JP4299114B2 - セルロースエステル体フイルム - Google Patents

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Description

本発明は、セルロースエステル体フイルムに関し、詳しくは、本発明は、良好な透湿性を示すセルロースエステル体用透湿性降下剤、該透湿性降下剤を含有することを特徴とするセルロースエステル体フイルムに関する。
従来、ハロゲン化銀写真感光材料や液晶画像表示装置に使用されるセルロースアシレートを製造する際に使用されるセルロースアシレート溶液の有機溶媒は、ジクロロメタンのような塩素含有炭化水素が使用されている。ジクロロメタン(沸点約40℃)は、従来からセルロースアシレートの良溶媒として用いられ、製造工程の製膜及び乾燥工程において沸点が低いことから乾燥させ易いという利点により好ましく使用されている。近年環境保全の観点で低沸点である塩素系有機溶媒は、密閉設備でも取り扱い工程での漏れを著しく低減されるようになった。例えば徹底的なクローズドシステムによる系からの漏れ防止、万が一漏れても外気に出す前にガス吸収塔を設置し、有機溶媒を吸着させて処理する方法が進められた。さらに、排出する前に火力による燃焼あるいは電子線ビームによる塩素系有機溶媒の分解などで、殆ど有機溶媒を排出することはなくなったが、完全な非排出までには更に研究する必要がある。
一方、塩素系有機溶媒として好ましく使用されてきたジクロロメタンに替わるセルロースアシレートの溶媒の探索がなされて来た。セルロースアシレート特にセルローストリエステルに対する溶解性を示す有機溶媒として知られているものには、アセトン(沸点56℃)、酢酸メチル(沸点56℃)、テトラヒドロフラン(沸点65℃)、1,3−ジオキソラン(沸点75℃)、1,4−ジオキサン(沸点101℃)などがある。しかしながら、これらの有機溶媒は従来の溶解方法では、実際に実用できるに十分な溶解性は得られていない。
この問題の解決手段はすでにいくつか提案されており、セルローストリアセテート(酢化度60.1%〜61.3%)をアセトン中で−80℃〜−70℃に冷却した後、加温することによって0.5〜5質量%の希薄溶液が得られることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。このような低温でセルロースアシレートを溶解する方法を冷却溶解法という。また、冷却溶解法を用いての紡糸技術についても知られている(例えば、非特許文献2参照)。
また、上記技術を背景に、非塩素系有機溶媒を用いて冷却溶解法によってセルロースアシレートを溶解することが開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。その際に用いられる非塩素系有機溶剤としては、エーテル類、ケトン類あるいはエステルから選ばれる有機溶媒であり、冷却溶解法によりセルロースアシレートを溶解してフイルムを作製している。これらの具体的な有機溶媒としてはアセトン、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキサノン、エチルホルメート、及びメチルアセテートなどが好ましいとされている。しかしながらこれらの溶媒を用いても、従来の流延方法では、高速流延してセルロースアシレートフイルムを得るにはまだ不十分であった。
ところで、セルロースアシレートフイルムは、一般にソルベントキャスト法またはメルトキャスト法により製造される。ソルベントキャスト法は、セルロースアシレートを溶媒中に溶解した溶液(ドープ)を支持体上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成するものである。メルトキャスト法は、セルロースアシレートを加熱により溶融したものを支持体上に流延し、支持体を冷却してフイルムを形成するものである。ソルベントキャスト法の方が、メルトキャスト法よりも平面性の高い良好なフイルムを製造することができる。このため、実用的にはソルベントキャスト法の方が普通に採用されている。
最近のソルベントキャスト法では、ドープを支持体上へ流延してから、支持体上の成形フイルムを剥離するまでに要する時間を短縮して、製膜工程の生産性を向上させることが課題になっている。特に、ソルベントキャスト法によってセルロースアシレートフイルムを得るに際して、前述の非塩素系有機溶媒を用いて室温、高温あるいは冷却溶解したセルロースアシレート溶液の場合には、その支持体からのセルロースアシレートフイルムの剥離しにくいことが問題になっている。また更に、近年のセルロースアシレートフイルムの需要増大に対して生産性を高めることが求められており、そのために高速度流延が切望されている。この観点でも、非塩素系有機溶媒による溶液で生産されるセルロースアシレートフイルムは、高速流延性の劣るものであった。
これは、セルロースアシレートを金属支持体であるバンド或いはドラム上に流延し、乾燥或いは冷却して強度の強いゲル状フイルムとし、有機溶媒を含んだ状態で支持体から剥離され、しかる後に十分乾燥される工程の際に、支持体からセルロースアシレート膜の剥離が困難であることが原因である。ジクロロメタンの塩素系有機溶媒でも見られ前述したようにその改良が望まれていた。
この改良の一方法として、特許文献4には、酸解離指数pKa1.93〜4.50[好ましくは2.0〜4.4、さらに好ましくは2.2〜4.3(例えば、2.5〜4.0)、特に2.6〜4.3(例えば、2.6〜4.0)程度]の酸またはその塩が剥離剤として好ましいことが記載されている。
しかしこの方法は、セルロースアシレート溶液でセルロースアシレートが含有しているアルカリ土類金属と微小な塩を作製し、長時間の流延工程において系に付着するという問題を引き起こす。このような剥離剤によれば、ある溶液では剥ぎ取りがかなり改良されることが見られているが、セルロースアシレートフイルムの作製においては不十分であった。特に、未乾燥のままで支持体から剥ぎ取り乾燥する所謂ドラム法でのセルロースアシレートフイルムの作製においては、その剥ぎ取り時の剥ぎ取り性の改良が期待されていた。
また、セルロースアシレートフイルムは、一般的に他の透明支持体、例えばポリエチレンテレフタレートフイルムに比べて高温、高湿下での透湿性が著しく悪化するため、可塑剤と呼ばれる化合物がしばしば添加される。セルロースアシレートに添加される主な可塑剤としてはリン酸トリフェニル、リン酸ビフェニルジフェニルのようなリン酸トリエステル、フタル酸エステルなどが知られている(例えば、特許文献3参照)。この他にもN−エチルトルエンスルホンアミドのようなスルホンアミド化合物も知られており、これらの可塑剤の含有量を増加すると透湿性が改善されることが知られている。
しかし、可塑剤を増量することによって、セルロースアシレートフイルムのガラス転移点がますます低下し、フイルムの軟化によって寸法安定性が悪化するという問題があった。また、可塑剤を単純に増量するだけでは、可塑剤がセルロースアシレートフイルムと相溶せずに、フイルムが白濁したり、フイルムの光学異方性を大きくするなどの問題がある。また、低分子可塑剤は、低分子量のため熱揮散性が高く、製造時の乾燥工程で揮散するという問題があり、工程汚染の主要因として問題視されていた。
前述のような課題に対し、ロジン樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂およびトルエンスルホンアミド樹脂のような高分子化合物を用いることで揮散性を抑制し、良好な透湿性を有するセルロースアシレートフイルムを得る技術が知られている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、高分子可塑剤であることから相溶性が十分ではなく、低分子可塑剤ほどの相溶性が得られない。
そこで、セルロースアシレートとの相溶性が良好であり、流延乾燥時に揮散、析出することなく、セルロースアシレートフイルムに高温、高湿下で良好な透湿性を付与できるセルロースアシレート用透湿性降下剤の開発が切望されている。
特開平9−95538号公報 特開平9−95544号公報 特開平9−95557号公報 特開平10−316701号公報 特開2002−146044号公報 J.M.G.Cowieら,「Makromol.chem.」,1971年,第143巻,p.105 上出健二等,「三酢酸セルロースのアセトン溶液からの乾式紡糸」,繊維機械学会誌,1981年,第34巻,p.57−61
本発明は、高温高湿下においても良好な透湿性を有するセルロースアシレートフイルムを提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記手段により達成された。
(1)下記一般式(1)または一般式(2)のいずれかで表される化合物を少なくとも1つ含有するセルロースエステル体フイルムであって、該フイルムの透湿度が60℃95%RHの雰囲気下で200〜1500g/(m 2 ・日)であることを特徴とするセルロースエステル体フイルム。
Figure 0004299114
Figure 0004299114
[一般式(1)中、R1 はアルキル基またはアリール基を表し、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R1 、R2 およびR3 の炭素原子数の総和は10以上であり、各々、アルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよい。一般式(2)中、R4 およびR5 は、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表す。R4 およびR5 の炭素原子数の総和は10以上であり、各々、アルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよい。]
(2)前記セルロースエステル体がセルロースアシレートであることを特徴とする()項に記載のセルロースエステル体フイルム。
)セルロースアシレートのアシル置換度が2.60乃至3.00である()項に記載のセルロースエステル体フイルム。
)セルロースアシレートのアシル置換度が2.80乃至2.95である()項に記載のセルロースエステル体フイルム。
)セルロースアシレートにおける、アセチル基で置換されている置換度が2.60乃至3.00である()項に記載のセルロースエステル体フイルム。
)セルロースアシレートと、セルロースアシレートの2乃至30質量%の量の上記一般式(1)または一般式(2)のいずれかで表される少なくとも1種の化合物とを含むことを特徴とするセルロースエステル体フイルム。
)セルロースアシレートにおける、炭素原子数が3乃至22のアシル基で置換されている置換度が0.00乃至0.80である()項に記載のセルロースエステル体フイルム。
)セルロースアシレートが、アセチル基と炭素原子数が3乃至22のアシル基とで置換されており、炭素原子数が3乃至22のアシル基の30%以上が6位水酸基の置換基として存在している()項に記載のセルロースエステル体フイルム。
)セルロースアシレートの6位のアシル置換度が0.80乃至1.00である()項に記載のセルロースエステル体フイルム。
10)セルロースアシレートの6位のアシル置換度が0.85乃至1.00である()項に記載のセルロースエステル体フイルム。
11)セルロースアシレートが、250乃至550の粘度平均重合度を有する()項に記載のセルロースエステル体フイルム。
12)()〜(11)のいずれか1項に記載のセルロースエステル体フイルムを少な
くとも1層含有することを特徴とする偏光板保護膜。
13)()〜(11)のいずれか1項に記載のセルロースエステル体フイルムを少な
くとも1層含有することを特徴とする液晶表示装置。
14)()〜(11)のいずれか1項に記載のセルロースエステル体フイルムを少な
くとも1層含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
15)前記一般式(1)又は一般式(2)のいずれかで表されることを特徴とするセル
ロースアシレート用透湿性下降剤。
本発明のセルロースエステル体フイルムは、良好な透湿度を有するという優れた効果を奏する。また、本発明のセルロースエステル体フイルムは、偏光板保護膜、液晶表示装置、ハロゲン化銀写真感光材料などに好ましく使用することができる。
本発明のセルロース組成物とは、セルロース化合物、およびセルロースを原料として生物的あるいは化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する化合物を含む組成物である。その中でもセルロースエステルが好ましく、セルロースアシレートがより好ましい。
本発明では、下記一般式(1)または(2)のいずれかで表される少なくとも一種の化合物を、セルロースエステル体用透湿性降下剤として使用する。


Figure 0004299114
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上記一般式(1)において、R1はアルキル基またはアリール基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R1、R2およびR3の炭素原子数の総和は10以上であれば特に限定はしないが、10以上50以下であることが好ましく、10以上25以下であることが特に好ましい。
一般式(2)中、R4およびR5は、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表す。R4およびR5の炭素原子数の総和は10以上であれば特に限定はしないが、10以上50以下であることが好ましく、10以上25以下であることが特に好ましい。
1〜R5において、アルキル基は直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよく、炭素原子数1乃至25のものが好ましく、6乃至25のものがより好ましく、6乃至20のものが特に好ましい。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ビシクロオクチル、ノニル、アダマンチル、デシル、t−オクチル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、ジデシル等が挙げられる。
1〜R5において、アリール基としては炭素原子数が6乃至30のものが好ましく、6乃至24のものが特に好ましい。例えば、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル、ビナフチル、トリフェニルフェニル等が挙げられる。
1〜R5において、アルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよい。置換基としてはフッ素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホン基およびスルホンアミド基が好ましく、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホン基およびスルホンアミド基が特に好ましい。置換基としてのアルキル基及びアリール基の好ましい例としては前記と同様である。アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜25のものが好ましく、1〜20のものが特に好ましく、例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブトキシ、t‐ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ドデシルオキシ等が挙げられる。アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜25のものが好ましく、6〜20のものが特に好ましく、例えば、フェノキシ、ビフェニルオキシ、ナフトキシ等が挙げられる。スルホン基としては、炭素原子数が1〜25のものが好ましく、1〜20のものが特に好ましく、例えば、メチルスルホン、エチルスルホン、ブチルスルホン、ヘキシルスルホン、ドデシルスルホン、フェニルスルホン、ベンジルスルホン、ナフチルスルホン、ビフェニルスルホン等が挙げられる。スルホンアミド基としては、炭素原子数が1〜25のものが好ましく、1〜20のものが特に好ましく、例えば、メチルスルホンアミド、エチルスルホンアミド、ブチルスルホンアミド、ヘキシルスルホンアミド、ドデシルスルホンアミド、フェニルスルホンアミド、ベンジルスルホンアミド、ナフチルスルホンアミド、ビフェニルスルホンアミド等が挙げられる。
また、本発明の透湿性降下剤の添加量は、セルロースエステル体に対し、2乃至30質量%であることが好ましく、2乃至25質量%であることがさらに好ましく、2乃至20質量%であることが特に好ましい。
一般式(1)または一般式(2)のいずれかで表される化合物の好ましい例を下記に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 0004299114
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本発明に用いられる化合物はいずれも既知の化合物より製造することができる。一般式(1)の化合物は、一般的には下記の方法で合成可能である。すなわち、スルホニルクロリド誘導体とアミン誘導体との縮合反応により得られる。
<製造例1>
A−5の合成
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた500mlの三ツ口フラスコに10.92gのベンジルスルホニルクロリドと57mlのメチレンクロリドを量り取り、氷冷下12.27gのベンジルアミンを滴下した後、室温に戻し、室温で2時間反応させた。反応混合物に150mlの水を加えて、150mlのメチレンクロリドで分液・抽出した。さらに得られた有機層を150mlの1N塩酸および飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した後、濃縮して白色固体13gを得た。得られた白色固体を酢酸エチル(100ml)、ヘキサン(100ml)の混合溶液から再結晶し、結晶を濾別した後、室温で真空乾燥することにより目的の化合物A−5を8.7g得た(収率58%)。
また、一般式(2)の化合物は、一般的には下記のいずれかの方法で合成可能である。すなわち、スルフィドの酸化反応もしくは芳香族化合物とスルホン酸クロリドのFriedel−Crafts反応により得られる。
<製造例2>
B−2の合成
温度計、冷却管、滴下ロートをつけた100mlの三ツ口フラスコに6.07gのジヘキシルスルフィドと30mlの氷酢酸を量り取り、氷冷下3.0gの35%過酸化水素水溶液を滴下した後、60℃に加熱して6時間反応させた。反応溶液に適量の亜硫酸ナトリウムを加えて1時間攪拌した後、100mlの酢酸エチルで分液・抽出した。さらに得られた有機層を100mlの飽和食塩水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した後、濃縮して白色固体5.0gを得た。得られた白色固体を酢酸エチル(40ml)、ヘキサン(50ml)の混合溶液から再結晶し、結晶を濾別した後、室温で真空乾燥することにより目的の化合物B−2を3.1g得た(収率44%)。
<製造例3>
B−6の合成
16.6gの無水塩化アルミニウムと50mlの1,2−ジクロロエタンを量り取り、21.87gのp−トルエンスルホニルクロリドを滴下して、室温で30分間攪拌した。しばらく放置し、不溶の塩化アルミニウムから上澄み液(溶液Aとする)をデカンテーションで分離する。メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた500mlの三ツ口フラスコに13.2gのメシチレンと50mlのジクロロエタンを量り取り、氷冷下、前記溶液Aを滴下した後、室温で一夜放置する。反応液を氷と希塩酸の混合物中に注入し、有機層を100mlの水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した後、濃縮して白色固体23.0gを得た。得られた白色固体を200mlのエタノールから再結晶することにより目的の化合物B−6を19.2g得た(収率70%)。
次に、本発明に用いられるセルロースエステル体について詳細に説明する。本発明に用いられるセルロースエステル体は本発明の効果を発現する限りにおいて特に限定されず、異なる2種類以上のセルロースエステル体を混合して用いても良い。好ましいセルロースエステル体としては以下のものを挙げることができる。すなわち、セルロースエステル体が、セルロースの水酸基への置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートである。
(I) 2.6≧SA+SB≧3.0
(II) 2.0≧SA≧3.0
(III) 0≧SB≧0.8
ここで、式中SA及びSBはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換基を表し、SAはアセチル基の置換度、またSBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。
β−1,4グリコシド結合でセルロースを構成しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。本発明に用いられるセルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部をアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。本明細書において、アシル置換度とは、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合を意味し、全アシル置換度とはこれらの合計を表す。具体的には、セルロースの2位、3位および6位のそれぞれの水酸基が100%エステル化した場合をそれぞれ置換度1とする。したがって、セルロースの2位、3位および6位のすべてが100%エステル化した場合、全アシル置換度は最大の3となる。
本発明では、水酸基のSAとSBの置換度の総和は、より好ましくは2.7〜2.96であり、特に好ましくは2.80〜2.95である。また、SBの置換度は0〜0.80であり、特に好ましくは0〜0.60である。さらにSBはその28%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは30%以上が6位水酸基の置換基であり、31%がさらに好ましく、特には32%以上が6位水酸基の置換基であることも好ましい。
また更に、セルロースアシレートの6位のSAとSBの置換度の総和が好ましくは0.8以上、より好ましくは0.85、特に好ましくは0.90であるセルロースアシレートフイルムもあげることができる。
これらのセルロースアシレートフイルムにより溶解性の好ましい溶液が作製でき、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。
本技術のセルロースアシレートの炭素数3〜22のアシル基(SB)としては、脂肪族アシル基でも芳香族アシル基でもよく特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましい具体例としては、プロピオニル、ブタノイル、ケプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso‐ブタノイル、t‐ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることが出来る。これらの中でも、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t‐ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどである。
セルロースアシレートの合成方法の基本的な原理は、右田他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)に記載されている。代表的な合成方法は、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相酢化法である。具体的には、綿花リンタや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却したカルボン酸化混液に投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。上記カルボン酸化混液は、一般に溶媒としての酢酸、エステル化剤としての無水カルボン酸および触媒としての硫酸を含む。無水カルボン酸は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが普通である。アシル化反応終了後に、系内に残存している過剰の無水カルボン酸の加水分解およびエステル化触媒の一部の中和のために、中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)の水溶液を添加する。次に、得られた完全セルロースアシレートを少量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下で、50〜90℃に保つことによりケン化熟成し、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和することなく水または希硫酸中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または希硫酸を投入)してセルロースアシレートを分離し、洗浄および安定化処理によりセルロースアシレートを得る。
本発明のセルロースアシレートフイルムは、フイルムを構成するポリマー成分が実質的に上記の定義を有するセルロースアシレートからなることが好ましい。『実質的に』とは、ポリマー成分の55質量%以上(好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは80〜100質量%)を意味する。フイルム製造の原料としては、セルロースアシレート粒子を使用することが好ましい。使用する粒子の90質量%以上は、0.5〜5mmの粒子径を有することが好ましい。また、使用する粒子の50質量%以上が1〜4mmの粒子径を有することが好ましい。セルロースアシレート粒子は、なるべく球形に近い形状を有することが好ましい。
本発明において透湿度とは、高温高湿条件下でフイルムが単位時間あたりに透過させる水分量であり、具体的には塩化カルシウムを入れたカップをフイルムにより蓋をし、かつ密閉したものを、60℃95%RHの条件下、24時間放置した前後の重量変化(g/(m2・日))から、塩化カルシウムの吸湿度に基づき、セルロースアシレートフイルムの透湿度として算出できる。本発明のセルロースアシレートフイルムの透湿度としては、200〜1500g/(m2・日)であることが好ましく、400〜1500g/(m2・日)であることがさらに好ましく、400〜1400g/(m2・日)であることが最も好ましい。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度200〜700、好ましくは250〜550、更に好ましくは250〜400であり、特に好ましくは粘度平均重合度250〜350である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。更に特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量部分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。
本発明のセルロースアシレートの製造時に使用される際には、その含水率は2質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.7質量%以下である。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており2.5〜5質量%が知られている。本発明でこのセルロースアシレートの含水率にするためには、乾燥することが必要であり、その方法は目的とする含水率になれば特に限定されない。
本発明のこれらのセルロースアシレートは、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明のセルロースアシレート溶液には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、光学異方性コントロール剤、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号公報などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号公報に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフイルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号公報などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。さらにこれらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
次に、本発明に用いられるセルロースアシレートが溶解される有機溶媒について説明する。
まず、セルロースアシレートの溶液を作製するに際して好ましく用いられる非塩素系有機溶媒について説明する。本発明においては、セルロースアシレートが溶解し流延、製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りは非塩素系有機溶媒は特に限定されない。本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテルから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
以上のセルロースアシレートに用いられる非塩素系有機溶媒については、前述のいろいろな観点から選定されるが、好ましくは互いに異なる3種類以上の混合溶媒である。第1の溶媒は、酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサンから選ばれる少なくとも一種あるいは或いはそれらの混合液であり、好ましくは酢酸メチル、アセトン、蟻酸メチル、蟻酸エチルあるいはこれらの混合物である。
第2の溶媒は、炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステルから選ばれる少なくとも一種あるいは或いはそれらの混合液であり、好ましくは、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチルあるいはこれらの混合液である。
なお第1の溶媒が、2種以上の溶媒の混合液である場合は、第2の溶媒がなくてもよい。
第3の溶媒は、炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素から選ばれ、好ましくは炭素数1〜8のアルコールである。
第3の溶媒であるアルコールの水酸基以外の部分は、直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。第3の溶媒としてのアルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが挙げられる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。
第3の溶媒としての炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。
これらの第3の溶媒であるアルコールおよび炭化水素は単独でもよいし2種類以上の混合物でもよく特に限定されない。第3の溶媒としては、好ましい具体的化合物は、アルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができ、特にはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールである。
以上の3種類の混合溶媒は、第1の溶媒が20〜95質量%、第2の溶媒が2〜60質量%さらに第3の溶媒が2〜30質量%の比率で含まれることがましく、さらに第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜50質量%、さらに第3のアルコールが3〜25質量%含まれることが好ましい。また特に第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜30質量%、第3の溶媒がアルコールであり3〜15質量%含まれることが好ましい。
なお、第1の溶媒が混合液で第2の溶媒を用いない場合は、第1の溶媒が20〜90質量%、第3の溶媒が5〜30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜86質量%であり、さらに第3の溶媒が7〜25質量%含まれることが好ましい。
以上の本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、さらに詳細には発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて12頁〜16頁に詳細に記載されている。本発明の好ましい非塩素系有機溶媒の組合せは以下挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/プロパノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(81/8/7/4、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(82/10/4/4、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(80/10/4/6、質量部)、
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)、・酢酸メチル/アセトン/ブタノール(85/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/アセトン/メタノール/ブタノール(60/15/15/5/6、質量部)、
・酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/1,3−ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ギ酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・ギ酸メチル/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・アセトン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/1,3−ジオキソラン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
・1,3−ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(55/20/10/5/5/5、質量部)などをあげることができる。
更に下記の方法でセルロースアシレート溶液を用いることもできる。
本技術に用いるドープには、上記本技術の非塩素系有機溶媒以外に、ジクロロメタンを本技術の全有機溶媒量の10質量%以下含有させてもよい。
また、本発明のセルロースアシレートの溶液を作製するに際しては、場合により主溶媒として塩素系有機溶媒も用いられる。本発明においては、セルロースアシレートが溶解し流延、製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りその塩素系有機溶媒は特に限定されない。これらの塩素系有機溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルムである。特にジクロロメタンが好ましい。また、塩素系有機溶媒以外の有機溶媒を混合することも特に問題ない。その場合は、ジクロロメタンは少なくとも50質量%使用することが必要である。
併用される非塩素系有機溶媒としては、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、アルコール、炭化水素などから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を同時に有していてもよい。二種類以上の官能基を有する溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
また塩素系有機溶媒と併用されるアルコールとしては、好ましくは直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。
以上のセルロースアシレートに用いられる主溶媒である塩素系有機溶媒と併用される非塩素系有機溶媒については、特に限定されないが、酢酸メチル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサン、炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステル、炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素から選ばれる。なお好ましい併用される非塩素系有機溶媒は、酢酸メチル、アセトン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができる。本発明の好ましい主溶媒である塩素系有機溶媒の組合せとしては以下を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)、
・ジクロロメタン/酢酸メチル/ブタノール(80/10/10、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/1,3−ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(70/10/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
などをあげることができる。
本発明のセルロースアシレートは、有機溶媒に10〜30質量%溶解している溶液であることを特徴とするが、より好ましくは13〜27質量%であり、特には15〜25質量%溶解しているセルロースアシレート溶液であることが好ましい。これらの濃度にセルロースアシレートを実施する方法は、溶解する段階で所定の濃度になるように実施してもよく、また予め低濃度溶液(例えば9〜14質量%)として作製した後に後述する濃縮工程で所定の高濃度溶液に調整してもよい。さらに、予め高濃度のセルロースアシレート溶液として後に、種々の添加物を添加することで所定の低濃度のセルロースアシレート溶液としてもよく、いずれの方法で本発明のセルロースアシレート溶液濃度になるように実施されれば特に問題ない。
次に、本発明ではセルロースアシレート溶液を同一組成の有機溶媒で0.1〜5質量%にした希釈溶液のセルロースアシレートの会合体分子量が15万〜1500万であることが好ましい。さらに好ましくは、会合分子量が18万〜900万である。この会合分子量は静的光散乱法で求めることができる。その際に同時に求められる慣性自乗半径は10〜200nmになるように溶解することが好ましい。さらに好ましい慣性自乗半径は20〜200nmである。更にまた、第2ビリアル係数が−2×10‐4〜4×10-4となるように溶解することが好ましく、より好ましくは第2ビリアル係数が−2×10-4〜2×10-4である。ここで、本発明での会合分子量、さらに慣性自乗半径および第2ビリアル係数の定義について述べる。これらは下記方法に従って、静的光散乱法を用いて測定した。測定は装置の都合上希薄領域で測定したが、これらの測定値は本発明の高濃度域でのドープの挙動を反映するものである。
まず、セルロースアシレートをドープに使用する溶剤に溶かし、0.1質量%、0.2質量%、0.3質量%、0.4質量%の溶液を調製した。なお、秤量は吸湿を防ぐためセルロースアシレートは120℃で2時間乾燥したものを用い、25℃、10%RHで行った。溶解方法は、ドープ溶解時に採用した方法(常温溶解法、冷却溶解法、高温溶解法)に従って実施した。続いてこれらの溶液、および溶剤を0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過した。そして、ろ過した溶液を静的光散乱を、光散乱測定装置(大塚電子(株)製、商品名:DLS−700)を用い、25℃に於いて30度から140度まで10度間隔で測定した。得られたデータをBERRYプロット法にて解析した。なお、この解析に必要な屈折率はアッベ屈折系で求めた溶剤の値を用い、屈折率の濃度勾配(dn/dc)は、示差屈折計(大塚電子(株)製、商品名:DRM−1021)を用い、光散乱測定に用いた溶剤、溶液を用いて測定した。
次にセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。これらに関しては、例えば特開平5−163301号、特開昭61−106628号、同58−127737号、特開平9−95544号、同10−95854号、同10−45950号、特開2000−53784号、特開平11−322946号、同11−322947号、同2−276830号、特開2000−273239号、特開平11−71463号、同4−259511号、特開2000−273184号、特開平11−323017号、および同11−302388号の各公報などにセルロースアシレート溶液の調製法が記載されている。以上記載したこれらのセルロースアシレートの有機溶媒への溶解方法は、本発明においても適宜本発明の範囲であればこれらの技術を適用できるものである。これらの詳細は、特に非塩素系溶媒系については発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている方法で実施される。さらに本発明のセルロースアシレートのドープ溶液は、溶液濃縮,ろ過が通常実施され、同様に発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解する場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。
本発明のセルロースアシレート溶液は、その溶液の粘度と動的貯蔵弾性率がある範囲であることが好ましい。溶液の粘度および動的貯蔵弾性率は、次の方法により測定することができる。試料溶液1mLをレオメーター(TA Instruments社製、商品名:CLS 500)に直径4cm/2°のSteel Cone(TA Instruments社製)を用いて測定する。測定条件はOscillation Step/Temperature Rampで40℃〜−10℃の範囲を2℃/分で可変して測定し、40℃の静的非ニュートン粘度n(Pa・s)および−5℃の貯蔵弾性率 G'(Pa)を求める。尚、試料溶液は予め測定開始温度にて液温一定となるまで保温した後に測定を開始する。
本発明では、40℃での粘度が1〜400Pa・sであり、15℃での動的貯蔵弾性率が500Pa以上が好ましく、より好ましくは40℃での粘度が10〜200Pa・sであり、15℃での動的貯蔵弾性率が100〜100万が好ましい。さらには低温での動的貯蔵弾性率が大きいほど好ましく、例えば流延支持体が−5℃の場合は動的貯蔵弾性率が−5℃で1万〜100万Paであることが好ましく、支持体が−50℃の場合は−50℃での動的貯蔵弾性率が1万〜500万Paが好ましい。
次に、セルロースアシレート溶液を用いたフイルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースアシレートフイルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフイルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディスプレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフイルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらの各製造工程については、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25〜30頁に詳細に記載され、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類される。
ここで、本発明においては流延部の空間温度は特に限定されないが、−50〜50℃であることが好ましい。更には−30〜40℃であることが好ましく、特には−20〜30℃であることが好ましい。特に低温での空間温度により流延されたセルロースアシレート溶液は、支持体の上で瞬時に冷却されゲル強度アップすることでその有機溶媒を含んだフイルムを保持することができる。これにより、セルロースアシレートから有機溶媒を蒸発させることなく、支持体から短時間で剥ぎ取りことが可能となり、高速流延が達成できるものである。なお、空間を冷却する手段としては通常の空気でもよいし窒素やアルゴン、ヘリウムなどでもよく特に限定されない。またその場合の湿度は0〜70%RHが好ましく、さらには0〜50%RHが好ましい。また、本発明ではセルロースアシレート溶液を流延する流延部の支持体の温度が−50〜130℃であり、好ましくは−30〜25℃であり、更には−20〜15℃である。流延部を本発明の温度に保つためには、流延部に冷却した気体を導入して達成してもよく、あるいは冷却装置を流延部に配置して空間を冷却してもよい。この時、水が付着しないように注意することが重要であり、乾燥した気体を利用するなどの方法で実施できる。
本発明においてその各層の内容と流延については、特に以下の構成が好ましい。すなわち、セルロースアシレート溶液が25℃において、少なくとも一種の液体又は固体の可塑剤をセルロースアシレートに対して0.1〜20質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の液体又は固体の紫外線吸収剤をセルロースアシレートに対して0.001〜5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の固体でその平均粒径が5〜3000nmである微粒子粉体をセルロースアシレートに対して0.001〜5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種のフッ素系界面活性剤をセルロースアシレートに対して0.001〜2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の剥離剤をセルロースアシレートに対して0.0001〜2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の劣化防止剤をセルロースアシレートに対して0.0001〜2質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、及び/又は少なくとも一種の光学異方性コントロール剤をセルロースアシレートに対して0.1〜15質量%含有していること、及び/又は少なくとも一種の赤外吸収剤をセルロースアシレートに対して0.1〜5質量%含有しているセルロースアシレート溶液であること、を特徴とするセルロースアシレート溶液およびそれから作製されるセルロースアシレートフイルムが好ましい。
流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時及び又は逐次共流延しても良い。共流延は、例えば、特開昭56−162617号公報、特開2002−316387号公報に記載された態様で行うことができる。共流延により本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する場合の層の数は、好ましくは2〜5層、より好ましくは2〜4層、特に好ましくは2〜3層である。
2層以上からなる流延工程を有する場合は、作製されるセルロースアシレート溶液及びセルロースアシレートフイルムにおいて、各層の塩素系溶媒の組成が同一であるか異なる組成のどちらか一方であること、各層の添加剤が一種類であるかあるいは2種類以上の混合物のどちらか一方であること、各層への添加剤の添加位置が同一層であるか異なる層のどちらか一方であること、添加剤の溶液中の濃度が各層とも同一濃度であるかあるいは異なる濃度のどちらか一方であること、各層の会合体分子量が同一であるかあるいは異なる会合体分子量のどちらか一方であること、各層の溶液の温度が同一であるか異なる温度のどちらか一方であること、また各層の塗布量が同一か異なる塗布量のどちらか一方であること、各層の粘度が同一であるか異なる粘度のどちらか一方であること、各層の乾燥後の膜厚が同一であるか異なる厚さのどちらか一方であること、さらに各層に存在する素材が同一状態あるいは分布であるか異なる状態あるいは分布であること、各層の物性が同一であるかあるいは異なる物性のどちらか一方であること、各層の物性が均一であるか異なる物性の分布のどちらか一方であること、を特徴とするセルロースアシレート溶液及びその溶液から作製されるセルロースアシレートフイルムであることも好ましい。
ここで、物性とは発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の6頁〜7頁に詳細に記載されている物性を含むものであり、例えばヘイズ、透過率、分光特性、レターゼーションRe、同Rth、分子配向軸、軸ズレ、引裂強度、耐折強度、引張強度、巻き内外Rt差、キシミ、動摩擦、アルカリ加水分解、カール値、含水率、残留溶剤量、熱収縮率、高湿寸度評価、透湿度、ベースの平面性、寸法安定性、熱収縮開始温度、弾性率、及び輝点異物の測定などであり、さらにはベースの評価に用いられるインピーダンス、面状も含まれるものである。また、発明協会公開技報
(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて11頁に詳細に記載されているセルロースアシレートのイエローインデックス、透明度、熱物性(Tg、結晶化熱)なども挙げることが出来る。
なお、本発明のセルロースアシレートフイルムは、光学性能を調節する目的で流延時および乾燥後に任意の方向に延伸してもよい。
セルロースアシレートフイルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフイルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10‐3〜20Torr(0.1Pa〜2.7kPa)の低圧ガス下でおこる、いわゆる低温プラズマのことである。更にまた、大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。
プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000keV下で20〜500kGyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500keV下で20〜300kGyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフイルムの表面処理としては極めて有効である。
アルカリ鹸化処理は、鹸化液を塗布することで行う。塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法およびE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、上記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、KOH、NaOHがさらに好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒以上5分以下が好ましく、5秒以上5分以下がさらに好ましく、20秒以上3分以下が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。
また、塗布式鹸化処理と後述の配向膜解塗設を、連続して行うことができ、工程数を減少できる。
フイルムと乳剤層との接着を達成するために、表面活性化処理をしたのち、直接セルロースアシレートフイルム上に機能層を塗布して接着力を得る方法と、一旦何がしかの表面処理をした後、あるいは表面処理なしで、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を塗布する方法とがある。これらの下塗層についての詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁に記載されている。また本発明のセルロースアシレートフイルムの機能性層についても各種の機能層が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されている。
本発明で作製されたセルロースアシレートの用途についてまず簡単に述べる。本発明の光学フイルムは特に偏光板保護フイルム用として有用である。偏光板保護フイルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフイルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフイルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、同6−118232号の各公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護フイルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フイルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフイルムを、反対面にセパレートフイルムを貼合して構成される。プロテクトフイルム及びセパレートフイルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフイルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフイルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フイルムを適用した偏光板保護フイルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フイルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フイルムをこの部分に用いることが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフイルムは、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光学補償シートとして用いると特に効果がある。本発明のセルロースアシレートフイルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。セルロースアシレートフイルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。本発明のセルロースアシレートフイルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。本発明のセルロースアシレートフイルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(△n)とセルギャップ(d)との積(△nd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。本発明のセルロースアシレートフイルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。本発明のセルロースアシレートフイルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。
本発明のセルロースアシレートフイルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号公報、国際公開WO98/48320号パンフレット、特許第3022477号明細書に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、国際公開WO00/65384号パンフレットに記載がある。
本発明のセルロースアシレートフイルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。
以上述べてきたこれらの詳細なセルロースアシレートフイルムの用途は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて45頁〜59頁に詳細に記載されている。
次に、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。
<実施例1>
(セルローストリアセテートフイルムの作製)
特開2002−322294号公報に記載されているセルロースアシレートフイルムの作製方法に従い、添加剤として本発明の透湿性降下剤もしくは可塑剤のみを加え、溶剤として酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(質量比=77/8/7/8)の混合溶媒を用いて、表1に記載の透湿性降下剤もしくは可塑剤をセルローストリアセテートの質量に対して所定量含有するセルローストリアセテートフイルムを作製した。製膜したセルローストリアセテートフイルムの膜厚は80μmもしくは60μmであった。
(透湿度、熱揮散性の測定)
得られたセルローストリアセテートフイルムについて、透湿度および熱揮散性の測定を行った。本実施例において、セルローストリアセテートフイルムの透湿度および熱揮散性は、以下のように測定した。
(透湿度の測定)
塩化カルシウムを入れたカップを、各々のフイルム試料を用いて蓋をし、かつ密閉したものを、60℃及び95%RHの条件で、24時間放置した前後の重量変化(g/(m・日))から、塩化カルシウムの吸湿性に基づくセルローストリアセテートフイルムの透湿度を評価した。結果を表1に示す。
(熱揮散性の測定)
セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA同時測定装置(TG/DTA6200、商品名)を用いて、133℃、1時間保持したときのフイルムの重量減少を測定し、低分子成分である可塑剤および本発明の透湿性降下剤の熱揮散性を評価した。なお、重量減少の数値は小数点以下第2位を四捨五入して算出した。結果を表1に示す。
Figure 0004299114
表1中の比較化合物(TPP/BDP(=2/1質量部)、TP−23、NETS)のそれぞれの構造について下記に示す。
Figure 0004299114
(結果)
表1から明らかなように、本発明の透湿性降下剤A−4,A−7,A−10,A−14,A−16,A−21,A−23,A−27,B−9,B−14,B−15及びB−16は膜厚80μmにおける透湿度が1400g/(m2・日)以下であり、良好な透湿度を有するセルローストリアセテートフイルムが作製できることがわかった。さらに、本発明の透湿性降下剤A−7及びA−14は膜厚60μmにおいても透湿度が1400g/(m2・日)以下であり、薄膜フイルムでも良好な透湿度を有するセルローストリアセテートフイルムを作製できることがわかった。また、表1記載の本発明の透湿性降下剤は低分子化合物でありながら、熱揮散性はいずれも0.1%程度と非常に低く、本発明の透湿性降下剤が従来の可塑剤に比べて優れていることがわかった。
<実施例2>偏光板保護膜
実施例1の試料6〜19を用いて、特開平11−316378号公報の実施例1に記載の方法により、試料201〜214を作製して評価した。本発明のセルロース誘導体フィルムにより得られた楕円偏光板の光学特性は優れたものであった。
<実施例3>液晶表示装置
実施例1の試料6〜19を用いて、特開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜9に記載のVA型液晶表示装置、特開2000−154261号公報の図10〜15に記載のOCB型液晶表示装置を作製して評価したところ、いずれの場合においても良好な性能が得られた。
<実施例4>ハロゲン化銀写真感光材料
実施例1の試料6〜19を用いて、その膜厚を120nmにする以外は実施例1と同様して試料401〜414を作製した。得られたフィルムの一方に特開平4−73736号公報の実施例1記載の第1層及び第2層を付与し、カチオン系ポリマーを導電性層とするバック層を作製した。更に、得られたバック層を付与したフイルムベースの反対面に、特開平11−38568号公報の実施例1に記載の試料105を塗布し、ハロゲン化銀写真感光材料を作製した。得られたハロゲン化銀写真感光材料は優れた映像が得られかつその取り扱い性においても問題のないものであった。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)または一般式(2)のいずれかで表される化合物を少なくとも1つ含有するセルロースエステル体フイルムであって、該フイルムの透湿度が60℃95%RHの雰囲気下で200〜1500g/(m 2 ・日)であることを特徴とするセルロースエステル体フイルム。
    Figure 0004299114
    [式中、R1はアルキル基またはアリール基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R1、R2およびR3の炭素原子数の総和は10以上であり、各々、アルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよい。]
    Figure 0004299114
    [式中、R4およびR5は、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表す。R4
    よびR5の炭素原子数の総和は10以上であり、各々、アルキル基およびアリール基は置
    換基を有していてもよい。]
  2. 前記セルロースエステル体がセルロースアシレートであることを特徴とする請求項に記載のセルロースエステル体フイルム。
  3. 請求項1または2に記載のセルロースエステル体フイルムを少なくとも1層含有することを特徴とする偏光板保護膜。
  4. 請求項1または2に記載のセルロースエステル体フイルムを少なくとも1層含有することを特徴とする液晶表示装置。
  5. 請求項1または2に記載のセルロースエステル体フイルムを少なくとも1層含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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