JP2007084804A - 透明ポリマーフィルムおよびその製造方法、並びに、それを用いた位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

透明ポリマーフィルムおよびその製造方法、並びに、それを用いた位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学異方性を有しており、偏光板に直接貼り合わせることが可能な透明ポリマーフィルムを提供する。
【解決手段】Re≧15、Rth≦−7.5[ReおよびRthは測定波長632.8nmの面内方向と膜厚方向のレターデーション値]を満足し、40℃・相対湿度90%における透湿度が膜厚80μm換算で100g/(m2・day)以上である透明ポリマー
フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学異方性を有しており、偏光膜に直接貼り合わせることが可能な透明ポリマーフィルムおよびその製造方法に関し、また、該透明ポリマーフィルムを用いた位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。
ハロゲン化銀写真感光材料、位相差フィルム、偏光板および画像表示装置には、セルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマービニルポリマー、および、ポリイミド等に代表されるポリマーフィルムが用いられている。これらのポリマーからは、平面性や均一性の点でより優れたフィルムを製造することができるため、光学用途のフィルムとして広く採用されている。
これらのうち、適切な透湿度を有するセルロースエステルフィルムは、最も一般的なポリビニルアルコール(PVA)/ヨウ素からなる偏光膜とオンラインで直接貼り合わせることが可能である。そのため、セルロースアシレート、特にセルロースアセテートは偏光板の保護フィルムとして広く採用されている。
一方、透明ポリマーフィルムを、位相差フィルム、位相差フィルムの支持体、および、偏光板の保護フィルム、並びに、液晶表示装置のような光学用途に使用する場合、その光学異方性の制御は、表示装置の性能(例えば、視認性)を決定する上で非常に重要な要素となる。近年の液晶表示装置の広視野角化要求に伴ってレターデーションの補償性向上が求められるようになっており、偏光膜と液晶セルとの間に配置される位相差フィルムの面内方向のレターデーション値(Re;以下、単に「Re」と称することがある。)と膜厚方向のレターデーション値(Rth;以下、単に「Rth」と称することがある。)とを適切に制御することが要求されている。中でも、負のRthを示す透明ポリマーフィルムは製造が容易ではないため、簡便に製造することが求められている。
負のRthを示す透明ポリマーフィルムの製造方法としては、等方的な透明ポリマーフィルムを支持体として、垂直配向した液晶層を形成させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)が、製造プロセスが煩雑になってしまうことや、配向や膜厚の不均一さに起因するレターデーションのばらつきによる歩留まり低下が問題であった。
また、負のRthを示す透明ポリマーフィルムの製造方法として、透明ポリマーフィルムに熱収縮性フィルムを接着して加熱延伸処理を行い、その後に熱収縮性フィルムを剥離する連続的な製造方法が開示されている(例えば、特許文献2や特許文献3参照)。これらの文献の実施例によれば、この方法によって製造されるポリカーボネートフィルム等は、負のRthを示すものであることが明らかにされている。しかしながら、この方法は大量の熱収縮性フィルムを消費してしまうものであるうえ、得られたフィルムの品質(例えば、レターデーション値や遅相軸の方向)にばらつきがあるという問題がある。この問題は、セルロースエステルのような弾性率の高いポリマーや親水的なポリマーで特に顕著であった。
さらに、負のRthを示す透明ポリマーフィルムの製造方法として、アセチル置換度が高いセルロースエステルフィルムを利用した方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。この方法によれば、適度な透湿度を有するフィルムが得られるが、ポリマーの溶解に要するエネルギーが大きいことや、Reが十分に発現しないことが問題であった。
特開平6−331826号公報 特開平5−157911号公報 特開2000−231016号公報 特開2005−120352号公報
本発明の目的は、適度な透湿度を有し、Reが大きくかつ負のRthを示し、且つレターデーション値や遅相軸の向きのばらつきが小さい透明ポリマーフィルムおよびその製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、本発明の透明ポリマーフィルムを用いた位相差フィルム、並びに、本発明の透明ポリマーフィルムを、位相差フィルム、位相差フィルムの支持体または偏光板の保護フィルムとして直接偏光膜と貼合し、優れた光学性能を発揮することのできる偏光板を提供することにもある。さらに、本発明の目的は、これを用いた信頼性の高い液晶表示装置を提供することにもある。
前記課題は下記の手段により解決される。
(1) 下記式(I)および(II)を満足し、且つ、40℃・相対湿度90%における透湿度が、膜厚80μm換算で100g/(m2・day)以上であることを特徴とする透明ポリマーフィルム。
式(I): Re≧15
式(II): Rth≦−7.5
[式中、ReおよびRthは、それぞれ測定波長が632.8nmであるときの面内方向および膜厚方向のレターデーション値(単位;nm)を表す。]
(2) 膜厚が20μm〜180μmであることを特徴とする(1)に記載の透明ポリマーフィルム。
(3) 単層構造であることを特徴とする(1)または(2)に記載の透明ポリマーフィルム。
(4) ヘイズが3%以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の透明ポリマーフィルム。
(5) 主成分であるポリマーがセルロースアシレートであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の透明ポリマーフィルム。
(6) 前記セルロースアシレートがセルロースアセテートであることを特徴とする(5)に記載の透明ポリマーフィルム。
(7) 少なくとも一枚の(1)〜(6)のいずれかに記載の透明ポリマーフィルムを有することを特徴とする位相差フィルム。
(8) Re≧30nmかつ|Rth|≦15nmであることを特徴とする(7)に記載の位相差フィルム。
(9) 少なくとも一枚の(1)〜(6)のいずれかに記載の透明ポリマーフィルム、および/または(7)または(8)に記載の位相差フィルムを有することを特徴とする偏光板。
(10) 前記透明ポリマーフィルムが偏光膜と直接貼合されていることを特徴とする(9)に記載の偏光板。
(11) (1)〜(6)のいずれか一項に記載の透明ポリマーフィルム、(7)若しくは(8)に記載の位相差フィルム、または(9)若しくは(10)に記載の偏光板を、少なくとも1枚有することを特徴とする液晶表示装置。
(12) 表示モードがVAモードまたはIPSモードである(11)に記載の液晶表示装置。
(13) 40℃・相対湿度90%における透湿度が、膜厚80μm換算で100g/(m2・day)以上である透明ポリマーフィルムを搬送し、(Tg+60)℃以上で熱処理する工程を含むことを特徴とする透明ポリマーフィルムの製造方法(ここでTgは透明ポリマーフィルムのガラス転移温度である)。
(14) セルロースアシレートフィルムを搬送し、200℃以上で熱処理する工程を含むことを特徴とする透明ポリマーフィルムの製造方法。
(15) 前記熱処理する工程において前記セルロースアシレートフィルムを延伸することを特徴とする(13)または(14)に記載の透明ポリマーフィルムの製造方法。
(16) 前記延伸が2つ以上のニップロール間に加熱ゾーンを有する装置内において行う縦延伸であることを特徴とする(15)に記載の透明ポリマーフィルムの製造方法。
(17) 熱処理の前後でフィルムの複屈折性の正負を反転させることを特徴とする(13)〜(16)のいずれか一項に記載の透明ポリマーフィルムの製造方法。
本発明によれば、適度な透湿度を有し、Reが大きくかつ負のRthを示し、且つレターデーション値や遅相軸の向きのばらつきが小さい透明ポリマーフィルムおよびその製造方法を提供することができ、優れた位相差フィルムを提供することができる。また、本発明の透明ポリマーフィルムは適度な透湿度を有するため、偏光膜とオンラインで貼り合わせることができ、視認性に優れた偏光板を生産性よく提供することができる。さらに、信頼性の高い液晶表示装置を提供することができる。
以下において、本発明の透明ポリマーフィルムおよびその製造方法、位相差フィルム、偏光板、および、液晶表示装置について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
《透明ポリマーフィルム》
本発明の透明ポリマーフィルムは、下記式(I)および(II)を満足し、且つ、40℃・相対湿度90%における透湿度が、膜厚80μm換算で100g/(m2・day)以上であることを特徴とする。
式(I): Re≧15
式(II): Rth≦−7.5
[式中、ReおよびRthは、それぞれ測定波長が632.8nmであるときの面内方向および膜厚方向のレターデーション値(単位;nm)を表す。]
[レターデーション]
まず、本発明における各レターデーションについて説明する。本明細書において、Re、Rth(単位;nm)および面内の遅相軸の方向(以降、単に「遅相軸の方向」と略すことがある)は次の方法にしたがって求めたものである。まず、フィルムを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、プリズムカップラー(MODEL2010 Prism Coupler:Metricon製)を用い、25℃、相対湿度60%において、632.8nmのHe−Neレーザーを用いて下記式(a)で表される平均屈折率(n)を求める。
式(a): n=(nTE×2+nTM)/3
[式中、nTEはフィルム平面方向の偏光で測定した屈折率であり、nTMはフィルム面法線方向の偏光で測定した屈折率である。]
続いて、調湿されたフィルムを、複屈折測定装置(ABR−10A:ユニオプト(株)製)を用い、25℃、相対湿度60%において、サンプルフィルム表面に対し垂直方向および、フィルム面内の遅相軸の方向を傾斜軸(回転軸)としてフィルム面法線から±40°傾斜させた方向から632.8nmのHe−Neレーザーを用いてレターデーション値を測定する。ここで、傾斜させた方向から観測するレターデーション値(Re)については、面内の遅相軸と同一の方向をnxの方向と定めるため、場合により、観測されたレターデーション値(Re)が負の値をとることがある。さらに上記で求めた平均屈折率を用いて、nx、ny、nzをそれぞれ算出し、下記式(b)および(c)でそれぞれ表される面内方向のレターデーション値(Re)と膜厚方向のレターデーション値(Rth)とを算出する。
式(b): Re=(nx−ny)×d
式(c): Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
[式中、nxはフィルム面内の遅相軸(x)方向の屈折率であり、nyはフィルム面内のx方向と直交する方向の屈折率であり、nzはフィルムの膜厚方向(フィルム面法線方向)の屈折率であり、dはフィルム膜厚(nm)である。遅相軸はフィルム面内で屈折率が最大となる方向である。]
本発明の透明ポリマーフィルムのレターデーション値は、前記式(I)および(II)を満足する。また、前記式(I)および(II)を満足する本発明の透明ポリマーフィルムは、それぞれ下記式(Ia)および(IIa)を満たすことが好ましい。
式(Ia): 20≦Re≦600
式(IIa): −300≦Rth≦−10
本発明の透明ポリマーフィルムは、それぞれ下記式(Ib)および(IIb)を満たすことがさらに好ましい。
式(Ib): 30≦Re≦400
式(IIb): −200≦Rth≦−15
本発明の透明ポリマーフィルムは、それぞれ下記式(Ic)および(IIc)を満たすことが最も好ましい。
式(Ic): 40≦Re≦300
式(IIc): −150≦Rth≦−20
本発明の搬送方向とフィルムの面内の遅相軸とのなす角度θが0±10°もしくは90±10°であることが好ましく、0±5°もしくは90±5°であることがより好ましく、0±3°もしくは90±3°であることがさらに好ましく、場合により、0±1°もしくは90±1°であることが好ましく、90±1°であることが最も好ましい。
本発明の透明ポリマーフィルムにおいて、レターデーション値のばらつきや遅相軸の向きの変動幅は、前述の方法に従って評価したフィルムの幅方向5点(中央部、端部(両端からそれぞれ全幅の5%の位置)2点、および中央部と端部の中間部2点)、流れ方向3点(50mごと)における値の最大値と最小値との差によって評価することができる。
レターデーション値のばらつきは、Reは±5nm以内、Rthは±10nm以内であることが好ましく、Reは±3nm以内、Rthは±5nm以内であることがより好ましく、Reは±1nm以内、Rthは±2nm以内であることがさらに好ましい。
また、遅相軸の向きの変動幅は5°未満であることが好ましく、2°未満であることがより好ましい。このような条件を満たすことにより、液晶表示装置の表示ムラ(輝度ムラや色ムラ)を低減することができるという利点がある。
また、本発明のフィルムの各レターデーションについては、下記の方法で評価することもできる。
まず、フィルムを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、プリズムカップラー(MODEL2010 Prism Coupler:Metricon製)を用い、25℃、相対湿度60%において、532nmの固体レーザーを用いて下記式(a)で表される平均屈折率(n)を求める。
式(a): n=(nTE×2+nTM)/3
[式中、nTEはフィルム平面方向の偏光で測定した屈折率であり、nTMはフィルム面法線方向の偏光で測定した屈折率である。]
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが一軸または二軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から−50°から+50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率および入力された膜厚値を基に、以下の式(b)および式(c)よりRthを算出することもできる。
式(b):
Figure 2007084804
[式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレタ−デーション値を表す。また、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnxおよびnyに直交する方向の屈折率を表す。]
式(c): Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
測定されるフィルムが一軸や二軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
これら平均屈折率と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)がさらに算出される。
[膜厚]
本発明の透明ポリマーフィルムの膜厚は20μm〜180μmが好ましく、40μm〜160μmがより好ましく、60μm〜140μmがさらに好ましい。膜厚が20μmより薄くなると偏光板等に加工する際のハンドリング性や偏光板のカールが好ましくない。また、本発明の透明ポリマーフィルムの膜厚むらは、搬送方向および幅方向のいずれも0〜2%であることが好ましく、0〜1.5%がさらに好ましく、0〜1%であることが特に好ましい。
[透湿度]
次に透湿度について説明する。本発明において「透湿度」とは、塩化カルシウムを入れたカップを各々のフィルム試料を用いて蓋をし、且つ密閉したものを、40℃・相対湿度90%の条件で24時間放置した際の調湿前後の質量変化(g/(m2・day))から評価した値である。
なお、透湿度は、温度の上昇に伴い上昇し、また、湿度の上昇に伴い上昇するが、各条件によらず、フィルム間における透湿度の大小関係は不変である。そのため、本発明においては40℃・相対湿度90%における前記質量変化の値を基準とする。また、透湿度は、膜厚の上昇に伴い低下し、膜厚の低下に伴い上昇するため、まず実測した透湿度に実測した膜厚を乗じ、それを80で割った値を本発明における「膜厚80μm換算の透湿度」とした。
本発明の透明ポリマーフィルムの透湿度は、80μm換算で100g/(m2・day)以上である。前記80μm換算の透湿度を100g/(m2・day)以上としたフィルムを使用することで、偏光膜と直接貼合することができる。前記80μm換算の透湿度としては、100〜1500g/(m2・day)が好ましく、300〜1000g/(m2・day)がより好ましく、400〜800g/(m2・day)がさらに好ましい。
また、本発明の透明ポリマーフィルムを後述のように偏光膜と液晶セルとの間に配置されない外側の保護フィルムとして用いる場合、本発明の透明ポリマーフィルムの透湿度は、80μm換算で500g/(m2・day)未満であることが好ましく、50〜450g/(m2・day)がより好ましく、100〜400g/(m2・day)がさらに好ましく、150〜300g/(m2・day)が最も好ましい。このようにすることで、湿度もしくは湿熱に対する偏光板の耐久性が向上し、信頼性の高い液晶表示装置を提供することができる。
[透明ポリマーフィルム]
本発明において、透明ポリマーフィルムとは、後述のポリマーを構成要素として含有し、全光線透過率が87%以上であり、ヘイズが3%以下であるフィルムである。全光線透過率は90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましく、93%以上であることがさらに好ましい。本発明において、フィルムの全光線透過率とは、フィルムを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、色差・濁度測定器(COH−300A;日本電色工業(株)製)を用いて測定した値である。
[ヘイズ]
本発明において、透明ポリマーフィルムのヘイズは、フィルムを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、ヘイズメーター(NDH 2000:日本電色工業(株)製)を用いて測定した。本発明の透明ポリマーフィルムのヘイズは3%以下であることが好ましく、より好ましくは0.0〜2.0%であり、さらに好ましくは、0.1〜1.0%であり、最も好ましくは、0.1〜0.5%である。フィルムのヘイズが3%以下であれば、目視で明瞭な白化が認められることもなく、光学フィルムとして好ましい。
[Tg]
DSCの測定パンにサンプルを20mg入れ、これを窒素気流中で10℃/分で30℃から250℃まで昇温した後、30℃まで−20℃/分で冷却した。この後、再度30℃から250℃まで昇温し、ベースラインが低温側から偏奇し始める温度をフィルムのTgとした。
[ポリマー]
本発明の透明ポリマーフィルムの構成要素となるポリマーとしては、セルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ビニルポリマー、ポリアミドおよびポリイミド等を挙げることができる。前記ポリマーは、適切な透湿度を達成するために、主鎖もしくは側鎖に水酸基、アミド、イミドまたはエステル等の親水的な構造を有することが好ましい。前記ポリマーとしては、セルロースエステルが好ましい。
前記ポリマーとしては、粉末や粒子状のものを使用することができ、また、ペレット化したものも用いることができる。
前記ポリマーの含水率は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.7質量%以下であることがさらに好ましく、0.5質量%以下であることが最も好ましい。また、前記含水率は場合により0.2質量%以下であることが好ましい。前記ポリマーの含水率が好ましい範囲内にない場合には、前記ポリマーを加熱などにより乾燥してから使用することが好ましい。
これらのポリマーは単独で用いてもよいし、2種類以上のポリマーを併用してもよい。
前記セルロースエステルとしては、セルロースエステル化合物、および、セルロースを原料として生物的或いは化学的に官能基を導入して得られるエステル置換セルロース骨格を有する化合物が挙げられ、その中でもセルロースアシレートが特に好ましい。
なお、本発明の透明ポリマーフィルムの主成分としてのポリマーとしては、上述のセルロースアシレートを用いることが好ましい。ここで、「主成分としてのポリマー」とは、単一のポリマーからなる場合には、そのポリマーのことを示し、複数のポリマーからなる場合には、構成するポリマーのうち、最も質量分率の高いポリマーのことを示す。
前記セルロースエステルは、セルロースと酸とのエステルである。前記エステルを構成する酸としては、有機酸が好ましく、カルボン酸がより好ましく、炭素原子数が2〜22の脂肪酸がさらに好ましく、炭素原子数が2〜4の低級脂肪酸が最も好ましい。
前記セルロースアシレートは、セルロースとカルボン酸とのエステルである。前記セルロースアシレートは、セルロースを構成するグルコース単位の2位、3位および6位に存在するヒドロキシル基の水素原子の全部または一部が、アシル基で置換されている。前記アシル基の例としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、ヘプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、および、シンナモイルが挙げられる。前記アシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ドデカノイル、オクタデカノイル、ピバロイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブチリルが最も好ましい。
セルロースエステルは、セルロースと複数の酸とのエステルであってもよい。また、セルロースアシレートは、複数のアシル基で置換されていてもよい。
セルロースアシレートのアシル置換度は2.50〜3.00であることが好ましく、2.70〜2.99であることがより好ましく、2.80〜2.98であることがさらに好ましく、2.90〜2.98であることが最も好ましい。
本発明の透明ポリマーフィルムにおいては、酢酸とのエステルを有するセルロースアシレートであるセルロースアセテートが特に好ましく、溶媒への溶解性の観点から、アセチル置換度が2.70〜2.87のセルロースアセテートがより好ましく、2.80〜2.86のセルロースアセテートが最も好ましい。
セルロースアシレートの合成方法について、基本的な原理は、右田伸彦他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)に記載されている。セルロースアシレートの代表的な合成方法としては、カルボン酸無水物−カルボン酸−硫酸触媒による液相アシル化法が挙げられる。具体的には、まず、綿花リンタや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸などのカルボン酸で前処理した後、予め冷却したアシル化混液に投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。前記アシル化混液は、一般に溶媒としてのカルボン酸、エステル化剤としてのカルボン酸無水物および触媒としての硫酸を含む。また、前記カルボン酸無水物は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが普通である。
次いで、アシル化反応終了後に、系内に残存している過剰カルボン酸無水物の加水分解を行うために、水または含水酢酸を添加する。さらに、エステル化触媒を一部中和するために、中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩、水酸化物または酸化物)を含む水溶液を添加してもよい。さらに、得られた完全セルロースアシレートを少量のアシル化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下で、20〜90℃に保つことにより鹸化熟成し、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記中和剤などを用いて完全に中和するか、或いは、前記触媒を中和することなく水若しくは希酢酸中にセルロースアシレート溶液を投入(或いは、セルロースアシレート溶液中に、水または希酢酸を投入)してセルロースアシレートを分離し、洗浄および安定化処理により目的物であるセルロースアシレートを得ることができる。
前記セルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で150〜500が好ましく、200〜400がより好ましく、220〜350がさらに好ましい。前記粘度平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)の記載に従って測定することができる。前記粘度平均重合度の測定方法については、特開平9−95538号公報にも記載がある。
また、低分子成分が少ないセルロースアシレートは、平均分子量(重合度)が高いが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低い値になる。このような低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより行うことができる。また、低分子成分の少ないセルロースアシレートを合成により得ることもできる。低分子成分の少ないセルロースアシレートを合成する場合、アシル化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。前記硫酸触媒の量を前記範囲にすると、分子量分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。
セルロースエステルの原料綿や合成方法については、発明協会公開技報(公技番号2001−1745号、2001年3月15日発行、発明協会)7〜12頁にも記載がある。
[透明ポリマーフィルムの作製]
本発明の透明ポリマーフィルムは、ポリマーや各種添加剤を含有するポリマー溶液から溶液流延製膜方法によって作製することができる。また、本発明のポリマーの融点、もしくはポリマーと各種添加剤との混合物の融点が、これらの分解温度よりも低くかつ延伸温度よりも高い場合には、溶融製膜法によって製膜することで作製することもできる。本発明の透明ポリマーフィルムは溶融製膜法によって製膜することもでき、溶融製膜法については、特開2000−352620号公報などに記載がある。
[ポリマー溶液]
(溶媒)
本発明の透明ポリマーフィルムは、例えば、ポリマーや必要に応じて各種添加剤を含有するポリマー溶液を溶液流延製膜方法等によって製膜することで作製することができる。
本発明の透明ポリマーフィルムの作製に用いられるポリマー溶液(好ましくはセルロースエステル溶液)の主溶媒としては、該ポリマーの良溶媒である有機溶媒を好ましく用いることができる。このような有機溶媒としては、沸点が80℃以下の有機溶媒が乾燥負荷低減の観点からより好ましい。前記有機溶媒の沸点は、10〜80℃であることがさらに好ましく、20〜60℃であることが特に好ましい。また、場合により沸点が30〜45℃である有機溶媒も前記主溶媒として好適に用いることができる。
このような主溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、エステル、ケトン、エーテル、アルコールおよび炭化水素などが挙げられ、これらは分岐構造若しくは環状構造を有していてもよい。また、前記主溶媒は、エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールの官能基(即ち、−O−、−CO−、−COO−、−OH)のいずれかを二つ以上有していてもよい。さらに、前記エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールの炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。なお、本発明の透明ポリマーフィルムの作製に用いられるポリマー溶液(好ましくはセルロースエステル溶液)の主溶媒とは、単一の溶媒からなる場合には、その溶媒のことを示し、複数の溶媒からなる場合には、構成する溶媒のうち、最も質量分率の高い溶媒のことを示す。
前記ハロゲン化炭化水素としては、塩素化炭化水素がより好ましく、例えば、ジクロロメタンおよびクロロホルムなどが挙げられ、ジクロロメタンがさらに好ましい。
前記エステルとしては、例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートなどが挙げられる。
前記ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
前記エーテルとしては、例えば、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどが挙げられる。
前記炭化水素としては、例えば、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
これら主溶媒と併用される有機溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、エステル、ケトン、エーテル、アルコールおよび炭化水素などが挙げられ、これらは分岐構造若しくは環状構造を有していてもよい。また、前記有機溶媒としては、エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールの官能基(即ち、−O−、−CO−、−COO−、−OH)のいずれか二つ以上を有していてもよい。さらに、前記エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールの炭化水素部分における水素原子は、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよい。
前記ハロゲン化炭化水素としては、塩素化炭化水素がより好ましく、例えば、ジクロロメタンおよびクロロホルムなどが挙げられ、ジクロロメタンがさらに好ましい。
前記エステルとしては、例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテートなどが挙げられる。
前記ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記エーテルとしては、例えば、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなどが挙げられる。
前記炭化水素としては、例えば、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
前記2種類以上の官能基を有する有機溶媒としては、例えば、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルアセトアセテートなどが挙げられる。
本発明の透明ポリマーフィルムを構成するポリマーがセルロースアシレートを含む場合、全溶媒中に5〜30質量%、より好ましくは7〜25質量%、さらに好ましくは10〜20質量%のアルコールを含有することがバンドからの剥離荷重低減の観点から好ましい。
また、Rth低減の観点から、本発明の透明ポリマーフィルムの作製に用いられる前記ポリマー溶液は、乾燥過程初期においてハロゲン化炭化水素とともに揮発する割合が小さく、次第に濃縮される沸点が95℃以上であり、且つ、セルロースエステルの貧溶媒である有機溶媒を1〜15質量%、より好ましくは1.5〜13質量%、さらに好ましくは2〜10質量%含有することが好ましい。
本発明の透明ポリマーフィルムの作製に用いられるポリマー溶液の溶媒として好ましく用いられる有機溶媒の組み合せの例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、比率の数値は、質量部を意味する。
(1)ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール=80/10/5/5
(2)ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール=80/5/5/10
(3)ジクロロメタン/イソブチルアルコール=90/10
(4)ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール=80/5/5/10
(5)ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン=80/8/10/2(6)ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール=80/10/5/5
(7)ジクロロメタン/ブタノール=90/10
(8)ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/ブタノール=68/10/10/7/5
(9)ジクロロメタン/シクロペンタノン/メタノール/ペンタノール=80/2/15/3
(10)ジクロロメタン/メチルアセテート/エタノール/ブタノール=70/12/15/3
(11)ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール=80/5/5/10
(12)ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/ペンタノール=50/20/15/5/10
(13)ジクロロメタン/1,3−ジオキソラン/メタノール/ブタノール=70/15/5/10
(14)ジクロロメタン/ジオキサン/アセトン/メタノール/ブタノール=75/5/10/5/5
(15)ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブチルアルコール/シクロヘキサン=60/18/3/10/7/2
(16)ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/イソブチルアルコール=70/10/10/10
(17)ジクロロメタン/アセトン/エチルアセテート/ブタノール/ヘキサン=69/10/10/10/1
(18)ジクロロメタン/メチルアセテート/メタノール/イソブチルアルコール=65/15/10/10
(19)ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール=85/7/3/5
(20)ジクロロメタン/メタノール/ブタノール=83/15/2
(21)ジクロロメタン=100
(22)アセトン/エタノール/ブタノール=80/15/5
(23)メチルアセテート/アセトン/メタノール/ブタノール=75/10/10/5
(24)1,3−ジオキソラン=100
(25)ジクロロメタン/メタノール=85/15
(26)ジクロロメタン/メタノール=92/8
(27)ジクロロメタン/メタノール=90/10
(28)ジクロロメタン/メタノール=87/13
(29)ジクロロメタン/エタノール=90/10
また、非ハロゲン系有機溶媒を主溶媒とした場合の詳細な記載は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)に記載があり、適宜、使用することができる。
(溶液濃度)
調製する前記ポリマー溶液中のポリマー濃度は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がさらに好ましく、15〜30質量%が最も好ましい。
前記ポリマー濃度は、ポリマーを溶媒に溶解する段階で所定の濃度になるように調整することができる。また予め低濃度(例えば4〜14質量%)の溶液を調製した後に、溶媒を蒸発させる等によって濃縮してもよい。さらに、予め高濃度の溶液を調製後に、希釈してもよい。また、添加剤を添加することで、ポリマーの濃度を低下させることもできる。
(添加剤)
本発明の透明ポリマーフィルムの作製に用いられる前記ポリマー溶液は、各調製工程において用途に応じた各種の液体または固体の添加剤を含むことができる。前記添加剤の例としては、可塑剤(好ましい添加量はポリマーに対して0.01〜10質量%、以下同様)、紫外線吸収剤(0.001〜1質量%)、平均粒子サイズが5〜3000nmである微粒子粉体(0.001〜1質量%)、フッ素系界面活性剤(0.001〜1質量%)、剥離剤(0.0001〜1質量%)、劣化防止剤(0.0001〜1質量%)、光学異方性制御剤(0.01〜10質量%)、赤外線吸収剤(0.001〜1質量%)が含まれる。
前記可塑剤や前記光学異方性制御剤は、分子量3000以下の有機化合物であり、好ましくは疎水部と親水部とを併せ持つ化合物である。これらの化合物は、ポリマー鎖間で配向することにより、レターデーション値を変化させる。さらに、これらの化合物は、本発明で特に好ましく用いられるセルロースアシレートと併用することで、フィルムの疎水性を向上させ、レターデーションの湿度変化を低減させることができる。また、前記紫外線吸収剤や前記赤外線吸収剤を併用することで、効果的にレターデーションの波長依存性を制御することもできる。本発明の透明ポリマーフィルムに用いられる添加剤は、いずれも乾燥過程での揮散が実質的にないものが好ましい。
レターデーションの湿度変化低減を図る観点からは、これらの添加剤の添加量は多いほうが好ましいが、添加量の増大に伴い、ポリマーフィルムのガラス転移温度(Tg)低下や、フィルムの製造工程における添加剤の揮散問題を引き起こしやすくなる。従って、本発明においてより好ましく用いられるセルロースアセテートをポリマーとして用いる場合、前記分子量3000以下の添加剤の添加量は、前記ポリマーに対し0.01〜30質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。
本発明の透明ポリマーフィルムを構成するポリマーとしてセルロースアシレートを用いる場合に好適に用いることのできる可塑剤については、特開2001−151901号公報に記載がある。また、赤外吸収剤については、特開平2001−194522号公報に記載がある。添加剤を添加する時期は、添加剤の種類に応じて適宜決定することができる。また、前記添加剤については、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)16頁〜22頁にも記載がある。
(ポリマー溶液の調製)
前記ポリマー溶液の調製は、例えば、特開昭58−127737号公報、同61−106628号公報、特開平2−276830号公報、同4−259511号公報、同5−163301号公報、同9−95544号公報、同10−45950号公報、同10−95854号公報、同11−71463号公報、同11−302388号公報、同11−322946号公報、同11−322947号公報、同11−323017号公報、特開2000−53784号公報、同2000−273184号公報、同2000−273239号公報に記載されている調製方法に準じて行うことができる。具体的には、ポリマーと溶媒とを混合攪拌し膨潤させ、場合により冷却や加熱等を実施して溶解させた後、これをろ過してポリマー溶液を得る。
[流延、乾燥]
本発明の透明ポリマーフィルムは、従来の溶液流延製膜方法に従い、従来の溶液流延製膜装置を用いて製造できる。具体的には、溶解機(釜)で調製されたドープ(ポリマー溶液)を、ろ過後、貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製することができる。ドープは30℃に保温し、ドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延する(流延工程)。次いで、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離し、続いて乾燥ゾーンへ搬送し、ロール群で搬送しながら乾燥を終了する。本発明においては、金属支持体として金属ベルトが好ましい。
このようにして乾燥の終了したフィルム中の残留溶剤量は0〜2質量%が好ましく、より好ましくは0〜1質量%である。乾燥終了後、そのまま熱処理ゾーンへ搬送してもよいし、フィルムを巻き取ってからオフラインで熱処理を実施してもよい。熱処理前の透明ポリマーフィルムの好ましい幅は0.5〜5mであり、より好ましくは0.7〜3mである。また、一旦フィルムを巻き取る場合には、好ましい巻長は300〜30000mであり、より好ましくは500〜10000mであり、さらに好ましくは1000〜7000mである。
[熱処理]
本発明では、目的のReおよびRthを達成するために、製膜された透明ポリマーフィルムを熱処理する。本発明の目的であるReおよびRthを示し、且つレターデーション値や遅相軸の向きのばらつきが小さい透明ポリマーフィルムを達成するためには、熱処理工程における温度および延伸倍率を制御することが非常に重要である。条件を適切に制御した状態で熱処理を実施することにより、ポリマーの凝集、配向状態を適切に制御することができるため、目的の光学特性を達成することが可能となる。なお、熱処理工程の前後でフィルムの複屈折性の反転を伴うことが好ましい。
(温度)
本発明の製造方法は、透明ポリマーフィルムを搬送し、(Tg+60)℃以上に保持して熱処理する工程を有する。熱処理温度が(Tg+60)℃未満であると、後述の延伸倍率を変化させても好ましいレターデーションを発現させることはできない。前記熱処理温度は、より好ましくは(Tg+65)〜(Tg+150)℃、さらに好ましくは(Tg+70)〜(Tg+100)℃である。この温度は、ポリマーフィルムの主成分であるポリマーがセルロースアシレートの場合には、200℃以上であり、好ましくは210〜270℃であり、さらに好ましくは220〜250℃である。熱処理温度が200℃未満であると、後述の延伸倍率を変化させても好ましいレターデーションを発現させることはできない。このように熱処理温度を設定することで、従来は容易に達成することのできなかったReが大きくかつ負のRthを有する本発明の透明ポリマーフィルムを製造することが可能となる。
[延伸]
ReおよびRthを調整するために、前記熱処理ゾーン内を搬送している透明ポリマーフィルムを延伸することも好ましい。
(延伸方法)
延伸は、フィルムの両端をチャックで把持しこれを搬送方向と直交する方向に広げて実施してもよいが(横延伸)、好ましい延伸方向は搬送方向であり、例えば、出口側の周速を速くした2つ以上のニップロール間に加熱ゾーンを有する装置内にて縦延伸(ゾーン延伸)することが好ましい。延伸倍率はフィルムに要求するレターデーションに応じて適宜設定することができ、3〜500%が好ましく、5〜100%がより好ましく、10〜80%がさらに好ましく、20〜60%が特に好ましい。これらの延伸は1段で実施しても、多段で実施してもよい。なお、ここで云う「延伸倍率(%)」とは、以下の式を用いて求めたものを意味する。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
前記延伸における延伸速度は10〜10000%/分が好ましく、より好ましくは20〜1000%/分であり、さらに好ましくは30〜800%/分である。
本発明の透明ポリマーフィルムは単層構造で本発明の目標特性を達成していることが好ましい。なお、単層構造である本発明の透明ポリマーフィルムに光学異方性部、防眩部、ガスバリア部、耐湿性部などの各種機能性部を形成させてもよい。ここで、「単層構造」のフィルムとは、複数のフィルム材が貼り合わされているものではなく、一枚のポリマーフィルムを意味する。そして、複数のポリマー溶液から、逐次流延方式や共流延方式を用いて一枚のポリマーフィルムを製造する場合も単層構造のフィルムに含む。この場合、添加剤の種類や配合量、ポリマーの分子量分布やポリマーの種類等を適宜調整することによって厚み方向に分布を有するようなポリマーフィルムを得ることができる。フィルムが単層構造であるか否かはフィルムの断面を電子顕微鏡にて観察することによって判断することができる。
[表面処理]
本発明の透明ポリマーフィルムには、適宜、表面処理を行うことにより、各機能層(例えば、下塗層、バック層、光学異方性層)との接着を改善することが可能となる。前記表面処理には、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、鹸化処理(酸鹸化処理、アルカリ鹸化処理)が含まれ、特にグロー放電処理およびアルカリ鹸化処理が好ましい。ここでいう「グロー放電処理」とは、プラズマ励起性気体存在下でフィルム表面にプラズマ処理を施す処理である。これらの表面処理方法の詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)に記載があり、適宜、使用することができる。
フィルム表面と機能層との接着性を改善するため、表面処理に加えて、或いは表面処理に代えて、本発明の透明ポリマーフィルム上に下塗層(接着層)を設けることもできる。前記下塗層については、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)32頁に記載があり、これらを適宜、使用することができる。また、本発明の透明ポリマーフィルム上に設けられる機能性層については、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)32頁〜45頁に記載があり、これに記載のものを適宜、使用することができる。
《位相差フィルム》
本発明の透明ポリマーフィルムは、位相差フィルムとして用いることができる。なお、「位相差フィルム」とは、一般に液晶表示装置等の表示装置に用いられ、光学異方性を有する光学材料のことを意味し、位相差板、光学補償フィルム、光学補償シートなどと同義である。液晶表示装置において、位相差フィルムは表示画面のコントラストを向上させたり、視野角特性や色味を改善したりする目的で用いられる。
本発明の透明ポリマーフィルムを用いることで、Re値およびRth値を自在に制御した位相差フィルムを容易に作製することができる。例えば、遅相軸方向への傾斜角によらずレターデーションが変化しない位相差フィルムとして、Re≧30nmかつ|Rth|≦15nmを満たすフィルムを好ましく作製することができ、Re≧50nmかつ|Rth|≦10nmを満たすフィルムをより好ましく作製することができる。
本発明の透明ポリマーフィルムは、そのまま位相差フィルムとして用いることができる。また、本発明の透明ポリマーフィルムを複数枚積層したり、本発明の透明ポリマーフィルムと本発明外のフィルムとを積層したりしてReやRthを適宜調整して位相差フィルムとして用いることもできる。フィルムの積層は、粘着剤や接着剤を用いて実施することができる。
また、場合により、本発明の透明ポリマーフィルムを位相差フィルムの支持体として用い、その上に液晶等からなる光学異方性層を設けて位相差フィルムとして使用することもできる。本発明の位相差フィルムに適用される光学異方性層は、例えば、液晶性化合物を含有する組成物から形成してもよいし、複屈折を持つポリマーフィルムから形成してもよい。
前記液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物または棒状液晶性化合物が好ましい。
[ディスコティック液晶性化合物]
本発明において前記液晶性化合物として使用可能なディスコティック液晶性化合物の例には、様々な文献(例えば、C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang etal.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載の化合物が含まれる。
前記光学異方性層において、ディスコティック液晶性分子は配向状態で固定されているのが好ましく、重合反応により固定されているのが最も好ましい。また、ディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。ディスコティック液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。重合性基を有するディスコティック液晶性分子については、特開2001−4387号公報に開示されている。
[棒状液晶性化合物]
本発明において前記液晶性化合物として使用可能な棒状液晶性化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。また、前記棒状液晶性化合物としては、以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。
前記光学異方性層において、棒状液晶性分子は配向状態で固定されているのが好ましく、重合反応により固定されているのが最も好ましい。本発明に使用可能な重合性棒状液晶性化合物の例は、例えば、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4,683,327号明細書、同5,622,648号明細書、同5,770,107号明細書、国際公開第95/22586号パンフレット、同95/24455号パンフレット、同97/00600号パンフレット、同98/23580号パンフレット、同98/52905号パンフレット、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報等に記載の化合物が含まれる。
(ポリマーフィルムからなる光学異方性層)
前記光学異方性層は、ポリマーフィルムから形成してもよい。前記ポリマーフィルムは、光学異方性を発現し得るポリマーから形成することができる。前記光学異方性を発現し得るポリマーの例には、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、および、セルロースエステル(例、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート)が含まれる。また、前記ポリマーとしては、これらポリマーの共重合体若しくはポリマー混合物を用いてもよい。
《偏光板》
本発明の透明ポリマーフィルムまたは位相差フィルムは、偏光板(本発明の偏光板)の保護フィルムとして用いることができる。本発明の偏光板は、偏光膜とその両面を保護する二枚の偏光板保護フィルム(透明ポリマーフィルム)からなり、本発明の透明ポリマーフィルムまたは位相差フィルムは少なくとも一方の偏光板保護フィルムとして用いることができる。
本発明の透明ポリマーフィルムを前記偏光板保護フィルムとして用いる場合、本発明の透明ポリマーフィルムには前記表面処理(特開平6−94915号公報、同6−118232号公報にも記載)を施して親水化しておくことが好ましく、例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、または、アルカリ鹸化処理などを施すことが好ましい。特に、本発明の透明ポリマーフィルムを構成するポリマーがセルロースアシレートの場合には、前記表面処理としてはアルカリ鹸化処理が最も好ましく用いられる。
また、前記偏光膜としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸したもの等を用いることができる。ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸した偏光膜を用いる場合、接着剤を用いて偏光膜の両面に本発明の透明ポリマーフィルムの表面処理面を直接貼り合わせることができる。本発明の製造方法においては、このように前記透明ポリマーフィルムが偏光膜と直接貼合されていることが好ましい。前記接着剤としては、ポリビニルアルコールまたはポリビニルアセタール(例、ポリビニルブチラール)の水溶液や、ビニル系ポリマー(例、ポリブチルアクリレート)のラテックスを用いることができる。特に好ましい接着剤は、完全鹸化ポリビニルアルコールの水溶液である。
一般に液晶表示装置は二枚の偏光板の間に液晶セルが設けられるため、4枚の偏光板保護フィルムを有する。本発明の透明ポリマーフィルムは、4枚の偏光板保護フィルムのいずれに用いてもよいが、本発明の透明ポリマーフィルムは、液晶表示装置における偏光膜と液晶層(液晶セル)との間に配置される保護フィルムとして、特に有利に用いることができる。また、前記偏光膜を挟んで本発明の透明ポリマーフィルムの反対側に配置される保護フィルムには、透明ハードコート層、防眩層、反射防止層などを設けることができ、特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムとして好ましく用いられる。
《液晶表示装置》
本発明の透明ポリマーフィルム、位相差フィルムおよび偏光板は、様々な表示モードの液晶表示装置に用いることができる。以下にこれらのフィルムが用いられる各液晶モードについて説明する。これらのモードのうち、本発明の透明ポリマーフィルム、位相差フィルムおよび偏光板は特にVAモードおよびIPSモードの液晶表示装置に好ましく用いられる。これらの液晶表示装置は、透過型、反射型および半透過型のいずれでもよい。
(TN型液晶表示装置)
本発明の透明ポリマーフィルムは、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の位相差フィルムの支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置とについては、古くからよく知られている。TN型液晶表示装置に用いる位相差フィルムについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号および特開平9−26572号の各公報の他、モリ(Mori)他の論文(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)p.143や、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)p.1068)に記載がある。
(STN型液晶表示装置)
本発明の透明ポリマーフィルムは、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の位相差フィルムの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる位相差フィルムについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
(VA型液晶表示装置)
本発明の透明ポリマーフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の位相差フィルムや位相差フィルムの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。これらの態様において本発明の透明ポリマーフィルムを用いた偏光板は視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。
(IPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置)
本発明の透明ポリマーフィルムは、IPSモードおよびECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置の位相差フィルムや位相差フィルムの支持体、または偏光板の保護フィルムとして特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明の透明ポリマーフィルムを用いた偏光板は視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。
(OCB型液晶表示装置およびHAN型液晶表示装置)
本発明の透明ポリマーフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置或いはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の位相差フィルムの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置或いはHAN型液晶表示装置に用いる位相差フィルムには、レターデーションの絶対値が最小となる方向が位相差フィルムの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置或いはHAN型液晶表示装置に用いる位相差フィルムの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置或いはHAN型液晶表示装置に用いる位相差フィルムについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.38(1999)p.2837)に記載がある。
(反射型液晶表示装置)
本発明の透明ポリマーフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest-Host)型の反射型液晶表示装置の位相差フィルムとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くからよく知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、国際公開第98/48320号パンフレット、特許第3022477号公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる位相差フィルムについては、国際公開第00/65384号パンフレットに記載がある。
(その他の液晶表示装置)
本発明の透明ポリマーフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の位相差フィルムの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置とについては、クメ(Kume)他の論文(Kume et al.,SID 98 Digest 1089(1998))に記載がある。
(ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム)
本発明の透明ポリマーフィルムは、場合により、ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムへ適用してもよい。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明の透明ポリマーフィルムの片面または両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れか或いは全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)54頁〜57頁に詳細に記載されており、本発明の透明ポリマーフィルムにおいても好ましく用いることができる。
《測定法》
まず、本実施例中で用いた特性の測定法および評価法を以下に示す。
[レターデーション]
5cm□の大きさのサンプルを取り出し、前述の方法に従って評価した各点の平均値を求め、ReおよびRthおよび遅相軸の向き、およびRe、Rthのばらつき、および遅相軸の向きの変動幅を求めた。
[透湿度]
前述の方法に従って評価した値を膜厚80μm換算の透湿度とした。
[Tg]
前述の方法に従って評価した値をフィルムのTgとした。
[偏光度]
作製した2枚の偏光板を吸収軸を並行に重ね合わせた場合の透過率(Tp)および吸収軸を直交させて重ね合わせた場合の透過率(Tc)を測定し、下記式で表される偏光度(P)を算出した。
偏光度P=((Tp−Tc)/(Tp+Tc))0.5
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例101〜111、比較例101〜106]
(ポリマー溶液の調製)
1)ポリマー
各実施例および比較例において、下記ポリマーAを使用した。ポリマーAは120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下とした後、20質量部を使用した。
・ポリマーA:
置換度が2.85のセルロースアセテートの粉体をポリマーAとして用いた。ポリマーAの粘度平均重合度は300、6位のアセチル基置換度は0.89、アセトン抽出分は7質量%、質量平均分子量/数平均分子量比は2.3、含水率は0.2質量%、6質量%ジクロロメタン溶液中の粘度は305mPa・s、残存酢酸量は0.1質量%以下、Ca含有量は65ppm、Mg含有量は26ppm、鉄含有量は0.8ppm、硫酸イオン含有量は18ppm、イエローインデックスは1.9、遊離酢酸量は47ppmであった。粉体の平均粒子径は1.5mm、標準偏差は0.5mmであった。
[置換度]
セルロースアシレートのアシル置換度は、Carbohydr.Res.273(1995)83-91(手塚他)に記載の方法で13C−NMRにより求めた。
[重合度]
製造したセルロースアシレートを絶対乾燥した後、約0.2gを精秤し、ジクロロメタン:エタノール=9:1(質量比)の混合溶剤100mLに溶解した。これをオストワルド粘度計にて25℃で落下秒数を測定し、重合度DPを以下の式により求めた。
ηrel=T/T0
[η]=ln(ηrel)/C
DP=[η]/Km
[式中、Tは測定試料の落下秒数、T0は溶剤単独の落下秒数、lnは自然対数、Cは濃度(g/L)、Kmは6×10-4である。]
2)溶媒
各実施例および比較例において、ジクロロメタン/メタノール/ブタノール(83/15/2質量部)の混合溶媒を使用した。なお、溶媒の含水率は、いずれも0.2質量%以下であった。
3)添加剤
各実施例および比較例において、下記表1に従って下記組成の添加剤A〜Bのいずれかを使用した。
・添加剤A:
二酸化ケイ素微粒子(粒子サイズ20nm、モース硬度 約7)(0.08質量部)
・添加剤B:
トリエチレングリコール(2.4質量部)
二酸化ケイ素微粒子(粒子サイズ20nm、モース硬度 約7)(0.08質量部)
4)膨潤、溶解
各実施例および比較例において、攪拌羽根を有し外周を冷却水が循環する400リットルのステンレス製溶解タンクに、前記溶媒および添加剤を投入して撹拌、分散させながら、前記ポリマーを徐々に添加した。投入完了後、室温にて2時間撹拌し、3時間膨潤させた後に再度撹拌を実施し、ポリマー溶液を得た。
なお、攪拌には、15m/sec(剪断応力5×104kgf/m/sec2〔4.9×105N/m/sec2〕)の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸および中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×104kgf/m/sec2〔9.8×104N/m/sec2〕)で攪拌する攪拌軸を用いた。膨潤は、高速攪拌軸を停止し、アンカー翼を有する攪拌軸の周速を0.5m/secとして実施した。
膨潤した溶液をタンクから、ジャケット付配管で50℃まで加熱し、さらに2MPaの加圧化で90℃まで加熱し、完全溶解した。加熱時間は15分であった。この際、高温にさらされるフィルター、ハウジング、および配管はハステロイ合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有する物を使用した。
次に36℃まで温度を下げ、ポリマー溶液を得た。
5)ろ過
得られたポリマー溶液を、絶対濾過精度10μmの濾紙(#63、東洋濾紙(株)製)で濾過し、さらに絶対濾過精度2.5μmの金属焼結フィルター(FH025、ポール社製)にて濾過してポリマー溶液を得た。
(フィルムの作製)
前記ポリマー溶液を30℃に加温し、流延ギーサー(特開平11−314233号公報に記載)を通して15℃に設定したバンド長60mの鏡面ステンレス支持体上に流延した。流延スピードは50m/分、塗布幅は200cmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたポリマーフィルムをバンドから剥ぎ取り、45℃の乾燥風を送風した。次に110℃で5分、さらに140℃で10分乾燥して、セルロースアシレートの透明フィルムを得た。
(熱処理)
得られた透明フィルムはロール延伸機を用いて搬送方向を固定したまま熱処理を実施した。ロール延伸機のロールは表面を鏡面処理した誘導発熱ジャケットロールを用い、各ロールの温度は個別に調整できるようにした。熱処理ゾーンはケーシングで覆い表1に記載の温度とした。熱処理部の前のロールは徐々に表1に記載の熱処理温度に加熱できるように設定した。縦横比は3.3となるようにロール間距離を調整し、適宜、熱処理ゾーン前後のロールの周速を変化させることにより延伸倍率を設定し、延伸速度は延伸間距離に対して10%/分とした。延伸後は冷却して巻き取った。延伸倍率および膜厚は表1に記載した。
なお、表1中、「タックA」とは、フジタックT80UZ(富士写真フィルム(株)製)を示し、「タックC」とは、フジタックT40UZ(富士写真フイルム(株)製)を示し、「タックD」とは、フジタックTF80UL(富士写真フイルム(株)製)を示す。
(透明ポリマーフィルムの評価)
得られた各透明ポリマーフィルムの評価を行った。結果を下記表1に示す。
なお、実施例101〜111では、フィルムのReの遅相軸はフィルムの幅方向に観測され、比較例105では、フィルムのReの遅相軸はフィルムの搬送方向に観測された。
また、実施例101〜111および比較例105の全てのサンプルで、ReおよびRthのばらつきは、Reは±2nm以内、Rthは±5nm以内であり、遅相軸の向きの変動幅は2°未満であった。
[面状]
フィルム面状は、得られた透明ポリマーフィルムの表面を目視により観察し、次の評価尺度に従って評価した。
○:フィルムの面状が良好で、光学フィルムとして好ましく適用できるものであった。
×(1):フィルムが全面的に白濁してしまい、光学フィルムとしては適用できなかった。
×(2):フィルム表面が著しく着色してしまったり、著しいうねりが生じてしまったりして、光学フィルムとしては適用できなかった。
Figure 2007084804
表1に示したように、本発明の方法に従い、熱処理を実施することにより、Reが大きくかつ負のRthを示すフィルムを製造することができる。これに対し、熱処理温度が適切でなかった場合には、フィルムが白化してしまったり、Reが小さくなってしまったり、負のRthを達成することができなかったりしてしまい、制御可能なレターデーション範囲が狭くなってしまった。
[実施例112]
実施例104中、(熱処理)工程を下記に変更した以外は、実施例104と同様に実施したところ、Re=172nm、Rth=−75nmのフィルムが得られた。
(熱処理)
得られた透明フィルムは2つのニップロール間に240℃に調整された加熱ゾーンを有する装置を用いて熱処理を実施した。延伸倍率はニップロールの周速を調整することで30%になるように制御し、縦横比(ニップロール間の距離/ベース幅)は3.3となるように調整した。延伸後は冷却して巻き取った。
[比較例107]
タックAを用いて、特開平5−157911号公報の実施例5にしたがって複屈折性フィルムを得た。このフィルムの面内の遅相軸の方向と搬送方向のなす角は3°と好ましくなかった。また、遅相軸の向きの変動幅は8°と大きく、またReおよびRthのばらつきは、Reは±25nm、Rthは±43nmと大きいものであった。さらに、フィルムの白化も観測された。
[実施例201]
(積層位相差フィルムの作製)
本発明のセルロースエステルフィルムは、Reが大きくかつRthが負の位相差フィルムとしてそのまま使用することができるが、ここでは、粘着剤を用いてフィルムをロールツーロールで貼り合わせることにより、Rth/Re比を制御した位相差フィルムを作製した。
フジタックTD80UF(富士写真フイルム(株)製)と実施例101とを粘着剤を用いてロールツーロールで貼り合せ、前述の方法でReおよびRthを測定したところ、Re=63nm、Rth=3nmであった。また、この位相差フィルムのReの遅相軸は、フィルムの幅方向に観測された。
[実施例301〜311、比較例301〜306]
(偏光板の作製)
得られたフィルムを鹸化処理し、偏光板を作製した。
1)フィルムの鹸化
下記表2に記載のフィルムAおよびフィルムBを55℃に調温した1.5mol/LのNaOH水溶液(けん化液)に2分間浸漬した後、フィルムを水洗し、その後、0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、さらに水洗浴を通した。そして、エアナイフによる水切りを3回繰り返し、水を落とした後に70℃の乾燥ゾーンに15秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理したフィルムを作製した。
2)偏光層の作製
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与え、長手方向に延伸し、厚み20μmの偏光層を調製した。
3)貼り合わせ
このようにして得た偏光層と、前記鹸化処理したフィルムのうちから2枚選び(それぞれフィルムA、フィルムBとし、下記表2に各実施例および比較例における組み合せを記載した。)、フィルムの鹸化面を偏光膜側に配置し、これらで前記偏光層を挟んだ後、PVA((株)クラレ製、PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、偏光軸とフィルムの長手方向とが直交するように貼り合わせた。
なお、下記表2中、「タックB」とは、フジタックTD80UF(富士写真フイルム(株)製;40℃・相対湿度90%における透湿度=430g/(m2・day)(膜厚80μm換算))を示し、「ポリカーボネート」とは、パンライトC1400(帝人化成(株)製;40℃・相対湿度90%における透湿度=30g/(m2・day)(膜厚80μm換算))を示し、「COP1」とは、アートンフィルム(膜厚80μm、JSR(株)製;40℃・相対湿度90%における透湿度=30g/(m2・day)(膜厚80μm換算))を示す。また、「COP2」とは、ゼオノアフィルム(膜厚100μm、日本ゼオン製;40℃・相対湿度90%における透湿度=0g/(m2・day)(膜厚80μm換算)を示す。
また、比較例304では、フィルムの表面処理をコロナ処理に変更して貼り合わせを実施した。
(偏光板の評価)
[初期偏光度]
前記偏光板の偏光度を前述した方法で算出した。結果を下記表2に示す。
[経時偏光度1]
前記偏光板のフィルムA側を粘着剤でガラス板に貼り合わせ、60℃・相対湿度95%の条件で500時間放置し、放置後の偏光度(経時偏光度)を前述の方法で算出した。結果を下記表2に示す。
[経時偏光度2]
前記偏光板のフィルムA側を粘着剤でガラス板に貼り合わせ、90℃・相対湿度0%の条件で500時間放置し、放置後の偏光度(経時偏光度)を前述の方法で算出した。結果を下記表2に示す。
Figure 2007084804
(IPS型液晶表示装置への実装評価)
実施例301〜311の偏光板をIPS型液晶表示装置(32V型ハイビジョン液晶テレビモニター(W32−L7000)、日立製作所(株)製)に組み込まれていた偏光板の代わりに組み込んだところ、視野角特性が改善された。これに対し、比較例305もしくは306の偏光板を組み込んだ場合には、視野角特性は改善されないか、改善されても十分ではなかった。
本発明によれば、適度な透湿度を有し、Reが大きくかつ負のRthを示し、且つレターデーション値や遅相軸の向きのばらつきが小さい透明ポリマーフィルムを提供することができ、優れた位相差フィルムを提供することができる。また、本発明の透明ポリマーフィルムは適度な透湿度を有するため、偏光膜とオンラインで貼り合わせることができ、視認性に優れた偏光板を生産性よく提供することができる。さらに、信頼性の高い液晶表示装置を提供することができる。したがって、本発明は産業上の利用可能性が高い。

Claims (13)

  1. 下記式(I)および(II)を満足し、且つ、40℃・相対湿度90%における透湿度が、膜厚80μm換算で100g/(m2・day)以上であることを特徴とする透明ポリマーフィルム。
    式(I): Re≧15
    式(II): Rth≦−7.5
    [式中、ReおよびRthは、それぞれ測定波長が632.8nmであるときの面内方向および膜厚方向のレターデーション値(単位;nm)を表す。]
  2. 膜厚が20μm〜180μmであることを特徴とする請求項1に記載の透明ポリマーフィルム。
  3. 単層構造であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明ポリマーフィルム。
  4. 主成分であるポリマーがセルロースアシレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明ポリマーフィルム。
  5. 前記セルロースアシレートがセルロースアセテートであることを特徴とする請求項4に記載の透明ポリマーフィルム。
  6. 少なくとも一枚の請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明ポリマーフィルムを有することを特徴とする位相差フィルム。
  7. 少なくとも一枚の請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明ポリマーフィルムを有することを特徴とする偏光板。
  8. 前記透明ポリマーフィルムが偏光膜と直接貼合されていることを特徴とする請求項7に記載の偏光板。
  9. 40℃・相対湿度90%における透湿度が、膜厚80μm換算で100g/(m2・day)以上である透明ポリマーフィルムを搬送し、(Tg+60)℃以上で熱処理する工程を含むことを特徴とする透明ポリマーフィルムの製造方法(ここでTgは透明ポリマーフィルムのガラス転移温度である)。
  10. セルロースアシレートフィルムを搬送し、200℃以上で熱処理する工程を含むことを特徴とする透明ポリマーフィルムの製造方法。
  11. 前記熱処理する工程において前記セルロースアシレートフィルムを延伸することを特徴とする請求項9または10に記載の透明ポリマーフィルムの製造方法。
  12. 前記延伸が2つ以上のニップロール間に加熱ゾーンを有する装置内において行う縦延伸であることを特徴とする請求項11に記載の透明ポリマーフィルムの製造方法。
  13. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明ポリマーフィルム、請求項6に記載の位相差フィルム、または請求項7若しくは8に記載の偏光板を、少なくとも1枚有することを特徴とする液晶表示装置。
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