JP5255816B2 - セルロース体組成物、セルロース体フィルム、光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

セルロース体組成物、セルロース体フィルム、光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明はセルロース体組成物、フィルム、光学補償シート、偏光板および液晶表示装置に関し、さらに詳しくは、面内レタデ−ション(Re)および厚み方向のレターデーション(Rth)の絶対値が大きく、ReおよびRthの湿度依存性が小さく、適度なガラス転位温度や機械的特性をもつセルロース体フィルム、それらを用いた光学補償シート、偏光板および液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置の普及に伴い、表示性能や耐久性に対する要求がより高くなり、応答速度の向上や、表示画像に対して斜め方向から観察した場合のコントラストやカラーバランスといった視野角をより広範囲で補償することが課題となっている。これらの課題を解決すべく、VA(Vertical Alignment)方式、OCB(Optical Compensated Bend)方式、あるいはIPS(In-Plane Switching)方式の表示素子が開発され、それぞれの液晶方式に応じた、様々なレターデーション発現性を有する光学フィルム材料が要求されている。とりわけ、位相差フィルムは、面内のレターデーション(Re)、厚み方向のレターデーション(Rth)の値を多様な液晶方式それぞれに応じて制御することが求められている。
セルロースアシレートフィルムはその透明性、強靭性から、液晶表示装置向けの偏光板保護フィルムとして広く利用されている。例えばセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどの脂肪酸セルロースエステルを製膜した光学フィルムが提案されている。(特許文献1)しかしこれらのフィルムで得られるReおよびRthには限界があり、位相差フィルムとして十分ではない。また、最近では炭素数5から22の直鎖状カルボン酸と酢酸のセルロース混合アシレートの高延伸フィルムが提案されている(特許文献2)。しかしこのフィルムは、低複屈折性を示す光学フィルムである。さらに最近では、芳香族カルボン酸混合アシレートを製膜して用いる光学フィルムが提案されている(特許文献3)。
しかし、これらのフィルムも位相差フィルムの機能を併せ持つ偏光板の保護フィルムとして十分なReおよびRthは得られないことに加え、湿度変動によってレターデーションが変化し、白抜けが発生するといった問題もあった。
特開2000−352620号公報 特開2006−249221号公報 特開2006−328298号公報
上記問題点に鑑み本発明の目的は、湿度変動による面内のレターデーション(Re)および厚み方向のレターデーション(Rth)の変化が少なく、かつRe、Rthの絶対値が高いセルロース体フィルム、それを用いた光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置の提供を目的とする。
本発明の上記課題は、下記手段により達成された。
[1]
炭素数5〜30の脂肪族アシル基(A)と芳香族基を含むアシル基(B)とを有し、更に炭素数2〜4の脂肪族アシル基(C)を有するセルロース体を含有し、該セルロース対が下記の式(I)を満たし、前記アシル基(C)の置換度DSCが2.15以上2.44以下であるセルロース体組成物。
式(I)2.4≦DSA+DSB+DSC≦3.0
(式(I)中、DSA、DSBおよびDSCはそれぞれ前記アシル基(A)、前記アシル基(B)、および前記アシル基(C)の置換度を表す。)
[2]
該セルロース体が下記式(II)を満たす[1]に記載のセルロース体組成物。
式(II)0.1<DSA<0.8
(式(II)中、DSAは前記アシル基(A)の置換度を表す。)
[3]
該セルロース体が下記式(III)を満たす[1]又は[2]に記載のセルロース体組成物。
式(III):0.1<DSB<0.8
(式(III)中、DSBは前記アシル基(B)の置換度を表す。)
[4]
該セルロース体が下記式(IV)あるいは式(IV-I)を満たす[1]〜[3]のいずれか一項に記載のセルロース体組成物。
式(IV):0.7DSB≦DSB
式(IV−I):DSB ≦0.3DSB
(式(IV)および式(IV−I)中、DSBは前記アシル基(B)の置換度を表し、DSB は前記アシル基(B)の6位の置換度を表す。)
[5]
該セルロース体のアシル基(A)の炭素数が6〜18である[1]〜[4]のいずれか一項に記載のセルロース体組成物。
[6]
該セルロース体のアシル基(A)がヘキサノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、シクロヘキサノイル基のいずれかより選ばれる[1]〜[5]のいずれか一項に記載のセルロース体組成物。
[7]
該セルロース体のアシル基(B)が含む芳香族基が、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基である[1]〜[6]のいずれか一項に記載のセルロース組成物。
[8]
該セルロース体のアシル基(B)がベンゾイル基、フェニルベンゾイル基、4−ヘプチルベンゾイル基のいずれかより選ばれる[1]〜[6]のいずれか一項に記載のセルロース体組成物。
[9]
該セルロース体の粘度平均重合度が140〜700である[1]〜[8]のいずれか一項に記載のセルロース体組成物。
[10]
[1]〜[9]のいずれか一項に記載のセルロース体組成物により形成されたセルロース体フィルム
[11]
25℃10%RHにおける波長590nmの光に対する面内レターデーションReと25℃80%RHにおける波長590nmの光に対する面内レターデーションReの差であるΔRe(10%−80%)が0〜12nmである[10]に記載のセルロース体フィルム。
[12]
25℃10%RHにおける波長590nmの光に対する厚さ方向のレターデーションRthと25℃80%Rthにおける波長590nmの光に対する厚さ方向のレターデーションReの差であるΔRth(10%−80%)が8〜19nmである[10]又は[11]に記載のセルロース体フィルム。
[13]
[10]〜[12]のいずれか一項に記載のセルロース体フィルムからなる位相差フィルム。
[14]
[10]〜[12]のいずれか一項に記載のセルロース体フィルムまたは[13]に記載の位相差フィルム上に、液晶性化合物を配向させて形成した光学異方性層を有する光学補償フィルム。
[15]
[10]〜[12]のいずれか一項に記載のセルロース体フィルムまたは[13]に記載の位相差フィルム上に、反射防止層を有する反射防止フィルム。
[16]
偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、[10]〜[12]のいずれか一項に記載のセルロース体フィルム、[13]に記載の位相差フィルム、[14]に記載の光学補償フィルム及び[15]に記載の反射防止フィルムのいずれかを少なくとも1枚含む偏光板。
[17]
[10]〜[12]のいずれか一項に記載のセルロース体フィルム、[13]に記載の位相差フィルム、[14]に記載の光学補償フィルム、[15]に記載の反射防止フィルムおよび[16]に記載の偏光板のいずれかを少なくとも1枚含む画像表示装置。
なお、本発明は上記[1]〜[17]に関するものであるが、以下、その他の事項についても参考のために記載した。
〔1〕
炭素数5〜30の脂肪族アシル基(A)と芳香族基を含むアシル基(B)とを有するセルロース体を含有するセルロース体組成物。
〔2〕
該セルロース体が更に炭素数2〜4の脂肪族アシル基(C)を有する〔1〕に記載のセルロース体組成物。
〔3〕
該セルロース体が下記の式(I)を満たす〔2〕に記載のセルロース体組成物。
式(I)2.4≦DSA+DSB+DSC≦3.0
(式(I)中、DSA、DSBおよびDSCはそれぞれ前記アシル基(A)、前記アシル基(B)、およびの前記アシル基(C)の置換度を表す。)
〔4〕
該セルロース体が下記式(II)を満たす〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のセルロース体組成物。
式(II)0.1<DSA<0.8
(式(II)中、DSAは前記アシル基(A)の置換度を表す。)
〔5〕
該セルロース体が下記式(III)を満たす〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のセルロース体組成物。
式(III):0.1<DSB<0.8
(式(III)中、DSBは前記アシル基(B)の置換度を表す。)
〔6〕
該セルロース体が下記式(IV)あるいは式(IV-I)を満たす〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のセルロース体組成物。
式(IV):0.7DSB≦DSB
式(IV−I):DSB≦0.3DSB
(式(IV)および式(IV−I)中、DSBは前記アシル基(A)の置換度を表し、DSBは前記アシル基(B)の6位の置換度を表す。)
〔7〕
該セルロース体のアシル基(A)がヘキサノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、シクロヘキサノイル基のいずれかより選ばれる〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のセルロース体組成物。
〔8〕
該セルロース体のアシル基(B)がベンゾイル基、フェニルベンゾイル基、4−ヘプチルベンゾイル基のいずれかより選ばれる〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のセルロース体組成物。
〔9〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のセルロース体組成物により形成されたセルロース体フィルム。
〔10〕
〔9〕に記載のセルロース体フィルムからなる位相差フィルム。
〔11〕
〔9〕に記載のセルロース体フィルムまたは〔10〕に記載の位相差フィルム上に、液晶性化合物を配向させて形成した光学異方性層を有する光学補償フィルム。
〔12〕
〔9〕に記載のセルロース体フィルムまたは〔10〕に記載の位相差フィルム上に、反射防止層を有する反射防止フィルム。
〔13〕
偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、〔9〕に記載のセルロース体フィルム、〔10〕に記載の位相差フィルム、〔11〕に記載の光学補償フィルム及び〔12〕に記載の反射防止フィルムのいずれかを少なくとも1枚含む偏光板。
〔14〕
〔9〕に記載のセルロース体フィルムまたは〔10〕記載の位相差フィルム、〔11〕に記載の光学補償フィルム、〔12〕に記載の反射防止フィルム及び〔13〕に記載の偏光板のいずれかを少なくとも1枚含む画像表示装置。
本発明のセルロース体組成物は、湿度変動による面内のレターデーション(Re)および厚み方向のレターデーション(Rth)の変化が少ないセルロース体フィルムを形成することができる。かつRe、Rthを幅広い範囲で自由に制御できるという優れた効果を奏する。本発明のセルロース体フィルムは、光学補償シート、偏光板、液晶表示装置等に好適に用いることができ優れた表示性能を発揮することができる。
以下に、本発明の内容について詳細に説明する。
〔セルロース体〕
本発明のセルロース体組成物に含まれるセルロース体は炭素数5〜炭素数30の脂肪族アシル基(A)と芳香族基を含むアシル基(B)を有する。
(脂肪族アシル基(A))
本発明における脂肪族アシル基(A)は炭素数5から炭素数30のアシル基であり、直鎖、分岐あるいは環状構造や不飽和結合を含んでいてもよく、特に限定されない。好ましくは炭素数5から炭素数20、より好ましくは炭素数6から炭素数18、最も好ましくは炭素数8から炭素数18のアシル基である。具体例としては、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタテトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、オクタデカノイル基、ノナデカノイル基、エイコサノイル基、ヘンエイコサノイル基、ドコサノイル基、トリコサノイル基、テトラコサノイル基、ヘキサコサノイル基、ヘプタコサノイル基、オクタコサノイル基、トリアコサノイル基、トリメチルアセチル基、2−メチルブチリル基、イソバレリル基、2−エチルブチリル基、2,2−ジメチルブチリル基、t−ブチルアセチル基、2−メチルバレリル基、3−メチルバレリル基、4−メチルバレリル基、2−プロピルペンタノイル基、2−メチルヘキサノイル基、2−エチルヘキサノイル基、2−メチルー2−ペンテノイル基、2,2−ジメチルペンテノイル基、2−オクテノイル基、シトロネリル基、ウンデシレノイル基、ミリストレイル基、パルミトレイル基、オレオイル基、エライジル基、エイコセノイル基、エルシル基、ネルボニル基、2,4−ペンダジエノイル基、2,4−ヘキサジエノイル基、2,6−ペンタジエノイル基、ゲラニル基、リノレイル基、11,14−エイコサジエノイル基、リノレニル基、8,11,14−エイコサトリエノイル基、アラチドニル基、5,8,11,14,17−エイコサペンタエノイル基、4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサノイル基、シクロブチルアセチル基、シクロペンタノイル基、シクロペンチルアセチル基、シクロペンチルプロピオニル基、シクロヘキサノイル基、シクロヘキシルアセチル基、シクロヘキシルプロピオニル基、シクロヘキシルブチリル基、シクロヘキシルペンタノイル基、ジシクロヘキシルアセチル基、1−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、2−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、3−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−t−ブチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−ペンチル−1−シクロヘキサンカルボニル基、4−メチルーシクロヘキサンアセチル基、シクロヘプタイル基、2−ノルボルネンアセチル基、4−ペンチルビシクロ[2,2,2]オクタンー1−カルボニル基、3−オクソトリシクロ[2,2,1,0(2,6)]−ヘプタン−7−カルボニル基、3−ノルアダマンタンカルボニ基、1−アダマンタンカルボニル基、1−アダマンタンアセチル基、1−シクロペンテンー1−カルボニル基、1−シクロペンテンー1−アセチル基、1−シクロヘキセンー1−カルボニル基、1―メチル−2−シクロヘキセンー1−カルボニル基などを挙げることができる。
これらの中でも好ましくはペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタテトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、オクタデカノイル基、ノナデカノイル基、エイコサノイル基、ヘンエイコサノイル基、ドコサノイル基、トリメチルアセチル基、2−メチルブチリル基、イソバレリル基、2−エチルブチリル基、2,2−ジメチルブチリル基、t−ブチルアセチル基、2−メチルバレリル基、3−メチルバレリル基、4−メチルバレリル基、2−プロピルペンタノイル基、、2−エチルヘキサノイル基、シトロネリル基、ウンデシレノイル基、ミリストレイル基、パルミトレイル基、オレオイル基、エライジル基、エイコセノイル基、エルシル基、ネルボニル基、2,4−ペンダジエノイル基、2,4−ヘキサジエノイル基、2,6−ペンタジエノイル基、ゲラニル基、リノレイル基、シクロヘキサノイル基、シクロヘキシルアセチル基、シクロヘキシルプロピオニル基、シクロヘキシルブチリル基、シクロヘキシルペンタノイル基、ジシクロヘキシルアセチル基、1−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、2−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、3−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−メチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−t−ブチルー1−シクロヘキサンカルボニル基、4−ペンチル−1−シクロヘキサンカルボニル基、4−メチルーシクロヘキサンアセチル基である。
より好ましくは、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、2−エチルブチリル基、2,2−ジメチルブチリル基、t−ブチルアセチル基、2−メチルバレリル基、3−メチルバレリル基、4−メチルバレリル基、2−エチルヘキサノイル基、パルミトレイル基、オレイル基、シクロヘキサノイル基、シクロヘキシルアセチル基である。
最も好ましくは、ヘキサノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、シクロヘキサノイル基である。
(芳香族基を含むアシル基(B))
本発明における芳香族基を含むアシル基(B)はエステル結合部と直接結合しても、連結基を介して結合してもよい。ここでいう連結基とはアルキレン基、アルケニレン基、あるいはアルキニレン基を表し、連結基は置換基を有していても良い。連結基として好ましくは1以上10以下のアルキレン基、アルケニレン基、およびアルキニレン基、より好ましくは原子数が1以上6以下のアルキレン基およびアルケニレン基、最も好ましくは原子数が1以上4以下のアルキレンおよびアルケニレン基である。
また芳香族は置換基を有しても良く、芳香族に置換されている置換基および前述の連結基に置換されている置換基は、例えばアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、、n−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素原子数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
芳香族とは理化学辞典(岩波書店)第4版1208頁に芳香族化合物として定義されており、本発明における芳香族基としては芳香族炭化水素基でも芳香族ヘテロ環基でもよく、より好ましくは芳香族炭化水素基である。
芳香族炭化水素基としては、炭素原子数が6〜24のものが好ましく、6〜12のものがより好ましく、6〜10のものがもっとも好ましい。芳香族炭化水素基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が特に好ましい。芳香族ヘテロ環基としては、酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含むものが好ましい。そのヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、トリアジニル基、キノリル基が特に好ましい。
芳香族基を含むアシル基(B)として好ましいものはフェニルアセチル基、ヒドロシンナモイル基、ジフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、ベンジロキシアセチル基、O−アセチルマンデリル基、3−メトキシフェニルアセチル基、4−メトキシフェニルアセチル基、2,5−ジメトキシフェニルアセチル基、3,4−ジメトキシフェニルアセチル基、9−フルオレニルメチルアセチル基、シンナモイル基、4−メトキシーシンナモイル基、ベンゾイル基、オルト−トルオイル基、メタ−トルオイル基、パラ−トルオイル基、mーアニソイル基、pーアニソイル基、フェニルベンゾイル基、4−エチルベンゾイル基、4−プロピルベンゾイル基、4−t−ブチルベンゾイル基、4−ブチルベンゾイル基、4−ペンチルベンゾイル基、4−ヘキシルベンゾイル基、4−ヘプチルベンゾイル基、4−オクチルベンゾイル基、4−ビニルベンゾイル基、4−エトキシベンゾイル基、4−ブトキシベンゾイル基、4−ヘキシロキシベンゾイル基、4−ヘプチロキシベンゾイル基、4−ペンチロキシベンゾイル基、4−オクチロキシベンゾイル基、4−ノニロキシベンゾイル基、4−デシロキシベンゾイル基、4−ウンデシロキシベンゾイル基、4−ドデシロキシベンゾイル基、4−イソプロピオキシベンゾイル基、2,3−ジメトキシベンゾイル基、2,5−ジメトキシベンゾイル基、3,4−ジメトキシベンゾイル基、2,6−ジメトキシベンゾイル基、2,4−ジメトキシベンゾイル基、3,5−ジメトキシベンゾイル基、3,4,5−トリメトキシベンゾイル基、2,4,5−トリメトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、2−ビフェニルカルボニル基、4−ビフェニルカルボニル基、4’−エチルー4−ビフェニルカルボニル基、4’−オクチロキシー4−ビフェニルカルボニル基、ピペロニロイル基、ジフェニルアセチル基、トリフェニルアセチル基、フェニルプロピオニル基、ヒドロシンナモイル基、α―メチルヒドロシンナモイル基、2,2−ジフェニルプロピオニル基、3,3−ジフェニルプロピオニル基、3,3,3−トリフェニルプロピオニル基、2−フェニルブチリル基、3−フェニルブチリル基、4−フェニルブチリル基、5−フェニルバレリル基、3−メチルー2−フェニルバレリル基、6−フェニルヘキサノイル基、α−メトキシフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、3−フェノキシプロピオニル基、2−フェノキシプロピオニル基、11−フェノキシデカノイル基、2−フェノキシブチリル基、2−メトキシアセチル基、3−(2−メトキシフェニル)プロピオニル基、3−(p−トルイル)プロピオニル基、(4−メチルフェノキシ)アセチル基、4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル基、4−(4−メトキシフェニル)ブチリル基、(2,4−ジーt−ペンチルフェノキシ)ーアセチル基、4−(2,4−ジーt−ペンチルフェノキシ)ーブチリル基、(3,4―ジメトキシフェニル)アセチル基、3,4−(メチレンジオキシ)フェニルアセチル基、3−(3,4―ジメトキシフェニル)プロピオニル基、4−(3,4―ジメトキシフェニル)ブチリル基、(2,5―ジメトキシフェニル)アセチル基、(3,5―ジメトキシフェニル)アセチル基、3,4,5―トリメトキシフェニルアセチル基、3−(3,4,5―トリメトキシフェニル)−プロピオニル基、アセチル基、1−ナフチルアセチル基、2−ナフチルアセチル基、α―トリチルー2−ナフタレン−プロピオニル基、(1−ナフトキシ)アセチル基、(2−ナフトキシ)アセチル基、6−メトキシーα―メチルー2−ナフタレンアセチル基、9−フルオレンアセチル基、1−ピレンアセチル基、1−ピレンブチリル基、γ―オキソー−ピレンブチリル基、スチレンアセチル基、α―メチルシンナモイル基、α―フェニルシンナモイル基、2−メチルシンナモイル基、2−メトキシシンナモイル基、3−メトキシシンナモイル基、2,3−ジメトキシシンナモイル基、2,4−ジメトキシシンナモイル基、2,5−ジメトキシシンナモイル基、3,4−ジメトキシシンナモイル基、3,5−ジメトキシシンナモイル基、3,4−(メチレンジオキシ)シンナモイル基、3,4,5−トリメトキシシンナモイル基、2,4,5−トリメトキシシンナモイル基、3−メチリデンー2−カルボニル基、4−(2−シクロヘキシロキシ)ベンゾイル基、2,3−ジメチルベンゾイル基、2,6−ジメチルベンゾイル基、2,4−ジメチルベンゾイル基、2,5−ジメチルベンゾイル基、3−メトキシー4−メチルベンゾイル基、3,4−ジエトキシベンゾイル基、α―フェニルーO-トルイル基、2−フェノキシベンゾイル基、2−ベンゾイルベンゾイル基、3−ベンゾイルベンゾイル基、4−ベンゾイルベンゾイル基、2−エトキシー1−ナフトイル基、9−フルオレンカルボニル基、1−フルオレンカルボニル基、4−フルオレンカルボニル基、9−アントラセンカルボニル基、1−ピレンカルボニル基などが挙げられる。
さらに好ましくはフェニルアセチル基、ヒドロシンナモイル基、ジフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、ベンジロキシアセチル基、O−アセチルマンデリル基、3−メトキシフェニルアセチル基、4−メトキシフェニルアセチル基、2,5−ジメトキシフェニルアセチル基、3,4−ジメトキシフェニルアセチル基、9−フルオレニルメチルアセチル基、シンナモイル基、4−メトキシーシンナモイル基、ベンゾイル基、オルト−トルオイル基、メタ−トルオイル基、パラ−トルオイル基、mーアニソイル基、pーアニソイル基、フェニルベンゾイル基、4−エチルベンゾイル基、4−プロピルベンゾイル基、4−t−ブチルベンゾイル基、4−ブチルベンゾイル基、4−ペンチルベンゾイル基、4−ヘキシルベンゾイル基、4−ヘプチルベンゾイル基、4−オクチルベンゾイル基、4−ビニルベンゾイル基、4−エトキシベンゾイル基、4−ブトキシベンゾイル基、4−ヘキシロキシベンゾイル基、4−ヘプチロキシベンゾイル基、4−ペンチロキシベンゾイル基、4−オクチロキシベンゾイル基、4−ノニロキシベンゾイル基、4−デシロキシベンゾイル基、4−ウンデシロキシベンゾイル基、4−ドデシロキシベンゾイル基、4−イソプロピオキシベンゾイル基、2,3−ジメトキシベンゾイル基、2,5−ジメトキシベンゾイル基、3,4−ジメトキシベンゾイル基、2,6−ジメトキシベンゾイル基、2,4−ジメトキシベンゾイル基、3,5−ジメトキシベンゾイル基、2,4,5−トリメトキシベンゾイル基、3,4,5−トリメトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、2−ビフェニルカルボニル基、4−ビフェニルカルボニル基、4’−エチルー4−ビフェニルカルボニル基、4’−オクチロキシー4−ビフェニルカルボニル基が挙げられる。
より好ましくはフェニルアセチル基、ジフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、シンナモイル基、4−メトキシーシンナモイル基、ベンゾイル基、フェニルベンゾイル基、4−エチルベンゾイル基、4−プロピルベンゾイル基、4−t−ブチルベンゾイル基、4−ブチルベンゾイル基、4−ペンチルベンゾイル基、4−ヘキシルベンゾイル基、4−ヘプチルベンゾイル基、3,4−ジメトキシベンゾイル基、2,6−ジメトキシベンゾイル基、2,4−ジメトキシベンゾイル基、3,5−ジメトキシベンゾイル基、3,4,5−トリメトキシベンゾイル基、2,4,5−トリメトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、2−ビフェニルカルボニル基、4−ビフェニルカルボニル基である。
最も好ましくはベンゾイル基、フェニルベンゾイル基、4−ヘプチルベンゾイル基である。
本発明に用いられるセルロース体は前記アシル基(A)と前記アシル基(B)に加え、更に炭素数2から4の脂肪族アシル基(C)を有することが好ましい。炭素数2から4の脂肪族アシル基(C)としては、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基などを挙げることができる。更に好ましくは、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、を挙げることができ、特に好ましくはアセチル基を挙げることができる。
本発明に用いられるセルロース体は下記式(I)を満たすことが好ましい。
式(I):2.4≦DSA+DSB+DSC≦3.0
ここで、DSA、DSBおよびDSCはそれぞれ前記アシル基(A)、前記アシル基(B)、およびの前記アシル基(C)の置換度を表す。セルロースを構成するβー1,4結合しているグルコース単位は2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。本発明において置換度とは、2位、3位及び6位の水酸基のいずれかが特定の置換基に置換されている割合を示す。2位、3位及び6位の水酸基がすべて置換基に置換されたとき置換度は3.0となる。さらに本発明においてDSA+DSB+DSCとは全置換度を表し、2位、3位及び6位の水酸基を置換しているすべての置換基の置換度を表す。本発明において置換基の置換度および置換度分布は、Cellulose Communication 6,73−79(1999)およびChrality 12(9),670−674に書かれている方法を用いて、H−NMRあるいは13C−NMRにより、決定することが出来る。
本発明に用いられるセルロース体は、より好ましくは下記式(Ia)を満たし、最も好ましくは式(Ib)を満たす。
式(Ia):2.6≦DSA+DSB+DSC≦3.0
式(Ib):2.7≦DSA+DSB+DSC≦3.0
セルロース体の全置換度DSA+DSB+DSCを上記の範囲にすることにより、該セルロース体を含む組成物より得られるセルロースアシレートフィルムのRe及びRthの湿度依存性を向上させることができる。
本発明に用いられるセルロース体は下記式(II)を満たすことが好ましい。
式(II):0.1<DSA<0.8
ここで、式中、DSAは前記アシル基(A)の置換度を表す。
本発明に用いられるセルロース体はより好ましくは下記式(IIa)を満たし、最も好ましくは式(IIb)を満たす。
式(IIa):0.15<DSA<0.8
式(IIb):0.2<DSA<0.7
DSAを上記の範囲とすることでよりRe、Rthの湿度依存性を低減させることが出来、好ましい。
本発明に用いられるセルロース体は下記式(III)を満たすことが好ましい。
式(III):0.1<DSB<0.8
ここで、式(III)中、DSBは前記アシル基(B)の置換度を表す。
本発明に用いられるセルロース体はより好ましくは下記式(IIIa)を満たし、最も好ましくは式(IIIb)を満たす。
式(IIIa):0.2<DSB<0.8
式(IIIb):0.25<DSB<0.5
DSBを上記の範囲とすることで絶対値の大きなレターデーションを発現させることが出来、好ましい。
本発明に用いられるセルロース体は下記式(IV)あるいは式(IV−I)を満たすことが好ましい。
式(IV):0.7DSB≦DSB
式(IV−I):DSB≦0.3DSB
(式(IV)および式(IV−I)中、DSBは前記アシル基(B)の置換度を表し、DSBは前記アシル基(B)の6位の置換度を表す。)
なお、式(IV)を満たすとき、Rthは正の値を示し、式(IV―I)を満たすとき、Rthは負の値を示す。
本発明に用いられるセルロース体はより好ましくは下記式(IVa)あるいは式(IVa−I)を満たし、最も好ましくは式(IVb)あるいは式(IVb−I)を満たす。
式(IVa):0.75DSB≦DSB
式(IVa-I):0.8DSB≦DSB
式(IVb):DSB≦0.25DSB
式(IVb-I):DSB≦0.2DSB
DSBを上記の範囲とすることでReおよびRthの絶対値を特に大きくすることが出来、好ましい。
本発明に用いられるセルロース体の特に好ましい例を以下の表1に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。なお、表1中、DSBとは芳香族基を含むアシル基Bの置換度のうち、6位に置換されている置換度のことを表す。
Figure 0005255816
Figure 0005255816
本発明において、セルロース体とは、セルロースを原料として生物的あるいは化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する化合物をいい、セルロースアシレートが好ましい。
本発明で用いられるセルロースアシレートの原料綿は、綿花リンタ、木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などの天然セルロースはもとより、微結晶セルロースなど木材パルプを酸加水分解して得られる重合度の低い(重合度100〜300)セルロースでも使用することができ、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)および「セルロースの事典(523頁)」(セルロース学会編、朝倉書店、2000年発行)に記載のセルロースを用いることができ特に限定されるものではない。
セルロースアシレートの粘度平均重合度は140〜700が好ましく、150〜500が更に好ましく、180〜500が最も好ましい。平均重合度を500以下とすることにより、セルロース体のドープ溶液の粘度が高くなり過ぎず、流延によるフィルム製造が容易になる傾向にある。また、重合度を140以上とすることにより、作製したフィルムの強度がより向上する傾向にあり好ましい。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫著、「繊維学会誌」、第18巻、第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。具体的には、特開平9−95538号公報に記載の方法に従って測定することができる。
本発明に用いられるセルロース体は、例えばアルドリッチ社製セルロースアセテート(アセチル置換度2.45)、もしくはダイセル社製セルロースアセテート(アセチル置換度2.41(商品名:L−70)、2.15(商品名:FL−70)、1.70(商品名:LL−10))を出発原料として、対応する酸クロリドとの反応により得ることができる。
アシル基の位置をコントロールは、例えば、アセトン溶媒中、所定量の塩基存在下、所定量の6位に導入したい酸クロリドをセルロースアセテートと反応、次に、2,3位に導入したい酸クロリド酸クロリドを反応させることで行なう。
〔セルロース体組成物〕
次に、本発明のセルロース体組成物について説明する。
本発明のセルロース体組成物は、炭素数5〜30の脂肪族アシル基(A)と芳香族基を含むアシル基(B)とを有するセルロース体を含有する。
本発明のセルロース体組成物は、セルロース体を組成物全体の70重量%以上含むことが好ましく、より好ましくは80重量%以上含み、最も好ましくは90重量%以上含む。
本発明のセルロース体組成物は粒子状、粉末状、繊維状、塊状、溶液、溶融物、フィルムなど種々の形状を取ることができる。
フィルム製造の原料としては粒子状または粉末状であることが好ましいことから、乾燥後のセルロースアシレート組成物は、粒子サイズの均一化や取り扱い性の改善のために、粉砕や篩がけを行ってもよい。
本発明において、セルロース体は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。また、セルロース体以外の高分子成分や、各種添加剤を適宜混合することもできる。混合される成分はセルロース体との相溶性に優れるものが好ましく、フィルムにしたときの透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは92%以上となるようにすることが好ましい。
本発明においてセルロース体には、一般的にセルロースアシレートに添加可能な種々の添加剤(例えば、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤等)を加えて組成物とすることができる。また、一般式(I)で表されるセルロース体への添加剤の添加時期は、ドープ作製工程の何れにおいて添加してもよく、また、ドープ調製工程の最後に調製工程としてこれらの添加剤を添加してもよい。
〔セルロース体フィルム〕
本発明はセルロース体フィルムにも関する。
本発明のセルロース体フィルムは、本発明のセルロース組成物より形成されたセルロース体フィルムである。
本発明のセルロース体フィルム中には本発明のセルロース体を好ましくは50重量%以上、より好ましくは80%以上、最も好ましくは95%以上含む。
本発明のセルロース体フィルムの製造方法は、特に限定されるものではないが、以下に記載する溶融製膜法または溶液製膜法により製造することが好ましい。
<溶液製膜>
次に、本発明のセルロース体フィルムを溶液製膜法により製造する場合の好ましい形態について説明する。
本発明においては、セルロース体が溶解し流延、製膜できて、その目的が達成できる限りは、セルロース体の溶媒は特に限定されない。好ましい溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエチレンなどの塩素系有機溶剤、ならびに非塩素系有機溶媒を挙げることができる。
本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテルから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3〜12のエステル類の例としては、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチルおよび酢酸ペンチルが挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例としては、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
本発明で用いられる塩素系有機溶媒は、セルロース体が溶解し流延、製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りは、その塩素系有機溶媒は特に限定されない。これらの塩素系有機溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルムである。特にジクロロメタンが好ましい。また、塩素系有機溶媒以外の有機溶媒を混合することも特に問題ない。その場合は、ジクロロメタンは少なくとも50質量%使用することが必要である。本発明の併用される非塩素系有機溶媒について以下に記す。すなわち、好ましい非塩素系有機溶媒としては、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、アルコール、炭化水素などから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を同時に有していてもよい。2種類以上の官能基を有する溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
また塩素系有機溶媒と併用されるアルコールとしては、好ましくは直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。
以上のセルロース体に用いられる主溶媒である塩素系有機溶媒と併用される非塩素系有機溶媒については、特に限定されないが、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサン、炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステル、炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素から選ばれる。なお好ましい併用される非塩素系有機溶媒は、酢酸メチル、アセトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができる。
本発明においてセルロース体は、有機溶媒に10〜35質量%溶解させることが好ましい。より好ましくは13〜30質量%であり、特には15〜28質量%溶解しているセルロースアシレート溶液であることが好ましい。これらの濃度にセルロース体の溶解を実施する方法は、溶解する段階で所定の濃度になるように実施してもよく、また予め低濃度溶液(例えば9〜14質量%)として作製した後に後述する濃縮工程で所定の高濃度溶液に調整してもよい。さらに、予め高濃度のセルロース体溶液として後に、種々の添加物を添加することで所定の低濃度のセルロース体溶液としてもよく、いずれかの方法で本発明のセルロース体溶液濃度になるように実施されれば特に問題ない。
本発明におけるセルロース体溶液(ドープ)の調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよく、さらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。これらに関しては、例えば特開平5−163301号、特開昭61−106628号、特開昭58−127737号、特開平9−95544号、特開平10−95854号、特開平10−45950号、特開2000−53784号、特開平11−322946号、さらに特開平11−322947号、特開平2−276830号、特開2000−273239号、特開平11−71463号、特開平04−259511号、特開2000−273184号、特開平11−323017号、特開平11−302388号各公報などにセルロースアシレート溶液の調製法、が記載されている。以上記載したこれらのセルロースアシレートの有機溶媒への溶解方法は、本発明においても適宜本発明の範囲であればこれらの技術を適用できるものである。これらの詳細は、特に非塩素系溶媒系については発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)22頁〜25頁に詳細に記載されている方法で実施される。さらに本発明のセルロース体溶液は、溶液濃縮,ろ過が通常実施され、同様に発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)25頁に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解する場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。
本発明においてセルロース体溶液は、その溶液の粘度と動的貯蔵弾性率がある範囲であることが好ましい。試料溶液1mLをレオメーター(CLS 500)に直径 4cm/2°のSteel Cone(共にTA Instrumennts社製)を用いて測定した。測定条件はOscillation Step/Temperature Rampで40℃〜−10℃の範囲を2℃/分で可変して測定し、40℃の静的非ニュートン粘度n*(Pa・s)および−5℃の貯蔵弾性率G’(Pa)を求めた。なお、試料溶液は予め測定開始温度にて液温一定となるまで保温した後に測定を開始した。本発明では、40℃での粘度が1〜400Pa・sであり、15℃での動的貯蔵弾性率が500Pa以上が好ましく、より好ましくは40℃での粘度が10〜200Pa・sであり、15℃での動的貯蔵弾性率が100〜100万が好ましい。さらには低温での動的貯蔵弾性率が大きいほど好ましく、例えば流延支持体が−5℃の場合は動的貯蔵弾性率が−5℃で1万〜100万Paであることが好ましく、支持体が−50℃の場合は−50℃での動的貯蔵弾性率が1万〜500万Paであることが好ましい。
(溶液製膜の具体的方法)
次に、本発明のセルロース体フィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する方法および設備は、従来セルロースアシレートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法および溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロース体溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディスプレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらの各製造工程については、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)25頁〜30頁に詳細に記載され、流延(共流延を含む),金属支持体,乾燥,剥離,延伸などに分類される。
<セルロース体フィルムの処理>
(延伸)
以上のようにして、溶融製膜法あるいは溶液製膜法によって製造した本発明のセルロース体フィルムは、面状の改良、Re,Rthの発現、線膨張率の改善などを目的として、延伸することが好ましい。
延伸は製膜工程中、オン−ラインで実施してもよく、製膜完了後、一度巻き取った後オフ−ラインで実施してもよい。すなわち、溶融製膜の場合、延伸は製膜中の冷却が完了しない実施してもよく、冷却終了後に実施してもよい。
延伸はTg〜(Tg+50℃)で実施するのが好ましく、より好ましくはTg〜(Tg+40℃)、特に好ましくはTg〜(Tg+30℃)である。好ましい延伸倍率は0.1%〜500%、さらに好ましくは10%〜300%、特に好ましくは30%〜200%である。これらの延伸は1段で実施しても、多段で実施してもよい。ここでいう延伸倍率は、以下の式を用いて求めたものである。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
このような延伸は縦延伸、横延伸、およびこれらの組み合わせによって実施される。縦延伸は、(1)ロール延伸(出口側の周速を速くした2対以上のニップロールを用いて、長手方向に延伸)、(2)固定端延伸(フィルムの両端を把持し、これを長手方向に次第に早く搬送し長手方向に延伸)、等を用いることができる。さらに横延伸は、テンター延伸(フィルムの両端をチャックで把持しこれを横方向(長手方向と直角方向)に広げて延伸)、等を使用することができる。これらの縦延伸、横延伸は、それだけで行なってもよく(1軸延伸)、組み合わせて行ってもよい(2軸延伸)。2軸延伸の場合、縦、横逐次で実施してもよく(逐次延伸)、同時に実施してもよい(同時延伸)。
縦延伸、横延伸の延伸速度は10%/分〜10000%/分が好ましく、より好ましくは20%/分〜1000%/分、特に好ましくは30%/分〜800%/分である。多段延伸の場合、各段の延伸速度の平均値を指す。
このような延伸に引き続き、縦または横方向に0%〜10%緩和することも好ましい。さらに、延伸に引き続き、150℃〜250℃で1秒〜3分熱固定することも好ましい。
このようにして延伸した後の膜厚は10〜300μmが好ましく、20μm〜200μmがより好ましく、30μm〜100μmが特に好ましい。
また製膜方向(長手方向)と、フィルムのReの遅相軸とのなす角度θが0°、+90°もしくは−90°に近いほど好ましい。即ち、縦延伸の場合は0°に近いほどよく、0±3°が好ましく、より好ましくは0±2°、特に好ましくは0±1°である。横延伸の場合は、90±3°または−90±3°が好ましく、より好ましくは90±2°または−90±2°、特に好ましくは90±1°または−90±1°である。
偏光板を斜めから見たときの光漏れを抑制するためには、偏光膜の透過軸とセルロース体フィルムの面内の遅相軸を平行に配置する必要がある。連続的に製造されるロールフィルム状の偏光膜の透過軸は、一般的に、ロールフィルムの幅方向に平行であるので、前記ロールフィルム状の偏光膜とロールフィルム状のセルロース体フィルムからなる保護膜を連続的に貼り合せるためには、ロールフィルム状の保護膜の面内遅相軸は、フィルムの幅方向に平行であることが必要となる。従って幅方向により多く延伸することが好ましい。また延伸処理は、製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。前者の場合には残留溶媒を含んだ状態で延伸を行ってもよく、残留溶媒量が2〜30質量%で好ましく延伸することができる。
乾燥後得られる、本発明に好ましく用いられるセルロース体フィルムの厚さは、使用目的によって異なり、5〜500μmの範囲であることが好ましく、20〜300μmの範囲であることがより好ましく、30〜150μmの範囲であることがさらに好ましい。また、光学用、特にVA液晶表示装置用としては、40〜110μmであることが好ましい。フィルム厚さの調整は、所望の厚さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、金属支持体速度等を調節すればよい。
以上のようにして得られた、セルロース体フィルムの幅は0.5〜3mが好ましく、より好ましくは0.6〜2.5m、さらに好ましくは0.8〜2.2mである。長さは、1ロール当たり100〜10000mで巻き取るのが好ましく、より好ましくは500〜7000mであり、さらに好ましくは1000〜6000mである。巻き取る際、少なくとも片端にナーリングを付与するのが好ましく、ナーリングの幅は3mm〜50mmが好ましく、より好ましくは5mm〜30mm、高さは0.5〜500μmが好ましく、より好ましくは1〜200μmである。これは片押しであっても両押しであってもよい。
上述の未延伸または延伸セルロース体フィルムは単独で使用してもよく、これらと偏光板を組み合わせて使用してもよく、これらの上に液晶層や屈折率を制御した層(低反射層)やハードコート層を設けて使用してもよい。
〔セルロース体フィルムの光学特性〕
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(1)及び数式(2)よりRthを算出することもできる。
数式(1)
Figure 0005255816
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。
数式(1)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
数式(2)
Figure 0005255816
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸
(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本発明のセルロース体フィルムにおいては、総置換度、置換基の2位、3位、及び6位の置換度分布や延伸倍率によってReおよびRthを調整することができる。
フィルムの幅方向のRe(590)値のばらつきは、±5nmであることが好ましく、±3nmであることがより好ましい。また幅方向のRth(590)値のバラツキは±10nmが好ましく、±5nmであることがより好ましい。また、長さ方向のRe値、及びRth値のバラツキも、幅方向のバラツキの範囲内であることが好ましい。
[平衡含水率]
含水率の測定法は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置(アクアカウンターAQ−200、LE−20S、共に平沼産業
(株))にてカールフィッシャー法で測定する。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出する。
本発明のセルロースアシレートフィルムの平衡含水率は、25℃80%RHにおける平衡含水率が0〜3%であることが好ましい。0.1〜2%であることがより好ましく、0.3〜1.5%であることが特に好ましい。3%以上の平衡含水率であると、光学補償フィルムの支持体として用いる際にレターデーションの湿度変化による依存性が大きく、光学補償性能が低下するため好ましくない。
本発明のセルロース体フィルムをVAモード、OCBモードに使用する場合、セルの両側に1枚ずつ合計2枚使用する形態(2枚型)と、セルの上下のいずれか一方の側にのみ使用する形態(1枚型)の2通りがある。
2枚型の場合、Re(590)は20〜100nmが好ましく、30〜70nmがさらに好ましい。Rth(590)については70〜300nmが好ましく、100〜200nmがさらに好ましい。
1枚型の場合、Re(590)は30〜150nmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。Rth(590)については100〜300nmが好ましく、150〜250nmがさらに好ましい。
[ヘイズ]
本発明のセルロース体フィルムは、例えば、ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業
(株)社製)を用いて測定した値が0.1以上0.8以下であることが好ましく、0.1以上0.7以下であることがより好ましく、0.1以上0.60以下であることが特に好ましい。前記範囲にヘイズを制御することにより、光学補償フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に高コントラスの画像が得られる。
(光弾性係数)
本発明のセルロース体フィルムは、偏光板保護フィルム、または位相差板として使用されることが好ましい。偏光板保護フィルム、または位相差板として使用した場合には、吸湿による伸張、収縮による応力により複屈折(Re,Rth)が変化する場合がある。このような応力に伴う複屈折の変化は光弾性係数として測定できるが、その範囲は、5×10−7(cm2/kgf)〜30×10−7(cm2/kgf)が好ましく、6×10−7(cm2/kgf)〜25×10−7(cm2/kgf)がより好ましく、7×10−7(cm2/kgf)〜20×10−7(cm2/kgf)であることが特に好ましい。
(表面処理)
未延伸、または、延伸後のセルロース体フィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロース体フィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10−3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、さらにまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類およびそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)30頁〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000Kev下で20〜500Kgyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500Kev下で20〜300Kgyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロース体フィルムの表面処理としては極めて有効である。
(光学異方性層)
次に、配向膜の上に光学異方性層の液晶性分子を配向させる。その後、必要に応じて、配向膜ポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを反応させるか、または架橋剤を用いて配向膜ポリマーを架橋させる。
光学異方性層に用いる液晶性分子には、棒状液晶性分子および円盤状液晶性分子が含まれる。棒状液晶性分子および円盤状液晶性分子は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。
1)棒状液晶性分子
棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
なお、棒状液晶性分子には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性分子を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性分子として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性分子は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性分子については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
棒状液晶性分子の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性分子は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、ラジカル重合性不飽基あるいはカチオン重合性基が好ましく、具体的には、例えば特開2002−62427号公報の段落番号[0064]〜[0086]に記載の重合性基、重合性液晶化合物が挙げられる。
2)円盤状液晶性分子
円盤状(ディスコティック)液晶性分子には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されている
トルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
円盤状液晶性分子としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造である液晶性を示す化合物も含まれる。分子または分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。円盤状液晶性分子から形成する光学異方性層は、最終的に光学異方性層に含まれる化合物が円盤状液晶性分子である必要はなく、例えば、低分子の円盤状液晶性分子が熱や光で反応する基を有しており、結果的に熱、光で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失った化合物も含まれる。円盤状液晶性分子の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、円盤状液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載されている。
円盤状液晶性分子を重合により固定するためには、円盤状液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。円盤状コアと重合性基は、連結基を介して結合する化合物が好ましく、これにより重合反応においても配向状態を保つことができる。例えば、特開2000−155216号公報の段落番号[0151]〜[0168]に記載の化合物等が挙げられる。
ハイブリッド配向では、円盤状液晶性分子の長軸(円盤面)と偏光膜の面との角度が、光学異方性層の深さ方向でかつ偏光膜の面からの距離の増加と共に増加または減少している。角度は、距離の増加と共に減少することが好ましい。さらに、角度の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、または増加および減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。角度は、角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していればよい。さらに、角度は連続的に変化することが好ましい。
偏光膜側の円盤状液晶性分子の長軸の平均方向は、一般に円盤状液晶性分子または配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法の選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)の円盤状液晶性分子の長軸(円盤面)方向は、一般に円盤状液晶性分子または円盤状液晶性分子と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。円盤状液晶性分子と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマーおよびポリマーなどを挙げることができる。長軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性分子と添加剤との選択により調整できる。
(光学異方性層の形成)
光学異方性層は、液晶性分子および必要に応じて後述の重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成できる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジン)、炭化水素(例えば、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが特に好ましい。
(液晶性分子の配向状態の固定)
配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2,367,661号、同2,367,670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2,448,828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2,722,512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3,046,127号、同2,951,758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3,549,367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4,239,850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4,212,970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがより好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2 〜50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20〜5000mJ/cm2 の範囲にあることがより好ましく、100〜800mJ/cm2の範囲にあることが特に好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。
〔反射防止フィルム〕
また、本発明は、本発明のセルロースアシレートフィルムと、反射防止層とを有する反射防止フィルムにも関する。反射防止フィルムは通常の製造方法に基づき製造することができ、例えば、特開2006−241433号公報を参照し、製造することができる。
〔偏光板〕
本発明は、偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、本発明のセルロースアシレートフィルムである偏光板にも関する。該セルロースアシレートフィルムは、光学異方性層を有する光学補償フィルムの一部として、また反射防止層を有する反射防止フィルムの一部として、偏光膜に貼り合せられていてもよい。他の層を有する場合も、本発明のセルロースアシレートフィルムの表面が、偏光膜の表面に貼り合せられているのが好ましい。例えば、特開2006−241433号公報を参照し、製造することができる。
〔画像表示装置〕
本発明は、セルロース体フィルムまたは位相差フィルム、偏光板、光学補償フィルムおよび反射防止フィルムのいずれかを少なくとも1枚含む画像表示装置に関する。
<液晶表示装置>
本発明のセルロース体フィルム、該セルロース体フィルムを用いた偏光板、位相差フィルムおよび光学フィルムは、それぞれ液晶表示装置に好ましく組み込むことができる。液晶表示装置としては、TN型、IPS型、FLC型、AFLC型、OCB型、STN型、ECB型、VA型およびHAN型の表示装置が挙げられる。また、本発明のセルロース体フィルムは、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても好ましく用いることができる。以下に各液晶モードについて説明する。
(TN型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くから良く知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報の記載に従って作製することができる。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.143や、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.1068)の記載に従って作製することができる。
(STN型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報の記載に従って作製することができる。
(VA型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置に用いる光学補償シートのRe値を0〜150nmとし、Rth値を70〜400nmとすることが好ましい。VA型液晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRth値は70〜250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRth値は150〜400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であってもよい。
(IPS型液晶表示装置、ECB型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムは、IPSモードまたはECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置またはECB型液晶表示装置の光学補償シート、または偏光板の保護膜としても好適に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明のセルロース体フィルムを用いた偏光板は色味の改善、視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護膜のうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護膜(セル側の保護膜)に本発明のセルロース体フィルムを用いた偏光板を少なくとも片側一方に用いることが好ましい。更に好ましくは、偏光板の保護膜と液晶セルの間に光学異方性層を配置し、配置された光学異方性層のレターデーション値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定するのが好ましい。
(OCB型液晶表示装置、HAN型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートには、レターデーション値の絶対値が最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平9−197397号公報の記載に従って作製することができる。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.38(1999)p.2837)の記載に従って作製することができる。
(反射型液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号公報、国際公開WO9848320号パンフレット、特許登録第3022477号公報の記載に従って作製することができる。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、国際公開WO00−65384号の記載に従って作製することができる。
(その他の液晶表示装置)
本発明のセルロース体フィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98
Digest 1089(1998))の記載に従って作製することができる。
以下に実施例により本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
[合成例1:中間体化合物T−1の合成]
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた5Lの三ツ口フラスコに置換度2.15のセルロースアセテートを200g、ピリジン115mL、アセトン2000mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに塩化ベンゾイル(アルドリッチ)160mLをゆっくりと滴下し、添加後さらに50℃にて2時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール20Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の中間体化合物T−1を白色粉体として215g得た。平均重合度は254であった。
[合成例2:例示化合物A−4の合成]
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコに先の反応で得られた中間体化合物T−1を40g、ピリジン400mlを量り取り、室温で攪拌した。ここにn−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLをゆっくりと滴下し、添加後さらに50℃にて5時間攪拌した。反応後、室温に戻るまで放冷し、反応溶液をメタノール10Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を60℃で終夜乾燥した後、90℃で6時間真空乾燥することにより目的の例示化合物A−4を白色粉体として44g得た。平均重合度は254であった。
[合成例3:例示化合物A−7の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLを2−エチルヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)60mLに変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−7を白色粉体として45g得た。平均重合度は255であった。
[合成例4:中間体化合物T−2の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、塩化ベンゾイル(アルドリッチ)160mLを2−エチルヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)300mL、ピリジン230mLを150mLに変更する以外は同様にして、目的の中間体化合物T−2を白色粉体として223g得た。平均重合度は255であった。
[合成例5:例示化合物A−10の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1をT−2に、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLを塩化ベンゾイル(アルドリッチ)60mLに変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−10を白色粉体として45g得た。平均重合度は255であった。
[合成例6:中間体化合物T−3の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、塩化ベンゾイル(アルドリッチ)160mLをオクタノイルクロライド(アルドリッチ)280mL、ピリジン230mLを130mLに変更する以外は同様にして、目的の中間体化合物T−3を白色粉体として235g得た。平均重合度は255であった。
[合成例7:例示化合物A−13の合成]
先の例示化合物A−10の製造において、中間体化合物T−2をT−3に変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−13を白色粉体として41g得た。平均重合度は255であった。
[合成例8:中間体化合物T−4の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、塩化ベンゾイル(アルドリッチ)160mLをラウロイルクロライド(アルドリッチ)400mL、ピリジン230mLを180mLに変更する以外は同様にして、目的の中間体化合物T−4を白色粉体として235g得た。平均重合度は253であった。
[合成例9:例示化合物A−18の合成]
先の例示化合物A−10の製造において、中間体化合物T−2をT−4に変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−18を白色粉体として42g得た。平均重合度は253であった。
[合成例10:中間体化合物T−5の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、塩化ベンゾイル160mLをオクタデカノイルクロライド(アルドリッチ)500mL、ピリジン230mLを200mLに変更する以外は同様にして、目的の中間体化合物T−5を白色粉体として235g得た。平均重合度は253であった。
[合成例11:例示化合物A−35の合成]
先の例示化合物A−10の製造において、中間体化合物T−2をT−5に変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−35を白色粉体として46g得た。平均重合度は253であった。
[合成例12:中間体化合物T−6の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、塩化ベンゾイル160mLを200mLに、ピリジン230mLを260mL変更する以外は同様にして、目的の中間体化合物T−6を白色粉体として210g得た。平均重合度は257であった。
[合成例13:例示化合物A−9の合成]
先の例示化合物A−7の製造において、中間体化合物T−1をT−6に変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−9を白色粉体として45g得た。平均重合度は255であった。
[合成例14:例示化合物A−20の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1をT−6に、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLをドデカノイルクロライド75mLに変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−20を白色粉体として45g得た。平均重合度は255であった。
[合成例15:例示化合物A−37の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1をT−6に、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLをオクタデカノイルクロライド100mLに変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−37を白色粉体として45g得た。平均重合度は255であった。
[合成例16:比較化合物B−5の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、塩化ベンゾイル(アルドリッチ)160mLを4−フェニルベンゾイルクロライド(アルドリッチ)240gに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−5を白色粉体として225g得た。平均重合度は254であった。
[合成例17:例示化合物A−8の合成]
先の例示化合物A−10の製造において、中間体化合物T−2を比較化合物B−5に変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−8を白色粉体として46g得た。平均重合度は253であった。
[合成例18:アサロニルクロライドの合成]
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコにアサロン酸(アルドリッチ)200g、トルエン300mlを量り取り、室温で攪拌した。ここに560gの塩化チオニル(和光純薬株式会社)、ジメチルホルムアミド10mlをゆっくりと滴下し、添加後さらに80℃にて1時間攪拌した。反応後、トルエンと未反応の塩化チオニルを減圧留去し、残渣にヘキサン500mlを激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のヘキサンで3回洗浄を行った。得られた白色固体を乾燥することで、目的のアサロニルクロライドを195g得た。
[合成例19:例示化合物A−32の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1をT−4に、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLをアサロニルクロライド192gに変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−32を白色粉体として43g得た。平均重合度は255であった。
[合成例20:例示化合物A−33の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1をT−4に、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLを4−ヘプチルベンゾイルクロライド200mLに変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−33を白色粉体として47g得た。平均重合度は255であった。
[合成例21:比較化合物B−7の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、置換度2.15のセルロースアセテートを置換度2.44のセルロースアセテートに、塩化ベンゾイル160mLをオクタデカノイルクロライド(アルドリッチ)200mL、ピリジン230mLを80mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−7を白色粉体として235g得た。平均重合度は253であった。
[合成例22:例示化合物A−34の合成]
先の例示化合物A−10の製造において、中間体化合物T−2をB−7に変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−34を白色粉体として46g得た。平均重合度は253であった。
[合成例23:比較化合物B−9の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、塩化ベンゾイル160mLをシクロヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)150mL、ピリジン230mLを93mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−9を白色粉体として202g得た。平均重合度は256であった。
[合成例24:例示化合物A−38の合成]
先の例示化合物A−10の製造において、中間体化合物T−2をB−9に変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−38を白色粉体として46g得た。平均重合度は256であった。
[合成例25:比較化合物B−12の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、塩化ベンゾイル160mLを180mL、ピリジン230mLを250mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−12を白色粉体として212g得た。平均重合度は257であった。
[合成例26:例示化合物A−21の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1をT−6に、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLをドデカノイルクロライド85mLに変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−21を白色粉体として50g得た。平均重合度は257であった。
[合成例27:中間体化合物T−7の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、塩化ベンゾイル160mLを130mL、ピリジン230mLを180mLに変更する以外は同様にして、目的の中間体化合物T−7を白色粉体として201g得た。平均重合度は258であった。
[合成例28:例示化合物A−22の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1をT−7に、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLをドデカノイルクロライド65mLに変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−22を白色粉体として45g得た。平均重合度は258であった。
[合成例29:例示化合物A−23の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1をT−7に、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLをドデカノイルクロライド50mLに変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−23を白色粉体として43g得た。平均重合度は258であった。
[合成例29:例示化合物A−24の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1をT−7に、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLをドデカノイルクロライド30mLに変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−24を白色粉体として39g得た。平均重合度は258であった。
[合成例30:比較化合物B−1の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1を置換度2.15のジアセチルセルロースに、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLを30mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−1を白色粉体として43g得た。平均重合度は258であった。
[合成例31:比較化合物B−2の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1を置換度2.15のジアセチルセルロースに、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLを2−エチルヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)35mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−2を白色粉体として43g得た。平均重合度は258であった。
[合成例32:比較化合物B−3の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1を置換度2.15のジアセチルセルロースに、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLをベンゾイルクロライド23mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−3を白色粉体として44g得た。平均重合度は257であった。
[合成例33:比較化合物B−4の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、中間体化合物T−1を置換度2.15のジアセチルセルロースに、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)120mLをベンゾイルクロライド69mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−4を白色粉体として46g得た。平均重合度は258であった。
[合成例34:中間体化合物T−8の合成]
ジアセチルセルロース(アセチル置換度2.15)200gをテトラヒドロフラン1500mLに溶解した。ここに、ピリジン316mL、トリフェニルメチルクロリド927gを加え、70℃で11時間攪拌させた。メタノール300mLを添加して発熱が収まるのを確認した後、メタノール7000mLと混合してポリマーを沈殿させ、40−50℃のメタノールで連続洗浄して精製し、中間体化合物T−8を236g得た。
[合成例35:中間体化合物T−9の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、ピリジン400mLをピリジン800mLに、40gの中間体化合物T−1を80gのT−8に、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLを塩化ベンゾイル(アルドリッチ)240mLに変更する以外は同様にして、中間体化合物T−9を白色粉体として82g得た。
[合成例37:比較化合物B−6の合成]
中間体化合物T−9を82g、ジクロロメタン500質量部に溶解し、25%臭化水素酸酢酸溶液31質量部を加えた。室温で5分間攪拌した後、70質量部のメタノールに溶解したトリエチルアミン10質量部を加えて、更に20分間攪拌した。メタノールと混合してポリマーを沈殿させ、40〜50℃のメタノールで連続洗浄し、濾過の後、真空乾燥し、比較用化合物比較化合物B−6を45g得た。平均重合度は255であった。
[合成例38:中間体化合物T−10の合成]
先の中間体T−8の製造において、アセチル置換度2.15のジアセチルセルロースをアセチル置換度2.44のジアセチルセルロースに、ピリジン316mLを250mLに、トリフェニルメチルクロリド741gを560gに変更する以外は同様にして、中間体化合物T−10を白色粉体として205g得た。
[合成例39:中間体化合物T−11の合成]
先の中間体化合物T−9の製造において、中間体化合物T−8をT−10に、塩化ベンゾイル(アルドリッチ)240mLを120mLに変更する以外は同様にして、中間体化合物T−11を白色粉体として215g得た。
[合成例40:比較化合物B−8の合成]
先の比較化合物B−6の製造において、中間体化合物T−9をT−11に変更する以外は同様にして、比較化合物B−8を白色粉体として41g得た。平均重合度は255であった。
[合成例41:中間体化合物T−12の合成]
先の中間体化合物T−9の製造において、塩化ベンゾイル(アルドリッチ)120mLを130mLに変更する以外は同様にして、中間体化合物T−12を白色粉体として225g得た。
[合成例42:比較化合物B−10の合成]
先の比較化合物B−6の製造において、中間体化合物T−9をT−12に変更する以外は同様にして、比較化合物B−10を白色粉体として41g得た。平均重合度は255であった。
[合成例43:比較化合物B−11の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、塩化ベンゾイル(アルドリッチ)160mLをラウリロイルクロライド(アルドリッチ)100mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−11を白色粉体として200g得た。平均重合度は258であった。
[合成例44:比較化合物B−12の合成]
先の中間体化合物T−1の製造において、塩化ベンゾイル(アルドリッチ)160mLを200mLに変更する以外は同様にして、目的の比較化合物B−12を白色粉体として210g得た。平均重合度は256であった。
[合成例45:例示化合物A−41の合成]
先の例示化合物A−4の製造において、n−ヘキサノイルクロライド(アルドリッチ)40mLを塩化ベンゾイル(アルドリッチ)120mLに変更する以外は同様にして、目的の例示化合物A−41を白色粉体として48g得た。平均重合度は254であった。
(実施例2)
<セルロース体溶液の調製>
下記の原料をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、溶解し、セルロース体溶液を有する溶液を調製した。このとき置換度2.15のセルロースアセテートに代えて、発明のセルロース体A−4、7、8、10、13、14、18、20〜24、32〜35、37、38、B−1〜12を用い、上記と同様にして各セルロース体溶液を調製した。
<セルロース体溶液>
置換度2.15のセルロースアセテート 100質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402質量部
メタノール(第2溶媒) 60質量部
<セルロース体フィルム試料S−1〜32の作製>
セルロース体溶液組成の溶液562質量部を、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量%のフィルムを、160℃の条件で、必要に応じてテンターを用いて1横延伸して、フィルム試料001(比較例、厚さ:80μm)を作製した。以下、特に断りがなければ、作製したフィルムの厚さはすべて80μmである。次に、同様にして、本発明のフィルム試料S−1〜31を作成した。表2に結果を示した。
Figure 0005255816
Figure 0005255816
フィルム試料の評価については、上記で得られた各フィルム試料の一部(120mm×120mm)を取り出し、レターデーション値については“KOBRA 21ADH”(王子計測機器(株)社製)により、25℃60%RHにおける波長590nmの光に対するReおよびRthを測定した。更に25℃10%RHにおける波長590nmの光に対するReおよびRthと25℃80%RHにおける波長590nmの光に対するReおよびRthの差であるΔRe(10%−80%)及びΔRth(10%−80%)を測定した。その結果を表2に示す。
表2の結果から分かるように、従来のセルロースアシレートおよび比較例から得たフィルム試料が湿度依存性が大きいあるいはレターデーションの発現性が小さいのに対して、本発明のフィルムはレターデーションの絶対値が大きく、レターデーションの発現性と湿度依存性の低減の両立が可能である。
(実施例3)偏光板保護膜
実施例2の試料を用いて、特開平11−316378号公報の実施例1に記載の方法により、楕円偏光板試料001〜007を作製して評価した。本発明のセルロース体フィルムにより得られた楕円偏光板の光学特性は優れたものであった。
(実施例4)液晶表示装置
実施例の試料001〜007を用いて、特開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜9に記載のVA型液晶表示装置、特開2000−154261号公報の図10〜15に記載のOCB型液晶表示装置を作製し、評価した。本発明のセルロース体フィルムを用いて得られた装置では、いずれの場合においても良好な性能が得られた。

Claims (17)

  1. 炭素数5〜30の脂肪族アシル基(A)と芳香族基を含むアシル基(B)とを有し、更に炭素数2〜4の脂肪族アシル基(C)を有するセルロース体を含有し、該セルロース対が下記の式(I)を満たし、前記アシル基(C)の置換度DSCが2.15以上2.44以下であるセルロース体組成物。
    式(I)2.4≦DSA+DSB+DSC≦3.0
    (式(I)中、DSA、DSBおよびDSCはそれぞれ前記アシル基(A)、前記アシル基(B)、および前記アシル基(C)の置換度を表す。)
  2. 該セルロース体が下記式(II)を満たす請求項1に記載のセルロース体組成物。
    式(II)0.1<DSA<0.8
    (式(II)中、DSAは前記アシル基(A)の置換度を表す。)
  3. 該セルロース体が下記式(III)を満たす請求項1又は2に記載のセルロース体組成物。
    式(III):0.1<DSB<0.8
    (式(III)中、DSBは前記アシル基(B)の置換度を表す。)
  4. 該セルロース体が下記式(IV)あるいは式(IV-I)を満たす請求項1〜のいずれか一項に記載のセルロース体組成物。
    式(IV):0.7DSB≦DSB
    式(IV−I):DSB≦0.3DSB
    (式(IV)および式(IV−I)中、DSBは前記アシル基(B)の置換度を表し、DSBは前記アシル基(B)の6位の置換度を表す。)
  5. 該セルロース体のアシル基(A)の炭素数が6〜18である請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロース体組成物。
  6. 該セルロース体のアシル基(A)がヘキサノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、シクロヘキサノイル基のいずれかより選ばれる請求項1〜のいずれか一項に記載のセルロース体組成物。
  7. 該セルロース体のアシル基(B)が含む芳香族基が、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基である請求項1〜6のいずれか一項に記載のセルロース組成物。
  8. 該セルロース体のアシル基(B)がベンゾイル基、フェニルベンゾイル基、4−ヘプチルベンゾイル基のいずれかより選ばれる請求項1〜のいずれか一項に記載のセルロース体組成物。
  9. 該セルロース体の粘度平均重合度が140〜700である請求項1〜8のいずれか一項に記載のセルロース体組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載のセルロース体組成物により形成されたセルロース体フィルム
  11. 25℃10%RHにおける波長590nmの光に対する面内レターデーションReと25℃80%RHにおける波長590nmの光に対する面内レターデーションReの差であるΔRe(10%−80%)が0〜12nmである請求項10に記載のセルロース体フィルム。
  12. 25℃10%RHにおける波長590nmの光に対する厚さ方向のレターデーションRthと25℃80%Rthにおける波長590nmの光に対する厚さ方向のレターデーションReの差であるΔRth(10%−80%)が8〜19nmである請求項10又は11に記載のセルロース体フィルム。
  13. 請求項10〜12のいずれか一項に記載のセルロース体フィルムからなる位相差フィルム。
  14. 請求項10〜12のいずれか一項に記載のセルロース体フィルムまたは請求項13に記載の位相差フィルム上に、液晶性化合物を配向させて形成した光学異方性層を有する光学補償フィルム。
  15. 請求項10〜12のいずれか一項に記載のセルロース体フィルムまたは請求項13に記載の位相差フィルム上に、反射防止層を有する反射防止フィルム。
  16. 偏光膜と該偏光膜を挟持する2枚の保護フィルムとからなる偏光板であって、2枚の保護フィルムの少なくとも一方が、請求項10〜12のいずれか一項に記載のセルロース体フィルム、請求項13に記載の位相差フィルム、請求項14に記載の光学補償フィルム及び請求項15に記載の反射防止フィルムのいずれかを少なくとも1枚含む偏光板。
  17. 請求項10〜12のいずれか一項に記載のセルロース体フィルム請求項13に記載の位相差フィルム、請求項14に記載の光学補償フィルム、請求項15に記載の反射防止フィルムおよび請求項16に記載の偏光板のいずれかを少なくとも1枚含む画像表示装置。
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