JP2004284355A - セルロースアシレートフィルム及び溶液製膜方法 - Google Patents

セルロースアシレートフィルム及び溶液製膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 セルロースアシレートフィルムに、けん化処理を施すことなく親水性材料との密着性を付与する。
【解決手段】 親水性材料と積層されるセルロースアシレートフィルム50を複層構造とし、親水性材料と接する第1層51の平均アシル基置換度を0.5以上2.8以下とする。異なるアシル基置換度のセルロースアシレートを混合して各層51〜55の各平均アシル基置換度を制御しており、原料が綿花リンターであるセルロースアシレートを流延用支持体からの剥離面の層である第1層51に含有させる。滑り性を付与する微粒子56等は最外層51,55に添加し、また、揮散性化合物は内部層である第2〜4層52〜54に添加する。得られるセルロースアシレートフィルム50は、けん化処理を経ることなく、親水性材料との密着性に優れる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、セルロースアシレートフィルム及び溶液製膜方法に関するものであり、特に偏光板を構成する偏光膜保護フィルムなどに用いられるセルロースアシレートフィルムとその製造方法としての溶液製膜方法、及び、偏光板と光学補償フィルムと液晶表示装置とに関する。
セルロースアシレートフィルムは、透明性、適度な透湿性を有し、機械的強度が大きく、かつ、寸法安定性の湿度及び温度に対する依存性が低いことから、広く光学材料の支持体等として広く用いられている。このようなセルロースアシレートフィルムは、溶液製膜方法により製造されており、この方法はポリマーを溶媒によってドープにしたあと、このドープを流延ダイから支持体へ流延し乾燥工程を経てフィルムを得るものである。
セルロースアシレートフィルムは、液晶表示装置を構成する偏光板の保護フィルムとしても使用されている。その構成は、一般にはポリビニルアルコール等から成る偏光膜の両面に、セルロースアシレートフィルムが貼り合わされたものとなっている。ポリビニルアルコールは親水性高分子化合物であり、そのフィルム表面は親水性に優れた性質となっている。一方、セルロースアシレートフィルムの表面は疎水的であるため、両者を密着させる場合には、少なくともどちらか一方の表面を改質する必要がある。
フィルム表面の改質としては、通常、セルロースアシレートフィルムの方を改質対象とし、そのフィルム表面をけん化する方法が通常とられている。けん化処理としては、主として、フィルムの表面にアルカリ溶液を塗布する方法や噴霧する方法、あるいはフィルムをアルカリ溶液に浸積する方法等がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、セルロースアシレートは、木材パルプや綿花リンター等から作られるのが一般的である。例えばセルロースアセテートの場合には、その一般的な製法として、まず、木材パルプや綿花リンターから得られるセルロースを酢酸及び無水酢酸で処理してアシル基置換度が3のセルローストリアセテートを得る。無水酢酸はエステル化剤として働くが、その反応触媒として硫酸等を用いることが多い。得られたセルローストリアセテートを、残存する硫酸等の酢化触媒作用によってけん化熟成して、アシル基置換度を制御し、目的とするセルロースアセテートを得る。この場合、Ca等を添加して用いた各種の酸の過剰量を中和している。
上記セルロースアシレートフィルムには、可塑化を促したり光学的特性を付与することを目的として種々の化合物を含有させている(例えば、特許文献2参照。)。これらの化合物は、セルロースアシレートのみならず、光学用途の各種フィルムには、その品質向上のために必要不可欠である場合が多い。
特開2001−318228号公報(第3−4頁) 特開2002−192541号公報(第6−8頁)
しかしながら、セルロースアシレートフィルムの表面改質としてのいずれのけん化処理方法も、設備上の制約等により、溶液製膜工程に連続して組み入れられていない。したがって、上記のいずれのけん化処理方法であっても、製膜後に、けん化処理工程によって実施するというものであった。このように製造工程がひとつ増えることによって、生産性やコスト等が限定されてしまうという問題がある。さらに、けん化処理によりフィルムにスジやムラができることもあり、この場合にはフィルムの透明性を損なうことにもなる。
上記セルロースアシレートは、そのアシル基置換度、つまり、平均アシル基置換度によって異なる親水性を有する。これは、平均アシル基置換度が低いと、同モル数のセルロースアシレート中に含まれる水酸基の数が多いので、親水性を高めるためには平均アシル基置換度を低くするとよいことを意味する。しかし、平均アシル基置換度を低くすると、フィルムの吸湿性や寸法安定性、支持体からの剥離性等を損なうという問題があり、実用に耐えないとされていた。
また、フィルムの品質向上のために添加される各種の化合物は、セルロースアシレート等との相溶性が悪いものが多く、フィルムの表面に析出したり、フィルム化の工程で揮散することが多い。さらには、揮散して工程内に付着したこれらの化合物が、フィルムに転写したり、滴下等をして品質を損なうという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、製膜後にけん化工程等を経ることなく親水性材料との密着性を付与し、光学用途として優れた性能を有するセルロースアシレートフィルムと、その製造方法としての溶液製膜方法とを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、少なくとも3層の複層構造を有し、表面層である2層のセルロースアシレートの平均アシル基置換度が、0.5以上2.8以下であって、前記ふたつの表面層を除く層のうち少なくとも1層が、前記表面層よりも高い平均アシル基置換度を有するとともに前記表面層よりも低い複屈折率を有することを特徴として構成されている。
前記表面層のうち、少なくとも一方が親水性材料と接するように積層されることが好ましい。そして、酢酸と無水酢酸とをエステル化剤とするとともに硫酸をエステル化触媒として用いてセルロースをエステル化し、残存した前記硫酸を中和した後、熟成することにより各層の前記セルロースアシレートの平均アシル基置換度が制御されたものであることが好ましい。さらに、カルシウム化合物により前記残存硫酸を前記中和し、用いるカルシウム化合物の前記セルロースアシレートに対する重量比率が60ppmであることが好ましい。または、各層の前記セルロースアシレートの平均アシル基置換度が、互いに異なる平均アシル基置換度を有するセルロースアシレートを混合することにより、それぞれ制御されることが好ましい。
また、本発明は、親水性材料と積層されるセルロースアシレートフィルムにおいて、セルロースアシレートの平均アシル基置換度が互いに異なる少なくとも2層の複層構造を有し、前記親水性材料と接する第1層のセルロースアシレートの平均アシル基置換度が0.5以上2.8以下であって、かつ、各層のセルロースアシレートの前記平均アシル基置換度が、互いに異なる平均アシル基置換度のセルロースアシレートを混合することによって制御されたものであることを特徴として構成されている。
さらにまた、本発明は、親水性材料と積層されるセルロースアシレートフィルムにおいて、前記親水性材料と接する第1層と前記第1層に接する第2層との少なくとも2層の複層構造を有し、前記第1層と前記第2層との各セルロースアシレートが互いに異なる平均アシル基置換度であり、前記第1層のセルロースアシレートの平均アシル基置換度が0.5以上2.8以下であることを特徴とすることを含んで構成されている。
上記のセルロースアシレートフィルムは、前記親水性材料と接する面の水に対する接触角が60°以下であることが好ましい。
互いに接する2層は、セルロースアシレートの原料と、それらの層に含まれる添加物と、それらの層を形成する前記セルロースアシレートの溶液の溶媒との少なくともいずれかひとつが互いに異なることが好ましく、また、支持体上にセルロースアシレートの溶液を流延して支持体から剥離することにより製造され、この支持体からの剥離面を形成する層が、前記第1層となり、かつ、25℃の水溶液中での酸解離定数pKaが2.0以上4.5以下の酸性化合物を前記剥離時に含有することが好ましい。
また、上記のセルロースアシレートフィルムは、原料が木材パルプの前記セルロースアシレートからなる層と、綿花リンターの前記セルロースアシレートからなる層とを少なくとも1層ずつ有すること、あるいは、原料が木材パルプの前記セルロースアシレートと、綿花リンターの前記セルロースアシレートとを混合した層を有することが好ましい。
そして、3層以上の複層構造であり、ふたつの表面層を除く層にのみ揮散性物質を有することが好ましく、また、3層以上の複層構造であり、ふたつの表面層にのみ微粒子物質を有することが好ましい。
本発明は、また、親水性材料が少なくとも片面に積層されるセルロースアシレートフィルムの溶液製膜方法において、互いに異なる平均アシル基置換度を有するセルロースアシレートの層を少なくとも2層有する複層構造とし、前記親水性材料と接する層の前記セルロースアシレートの平均アシル基置換度を0.5以上2.8以下とし、各層のセルロースアシレートの前記平均アシル基置換度が、互いに異なる平均アシル基置換度のセルロースアシレートを混合することによって制御され、前記セルロースアシレートの各溶液を支持体上に共流延または逐次流延することを特徴として構成されている。
そして、前記支持体がバンド、または、ドラムであることが好ましく、前記セルロースアシレートの前記溶液の主溶媒を非塩素系有機溶媒とすることが好ましい。
製膜後にけん化工程等を経ることなく親水性材料と良好に密着し、光学用途として優れた性能を有するセルロースアシレートフィルムを得ることができる。さらに、このセルロースアシレートフィルムは、偏光板や光学補償フィルム、液晶表示装置等として好適に用いることができる。
本発明における実施形態では、セルロースアシレートのエステル化としてアセチル化を行ったのでアセチル置換度をもってアシル基置換度としており、また、用いたセルロースアシレートはセルロースアセテートである。ただし、本発明において、エステル化はアセチル化に限られるものではなく、また、セルロースアシレートはセルロースアセテートに限定されない。
セルロースアセテートの平均アセチル置換度の調整については、前記の通り、セルローストリアセテートをけん化熟成して前記置換度を調整する方法が一般的であり、本発明においてもこのような従来法は適用される。つまり、木材パルプや綿花リンターから得られるセルロースを酢酸及び無水酢酸で処理してアセチル基置換度が3のセルローストリアセテートを得る。無水酢酸はエステル化剤として働くが、その反応触媒として通常硫酸を用いる。そして、残存する硫酸を中和してから所定の公知の方法により熟成して、アシル基置換度が制御された目的とするセルロースアセテートを得る。残存する硫酸の中和は、カルシウム(Ca)化合物等を添加することにより実施される。中和に用いるCaの添加量は、前記セルロースアシレートに対する重量比が60ppm以下であることが好ましい。しかし、本実施形態においては、工業的生産によって作られた異なるアセチル置換度を有するセルロースアセテートを数種用意し、これらの混合比率を適宜設定することによって、アセチル置換度が0.5以上2.8以下の範囲の任意の値に調整している。これにより、平均アセチル置換度が異なるセルロースアセテートを多種製造するよりも、容易に、かつ精緻に平均アセチル置換度の制御をすることができるという利点がある。
本実施形態においては、所望の平均アセチル置換度を有するセルロースアセテートの溶液または分散液(以降これをドープと称する。)は、互いに異なる平均アセチル置換度のセルロースアセテートを混合してこれを溶媒に溶解あるいは分散することにより調製するが、この調製法によるものに限定されない。例えば、互いに異なる平均アセチル置換度のセルロースアセテートをそれぞれ溶液または分散液とし、それらの溶液または分散液を混合することにより調製されたものであってもよい。
また、本実施形態においては、良好な光学特性としての複屈折率は0≦Re≦5、30≦Rth≦40とした。ただし、上記の良好とされる複屈折率値は用途によって異なるものであり、本発明はこの値に依存するものではなく、また、この良好な光学特性値の、用途による変動に対しても適用することができる。
図1は本発明の実施形態としてのセルロースアセテートフィルムの断面図である。本発明では、従来の多くは単層構造とされていたフィルムを、厚みを大きくすることなく積層構造としており、このフィルム10は、溶液製膜方法で作られている。そして、流延用の支持体からの剥離面となる層から3層を順に、第1層11、第2層12、第3層13とする。そして、図1に示すように、本実施形態においては第1層が親水性材料17と密着するように、フィルム10は使用される。これら3層においては、主たる成分がいずれもセルロースアセテートであり、添加剤を含有している。本発明の実施形態において、添加剤としては可塑剤、シリカ(SiO2 )等の微粒子、酸性化合物を用いているが、本発明において、これらに限定されるものではない。なお、第1層11と第2層との間と、第2層と第3層との間とには他の層が存在してもよい。
第1層11のセルロースアセテートは、その原料が木材パルプであり、平均アセチル置換度が1.8以上2.8以下となっている。添加剤としてはシリカの微粒子15、酸性化合物が含有されている。また、第2層12のセルロースアセテートは、その原料が木材パルプであり、平均アセチル置換度が2.2以上2.9以下となっている。この層における添加剤は、可塑剤及び紫外線吸収剤等である。第3層13のセルロースアセテートについても、その原料は木材パルプで、平均アセチル置換度は第1層11と同じく1.8以上2.2以下としている。第3層の添加剤はシリカの微粒子15である。また、フィルム10の厚みT10は、10μm以上300μm以下としている。
上記のように、表層となる第1層11のセルロースアセテートの平均アセチル置換度は非常に低く、また、第2層12のそれと比べても非常に低くなっており、これによって、フィルム10に対して、けん化処理を施すことなくポリビニルアルコール等の親水性材料17との密着性を付与することができる。フィルム10の第3層は、上記の親水性材料とは別の親水性材料(図示せず)と密着させる用途であるのでこのことを考慮し、第3層13も第1層と同様のアセチル置換度としており、これによりこの第3層13側も別の親水性材料との良好な密着性を有している構造となっている。なお、第3層が第1層側とは別の親水性材料との密着を必要としない場合には、第3層上にさらに層が存在してもよい。
本来、偏光板に用いるような光学用途のフィルムとしての所定の透湿性や光学的特性を満足するためには、フィルムに用いられるセルロースアシレートのアセチル置換度は高い方が好ましいが、本発明では、上記のように、フィルム10を複層構造とし、親水性材料17と接する第1層11を薄い層としてこのセルロースアシレートのアセチル置換度を低くし、かつフィルムの厚みの多くを占める第2層12については一般的なアセチル置換度とすることにより、従来のセルロースアシレートフィルムと概ね同等な光学的特性を有しながらも親水性材料との好適な密着力を有するフィルムを得ることができる。このように、内部層である第2層12の平均アセチル置換度の高低の如何に関わらず、表層である第1層と、必要に応じて第3層との平均アセチル置換度を低くすることが親水性材料との密着性を得る上で有効である。なお、最下層である第1層と最上層である第3層の平均アセチル置換度は、必ずしも同一である必要はない。
表層となる第1層11及び第3層13のセルロースアシレートの好ましいアセチル置換度は0.5以上2.8以下であり、さらに好ましくは1.8以上2.2以下である。
そして、アセチル置換度が低いほど複屈折率が大きくなるので、アセチル置換度が低い第1層には一般的なアセチル置換度である第2層12を組み合わせることにより、光学特性が良好なセルロースアシレートフィルムを得ることができる。本実施形態では、第3層13も第1層と同様に一般的なセルロースアシレートよりも低いアセチル置換度であるので、第2層を両層の間に挟むことによって、両面における親水性材料との良好な密着性と、良好な光学特性とを得ることができる。
また、第1層11の厚みT11は1μm以上10μm以下とし、第2層12の厚みT12については20μm以上100μm以下とし、第3層13の厚みT13は1μm以上10μm以下とすることがそれぞれ好ましい。このように、ポリビニルアルコール等の親水性材料17との密着性の向上を図る限りにおいては、第1層11及び第3層13の厚みT11,T13は小さくてもよく、また同一である必要はない。ただし、本発明は各層の上記厚みの範囲に限定されるものではない。
アセチル置換度を上記範囲のように低くすることによって、第1層11の水に対する接触角を60°以下としている。水に対する接触角の大きさは、水との親和性を測る指標であって、接触角が60°より大きいと、親水性材料17との密着性が実用的には不十分である。接触角については、これを20°以上57°以下とすることがさらに好ましく、20°以上50°以下とすることが最も好ましい。したがって、上記の範囲の接触角を達成するように表層のアセチル置換度を制御するとよく、他のセルロースアシレートをエステル化する際には、接触角とアシル基置換度の関係を予め求めておき、そのデータをもとにアシル基置換度を制御したものを表層とすることが好ましい。
また、セルロースアシレートフィルムは、そのアシル基置換度が低いほど、複屈折率が大きいので、第1層11と第3層13とのアセチル置換度を、第2層12のそれよりも低いものとして挟むことによって、良好な光学特性を発現させることができる。
さらに、第1層11は後で詳細に説明するようにドープ流延用の支持体からの剥離面であるので、この第1層11には、25℃の水溶液における酸解離定数pKa(=−logKa)が2.0以上4.5以下の酸性化合物を含有させ、剥離時における第1層11に含まれていることが好ましい。これは、親水性材料17に対する第1層11の密着性を向上させた場合には、流延した支持体との密着性も増してしまうため、剥離の際の剥離荷重が大きくなってしまうからである。上記の酸性化合物を含有させた場合でも、第1層11は親水性材料17に対する十分な密着性を維持しており、本発明は有効である。
第1層11に添加する酸性化合物としては、25℃の水溶液における酸解離定数pKaが2.0以上4.5以下のものがさらに好ましく、2.0以上3.0以下のものが最も好ましい。この酸性化合物は、塩であってもよい。上記酸解離定数pKaが2.0以上4.5以下の酸性化合物としては、例えば酢酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、クエン酸エステル累等が工業的に利用しやすい点で有効であって、これらを単独で、あるいは複数を組み合わせて用いてもよい。
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいて、酸性化合物としてのクエン酸エチルハーフエステルを第1層11のみに添加させている。酸性化合物は、支持体からの剥離性を向上させることを目的として添加されている。支持体と密着する第1層の親水性を向上させたことにより、フィルムと支持体の密着度も高まってしまい、剥離荷重が増加してしまうが、酸性化合物を添加することにより、フィルムを支持体から安定的にはがすことができるようになり、その結果、製膜を安定して連続することができるようになる。このことから、上記のような酸性化合物は、剥離時の第1層11の支持体との接触面に含有されていればよい。したがって、剥離後に第1層11にとどまる必要性や、第1層11の内部全体に散在させる必要はない。しかし、実質上は、第1層11の支持体との接触面のみに存在するように、その含有位置を容易に制御することは不可能であるので本実施形態では第1層11内全体に含有させている。以上のように、本発明では、親水性材料との密着性をアセチル置換度の制御により向上させ、支持体からの剥離性を酸性化合物の添加により制御している。なお、酸性化合物の添加は親水性材料との密着性の向上には寄与しないので、本発明における親水性材料との密着性の向上はアセチル置換度に依存している。
支持体からの剥離性を向上させるためには、セルロースアシレートの水酸基を他の置換基に代える等の方法もあるが、本発明の目的である親水性材料との密着性の点においては、水酸基は残す方が好ましく、したがって、本発明においては、酸性化合物の添加の方が好ましい。しかし、この添加量が多いほどフィルム10の劣化を招きやすいので、本実施形態のように、添加する対象を第1層11、つまり、支持体に接して流延され形成される層に限定することが好ましく、その添加量は、第1層11を形成するドープ中において、含まれるアルカリ金属やアルカリ土類金属のイオンと同イオン等量とすることが最も好ましい。なお、酸性化合物を第1層に添加しても、親水性材料17との密着性を損なうことは実質上ない。
ここで、クエン酸エチルハーフエステルとは、クエン酸のカルボキシル基の水酸基をすべてエトキシ基に置換してエステル化したクエン酸アセチルトリエチルのみの存在に対して、平均アシル基置換度が50%となっているクエン酸のエチルエステル混合物を意味する。
また、本発明においては、セルロースアシレートフィルムを多層化することによって、その内部層にのみ揮散性化合物を含有させることができる。ここで、揮散性化合物とは、含有された層内にとどまらず層外へ移行する化合物であって、実質上は低分子のものが多く、例えば、固体あるいは液体から気体となる昇華性物質や気化性物質等である。本実施形態では、揮散性化合物としての可塑剤を内部層である第2層12のみに添加し、最外層となる第1層11と第3層13には添加していない。これにより、製膜工程において、可塑剤がフィルムの表面に拡散移動する速度や頻度を低減して、その揮散現象を抑制し、工程汚染を防止することができる。
また、一般に、フィルムとしての滑り性を向上させるためにシリカ等の微粒子を添加する場合が多いが、本発明では、その内部層である第2層12には添加せずに、両表層部である第1層11及び第3層13のみに微粒子15を添加している。このような微粒子成分は、含有量が多すぎるとフィルム10の光透過率を著しく損なうので、その添加量は可能な限り少ないことが望ましいとされている。本発明では、従来単層とされていたものを多層構造とすることにより、その添加分布を制御することができる点で有効であって、従来のフィルム表面の滑り性を維持しながらも、微粒子の総添加量を削減してフィルムの透過率の低下を防ぎ、さらに、製造コストを低減することができる。ここでは滑り性付与を目的とする添加微粒子としてSiO2 を使用したが、これに限定されるものではない。
図2は本発明を実施した製膜工程の要部を示す断面図である。流延ダイ21は、マルチマニホールド方式となっており、ここでは、図1に示した3層を同時に形成することができるものとなっている。図1の第1層11、第2層12、第3層13を形成するドープをそれぞれ符号22,23,24としたとき、それらは、図示を省略されているドープ供給器からそれぞれ流延ダイ21に供給される。流延ダイ21の背面には、ドープ22,23,24の供給口26,27,28が設けられており、3種類のドープ22,23,24はここからそれぞれのスロット30,31,32に設けられたポケット33,34,35に一時的に滞留して、先端リップ37から支持体としてのバンド38へと流延される。先端リップ近傍でスロット30,31,32は合流しており、3種類のドープは層状となって同時に流延される。この方式は一般には共流延方式と呼ばれている。また、ここでの支持体はバンド38には限定されず、ドラムでもよい。
さらに、製膜工程において、それぞれのドープ22,23,24の押し出し圧力については、独立してこれを制御することができる。これにより、各層の膜厚を任意に調整することができる。各層の膜厚の制御は、3種類のドープの流路であるスロットの合流部におけるスロット径を適宜設定したり、あるいはこの方法とドープの押し出し圧力の調整による方法を併用してもよい。
なお、流延ダイにおいて、ドープの供給口26,27,28の位置やスロット30,31,32の形状、ポケット33,34,35の形状、並びに先端リップ27におけるスロット合流部の構造等は、これに限定されるものではなく、共流延を行うことができる一般的なマルチマニホールド方式の流延ダイであってよい。図示はしないが、N層(Nは2以上の自然数を示す)を同時に形成することができるマルチマニホールド方式の流延ダイの場合は、ドープの流路をN個有するものとなっており、基本構成は上記と同様のものとなっている。
図3は別の実施形態であり、流延ダイの断面を表す概略図である。流延ダイ41は単一のスロットをもつフィードブロック方式となっている。ここでは、図2のマルチマニホールド方式の流延ダイを用いた場合と同様に、図1に示したセルロースアセテートの3層の多層膜を同時に形成することができるものとなっている。流延ダイ41の背面にはフィードブロック42がひとつ設置されており、そのフィードブロック42はドープの供給口42a,42b,42cを有している。図示は省略したが、図1の第1層11、第2層12、第3層13を形成するドープ22〜24は、この供給口42a〜42cから供給される。フィードブロック42の内部では、供給口42a,42b,42cから続くスロットが合流しており、ドープ22,23,24はここで合流し、層を形成して、流延ダイ41の内部に送られて単一のスロット43を通り、先端リップ44から支持体としてのドラム45へ同時に流延される。また、ここでの支持体はドラム45に限定されず、バンド38(図2参照)でもよい。
さらに、本発明では、図2のマルチマニホールド方式と図3のフィードブロック方式を組み合わせた共流延方式としてもよい。この場合でも、支持体としては、バンド38(図2参照)とドラム45(図3参照)のいずれを用いてもよい。
本発明では、上記の共流延方式ではなく、逐次流延方式でも流延することができる。N層を逐次流延により形成するときには、流延回数をNC(NCは2以上の自然数とする)とするとき、2≦NC≦Nを満たす任意の流延回数NCで流延することができる。NC<Nのときは、少なくともひとつの流延工程で共流延を実施することが必要となることは自明である。また、逐次流延の際には、支持体をバンドとすることが好ましい。
ドープ22,23,24に使用する溶媒としては、ジクロロメタンやジクロロメチレン等のハロゲン化有機化合物の他に、メチルアルコールやエチルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコールや酢酸メチル、酢酸エチル等の各種エステル系化合物やアセトンなど、非塩素系有機化合物を使用することができる。このため、本発明は環境に配慮した溶液製膜方法といえる。
図4は、別の実施形態としてのセルロースアセテートフィルム50の断面図である。図1の場合と同様に、従来は単層構造としていたフィルムの構造を積層構造としており、図4には層数が5層とした場合を示しており、支持体からの剥離面側より順に、第1層51、第2層52、第3層53、第4層54、第5層55であるが、各層の間または第5層上に他の層が存在してもよい。それぞれの原料は、木材パルプまたは綿花リンターのどちらか一方となっている。ただし、本発明においては、複層のうち少なくとも1層を、木材パルプ由来のものと綿花リンター由来のものとの混合物としてもよい。なお、ここで、フィルム50の厚みT50は10μm以上300μm以下としている。また、本実施形態では、第1層51と第5層55とがともに親水性材料と密着させる層である場合として以下の説明をするが、親水性材料については図示を略す。
第1層51のセルロースアセテートは、その原料が綿花リンターであり、平均アセチル置換度が1.8以上2.2以下となっている。添加剤としてはシリカの微粒子57と酸性化合物が含有されている。また、第2層52及び第4層54のセルロースアセテートは、その原料が木材パルプであり、平均アセチル置換度が2.2以上2.9以下となっている。第3層53のセルロースアセテートについても、その原料は木材パルプで、平均アセチル置換度は1.8以上2.2以下としている。第2〜4層52〜54の添加剤は可塑剤と紫外線吸収剤等としている。さらに、第5層は、その原料が木材パルプであって、平均アセチル置換度は1.8以上2.2以下となっている。なお、フィルム50の厚みT50は、10μm以上300μm以下としている。
表層となる第1層51のセルロースアセテートのアセチル置換度は非常に低く、また、第2〜4層52〜54のそれと比べても非常に低くなっており、これによって、フィルム50に対して、けん化処理を施すことなくポリビニルアルコール等の親水性材料との密着性を付与している。なお、第5層55も親水性材料との密着をさせる用途では、本実施例にように第1層51と同様のアセチル置換度として親水性材料との良好な密着性を付与するとよいが、第5層55のアセチル置換度は、用途に応じてそのアセチル置換度を決定すればよい。また、本実施形態においても、最下層である第1層51と最上層である第5層55のアセチル置換度は、必ずしも同一である必要はない。
ところで、アセチル置換度をはじめとするアシル基置換度が低いほど、光学的異方性は高い。そのため、アシル基置換度が低い層とアシル基置換度がそれより高い層と組み合わせることにより所定の複屈折率を発現させることができる。例えば、第1層51、第5層55、第3層53は第2ならびに第4層52,54よりも低い平均アシル基置換度のものとしている。このようにアシル基置換度が低い層とアシル基置換度がそれより高い層とを組み合わせ、さらにはアシル基置換度がそれより高い層を低い層で挟む構造とすることにより親水性材料との密着性を付与するとともにフィルムとしての光学特性を向上させることができる。なお、ここでの光学特性とは液晶表示装置等にとって重要な性質である視野角特性に寄与するものであって、上記の複屈折率を意味する。
さらに、第1層51に綿花リンター由来のセルロースアセテートを用いることによって、光学的特性及び支持体からの剥離性を向上させている。綿花リンター由来のセルロースアセテートと木材パルプ由来のものでは光学的特性等の性状が異なり、目的に応じて適宜選択することが有効となる。特に支持体からの剥離性については、木材パルプ由来のものより著しく優れており、少ない剥離荷重で剥ぎ取りを実施することができる。また、酸性化合物としてのクエン酸エチルハーフエステルを加えることにより、剥離性のさらなる安定化を図っている。本実施形態においても、最外層である第1層51及び第5層55にシリカの微粒子56を添加することによりフィルム50に滑り性が付与されているので、内部層である第2層52〜第4層54に微粒子56を添加する必要はない。
このように、少なくともひとつの層を綿花リンター由来のものとするか、綿花リンター由来のものを主成分とすることが好ましいが、綿花リンター由来のものはコスト高であるので、他の層は木材パルプ由来のものとすることが好ましい。したがって、多層構造とする場合には、少なくとも支持体からの剥離面の層を綿花リンター由来のものとし、少なくとも別のひとつの層を木材パルプ由来のものとすることが好ましい。
また、第1〜5層51〜52の各層に関して、原料が綿花リンターのみ、あるいは木材パルプのみとするのではなく、両者を混合したものに代えてもよい。つまり、光学的特性や支持体からの剥離性といったフィルム性状に対する高精度な制御の必要性や製品コスト等を考慮して、両者を適宜混合して層を形成することも有効である。例えば、支持体からの剥離面の層に関しては、支持体から所定の剥離性が得られるのであれば、両者を混合したもの用いてもよい。ここで、両者の混合率は、製膜速度及び支持体からの剥離の際の溶媒含有量等により決定される。また、フィルムとしての性状を精緻に制御する目的で、このような原料が異なるものの混合層を少なくとも1層設けることが有効となる場合もあり、多層設けることがさらに好ましい。
本実施形態においても、可塑剤を内部層である第2〜4層52〜54のみに添加し、最外層となる第1層51と第5層55には添加していない。これにより、その揮散現象を抑制し、工程汚染を防止する。ただし、本実施形態のように層数が4層以上の構造とするときには、可塑剤等の揮散性化合物を無添加とする層は最外層のみに限定されず、少なくとも最外層が無添加である状態とすればよい。
本実施形態において、最外層である第1層51及び第5層55は薄層であることが好ましい。これは、可塑剤等を含まない層が厚すぎると、フィルムの引っ張り強度や曲げ強度などの機械的強度を低下させてしまうからである。さらに、アセチル置換度が極端に低いセルロースアセテートの層が厚くなってしまうと、吸湿性及び吸水性の上昇によりフィルム性状の安定性が損なわれ、カール等の形状変化を招いてしまうという問題も発生する。最外層の厚みは1μm以上50μm以下としており、1μm以上10μm以下とすることがさらに好ましい。
図5は、図4に示した5層構造のセルロースアセテートフィルム50の溶液製膜方法で用いた流延ダイ61の要部を示す断面図である。ここで、流延ダイ61は単一のスロットをもつフィードブロック方式となっており、5層を同時に形成することができるものとなっている。流延ダイ61の背面にはフィードブロック62,63がふたつ重ねて設置されており、そのフィードブロック62,63はドープの供給口62a,62b,63a〜63cを有している。図4の第1層51〜第5層55を形成するドープ(図示せず)は、この供給口62a,62b,63a〜63cからそれぞれ供給される。フィードブロック63の内部では供給口63a〜63cより続くスロットが合流し、さらに、フィードブロック62の内部では、フィードブロック63からのドープと供給口62a、62bからのドープが、5層形成をする。合流した5種類のドープは、単一のスロット65を通り、先端リップ66から支持体としてのドラム67へ同時に流延される。また、ここでの支持体はドラム67に限定されず、バンド38(図2参照)でもよい。
本発明のセルロースアシレートとしては、セルロースアセテートがもっとも好ましいが、これ以外の各種セルロースアシレートでもよい。さらに、これらをそれぞれ単独で使用しても、あるいは複数を混合して使用しても本発明に適用可能である。さらに、セルロースアシレート以外のポリマーであっても、その分子構造として、水酸基のアシル基置換度を制御することが可能なものであれば本発明に適用可能であり、光学的異方性を有せず、溶液製膜が可能であるものには特に有効である。
本発明は、図1及び図4に示したような5層以下の多層膜に限定されるものではなく、20層以下とする場合に特に有効である。さらに好ましくは3層以上15層以下であり、最も好ましくは3層以上10層以下である。また、この多層構造としたセルロースアシレートフィルムの厚みが10μm以上300μm以下であるとき好ましく適用される。しかし、各層の厚み及び厚みの比率については制限されるものではない。また、3層以上の多層構造とするとき、多層構造の中央に関して、つまり表裏について、対象構造である必要はない。
また、本発明には、単層のセルロースアシレートフィルムを多層構造としたときに、その全層がセルロースアシレートとしなくてもよい。ただしその場合には、セルロースアシレートフィルムの光学用途としての性状を損なわないように他の材料を選定する。また、このセルロースアシレートフィルムを他のフィルムと積層させて積層物とする場合には、セルロースアシレートが得られる積層物の表面側に位置してもよいし、内部を構成してもよい。また、セルロースアシレートが内部とされるときには、その両面側に構成されるものは、内部であるセルロースアシレートに関して互いに対象な単層または積層であってもよいし、非対象な単層または積層であってもよい。
さらに、連続する2層が、同一のアセチル置換度を有するセルロースアシレートから構成されていても、それぞれの層を形成するドープの溶媒の種類や組成比、添加物の有無や種類、添加量に差異がある場合には、これらは異なる2層と見なすものとしている。
得られたフィルムを親水性材料あるいはその他の材料と積層させる際には、両者を公知の接着方法により接着させることができる。例えば、得られたフィルムを親水性材料に圧着させたり、接着剤を使用して接着させたり、あるいは親水性材料を支持体として用いて、この上にセルロースアシレート溶液を塗布してもよい。塗布によって親水性材料と積層させるときには、親水性材料からなる支持体上に、従来は単層構造のセルロースアシレート層を塗布により付与していたものを、上記のような複層構造のセルロースアシレートとする場合に本発明は適用される。塗布の場合には、塗布ダイとして、上記実施形態における流延ダイと同じような公知のマルチマニホールドタイプもしくはフィードブロックタイプ等の各種の多層塗布用ダイを用いることができる。また、接着剤を用いる場合においては、例えば偏光板の偏光膜であるPVAとの貼り合わせで用いられる接着剤等がそれ自身親水性材料であることも多く、本発明のフィルムを用いることにより、接着剤と本フィルムとの密着性を向上させた偏光板等を得ることができる。なお、偏光膜としてPVAを用いた場合には、PVA水溶液を接着剤として用いることが一般的である。このように、本発明における親水性材料とは、必ずしもフィルムやシート、板等に限られず、接着剤等も含むものである。
以上の溶液製膜方法によって作られたフィルムを用いて、偏光板、光学補償フィルム及び液晶表示装置を作成することができる。さらに、このフィルムを写真感光材料として用いることもできる。本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムにより作製された偏光膜の両面に、前記の各実施形態の溶液製膜方法により作製されたセルロースアセテートフィルム10,40,50を保護膜として貼り合わせることによって得られる。偏光膜は、ポリビニルアルコール系フィルムを染色して得られるが、この染色方法としては、気相吸着法と液相吸着法が一般的でありどちらも適用することができるが、本発明においては液相吸着により染色を実施した。
液相吸着による染色には、ここではヨウ素を用いるがこれに限定されるものではない。ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素/ヨウ化カリウム(KI)水溶液に、30秒以上5000秒以下の浸積時間をもって浸積した。このときの水溶液は、ヨウ素の濃度を0.1g/リットル以上20g/リットル以下とし、ヨウ化カリウムの濃度を1g/リットル以上100g/リットル以下とすることが好ましい。また、浸積時の水溶液の温度は5℃以上50℃以下の範囲に設定されることが好ましい。
液相吸着方法としては、上記の浸積法に限らず、ヨウ素あるいはその他の染料溶液をポリビニルアルコールフィルムに塗布する方法や噴霧する方法など、公知の方法を適用してよい。染色を実施するのは、ポリビニルアルコールフィルムを延伸する前であっても延伸した後でもよいが、ポリビニルアルコールフィルムは染色を施されることにより適度に膨潤して延伸されやすくなることから、延伸工程の前に染色工程を設けることが特に好ましい。
ヨウ素の代わりに二色性色素で染色することも好適である。二色性色素としては、アゾ系色素やスチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素、アントラキノン系色素等の色素系化合物を例示することができる。なお、水溶性の色素系化合物がもっとも好ましい。また、これらの二色性色素の分子中に、スルホン酸基やアミノ基、水酸基等の親水性官能基が導入されていることが好ましい。
染色したポリビニルアルコール系フィルムを延伸して偏光膜を製造工程においてはポリビニルアルコールを架橋させる化合物を用いている。具体的には、延伸前工程もしくは延伸工程において架橋剤溶液にポリビニルアルコール系フィルムを浸積して架橋剤を含有させる。浸積する代わりに塗布してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムは、架橋剤の含有によって十分に硬膜化され、この結果、適切な配向が付与される。なお、ポリビニルアルコールの架橋剤としては、ホウ酸類がもっとも好ましいが、これに限定されるものではない。
得られた偏光膜とセルロースアセテートフィルムとの接着剤には、偏光膜と保護膜の接着に用いることができる公知の各種接着剤を用いている。中でも、アセトアセチル基やスルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を有する変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール系ポリマーやホウ素系化合物の水溶液が好ましい。この接着剤は、乾燥した後の厚みが0.01μm以上10μm以下となるように付与することが好ましく、0.05μm以上5μm以下となるように付与することがさらに好ましい。さらに、保護膜としてポリビニルアルコール層に付与したセルロースアセテートフィルム層の表面には、反射防止層や防眩層、滑り付与層、易接着層等を付与することができる。
さらに、得られたセルロースアセテートフィルム上に光学補償シートを貼付して、光学補償フィルムとして用いることもできる。前記の偏光板に反射防止層を付与した反射防止フィルムを得て、これを表面保護フィルムの片側として用い、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置を得る。また、液晶表示装置の視野角を改良する視野角拡大フィルムなどの光学補償フィルム、位相差板等を組み合わせて使用することもできる。透過型または半透過型の液晶表示装置に用いる場合には、市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、さらに視認性の高い表示装置を得ることができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実験1〕
3層構造のセルロースアセテートフィルム10を作製し、ポリビニルアルコールとの密着性の評価を行った。フィルム10は、フィードブロック方式の共流延にて、第1層11が18μm、第2層が4μm、第3層が18μmの厚みで全厚T10が40μmとなるように作製した。支持体としてはバンド38を用いた。各層のセルロースアセテートは、第1層11及び第3層13が木材パルプ原料のもので平均アセチル置換度が2.8であり、第2層12が同様に木材パルプ原料のもので平均アセチル置換度が1.8である。各層に添加した添加剤は以下の通りであり、各層を形成するドープ22,23,24はジクロロメタンとメチルアルコールとn−ブチルアルコールの混合体積比率が85;12;3であるものをいずれも溶媒として用い、各層における固形成分の配合比は以下に示す。なお、可塑剤としてはトリフェニルホスフェート(TPP)とビフェニルジフェニルホスフェート(BDP)との重量比3:1の混合物を用いている。第1層の表面をけん化し、この面をポリビニルアルコールと接着した。ポリビニルアルコールとの接着は、変性ポリビニルアルコールの水溶液を調整して塗布することにより行った。
(第1層)
セルロースアセテート 19重量部
シリカ微粒子 0.13重量部
クエン酸 300ppm(対セルロースアセテート)
(第2層)
セルロースアセテート 19重量部
可塑剤 16重量部
紫外線吸収剤 2重量部
(第3層)
セルロースアセテート 19重量部
シリカ微粒子 0.13部
得られたセルロースアセテートとポリビニルアルコールとの密着性の評価は、60℃の温水にこれを10時間浸漬したのち、ポリビニルアルコールからのセルロースアセテートフィルムの剥がれを目視にて確認することにより実施した。また、寸法安定性の評価方法は、セルロースアセテートフィルムを90℃の雰囲気下におき、120時間後の寸度変化を測定する方法であって、支持体からの剥離性評価については、剥離荷重を測定することにより行った。
本実験1の結果、得られたセルロースアセテートフィルムの複屈折率Rthは40nmであって光学用途として非常に好ましいものであり、ポリビニルアルコールとの積層ポリマーフィルムは、密着性、寸法安定性、支持体からの剥離性はいずれも良好であった。
〔実験2〕
図4に示すような5層構造のセルロースアセテートフィルム50を作製し、ポリビニルアルコールとの密着性評価を実施した。フィルム50は、その第1層51及び第5層55が3μm、第2層52及び第4層54が15μm、第3層53が4μmの厚みとなるように作製した。各層のセルロースアセテートは、第2層〜第5層52〜54が木材パルプ原料のもので、第1層51のみが綿花リンター原料のものである。また各アセチル置換度は、第1層51及び第5層55が1.8であり、第2層52及び第4層54が2.8であり、第3層53が2.7である。各層の固形成分の配合比、及び添加した添加剤は以下の通りであって、第1層51の表面をけん化処理することなく、ポリビニルアルコールと接着した。可塑剤や微粒子の種類や評価方法等、他の条件は実験1と同様に実施した。
(第1層)
セルロースアセテート 19重量部
シリカ微粒子 0.13重量部
クエン酸 300ppm(対セルロースアセテート)
(第2層)
セルロースアセテート 19重量部
可塑剤 16重量部
紫外線吸収剤 2重量部
(第3層)
セルロースアセテート 19重量部
可塑剤 16重量部
紫外線吸収剤 2重量部
(第4層)
セルロースアセテート 19重量部
可塑剤 16重量部
紫外線吸収剤 2重量部
(第5層)
セルロースアセテート 19重量部
シリカ微粒子 0.13重量部
本実験2の結果、得られたセルロースアセテートフィルムの複屈折率Rthは、40nmであって光学用途として非常に好ましいものであり、ポリビニルアルコールフィルムとの積層フィルムは、その密着性及び寸法安定性、支持体からの剥離性はいずれも非常に良好なものであった。
〔比較実験1〕
平均アシル基置換度が2.8のセルロースアセテートを、厚み40μmの単層構造を有するフィルムとした。セルロースアセテートの原料は、木材パルプである。ドープの固形成分の配合比は以下の通りである。なお、溶媒の種類や、密着性等の各評価方法をはじめとするその他の条件については実験1と同様とした。なお、けん化処理は、支持体からの剥離面側とした。
セルロースアセテート 19重量部
シリカ微粒子 0.13重量部
可塑剤 16重量部
紫外線吸収剤 2重量部
本比較実験の結果、得られたポリビニルアルコールフィルムとの積層フィルムは、その密着性及び寸法安定性、支持体からの剥離性はいずれも良好なものであったが、複屈折率Rthは、24nmであって本実施形態のおける光学用途としては好ましいものではなかった。
〔比較実験2〕
平均アシル基置換度が2.7のセルロースアセテートを、厚み40μmの単層構造を有するフィルムとした。セルロースアセテートの原料は、木材パルプである。ドープの固形成分の配合比は以下の通りである。なお、溶媒の種類や、密着性等の各評価方法をはじめとするその他の条件については実験1と同様とした。なお、けん化処理は、支持体からの剥離面側とした。
セルロースアセテート 19重量部
シリカ微粒子 0.13重量部
可塑剤 16重量部
紫外線吸収剤 2重量部
本比較実験の結果、得られたセルロースアセテートフィルムの複屈折率Rthは、39nmであって光学用途として好ましく、ポリビニルアルコールフィルムとの積層フィルムは、その密着性及び寸法安定性は良好であったが、支持体からの剥離性はよいものではなかった。
ヨウ素濃度を0.3g/リットルとし、ヨウ化カリウム18.0g/リットルとした水溶液を25℃に設定して、この中にフィルム厚が75μmのポリビニルアルコールフィルム(厚み(株)クラレ製)を浸漬した。さらに、ホウ酸濃度を80g/リットル、ヨウ化カリウム濃度を30g/リットルとした50℃の水溶液中にて、このフィルムを5.0倍に延伸して偏光膜を得た。実験2で得られたセルロースアセテートフィルムを、接着剤を用いて偏光膜に積層させた。接着剤としてポリビニルアルコール(商品名;PVA−117H、(株)クラレ製)の4%水溶液を用いた。これを80℃の空気恒温槽にて約30分間乾燥して偏光板を得た。
分光光度計により、得られた偏光板について、可視領域における並行透過率Yp及び直交透過率Ycを求め、次式に基づき偏光度PYを決定した。
PY={(Yp−Yc)/(Yp+Yc)}1/2 ×100 (%)
本実施例の結果、実験2から製造されたフィルムを用いて構成された偏光板のいずれにおいても偏光度PYは99.6%以上であり、本発明の溶液製膜方法にて得られるフィルムは、偏光板に好適に用いることができることがわかる。
透過型TN液晶表示装置が搭載されたノートパソコンの液晶表示装置の視認側偏光板を、実施例2で作製した偏光板にそれぞれ貼り代えた。なお、この液晶表示装置は、そのバックライトと液晶セルとの間に、偏光選択層を有する偏光分離フィルム(商品名;DーBEF、住友3M(株)製)を有している。
本実施例の結果、得られた液晶表示装置は、背景の映りこみが極めて少なく、表示品位の非常に高いものであった。このことから、本発明の溶液製膜方法にて得られるフィルムは、液晶表示装置として好適であることがわかる。
本発明の実施形態であるセルロースアセテートフィルムの断面図である。 マルチマニホールド方式の流延ダイの要部を示す断面図である。 別の実施形態であるフィードブロック方式の流延ダイの要部を示す断面図である。 別の実施形態であるセルロースアセテートフィルムの断面図である。 別の実施形態である流延ダイの断面図である。
符号の説明
10 フィルム
11 第1層
12 第2層
13 第3層
15 微粒子
17 親水性材料
21 流延ダイ
38 バンド
41 流延ダイ
42 流延ダイ
45 ドラム
50 フィルム
51 第1層
52 第2層
53 第3層
54 第4層
55 第5層
56 微粒子
61 流延ダイ
67 バンド

Claims (17)

  1. 少なくとも3層の複層構造を有し、
    表面層である2層のセルロースアシレートの平均アシル基置換度が、0.5以上2.8以下であって、
    前記ふたつの表面層を除く層のうち少なくとも1層が、前記表面層よりも高い平均アシル基置換度を有するとともに、前記表面層よりも低い複屈折率を有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
  2. 前記表面層のうち、少なくとも一方が親水性材料と接するように積層されることを特徴とする請求項1記載のセルロースアシレートフィルム。
  3. 酢酸と無水酢酸とをエステル化剤とするとともに硫酸をエステル化触媒として用いてセルロースをエステル化し、残存した前記硫酸を中和した後、熟成することにより各層の前記セルロースアシレートの平均アシル基置換度が制御されたものであることを特徴とする請求項1または2記載のセルロースアシレートフィルム。
  4. 互いに異なる平均アシル基置換度を有するセルロースアシレートを混合することにより、各層の前記セルロースアシレートの平均アシル基置換度がそれぞれ制御されることを特徴とする請求項1または2記載のセルロースアシレートフィルム。
  5. カルシウム化合物により前記残存硫酸を前記中和し、
    用いる前記カルシウム化合物の前記セルロースアシレートに対する重量比を60ppm以下とすることを特徴とする請求項3記載のセルロースアシレートフィルム。
  6. 親水性材料と積層されるセルロースアシレートフィルムにおいて、
    セルロースアシレートの平均アシル基置換度が互いに異なる少なくとも2層の複層構造を有し、
    前記親水性材料と接する第1層のセルロースアシレートの平均アシル基置換度が0.5以上2.8以下であって、
    かつ、各層のセルロースアシレートの前記平均アシル基置換度が、互いに異なる平均アシル基置換度のセルロースアシレートを混合することによって制御されたものであることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
  7. 親水性材料と積層されるセルロースアシレートフィルムにおいて、
    前記親水性材料と接する第1層と前記第1層に接する第2層との少なくとも2層の複層構造を有し、
    前記第1層と前記第2層との各セルロースアシレートが互いに異なる平均アシル基置換度であり、前記第1層のセルロースアシレートの平均アシル基置換度が0.5以上2.8以下であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
  8. 前記親水性材料と接する面の水に対する接触角が60°以下であることを特徴とする請求項2ないし7いずれかひとつ記載のセルロースアシレートフィルム。
  9. 互いに接する2層は、セルロースアシレートの原料と、それらの層に含まれる添加物と、それらの層を形成する前記セルロースアシレートの溶液の溶媒との少なくともいずれかひとつが互いに異なることを特徴とする請求項1ないし8いずれかひとつ記載のセルロースアシレートフィルム。
  10. 支持体上に前記セルロースアシレートの溶液を流延して前記支持体から剥離することにより製造され、
    前記支持体からの剥離面を形成する層が、前記親水性材料と接する層となり、かつ、25℃の水溶液中での酸解離定数pKaが2.0以上4.5以下の酸性化合物を前記剥離時に含有することを特徴とする請求項2ないし9いずれかひとつ記載のセルロースアシレートフィルム。
  11. 原料が木材パルプの前記セルロースアシレートからなる層と、綿花リンターの前記セルロースアシレートからなる層とを少なくとも1層ずつ有することを特徴とする請求項1ないし10いずれかひとつ記載のセルロースアシレートフィルム。
  12. 原料が木材パルプの前記セルロースアシレートと、綿花リンターの前記セルロースアシレートとを混合した層を有することを特徴とする請求項1ないし10いずれかひとつ記載のセルロースアシレートフィルム。
  13. 3層以上の複層構造であり、ふたつの表面層を除く層にのみ揮散性物質を有することを特徴とする請求項1ないし12いずれかひとつ記載のセルロースアシレートフィルム。
  14. 3層以上の複層構造であり、ふたつの表面層にのみ微粒子物質を有することを特徴とする請求項1ないし13いずれかひとつ記載のセルロースアシレートフィルム。
  15. 親水性材料が少なくとも片面に積層されるセルロースアシレートフィルムの溶液製膜方法において、
    互いに異なる平均アシル基置換度を有するセルロースアシレートの層を少なくとも2層有する複層構造とし、前記親水性材料と接する層の前記セルロースアシレートの平均アシル基置換度を0.5以上2.8以下とし、
    各層のセルロースアシレートの前記平均アシル基置換度が、互いに異なる平均アシル基置換度のセルロースアシレートを混合することによって制御され、
    前記セルロースアシレートの各溶液を支持体上に共流延または逐次流延することを特徴とする溶液製膜方法。
  16. 前記支持体をバンド、または、ドラムとすることを特徴とする請求項15記載の溶液製膜方法。
  17. 前記セルロースアシレートの前記溶液の主溶媒を非塩素系有機溶媒とすることを特徴とする請求項15または16記載の溶液製膜方法。
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