JP2009132884A - セルロースアシレートフィルム、反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素原子数4以上の脂肪族基で置換された芳香族基を含む置換基(置換基A)を有するセルロースアシレート、好ましくは、脂肪族アシル基(置換基B)をさらに有するセルロースアシレート、を含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルムである。
【選択図】なし
Description
[1] 炭素原子数4以上の脂肪族基で置換された芳香族基を含む置換基(置換基A)を有するセルロースアシレートを含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
[2] 延伸フィルムであることを特徴とする[1]のセルロースアシレートフィルム。
[3] 前記セルロースアシレートが、脂肪族アシル基(置換基B)をさらに有することを特徴とする[1]又は[2]のセルロースアシレートフィルム。
[4] 置換基Bによる置換度DSBが、下記式(I)を満たすことを特徴とする[3]のセルロースアシレートフィルム:
式(I) 1.70≦DSB≦2.89 。
[5] 置換基Bが、炭素原子数2〜4の脂肪族アシル基であることを特徴とする[3]又は[4]のセルロースアシレートフィルム。
[6] 置換基Bが、アセチル基であることを特徴とする[5]のセルロースアシレートフィルム。
[7] 位相差フィルムであることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかのセルロースアシレートフィルム。
[8] [1]〜[7]のいずれかのセルロースアシレートフィルムと、反射防止層とを有する反射防止フィルム。
[9] 偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、[1]〜[7]のいずれかのセルロースアシレートフィルムである偏光板。
[10] [1]〜[7]のいずれかのセルロースアシレートフィルムを少なくとも有する画像表示装置。
[セルロースアシレート]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、炭素原子数4以上の脂肪族基で置換された芳香族基を含む置換基(置換基A)を有するセルロースアシレートを含有することを特徴とする。置換基Aは、セルロースのβ−1,4結合しているグルコース単位の2位、3位及び6位に存在する遊離の水酸基のいずれかの水素原子を置換する置換基である。この置換基Aが存在することにより、フィルムのレターデーションの湿度依存性が低減されるとともに、フィルムを一方向に延伸可能となる。したがって、一方向の延伸倍率を調整することで、様々なレターデーションを示し、しかもレターデーションの湿度依存性が小さい、セルロースアシレートフィルムを種々作製することができる。
・置換基A
置換基Aは、炭素原子数4以上の脂肪族基で置換された芳香族基を含む置換基である。置換基Aは、この芳香族基の存在により分極率異方性が高い置換基である。分極率異方性Δαは、下記式により定義される。
(式中、αxは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最大の成分であり;αyは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、二番目に大きい成分であり;αzは、分極率テンソルを対角化後に得られる固有値の内、最小の成分である。)
本発明では、置換基Aの分極率は、2.5×10-24cm3以上であるのが好ましい。なお、置換基の分極率異方性は、具体的には、Gaussian03(Revision B.03、米ガウシアン社ソフトウェア)を用いて計算することで算出できる。具体的には、分極率異方性はB3LYP/6−31G*レベルで最適化された構造を用いて、B3LYP/6−311+G**レベルで分極率を計算し、得られた分極率テンソルを対角化した後、対角成分より算出することができる。
・置換基B
置換基Bは、脂肪族アシル基であるのが好ましい。置換基Bは、直鎖状、分岐状あるいは環状構造の脂肪族アシル基のいずれであってもよく、また不飽和結合を含む脂肪族アシル基であってもよい。好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜4の脂肪族アシル基である。置換基Bの好ましい例としては、アセチル基、プロピオニル基、及びブチリル基であり、中でもアセチル基が好ましい。置換基Bをアセチル基とすることで、適度なガラス転移点(Tg)、弾性率などを有するフィルムが得られる。アセチル基等の炭素数が小さい脂肪族アシル基を有することにより、Tgおよび弾性率などを低下させずに、フィルムとして適切な強度を得ることができる。
[セルロースアシレートフィルム]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、前記セルロースアシレートを好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上含む。
<溶液製膜>
本発明のセルロースアシレートフィルムを溶液製膜法により製造する場合の好ましい例について説明する。
このような延伸は縦延伸、横延伸、及びこれらの組み合わせによって実施される。縦延伸は、(1)ロール延伸(出口側の周速を速くした2対以上のニップロールを用いて、長手方向に延伸)、(2)固定端延伸(フィルムの両端を把持し、これを長手方向に次第に早く搬送し長手方向に延伸)、等を用いることができる。さらに横延伸は、テンター延伸(フィルムの両端をチャックで把持しこれを横方向(長手方向と直角方向)に広げて延伸)、等を使用することができる。これらの縦延伸、横延伸は、それだけで行なってもよく(1軸延伸)、組み合わせて行ってもよい(2軸延伸)。2軸延伸の場合、縦、横逐次で実施してもよく(逐次延伸)、同時に実施してもよい(同時延伸)。
〔セルロースアシレートフィルムの光学特性〕
本明細書において、Re(λ)及びRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション(nm)及び厚さ方向のレターデーション(nm)を表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
[セルロースアシレートフィルムのその他の特性]
・平衡含水率
含水率の測定法は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置(アクアカウンターAQ−200、LE−20S、共に平沼産業(株))にてカールフィッシャー法で測定する。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出する。
・ヘイズ
本発明のセルロースアシレートフィルムは、例えば、ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)社製)を用いて測定した値が0.1以上0.8以下であることが好ましく、0.1以上0.7以下であることがより好ましく、0.1以上0.60以下であることが特に好ましい。前記範囲にヘイズを制御することにより、光学補償フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に高コントラスの画像が得られる。
・光弾性係数
本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光板保護フィルム、又は位相差板として使用されることが好ましい。偏光板保護フィルム、又は位相差板として使用した場合には、吸湿による伸張、収縮による応力により複屈折(Re,Rth)が変化する場合がある。このような応力に伴う複屈折の変化は光弾性係数として測定できるが、その範囲は、5×10-7(cm2/kgf)〜30×10-7(cm2/kgf)が好ましく、6×10-7(cm2/kgf)〜25×10-7(cm2/kgf)がより好ましく、7×10-7(cm2/kgf)〜20×10-7(cm2/kgf)であることが特に好ましい。
[セルロースアシレートフィルムの用途]
以下、本発明のセルロースアシレートフィルムの用途のいくつかについて説明するが、これらの用途に制限されるものではない。
・位相差フィルム
本発明のセルロースアシレートフィルムは位相差フィルムとして用いることができる。位相差フィルムは、種々のモードの液晶表示装置に、光学補償フィルムとして、又は偏光板の保護フィルムとして種々利用されている。
・光学補償フィルム
本発明のセルロースアシレートフィルムは、光学補償フィルムとして用いることができる。本発明のセルロースアシレートフィルムを利用した光学補償フィルムの一例は、本発明のセルロースアシレートフィルム上に、液晶性化合物を配向させて形成した光学異方性層を有することを特徴とする光学補償フィルムである。該光学補償フィルムは、種々のモードの液晶表示装置の光学補償に利用される。例えば、黒表示における液晶セル中に発生する複屈折を補償するために利用される。本発明のセルロースアシレートフィルムが示すRe及び/又はRth、ならびにその上に形成される光学異方性層が示すRe及び/又はRthが、光学補償能に利用される。
・反射防止フィルム
また、本発明のセルロースアシレートフィルムは、反射防止フィルムとして利用することができる。該反射防止フィルムの一例は、本発明のセルロースアシレートフィルムと、反射防止層とを有する反射防止フィルムである。反射防止フィルムは通常の製造方法に基づき製造することができ、例えば、特開2006−241433号公報を参照し、製造することができる。
[偏光板]
本発明は、偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、本発明のセルロースアシレートフィルムである偏光板にも関する。該セルロースアシレートフィルムは、そのまま、又は光学異方性層を有する光学補償フィルムの一部として、もしくは反射防止層を有する反射防止フィルムの一部として、偏光膜に貼り合せられていてもよい。他の層を有する場合も、本発明のセルロースアシレートフィルムの表面が、偏光膜の表面に貼り合せられているのが好ましい。例えば、特開2006−241433号公報を参照し、製造することができる。
〔画像表示装置〕
本発明は、本発明のセルロースアシレートフィルムを少なくとも1枚含む画像表示装置にも関する。本発明のセルロースアシレートフィルムは、位相差フィルムとして、又は偏光板、光学補償フィルム及び反射防止フィルム等の一部として、表示装置に用いられる。
<液晶表示装置>
本発明のセルロースアシレートフィルムは位相差フィルムとして、又はセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板、光学補償フィルムもしくは反射防止フィルムとして、液晶表示装置に好ましく組み込むことができる。液晶表示装置としては、TN型、IPS型、FLC型、AFLC型、OCB型、STN型、ECB型、VA型及びHAN型の表示装置が挙げられ、好ましくはIPS型である。また、本発明のセルロースアシレートフィルムは、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても好ましく用いることができる。
(TN型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シート又はその支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くから良く知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報の記載に従って作製することができる。また、モリ(MorI)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.143や、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.1068)の記載に従って作製することができる。
(STN型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シート又はその支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報の記載に従って作製することができる。
(VA型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シート又はその支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置に用いる光学補償シートのRe値を0〜150nmとし、Rth値を70〜400nmとすることが好ましい。VA型液晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRth値は70〜250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRth値は150〜400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であってもよい。
(IPS型液晶表示装置、ECB型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、IPSモードまたはECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置またはECB型液晶表示装置の光学補償シート、または偏光板の保護膜としても好適に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は色味の改善、視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護膜のうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護膜(セル側の保護膜)に本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板を少なくとも片側一方に用いることが好ましい。更に好ましくは、偏光板の保護膜と液晶セルの間に光学異方性層を配置し、配置された光学異方性層のレターデーション値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定するのが好ましい。
(OCB型液晶表示装置、HAN型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シート又はその支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートには、レターデーション値の絶対値が最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平9−197397号公報の記載に従って作製することができる。また、モリ(MorI)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.38(1999)p.2837)の記載に従って作製することができる。
(反射型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号公報、国際公開WO9848320号パンフレット、特許登録第3022477号公報の記載に従って作製することができる。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、国際公開WO00−65384号の記載に従って作製することができる。
(その他の液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ASM(AxIally SymmetrIc AlIgned MIcrocell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シート又はその支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 DIgest 1089(1998))の記載に従って作製することができる。
(合成例1:例示化合物CA−1の合成)
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた5Lの三ツ口フラスコに置換度2.15のアセチルセルロースを50g、ピリジン500mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに4−ヘプチルベンゾイルクロリド(アルドリッチ)114mLをゆっくりと滴下し、滴下後さらに50℃にて5時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール10Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の例示化合物CA−1を白色粉体として65g得た。平均重合度は270であった。
(合成例2:例示化合物CA−2の合成)
先の例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLを4−ヘプトキシベンゾイルクロリド(和光純薬)129gに変更する以外は同様にして、目的のCA−2を白色粉体として64g得た。平均重合度は272であった。
(合成例3:例示化合物CA−3の合成)
《p−ドデシルオキシベンゾイルクロリドの合成》
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコに、p−ドデシルオキシ安息香酸(和光純薬)200g、トルエン300mlを量り取り、室温で攪拌した。ここに240gの塩化チオニル(和光純薬株式会社)、ジメチルホルムアミド10mlをゆっくりと滴下し、添加後さらに80℃にて1時間攪拌した。反応後、トルエンと未反応の塩化チオニルを減圧留去することで、目的のp−ドデシルオキシベンゾイルクロリドを白色粉体として190g得た。
《例示化合物CA−3の合成》
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLを先の反応で合成したp−ドデシルオキシベンゾイルクロリド163gに変更する以外は同様にして、目的のCA−3を白色粉体として69g得た。平均重合度は272であった。
(合成例4:比較化合物CA−4の合成)
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLをベンゾイルクロリド55mLに変更する以外は同様にして、目的のCA−4を白色粉体として61g得た。平均重合度は270であった。
(合成例5:例示化合物CA−5の合成)
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLを49mLに変更する以外は同様にして、目的のCA−5を白色粉体として63g得た。平均重合度は273であった。
(合成例6:例示化合物CA−6の合成)
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLを47mLに変更する以外は同様にして、目的のCA−6を白色粉体として62g得た。平均重合度は272であった。
(合成例7:例示化合物CA−7の合成)
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLを4−オクチルベンゾイルクロライド(和光純薬)50mLに変更する以外は同様にして、目的のCA−7を白色粉体として62g得た。平均重合度は272であった。
(合成例8:例示化合物CA−8の合成)
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLを44mLに変更する以外は同様にして、目的のCA−8を白色粉体として61g得た。平均重合度は273であった。
(合成例9:比較化合物CA−9の合成)
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLをトルオイルクロリド(和光純薬)24mLに変更する以外は同様にして、目的のCA−9を白色粉体として62g得た。平均重合度は275であった。
(合成例10:比較化合物CA−10の合成)
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLをベンゾイルクロリド22mLに変更する以外は同様にして、目的のCA−10を白色粉体として60g得た。平均重合度は275であった。
(合成例11:例示化合物CA−11の合成)
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLを41mLに変更する以外は同様にして、目的のCA−11を白色粉体として60g得た。平均重合度は273であった。
(合成例12:比較化合物CA−12の合成)
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLをベンゾイルクロリド20.5mLに変更する以外は同様にして、目的のCA−12を白色粉体として60g得た。平均重合度は275であった。
(合成例13:例示化合物CA−13の合成)
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLを32mLに変更する以外は同様にして、目的のCA−13を白色粉体として53g得た。平均重合度は273であった。
(合成例14:比較化合物CA−14の合成)
例示化合物CA−1の製造において、4−ヘプチルベンゾイルクロリド114mLをベンゾイルクロリド16mLに変更する以外は同様にして、目的のCA−14を白色粉体として50g得た。平均重合度は275であった。
[実施例1:セルロースアシレートフィルムの作製]
下記表に示すセルロースアシレートのそれぞれを用いて、以下の方法により下記表に示すセルロースアシレートフィルムをそれぞれ作製した。
<セルロースアシレート溶液の調製>
下記の原料をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、溶解し、セルロースアシレート溶液を有する溶液を調製した。
メチレンクロライド(第1溶媒) 402質量部
メタノール(第2溶媒) 60質量部
<セルロースアシレートフィルム試料の作製>
上記で調製したセルロースアシレート溶液のそれぞれを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量%の各フィルムを、ガラス転移温度+15℃の温度℃の条件で、下記表に示す延伸倍率で固定端一軸延伸して、フィルム試料F−1〜F−14をそれぞれ作製した。以下、特に断りがなければ、作製したフィルムの厚さはすべて80μmである。
<セルロースアシレートフィルム試料の評価>
フィルム試料の評価については、上記で得られた各フィルム試料の一部(120mm×120mm)を準備し、レターデーション値については"KOBRA 21ADH"(王子計測機器(株)社製)により、25℃60%RHにおける波長590nmの光に対するRe及びRthを測定した。結果を下記表に示す。
Claims (10)
- 炭素原子数4以上の脂肪族基で置換された芳香族基を含む置換基(置換基A)を有するセルロースアシレートを含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
- 延伸フィルムであることを特徴とする請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記セルロースアシレートが、脂肪族アシル基(置換基B)をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 置換基Bによる置換度DSBが、下記式(I)を満たすことを特徴とする請求項3に記載のセルロースアシレートフィルム:
式(I) 1.70≦DSB≦2.89 。 - 置換基Bが、炭素原子数2〜4の脂肪族アシル基であることを特徴とする請求項3又は4に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 置換基Bが、アセチル基であることを特徴とする請求項5に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 位相差フィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムと、反射防止層とを有する反射防止フィルム。
- 偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、請求項1〜7のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムである偏光板。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを少なくとも有する画像表示装置。
Priority Applications (1)
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