JP2007017626A - 光学フィルムおよびその製造方法、光学補償フィルム、偏光板、並びに液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルムおよびその製造方法、光学補償フィルム、偏光板、並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 有機化合物からなる添加剤と無機微粒子を含有していても、ヘイズが低くて、液晶表示装置に組み込んだときのコントラストが高い光学フィルムを提供すること。
【解決手段】 主として有機化合物から構成される層と、無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である層を有することを特徴とする光学フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヘイズが低くて液晶表示装置に組み込んだときのコントラストが高い光学フィルムおよびその製造方法に関する。また、本発明は、そのような光学フィルムを用いた光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置にも関する。
液晶表示装置は、消費電力の小さい省スペースの画像表示装置として年々用途が広がっている。従来、画像の視野角依存性が大きいことが液晶表示装置の大きな欠点であったが、近年、VAモードの高視野角液晶モードが実用化されており、これによりテレビなどの高品位の画像が要求される市場でも液晶表示装置の需要が急速に拡大しつつある。これに伴い液晶表示装置において、色味、コントラスト、およびそれらの視角依存性改良に用いられるセルロースアシレートフィルムなどの光学補償部材に対しても光学補償能のさらなる向上が求められている。
一般に、セルロースアシレートフィルムは、無機微粒子や添加剤をセルロースアシレート溶液ドープ中にインライン添加した後に、流延することにより製造される。このとき、セルロースアシレート溶液ドープ中には、巻き取り時のフィルム接着防止を目的として無機微粒子をマット剤として用いるのが一般的である。しかし、無機微粒子を添加すると、得られるフィルムのヘイズが上昇し、該フィルムを用いた液晶表示装置の黒表示時の黒輝度が高くなってコントラストが大きく低下するという問題があった。この問題に対処するために、例えば、マット剤をドープに溶解する工程において一度分散したマット剤が再凝集しないように、特定の疎水化処理をした微粒子を用いてヘイズを低減させる技術が公開されている(特許文献1)。またセルロースアシレートのクレイズ発生により延伸フィルムのヘイズが高くなる現象に関連して、融点またはガラス転移点(Tg)がセルロースアシレートよりも低い添加剤などを用いて、微粒子近傍の添加剤濃度を高くすることで、微粒子近傍でのクレイズの発生を抑えてヘイズを低下させる技術も公開されている(特許文献2)。
一方、最近では、セルロースアセテートフィルムなどを用いて、光学的異方性が要求される用途にも使用できる高いレターデーション値を有する光学補償フィルムを作製することが提案されている。このようなフィルムは高い光学異方性を得るために、高屈折率で疎水的なレターデーション調整剤が添加されているものが多い。また今後は、該光学補償フィルムに紫外線吸収剤や透湿度調整剤といった添加剤を併用し、光学補償フィルムの高機能化を図ることが求められている。
特開2001−2799号公報 特開2003−301049号公報
しかしながら、これらの有機化合物からなる添加剤を添加すると、光学フィルムのヘイズ上昇や該フィルムを用いた液晶表示装置のコントラスト低下が顕著になるという問題がある。上記特許文献1および2に記載される技術を用いても、光学フィルムのヘイズ上昇や該フィルムを用いた液晶表示装置のコントラスト低下を十分に抑えることはできなかった。これらの問題は、特に高屈折率で疎水的なレターデーション発現剤などを添加したフィルムにおいて顕著であり、今後、より高いレタデーションが要求された場合に一段と顕在化する問題である。
以上の従来技術の課題を考慮して、本発明は、有機化合物からなる添加剤と無機微粒子を含有していても、ヘイズが低くて、液晶表示装置に組み込んだときのコントラストが高い光学フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、そのような性質を有する光学フィルムの効率のよい製造方法を提供することも目的とする。さらに、本発明は、光学的性質に優れている光学補償フィルムおよび偏光板と、コントラストが高い液晶表示装置を提供することも目的とする。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、以下の構成を有する本発明により上記課題が解決できることを見出した。
[1] 主として有機化合物から構成される層と、無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である層を有することを特徴とする光学フィルム。
[2] 主として有機化合物から構成される溶液と、無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である溶液を、各々異なるダイから流延して作製されることを特徴とする光学フィルム。
[3] 前記有機化合物のClogPが下記式(A)を満たすことを特徴とする[1]または[2]に記載の光学フィルム。
式(A) 13<ClogP<20
[4] 前記有機化合物が正または負のレターデーションを発現するレターデーション調整剤であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[5] 前記レターデーション調整剤が分子内に芳香族環もしくはシクロアルキル環を2個以上有する化合物であることを特徴とする[4]に記載の光学フィルム。
[6] 前記レターデーション調整剤が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする[4]または[5]に記載の光学フィルム。
Figure 2007017626
[式中、Ar1およびAr3は各々独立にアリール基または芳香族ヘテロ環基を表し、Ar2はアリーレン基または2価の芳香族ヘテロ環基を表し、L1およびL2は各々独立に単結合または2価の連結基を表す。nは3以上の整数を表し、各Ar2は同一であっても異なっていても良く、各L2も同一であっても異なっていてもよい。]
[7] 前記無機微粒子が珪素を含有することを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[8] 前記無機微粒子のメタノールウェッタビリティ(MW)が下記式(B)を満たすことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
式(B) 0≦MW≦80
[9] 前記無機微粒子の一次粒子サイズが100nm以下であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[10] フィルムを構成する主成分がセルロースアシレートであることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[11] 前記無機微粒子を含有する層が最外層に配置されることを特徴とする[1]〜[10]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[12] 主として有機化合物から構成される溶液と、無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である溶液を、各々異なるダイから流延する工程を有することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
[13] 流延後に得られたフィルムを延伸する工程をさらに有することを特徴とする[12]に記載の光学フィルムの製造方法。
[14] [12]または[13]に記載の製造方法により製造される光学フィルム。
[15] [1]〜[11]または[14]に記載の光学フィルムを用いたことを特徴とする光学補償フィルム。
[16] 偏光子およびその両側に配置された2枚の保護フィルムからなり、少なくとも1枚の保護フィルムが[1]〜[11]または[14]に記載の光学フィルムである偏光板。
[17] 液晶セルおよびその両側に配置された2枚の偏光板を有し、少なくとも1枚の偏光板が[16]に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
本発明の光学フィルムは、有機化合物からなる添加剤と無機微粒子を含有しているにもかかわらず、ヘイズが低くて、液晶表示装置に組み込んだときのコントラストが高いという特徴を有する。このため、本発明の光学フィルムを用いれば、光学的性質に優れている光学補償フィルムおよび偏光板と、コントラストが高い液晶表示装置を提供することができる。また、本発明の製造方法によれば、上記の優れた性質を有する光学フィルムを効率よく製造することができる。
以下において、本発明の光学フィルム等について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[本発明の光学フィルムの特徴]
本発明の光学フィルムは、主として有機化合物から構成される層と、無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である層を有することを特徴とする。
主として有機化合物から構成される層は、層を構成する化合物の50質量%以上が有機化合物である層をいう。有機化合物は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。ここでいう有機化合物は、分子量1000以下の有機化合物に限定されない。例えば、セルロースアシレートなどの高分子有機化合物が層を主として構成している場合は、そのようなセルロースアシレートもここでいう有機化合物に含まれる。主として有機化合物から構成される層には、光学フィルムの物理的性質や光学特性を調整する作用を有する分子量1000以下の有機化合物が含まれていることが特に好ましい。そのような有機化合物の種類や具体例については後述する。主として有機化合物から構成される層における無機微粒子の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。最も好ましいのは、主として有機化合物から構成される層に無機微粒子が含まれていない(0質量%)態様である。
本発明の効果を得る上において無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である層(以下、説明の便宜のために無機微粒子含有層ということもある)における分子量1000以下の有機化合物の含有量は前記無機微粒子の含有量の10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である層は、主として有機化合物から構成される層の少なくとも一方の面に形成される。無機微粒子含有層は、主として有機化合物から構成される層の両面に形成されてもよい。主として有機化合物から構成される層と無機微粒子含有層との間には接着層などの中間層が形成されていてもよい。また、無機微粒子含有層の上(表面側)には、さらに保護層などの層が形成されていてもよい。好ましいのは、無機微粒子含有層が最外層(表面層)となる態様である。
無機微粒子含有層には、無機微粒子が必須構成成分として含まれる。無機微粒子含有層に含ませることができる無機微粒子の種類、形状、具体例については後述する。無機微粒子含有層における無機微粒子の含有量は、0.0001〜20質量%が好ましく、0.0005〜1質量%がより好ましく、0.001〜0.1質量%がさらに好ましい。無機微粒子含有層における分子量1000以下の有機化合物の含有量は、無機微粒子の含有量の30質量%以下である。分子量1000以下の有機化合物の含有量は、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.001質量%以下である。最も好ましいのは、分子量1000以下の有機化合物が含まれていない(0質量%)態様である。無機微粒子含有層に含まれていてもよい分子量1000以下の有機化合物は、主として有機化合物から構成される層に含まれる有機化合物と共通していてもよいし、共通していなくてもよい。また、一部が共通していて一部が共通していなくてもよい。無機微粒子含有層に含まれる分子量1000以下の有機化合物の種類や具体例については後述する。なお、無機微粒子含有層には、層を主として構成する材料として、セルロースアシレートなどの高分子有機化合物が含まれていてもよい。
主として有機化合物から構成される層の厚さは30〜200μmが好ましく、50〜150μmがより好ましく、70〜100μmがさらに好ましい。また、無機微粒子含有層の厚さは0.1〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜5μmがさらに好ましい。本発明の光学フィルムの全厚は、光学フィルムの層構成や用途にもよるが、一般に35〜200μmが好ましく、55〜150μmがより好ましく、75〜105μmがさらに好ましい。また、本発明の光学フィルムの形状は特に制限されず、シート状であっても、ロール状であってもよい。通常は、製造時にはロール状であり、使用時にシート状にして使用する。
本発明の光学フィルムのヘイズは0.01〜2.0%であることが好ましい。より好ましくは0.05〜1.5%であり、0.1〜1.0%であることがさらに好ましい。
[無機微粒子と有機化合物の質量比の測定方法]
無機微粒子と有機化合物の質量比は、薄膜、特に主として有機化合物から構成される層上に形成された無機微粒子を含有する薄膜を斜めに切削して、十分な面積の切削断面(被解析面)を形成した後、該薄膜の切削断面における特定成分の有無を検知したり、特定成分の分布状態を測定したりすることによって、解析することができる。
この解析に用いる方法は、切削断面において予め定められた特定成分を定性的或いは定量的に目的に応じて検出しうる方法であれば特に制限はなく、特定成分の種類、必要とされる検出精度に応じて適宜選択すれば良い。ここで汎用しうる代表的な方法としては、TOF−SIMSにより解析する方法が挙げられる。
以下、本発明の無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である層中の無機微粒子、分子量1000以下の有機化合物を選択した場合の、上記分析手法のミクロトーム切削、TOF−SIMS法の適用について詳細に説明する。
TOF−SIMS法とは、飛行時間型二次イオン質量分析法[Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry]の略称であり、Ga+、In+などの一次イオンの照射により試料中の分子から放出される分子イオンやフラグメントイオンなどの二次イオンを測定することで、固体試料表面に存在する有機化合物の構造を反映したイオンのイメージを測定する方法である。
TOF−SIMS法でのイオンイメージの空間分解能は、概ね0.1〜0.2μmであるが、本発明における無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である層の厚みが1〜10μm程度と薄い場合には画像記録層表面に対して垂直に切削した断面をTOF−SIMS法で測定しても十分な空間分解能が得られない場合もある。
この場合、ミクロトームを用いて画像記録層表面に対して5〜0.02°の角度で斜めに切削することで画像記録層の深さ方向の切削断面長を10〜2800倍にまで拡大した後、切削断面をTOF−SIMS法にて測定を行うことが有効である。
TOF−SIMS法による二次イオンの検出は、正イオン、負イオンのいずれにおいても可能であるが、本態様の例においては正イオンを選択し、画像記録層の切削断面の同一領域において、質量が0〜1000amu[amu; atommass unit]の全二次イオン像をRaw Data形式で測定する。なお、測定中の試料表面の帯電(チャージアッフ°)を中和するため、電子銃(フラッドガン)を使用する。
TOF−SIMS法により得られた0〜1000amuの全正イオンのマッピングデータについて、Physical E1ectronics(PHI)社製Win CadenceソフトウエアVersion3.41(以下、Cadenceソフトと称する)を用いて、無機微粒子と分子量1000以下の有機化合物のカチオン部に相当する分子イオン,あるいは無機微粒子と分子量1000以下の有機化合物の化学構造を反映したフラグメントイオンに相当する質量のイオンマッピング像を抽出することが出来る。
他の解析法としては、薄膜の切削断面をμ−ESCA法にて解析する方法が挙げられる。
以上、解析方法の代表例について特定成分として無機微粒子と分子量1000以下の有機化合物の分布の解析方法を例に挙げて説明したが、このように、本発明における解析方法では、特定成分として区別し得る特性を有するものを選択することで、複数の特定成分を同時に解析することができる。
また、特定成分の特性に適合すれば、上記方法以外にも、顕微FT−IRなどの解析方法を目的に応じて適用することもできる。
[分子量1000以下の有機化合物]
(有機化合物の種類、性質および添加量)
本発明の光学フィルムに用いることができる分子量1000以下の有機化合物の種類は特に制限されない。本発明の光学フィルムの物理的性質や光学的性質を調整する作用を有するものであることが好ましい。例えば紫外線吸収剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外吸収剤、レタデーション調整剤、透湿度低減剤、架橋剤、可塑剤などを挙げることができる。分子量1000以下の有機化合物は、固体であっても油状物であってもよく、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば融点が20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料を組み合わせて用いてもよいし、同様に可塑剤を組み合わせて用いてもよい。その詳細については、例えば特開2001−151901号公報などに記載されている。また、赤外吸収染料については、例えば特開2001−194522号公報に記載されている。本発明の光学フィルムを製造するに際して、分子量1000以下の有機化合物を添加する時期は、ドープ作製工程の何れの段階であってもよい。また、ドープ調製工程の最後に添加剤を添加する工程を追加して行ってもよい。
各有機化合物の添加量は、目的とする該有機化合物の機能が発現する限りにおいて特に限定されない。同種の機能を有する有機化合物を複数の層に添加する場合、各層に添加する有機化合物の種類と量は同一であっても異なっていてもよい。また、同一の有機化合物を複数の層に添加する場合、各層の添加物は同一であっても異なっていてもよい。例えば、セルロースアシレートから主として構成されるフィルム(セルロースアシレートフィルム)に添加することができる有機化合物については、特開2001−151902号公報などに記載されている。特に、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)16頁〜22頁に詳細に記載されている有機化合物を好ましく用いることができる。
本発明の光学フィルムに用いる分子量1000以下の有機化合物は、ClogPが下記式(A)を満たすものであることが好ましい。
式(A) 13<ClogP<20
ここで、ClogPはオクタノール−水分配係数を表す。本発明においては、該分配係数は、logP値推算プログラム(Daylight Chemical Information Systems社のPC Modelsに組み込まれたCLOGPプログラム)から算出した値を用いる。
分子量1000以下の有機化合物のClogP値の好ましい範囲は13<ClogP<20であり、より好ましくは14<ClogP<19、特に好ましくは15<ClogP<18である。
以下において、本発明の光学フィルムに好ましく用いることができる分子量1000以下の有機化合物例について、機能ごとに詳しく説明する。なお、以下では説明の便宜のために、分子量1000以下の有機化合物を添加する層を主として構成する材料がセルロースアシレートである場合を特に例示しながら説明するが、層を主として構成する材料はセルロースアシレートに限定されるものではない。
(レターデーション調整剤)
本発明のフィルムには、有機化合物としてレタデーション調整剤を好ましく使用することができる。本発明におけるレターデーション調整剤とは、光学フィルムに添加して必要に応じて延伸処理をすることによってレターデーション(Re、Rth)またはレターデーションの波長依存性(ΔRe、ΔRth)を増減させる作用を有するものをいう。具
体的には、光学フィルムに添加して必要に応じて延伸処理をすることによって、添加前または延伸前よりもレターデーション(|Re|または|Rth|)を10nmより多く変化させるか、あるいはレターデーションの波長依存性(|ΔRe|または|ΔRth|)を10nmより多く変化させるものをいう。
本発明では、レタデーション調整剤を添加することによって、得られる光学フィルムのレターデーションが下記式(C)および(D)の関係を満たすことが好ましい。
式(C) 30nm<|Re|<300nm
式(D) 50nm<|Rth|<400nm
本発明の光学フィルム(特にセルロースアシレートフィルム)のReは30〜300nmが好ましく、50〜200nmがさらに好ましく、70〜150nmが最も好ましい。また、Rthは30nm〜400nmが好ましく、50nm〜300nmがさらに好ましく、100nm〜200nmが最も好ましい。もっとも、本発明の光学フィルムは上記の光学的性質を有するものに限定されるものではなく、レターデーションが下記式(E)および(F)の関係を満たしているものも用途によっては好ましい。
式(E) 0nm≦|Re|<30nm
式(F) 0nm≦|Rth|<50nm
本明細書において、Re、Rthは各々、面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。本発明では、特に断りがない限り、ReはRe(546)を表し、RthはRth(546)を表す。ここで平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。
本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、レターデーション調整剤の中でも、特にレターデーションを発現する添加剤として分子の最大末端間距離が20Å以上であり、かつ分子長軸/短軸比が2.0以上の素材を用いることが有効であることを見出した。ここでいう最大末端間距離および分子長軸/短軸比については、MOPAC、WinMOPACなどの分子軌道計算ソフトを用いて分子構造を計算した結果から試算した。本発明においてレターデーション発現剤としては、特に後述する一般式(1)で表される化合物を添加することが好ましい。
本発明に用いるレターデーション発現剤の好ましい添加量は、ポリマー樹脂100質量部に対して0.1〜20質量%であり、1〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。例えば、セルロースアシレート溶液中にうまく混合させるためには、レターデーション発現剤はセルロースアシレートに十分に相溶し、化合物自身が凝集しないことが好ましい。このためには、例えば溶剤と調整剤を撹拌混合した調整剤溶液をあらかじめ作成し、この調整剤溶液を別途用意した少量のセルロースアシレート溶液に加えて攪拌し、さらにメインのセルロースアシレートドープ液と混合する方法があるが、本発明は特にそのような添加方法に限定される訳ではない。
レターデーション調整剤としては分子内に芳香族環もしくはシクロアルキル環を2個以上有することが好ましい。特に好ましいレターデーション調整剤として、下記一般式(1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007017626
[一般式(1)中、Ar1およびAr3は各々独立にアリール基または芳香族ヘテロ環基を表し、Ar2はアリーレン基または2価の芳香族ヘテロ環基を表し、L1およびL2は各々独立に単結合または2価の連結基を表す。nは3以上の整数を表し、各Ar2は同一であっても異なっていても良く、各L2も同一であっても異なっていてもよい。]
Ar1、Ar3で表されるアリール基とAr2で表されるアリーレン基として好ましくは炭素数6〜30のアリール基、アリーレン基であり、単環であってもよいし、さらに他の環と縮合環を形成してもよい。また、可能な場合には置換基を有してもよく、置換基としては後述の置換基Tが適用できる。アリール基、アリーレン基としてより好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12の基である。そのようなアリール基の具体例として、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、そのようなアリーレン基の具体例として、フェニレン基、p−メチルフェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
一般式(1)中、Ar1、Ar2、Ar3で表される芳香族ヘテロ環基は、酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む芳香族ヘテロ環基であればいずれの芳香族ヘテロ環基であってもよいが、好ましくは5または6員環の酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む芳香族ヘテロ環基である。また、可能な場合にはさらに置換基を有してもよい。置換基としては後述の置換基Tが適用できる。
一般式(1)中、Ar1、Ar2、Ar3で表される芳香族ヘテロ環基を構成する芳香族ヘテロ環の具体例としては、フラン環、ピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアゾール環、トリアジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、チアゾリン環、チアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾリン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、テトラゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンゾトリアゾール環、テトラザインデン環、ピロロトリアゾール環、ピラゾロトリアゾール環などが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンゾトリアゾール環である。
一般式(1)中、L1およびL2は単結合、または2価の連結基を表し、2価の連結基の例として好ましくは、−NR7−(R7は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表す)で表される基、−SO2−、−CO−、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、−O−、−S−、−SO−およびこれらの2価基を2つ以上組み合わせて得られる基であり、その内より好ましいものは−O−、−CO−、−SO2NR7−、−NR7SO2−、−CONR7−、−NR7CO−、−COO−、−OCO−およびアルキニレン基であり、最も好ましくは−CONR7−、−NR7CO−、−COO−、OCO−およびアルキニレン基である。
一般式(1)で表される化合物において、Ar2はL1およびL2と結合するがAr2がフェニレン基である場合、L1−Ar2−L2、およびL2−Ar2−L2は互いにパラ位(1,4−位)の関係にあることが最も好ましい。
nは3以上の整数を表し、好ましくは3〜7であり、より好ましくは3〜5である。
一般式(1)で表される化合物のうち好ましいのは、下記一般式(2)で表される化合物ある。
Figure 2007017626

[一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R21、R22、R23およびR24は各々独立に水素原子または置換基を表す。Ar2はアリーレン基または2価の芳香族ヘテロ環基を表し、L2およびL3は各々独立に単結合または2価の連結基を表す。nは3以上の整数を表し、各Ar2は同一であっても異なっていても良く、各L2も同一であっても異なっていてもよい。]
Ar2、L2およびnは一般式(1)の定義および具体例と同一である。L3は単結合または2価の連結基を表し、2価の連結基の例として好ましくは、−NR7−(R7は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表す)で表される基、アルキレン基、置換アルキレン基、−O−、およびこれらの2価基を2つ以上組み合わせて得られる基であり、その内より好ましいものは−O−、−NR7−、−NR7SO2−、および−NR7CO−である。
11、R12、R13、R14、R15およびR16は各々独立に水素原子または置換基を表し、好ましくは水素原子、アルキル基およびアリール基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基など)、および炭素数6〜12のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基)であり、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
22、R23およびR24は各々独立に水素原子または置換基を表し、好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基および水酸基であり、より好ましくは、水素原子およびアルキル基(好ましくは炭素数1〜4、より好ましくはメチル基)である。
以下に前述の置換基Tについて説明する。
置換基Tとして好ましくはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2?エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
以下に一般式(1)および一般式(2)で表される化合物の具体例を挙げて説明するが、本発明で使用することができる一般式(1)および一般式(2)で表される化合物は以下の具体例によって何ら限定されることはない。
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
一般式(1)で表される化合物の中では、下記一般式(3)で表される化合物も好ましく用いることができる。
Figure 2007017626
[一般式(3)中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は各々独立に置換基を表し、L1およびL2は各々独立に単結合または2価の連結基を表わす。nおよびmは各々独立に0〜4の整数を表し、pおよびqは各々独立に0〜3の整数を表す。]
1、R2、R3、R4、R5およびR6は各々独立に置換基(水素原子以外の基)を表す。R1、R2、R3、R4、R5およびR6は同じであってもよく、異なっていてもよい。置換基として好ましくは上記置換基Tの好ましい例として挙げたものを例示することができる。中でも、好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、シクロアルキル基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン原子を挙げることができる。また、置換基が二つ以上ある場合は、各々同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(3)中、L1およびL2は各々独立に単結合または2価の連結基を表す。L1およびL2は同じであってもよく異なっていてもよい。2価の連結基の例として好ましいものは、−NR7−(R7は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表す)で表される基、−SO2−、−CO−、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、−O−、−S−、−SO−およびこれらの2価基を2つ以上組み合わせて得られる基であり、その内より好ましいものは−O−、−CO−、−SO2NR7−、−NR7SO2−、−CONR7−、−NR7CO−、−COO−、−OCO−およびアルキニレン基であり、最も好ましくは−CONR7−、−NR7CO−、−COO−、−OCO−およびアルキニレン基である。ここで、置換基の例としては前述のR1、R2、R3、R4、R5、R6における置換基の例を挙げることができる。
nおよびmは各々独立に0〜4の整数を表し、mが2以上である場合は繰り返し単位中のR1は各々同一であっても異なっていてもよく、nが2以上である場合は繰り返し単位中のR2は各々同一であっても異なっていてもよい。pおよびqは各々独立に0〜3の整数を表し、pが2以上である場合は繰り返し単位中のR3は各々同一であっても異なっていてもよく、qが2以上である場合は繰り返し単位中のR4は各々同一であっても異なっていてもよい。また、R3はR5とR4はR6と互いに結合して環を形成していてもよい。なお、レターデーション制御効果の観点からは、一般式(3)で表される化合物は対称化合物または対称に近い化合物であることが好ましいため、一般式(3)において中央に位置するシクロヘキサンの1,4位に結合する基は同一構造または近似する構造を有することが好ましい。
以下に一般式(3)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明で用いることができる一般式(3)で表される化合物は以下の具体例によって何ら限定されることはない。
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
一般式(1)で表される化合物のうち、下記一般式(4)で表される化合物も好ましく用いることができる。
Figure 2007017626
[一般式(4)中、R1、R2、R3およびR4は各々独立に置換基を表し、E1、E2、E3およびE4は各々独立に酸素原子または硫黄原子を表す。L1およびL2は各々独立に2価の連結基を表し、nおよびmは各々独立に0〜4の整数を表し、pおよびqは各々独立に1〜10の整数を表す。]
1およびR2は各々独立に置換基を表す。置換基として好ましくは上記置換基Tの好ましい例として挙げたものを例示することができる。置換基が二つ以上ある場合は、各々同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
3およびR4は各々独立に置換基を表す。置換基として好ましくは上記置換基Tの好ましい例として挙げたものを例示することができる。中でも、アルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、スルファモイル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基が好ましい。また、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基がさらに好ましい。
1およびL2は各々独立に2価の連結基を表す。L1およびL2は同じであってもよく、異なっていてもよい。2価の連結基は、例えばアリーレン基以外の2価の連結基であり、好ましくは、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基およびこれらの2価基を2つ以上組み合わせて得られる基であり、2つ以上の組み合わせにより構成される際、さらに他の2価の連結基で連結されていてもよい。このような2価の連結基としては−NR7−(R7は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表す)で表される基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−SO2NR7−、−NR7SO2−、−CONR7−、−NR7CO−、−COO−および−OCO−である。置換基として好ましくは上記置換基Tの好ましい例として挙げたものを例示することができる。
nおよびmは各々独立に0〜4の整数を表し、mが2以上である場合は繰り返し単位中のR1は各々同一であっても異なっていてもよく、nが2以上である場合は繰り返し単位中のR2は各々同一であっても異なっていてもよい。pおよびqは各々独立に0〜10の整数を表し、pが2以上である場合は繰り返し単位中のE4、L2は各々同一であっても異なっていてもよく、qが2以上である場合は繰り返し単位中のE3、L1は各々同一であっても異なっていてもよい。なお、レターデーション制御効果の観点からは、一般式(4)で表される化合物は対称化合物または対称に近い化合物であることが好ましいため、一般式(4)において中央に位置するシクロヘキサンの1,4位に結合する基は同一構造または近似する構造を有することが好ましい。
以下に一般式(4)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明で用いることができる一般式(4)で表される化合物は以下の具体例によって何ら限定されることはない。
Figure 2007017626
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Figure 2007017626
Figure 2007017626
(紫外線吸収剤)
本発明の光学フィルムには、有機化合物として紫外線吸収剤を用いることもできる。本発明で用いる紫外線吸収剤は、200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、フィルムの紫外線耐久性を付与するか、あるいは分子自身の屈折率異方性を利用してレターデーションを調整する作用を有することが好ましい。
本発明では、紫外線吸収剤として200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、化合物自身のRe、Rthの波長分散が可視域の短波長側が大きいと想定されるものを用いることによって、例えばセルロースアシレートフィルムの短波長側のレターデーションの波長依存性を特に調節することができる。特に平板状の紫外線吸収剤を用いた場合には、フィルム面に平行に配向させることでレターデーションRthを増加させる効果を高くすることができる。ただし、紫外線吸収剤はセルロースアシレートに十分均一に相溶することが要求される。このような化合物の紫外領域の吸収帯範囲は200〜400nmが好ましいが、220〜395nmがより好ましく、240〜390nmがさらに好ましい。
また、液晶表示装置に用いられる光学部材は、透過率が優れたものが要求されており、可視域における分光透過率が優れていることが要求される。本発明の光学フィルム(特にセルロースアシレートフィルム)が前記紫外線吸収剤を含有する場合には、波長380nmにおける分光透過率が45%〜95%であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることが好ましい。
本発明で用いられる紫外線吸収剤は、揮散性の観点から分子量が250〜1000であることが好ましい。より好ましくは260〜800であり、さらに好ましくは270〜800であり、特に好ましくは300〜800である。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であってもよいし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でもよい。
また、本発明で用いられる紫外線吸収剤は、取り扱い性とドープへの溶解性の観点で、好ましくは25℃で液体であるか、融点が25〜250℃の固体であり、さらに好ましくは25℃で液体であるか、融点が25〜200℃の固体である。本発明で用いられる紫外線吸収剤は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
これら紫外線吸収剤は、単独で用いても、2種以上の化合物を任意の比で混合して用いてもよい。
紫外線吸収剤の添加量は、ポリマー樹脂(好ましくはセルロースアシレート)に対して0.01〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましく、0.2〜10質量%であることが特に好ましい。また紫外線吸収剤を添加する時期は、ドープ作製工程中の何れの段階であってもよく、ドープ作製後に追加工程として添加してもよい。
本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノ基を含む化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられるが、本発明で用いることができる紫外線吸収剤はこれらに限定されるものではない。これらのうち、下記一般式(101)〜(103)で表される化合物が好ましく、一般式(101)または一般式(102)で表される化合物がより好ましく、一般式(101)で表される化合物がさらに好ましい。
一般式(101) Q1−Q2−OH
[一般式(101)中、Q1は含窒素芳香族ヘテロ環基、Q2は2価の芳香族環基を表す。]
1は含窒素芳香族へテロ環基を表し、好ましくは5〜7員の含窒素芳香族ヘテロ環基であり、より好ましくは5または6員の含窒素芳香族ヘテロ環基である。含窒素芳香族へテロ環基を構成する含窒素芳香族へテロ環としては、例えば、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、セレナゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンゾセレナゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、ナフトチアゾール環、ナフトオキサゾール環、アザベンズイミダゾール環、プリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアザインデン環、テトラザインデン環などの各環基が挙げられ、さらに好ましくは、5員の含窒素芳香族ヘテロ環、またはトリアジン環であり、具体的にはイミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンズオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、1,3,5−トリアジン環などが好ましく、特に好ましくは、ベンゾトリアゾール環または1,3,5−トリアジン環である。
1で表される含窒素芳香族ヘテロ環はさらに置換基を有してもよく、置換基としては前述の置換基Tを例示することができる。また、置換基が複数ある場合には各々が縮環してさらに環を形成してもよい。
2で表される芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、さらに他の環と縮合環を形成してもよい。
芳香族炭化水素環として好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、さらに好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。さらに好ましくはベンゼン環である。
芳香族ヘテロ環として好ましくは、窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアゾール環、トリアジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、チアゾリン環、チアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾリン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、テトラゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンゾトリアゾール環、テトラザインデン環などの各環が挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン環、トリアジン環、キノリン環である。
2で表わされる芳香族環基として好ましくは、芳香族炭化水素環基であり、より好ましくはナフタレン環基、ベンゼン環基であり、特に好ましくはベンゼン環基である。Q2はさらに置換基を有してもよく、好ましい置換基として前述の置換基Tを例示することができる。
一般式(101)で表される化合物の中で好ましいのは、下記一般式(101−A)で表される化合物である。
Figure 2007017626
[一般式(101−A)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は各々独立に水素原子または置換基を表す。]
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は各々独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては前述の置換基Tを例示することができる。またこれらの置換基はさらに別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
1およびR3として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素数4〜12)である。
2およびR4として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
5およびR8として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
6およびR7として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子であり、特に好ましくは水素原子、塩素原子である。
一般式(101)で表される化合物の中でより好ましいのは、下記一般式(101−B)で表される化合物である。
Figure 2007017626
[一般式(101−B)中、R1、R3、R6およびR7は一般式(101−A)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。]
一般式(101)で表される化合物の他の好ましい化合物として、下記一般式(101−C)で表される化合物も挙げることができる。
一般式(101−C)
1−Q2−OH
[一般式(101−C)中、Q1は1,3,5−トリアジン環、Q2は2価の芳香族環基を表す。]
一般式(101−C)中、Q1は1,3,5−トリアジン環を表し、さらに置換基を有してもよく、置換基としては上述の置換基Tを例示することができる。また、置換基が複数ある場合には各々が縮環してさらに環を形成してもよい。Q2で表される芳香族環基は一般式(101)のものと同義である。
一般式(101)としてさらに好ましくは下記一般式(101−D)で表される化合物である。
Figure 2007017626
[一般式(101−D)中、R1は水素原子または置換基を表し、R2およびR11は各々独立に置換基を表す。]
一般式(101−D)中、R1は以下の(a)、(b)、(c)のいずれかの置換基を表すことが好ましい。すなわち、(a)炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;フェニル基、OH、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数5〜12のシクロアルコキシ基、炭素原子数3〜18のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、−COOH、−COOR4、−O−CO−R5、−O−CO−O−R6、−CO−NH2、−CO−NHR7、−CO−N(R7)(R8)、CN、NH2、NHR7、−N(R7)(R8)、−NH−CO−R5、フェノキシ基、炭素原子数1〜18のアルキル基で置換されたフェノキシ基、フェニル−炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルコキシ基、炭素原子数6〜15のビシクロアルケニルアルコキシ基、または炭素原子数6〜15のトリシクロアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜18のアルキル基;OH、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基または−O−CO−R5で置換された炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;グリシジル基;−CO−R9または−SO2−R10を表すか、あるいは、(b)R1は1以上の酸素原子で中断されたおよび/またはOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換された炭素原子数3〜50のアルキル基を表すか、あるいは、(c)R1は−A;−CH2−CH(XA)−CH2−O−R12;−CR13R’13−(CH2m−X−A;−CH2−CH(OA)−R14;−CH2−CH(OH)−CH2 −XA;
Figure 2007017626
−CR15R’15−C(=CH2)−R”15;−CR13R’13−(CH2m−CO−X−A;−CR13R’13−(CH2m−CO−O−CR15R’15−C(=CH2)−R”15または−CO−O−CR15R’15−C(=CH2)−R”15(式中、Aは−CO−CR16=CH−R17を表す。)で表されるものであることが好ましい。
2 は、互いに独立して、炭素原子数6〜18のアルキル基;炭素原子数2〜6のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;COOR4 ;CN;−NH−CO−R5 ;ハロゲン原子;トリフルオロメチル基;−O−R3 を表すことが好ましい。
3 は、R1 と同義である。R4 は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表すか;あるいはR4 は1以上の−O−、−NH−、−NR7 −、−S−で中断されたおよびOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換されていてもよい、炭素原子数3〜50のアルキル基を表す。
5 は、水素原子;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数2〜18のアルケニル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルケニル基;炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基を表す。
6 は、水素原子;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表す。
7 およびR8 は互いに独立して炭素原子数1〜12のアルキル基;炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基;炭素原子数4〜16のジアルキルアミノアルキル基を表すか;または炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表し;あるいはR7 およびR8 は一緒になって炭素原子数3〜9のアルキレン基、炭素原子数3〜9のオキサアルキレン基または炭素原子数3〜9のアザアルキレン基を表す。
9 は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数2〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルキル基、炭素原子数6〜15のビシクロアルケニル基;または炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基を表す。
10は炭素原子数1〜12のアルキル基;フェニル基;ナフチル基;または炭素原子数7〜14のアルキルフェニル基を表す。
11は互いに独立して水素原子;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜6のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;ハロゲン原子;炭素原子数1〜18のアルコキシ基を表す。
12は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数3〜8のアルケノキシ基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基で1〜3回置換されたフェニル基を表すか;または炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルキルアルキル基;炭素原子数6〜15のビシクロアルケニルアルキル基;−CO−R5 を表すか、またはR12は1以上の−O−、−NH−、−NR7 −、−S−で中断されたおよびOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換されていてもよい、炭素原子数3〜50のアルキル基を表す。
13およびR’13は互いに独立してH;炭素原子数1〜18のアルキル基;フェニル基を表す。
14は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基;フェニル基;フェニル−炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。
15、R’15およびR”15は互いに独立して水素原子またはCH3 を表し;R16は水素原子;−CH2 −COO−R4 ;炭素原子数1〜4のアルキル基;またはCNを表し、R17水素原子;−COOR4 ;炭素原子数1〜17のアルキル基;またはフェニル基を表す。
Xは−NH−;−NR7 −;−O−;−NH−(CH2 p −NH−;または−O−(CH2 q −NH−を表し;および指数mは数0−19を表し;nは数1〜8を表し;pは数0〜4を表し;qは数2〜4を表す;但し一般式(101−D)中、基R1 、R2 およびR11の少なくとも1つが2個以上の炭素原子を含む。
さらに一般式(101−D)の化合物を説明する。
アルキル基としての基R1 〜R10、R12〜R14、R16およびR17は、枝分かれもしくは枝分かれされたアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基またはオクタデシル基が挙げられる。
炭素原子数5〜12のシクロアルキル基としてのR1 、R3 〜R9 およびR12は、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基が挙げられる。好ましいのもはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基およびシクロドデシル基である。
アルケニル基としてのR6 、R9 、R11およびR12には、特にアリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、n−ペンタ−2,4−ジエチル基、3−メチル−ブテ−2−エニル基、n−オクテ−2−エニル基、n−ドデセ−2−エニル基、イソ−ドデセニル基、n−ドデセ−2−エニル基およびn−オクタデセ−4−エニル基が含まれる。
置換されたアルキル基、シクロアルキル基またはフェニル基は1回以上の置換できおよび結合している炭素原子において(α−位において)または他の炭素原子において置換基をもつことができ;置換基がヘテロ原子によって(例えばアルコキシ基)結合する場合、それは好ましくはα−位においてでなくおよび置換されたアルキル基は2、特には3個の、またはそれ以上の炭素原子を含む。2以上の置換基は好ましくは異なる炭素原子と結合する。
また、−O−、−NH−、−NR7 −、−S−により中断されたアルキル基はこれらの基の1以上で中断されていてもよく、各々の場合一般に一つの結合中に1つの基が挿入されており、およびヘテロ−ヘテロ結合、例えばO−O、S−S、NH−NHなどは生じず;中断されたアルキル基がさらに置換されている場合、置換基は一般にヘテロ原子に対してα位にない。1つの基の中で2以上の−O−、−NH−、−NR7 −、−S−のタイプの中断する基が生じる場合、それらは一般に同一である。
アリール基は、一般に芳香族炭化水素基であり、例えばフェニル基、ビフェニルイル基またはナフチル基が挙げれ、好ましくはフェニル基およびビフェニルイル基である。アルアルキルは一般にアリール基、特にフェニル基により置換されたアルキル基であり;従って炭素原子数7〜20のアルアルキルは、例えばベンジル基、α−メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基およびフェニルヘキシル基を含み;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基は好ましくはベンジル基、α−メチルベンジル基およびα,α−ジメチルベンジル基である。
アルキルフェニル基およびアルキルフェノキシ基は各々アルキル基で置換されたフェニル基またはフェノキシ基である。
ハロゲン置換基となるハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、より好ましいものはフッ素原子または塩素原子であり特に塩素原子であることが好ましい。
炭素原子数1〜20のアルキレン基は例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などである。ここにアルキル鎖はまた枝分かれでき、例えばイソプロピレン基である。
炭素原子数4〜12のシクロアルケニル基は、例えば、2−シクロブテニ−2−イル基、2−シクロペンテニ−1−イル基、2,4−シクロペンタジエニ−1−イル基、2−シクロヘキセ−1−イル基、2−シクロヘプテニ−1−イル基、または2−シクロオクテニ−1−イル基である。
炭素原子数6〜15のビシクロアルキル基は、例えば、ボルニル基、ノルボルニル基、[2.2.2]ビシクロオクチル基である。ボルニル基およびノルボルニル基、特にボルニル基およびノルボルニ−2−イル基が 好ましい。
炭素原子数6〜15のビシクロアルコキシ基は、例えばボルニルオキシ基またはノルボルニ−2−イルオキシ基である。
炭素原子数6〜15のビシクロアルキル−アルキル基または−アルコキシ基は、ビシクロアルキル基で置換されたアルキル基またはアルコキシ基で、炭素原子の総数が6〜15であるものであり;具体例はノルボルナン−2−メチル基およびノルボルニル−2−メトキシ基である。
炭素原子数6〜15のビシクロアルケニル基は、例えば、ノルボルネニル基、ノルボルナジエニル基である。好ましいものは、ノルボルネニル基、特にノルボルネ−5−エン基である。
炭素原子数6〜15のビシクロアルケニルアルコキシ基は、ビシクロアルケニル基で置換されたアルコキシ基で、炭素原子の総数が6〜15であるものであり;ある実例はノルボルネ−5−エン−2−メトキシ基である。
炭素原子数6〜15のトリシクロアルキル基は、例えば、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基である。好ましいものは1−アダマンチル基で示される。
炭素原子数6〜15のトリシクロアルコキシ基は、例えば、アダマンチルオキシ基である。炭素原子数3〜12のヘテロアリール基は、好ましくは、ピリジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、フラニル基、チオフェニルまたはキノリニル基である。
一般式(101−D)で表される化合物はさらに好ましくは、R1が下記(a’)、(b’)または(c’)のいずれかである。すなわち、(a’)炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数3〜12のアルケニル基;フェニル基;フェニル基、OH、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数5〜12のシクロアルコキシ基、炭素原子数3〜18のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、−COOH、−COOR4 、−O−CO−R5 、−O−CO−O−R6 、−CO−NH2 、−CO−NHR7 、−CO−N(R7 )(R8 )、CN、NH2 、NHR7 、−N(R7 )(R8 )、−NH−CO−R5 、フェノキシ基、炭素原子数1〜18のアルキル基で置換されたフェノキシ基、フェニル−炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ボルニルオキシ基、ノルボルニ−2−イルオキシ基、ノルボルニル−2−メトキシ基、ノルボルネ−5−エン−2−メトキシ基、アダマンチルオキシ基で置換された炭素原子数1〜18のアルキル基;OH、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基および/または−O−CO−R5で置換された炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;グリシジル基;−CO−R9または−SO2−R10を表すか、(b’)R1は1以上の酸素原子で中断されたおよび/またはOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換された炭素原子数3〜50のアルキル基を表すか、あるいは(c’)−A;−CH2−CH(XA)−CH2−O−R12;−CR13
R’13−(CH2m−X−A;−CH2−CH(OA)−R14;−CH2−CH(OH)−CH2−XA;
Figure 2007017626
−CR15R’15−C(=CH2)−R”15;−CR13R’13−(CH2m−CO−X−A;−CR13R’13−(CH2m−CO−O−CR15R’15−C(=CH2)−R”15または−CO−O−CR15R’15−C(=CH2)−R”15(式中、Aは−CO−CR16=CH−R17を表す。)の一つを表すものであることが好ましい。
2は炭素原子数6〜18のアルキル基;炭素原子数2〜6のアルケニル基;フェニル基;−O−R3または−NH−CO−R5を表し、R3はR1と同義でありかつ互いに独立している。R4は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表すか;あるいはR4は1以上の−O−、−NH−、−NR7−、−S−で中断されおよびOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換されていてもよい、炭素原子数3〜50のアルキル基を表す。
5は水素原子;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数2〜18のアルケニル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;ノルボルニ−2−イル基;ノルボルネ−5−エニ−2−イル基;アダマンチル基を表す。
6 は水素原子;炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表す。
7 およびR8 は互いに独立して炭素原子数1〜12のアルキル基;炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基;炭素原子数4〜16のジアルキルアミノアルキル基を表すか;または炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を表し;あるいはR7 およびR8 は一緒になって炭素原子数3〜9のアルキレン基;炭素原子数3〜9のオキサアルキレン基または炭素原子数3〜9のアザアルキレン基を表す。
9 は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数2〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;ノルボルニ−2−イル基;ノルボルネ−5−エニ−2−イル基;アダマンチル基を表す。
10は炭素原子数1〜12のアルキル基;フェニル基;ナフチル基;または炭素原子数7〜14のアルキルフェニル基を表す。
11は互いに独立して水素原子;炭素原子数1〜18のアルキル基;または炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基を表す。
12は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜18のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数3〜8のアルケノキシ基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基で1〜3回置換されたフェニル基を表すか;または炭素原子数7〜11のフェニルアルキル基;炭素原子数5〜12のシクロアルキル基;1−アダマンチル基;2−アダマンチル基;ノルボルニル基;ノルボルナン−2−メチル−;−CO−R5 を表し;またはR12は1以上の−O−、−NH−、−NR7 −、−S−で中断されたおよびOH、フェノキシ基もしくは炭素原子数7〜18のアルキルフェノキシ基で置換されていてもよい炭素原子数3〜50のアルキル基を表す。
13およびR’13は互いに独立して水素原子;炭素原子数1〜18のアルキル基;フェニル基を表す。
14は炭素原子数1〜18のアルキル基;炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基;フェニル基;フェニル−炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。
15、R’15およびR”15は互いに独立してHまたはCH3 を表し;R16は水素原子;−CH2 −COO−R4 ;炭素原子数1〜4のアルキル基;またはCNを表し;R17は水素原子;−COOR4 ;炭素原子数1〜17のアルキル基;またはフェニル基を表す。
Xは−NH−;−NR7 −;−O−;−NH−(CH2 p −NH−;または−O−(CH2 q −NH−を表し、mは数0〜19を表し、nは数1〜8を表し、pは数0〜4を表し、qは数2〜4を表す。
一般式(101−C)および(101−D)で表される化合物は慣用の方法により、例えば欧州特許第434608号公報またはH.BrunettiおよびC.E.Luthi, Helv. Chim.Acta 55, 1566(1972) による刊行物に示される方法に従ってまたはそれと同様に、相当するフェノールへのハロトリアジンのフリーデル−クラフツ付加によって、公知の化合物と同様に得ることができる。
次に、一般式(101)で表される化合物の好ましい例を下記に示すが、本発明で用いることができる紫外線吸収剤はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
また本発明に用いられる有機化合物として、下記一般式(102)で示される波長分散調整剤を用いてもよい。
Figure 2007017626
[一般式(102)中、Q1は芳香族環基を表し、Q2は2価の芳香族環基を表す。XはNR(Rは水素原子または置換基を表す。)、酸素原子または硫黄原子を表す。]
1およびQ2で表される芳香族環基は芳香族炭化水素環基でも芳香族ヘテロ環基でもよい。また、これらは単環であってもよいし、さらに他の環と縮合環を形成してもよい。
1およびQ2で表される芳香族炭化水素環基を構成する芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、さらに好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)さらに好ましくはベンゼン環である。
1およびQ2で表される芳香族ヘテロ環基として好ましくは、酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のどれかひとつを少なくとも1つ含む芳香族ヘテロ環基である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン環、ピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアゾール環、トリアジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、チアゾリン環、チアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾリン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、テトラゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンゾトリアゾール環、テトラザインデン環などの各環が挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン環、トリアジン環およびキノリン環である。
1およびQ2で表わされる芳香族環基として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環であり、さらに好ましくは置換または無置換のベンゼン環である。
1およびQ2はさらに置換基を有してもよく、置換基としては上述の置換基Tが好ましいが、置換基にカルボン酸基やスルホン酸基、4級アンモニウム基を含むことはない。また、可能な場合には置換基同士が連結して環構造を形成してもよい。
XはNR(Rは水素原子または置換基を表す。置換基としては後述の置換基Tが適用できる。)、酸素原子または硫黄原子を表し、Xとして好ましくは、NR(Rとして好ましくはアシル基、スルホニル基であり、これらの置換基はさらに置換してもよい。)、または酸素原子であり、特に好ましくは酸素原子である。
一般式(102)で表される化合物の中で好ましいのは、下記一般式(102−A)で表される化合物である。
Figure 2007017626
[一般式(102−A)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は各々独立に水素原子または置換基を表す。]
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は各々独立に水素原子または置換基を表し、置換基として好ましいのは前述の置換基Tである。また、これらの置換基はさらに別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
1、R3、R4、R5、R6、R8およびR9として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
2として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基である。
7として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、さらに好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、さらに好ましくはメチル基)であり、特に好ましくはメチル基、水素原子である。
一般式(102)で表される化合物としてより好ましくは、下記一般式(102−B)で表される化合物である。
Figure 2007017626
[一般式(102−B)中、R10は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアリール基を表す。]
10は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアリール基を表し、好ましい置換基として前述の置換基Tを挙げることができる。
10として好ましくは置換または無置換のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5〜20の置換または無置換のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数5〜12の置換または無置換のアルキル基(n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基、などが挙げられる。)であり、特に好ましくは、炭素数6〜12の置換または無置換のアルキル基(2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基)である。
一般式(102)で表わされる化合物は特開平11−12219号公報記載の公知の方法により合成できる。
以下に一般式(102)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明で用いることができる一般式(102)で表される化合物は下記具体例によって何ら限定されるものではない。
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
また本発明に用いられる有機化合物として、一般式(103)で示される波長分散調整剤も好ましく用いられる。
Figure 2007017626
[一般式(103)中、Q1およびQ2は各々独立に芳香族環基を表す。X1およびX2は各々独立に水素原子または置換基を表し、少なくともどちらか1つはシアノ基を表す。]
1およびQ2で表わされる芳香族環基は芳香族炭化水素環基でも芳香族ヘテロ環基でもよい。また、これらは単環であってもよいし、さらに他の環と縮合環を形成してもよい。
芳香族炭化水素環基を構成する芳香族炭化水素環として好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、さらに好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環であり、さらに好ましくはベンゼン環である。
芳香族ヘテロ環として好ましくは窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアゾール環、トリアジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、チアゾリン環、チアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾリン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、テトラゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンゾトリアゾール環、テトラザインデン環などの各環が挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン環、トリアジン環およびキノリン環である。
1およびQ2で表わされる芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくはベンゼン環である。
1およびQ2はさらに置換基を有してもよく、置換基としては前述の置換基Tが好ましい。
1およびX2は水素原子または置換基を表し、少なくともどちらか1つはシアノ基を表す。X1およびX2で表される置換基として好ましいのは前述の置換基Tである。また、X1およびX2で表される置換基はさらに他の置換基によって置換されてもよく、X1およびX2は各々が縮環して環構造を形成してもよい。
1およびX2として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは、シアノ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、さらに好ましくはシアノ基、カルボニル基であり、特に好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基(−C(=O)OR(Rは、炭素数1〜20アルキル基、炭素数6〜12のアリール基およびこれらを組み合せたもの)である。
一般式(103)で表される化合物として好ましくは、下記一般式(103-A)で表される化合物である。
Figure 2007017626
[一般式(103-A)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は各々独立に水素原子または置換基を表す。X1およびX2は一般式(103)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。]
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は各々独立に水素原子または置換基を表し、好ましい置換基は前述の置換基Tである。またこれらの置換基はさらに別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
1、R2、R4、R5、R6、R7、R9およびR10として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
3およびR8として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、さらに好ましくは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12アルコキシ基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(103)で表される化合物としてより好ましくは、下記一般式(103−B)で表される化合物である。
Figure 2007017626
[一般式(103−B)中、R3およびR8は一般式(103−A)におけるそれらと同義であり、また、好ましい範囲も同様である。X3は水素原子、または置換基を表す。]
3は水素原子または置換基を表し、好ましい置換基は前述の置換基Tである。また、可能な場合はさらに他の置換基で置換されてもよい。X3として好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは、シアノ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、さらに好ましくはシアノ基、カルボニル基であり、特に好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基(−C(=O)OR(Rは、炭素数1〜20アルキル基、炭素数6〜12のアリール基およびこれらを組み合せたもの)である。
一般式(103)で表される化合物としてさらに好ましくは、下記一般式(103−C)で表される化合物である。
Figure 2007017626
[一般式(103−C)中、R3およびR8は一般式(103-A)におけるそれらと同義であり、また、好ましい範囲も同様である。R21は炭素数1〜20のアルキル基を表す。]
21として好ましくはR3およびR8が両方水素の場合には、炭素数2〜12のアルキル基であり、より好ましくは炭素数4〜12のアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数6〜12のアルキル基であり、特に好ましくは、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルへキシル基、n−デシル基、、n−ドデシル基であり、最も好ましくは2−エチルへキシル基である。
3およびR8が水素以外の場合には、R21は、一般式(103-C)で表される化合物の分子量が300以上になり、かつ炭素数20以下の炭素数のアルキル基が好ましい。
一般式(103)で表される化合物はJounal of American Chemical Society 63巻 3452頁(1941)記載の方法によって合成できる。
以下に一般式(103)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明で用いることができる一般式(103)で表される化合物は下記具体例により何ら限定されるものではない。
Figure 2007017626
Figure 2007017626
Figure 2007017626
(架橋剤)
本発明では、有機化合物として架橋剤を用いることができる。例えば、本発明の光学フィルムを主として構成する材料としてセルロースアシレートを用いる場合は、セルロース単位含有共重合体の架橋法として知られているいずれかの方法において用いられる架橋剤の中から選択して用いることができる。
架橋剤として、例えば、ジビニル化合物、ホルムアルデヒドで代表されるモノアルデヒド、ジアルデヒドなどのアルデヒド化合物、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物;スミジュールN(住友バイエルウレタン社製)の如きビュレットポリイソシアネート化合物;デスモジュールIL、HL(バイエルA.G.社製)、コロネートEH(日本ポリウレタン工業(株)製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物;スミジュールL(住友バイエルウレタン(株)社製)の如きアダクトポリイソシアネート化合物、コロネートHL(日本ポリウレタン工業(株)製)、クリスボンNX(大日本インキ化学工業(株)製)の如きアダクトポリイソシアネート化合物などを挙げることができる。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併用することもできる。また、ブロックイソシアネートを使用しても構わない。その他ホウ素化合物などの無機架橋剤、リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エステル類;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジルメタクリレート、グリシドール、アクリルグリシジルエーテル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルの市販品として、エピコート827、エピコート828、エピコート834、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009およびエピコート825(以上、油化シェルエポキシ(株)製商品名)、アラルダイトGY250およびアラルダイトGY6099(以上、チバガイギー社製商品名)、ERL2774(ユニオンカーバイト社製商品名)、DER332、DER331およびDER661(以上、ダウケミカル社製商品名)などがある。エポキシフェノールノボラックの市販品として、エピコート152およびエピコート154(以上、油化シェルエポキシ(株)製商品名)、DEN438およびDEN448(以上、ダウケミカル社製商品名)、アラルダイトEPN1138およびアラルダイトEPN1139(以上、チバガイギー社製商品名)など、エポキシクレゾールノボラックの市販品として、アラルダイトECN1235、アラルダイトECN1273およびアラルダイトECN1280(以上、チバガイギー社製商品名)など、ブロモ化エポキシ樹脂の市販品として、エピコート5050(油化シェルエポキシ(株)製商品名)、BREN(日本化薬株式会社製商品名)などが挙げられる。その他、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル(フタル酸、ジヒドロフタル酸およびテトラヒドロフタル酸などの二塩基酸とエピハロヒドリンとの反応によって得られるジグリシジルエステル化合物)、アミノフェノール、ビス(4−アミノフェニル)メタンなどの芳香族アミンとエピハロヒドリンとの反応によって得られるエポキシ化合物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンタジエンなどと過酢酸などとの反応により得られる環式脂肪族エポキシ化合物、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エピコート604(油化シェルエポキシ(株)製商品名)を挙げることもできる。これらの官能基はセルロースの側鎖に付加させることもできる。
本発明における架橋剤の添加量は特に限定されないが、フィルム強度、平面性の点からは基質ポリマーに対して0.5〜30質量%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
0.5質量%以上であればセルロースエステル樹脂を十分に架橋することができ、十分な耐熱性・機械的強度が得られやすく、偏光板との密着性も得られやすい。また、30質量%以下であれば、架橋が速やかに進行し、靭性が良好で、ハンドリングにおいて架橋樹脂に割れなどが発生することもなく歩留まりがよい。
[無機微粒子]
(無機微粒子の種類、性状および添加量)
本発明の光学フィルムに使用される無機微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムを挙げることができる。無機微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子サイズが20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものが光学フィルムのヘイズを下げることができるため、より好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットルがさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの無機微粒子は、通常平均粒子サイズが0.1〜3.0μmの2次粒子を形成し、これらの無機微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子サイズは0.2μm〜1.5μmが好ましく、0.4μm〜1.2μmがさらに好ましく、0.6μm〜1.1μmが最も好ましい。二酸化ケイ素誘導体の平均粒子サイズが大きすぎると光透過性が損なわれ、および平均粒子サイズが小さすぎると接着改良効果が得られないことがある。1次、2次粒子サイズはフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒子サイズとした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子サイズとした。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR−7200、R−711、R−104、R−106、R−8200、R−202、R972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976およびR811(以上、日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vが1次平均粒子サイズが20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であり、光学フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明に用いる二酸化ケイ素微粒子は分散および/または濾過により5μm以上の粗大粒子がないことが好ましい。このようにすることにより、粗大粒子により光透過性が阻害されることを防止できることおよび粗大粒子による表面欠陥がフィルムの商品価値を減ずることが防止できる。本発明において2次平均粒子サイズの小さな粒子を有するセルロースアシレートフィルムを得るために、無機微粒子の分散液を調製する際にいくつかの手法が考えられる。例えば、溶剤と無機微粒子を撹拌混合した無機微粒子分散液をあらかじめ作成し、この無機微粒子分散液を別途用意した少量のセルロースアシレート溶液に加えて撹拌溶解し、さらにメインのセルロースアシレートドープ液と混合する方法がある。この方法は二酸化珪素微粒子の分散性がよく、二酸化珪素微粒子がさらに再凝集しにくい点で好ましい調製方法である。ほかにも、溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解した後、これに無機微粒子を加えて分散機で分散を行いこれを無機微粒子添加液とし、この無機微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法もある。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がさらに好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が添加量に対する液濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。最終的なセルロースアシレートのドープ溶液中でのマット剤の添加量は1m2あたり0.01〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gがさらに好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。
(メタノールウェッタビリティ)
本発明に用いる無機微粒子としては、親疎水性を示すメタノールウェッタビリティ(MW)が下記式(G)を満たすものであることが好ましい。
式(G) 0≦MW≦80
より好ましくは30<MW≦75、特に好ましくは50<MW≦70である。一般的にメタノールウェッタビリティ(MW)は、無機微粒子表面の親水性、疎水性を示す物性として用いることができる。本発明において採用したMWの測定方法を以下に示す。
メタノール45容量部、純水55容量部の混合液を調製する(この場合、必ずしも調製された混合液の容量は100容量部にはならない)。得られた混合液7mlと無機微粒子粉末0.2gとを10mlの沈降管に入れる。沈降管に蓋をし、ターブラーミキサーを用いて90rpmで30秒間振盪混合し、さらに遠心分離器を用いて3500rpmで10分間粒子を沈降させる。沈降した無機微粒子の容積を読みとりAmlとする。これとは別にメタノール75容量部、純水25容量部の混合液を調製し、得られた混合液7mlを用いて上と同様の処理をして無機微粒子を沈降させ、沈降した無機微粒子の容量を読みとりBmlとする。A/B×100を計算することにより、MW(%)を得る。
MWが高い無機微粒子ほど表面を水に被覆されやすくメタノールの組成に関係なく沈降する。一方で疎水的な無機微粒子は振盪混合、遠心分離処理を行っても沈降せずにMWが低くなる。セルロースアシレートフィルムを作製する場合には、セルロースアシレート溶液に予め分散した無機微粒子を添加する方法が一般的であるが、その場合には、MWが低く疎水的な無機微粒子を用いる方が好ましい。すなわち、MWが高い無機微粒子を用いた場合には、添加した無機微粒子がセルロースアシレート溶液中で再凝集を起こし、得られたフィルムのヘイズ、黒輝度が上昇する問題が発生しやすい。
疎水性の無機微粒子をセルロースアシレート溶液中に添加する際、該溶液中に含まれるより疎水的な添加剤ほど無機微粒子に凝集しやすい。このため、セルロース組成物への添加方法については注意が必要である。そのような無機微粒子の再凝集を抑えるためには、いくつかの手法をとることが可能である。例えば親水的な無機微粒子を使用することで疎水的な添加剤との凝集を抑制したり、無機微粒子分散液に添加剤(主として可塑剤や紫外線吸収剤)またはセルロースアシレートを含ませることで、無機微粒子の周囲を添加剤などで包摂してしまう方法などがある。一方で添加剤を使用するうえで両親媒性の添加剤(主として可塑剤や紫外線吸収剤)などを無機微粒子分散液中に含有せしめたりする方法がある。また添加するうえで、無機微粒子分散液と添加剤(レターデーション発現剤)を別々にセルロースアシレートフィルムドープに添加する方法や、無機微粒子分散液をできるだけ流延する直前にセルロース組成物に添加することが好ましい。以上は、親水性微粒子をセルロースアシレート溶液に添加する場合の例であって、これらに限定される訳ではない。
[光学フィルムの主成分]
本発明の光学フィルムを構成する主たる材料は、セルロースアシレートまたはシクロオレフィン系ポリマーであることが好ましく、特にセルロースアシレートであることが好ましい。
(1)セルロースアシレート
(原料綿)
本発明に用いられるセルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)7頁〜8頁に記載のセルロースを用いることができ、本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
(置換度)
次に上述のセルロースを原料に製造される本発明のセルロースアシレートについて記載する。本発明のセルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換基はアシル基の炭素原子数が2のアセチル基から炭素原子数が22のものまでいずれも用いることができる。本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基に置換する酢酸および/または炭素原子数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度を得ることができる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することができる。なお、本明細書でいう「置換度」とは、セルロースの2位、3位および6位のぞれぞれの水酸基の水素原子が置換されている割合の合計を意味する。2位、3位および6位の全ての水酸基の水素原子がアシル基で置換された場合は置換度が3となる。
上述のように本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、延伸によるレターデーション発現性を考慮するとセルロースの水酸基へのアシル基の置換度が1.50〜3.00であることが好ましい。さらには置換度が2.00〜2.95であることが好ましい、2.50〜2.90であることがより好ましい。
セルロースの水酸基に置換する酢酸および/または炭素原子数3〜22の脂肪酸のうち、炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でも芳香族基でもよく特に限定されず、単一でも2種類以上の混合物でもよい。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、各々さらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、へプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などが好ましく、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基がより好ましい。
(重合度)
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400がさらに好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が高すぎるとセルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなり、流延によりフィルム作製が困難になる。重合度が低すぎると作製したフィルムの強度が低下してしまう。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定でき、特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量部分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。本発明のセルロースアシレートの製造時に使用される際には、その含水率は2質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下であり、特には0.7質量%以下の含水率を有するセルロースアシレートである。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており2.5〜5質量%が知られている。本発明でこのセルロースアシレートの含水率にするためには、乾燥することが必要であり、その方法は目的とする含水率になれば特に限定されない。本発明のこれらのセルロースアシレートは、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明では、セルロースアシレートは1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(セルロースアシレート溶液の有機溶媒)
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましく、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムが製造される。本発明の主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒である。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
セルロースアシレートに対しては塩素系のハロゲン化炭化水素を主溶媒としてもよいし、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)12頁〜16頁に記載されているように、非塩素系溶媒を主溶媒としてもよい。
その他、セルロースアシレート溶液およびその溶媒、その溶解方法等の好ましい態様については、例えば、特開2000−95876号、特開平12−95877号、特開平10−324774号、特開平8−152514号、特開平10−330538号、特開平9−95538号、特開平9−95557号、特開平10−235664号、特開平12−63534号、特開平11−21379号、特開平10−182853号、特開平10−278056号、特開平10−279702号、特開平10−323853号、特開平10−237186号、特開平11−60807号、特開平11−152342号、特開平11−292988号、特開平11−60752号、特開平11−60752号各公報などに記載されている。これらの特許には、セルロースアシレート溶液の物性や共存させる共存物質についても好ましい態様が記載されている。
(セルロースアシレートフィルムの製造工程)
セルロースアシレート溶液(ドープ)の調製に際して、その溶解方法は特に限定されず、室温でも溶解してもよいし、冷却溶解法あるいは高温溶解法、さらにはこれらを組み合わせて溶解してもよい。本発明におけるセルロースアシレート溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
本発明に用いるセルロースアシレート溶液のドープ透明度は85%以上であることが好ましい。より好ましくは88%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。本発明においてはセルロースアシレートドープ溶液に各種の添加剤が十分に溶解していることが好ましい。具体的なドープ透明度の算出は、ドープ溶液を1cm角のガラスセルに注入し、分光光度計(UV−3150、島津製作所)で550nmの吸光度を測定し、溶媒のみを測定したブランクの吸光度との比からセルロースアシレート溶液の透明度を算出する。
次に、本発明のセルロースアシレート溶液を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する方法および設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法および溶液流延製膜装置が好ましく用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。目的に応じて同様の方法を用いて添加剤の種類、含有量を変えた数種類のドープを調製し、風数のドープ排出口からドープを突出する。すなわち、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延する。金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて得られたフィルムを乾燥装置のロール群で機械的に搬送し乾燥を終了して巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。本発明のセルロースアシレートフィルムの主な用途である、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性保護膜やハロゲン化銀写真感光材料に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層などのフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)25頁〜30頁に流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離などに分類して詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
セルロースアシレートフィルムの厚さは10〜120μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜90μmがさらに好ましい。
調製したセルロースアセテート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフィルムを製造する。ドープは、ドラムまたはバンド上に異なるダイから数種類のドープを流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
調製したセルロースアセテート溶液(ドープ)を用いて二層以上の流延を行う共流延法によりフィルム化することもできる。この場合、ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフィルムを作製することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
二層以上の層を形成する場合、複数のセルロースアセテート溶液を流延することが可能で、支持体の進行方向に間隔をおいて設けられた複数の流延口からセルロースアセテートを含む溶液を各々流延させて積層させながらフィルムを作製してもよい。例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、および、特開平11−198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、二つの流延口からセルロースアセテート溶液を同時に積層して流延することによってもフィルム化することもできる。例えば、特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、および、特開平6−134933号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、特開昭56−162617号公報に記載の高粘度セルロースアセテート溶液の流れを低粘度のセルロースアセテート溶液で包み込み、その高、低粘度のセルロースアセテート溶液を同時に押し出すセルロースアセテートフィルムの流延方法を用いることもできる。
また、二個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に成形したフィルムを剥ぎ取り、支持体面に接していた側に第二の流延を行うことにより、フィルムを作製することもできる。例えば、特公昭44−20235号公報に記載の方法を挙げることができる。流延するセルロースアセテート溶液は同一の溶液を用いてもよいし、異なるセルロースアセテート溶液を用いてもよい。複数のセルロースアセテート層に機能をもたせるためには、その機能に応じたセルロースアセテート溶液を、各々の流延口から押し出せばよい。さらに本発明のセルロースアセテート溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、紫外線吸収層、偏光層など)と同時に流延することもできる。
従来の単層液では、必要なフィルム厚さにするためには高濃度で高粘度のセルロースアセテート溶液を押し出すことが必要であり、その場合セルロースアセテート溶液の安定性が悪くて固形物が発生し、ブツ故障となったり、平面性が不良となったりして問題となることが多かった。複数のセルロースアセテート溶液を流延口から流延することにより、高粘度の溶液を同時に支持体上に押し出すことができ、平面性も良化し優れた面状のフィルムが作製できるばかりでなく、濃厚なセルロースアセテート溶液を用いることで乾燥負荷の低減化が達成でき、フィルムの生産スピードを高めることができる。
また、本発明の光学フィルムは、それを構成する全層がセルロースアシレートを主たる構成材料とするものでなくとも、その一部を構成する層がセルロースアシレートを主たる構成材料とするものであってもよい。この場合、セルロースアシレートを主たる構成材料とする層が最表部を構成してもよいし、内層部を構成してもよい。また、内層部のときには、その上下に構成される各々の層は、内層部に関して互いに対称な単層または積層であってもよいし、非対称な単層または積層であってもよい。なお、連続する2層が、アシル基の置換度が同じセルロースアシレートから構成されていても、各々の層を形成するドープの溶媒の種類や組成比、添加物の有無や種類、添加量に差異がある場合には、これらは異なる2層と見なす。
本発明の光学フィルムの層形成方法は、上記の方法には限定されず、塗布液の種類や性状、並びに層を付与する支持体の種類に応じて適宜調整することができる。層の形成方法としては、塗布がもっとも好ましい。
(2)シクロオレフィン系ポリマー
本発明の光学フィルムの主成分としてシクロオレフィン系ポリマーを用いることもできる。以下シクロオレフィン系ポリマーの例として、シクロオレフィン系付加重合体とシクロオレフィン系開環重合体について説明する。
(シクロオレフィン系付加重合体)
本発明に用いられるシクロオレフィン系付加重合体は、下記一般式(11)で表される構造単位(a)と下記一般式(12)で表される構造単位(b)を含むシクロオレフィン系付加重合体が好ましい。
一般式(11)
Figure 2007017626
[一般式(11)中、A1,A2,A3およびA4は各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、炭素数4〜15のシクロアルキル基またはハロゲン原子である。また、A1〜A4には、A1とA2、A1とA3またはA2とA4から形成されるアルキレン基も含まれる。rは0〜2の整数を示す。]
このような構造単位(a)は下記一般式(12)で表される環状オレフィン化合物を付加重合することにより、形成される。
Figure 2007017626
[一般式(12)中、A1,A2,A3およびA4は各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、炭素数4〜15のシクロアルキル基またはハロゲン原子である。またA1〜A4には、A1とA2、A1とA3またはA2とA4から形成されるアルキレン基、アルキリデン基も含まれる。rは0〜2の整数を示す。]
一般式(12)で表される化合物の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘプチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−デシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ドデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロオクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.2.0.15,8]ノナ−2−エン、1−メチルトリシクロ[4.2.0.15,8]ノナ−2−エン、6−メチルトリシクロ[4.2.0.15,8]ノナ−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、3−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、4−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、1−メチルトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、3−メチルトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、1−エチルトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、3−エチルトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、トリシクロ[8.2.1.02,9]トリデカ−11−エン、1−メチルトリシクロ[8.2.1.02,9]トリデカ−11−エン、5−メチルトリシクロ[8.2.1.02,9]トリデカ−11−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,57,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,57,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
また、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−ブテニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、1−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、1−エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエンなどの環状ジオレフィン系化合物を付加重合し、しかる後、側鎖に存在する環状オレフィン性不飽和結合を水素化することにより、構造単位(a)としてもよい。
これらの一般式(12)で表される化合物のうち好ましいものは、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンまたはトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンである。なお、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンには、endo体およびexo体の立体異性体が存在するが、本発明においては、endo体を使用した方が最終的に得られるフィルムの靱性が高まるため好ましく、少なくともendo体含量が80%以上のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンを使用することが好ましい。また、endo体のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエンを用いて付加重合し、しかる後側鎖に残存する環状オレフィン性不飽和結合を水素化する方法も同様に好ましい。この場合でも、endo体含量は80%以上であることが好ましい。これらを用いて得られる環状オレフィン系重合体は、透明性、耐熱性が優れるだけでなく、低吸水性、低誘電性、および高い靭性を有する重合体となる。なお、一般式(12)で表される化合物は1種または2種以上を用いることができる。
(シクロオレフィン系開環重合体)
シクロオレフィン系開環重合体としては、下記一般式(13)で表わされる繰り返し単位を有する開環重合体を好ましく用いることができる。
Figure 2007017626
[一般式(13)中、mは1以上の整数、pは0または1以上の整数であり、Xは、ビニレン基(−CH=CH−)またはエチレン基(−CH2CH2−)を示し、R1〜R4は、各々独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換若しくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を示す。R1とR2、R3とR4またはR2とR3は、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環を形成していてもよく、形成される炭素環または複素環は芳香環であってもよいし非芳香環であってもよい。]
[光学フィルムの用途]
本発明の光学フィルムは、特に偏光板の保護フィルム、液晶表示装置の光学補償シート、反射型液晶表示装置の光学補償シート、ハロゲン化銀写真感光材料用支持体として有用である。本発明の光学フィルムの厚さは、これらの用途によって定まり、特に制限はないが好ましくは30μm以上、より好ましくは30〜200μmである。
(機能層)
本発明のフィルムは、その用途として光学用途と写真感光材料に適用される。特に光学用途が液晶表示装置であることが好ましく、液晶表示装置が、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償シートを配置した構成であることがさらに好ましい。これらの液晶表示装置としては、TN、IPS、FLC、AFLC、OCB、STN、ECB、VAおよびHANが好ましい。
その際に前述の光学用途に本発明の光学フィルムを用いるに際し、各種の機能層を付与することが実施される。それらは、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層、配向層、液晶層などである。本発明の光学フィルム(特にセルロースアシレート光学フィルム)を用いることができるこれらの機能層およびその材料としては、界面活性剤、滑り剤、マット剤、帯電防止層、ハードコート層などが挙げられ、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)32頁〜45頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
(偏光板)
本発明の光学フィルムは特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号各公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレートなどのビニル系ラテックスなどが挙げられる。
偏光板は偏光子およびその両面を保護する保護フィルムで構成されており、さらに該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルムおよびセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時などにおいて偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層などが設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが得に好ましい。
(一般的な液晶表示装置の構成)
本発明の光学フィルム(特にセルロースアシレート光学フィルム)を光学補償フィルムとして用いる場合は、偏光素子の透過軸と、光学フィルムからなる光学補償フィルムの遅相軸とをどのような角度で配置しても構わない。液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
(液晶表示装置の種類)
本発明の光学フィルム(特にセルロースアシレート光学フィルム)は、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensated Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertical Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の光学フィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
(TN型液晶表示装置)
本発明の光学フィルム(特にセルロースアシレート光学フィルム)を、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くから良く知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.143や、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.1068)に記載がある。
(STN型液晶表示装置)
本発明の光学フィルム(特にセルロースアシレート光学フィルム)を、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
(VA型液晶表示装置)
本発明の光学フィルム(特にセルロースアシレート光学フィルム)は、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置に用いる光学補償シートのReレターデーション値を0〜150nmとし、Rthレターデーション値を70〜400nmとすることが好ましい。Reレターデーション値は、20〜70nmであることがさらに好ましい。VA型液晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は70〜250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は150〜400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
(IPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置)
本発明の光学フィルム(特にセルロースアシレート光学フィルム)は、IPSモードおよびECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置の光学補償シートの支持体、または偏光板の保護膜としても特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明の光学フィルムを用いた偏光板は色味の改善、視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護膜のうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護膜(セル側の保護膜)に本発明の光学フィルムを用いた偏光板を少なくとも片側一方に用いることが好ましい。さらに好ましくは、偏光板の保護膜と液晶セルの間に光学異方性層を配置し、配置された光学異方性層のレターデーションの値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定するのが好ましい。
(OCB型液晶表示装置およびHAN型液晶表示装置)
本発明の光学フィルム(特にセルロースアシレート光学フィルム)は、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートには、レターデーションの絶対値が最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.38(1999)p.2837)に記載がある。
(反射型液晶表示装置)
本発明の光学フィルム(特にセルロースアシレート光学フィルム)は、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest-Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、国際公開WO98/48320号、特許第3022477号の各公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、国際公開第00/65384号パンフレットに記載がある。
(その他の液晶表示装置)
本発明の光学フィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
(1)内層用ドープの調製
ミキシングタンクに、表3に記載の組成物を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、内層用ドープT−1〜T−11を調製した。
Figure 2007017626
(2)最外層用ドープの調製
表4に記載のシリカ粒子(日本アエロジル(株)製)を20質量部、メタノール80質量部を30分間よく攪拌混合してシリカ微粒子分散液とした。
Figure 2007017626
得られたシリカ微粒子分散液を下記の成分とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、最外層用ドープS−1〜S−11を調製した。
<最外層用ドープの組成>
シリカ粒子分散液 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
セルロースアシレート溶液(T−2) 10.3質量部
(3)濾過
得られた各最外層用ドープを50℃にて絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(FH025 、ポール社製)を用いて濾過した。同様にして、各内層用ドープも絶対濾過精度0.01mmの濾紙(#63、東洋濾紙(株)製)を用いて濾過した。
(4)共流延
これらのドープを三層共流延ダイを用いた共流延法により、内層用ドープT−1が内側に、最外層用ドープS−1がその両外側になるよう設定して、金属支持体上に同時に吐出させて重層流延した。このとき、乾燥後の内層の膜厚が100μm、最外層が各5μmになるように設定して流延した。次いで流延膜を70℃で3分、120℃で5分乾燥した後、支持体からフィルムを剥ぎ取り、幅方向に延伸倍率20%でテンター延伸したのち130℃で30分間で段階的に乾燥して溶媒を蒸発させてセルロースアセテートフィルムCAT−1を作製した。同様の方法にて、CAT−2〜11(厚さ:92μm)を得た。残留溶媒量は、製膜したフィルムに対して0.5質量%であった。
[比較例1]
(1)セルロースアシレート溶液Aの調製
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
<セルロースアシレート溶液Aの組成>
置換度2.86のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
Figure 2007017626
Figure 2007017626
(2)添加剤溶液Bの調製
別のミキシングタンクに、下記の組成物を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液Bを調製した。
<添加剤溶液Bの組成>
メチレンクロライド(第1溶媒) 80質量部
メタノール(第2溶媒) 20質量部
レターデーション調整剤および紫外線吸収剤(表5参照) 30質量部
(3)無機微粒子分散液Cの調製
表5に示す無機微粒子(日本アエロジル(株)製のシリカ粒子)を20質量部、メタノール80質量部を30分間よく攪拌混合して無機微粒子分散液とした。この分散液を下記の成分とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、無機微粒子分散液C(マット剤分散液)を調製した。
<無機微粒子分散液Cの組成>
シリカ粒子分散液 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
セルロースアセテート溶液A 10.3質量部
(4)ドープ調製と流延
無機微粒子分散液Cの10質量部を添加剤溶液Bの20質量部に添加して攪拌したのち、セルロースアシレート溶液Aの477質量部に添加し、充分に攪拌して、ドープT−12〜22を調製した。ドープを流延口から10℃に冷却したバンド上に流延した。溶媒含有率50質量%で剥ぎ取り、溶媒含有率が5〜40質量%の状態で、横方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が1.08倍となる間隔を保ちつつテンター延伸したのち乾燥した。その後、そのまま乾燥するか135℃配向熱処理を行ったりするかを分けた後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み80μmのセルロースアセテートフィルム試料CAT−12〜22を作製した。
[試験例1]
作製したセルロースアセテートフィルム(CAT−1〜22)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長550nmにおけるReレターデーション値およびRthレターデーション値を測定した。ヘイズの測定は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料40mm×80mmを、25℃・相対湿度60%でヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定した。結果を表6に示す。
Figure 2007017626
表6の結果から、共流延法によりフィルムを作製したCAT−1〜11は、添加剤および無機微粒子の種類に関係なくCAT−12〜22に比べてヘイズは良好であった。また、従来の無機微粒子インライン添加法により作製したCAT−12〜22に比べて、共流延により作製したCAT−1〜11はレターデーションRe、Rthを変化させないことを確認した。すなわち作製直後のフィルムについて面内レターデーションR0を測定した後、恒温恒湿セル庫にて60℃・相対湿度98%条件下に400時間放置した後に再度面内レターデーションR1を測定し、レターデーション変動率R=(R0−R1)/R0(%)により位相差特性を評価した。CAT−1〜11は変動率R<1%で良好な結果を示した。
また疎水性の添加剤を用いたCAT−19〜20や、疎水性の無機微粒子を用いたCAT−21〜22では従来方法ではヘイズの悪化が顕著であったのに対し、本発明のCAT−9〜10、CAT−11〜12ではヘイズを低く抑えることができた。
[実施例2]
<アルカリケン化処理>
次に、作製したフィルム試料CAT−1〜22に対し下記アルカリケン化処理を行った。
作製した各延伸フィルム試料を、1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフィルムの表面をアルカリケン化した試料を作製した。
<偏光板作製>
上記のアルカリケン化処理済み光学補償フィルム試料−1〜22を用いて、偏光板を作製した。すなわち、作製した表面処理済み光学補償フィルム試料の片側のセルロースアシレートフィルム表面に対し、粘着剤塗布液をそれぞれ20ml/m2塗布し、100℃で5分乾燥して粘着剤付きフィルム試料とした。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ30μmの偏光膜を得た。上記の粘着剤付き光学補償フィルム試料−1〜22のそれぞれに対し、粘着剤を塗設した側に偏光膜がくるように貼り付け、さらに偏光膜のもう一方の側に市販のセルロールアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製、Re値は3nm、Rth値は50nm)を同様に貼り合わせ、光学補償フィルム付き偏光板試料を作製した。
[実施例3]
基板間のセルギャップを3.6μmとし、負の誘電率異方性を有する液晶材料(「MLC6608」、メルク社製)を基板間に滴下注入して封入し、基板間に液晶層を形成して液晶セルを作製した。液晶層のレターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)を275nmとした。なお、液晶材料は垂直配向するように配向させた。
作製した液晶セルを用いて、図1の液晶表示装置を作製した。即ち、観察方向(上)から上側偏光板、VAモード液晶セル(上基板、液晶層、下基板)、下側偏光板を積層し、さらにバックライト光源を配置した。上側偏光板には、市販品のスーパーハイコントラスト品(株式会社サンリッツ社製HLC−5618)を、下側偏光板に実施例2で作製した偏光板1を、光学補償シート(CAT−1〜11)が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けて液晶表示装置1を作製した。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
[試験例2]
実施例2で作製した液晶表示装置について、30℃・相対湿度80%の環境下で点灯直後および500時間点灯後の正面の色味変化をELDIM社製Ezcontrastにより測定し、コントラスト、およびxy色度図上での色味変化の絶対値Δx,Δyを求めた。結果を表7に示す。
Figure 2007017626
表7の結果から、共流延法によりフィルムを作製したCAT−1〜11を貼合した液晶表示装置は、添加剤および無機微粒子の種類に関係なくCAT−12〜22に比べてコントラストが良好であった。また、従来の無機微粒子インライン添加法により作製したCAT−12〜22に比べて、共流延により作製したCAT−1〜11は色味変化Δx、Δyが悪化しないことがわかった。
また疎水性の添加剤を用いたCAT−19〜20や、疎水性の無機微粒子を用いたCAT−21〜22を貼合した液晶表示装置では従来方法ではコントラストの低下が顕著であったのに対し、本発明のCAT−9〜10、CAT−11〜12を貼合した液晶表示装置ではコントラストの低下がなく視認性に優れた液晶表示装置が得られた。
本発明の光学フィルムは、有機化合物からなる添加剤と無機微粒子を含有しているにもかかわらず、ヘイズが低くて、液晶表示装置に組み込んだときのコントラストが高いという特徴を有する。また、本発明の製造方法によれば、このような優れた性質を有する光学フィルムを効率よく製造することができる。このため、本発明によれば、光学的性質に優れている光学補償フィルムおよび偏光板と、コントラストが高い液晶表示装置を提供することができる。したがって、本発明は産業上の利用可能性が高い。
液晶表示装置の層構成例を示す断面概略図である。
符号の説明
1 観察者
2 保護フィルム
3 偏光子
4 光学補償フィルム
5 VA液晶セル
6 偏光板(HLC−5618)

Claims (17)

  1. 主として有機化合物から構成される層と、無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である層を有することを特徴とする光学フィルム。
  2. 主として有機化合物から構成される溶液と、無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である溶液を、各々異なるダイから流延して作製されることを特徴とする光学フィルム。
  3. 前記有機化合物のClogPが下記式(A)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
    式(A) 13<ClogP<20
  4. 前記有機化合物が正または負のレターデーションを発現するレターデーション調整剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  5. 前記レターデーション調整剤が分子内に芳香族環もしくはシクロアルキル環を2個以上有する化合物であることを特徴とする請求項4に記載の光学フィルム。
  6. 前記レターデーション調整剤が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項4または5に記載の光学フィルム。
    Figure 2007017626
    [式中、Ar1およびAr3は各々独立にアリール基または芳香族ヘテロ環基を表し、Ar2はアリーレン基または2価の芳香族ヘテロ環基を表し、L1およびL2は各々独立に単結合または2価の連結基を表す。nは3以上の整数を表し、各Ar2は同一であっても異なっていても良く、各L2も同一であっても異なっていてもよい。]
  7. 前記無機微粒子が珪素を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  8. 前記無機微粒子のメタノールウェッタビリティ(MW)が下記式(B)を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルム。
    式(B) 0≦MW≦80
  9. 前記無機微粒子の一次粒子サイズが100nm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  10. フィルムを構成する主成分がセルロースアシレートであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  11. 前記無機微粒子を含有する層が最外層に配置されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  12. 主として有機化合物から構成される溶液と、無機微粒子を含有し且つ分子量1000以下の有機化合物の含有量が前記無機微粒子の含有量の30質量%以下である溶液を、各々異なるダイから流延する工程を有することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  13. 流延後に得られたフィルムを延伸する工程をさらに有することを特徴とする請求項12に記載の光学フィルムの製造方法。
  14. 請求項12または13に記載の製造方法により製造される光学フィルム。
  15. 請求項1〜11または14に記載の光学フィルムを用いたことを特徴とする光学補償フィルム。
  16. 偏光子およびその両側に配置された2枚の保護フィルムからなり、少なくとも1枚の保護フィルムが請求項1〜11または14に記載の光学フィルムである偏光板。
  17. 液晶セルおよびその両側に配置された2枚の偏光板を有し、少なくとも1枚の偏光板が請求項16に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
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