JP2005330443A - セルロース体組成物およびセルロース体フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、セルロース体組成物と、これを用いて製造されるセルロース体フィルムとに関するものである。
セルロース体フィルム、中でもセルロースアセテートフィルムは、他のポリマーフィルムと比較して、光学的等方性が高い(レターデーション値が低い)特徴がある。そのため、光学的等方性が要求される用途、例えば偏光板には、セルロースアセテートフィルムを用いることが一般的である。
一方、液晶表示装置等の光学補償シート(位相差フィルム)には、逆に光学的異方性(高いレターデーション値)が要求される。そのため、光学補償シートとしては、ポリカーボネートフィルムやポリスルホンフィルムのようなレターデーション値が高い合成ポリマーフィルムを用いることが一般的であった。
一方、液晶表示装置等の光学補償シート(位相差フィルム)には、逆に光学的異方性(高いレターデーション値)が要求される。そのため、光学補償シートとしては、ポリカーボネートフィルムやポリスルホンフィルムのようなレターデーション値が高い合成ポリマーフィルムを用いることが一般的であった。
ところで、最近では、光学的異方性が要求される用途にも使用できる高いレターデーション値を有するセルロースアセテートフィルムが要求されるようになり、それに対応するような技術も提案されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1における技術は、セルローストリアセテートフィルムで高いレターデーション値を実現するために、少なくとも2つの芳香環を有する芳香族化合物、中でも1,3,5−トリアジン環を有する化合物を添加し、延伸処理する技術である。
一般にセルローストリアセテートは延伸しにくい高分子素材であり、複屈折率を大きくすることは困難であることが知られているが、上記特許文献1では添加した芳香族化合物を延伸処理で同時に配向させることにより複屈折率を大きくし、高いレターデーション値を実現している。
一般にセルローストリアセテートは延伸しにくい高分子素材であり、複屈折率を大きくすることは困難であることが知られているが、上記特許文献1では添加した芳香族化合物を延伸処理で同時に配向させることにより複屈折率を大きくし、高いレターデーション値を実現している。
また、近年、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)などの様々な表示モードが提案されており、それぞれに適した光学異方性を有する光学補償フィルムも求められるようになってきている。
しかしながら、本発明者は、1,3,5−トリアジン環を有する公知の円盤状化合物を用いて、上記特許文献1で開示された方法を鋭意検討した結果、この方法では、Reレターデーション値とRthレターデーション値の組み合わせを任意に設定できない、すなわち、高い(Re/Rth)のフィルムは作製できないという問題があることが判明した。そこで、新たな光学性能制御技術の開発が必要となってきた。
欧州特許出願公開第0911656A2号明細書
本発明の目的は、光学特性に優れたセルロース体組成物およびフィルムを提供することにある。
本発明の目的は、下記手段により達成された。
[1]セルロース体と、下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするセルロース体組成物。
一般式(1)
[1]セルロース体と、下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするセルロース体組成物。
一般式(1)
(式中、Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Q1はアリール基またはヘテロ環を表す。Q2はへテロ環を表す。)
[2]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−A)で表される化合物であることを特徴とする[1]項に記載のセルロース体組成物。
一般式(1−A)
[2]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−A)で表される化合物であることを特徴とする[1]項に記載のセルロース体組成物。
一般式(1−A)
(式中、R1、R2、R3、R4、およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Q2はへテロ環を表す。)
[3]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−B)で表される化合物であることを特徴とする[1]項に記載のセルロース体組成物。
一般式(1−B)
[3]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−B)で表される化合物であることを特徴とする[1]項に記載のセルロース体組成物。
一般式(1−B)
(式中、R1、R2、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R13は水素原子以外の置換基を表す。Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Q2はへテロ環を表す。)
[4]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−C)で表される化合物であることを特徴とする[1]項に記載のセルロース体組成物。
一般式(1−C)
[4]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−C)で表される化合物であることを特徴とする[1]項に記載のセルロース体組成物。
一般式(1−C)
(式中、R2、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R11、R13は水素原子以外の置換基を表す。Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Q2はへテロ環を表す。)
[5]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−D)で表される化合物であることを特徴とする[1]項に記載のセルロース体組成物。
一般式(1−D)
[5]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−D)で表される化合物であることを特徴とする[1]項に記載のセルロース体組成物。
一般式(1−D)
(式中、R2およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R11、R13およびR14は水素原子以外の置換基を表す。Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Q2はへテロ環を表す。)
[6]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−E)で表される化合物であることを特徴とする[1]項に記載のセルロース体組成物。
一般式(1−E)
[6]上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(1−E)で表される化合物であることを特徴とする[1]項に記載のセルロース体組成物。
一般式(1−E)
(式中、R2およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R21、R23およびR24は水素原子またはアルキル基を表す。Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Q2はへテロ環を表す。)
[7][1]〜[6]のいずれか1項に記載のセルロース体組成物よりなることを特徴とするドープ組成物。
[8][1]〜[6]のいずれか1項に記載のセルロース体組成物より形成されたことを特徴とするセルロース体フィルム。
[9]セルロース体がセルロースアシレートであることを特徴とする[8]項に記載のセルロース体フィルム。
[7][1]〜[6]のいずれか1項に記載のセルロース体組成物よりなることを特徴とするドープ組成物。
[8][1]〜[6]のいずれか1項に記載のセルロース体組成物より形成されたことを特徴とするセルロース体フィルム。
[9]セルロース体がセルロースアシレートであることを特徴とする[8]項に記載のセルロース体フィルム。
本発明のセルロース体組成物は個々に指定されたReレターデーション値とRthレターデーション値とを同時に満足した光学性能に優れたフィルムを形成するのに有用である。したがってこれより得られたセルロースアシレートフィルムは光学性能に優れる。
まず、本発明に用いられる一般式(1)で表される化合物に関して詳細に説明する。
一般式(1)
一般式(1)
(式中、Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Q1はアリール基またはヘテロ環を表す。Q2はへテロ環を表す。)
Q1で表されるアリール基として好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。また、可能な場合には置換基を有してもよく、置換基としては後述する置換基Tが適用できる。
Q1で表されるアリール基としてより好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。
Q1で表されるアリール基としてより好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。
Q1で表されるヘテロ環としては酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む環であれば何でもよいが、好ましくは5ないし6員環の酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む環である。また、可能な場合には更に置換基を有してもよい。置換基としては後述する置換基Tが適用できる。
Q1で表されるへテロ環としてより好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む芳香族ヘテロ環である。
Q1で表されるへテロ環としてより好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む芳香族ヘテロ環である。
芳香族ヘテロ環として好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデン、ピロロトリアゾール、ピラゾロトリアゾールなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾールである。
Q2で表されるヘテロ環としてはQ1で表されるヘテロ環と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Rがアルキル基を表す場合には更に置換基を有してもよい。置換基としては後述する置換基Tが適用できる。また、分岐アルキル基であっても直鎖アルキル基であってもよい。
Rとして好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。最も好ましくはメチル基である。
Xとして好ましくは、−O−、−NH−、−NCH3−であり、より好ましくは−O−または−NH−であり、更に好ましくは−NH−である。
Rとして好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。最も好ましくはメチル基である。
Xとして好ましくは、−O−、−NH−、−NCH3−であり、より好ましくは−O−または−NH−であり、更に好ましくは−NH−である。
一般式(1)として好ましくは下記一般式(1−A)である。以下一般式(1−A)に関して詳細に説明する。
一般式(1−A)
一般式(1−A)
(式中、R1、R2、R3、R4、およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表し、Q2はへテロ環を表す。XおよびQ2は一般式(1)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。)
R1として好ましくは、水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくはメチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子であり、特に好ましくはメトキシ基、ヒドロキシ基である。
R2として好ましくは、水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基であり、特に好ましく水素原子である。
R3として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルキニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアシル基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜4アシルアミノ基、塩素原子、フッ素原子、シアノ基であり、更に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピル基、n−ブトキシ基、アセチル基、フェニル基、塩素原子、シアノ基であり、特に好ましくはメチル基、メトキシ基、シアノ基であり、最も好ましくはメトキシ基である。
R4として好ましくは、水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基であり、特に好ましくメトキシ基である。
R5として好ましくは水素原子、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子であり、特に好ましくは水素原子、メトキシ基、ヒドロキシ基であり、最も好ましくは水素原子である。
一般式(1)としてより好ましくは下記一般式(1−B)である。以下一般式(1−B)に関して詳細に説明する。
一般式(1−B)
一般式(1−B)
(式中、R1、R2、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R13は水素原子以外の置換基を表す。Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Q2はへテロ環を表す。)
R1、R2、R4、R5、XおよびQ2は一般式(1−A)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
R13は水素原子以外の置換基を表し、R13として好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルキニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアシル基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜4アシルアミノ基、塩素原子、フッ素原子、シアノ基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、アセチル基、フェニル基、塩素原子、シアノ基であり、特に好ましくはメチル基、メトキシ基、シアノ基であり、最も好ましくはメトキシ基である。
一般式(1)として更に好ましくは一般式(1−C)である。以下一般式(1−C)に関して詳細に説明する。
一般式(1−C)
一般式(1−C)
(式中、R2、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R11、R13は水素原子以外の置換基を表す。Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Q2はへテロ環を表す。)
R2、R4、R5、R13、XおよびQ2は一般式(1−B)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
R11は水素原子以外の置換基を表し、R11として好ましくは、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは、メチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子であり、特に好ましくはメトキシ基、ヒドロキシ基である。
一般式(1)として特に好ましくは一般式(1−D)である。以下一般式(1−D)に関して詳細に説明する。
一般式(1−D)
一般式(1−D)
(式中、R2およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R13、R14およびR15は水素原子以外の置換基を表す。Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Q2はへテロ環を表す。)
R2、R5、R11、R13、XおよびQ2は一般式(1−C)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
R14は水素原子以外の置換基を表し、R14として好ましくは、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくはメチル基、メトキシ基であり、特に好ましくメトキシ基である。
上記一般式(1)で表される化合物として最も好ましくは(1−E)で表される化合物である。
一般式(1−E)
一般式(1−E)
(式中、R2およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R21、R23およびR24は水素原子またはアルキル基を表す。Xは−O−または−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)を表す。Q2はへテロ環を表す。)
R2、R5、XおよびQ2は一般式(1−D)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
R21は水素原子またはアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子またはメチル基、エチル基であり、特に好ましくは水素原子またはメチル基である。
R23は水素原子またはアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
R24は水素原子またはアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
以下に置換基Tについて説明する。
置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、
置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、
置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
以下に一般式(1)で表される化合物に関して具体例をあげて詳細に説明するが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されることはない。
一般式(1)で表される化合物はカルボン酸とアミンとのアミド化反応、またはカルボン酸と水酸基とのエステル化反応によって合成でき、アミド結合形成、エステル結合形成反応であればどのような反応を用いてもよい。
例えば、置換安息香酸を酸ハロゲン化物に官能基変換した後、アミン、水酸基を有する化合物と縮合する方法、縮合剤あるいは触媒を用いて置換安息香酸とアミン、水酸基を有する化合物を脱水縮合する方法などがあげられる。
製造プロセス等を考慮すると置換安息香酸を酸ハロゲン化物に官能基変換した後、アミン、水酸基を有する化合物と縮合する方法が好ましい。
例えば、置換安息香酸を酸ハロゲン化物に官能基変換した後、アミン、水酸基を有する化合物と縮合する方法、縮合剤あるいは触媒を用いて置換安息香酸とアミン、水酸基を有する化合物を脱水縮合する方法などがあげられる。
製造プロセス等を考慮すると置換安息香酸を酸ハロゲン化物に官能基変換した後、アミン、水酸基を有する化合物と縮合する方法が好ましい。
反応溶媒として炭化水素系溶媒(好ましくはトルエン、キシレンが挙げられる。)、エーテル系溶媒(好ましくはジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられる)、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどを用いることができる。これらの溶媒は単独でも数種を混合して用いてもよく、反応溶媒として好ましくはトルエン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドである。
反応温度としては、好ましくは0〜150℃、より好ましくは0〜100℃、更に好ましくは0〜90℃であり、特に好ましくは20℃〜90℃である。
本反応には塩基を用いないのが好ましく、塩基を用いる場合には有機塩基、無機塩基のどちらでもよく、好ましくは有機塩基であり、ピリジン、3級アルキルアミン(好ましくはトリエチルアミン、エチルジイソプルピルアミンなどが挙げられる)である。
本反応には塩基を用いないのが好ましく、塩基を用いる場合には有機塩基、無機塩基のどちらでもよく、好ましくは有機塩基であり、ピリジン、3級アルキルアミン(好ましくはトリエチルアミン、エチルジイソプルピルアミンなどが挙げられる)である。
以下に一般式(1)で表される化合物の合成法に関して具体的に記載するが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されることはない。
[合成例1:例示化合物A−1の合成]
4−アミノピリジン11.3g(0.12モル)、トリエチルアミン14.6g(0.144モル)、ジメチルアセトアミド50mL、を氷水で冷却し、あらかじめ2,4,5−トリメトキシ安息香酸クロリド30.4g(0.132モル)をアセトニトリル100mLに溶解させた液をゆっくりと滴下し、滴下終了後、50℃で5時間加熱攪拌した。その後、酢酸エチル、水を添加し、分液操作を行い、有機相を回収し、硫酸マグネシウムを添加した。ろ過操作で硫酸マグネシウムを留去した後、有機溶媒を減圧留去し、水を加え、再結晶操作を行った。析出した結晶をろ過回収し、白色の結晶として目的化合物を12.5g(収率36%)得た。
なお、化合物の同定は1H−NMR(400MHz)で行った。
1H−NMR(DMSO−d6)δ3.75(s,3H),3.90(s,3H),3.98(s,3H),6.83(s,1H),7.36(s,1H),7.75(d,2H),8.46(d,2H),10.25(br,1H)
4−アミノピリジン11.3g(0.12モル)、トリエチルアミン14.6g(0.144モル)、ジメチルアセトアミド50mL、を氷水で冷却し、あらかじめ2,4,5−トリメトキシ安息香酸クロリド30.4g(0.132モル)をアセトニトリル100mLに溶解させた液をゆっくりと滴下し、滴下終了後、50℃で5時間加熱攪拌した。その後、酢酸エチル、水を添加し、分液操作を行い、有機相を回収し、硫酸マグネシウムを添加した。ろ過操作で硫酸マグネシウムを留去した後、有機溶媒を減圧留去し、水を加え、再結晶操作を行った。析出した結晶をろ過回収し、白色の結晶として目的化合物を12.5g(収率36%)得た。
なお、化合物の同定は1H−NMR(400MHz)で行った。
1H−NMR(DMSO−d6)δ3.75(s,3H),3.90(s,3H),3.98(s,3H),6.83(s,1H),7.36(s,1H),7.75(d,2H),8.46(d,2H),10.25(br,1H)
[合成例2:例示化合物A−3の合成]
2,4,5−トリメトキシ安息香酸クロリド18.0g(0.1モル)、テトラヒドロフラン100mL、トリエチルアミン11.1g(0.11モル)を氷水で冷却し、あらかじめ2−アミノ−5−メトキシベンゾチアゾール23.1g(0.1モル)をテトラヒドロフラン200mLに溶解させた液をゆっくりと滴下し、滴下終了後、室温で5時間加熱攪拌した。その後、溶媒を減圧留去し、アセトニトリルを加え、再結晶操作を行った。析出した結晶をろ過回収し、白色の結晶として目的化合物を18.7g(収率50%)得た。
なお、化合物の同定は1H−NMR(400MHz)で行った。
1H−NMR(CDCl3)δ3.87(s,3H),3.92(s,3H),3.98(s,3H),4.10(s,3H),6.56(s,1H),7.04(d,1H),7.32(d,1H),7.70(d,1H),7.81(s,1H),11.90(s,1H)
2,4,5−トリメトキシ安息香酸クロリド18.0g(0.1モル)、テトラヒドロフラン100mL、トリエチルアミン11.1g(0.11モル)を氷水で冷却し、あらかじめ2−アミノ−5−メトキシベンゾチアゾール23.1g(0.1モル)をテトラヒドロフラン200mLに溶解させた液をゆっくりと滴下し、滴下終了後、室温で5時間加熱攪拌した。その後、溶媒を減圧留去し、アセトニトリルを加え、再結晶操作を行った。析出した結晶をろ過回収し、白色の結晶として目的化合物を18.7g(収率50%)得た。
なお、化合物の同定は1H−NMR(400MHz)で行った。
1H−NMR(CDCl3)δ3.87(s,3H),3.92(s,3H),3.98(s,3H),4.10(s,3H),6.56(s,1H),7.04(d,1H),7.32(d,1H),7.70(d,1H),7.81(s,1H),11.90(s,1H)
一般式(1)又は(1−A)〜(1−E)のいずれかで表される化合物は少なくとも1種をセルロース体に対して0.1〜20質量%添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜16質量%、更に好ましくは1〜12質量%、特に好ましくは2〜8質量%である。最も好ましくは3〜7質量%である。
次に、本発明に用いられるセルロース体に関して詳細に説明する。
本発明に用いられるセルロース体はセルロースを原料とする化合物であれば何でもよい。好ましくはセルロースアシレートである。本発明で用いられるセルロースアシレートは本発明の効果を発現する限りにおいて特に限定されず、異なる2種類以上のセルロースアシレートを混合して用いても良い。好ましいセルロースアシレートとしては以下のものを挙げることができる。すなわち、セルロースアシレートが、セルロースの水酸基への置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートである。
(I) 1.0≦SA+SB≦3.0
(II) 0.5≦SA≦3.0
(III) 0≦SB≦1.5
本発明に用いられるセルロース体はセルロースを原料とする化合物であれば何でもよい。好ましくはセルロースアシレートである。本発明で用いられるセルロースアシレートは本発明の効果を発現する限りにおいて特に限定されず、異なる2種類以上のセルロースアシレートを混合して用いても良い。好ましいセルロースアシレートとしては以下のものを挙げることができる。すなわち、セルロースアシレートが、セルロースの水酸基への置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートである。
(I) 1.0≦SA+SB≦3.0
(II) 0.5≦SA≦3.0
(III) 0≦SB≦1.5
ここで、式中SA及びSBはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換度を表し、SAはアセチル基の置換度、またSBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。
β−1,4グリコシド結合でセルロースを構成しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。本発明に用いられるセルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部をアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。本明細書において、アシル置換度とは、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合を意味し、全アシル置換度とはこれらの合計を表す。具体的には、セルロースの2位、3位および6位のそれぞれの水酸基が100%エステル化した場合をそれぞれ置換度1とする。したがって、セルロースの2位、3位および6位のすべてが100%エステル化した場合、全アシル置換度は最大の3となる。
本発明では、水酸基のSAとSBの置換度の総和は、より好ましくは1.50〜2.96であり、特に好ましくは2.00〜2.95である。また、SBの置換度は0〜1.50であり、特には0〜1.00である。さらにSBはその28%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは30%以上が6位水酸基の置換基であり、31%がさらに好ましく、特には32%以上が6位水酸基の置換基であることも好ましい。
また更に、セルロースアシレートの6位のSAとSBの置換度の総和が0.8以上、より好ましくは0.85、特に好ましくは0.90であるセルロースアシレートフィルムもあげることができる。
これらのセルロースアシレートにより溶解性の好ましい溶液(組成物)が作製でき、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。また、これらのセルロース体溶液を用いてフィルムやレンズなどのセルロース体組成物の作製が可能となり、フィルムとしての用途がより好ましい。
また更に、セルロースアシレートの6位のSAとSBの置換度の総和が0.8以上、より好ましくは0.85、特に好ましくは0.90であるセルロースアシレートフィルムもあげることができる。
これらのセルロースアシレートにより溶解性の好ましい溶液(組成物)が作製でき、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。また、これらのセルロース体溶液を用いてフィルムやレンズなどのセルロース体組成物の作製が可能となり、フィルムとしての用途がより好ましい。
セルロースアシレートの炭素数3〜22のアシル基(SB)としては、脂肪族アシル基でも芳香族アシル基でもよく特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましい具体例としては、プロピオニル、ブタノイル、ケプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることが出来る。これらの中でもより好ましくは、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどである。
セルロースアシレートの合成方法の基本的な原理は、右田他,「木材化学」共立出版,1968年,p.180〜190に記載されている。代表的な合成方法は、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相酢化法である。具体的には、綿花リンタや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却したカルボン酸化混液に投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。上記カルボン酸化混液は、一般に溶媒としての酢酸、エステル化剤としての無水カルボン酸および触媒としての硫酸を含む。無水カルボン酸は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが一般的である。
アシル化反応終了後に、系内に残存している過剰の無水カルボン酸の加水分解およびエステル化触媒の一部の中和のために、中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)の水溶液を添加する。次に、得られた完全セルロースアシレートを少量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下で、50〜90℃に保つことによりケン化熟成し、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和することなく水または希硫酸中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または希硫酸を投入)してセルロースアシレートを分離し、洗浄および安定化処理によりセルロースアシレートを得る。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルムを構成するポリマー成分が実質的に上記の定義を有するセルロースアシレートからなることが好ましい。『実質的に』とは、ポリマー成分の55質量%以上(好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは80〜100質量%)を意味する。フィルム製造の原料としては、セルロースアシレート粒子を使用することが好ましい。使用する粒子の90質量%以上は、0.5〜5mmの粒子径を有することが好ましい。また、使用する粒子の50質量%以上が1〜4mmの粒子径を有することが好ましい。セルロースアシレート粒子は、なるべく球形に近い形状を有することが好ましい。
本発明において透湿度とは、高温高湿条件下でフィルムが単位時間あたりに透過させる水分量であり、具体的には塩化カルシウムを入れたカップをフィルムにより蓋をし、かつ密閉したものを、60℃95%R.H.(相対湿度)の条件下、l24時間放置した前後の重量変化(g/(m2・日))から、塩化カルシウムの吸湿度に基づき、セルロースアシレートフィルムの透湿度として算出できる。本発明のセルロースアシレートフィルムの透湿度としては、200乃至1500g/(m2・日)であることが好ましく、400乃至1500g/(m2・日)であることがさらに好ましく、400乃至1400g/(m2・日)であることが最も好ましい。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度200〜700、好ましくは250〜550、更に好ましくは250〜400であり、特に好ましくは粘度平均重合度250〜350である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫・斉藤秀夫,「繊維学会誌」,1962年,第18巻,第1号,p.105〜120)により測定できる。更に特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースシレテートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。
本発明におけるセルロースアシレートの製造時に使用される際には、その含水率は2質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下であり、特には0.7質量%以下の含水率を有するセルロースアシレートである。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており2.5〜5質量%が知られている。本発明でこのセルロースアシレートの含水率にするためには、乾燥することが必要であり、その方法は目的とする含水率になれば特に限定されない。
本発明におけるこれらのセルロースアシレートは、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の7〜12頁に詳細に記載されている。
本発明におけるこれらのセルロースアシレートは、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の7〜12頁に詳細に記載されている。
本発明のセルロース体フィルムには、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、光学異方性コントロール剤、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤など)を加えることができる。それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号公報などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号公報に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号公報などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。
さらにこれらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の16〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
さらにこれらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の16〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
次に、本発明に用いられるセルロース体を溶解する有機溶媒について説明する。
まず、セルロース体の溶液を作製するに際して好ましく用いられる非塩素系有機溶媒について説明する。本発明においては、セルロース体が溶解し、流延,製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りは、用いる非塩素系有機溶媒は特に限定されない。本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテルから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
まず、セルロース体の溶液を作製するに際して好ましく用いられる非塩素系有機溶媒について説明する。本発明においては、セルロース体が溶解し、流延,製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りは、用いる非塩素系有機溶媒は特に限定されない。本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテルから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例としては、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例としては、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例としては、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
以上のセルロース体に用いられる非塩素系有機溶媒については、前述のいろいろな観点から選定されるが、好ましくは互いに異なる3種類以上の混合溶媒である。
第1の溶媒は、酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサンから選ばれる少なくとも一種あるいは或いはそれらの混合液であり、好ましくは酢酸メチル、アセトン、蟻酸メチル、蟻酸エチルあるいはこれらの混合物である。
第2の溶媒は、炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステルから選ばれる少なくとも一種あるいはそれらの混合液であり、好ましくは、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチルあるいはこれらの混合液である。
なお第1の溶媒が、2種以上の溶媒の混合液である場合は、第2の溶媒がなくてもよい。
第1の溶媒は、酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサンから選ばれる少なくとも一種あるいは或いはそれらの混合液であり、好ましくは酢酸メチル、アセトン、蟻酸メチル、蟻酸エチルあるいはこれらの混合物である。
第2の溶媒は、炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステルから選ばれる少なくとも一種あるいはそれらの混合液であり、好ましくは、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチルあるいはこれらの混合液である。
なお第1の溶媒が、2種以上の溶媒の混合液である場合は、第2の溶媒がなくてもよい。
第3の溶媒は、炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素から選ばれ、好ましくは炭素数1〜8のアルコールである。
第3の溶媒であるアルコールの水酸基以外の部分は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが挙げられる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。
第3の溶媒であるアルコールの水酸基以外の部分は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが挙げられる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。
第3の溶媒としての炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。
これらの第3の溶媒であるアルコールおよび炭化水素は単独でもよいし2種類以上の混合物でもよく特に限定されない。第3の溶媒としては、好ましい具体的化合物は、アルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができ、特にはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールである。
以上の3種類の混合溶媒は、第1の溶媒が20〜95質量%、第2の溶媒が2〜60質量%さらに第3の溶媒が2〜30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜50質量%、さらに第3のアルコールが3〜25質量%含まれることが好ましい。また特に第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜30質量%、第3の溶媒がアルコールであり3〜15質量%含まれることが好ましい。
なお、第1の溶媒が混合液で第2の溶媒を用いない場合は、第1の溶媒が20〜90質量%、第3の溶媒が5〜30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜86質量%であり、さらに第3の溶媒が7〜25質量%含まれることが好ましい。
なお、第1の溶媒が混合液で第2の溶媒を用いない場合は、第1の溶媒が20〜90質量%、第3の溶媒が5〜30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜86質量%であり、さらに第3の溶媒が7〜25質量%含まれることが好ましい。
以上の本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、さらに詳細には発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の12〜16頁に詳細に記載されている。
本発明における好ましい非塩素系有機溶媒の組合せは以下挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明における好ましい非塩素系有機溶媒の組合せは以下挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5/5、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/プロパノール(75/10/5/5/5、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(81/8/7/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(82/10/4/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/プロパノール(75/10/5/5/5、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(81/8/7/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(82/10/4/4、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(80/10/4/6、質量部)
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)
・酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/ブタノール(85/5/5、質量部)
・酢酸メチル/シクロペンタノン/アセトン/メタノール/ブタノール(60/15/15/5/6、質量部)
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)
・酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/ブタノール(85/5/5、質量部)
・酢酸メチル/シクロペンタノン/アセトン/メタノール/ブタノール(60/15/15/5/6、質量部)
・酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)
・酢酸メチル/1,3−ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)
・酢酸メチル/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)
・酢酸メチル/1,3−ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)
・酢酸メチル/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)
・酢酸メチル/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)
・ギ酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)
・ギ酸メチル/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)
・アセトン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)
・アセトン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)
・アセトン/1,3−ジオキソラン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)
・1,3−ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(55/20/10/5/5、質量部)
・ギ酸メチル/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)
・アセトン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)
・アセトン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)
・アセトン/1,3−ジオキソラン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)
・1,3−ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(55/20/10/5/5、質量部)
更に下記の方法でセルロースアシレート溶液を用いることもできる。
本技術に用いるドープには、上記本技術の非塩素系有機溶媒以外に、ジクロロメタンを本技術の全有機溶媒量の10質量%以下含有させてもよい。
本技術に用いるドープには、上記本技術の非塩素系有機溶媒以外に、ジクロロメタンを本技術の全有機溶媒量の10質量%以下含有させてもよい。
また、本発明におけるセルロースアシレートの溶液を作製するに際しては、場合により主溶媒として塩素系有機溶媒も用いられる。本発明においては、セルロースアシレートが溶解し流延、製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りその塩素系有機溶媒は特に限定されない。これらの塩素系有機溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルムである。特にジクロロメタンが好ましい。また、塩素系有機溶媒以外の有機溶媒を混合することも特に問題ない。その場合は、ジクロロメタンは少なくとも50質量%使用することが必要である。
併用される非塩素系有機溶媒としては、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、アルコール、炭化水素などから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を同時に有していてもよい。二種類以上の官能基を有する溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
また塩素系有機溶媒と併用されるアルコールとしては、好ましくは直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。
以上のセルロースアシレートに用いられる主溶媒である塩素系有機溶媒と併用される非塩素系有機溶媒については、特に限定されないが、酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサン、炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステル、炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素から選ばれる。なお好ましい併用される非塩素系有機溶媒は、酢酸メチル、アセトン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができる。本発明における好ましい主溶媒である塩素系有機溶媒の組合せとしては以下を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール(80/10/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)
・ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール(80/10/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)
・ジクロロメタン/酢酸メチル/ブタノール(80/10/10、質量部)
・ジクロロメタン/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/1,3−ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/酢酸メチル/ブタノール(80/10/10、質量部)
・ジクロロメタン/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/1,3−ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(70/10/10/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)
・ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(70/10/10/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)
・ジクロロメタン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)
本発明におけるセルロースアシレートは、有機溶媒に10〜30質量%溶解している溶液であることが好ましいが、より好ましくは13〜27質量%であり、特には15〜25質量%溶解しているセルロースアシレート溶液である。これらの濃度にセルロースアシレートを実施する方法は、溶解する段階で所定の濃度になるように実施してもよく、また予め低濃度溶液(例えば9〜14質量%)として作製した後に後述する濃縮工程で所定の高濃度溶液に調整してもよい。さらに、予め高濃度のセルロースアシレート溶液として後に、種々の添加物を添加することで所定の低濃度のセルロースアシレート溶液としてもよく、いずれの方法で本発明におけるセルロースアシレート溶液濃度になるように実施されれば特に問題ない。
次に、本発明ではセルロースアシレート溶液を同一組成の有機溶媒で0.1〜5質量%にした希釈溶液のセルロースアシレートの会合体分子量が15万〜1500万であることが好ましい。さらに好ましくは、会合分子量が18万〜900万である。この会合分子量は静的光散乱法で求めることができる。その際に同時に求められる慣性自乗半径は10〜200nmになるように溶解することが好ましい。さらに好ましい慣性自乗半径は20〜200nmである。更にまた、第2ビリアル係数が−2×10-4〜4×10-4となるように溶解することが好ましく、より好ましくは第2ビリアル係数が−2×10-4〜2×10-4である。ここで、本発明での会合分子量、さらに慣性自乗半径および第2ビリアル係数の定義について述べる。これらは下記方法に従って、静的光散乱法を用いて測定した。測定は装置の都合上希薄領域で測定したが、これらの測定値は本発明における高濃度域でのドープの挙動を反映するものである。
まず、セルロースアシレートをドープに使用する溶剤に溶かし、0.1質量%、0.2質量%、0.3質量%、0.4質量%の溶液を調製した。なお、秤量は吸湿を防ぐためセルロースアシレートは120℃で2時間乾燥したものを用い、25℃、10%R.H.で行った。溶解方法は、ドープ溶解時に採用した方法(常温溶解法、冷却溶解法、高温溶解法)に従って実施した。続いてこれらの溶液、および溶剤を0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過した。そして、ろ過した溶液の静的光散乱を、光散乱測定装置(大塚電子(株)製DLS−700、商品名)を用い、25℃に於いて30度から140度まで10度間隔で測定した。得られたデータをBERRYプロット法にて解析した。なお、この解析に必要な屈折率はアッベ屈折系で求めた溶剤の値を用い、屈折率の濃度勾配(dn/dc)は、示差屈折計(大塚電子(株)製DRM−1021、商品名)を用い、光散乱測定に用いた溶剤、溶液を用いて測定した。
次に本発明におけるセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。これらに関しては、例えば特開平5−163301号、特開昭61−106628号、同58−127737号、特開平9−95544号、同10−95854号、同10−45950号、特開2000−53784号、特開平11−322946号、同11−322947号、同2−276830号、特開2000−273239号、特開平11−71463号、同04−259511号、特開2000−273184号、特開平11−323017号、同11−302388号の各公報などにセルロースアシレート溶液の調製法が記載されている。以上列挙したこれらのセルロースアシレートの有機溶媒への溶解方法は、本発明においても適宜本発明の範囲であればこれらの技術を適用できるものである。
これらの詳細は、特に非塩素系溶媒系については発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の22〜25頁に詳細に記載されている方法で実施される。さらに本発明におけるセルロースアシレートのドープ溶液は、溶液濃縮,ろ過が通常実施され、同様に発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の25頁に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解する場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。
本発明におけるセルロースアシレート溶液は、その溶液の粘度と動的貯蔵弾性率がある範囲であることが好ましい。溶液の粘度および動的貯蔵弾性率は、次の方法により測定することができる。試料溶液1mLをレオメーター(TA Instruments社製、商品名:CLS 500)に直径4cm/2°のSteel Cone(TA Instruments社製)を用いて測定する。測定条件はOscillation Step/Temperature Rampで40℃〜−10℃の範囲を2℃/分で可変して測定し、40℃の静的非ニュートン粘度n(Pa・s)および−5℃の貯蔵弾性率G’(Pa)を求める。尚、試料溶液は予め測定開始温度にて液温一定となるまで保温した後に測定を開始する。
本発明では、40℃での粘度が1〜400Pa・sで、かつ15℃での動的貯蔵弾性率が500Pa以上の場合が好ましく、40℃での粘度が10〜200Pa・sで、かつ15℃での動的貯蔵弾性率が100〜100万の場合がより好ましい。さらには低温での動的貯蔵弾性率が大きいほど好ましく、例えば流延支持体が−5℃の場合は動的貯蔵弾性率が−5℃で1万〜100万Paであることが好ましく、支持体が−50℃の場合は−50℃での動的貯蔵弾性率が1万〜500万Paであることが好ましい。
次に、セルロース体溶液を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロース体フィルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディスプレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらの各製造工程については、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の25〜30頁に詳細に記載され、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類される。
ここで、本発明においては流延部の空間温度は特に限定されないが、−50〜50℃であることが好ましい。更には−30〜40℃であることが好ましく、特には−20〜30℃であることが好ましい。特に低温での空間温度により流延されたセルロースアシレート溶液は、支持体の上で瞬時に冷却されゲル強度アップすることでその有機溶媒を含んだフィルムを保持することができる。これにより、セルロースアシレートから有機溶媒を蒸発させることなく、支持体から短時間で剥ぎ取りことが可能となり、高速流延が達成できるものである。なお、空間を冷却する手段としては通常の空気でもよいし窒素やアルゴン、ヘリウムなどでもよく特に限定されない。またその場合の湿度は0〜70%R.H.が好ましく、さらには0〜50%R.H.が好ましい。また、本発明ではセルロースアシレート溶液を流延する流延部の支持体の温度が−50〜130℃であることが好ましく、−30〜25℃であることがより好ましく、−20〜15℃であることが更に好ましい。流延部を本発明における温度に保つためには、流延部に冷却した気体を導入して達成してもよく、あるいは冷却装置を流延部に配置して空間を冷却してもよい。この時、水が付着しないように注意することが重要であり、乾燥した気体を利用するなどの方法で実施できる。
本発明においてその各層の内容と流延については、特に以下の構成が好ましい。すなわち、セルロースアシレート溶液が25℃において、少なくとも一種の液体又は固体の可塑剤をセルロースアシレートに対して0.1〜20質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の液体又は固体の紫外線吸収剤をセルロースアシレートに対して0.001〜5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の固体でその平均粒径が5〜3000nmである微粒子粉体をセルロースアシレートに対して0.001〜5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種のフッ素系界面活性剤をセルロースアシレートに対して0.001〜2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の剥離剤をセルロースアシレートに対して0.0001〜2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の劣化防止剤をセルロースアシレートに対して0.0001〜2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の光学異方性コントロール剤をセルロースアシレートに対して0.1〜15質量%含有していること、及び/又は少なくとも一種の赤外吸収剤をセルロースアシレートに対して0.1〜5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、を特徴とするセルロースアシレート溶液およびそれから作製されるセルロースアシレートフィルムが好ましい。
流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時及び又は逐次共流延しても良い。共流延は、例えば、特開昭56−162617号公報、特開2002−316387号公報に記載された態様で行うことができる。共流延により本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する場合の層の数は、好ましくは2〜5層、より好ましくは2〜4層、特に好ましくは2〜3層である。
2層以上からなる流延工程を有する場合は、作製されるセルロースアシレート溶液及びセルロースアシレートフィルムにおいて、各層の塩素系溶媒の組成が同一であるか異なる組成のどちらか一方であること、各層の添加剤が一種類であるかあるいは2種類以上の混合物のどちらか一方であること、各層への添加剤の添加位置が同一層であるか異なる層のどちらか一方であること、添加剤の溶液中の濃度が各層とも同一濃度であるかあるいは異なる濃度のどちらか一方であること、各層の会合体分子量が同一であるかあるいは異なる会合体分子量のどちらか一方であること、各層の溶液の温度が同一であるか異なる温度のどちらか一方であること、また各層の塗布量が同一か異なる塗布量のどちらか一方であること、各層の粘度が同一であるか異なる粘度のどちらか一方であること、各層の乾燥後の膜厚が同一であるか異なる厚さのどちらか一方であること、さらに各層に存在する素材が同一状態あるいは分布であるか異なる状態あるいは分布であること、各層の物性が同一であるかあるいは異なる物性のどちらか一方であること、各層の物性が均一であるか異なる物性の分布のどちらか一方であること、を特徴とするセルロースアシレート溶液及びその溶液から作製されるセルロースアシレートフィルムであることも好ましい。
ここで、物性とは発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の6〜7頁に詳細に記載されている物性を含むものであり、例えばヘイズ、透過率、分光特性、レターデーションRe、同Rth、分子配向軸、軸ズレ、引裂強度、耐折強度、引張強度、巻き内外Rt差、キシミ、動摩擦、アルカリ加水分解、カール値、含水率、残留溶剤量、熱収縮率、高湿寸度評価、透湿度、ベースの平面性、寸法安定性、熱収縮開始温度、弾性率、及び輝点異物の測定などであり、さらにはベースの評価に用いられるインピーダンス、面状も含まれるものである。また、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の11頁に詳細に記載されているセルロースアシレートのイエローインデックス、透明度、熱物性(Tg、結晶化熱)なども挙げることが出来る。
なお、本発明のセルロースアシレートフィルムは、光学性能を調節する目的で流延時および乾燥後に任意の方向に延伸してもよい。
なお、本発明のセルロースアシレートフィルムは、光学性能を調節する目的で流延時および乾燥後に任意の方向に延伸してもよい。
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torr(0.1Pa〜2.7kPa)の低圧ガス下でおこる、いわゆる低温プラズマのことである。更にまた、大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。
プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の30〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000keV下で20〜500kGyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500keV下で20〜300kGyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
アルカリ鹸化処理は、鹸化液を塗布することで行う。塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法およびE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、上記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、KOH、NaOHがさらに好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒以上5分以下が好ましく、5秒以上5分以下がさらに好ましく、20秒以上3分以下が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。
また、塗布式鹸化処理と後述の配向膜解塗設を、連続して行うことができ、工程数を減少できる。
また、塗布式鹸化処理と後述の配向膜解塗設を、連続して行うことができ、工程数を減少できる。
フィルムと乳剤層との接着を達成するために、表面活性化処理をしたのち、直接セルロースアシレートフィルム上に機能層を塗布して接着力を得る方法と、一旦何がしかの表面処理をした後、あるいは表面処理なしで、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を塗布する方法とがある。これらの下塗層についての詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の32頁に記載されている。また本発明のセルロースアシレートフィルムの機能性層についても各種の機能層が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の32〜45頁に詳細に記載されている。
本発明のセルロース体フィルムの光学性能に関して説明する。エリプソメーター(AEP−100、島津製作所(株)製、商品名)を用いて、波長632.8nmで測定した面内の縦横の屈折率差にフィルム膜厚を乗じた値として、下記式に従って求める。
Re=(nx−ny)×d
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
nx:遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率
ny:遅相軸に直交する方向の屈折率
nz:厚さ方向の屈折率
d :フィルムの厚さ(単位:nm)
Re=(nx−ny)×d
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
nx:遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率
ny:遅相軸に直交する方向の屈折率
nz:厚さ方向の屈折率
d :フィルムの厚さ(単位:nm)
本発明で作製されたセルロースアシレートの用途についてまず簡単に述べる。本発明の光学フィルムは特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、同6−118232号の各公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。
又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが特に好ましい。
本発明のセルロース体フィルムは、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光学補償シートとして用いると特に効果がある。本発明のセルロース体フィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。セルロース体フィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。
また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。本発明のセルロース体フィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。本発明のセルロース体フィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(△n)とセルギャップ(d)との積(△nd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。本発明のセルロース体フィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。本発明のセルロース体フィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。
本発明のセルロース体フィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号公報、国際公開第WO98/48320号パンフレット、特許第3022477号明細書に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、国際公開第WO00/65384号パンフレットに記載がある。
本発明のセルロース体フィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。
以上述べてきたこれらの詳細なセルロース体フィルムの用途は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の45〜59頁に詳細に記載されている。
以上述べてきたこれらの詳細なセルロース体フィルムの用途は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の45〜59頁に詳細に記載されている。
次に、本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって何ら限定されることはない。
[実施例1]
下記のセルロースアセテート溶液組成の各成分をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
[実施例1]
下記のセルロースアセテート溶液組成の各成分をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 318質量部
メタノール(第2溶媒) 47質量部
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 318質量部
メタノール(第2溶媒) 47質量部
別のミキシングタンクに、本発明に用いられる化合物、または比較化合物16質量部、メチレンクロライド87質量部およびメタノール13質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション制御剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーション制御(上昇)剤溶液36質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤は、セルロースアセテート100質量部に対しての表1記載の質量部添加した。
セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーション制御(上昇)剤溶液36質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション調整剤は、セルロースアセテート100質量部に対しての表1記載の質量部添加した。
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量%のフィルムを、130℃の条件で、テンターを用いて20%の延伸倍率で横延伸して、セルロースアセテートフィルム(厚さ:80μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフィルム(光学補償シート)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製、商品名)を用いて、波長633nmにおけるReレターデーション値およびRthレターデーション値を測定した。結果を表1に示す。
<Rth、Reの測定>
エリプソメーター(AEP−100、島津製作所(株)製、商品名)を用いて、波長632.8nmで測定した面内の縦横の屈折率差にフィルム膜厚を乗じた値として、下記式に従って求めた。
Re=(nx−ny)×d
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
nx:遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率
ny:遅相軸に直交する方向の屈折率
nz:厚さ方向の屈折率
d :フィルムの厚さ(単位:nm)
エリプソメーター(AEP−100、島津製作所(株)製、商品名)を用いて、波長632.8nmで測定した面内の縦横の屈折率差にフィルム膜厚を乗じた値として、下記式に従って求めた。
Re=(nx−ny)×d
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
nx:遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率
ny:遅相軸に直交する方向の屈折率
nz:厚さ方向の屈折率
d :フィルムの厚さ(単位:nm)
表1の結果から明らかなように、本発明における化合物を添加した試料No.3〜5は、公知の円盤状化合物(比較化合物1)を添加した試料No.2では実現できなかったRe/Rth比の向上した新規なセルロースフィルムの作製が可能であることがわかった。なお、本発明で規定する特定の化合物と比較化合物1とを併用することにより任意のRe/Rth比を有するセルロースフィルムの作製が可能になる。
Claims (8)
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のセルロース体組成物よりなることを特徴とするドープ組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のセルロース体組成物より形成されたことを特徴とするセルロース体フィルム。
- セルロース体がセルロースアシレートであることを特徴とする請求項7記載のセルロース体フィルム。
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WO2012026491A1 (ja) * | 2010-08-26 | 2012-03-01 | 国立大学法人京都大学 | 多能性幹細胞の心筋分化促進剤 |
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-
2004
- 2004-05-21 JP JP2004152418A patent/JP2005330443A/ja active Pending
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