JP2007169599A - セルロースアシレートフィルム、その製造方法、これを用いた偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
セルロースアシレートフィルム、その製造方法、これを用いた偏光板および液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007169599A JP2007169599A JP2006265003A JP2006265003A JP2007169599A JP 2007169599 A JP2007169599 A JP 2007169599A JP 2006265003 A JP2006265003 A JP 2006265003A JP 2006265003 A JP2006265003 A JP 2006265003A JP 2007169599 A JP2007169599 A JP 2007169599A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- film
- carbon atoms
- liquid crystal
- cellulose derivative
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【解決手段】下記(a)および(b)を満たすセルロースアシレートを含むドープをソルベントキャスト法により製膜し、続いて延伸処理を行いフィルムを得る。該フィルムを用い偏光板および液晶表示装置を作製する。(a)セルロースのグルコース単位が有する三つの水酸基のうち少なくとも一つが分極率異方性Δα2.5×10−24cm3以上であるアシル基により置換されている。(b)前記Δαが2.5×10−24cm3以上であるアシル基による置換度PAと、Δαが2.5×10−24cm3未満であるアシル基による置換度をPBが2PA+PB>3.0、PA>0.2を満たす。
【選択図】なし
Description
これに伴い液晶表示装置において、これまで問題とされていなっかった、黒表示時の対角位斜め入射方向での僅かな光漏れが表示品質の低下の原因として顕在化してきた。そして光学補償フィルムに対してもコントラストが高く、位相差特性の変化が少ないといった光学補償能のさらなる向上が求められている。
[1] 下記条件(a)および(b)を満たすセルロース誘導体を含むドープを、ソルベントキャスト法により製膜することを特徴とするセルロース誘導体フィルムの製造方法。
(a)セルロースのグルコース単位が有する三つの水酸基のうち、少なくとも一つが下記数式(1)で表される分極率異方性Δαが2.5×10−24cm3以上である置換基により置換されている。
(式中、αxは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最大の成分であり;
αyは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、二番目に大きい成分であり;
αzは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最小の成分である。)
数式(4):PA>0.2
[3] 前記Δαが2.5×10−24cm3以上である置換基が芳香族アシル基であり、Δαが2.5×10−24cm3未満である置換基が脂肪族アシル基であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のセルロース誘導体フィルムの製造方法。
[5] 前記ドープが、レターデーション調整剤を少なくとも1種類含むことを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載のセルロース誘導体フィルムの製造方法。
[6] 前記レターデーション調整剤が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする上記[5]に記載のセルロース誘導体フィルムの製造方法。
数を表し、それぞれAr2、L2は同一であっても異なっていてもよい。]
[8] 下記式(A)および(B)のレターデーションを満たすことを特徴とする上記[7]に記載のセルロース誘導体フィルム。
20nm<|Re(630)|<300nm (A)
−30nm>Rth(630)>−400nm (B)
(ここでRe(630)は、波長630nmにおけるフィルムの面内方向のレターデーションを示す。また、Rth(630)は、波長630nmにおけるフィルムの膜厚方向のレターデーションを示す。)
[9] 下記(C)および(D)のレターデーションを満たす光学異方性層を有することを特徴とする上記[7]又は[8]に記載のセルロース誘導体フィルム。
0nm<Re(546)<200nm (C)
0nm<|Rth(546)|<300nm (D)
(ここでRe(546)は、波長546nmにおけるフィルムの面内方向のレターデーションを示す。またRth(546)は、波長546nmにおけるフィルムの膜厚方向のレターデーションを示す。)
[11] 前記光学異方性層が棒状液晶層を含有することを特徴とする上記[9]に記載のセルロース誘導体フィルム。
[13] 表面にハードコート層、防眩層および反射防止層の少なくとも1層を設けたことを特徴とする上記[12]に記載の偏光板。
[14] 上記[7]〜[11]のいずれかに記載のセルロース誘導体フィルム、または上記[12]もしくは[13]に記載の偏光板、のいずれかを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
[15] 上記[7]〜[11]のいずれかに記載のセルロース誘導体フィルム、または上記[12]もしくは[13]に記載の偏光板、のいずれかを用いたことを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
本発明は、下記条件(a)および(b)を満たすセルロース誘導体を含むドープを、ソルベントキャスト法により製膜することを特徴とするセルロース誘導体フィルムの製造方法および該製造方法によって製造されたセルロース誘導体フィルムに関する。
(a)セルロースのグルコース単位が有する三つの水酸基のうち、少なくとも一つが下記数式(1)で表される分極率異方性Δαが2.5×10−24cm3以上である置換基により置換されている。
数式(1):Δα=αx−(αy+αz)/2
(式中、αxは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最大の成分であり;
αyは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、二番目に大きい成分であり;
αzは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最小の成分である。)
数式(3):2PA+PB>3.0
数式(4):PA>0.2
本発明は、使用するセルロース誘導体の構成単位であるβ−グルコース環上の3つの水酸基に連結する置換基として、分極率異方性が大きい置換基を導入し、かつ延伸工程を経てフィルムを作成することに特徴がある。
β−グルコース環上の水酸基に置換した分極率異方性の大きい置換基は、延伸処理時にβ−グルコース環主鎖に対して直交し、さらに分極率異方性が大きい置換基がフィルムの膜厚方向に分極率異方性が最大になる方向に配向する。これによってフィルムの膜厚方向に屈折率が最大となるセルロース誘導体フィルムを得ることが出来る。すなわちフィルム面内においては、延伸軸方向よりも延伸直交方向に遅相軸が発現し、かつ膜厚方向のレターデーションRthが負に大きく発現するセルロース誘導体フィルムを得ることが出来る。
本発明者らは検討の結果、膜厚方向レターデーションRthを得るためには前記PAを高くすることが好ましいことを見出したが、同時にPAが高すぎると面内レターデーションが所望の範囲を逸脱したり、フィルム軟化温度が下がるなどの問題が生じた。また溶液製膜を行う場合に十分な溶解性が得られない場合があった。
そこで本発明者らは所望の光学性能、および物性を得るためにはPAとPBのバランスが重要であると考え、鋭意検討を重ねた結果、2PA+PB>3.0を満たす置換度を有するセルロース誘導体を用いることで、膜厚方向レターデーションRthが好ましく負になり、かつその他の所望の性能が得られることを見出した。
また他に下記の方法でもセルロース誘導体の置換度を測定することが可能である。
すなわち測定しようとしているセルロース誘導体の残存している水酸基に対して、このセルロース誘導体の置換基と異なる種類の置換基を導入する前処理を行い、得られたセルロース誘導体のC13−NMRスペクトルを測定し、セルロース誘導体の有する水酸基に直接結合しているカルボニル炭素に対応するシグナル強度比を測定することでそれぞれの置換基の置換度を求めることができる。
具体的には、例えばアセチル基および芳香族アシル基からなるセルロース誘導体の場合には、前処理として残存する水酸基にプロピオニル基を導入する。プロピオニル基を導入する方法としては例えば非特許文献1に記載されているような公知の方法で行うことができる。
このような前処理を施したセルロース誘導体のC13−NMRスペクトルにおいてはアセチル基、プロピオニル基、芳香族アシル基の有するカルボニル炭素に対応するピークが異なる位置に観測されるためそれぞれのピーク強度から置換度を求めることができる。
数式(3):2PA+PB>3.0
数式(4):0.2<PA(好ましくは0.2<PA<3.0)
さらに前記の通り、所望の膜厚方向レターデーションRthだけでなく、好ましい面内レターデーションRe、さらには好ましいフィルム物性を得るために、下記数式(3’)および(4’)の関係を満たすことがより好ましく、
数式(3’):2PA+PB>3.0
数式(4’):0.2<PA<2.0
下記数式(3’’)かつ(4’’)の関係を満たすことがさらに好ましい。
数式(3’’):2PA+PB>3.0
数式(4’’):0.2<PA<1.0
前記の通り、本発明のフィルムは分極率異方性で定義される特定の置換基を有するセルロースアシレートを用いることを特徴としている。置換基の分極率異方性は例えばGaussian03(Revision B.03、米ガウシアン社ソフトウェア)を用いて計算することが出来る。
具体的にはB3LYP/6-31G*レベルの計算で置換基の構造を最適化した後、得られた構造を用いてB3LYP/6-311+G**レベルで分極率を計算する。その後、得られた分極率テンソルを
対角化し、得られた対角成分により、下記式から分極率異方性を算出することが出来る。
(式中、αxは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最大の成分であり;
αyは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、二番目に大きい成分であり;
αzは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最小の成分である。)
ーデーションRthが負の値になり、特に好ましい。そのようなαxおよびαyの配向については、セルロースアシレートのグルコピラノース環に対する置換基の置換位置に因る要因が大きいと考えられる。
また置換基は、ハロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1乃至20のアルキル基、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至20のアリール基、炭素原子数が6乃至20のアリールオキシ基、炭素原子数が1乃至20のアシル基、炭素原子数が1乃至20のカルボンアミド基、炭素原子数が1乃至20のスルホンアミド基および炭素原子数が1乃至20のウレイド基からなる群より選ばれるのが好ましい。
一般式(A)で表される芳香族アシル基の具体例は下記に示す通りであるが、好ましいのは、No.1、3、5、6、8、13、18、28、より好ましいのはNo.1、3、6、13である。
l.29、3981−3990(1984)記載)が挙げられる。上記の方法として芳香族アシル基の置換方法としては、(1)セルロース脂肪酸モノエステル又はジエステルを一旦製造したのち、残りの水酸基に前記一般式(A)で表される芳香族アシル基を導入する方法、(2)セルロースに直接に、脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸の混合酸無水物を反応させる方法、などがあげられる。前者においては、セルロース脂肪酸エステル又はジエステルの製造方法自体は周知の方法であるが、これにさらに芳香族アシル基を導入する後段の反応は、該芳香族アシル基の種類によって異なるが好ましくは反応温度0〜100℃、より好ましくは20〜50℃で、反応時間は、好ましくは30分以上、より好ましくは30〜300分で行われる。また後者の混合酸無水物を用いる方法も、反応条件は混合酸無水物の種類によって変わるが、好ましくは反応温度0〜100℃、より好ましくは20〜50℃、反応時間は好ましくは30〜300分、より好ましくは60〜200分である。上記のいずれの反応も、反応を無溶媒又は溶媒中のいずれで行ってもよいが、好ましくは溶媒を用いて行われる。溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、ジオキサンなどを用いることができる。
Re(λ)は自動複屈折計(例えばKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーシ
ョン値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。
本発明において、添加剤として下記一般式(1)に示されるようなレターデーション調整剤を用いることが好ましい。以下にセルロース誘導体フィルムのレターデーションを発現する化合物について説明する。本発明者らは、鋭意検討した結果、レターデーション調整剤として分子の最大末端間距離が20Å以上であり、かつ分子長軸/短軸比が2.0以上の素材を用いて光学的異方性を十分に発現させ、ReまたはRthが高くなるようにした。すなわち、延伸フィルム中で配向した調整剤によって、フィルム延伸方向と延伸直交方向の屈折率差が生じやすくなり、延伸方向の複屈折を容易に発現できる。なお、本発明に示す最大末端間距離、および分子長軸/短軸比については、MOPAC、WinMOPAC等の分子軌道計算ソフトを用いて分子構造を計算した結果から試算した。本発明においてレターデーション調整剤としては、下記一般式(1)で表される化合物を添加することが好ましい。ただし、本発明の効果については、レターデーションを発現する添加剤として以下に示す構造に限定される訳ではない。
一般式(1)中、Ar1、Ar2、Ar3で表されるアリール基としてより好ましくは炭
素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。
窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む芳香族ヘテロ環であればいずれのヘテロ環でもよいが、好ましくは5ないし6員環の酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む芳香族ヘテロ環である。また、可能な場合にはさらに置換基を有してもよい。置換基としては後述の置換基Tが適用できる。
し、L2、L3はそれぞれ独立して、単結合、または2価の連結基を表す。nは3以上の整数を表し、それぞれAr2、L2は同一であっても異なっていてもよい。
連結基を表し、2価の連結基の例として好ましくは、-NR7-(R7は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表す)で表される基、アルキレン基、置換アルキレン基、-O-、およびこれらの2価基を2つ以上組み合わせて得られる基であり、その内より好ましいものは-O-、-NR7-、-NR7SO2-、および-NR7CO-である。
置換基Tとして好ましくはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、t-ブチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4-n-ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン-2-イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン-3-イル)、
キシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
R2、R3、R4、R5、R6は同じであってもよく、異なっていてもよい。置換基として好
ましくはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換または無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換または無置換の、芳香族または非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5または6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N-メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m-n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換または無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
2価の連結基の例として好ましいものは、−NR7−(R7は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基またはアリール基を表す)で表される基、−SO2−、−CO−、
アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、−O−、−S−、−SO−およびこれらの2価基を2つ以上組み合わせて得られる基であり、その内より好ましいものは−O−、−CO−、−SO2NR7−、−NR7SO2−、−CONR7−、−NR7CO−、−COO−、および−OCO−、アルキニレン基であり、最も好ましくは−CONR7−、−NR7CO−、−COO−、および−OCO−、アルキニレン基である。ここで、置換基としては前述のR1、R2、R3、R4、R5、R6における置換基の例が適用できる。
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換または無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換または無置換の、芳香族または非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5または6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換または無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N-メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m-n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換または無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
L2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。なお、レターデーション制御効果の
観点からは、一般式(4)で表される化合物は対称化合物または対称に近い化合物であること(即ち、一般式(1)において中央に位置するシクロヘキサンの1,4位に結合する基が同一構造または近似する構造を有する)が好ましい。
またこれらレターデーション調整剤は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。またこれらレターデーション調整剤を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
本発明に用いられるセルロース誘導体原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロース誘導体でも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明のセルロース誘導体フィルムに対しては特に限定されるものではない。
本発明で好ましく用いられるセルロース誘導体の重合度は、粘度平均重合度で10〜500であり、150〜450がより好ましく、180〜400が特に好ましい。重合度が高すぎるとセルロース誘導体のドープ溶液の粘度が高くなり、流延によりフィルム作製が困難になる。重合度が低すぎると作製したフィルムの強度が低下してしまう。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。特開平9−95538に詳細に記載されている。
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロース誘導体フィルムを製造することが好ましく、セルロース誘導体を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造される。本発明の主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
[溶解工程]
本発明のセルロース誘導体溶液(ドープ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。本発明におけるセルロース誘導体溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
本発明のセルロース誘導体溶液のドープ透明度としては85%以上であることがのぞましい。より好ましくは88%以上であり、さらに好ましくは90%以上であることがのぞましい。本発明においてはセルロース誘導体ドープ溶液に各種の添加剤が十分に溶解していることを確認した。具体的なドープ透明度の算出方法としては、ドープ溶液を1cm角のガラスセルに注入し、分光光度計(UV−3150、島津作製所)で550nmの吸光度を測定した。溶媒のみをあらかじめブランクとして測定しておき、ブランクの吸光度との比からセルロース誘導体溶液の透明度を算出した。
次に、本発明のセルロース誘導体溶液を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロース誘導体フィルムを製造する方法および設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法および溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロース誘導体溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅方向に延伸した後、得られたフィルムを乾燥装置のロール群で機械的に搬送し乾燥を終了して巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。本発明のセルロース誘導体フィルムの主な用途である、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性保護フィルムやハロゲン化銀写真感光材料に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む),金属支持体,乾燥,剥離などに分類され、本発明において好ましく用いることができる。
(フィルムのヘイズ)
本発明のセルロース誘導体フィルムのヘイズは0.01〜2.0%であることがのぞましい。よりのぞましくは0.05〜1.5%であり、0.1〜1.0%であることがさらにのぞましい。光学フィルムとしてフィルムの透明性は重要である。ヘイズの測定は、本発明のセルロース誘導体フィルム試料40mm×80mmを、25℃,60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定した。
コントラストの評価方法として黒表示状態の液晶表示装置を極角60°で全方位角で10点測定を行った時の平均輝度(単位:Cd/m2)および、10点の変化率=10点測定の最大値と最小値の差/平均輝度(単位:%)を測定した。従って、平均輝度が小さく輝度変化率が小さいフィルムほど、コントラストが高く視野角依存性が小さい表示が可能となる。本発明における好ましい平均輝度は0.4未満であり、より好ましくは0.3未満、特に好ましくは0.25未満である。また、本発明における好ましい変化率は、30%未満であり、より好ましくは25%未満、特に好ましくは20%未満である。
黒輝度の評価方法として極角0°で画面内でランダムに10点測定を行った時の平均輝度(単位:Cd/m2)より黒輝度を算出した。本発明における好まし黒輝度は黒輝度<0.25であり、より好ましくは黒輝度<0.20、特に好ましくは黒輝度<0.18である。
本発明のセルロース誘導体フィルムは、その用途として光学用途と写真感光材料に適用される。特に光学用途が液晶表示装置であることが好ましく、液晶表示装置が、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光板、および該液晶セルと該偏光板との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成であることがさらに好ましい。これらの液晶表示装置としては、TN、IPS、FLC、AFLC、OCB、STN、ECB、VAおよびHANが好ましい。
その際に前述の光学用途に本発明のセルロース誘導体フィルムを用いるに際し、各種の機能層を付与することが実施される。それらは、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学異方性層、配向層、液晶層などである。本発明のセルロース誘導体フィルムを用いることができるこれらの機能層およびその材料としては、界面活性剤、滑り剤、マット剤、帯電防止層、ハードコート層などが挙げられ、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
本発明のセルロース誘導体フィルムは、下記(C)および(D)のレターデーションを満たす光学異方性層を有することが好ましい。
0nm<Re(546)<400nm (C)
0nm<|Rth(546)|<400nm (D)
(ここでRe(546)は、波長546nmにおけるフィルムの面内方向のレターデーションを示す。またRth(546)は、波長546nmにおけるフィルムの膜厚方向のレターデーションを示す。)
好ましくは、
0 nm<Re(546)<200nm (C’)
0 nm<|Rth(546)|<300nm (D’)
である。
上記の各レターデーションを得るための光学異方性層は、ディスコティック液晶層または棒状液晶層が好ましい。
前者の場合は、例えば延伸により配向処理したポリマーフィルムを粘着剤等を介してセルロース誘導体フィルムに貼合しても良く、セルロース誘導体フィルムにポリマー層を塗布法により設けた後、延伸処理を施しても良い。ポリマーの種類は特に制限は無く、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリオレフィン、セルロースエステル等を用いることができる。
後者の場合、液晶層に特に制限は無いが、ディスコティック液晶層または棒状液晶層が好ましく用いられる。これらの層はディスコティック液晶もしくは棒状液晶の他に必要に応じて配向制御剤等を含んでいても良い。
D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。前記式中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)及び重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。なお、液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
本発明のセルロース誘導体フィルムの用途について説明する。
本発明のセルロース誘導体フィルムは特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロース誘導体フィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明のセルロース誘導体フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが得に好ましい。
セルロース誘導体フィルムを光学補償フィルムとして用いる場合は、偏光板の透過軸と、セルロース誘導体フィルムからなる光学補償フィルムの遅相軸とをどのような角度で配置しても構わない。液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光板、および該液晶セルと該偏光板との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
本発明のセルロース誘導体フィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のセルロース誘導体フィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効であるが、とくにIPSモードの液晶表示装置に用いるのが好ましい。
また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
本発明のセルロース誘導体フィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くから良く知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.143や、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.1068)に記載がある。
本発明のセルロース誘導体フィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
本発明のセルロース誘導体フィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置に用いる光学補償シートのReを0乃至150nmとし、Rthを70乃至400nmとすることが好ましい。Reは、20乃至70nmであることが更に好ましい。VA型液晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthは70乃至250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthは150乃至400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
本発明のセルロース誘導体フィルムは、IPSモードおよびECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置の光学補償シートの支持体、または偏光板の保護フィルムとしても特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明のセルロース誘導体フィルムを用いた偏光板は色味の改善、視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護フィルムのうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護フィルム(セル側の保護フィルム)に本発明のセルロース誘導体フィルムを用いた偏光板を少なくとも片側一方に用いることが好ましい。更に好ましくは、偏光板の保護フィルムと液晶セルの間に光学異方性層を配置し、配置された光学異方性層のレターデーションの値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定するのが好ましい。
本発明のセルロース誘導体フィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートには、レターデーションの絶対値が最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの光学的性質も、光学異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光学異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.38(1999)p.2837)に記載がある。
本発明のセルロース誘導体フィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、WO9848320号、特許第3022477号の各公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、WO00/65
384号に記載がある。
本発明のセルロース誘導体フィルムは、ASM(Axially Symmetric
Aligned Microcell )モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID
98 Digest 1089 (1998))に記載がある。
<セルロース誘導体溶液の調製>
表1−1及び1−2に記載の組成物を耐圧性のミキシングタンクに投入し、6時間攪拌して各成分を溶解し、セルロース誘導体溶液T−1〜T−15を調製した。なお、表1−1及び1−2の置換度の欄の()内には置換されたアシル基の基名を示した。
BDP:ビフェニルジフェニルフォスフェート
PMMA: ポリメチルメタクリレート(オリコ゛マー:分子量約9000)
耐圧性のミキシングタンクに、表2に記載の組成物を投入し、39℃にて攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液U−1を調製した。
耐圧性のミキシングタンクにて、セルロースアシレート溶液T−1の477質量部を充分に攪拌し、ドープを調製した。調整したドープをバンド流延機にて金属支持体上に流延した後に乾燥を行い、自己支持性のあるドープ流延膜をバンドより剥離した。剥離したドープ膜の端部をテンターで把持し、フィルム幅がそれぞれ1.0倍、1.1倍となるようにテンター延伸し、その後テンターで把持しながら乾燥し、厚み80μmのセルロースアシレートフィルム試料001、002を、長手方向(流延方向)100m、幅方向1.3mの大きさで作製した。
セルロースアシレートフィルム試料001の作製方法において、セルロースアシレート溶液を表1−1、表1−2および表3にしたがって適宜変更し、延伸倍率を表3に示すようにしたこと以外は同様の方法により、厚み80μmのセルロースアシレートフィルム試料005〜006、008〜016、018〜020、024、025を、長手方向(流延方向)100m、幅方向1.3mの大きさで作製した。
セルロースアシレートフィルム試料001の作製方法において、ドープ調液に使用するセルロースアシレート溶液を表1−1、表1−2および表3にしたがってT−2、T−10、T−13に適宜変更し、かつセルロースアシレート溶液4質量部に対して表2に示した添加剤溶液を1質量部の割合で添加し、延伸倍率を表3に示すようにしたこと以外は同様の方法により、厚み80μmのセルロースアシレートフィルム試料007、017、021を、長手方向(流延方向)100m、幅方向1.3mの大きさで作製した。
セルロースアシレートフィルム試料※Cの作製方法において、バンド流延機の金属支持体上に流延する際に使用するダイの幅を広げ、フィルムの幅が1.5mになるように作製したこと以外は同様にしてセルロースアシレートフィルム試料※Gを作製した。
セルロースアシレート溶液※1を耐圧製ストックタンクに入れて静置した後、ポンプ、フィルター(フィルター径:10μm)を有する送液配管を用いてバンド流延機の金属支持体上に幅800mmの専用ダイを使用して流延した。バンド上で乾燥させ、自己支持性のある流延膜を金属支持体上から剥離した後、膜の端部をテンタークリップで把持し、延伸倍率が1.08倍になるように140℃で延伸した。延伸後にクリップから離脱し、フィルムの両端のクリップ把持部分を切り除いた後、連続的にロールを配置してフィルムを搬送できるようにした乾燥ゾーンを用いて135℃で乾燥させた。乾燥後のフィルムは幅680mmになるように再度両端を切り除いて巻き芯に500mの長さを巻き取った。このようにしてセルロースアシレートフィルム試料※Hの試料を作製した。
巻き取り後のフィルム膜厚は102μmであった。
セルロースアシレートフィルム試料002の作製方法において、ドープ調液に使用するセルロースアシレート溶液を表1−1及び表1−2にしたがって※2に変更し、かつ厚みを60μmとしたこと以外は同様にしてセルロースアシレートフィルム試料※Iを、長手方向(流延方向)100m、幅方向1.3mの大きさで作製した。
セルロースアシレートフィルム試料002の作製方法において、ドープ調液に使用するセルロースアシレート溶液を表1−1及び表1−2にしたがって※3、※6に変更し、延伸倍率を1.3倍、厚みを40μmとしたこと以外は同様にしてセルロースアシレートフィルム試料※J、Nを、長手方向(流延方向)100m、幅方向1.3mの大きさで作製した。
セルロースアシレートフィルム試料001の作製方法において、延伸倍率を1.2倍にしたこと以外は、同様の方法により、厚み80μmのフィルム003を得た。また、セルロースアシレートフィルム試料001の作製方法において、セルロースアシレート溶液をT−13に変更し、延伸倍率を1.2倍にしたこと以外は同様の方法により、厚み80μmのフィルム022を得た。
また、セルロースアシレートフィルム試料001の作製方法において、セルロースアシレート溶液を※1に変更し、延伸倍率を1.16倍とし、フィルムの膜厚を150μmにしたこと以外は同様の方法によりフィルム※Dを得た。
上記フィルム003および022の表面をケン化後、これらのフィルム上に下記の組成の配向膜塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2塗布した。60℃の温風で60
秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、膜を形成した。次に、形成した膜にフィルムの遅相軸方向と平行の方向にラビング処理を施して、配向膜を得た。
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
添加剤(下記例示化合物I−1) 0.2質量部
前記のフィルム003および023のけん化処理および配向膜の形成を行った後、下記のディスコティック液晶性化合物(D1)1.8g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)0.2g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)0.06g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02g、空気界面側垂直配向剤(フッ素系ポリマー、下記化合物P−15)0.0072gを3.9gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を、#3.4のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、125℃の恒温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、100℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射しディスコティック液晶性化合物を架橋して、光学異方性層を形成した。その後、室温まで放冷した。このようにして、セルロースアシレートフィルム試料004、023を作製した。光学異方性層のRe(546)は3.4nm、Rth(546)は −130 nmであった。
セルロースアシレートフィルム試料001の作製方法において、セルロースアシレート溶液を※1に変更し、延伸倍率1.4倍、延伸後の膜厚を60μmとしたこと以外は同様にしてセルロースアシレートフィルムを作製した。表面をけん化処理した後、ディスコティック液晶塗布液を#3バーで塗布したこと以外はセルロースアシレートフィルム004と同様にして配向膜、光学異方性層を設けてセルロースアシレートフィルム試料※Eを作製した。光学異方性層のRe(546)は2.8nm、Rth(546)は−98nmであった。
セルロースアシレートフィルム試料001の作製方法において、延伸倍率を1.2倍にしたこと以外は同様の方法により、厚み80μmのフィルム※Aを得た。また、セルロースアシレート溶液を※1に変更し延伸倍率を1.2倍にしたこと以外は同様の方法で厚み80μmのフィルム※Fを得た。
上記フィルムの表面をケン化処理した後、これらのフィルム上に以下の組成の配向膜塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、膜を形成した。次に、形成した膜にフィルムの遅相軸方向と平行の方向にラビング処理を施して、配向膜を設けた。
前記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
前記の棒状液晶性化合物(I−1) 100質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
下記のフッ素系ポリマー 0.4質量部
下記のピリジニム塩 1質量部
メチルエチルケトン 172質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[パネル評価]
(IPS型液晶表示装置への実装評価)
実施例1で作製したセルロースアシレートフィルム試料を用いて、液晶表示装置へ実装評価してその光学性能が十分であるか確認した。なお本実施例ではIPS型液晶セルを用いるが、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板の用途は液晶表示装置の動作モードに限定されることはない。
次に、作製した各セルロースアシレートフィルム試料に対し、アルカリけん化処理を行った。けん化液は1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用い、55℃で2分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにしてフィルムの両表面をケン化処理した光学補償フィルム試料001〜025を作製した。
上記の表面処理済み光学補償フィルム試料001を用い、偏光板作製を行った。すなわち、けん化処理をしたフィルム試料の片側の表面に対し、アクリル系粘着剤塗布液をそれぞれ20ml/m2塗布し、100℃で5分乾燥して粘着剤付きフィルム試料とした。
更に、液晶セルのもう片側に市販の偏光板(サンリッツ(株)製HLC−5618)を用いることにした。
(IPS型液晶表示装置への実装評価)
実施例1で作製したセルロースアシレートフィルム試料※Dを用いて、液晶表示装置へ実装評価してその光学性能が十分であるかを以下のようにして確認した。
厚さ75μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5.1倍に延伸し、乾燥して厚さ28μmの偏光子を得た。実施例2と同様にけん化処理を施した※Dの光学異方性層とは反対側の面と偏光子が接するようにポリビニルアルコール性接着剤を用いて貼り付け、さらに偏光子のもう一方の側に同様のけん化処理を施したセルロールアセテートフィルム(フジタックTFY80UL、富士写真フイルム(株)製)を貼り合せて光学補償フィルム付き偏光板を作製した。
(IPS型液晶表示装置への実装評価)
実施例1で作製したセルロースアシレートフィルム試料※Eを用いて、液晶表示装置へ実装評価してその光学性能が十分であるかを以下のようにして確認した。
デソライトKZ−7869(紫外線硬化性ハードコート組成物、72質量%、JSR(株)製)250gを62gのメチルエチルケトンと88gのシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解し、ハードコート層塗布液を調製した。
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ30μmの偏光子を得た。実施例3と同様にけん化処理を施した※Eの光学異方性層とは反対側の面と偏光子が接するようにポリビニルアルコール性接着剤を用いて貼り付け、さらに偏光子のもう一方の側に上記で作製した保護フィルムをけん化処理して、防眩層とは反対の面と偏光子が接するように貼り合せて光学補償フィルム付き偏光板を作製した。
上記のフロント側偏光板と同様にして偏光子を作製し、偏光子の片側にけん化処理を施した低レターデーションフィルム(ZRF80s 富士写真フイルム製)、他方にけん化処理したセルロースアセテートフィルム(TF80UL 富士写真フイルム製)を貼り合せてリア側偏光板を作製した。
<黒表示の色味変化>
実施例2で作製した、本発明のセルロースアシレートフィルムを搭載した液晶表示装置を黒表示させ、正面(極角0°/方位角0°)から右斜め上方向(最大極角80°/方位角45°)に視点をずらしていったときの色味変化を以下の基準で評価した。
○:正面から斜め方向に視点をずらしたときに、黒色味がほとんど変化しない場合
△:正面から斜め方向に視点をずらしたときに、青味または赤味が確認できる場合
×:正面から斜め方向に視点をずらしたときに、著しく青味または赤味が確認できる場合
実施例2で作成した、本発明の液晶表示装置の正面方向から輝度計を用いて白輝度、および黒輝度を測定し、両者の比をとることで正面コントラスト(CR1)を測定した。
一方、本発明のセルロースアシレートフィルム試料の代わりにフジタックTD80UFを用いて同様にして正面コントラスト(CR0)を測定した。そして、以下式からコントラスト保持率を測定した。
コントラスト保持率= CR1/CR0 × 100(%)
作製した各試料について、本明細書に記載の方法にて、Re(630)、Rth(63
0)の光学性能の評価を行った。
本発明のセルロースアシレートフイルムの面内レターデーションReおよび膜厚方向レターデーションRthはともに湿度による変化が小さいことが好ましい。具体的には、25℃10%RHにおけるRth値と25℃80%RHにおけるRth値の差ΔRth(=Rth10%RH−Rth80%RH)が0〜50nmであることが好ましい。より好ましくは0〜40nmであり、さらに好ましくは0〜35nmである。
なお、面内レターデーションReについては、延伸方向と平行な向きに遅相軸が発現する場合を正の値、延伸方向と直交する向きに遅相軸が発現する場合を負の値で示している。
Claims (15)
- 下記条件(a)および(b)を満たすセルロース誘導体を含むドープを、ソルベントキャスト法により製膜することを特徴とするセルロース誘導体フィルムの製造方法。
(a)セルロースのグルコース単位が有する三つの水酸基のうち、少なくとも一つが下記数式(1)で表される分極率異方性Δαが2.5×10−24cm3以上である置換基により置換されている。
数式(1):Δα=αx−(αy+αz)/2
(式中、αxは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最大の成分であり;
αyは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、二番目に大きい成分であり;
αzは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最小の成分である。)
(b)前記Δαが2.5×10−24cm3以上である置換基による置換度をPAとし、Δαが2.5×10−24cm3未満である置換基による置換度をPBとしたとき、前記置換度PAおよびPBが下記数式(3)および(4)を満たす。
数式(3):2PA+PB>3.0
数式(4):PA>0.2 - 製膜に引き続いて延伸処理を施すことを特徴とする請求項1記載のセルロース誘導体フィルムの製造方法。
- 前記Δαが2.5×10−24cm3以上である置換基が芳香族アシル基であり、Δαが2.5×10−24cm3未満である置換基が脂肪族アシル基であることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロース誘導体フィルムの製造方法。
- 前記脂肪族アシル基がアセチル基、プロピオニル基およびブチリル基から選ばれ、かつ前記芳香族アシル基の芳香環上の置換基として、ハロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1乃至20のアルキル基、炭素原子数が1乃至20のアルコキシ基、炭素原子数が6乃至20のアリール基、炭素原子数が6乃至20のアリールオキシ基、炭素原子数が1乃至20のアシル基、炭素原子数が1乃至20のカルボンアミド基、炭素原子数が1乃至20のスルホンアミド基および炭素原子数が1乃至20のウレイド基からなる群より選ばれる構造を有することを特徴とする請求項3に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
- 前記ドープが、レターデーション調整剤を少なくとも1種類含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセルロース誘導体フィルムの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で製造されたことを特徴とするセルロース誘導体フィルム。
- 下記式(A)および(B)のレターデーションを満たすことを特徴とする請求項7に記載のセルロース誘導体フィルム。
20nm<|Re(630)|<300nm (A)
−30nm>Rth(630)>−400nm (B)
(ここでRe(630)は、波長630nmにおけるフィルムの面内方向のレターデーションを示す。また、Rth(630)は、波長630nmにおけるフィルムの膜厚方向のレターデーションを示す。) - 下記(C)および(D)のレターデーションを満たす光学異方性層を有することを特徴とする請求項7または8に記載のセルロース誘導体フィルム。
0nm<Re(546)<200nm (C)
0nm<|Rth(546)|<300nm (D)
(ここでRe(546)は、波長546nmにおけるフィルムの面内方向のレターデーションを示す。またRth(546)は、波長546nmにおけるフィルムの膜厚方向のレターデーションを示す。) - 前記光学異方性層がディスコティック液晶層を含有することを特徴とする請求項9に記載のセルロース誘導体フィルム。
- 前記光学異方性層が棒状液晶層を含有することを特徴とする請求項9に記載のセルロース誘導体フィルム。
- 請求項7〜11のいずれかに記載のセルロース誘導体フィルムの少なくとも1枚を、偏光子の保護フィルムとして用いたことを特徴とする偏光板。
- 表面にハードコート層、防眩層および反射防止層の少なくとも1層を設けたことを特徴とする請求項12に記載の偏光板。
- 請求項7〜11のいずれかに記載のセルロース誘導体フィルム、または請求項12もしくは請求項13に記載の偏光板、のいずれかを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項7〜11のいずれかに記載のセルロース誘導体フィルム、または請求項12もしくは請求項13に記載の偏光板、のいずれかを用いたことを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006265003A JP2007169599A (ja) | 2005-11-25 | 2006-09-28 | セルロースアシレートフィルム、その製造方法、これを用いた偏光板および液晶表示装置 |
TW95143470A TW200804476A (en) | 2005-11-25 | 2006-11-24 | Cellulose acylate film, method of producing the same, cellulose derivative film, optically compensatory film using the same, optically-compensatory film incorporating polarizing plate, polarizing plate and liquid crystal display device |
US12/085,457 US8313814B2 (en) | 2005-11-25 | 2006-11-24 | Cellulose acylate film, method of producing the same, cellulose derivative film, optically compensatory film using the same, optically-compensatory film incorporating polarizing plate, polarizing plate and liquid crystal display device |
PCT/JP2006/324046 WO2007061139A1 (en) | 2005-11-25 | 2006-11-24 | Cellulose acylate film, method of producing the same, cellulose derivative film, optically compensatory film using the same, optically-compensatory film incorporating polarizing plate, polarizing plate and liquid crystal display device |
CN2006800441652A CN101321811B (zh) | 2005-11-25 | 2006-11-24 | 纤维素酰化物薄膜及其制备方法、纤维素衍生物薄膜及使用其的光学补偿薄膜、加有光学补偿薄膜的偏振片、偏振片和液晶显示装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005340910 | 2005-11-25 | ||
JP2006265003A JP2007169599A (ja) | 2005-11-25 | 2006-09-28 | セルロースアシレートフィルム、その製造方法、これを用いた偏光板および液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007169599A true JP2007169599A (ja) | 2007-07-05 |
Family
ID=38296578
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006265003A Pending JP2007169599A (ja) | 2005-11-25 | 2006-09-28 | セルロースアシレートフィルム、その製造方法、これを用いた偏光板および液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007169599A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007332292A (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-27 | Fujifilm Corp | セルロース体、セルロース体フィルム、光学補償シート、偏光板、液晶表示装置 |
JP2009102479A (ja) * | 2007-10-22 | 2009-05-14 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルム、ならびにその用途及び製造方法 |
JP2009126081A (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-11 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルムの製造方法 |
JP2009132884A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-06-18 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルム、反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置 |
JP2012083628A (ja) * | 2010-10-13 | 2012-04-26 | Fujifilm Corp | 光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
WO2013032016A1 (en) * | 2011-08-31 | 2013-03-07 | Fujifilm Corporation | Cellulose acylate film, polarizer, and liquid crystal display device |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002241512A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-08-28 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフイルム、写真材料および光学材料 |
JP2002322201A (ja) * | 2001-01-24 | 2002-11-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロース混合酸エステル化合物およびそれを用いたフイルム |
JP2005138375A (ja) * | 2003-11-05 | 2005-06-02 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフィルム、およびその製造方法 |
JP2005154764A (ja) * | 2003-11-06 | 2005-06-16 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアセテートフイルム、光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 |
-
2006
- 2006-09-28 JP JP2006265003A patent/JP2007169599A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002241512A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-08-28 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフイルム、写真材料および光学材料 |
JP2002322201A (ja) * | 2001-01-24 | 2002-11-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロース混合酸エステル化合物およびそれを用いたフイルム |
JP2005138375A (ja) * | 2003-11-05 | 2005-06-02 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフィルム、およびその製造方法 |
JP2005154764A (ja) * | 2003-11-06 | 2005-06-16 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアセテートフイルム、光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007332292A (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-27 | Fujifilm Corp | セルロース体、セルロース体フィルム、光学補償シート、偏光板、液晶表示装置 |
JP2009102479A (ja) * | 2007-10-22 | 2009-05-14 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルム、ならびにその用途及び製造方法 |
JP2009132884A (ja) * | 2007-10-29 | 2009-06-18 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルム、反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置 |
JP2009126081A (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-11 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルムの製造方法 |
JP2012083628A (ja) * | 2010-10-13 | 2012-04-26 | Fujifilm Corp | 光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
WO2013032016A1 (en) * | 2011-08-31 | 2013-03-07 | Fujifilm Corporation | Cellulose acylate film, polarizer, and liquid crystal display device |
JP2013050573A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルム、偏光板、及び液晶表示装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101247843B1 (ko) | 액정 표시장치 | |
JP5084293B2 (ja) | 光学フィルムおよび位相差板、並びに液晶化合物 | |
US8313814B2 (en) | Cellulose acylate film, method of producing the same, cellulose derivative film, optically compensatory film using the same, optically-compensatory film incorporating polarizing plate, polarizing plate and liquid crystal display device | |
JP4628140B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP4759365B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、セルロースアシレートフィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2007009181A (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2007017958A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2007264480A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP4855081B2 (ja) | 位相差板、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP4383435B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2007169599A (ja) | セルロースアシレートフィルム、その製造方法、これを用いた偏光板および液晶表示装置 | |
JP2007304287A (ja) | 光学フィルム、これを用いた偏光板および液晶表示装置 | |
JP2007023124A (ja) | セルロース化合物組成物、セルロース化合物フィルム | |
JP5046606B2 (ja) | ポリマーフィルム、これを用いた偏光板及び液晶表示装置 | |
JP4480602B2 (ja) | セルロースアシレート組成物、セルロースアシレートフイルム、およびアルコキシ安息香酸化合物 | |
JP2006193724A (ja) | セルロースアシレートフィルム、セルロースアシレートフィルムの製造方法、並びにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置 | |
JP5028214B2 (ja) | 組成物、フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP2006265301A (ja) | セルロース体組成物、セルロース体フィルム、セルロース体フィルム用改質剤、偏光板保護膜および液晶表示装置 | |
JP2007321108A (ja) | 高分子組成物、位相差板、偏光板、液晶表示装置 | |
JP2008120875A (ja) | セルロースアシレートフィルム、光学補償シート、偏光板、および液晶表示装置 | |
JP2006282745A (ja) | セルロース誘導体組成物、セルロース誘導体フィルム、および置換安息香酸誘導体化合物 | |
JP2006273898A (ja) | セルロース体組成物、セルロース体フィルム、偏光板、液晶表示装置、およびハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP4480601B2 (ja) | セルロースアシレート組成物、セルロースアシレートフイルム、およびトリアルコキシ安息香酸化合物 | |
JP2006251658A (ja) | 偏光板および液晶表示装置 | |
JP4546370B2 (ja) | 組成物、フィルムおよび液晶性付与剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071109 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071116 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071126 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090216 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20111216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120724 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20120727 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20120911 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120914 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20121004 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121120 |