す。
【0071】[実施例3] (位相差板の作製)流延の際のフイルムの膜厚を150
μm(内層:120μm、外層:各15μm)にした以
外は実施例1と同様にして、セルロースアセテートフイ
ルムを作製した。残留溶剤量は1.0%であった。得ら
れたセルロースアセテートフイルムを実施例1と同様に
延伸処理して位相差板を作製した。延伸倍率を測定した
ところ、1.38倍であった。また、膜厚は123μm
であった。得られた位相差板の光学特性、面状を観察し
た。得られた結果を表4に示す。
【0072】[実施例4]下記に示す組成の内層用セル
ロースアシレート溶液(ドープ)および表面層用セルロ
ースアシレート溶液(ドープ)を調整した。
【0073】
【表3】
【0074】内層の膜厚が176μm、表面層が各12
μmである以外、溶解法、ドープろ過法、共流延法、縦
一軸延伸処理は[実施例2]と同様にして位相差板を作
製した。ここで用いたセルローストリアセテートは、置
換度2.82、粘度平均重合度320、含水率0.4質
量%、メチレンクロライド溶液中6質量%の粘度305
mPa・s、平均粒子径1.5mm標準偏差0.5mm
である粉体であり、残存酢酸量が0.01質量%以下、
Caが0.05質量%、Mgは0.007質量%、さら
にFeは5ppmであった。また6位アセチル基は0.
95であり全アセチル中の32.2%であった。また、
アセトン抽出分は11質量%、重量平均分子量と数平均
分子量の比は0.5であり、分布の均一なものであっ
た。また、イエローネスインデックスは0.3、ヘイズ
は0.08%、透明度は93.5%であり、Tgは16
0℃、結晶化発熱量は6.2J/gであった。
【0075】[比較例1] (位相差板の作製)実施例1の内層用のドープを用い
て、膜厚120μmのフイルムを単層流延法により製膜
した。乾燥は70℃で3分、120℃で5分した後、支
持体からフイルムを剥ぎ取り、そして130℃、30分
で段階的に乾燥して溶剤を蒸発させセルロースアセテー
トフイルムを得た。残留溶剤量は1.5%であった。
【0076】得られたフイルムをロール延伸機で縦一軸
延伸処理をおこなった。ロール延伸機のロールは表面を
鏡面処理した誘導発熱ジャケットロールを用い、各ロー
ルの温度は個別に調整できるようにした。延伸ゾーンは
ケーシングで覆い130℃とした。延伸部の前のロール
は徐々に130℃に加熱できるように設定した。L/W
比は2.5となるように延伸間距離を調整した。延伸し
たときの延伸したときの応力は7.1kgf/mm2
あった。延伸後は冷却して巻き取った。延伸倍率を測定
したところ1.45倍であった。また、膜厚は102μ
mであった。得られた位相差板の光学特性、面状を観察
した。得られた結果を表4に示す。
【0077】[比較例2] (位相差板の作製)単層流延の際のフィルムの膜厚を1
50μmにした以外は比較例1と同様にしてセルロース
アセテートフイルムを作製した。残留溶剤量は1.9%
であった。得られたフイルムを比較例1と同様に延伸処
理をおこなった。延伸倍率を測定したところ、1.37
倍であった。また、膜厚は124μmであった。得られ
た位相差板の光学特性、面状を観察した。得られた結果
を表4に示す。
【0078】[位相差板の評価結果]実施例および比較
例で作製した位相差板の光学特性、ヘイズ、フイルム面
状、そしてスリキズの評価結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】[実施例5] (円偏光板の作製)透明保護膜、偏光膜および実施例1
で作製した位相差板を、この順に積層して円偏光板を得
た。位相差板の遅相軸と偏光膜の偏光軸との角度は、4
5゜に調整した。また、実施例1で作製した位相差板の
かわりに実施例2〜4で作製した位相差板を用いて同様
に円偏光板を作製した。得られた円偏光板の光学的性質
を調べたところ、いずれも広い波長領域(450〜59
0nm)において、ほぼ完全な円偏光が達成されてい
た。
【0081】[実施例6] (反射型液晶表示素子の作製)ITO透明電極を設けた
ガラス基板と、微細な凹凸が形成されたアルミニウム反
射電極を設けたガラス基板とを用意した。二枚のガラス
基板の電極側に、それぞれポリイミド配向膜(SE−7
992、日産化学(株)製)を形成し、ラビング処理を
行った。2.5μmのスペーサーを介して、二枚の基板
を配向膜が向かい合うように重ねた。二つの配向膜のラ
ビング方向は、117゜の角度で交差するように、基板
の向きを調節した。基板の間隙に、液晶(MLC−62
52、メルク社製)を注入し、液晶層を形成した。この
ようにして、ツイスト角が63゜、Δndの値が198
nmのTN型液晶セルを作製した。ITO透明電極を設
けたガラス基板の側に、実施例1で作製したλ/4板を
粘着剤を介して貼り付けた。その上に、さらに偏光板
(表面がAR(反射防止)処理された保護膜と偏光膜を
積層した偏光板)を貼り付けた。作製した反射型液晶表
示装置に、1kHzの矩形波電圧を印加した。白表示
1.5V、黒表示4.5Vとして目視で評価を行ったと
ころ、白表示においても、黒表示においても、色味がな
く、ニュートラルグレイが表示されていることが確認で
きた。次に、測定機(EZcontrast160D、Eldim社
製)を用いて反射輝度のコントラスト比を測定したとこ
ろ、正面からのコントラスト比が23であり、コントラ
スト比3となる視野角は、上下120゜以上、左右12
0゜以上であった。
【0082】
【図面の簡単な説明】
【図1】反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式
図である。
【図2】ゲストホスト反射型液晶表示素子の代表的な態
様を示す断面模式図である。
【図3】ゲストホスト反射型液晶表示素子の別の代表的
な態様を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 下基板 2 反射電極 3 下配向膜 4 液晶層 5 上配向膜 6 透明電極 7 上基板 8 λ/4板 9 偏光膜 11 下基板 12 有機層間絶縁膜 13 金属反射板 14 λ/4板 15 下透明電極 16 下配向膜 17 液晶層 18 上配向膜 19 上透明電極 20 光拡散板 21 上基板 22 反射防止層 23 TFT 24 スペーサ 31 下基板 32 有機層間絶縁膜 33 コレステリックカラー反射板 34 λ/4板 35 下透明電極 36 下配向膜 37 液晶層 38 上配向膜 39 上透明電極 41 上基板 42 反射防止層 44 スペーサ 45 ブラックマトリックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 520 G02F 1/1335 520 1/13363 1/13363 // B29K 1:00 B29K 1:00 B29L 9:00 B29L 9:00 C08L 1:12 C08L 1:12 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA03 BA07 BA42 BB03 BB49 BB63 BC03 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA14Z FB02 HA08 LA02 LA18 LA19 4F071 AA09 AF31 AH12 BB02 BC01 4F205 AA01 AC05 AH73 GA07 GB02 GB26 GF01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長400から700nmにおける複屈
    折が長波長ほど大きく、波長450nmで測定したレタ
    ーデーション値(Re450)が80乃至125nmの
    範囲にあり、波長590nmで測定したレターデーショ
    ン値(Re590)が120乃至160nmの範囲にあ
    る一枚のセルロースアシレートフイルムからなり、該セ
    ルロースアシレートフイルムが共流延法により製膜され
    たフィルムであることを特徴とする位相差板。
  2. 【請求項2】 波長400から700nmにおける複屈
    折が長波長ほど大きく、波長450nmで測定したレタ
    ーデーション値(Re450)が80乃至125nmの
    範囲にあり、波長590nmで測定したレターデーショ
    ン値(Re590)が120乃至160nmの範囲にあ
    る一枚のセルロースアシレートフイルムからなり、該セ
    ルロースアシレートフイルムが、ハロゲン化炭化水素以
    外の溶媒を用いたセルロースアシレート溶液から製膜さ
    れたフィルムであることを特徴とする位相差板。
  3. 【請求項3】 前記のセルロースアシレートフイルム
    が、平均酢化度が56.0乃至62.5%の範囲にある
    セルロースアセテートからなるフイルムであることを特
    徴とする請求項1もしくは2に記載の位相差板。
  4. 【請求項4】 前記のセルロースアシレートフイルム
    が、セルロースアシレートの6位置換率が、30%以上
    40%以下であるセルロースアセテートからなるフイル
    ムであることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいず
    れかの項に記載の位相差板。
  5. 【請求項5】 前記のセルロースアシレートフイルム
    の、波長550nmで測定した面内の遅相軸方向の屈折
    率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび
    厚み方向の屈折率nzが、0.3≦(nx−nz)/
    (nx−ny)≦2の関係を満足することを特徴とする
    請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の位相差
    板。
  6. 【請求項6】 前記のセルロースアシレートフイルム
    が、延伸処理されたフイルムであることを特徴とする請
    求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載の位相差板。
  7. 【請求項7】 前記のセルロースアシレートフイルム
    が、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を
    含むことを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか
    の項に記載の位相差板。
  8. 【請求項8】 位相差板と偏光板とが、位相差板の面内
    の遅相軸と偏光板の偏光軸との角度が実質的に45°に
    なるように貼り合わせられている円偏光板であって、位
    相差板が請求項1乃至7のうちのいずれかの項に記載の
    位相差板であることを特徴とする円偏光板。
  9. 【請求項9】 位相差板と直線偏光膜とが、位相差板の
    面内の遅相軸と直線偏光膜の偏光軸との角度が実質的に
    45゜になるように積層されている円偏光板であって、
    位相差板が請求項1乃至7のうちのいずれかの項に記載
    の位相差板であることを特徴とする円偏光板。
  10. 【請求項10】 反射板、液晶セルおよび偏光膜がこの
    順に積層されている反射型液晶表示素子であって、さら
    に、請求項1乃至7のうちのいずれかの項に記載の位相
    差板が、反射板と偏光膜との間に配置されていることを
    特徴とする反射型液晶表示素子。
  11. 【請求項11】 λ/4板を備えたゲストホスト反射型
    液晶表示素子であって、λ/4板が請求項1乃至7のう
    ちのいずれかの項に記載の位相差板であることを特徴と
    するゲストホスト反射型液晶表示素子。
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