JP5342913B2 - グルコース化合物、セルロース組成物、セルロースフィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

グルコース化合物、セルロース組成物、セルロースフィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、新規なグルコース化合物、ならびにそれを用いた耐久性に優れたセルロースフィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。
セルロースフィルムの中でもセルロースアセテートフィルムは他のポリマーフィルムと比較して光学的等方性が高い(レターデーション値が低い)という特徴がある。したがって、光学的等方性が要求される用途、例えば偏光板には、セルロースアセテートフィルムを用いることが一般的である。一方、液晶表示装置等の光学補償シート(位相差フィルム)には、逆に光学的異方性(高いレターデーション値)が要求される。したがって、光学補償シートとしては、ポリカーボネートフィルムやポリスルホンフィルムのようなレターデーション値が高い合成ポリマーフィルムを用いることが一般的であった。
最近になって、光学的異方性が要求される用途にも使用できる高いレターデーション値を有するセルロースアセテートフィルムが提案されている(例えば特許文献1)。セルロースアセテートフィルムで高いレターデーション値を実現するために、前記特許文献1では段落0055〜0064に記載の化合物を添加し、延伸処理を行っている。しかしこれらの化合物は、セルロースアセテートとの相溶性によってはフィルムの表面に析出(ブリードアウト)してしまう場合があり、フィルムの耐久性に難点があった。
特開2002−296421号公報
本発明の目的は、ブリードアウトを生じることなく、所望のレターデーションを光学フィルムに付与し得るレターデーション上昇剤として用いることのできる、新規な化合物を提供することを課題とする。また、本発明は、耐久性に優れたセルロースフィルムを提供することにある。さらに、本発明は、前記レターデーション上昇剤を含む光学異方性透明支持体を用いた、画像表示特性に優れた(特に視野角が拡大されたおよび色相変化の発生が少ない)液晶表示装置を提供することを課題とする。
本発明の目的は、下記手段により達成された。
[1]下記一般式(I)で表されるグルコース化合物。
Figure 0005342913
(式中、R11、R12はそれぞれ独立に炭素原子数1〜10のアルキル基、又は炭素原子数2〜10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基はOに置換されていてもよい。L1は−OCO−*、−OCH−*(*側でBと結合)、または単結合を表し、A、Bはそれぞれ独立に、置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、又は1,4−フェニレン基を表し、R13、R14はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10のアシル基を表す。)
[2]前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)で表されることを特徴とする[1]に記載のグルコース化合物。
Figure 0005342913
(式中、R15、R16はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基、又は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基はOに置換されていてもよい。L2は−OCO−*、−OCH−*(*側でフェニレン基と結合)を表し、R17、R18はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10のアシル基を表す。R19、R20はそれぞれ独立に水素原子、メチル基またはメトキシ基を表す)
[3]セルロース化合物の少なくとも一種と、[1]又は[2]に記載のグルコース化合物の少なくとも一種とを含有することを特徴とするセルロース組成物。
[4][3]に記載のセルロース組成物からなるセルロースフィルム。
[5][4]に記載のセルロースフィルムからなる光学フィルム。
[6]偏光膜及びその両側に配置された二枚の透明保護膜を有する偏光板であって、透明保護膜の少なくとも一方が、[5]に記載の光学フィルムであることを特徴とする偏光板。
[7]液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、少なくとも1枚の偏光板が[6]に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
[8]表示モードがVAモードであることを特徴とする[7]に記載の液晶表示装置。
[9][1]又は[2]に記載のグルコース化合物からなるレターデーション上昇剤。
本発明のグルコース化合物はレターデーション上昇効果に優れており、セルロースアセテートフィルムの表面に析出しにくく、ブリードアウトの問題を生じることがない。これを用いたセルロースフィルムは、光学異方性と耐久性に優れる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[グルコース化合物]
まず、一般式(I)で表されるグルコース化合物に関して詳細に説明する。
Figure 0005342913
(式中、R11、R12はそれぞれ独立に炭素原子数1〜10のアルキル基、又は炭素原子数2〜10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基はOに置換されていてもよい。L1は−OCO−*、−OCH−*(*側でBと結合)、または単結合を表し、A、Bはそれぞれ独立に、置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、又は1,4−フェニレン基を表し、R13、R14はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10のアシル基を表す。)
11、R12として好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基もしくは炭素原子数2〜10のアルケニル基であり、より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基もしくは炭素原子数2〜5のアルケニル基であり、更に好ましくはエチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基もしくはアリル基であり、最も好ましくはメトキシ基である。これらR11、R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
1は−OCO−*、−OCH−*(*側でBと結合)または単結合を表し、好ましくは−OCO−*または−OCH−*である。
A、Bはそれぞれ独立に、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、又は1,4−フェニレン基を表し、好ましくは1,4−フェニレン基である。A、B環は置換されていてもよく、その際の置換基としては、メチル基、エチル基、メトキシ基などが好ましい例として挙げられるが、メチル基で置換されているか無置換であることがより好ましい。
13、R14はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアシル基であり、好ましくは水素原子、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基であり、最も好ましくは水素原子もしくはアセチル基である。これらR13、R14はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(I)で表わされる化合物のうち、下記一般式(II)で表わされるグルコース化合物が好ましい。
Figure 0005342913
(式中、R15、R16はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基、又は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基はOに置換されていてもよい。L2は−OCO−*、−OCH−*(*側でフェニレン基と結合)を表し、R17、R18はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10のアシル基を表す。R19、R20はそれぞれ独立に水素原子、メチル基またはメトキシ基を表す)
以下に一般式(I)又は(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されることはない。なお、本明細書において、Acはアセチル基を表す。
Figure 0005342913
Figure 0005342913
Figure 0005342913
本発明の一般式(I)で表される化合物は、下記スキームに従い(D)−グルコースから合成可能である。例えば、J. Am. Chem. Soc., 2000, 124 (33), pp 9756−9767 には(D)−グルコースからアセタール交換、アシル化、1位水酸基の選択的脱アシル化を経て中間体Bを合成する方法が記載されている。続く中間体Bからグルコース化合物Aへと誘導する方法としては、任意のエステル化反応を用いることができ、例えば対応する酸ハロゲン化物や縮合剤を用いる方法などが挙げられる。グルコース化合物Bを得る方法としては、Carbohyd. Res. 1985, 135, 203.、または Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 1986, 25, 212. に記載されている方法に従い中間体Cに誘導後、対応するアルコールとグリコシル化する方法などが挙げられる。ただし、本発明の化合物の合成法はこの例に限定されない。
Figure 0005342913
本発明のセルロース組成物における、一般式(I)又は(II)で表される化合物の含有量は、セルロース化合物に対して0.1〜15質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。
前記の一般式(I)又は(II)で表される化合物は、光学フィルム用レターデーション上昇剤(制御剤)として用いることができ、特に延伸によるRe発現性に優れたフィルムを得るためのレターデーション上昇剤として好適に用いることができる。前記の一般式(I)又は(II)で表される化合物は、特にセルロースフィルム用レターデーション上昇剤として有用である。これら化合物を含むフィルムの製造方法等の詳細は後述する。
[セルロース組成物]
本発明のセルロース組成物は、セルロース化合物と前記の一般式(I)又は(II)で表される化合物を含む組成物である。本発明において「セルロース化合物」とは、セルロースを基本構造とする化合物であって、セルロースを原料として生物的あるいは化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する化合物を含むものとする。セルロース骨格を有する化合物として好ましいものはセルロースエステルであり、より好ましくはセルロースアシレート(セルローストリアシレート、セルロースアシレートプロピオネート等が挙げられる。)である。また、本発明においては異なる2種類以上のセルロース化合物を混合して用いても良い。
以下、セルロース化合物としてセルロースアシレートを用いた場合を代表例として、本発明を説明する。
セルロース化合物の中で好ましいセルロースアシレートは以下の素材を挙げることができる。すなわち、セルロースアシレートが、セルロースの水酸基への置換度が下記式(a)〜(c)の全てを満足するセルロースアシレートである。
(a) 1.0≦SA+SB≦3.0
(b) 0.5≦SA≦3.0
(c) 0≦SB≦1.5
ここで、式中SAおよびSBはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換基を表し、SAはアセチル基の置換度、またSBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部をアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1)を意味する。本発明で使用されるセルロースアシレートにおいては、水酸基のSAとSBの置換度の総和は、より好ましくは1.50〜2.96であり、特に好ましくは2.00〜2.95である。また、SBの置換度は0〜1.5であり、特には0〜1.0である。さらにSBは好ましくはその28%以上が6位水酸基の置換基部分であるが、より好ましくは30%以上が6位水酸基の置換基であり、35%以上がさらに好ましく、特には40%以上が6位水酸基の置換基のものであることも好ましい。またさらに、セルロースアシレートの6位のSAとSBの置換度の総和が0.8以上であり、さらには0.85以上であり、特には0.90以上であるセルロースアシレートを用いることもできる。
本発明において、セルロースアシレートの上記のSBを示す炭素数3〜22のアシル基としては、脂肪族アシル基でも芳香族アシル基でもよく特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいSBを示す置換基としては、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、イソブタノイル基、ピバロイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ピバロイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることができる。
セルロースアシレートの合成方法の基本的な原理は、右田他著,「木材化学」,180〜190頁(共立出版、1968年)に記載されている。代表的な合成方法は、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相酢化法である。具体的には、綿花リンタや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却したカルボン酸化混液に投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。上記カルボン酸化混液は、一般に溶媒としての酢酸、エステル化剤としての無水カルボン酸および触媒としての硫酸を含む。
無水カルボン酸は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが普通である。アシル化反応終了後に、系内に残存している過剰の無水カルボン酸の加水分解およびエステル化触媒の一部の中和のために、中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)の水溶液を添加する。次に、得られた完全セルロースアシレートを少量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下で、50〜90℃に保つことによりケン化熟成し、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和することなく水または希硫酸中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または希硫酸を投入)してセルロースアシレートを分離し、洗浄および安定化処理によりセルロースアシレートを得る。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度200〜700、好ましくは250〜550、さらに好ましくは250〜400であり、特に好ましくは粘度平均重合度250〜350である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫著,「繊維学会誌」,第18巻,第1号,105〜120頁,1962年)により測定できる。さらに特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。
なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。本発明で使用されるセルロースアシレートの含水率は2質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.7質量%以下である。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており、その含水率は2.5〜5質量%であることが知られている。本発明において、含水率の小さなセルロースアシレートを得るためには、セルロースアシレートを乾燥させればよく、その方法は目的とする含水率(例えば2質量%以下)にできれば特に限定されない。
本発明において使用され得るこれらのセルロースアシレートの原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明のセルロース組成物におけるセルロース化合物の含有量は、固形分全量に対して55質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。フィルム製造の原料として、本発明のセルロース組成物を調製する際には、セルロースアシレートの粒子を使用することが好ましい。使用する粒子の90質量%以上は、0.5〜5mmの粒子サイズを有することが好ましい。また、使用する粒子の50質量%以上が1〜4mmの粒子サイズを有することが好ましい。セルロースアシレート粒子は、なるべく球形に近い形状を有することが好ましい。
本発明のセルロース組成物には、セルロース化合物および前記の一般式(I)で表される化合物のほかに、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、光学異方性コントロール剤、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば融点が20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号公報などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号公報に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。
さらにまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、本発明のセルロース組成物からなるセルロースフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号公報などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。
さらにこれらの素材としては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
本発明において、セルロース化合物、好ましくはセルロースアシレートを溶解するために用いられる有機溶媒について記述する。
まず、本発明において、セルロース化合物の溶液を作製するに際して好ましく用いられる非塩素系有機溶媒について記載する。本発明においては、セルロース化合物が溶解し流延、製膜できる範囲において、その目的が達成できる限り、非塩素系有機溶媒は特に限定されない。本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテルから選ばれる溶媒が好ましい。
エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
以上のセルロース化合物溶液に用いられる非塩素系有機溶媒については、前述のいろいろな観点から選定されるが、好ましくは以下のとおりである。すなわち、本発明において、セルロース化合物溶液に用いられる好ましい溶媒は、互いに異なる3種類以上の混合溶媒であって、第1の溶媒が酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサンから選ばれる少なくとも1種あるいは或いはそれらの混合液であり、第2の溶媒は炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステルから選ばれ、第3の溶媒として炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素から選ばれ、より好ましくは炭素数1〜8のアルコールである。
なお第1の溶媒が、2種以上の溶媒の混合液である場合は、第2の溶媒がなくてもよい。第1の溶媒は、さらに好ましくは酢酸メチル、アセトン、ギ酸メチル、ギ酸エチルあるいはこれらの混合物であり、第2の溶媒は、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチルが好ましく、これらの混合液であってもよい。
第3の溶媒であるアルコールは、直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。
さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。これらの第3の溶媒であるアルコールおよび炭化水素は単独でもよいし2種類以上の混合物でもよく特に限定されない。第3の溶媒としては、好ましい具体的化合物は、アルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができ、特にはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールである。
以上の3種類の混合溶媒は、第1の溶媒が20〜95質量%、第2の溶媒が2〜60質量%さらに第3の溶媒が2〜30質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜50質量%、さらに第3のアルコールが3〜25質量%含まれることが好ましい。また特に第1の溶媒が30〜90質量%であり、第2の溶媒が3〜30質量%、第3の溶媒がアルコールであり3〜15質量%含まれることが好ましい。
なお、第1の溶媒が混合液で第2の溶媒を用いない場合は、第1の溶媒が20〜90質量%、第3の溶媒が10〜80質量%の比率で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜86質量%であり、さらに第3の溶媒が14〜70質量%含まれることが好ましい。以上の本発明で用いられる非塩素系有機溶媒は、さらに詳細には発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて12頁〜16頁に詳細に記載されている。本発明において好ましい非塩素系有機溶媒の組合せは以下に挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール/プロパノール(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(81/8/7/4、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(82/10/4/4、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/エタノール/ブタノール(80/10/4/6、質量部)、
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/ブタノール(85/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/シクロペンタノン/アセトン/メタノール/ブタノール(60/15/15/5/6、質量部)、
・酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/1,3−ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)、
・酢酸メチル/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ギ酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・ギ酸メチル/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・アセトン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
・アセトン/1,3−ジオキソラン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
・1,3−ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(55/20/10/5/5、質量部)
などをあげることができる。
また、セルロース化合物溶液には、上記非塩素系有機溶媒以外に、ジクロロメタンを全有機溶媒量の10質量%以下含有させてもよい。
また、本発明の実施において、本発明のセルロース化合物の溶液(組成物)を作製するに際しては、場合により主溶媒として塩素系有機溶媒も用いられる。本発明においては、セルロース化合物が溶解し流延、製膜できる範囲において、その目的が達成できる限りはその塩素系有機溶媒は特に限定されない。これらの塩素系有機溶媒は、好ましくはジクロロメタン、クロロホルムである。特にジクロロメタンが好ましい。
また、塩素系有機溶媒以外の有機溶媒を混合することも特に問題ない。その場合は、ジクロロメタンは少なくとも50質量%使用することが好ましい。本発明において、主溶媒としての塩素系有機溶媒と併用される非塩素系有機溶媒について以下に記す。すなわち、併用される好ましい非塩素系有機溶媒としては、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、アルコール、炭化水素などから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン、エーテルおよびアルコールは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を同時に有していてもよい。2種類以上の官能基を有する溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。
炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが挙げられる。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが挙げられる。
また塩素系有機溶媒と併用されるアルコールとしては、好ましくは直鎖であっても分枝を有していても環状であってもよく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであってもよい。アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなども挙げられる。
さらに炭化水素は、直鎖であっても分岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが含まれる。
以上のセルロース化合物に対して用いられる主溶媒である塩素系有機溶媒と併用される非塩素系有機溶媒については、特に限定されないが、酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、ジオキソラン、ジオキサン、炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エステル、炭素数が1〜10のアルコールまたは炭化水素から選ばれることが好ましい。なお好ましい併用される非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、アセトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサンを挙げることができる。本発明において、好ましい主溶媒である塩素系有機溶媒と非塩素系有機溶媒の組合せとしては以下を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
・ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール(75/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール(80/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/イソプロパノール(75/10/10/5/7、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/メタノール/イソプロパノール(80/10/5/8、質量部)、
・ジクロロメタン/酢酸メチル/ブタノール(80/10/10、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/1,3−ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/20/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/ジオキサン/アセトン/メタノール/エタノール(60/20/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(70/10/10/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘキサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、
・ジクロロメタン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール(65/20/10/5、質量部)、
・ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/10/5、質量部)、
などをあげることができる。
本発明ではセルロースアシレートを含むドープを上記に例示した組成の有機溶媒で0.1〜5質量%にした希釈溶液のセルロースアシレートの会合体分子量が15万〜1500万であることが好ましい。さらに好ましくは、会合分子量が18万〜900万である。この会合分子量は静的光散乱法で求めることができる。その際に同時に求められる慣性自乗半径は10〜200nmになるように溶解することが好ましい。さらに好ましい慣性自乗半径は20〜200nmである。さらにまた、第2ビリアル係数が−2×10-4〜4×10-4となるように溶解することが好ましく、より好ましくは第2ビリアル係数が−2×10-4〜2×10-4である。ここで、本発明での会合分子量、さらに慣性自乗半径および第2ビリアル係数の定義について述べる。
これらは下記方法に従って、静的光散乱法を用いて測定することができる。下記方法によれば測定は装置の都合上希薄領域で測定するが、これらの測定値は本発明の高濃度域でのドープの挙動を反映するものである。まず、セルロースアシレートをドープに使用する溶剤に溶かし、0.1質量%、0.2質量%、0.3質量%、0.4質量%の溶液を調製する。なお、秤量は吸湿を防ぐためセルロースアシレートは120℃で2時間乾燥したものを用い、25℃,10%R.H.で行う。溶解方法は、ドープ溶解時に採用した方法(常温溶解法、冷却溶解法、高温溶解法)に従って実施する。
続いてこれらの溶液、および溶剤を0.2μmのメンブレンフィルター(材質PTFE)で濾過する。そして、ろ過した溶液の静的光散乱を、光散乱測定装置(大塚電子(株)製DLS−700、商品名)を用い、25℃に於いて30度から140度まで10度間隔で測定する。得られたデータをBERRYプロット法にて解析する。なお、この解析に必要な屈折率はアッベ屈折系で求めた溶剤の値を用い、屈折率の濃度勾配(dn/dc)は、示差屈折計(大塚電子(株)製DRM−1021、商品名)を用い、光散乱測定に用いた溶剤、溶液を用いて測定することができる。
本発明におけるセルロース化合物を含むドープの調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施することができる。これらに関しては、例えば特開平5−163301号、特開昭61−106628号、同58−127737号、特開平9−95544号、同10−95854号、同10−45950号、特開2000−53784号、特開平11−322946号、さらに特開平11−322947号、同2−276830号、特開2000−273239号、特開平11−71463号、同4−259511号、特開2000−273184号、特開平11−323017号、同11−302388号などの各公報にセルロース化合物溶液の調製法が記載されている。以上記載したこれらのセルロース化合物の有機溶媒への溶解方法は、本発明においても適宜本発明の範囲であれば適用することができる。
これらの詳細は、特に非塩素系溶媒系については発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている。さらに本発明において、セルロース化合物を含むドープに対しては、溶液濃縮、ろ過が通常実施され、その方法は、同様に発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解する場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。
本発明のセルロース組成物は、前記の一般式(I)又は(II)で表される化合物を適当な溶媒に溶解して得られた溶液と、セルロース化合物を適当な溶媒に溶解して得られたセルロース化合物溶液とを混合することによって調製することができる。両溶液の混合方法は特に限定されず、両溶液を混合することにより得られた溶液を、フィルム形成用のドープとして用いることができる。但し、本発明では、セルロース化合物と一般式(I)又は(II)で表される化合物の添加順序は問わず、また、両者を同時に添加してもよい。ドープにおけるセルロース化合物の濃度は、10〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは濃度13〜27質量%であり、特に濃度15〜25質量%であることが好ましい。これらの濃度にセルロース化合物を溶解する方法は、溶解する段階で所定の濃度になるように実施してもよく、また予め低濃度溶液(例えば9〜14質量%)として作製した後に後述する濃縮工程で所定の高濃度溶液に調整してもよい。さらに、予め高濃度のセルロース化合物溶液として後に、種々の添加物を添加することで所定の低濃度のセルロース化合物溶液としてもよく、上記濃度のドープが得られるのであれば、いずれの方法でも構わない。
また、前記の一般式(I)又は(II)で表される化合物を溶解するためには、前述のセルロース化合物用溶媒と同様のものを用いることができる。ドープ中の一般式(I)又は(II)で表される化合物の濃度は、例えば0.1〜30質量%とすることができ、好ましくは1〜15質量%することができる。
本発明において、セルロース化合物を含むドープは、その溶液の粘度と動的貯蔵弾性率がある範囲内であることが好ましい。試料溶液1mLをレオメーター(CLS 500、商品名、TA Instrumennts社製)に直径4cm/2°のSteel Cone(商品名、TA Instrumennts社製)を用いて測定することができる。測定条件は、装置に付属の条件(Oscillation Step/Temperature Ramp)を用いて40℃〜−10℃の範囲を2℃/分で可変して測定し、40℃の静的非ニュートン粘度n*(Pa・s)および−5℃の貯蔵弾性率G’(Pa)を求める。尚、試料溶液は予め測定開始温度にて液温一定となるまで保温した後に測定を開始する。本発明では、40℃での粘度が1〜400Pa・sであり、15℃での動的貯蔵弾性率が500Pa以上であることが好ましく、40℃での粘度が10〜200Pa・sであり、15℃での動的貯蔵弾性率が100〜100万であることがより好ましい。さらには低温での動的貯蔵弾性率が大きいほど好ましく、例えば流延支持体が−5℃の場合は動的貯蔵弾性率が−5℃で1万〜100万Paであることが好ましく、支持体が−50℃の場合は−50℃での動的貯蔵弾性率が1万〜500万Paが好ましい。
[セルロースフィルム]
本発明のセルロースフィルムは、本発明のセルロース組成物からなるものである。
次に、本発明のセルロースフィルムの製造方法について述べる。
本発明のセルロースフィルムを製造する方法および設備としては、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法および溶液流延製膜装置を用いることができる。以下に、その具体例を説明する。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロース組成物溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。
得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディスプレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらの各製造工程については、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載され、流延(共流延を含む),金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類される。
ここで、本発明においては流延部の空間温度は特に限定されないが、−50〜50℃であることが好ましい。さらには−30〜40℃であることが好ましく、特には−20〜30℃であることが好ましい。特に低温での空間温度により流延されたドープは、支持体の上で瞬時に冷却されゲル強度アップすることでその有機溶媒を含んだフィルムを保持することができる。これにより、セルロース化合物から有機溶媒を蒸発させることなく、支持体から短時間で剥ぎ取りことが可能となり、高速流延が達成できる。なお、空間を冷却する手段としては通常の空気でもよいし窒素やアルゴン、ヘリウムなどでもよく特に限定されない。またその場合の湿度は0〜70%R.H.が好ましく、さらには0〜50%R.H.が好ましい。また、本発明ではドープを流延する流延部の支持体の温度が通常−50〜130℃であり、好ましくは−30〜25℃であり、さらに好ましくは−20〜15℃である。流延部を所望の温度に保つためには、流延部に冷却した気体を導入して達成してもよく、あるいは冷却装置を流延部に配置して空間を冷却してもよい。この時、水が付着しないように注意することが重要であり、乾燥した気体を利用するなどの方法で実施できる。
本発明においてその各層の内容と流延については、特に以下の構成が好ましい。すなわち、ドープが25℃において、少なくとも1種の液体または固体の可塑剤をセルロース化合物に対して0.1〜20質量%含有しているドープであること、および/または少なくとも1種の液体または固体の紫外線吸収剤をセルロース化合物に対して0.001〜5質量%含有しているドープであること、および/または少なくとも1種の固体でその平均粒子サイズが5〜3000nmである微粒子粉体をセルロース化合物に対して0.001〜5質量%含有しているドープであること、および/または少なくとも1種のフッ素系界面活性剤をセルロース化合物に対して0.001〜2質量%含有しているドープであること、および/または少なくとも1種の剥離剤をセルロース化合物に対して0.0001〜2質量%含有しているドープであること、および/または少なくとも1種の劣化防止剤をセルロース化合物に対して0.0001〜2質量%含有しているドープであること、および/または少なくとも1種の光学異方性コントロール剤をセルロース化合物に対して0.1〜15質量%含有していること、および/または少なくとも1種の赤外吸収剤をセルロース化合物に対して0.1〜5質量%含有しているドープであること、を特徴とするドープおよびそれから作製されるセルロースフィルム(好ましくはセルロースアシレートフィルム)が好ましい。
流延工程では1種類のドープを単層流延してもよいし、2種類以上のドープを同時およびまたは逐次共流延しても良い。2層以上からなる流延工程を有する場合は、作製されるドープおよびセルロースフィルムにおいて、各層の塩素系溶媒の組成が同一であるか異なる組成のどちらか一方であること、各層の添加剤が1種類であるかあるいは2種類以上の混合物のどちらか一方であること、各層への添加剤の添加位置が同一層であるか異なる層のどちらか一方であること、添加剤の溶液中の濃度が各層とも同一濃度であるかあるいは異なる濃度のどちらか一方であること、各層の会合体分子量が同一であるかあるいは異なる会合体分子量のどちらか一方であること、各層の溶液の温度が同一であるか異なる温度のどちらか一方であること、また各層の塗布量が同一か異なる塗布量のどちらか一方であること、各層の粘度が同一であるか異なる粘度のどちらか一方であること、各層の乾燥後の膜厚が同一であるか異なる厚さのどちらか一方であること、さらに各層に存在する素材が同一状態あるいは分布であるか異なる状態あるいは分布であること、各層の物性が同一であるかあるいは異なる物性のどちらか一方であること、各層の物性が均一であるか異なる物性の分布のどちらか一方であること、を特徴とするドープおよびそのドープから作製されるセルロースフィルム(好ましくはセルロースアシレートフィルム)であることも好ましい。
ここで、物性とは発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の6頁〜7頁に詳細に記載されている物性を含むものであり、例えばヘイズ、透過率、分光特性、レターデーションRe、同Rth、分子配向軸、軸ズレ、引裂強度、耐折強度、引張強度、巻き内外Rt差、キシミ、動摩擦、アルカリ加水分解、カール値、含水率、残留溶剤量、熱収縮率、高湿寸度評価、透湿度、ベースの平面性、寸法安定性、熱収縮開始温度、弾性率、および輝点異物の測定などであり、さらにはベースの評価に用いられるインピーダンス、面状も含まれるものである。
また、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて11頁に詳細に記載されているセルロースアシレートのイエローインデックス、透明度、熱物性(Tg、結晶化熱)なども挙げることができる。
本発明のセルロースフィルムは延伸されていても良い。光学的異方性を発現するために任意の倍率での延伸されることが特に好ましい。
延伸は、公知の方法が使用でき、例えばセルロースフィルムのガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度から、50℃高い温度の間の温度で、ロール一軸延伸法、テンター一軸延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、インフレーション法により延伸できる。また、溶液流涎法によるフィルム製造の場合、残留溶媒が1〜30%の範囲内で、より好ましくは5〜20%の範囲内で延伸することができる。延伸倍率は1.1〜3.5倍が好ましく用いられる。
セルロースフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースフィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torr(0.133Pa〜2.67kPa)の低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、さらにまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。
プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類およびそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000keV下で20〜500kGyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500keV下で20〜300kGyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
アルカリ鹸化処理は、鹸化液を塗布することで行う。塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法およびE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。
また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、上記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、KOH、NaOHがさらに好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒以上5分以下が好ましく、5秒以上5分以下がさらに好ましく、20秒以上3分以下が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。
また、塗布式鹸化処理と後述の配向膜解塗設を、連続して行うことができ、工程数を減少できる。
フィルムと乳剤層との接着を達成するために、表面活性化処理をしたのち、直接セルロースフィルム上に機能層を塗布して接着力を得る方法と、一旦何がしかの表面処理をした後、あるいは表面処理なしで、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を塗布する方法とがある。これらの下塗層についての詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁に記載されている。また本発明のセルロースフィルムの機能性層についても各種の機能層が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されている。
本発明のセルロースフィルムのRe値とRth値をそれぞれ好ましい範囲に制御するためには、使用する一般式(I)又は(II)で表される化合物(レターデーション上昇剤)の種類および添加量、ならびにフィルムの延伸倍率を適宜調整することが好ましい。特に、本発明では、所望のRth値を達成し得るレターデーション上昇剤を選択し、かつ、所望のRe値が得られるように、該レターデーション上昇剤の添加量およびフィルムの延伸倍率を適宜設定することにより、所望のRe値およびRth値を有するセルロースフィルムを得ることができる。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(商品名、王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフイルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(1)及び式(2)よりRthを算出することもできる。
Figure 0005342913
注記:
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表わす。
式(1)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
Rth=((nx+ny)/2 - nz) × d --- 式(2)
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレタデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本発明のセルロースフィルムの用途についてまず簡単に述べる。
本発明のセルロースフィルムは、光学フィルム、特に偏光板保護フィルム用、液晶表示装置の光学補償シート(位相差フィルムともいう)、反射型液晶表示装置の光学補償シート、ハロゲン化銀写真感光材料用支持体として有用である。
したがって本発明のフィルムの厚さはこれらの用途によって定まり、特に制限はないが、好ましくは30μm以上、より好ましくは30〜200μmである。
偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号各公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるために使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子およびその両面を保護する保護フィルムで構成されており、さらに該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルムおよびセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。
この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明のフィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが特に好ましい。
本発明のセルロースフィルムは、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光学補償シートとして用いると特に効果がある。本発明のセルロースフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。
本発明のセルロースフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。本発明のセルロースフィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。本発明のセルロースフィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。
一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(△n)とセルギャップ(d)との積(△nd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。本発明のセルロースフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。本発明のセルロースフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。
本発明のセルロースフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、国際公開WO98/48320号、特許第3022477号の各公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、WO00−65384号に記載がある。本発明のセルロースフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。
その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。以上述べてきたこれらの詳細なセルロースフィルムの用途は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて45頁〜59頁に詳細に記載されている。
以下に実施例と比較例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
一般式(I)又は(II)で表される化合物の合成
[実施例1:例示化合物A−2(m=0、n=0)の合成]
下記スキームに従い、例示化合物A−2(m=0、n=0)を合成した。
Figure 0005342913
[中間体(S1)の合成]
D−グルコース50g、4−メトキシベンズアルデヒドジメチルアセタール52ml、パラトルエンスルホン酸一水和物45mgをジメチルアセトアミド(DMAc)200mlに添加し、減圧下(130mmHg)、60℃で1時間攪拌した。その後、反応液にトリエチルアミン1.5mlを加え、揮発成分を除去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して中間体S1を白色固体として41g得た。
[中間体(S2)の合成]
中間体S1(41g)をピリジン100mlに加えた懸濁液に、氷冷下、無水酢酸50mlをゆっくりと滴下した。滴下後、室温まで昇温し、12時間攪拌した後、減圧下揮発成分を除去した。残渣に水100mlを加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去後、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶を行うことで、中間体S2を白色固体として53g得た。
[中間体(S3)の合成]
中間体S2(13.1g)、ベンジルアミン3.9mlをテトラヒドロフラン250mlに添加し、40℃で22時間攪拌した後、反応液に0.25規定の塩酸50mlを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去した後、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶を行うことで、中間体S3を白色固体として10.3g得た。
[例示化合物A−2(m=0、n=0)の合成]
中間体S3(5.0g)、トリエチルアミン3.7ml、ジメチルアミノピリジン(DMAP)80mgを加えたテトラヒドロフラン100mlの懸濁液に、4−メトキシベンゾイルクロリド3.35gを滴下し、室温で2時間攪拌した。反応終了後、反応液に水100mlを加え、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去した後、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶を行うことで、例示化合物A−2(m=0、n=0)を白色固体として4.51g得た。
化合物の同定はH−NMRで行った。
H−NMRスペクトルデータ(重クロロホルム):8.00(2H,m)、7.38(2H,m)、6.94(2H,m)、6.89(2H,m)、5.97(1H,d,J=8.0Hz)、5.48(1H,s)、5.44(1H,t,J=9.2Hz)、5.33(1H,dd,J=9.2,8.0Hz)、4.40(1H,m)、3.87(3H,s)、3.80(3H,s)、3.81−3.75(3H,m)、2.08(3H,s)、2.00(3H,s)。
得られた化合物の融点は233℃であった。
[実施例2、3:例示化合物B−2(m=0、n=0)および例示化合物B−6(m=0、n=0)の合成]
下記スキームに従い、例示化合物B−2(m=0、n=0)および例示化合物B−6(m=0、n=0)を合成した。
Figure 0005342913
[中間体(S4)の合成]
中間体S3(4.7g)、トリクロロアセトニトリル2.48mlのジクロロメタン40ml溶液に、ジアザビシクロウンデセン(DBU)185μlを添加し、室温で2時間攪拌した。揮発成分を除去後、アルミナカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体S4を無色油状物質として3.77g得た。
[例示化合物B−2(m=0、n=0)の合成]
中間体S4(3.77g)、4−メトキシベンジルアルコール2.0g、乾燥モレキュラーシーブス4A(MS4A)6.0gを脱水ジクロロメタン50mlに加え、室温で2時間攪拌した。混合液を攪拌しながら−50℃まで冷却した後に、トリメチルシリルトリフルオロメタン酸65μlを滴下し、反応液を−20℃まで昇温した。そのままの温度で4時間攪拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温まで昇温した。混合液をセライト濾過したのち、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去した後、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶を行うことで、例示化合物B−2(m=0、n=0)を白色固体として2.24g得た。
化合物の同定はH−NMRで行った。
H−NMRスペクトルデータ(重クロロホルム):7.35(2H,m)、7.21(2H,m)、6.89(2H,m)、6.86(2H,m)、5.46(1H,s)、5.26(1H,t,J=9.2Hz)、5.03(1H,dd,J=9.6, 8.0Hz)、4.82(1H,d,J=11.6Hz)、4.61(1H,d,J=8.0Hz)、4.56(1H,d,J=11.6Hz)、4.37(1H,dd,J=10.4, 4.8Hz)、3.81(3H,s)、3.80(1H,dd,J=10.4, 9.6Hz)、3.79(3H,s)、3.69(1H,t,J=9.6Hz)、3.49(1H,td,J=9.6, 4.8Hz)、2.04(3H,s)、2.01(3H,s)。
得られた化合物の融点は189℃であった。
[例示化合物B−6(m=0、n=0)の合成]
例示化合物B−2(m=0、n=0)1.50gのメタノール懸濁液に、ナトリウムメトキシド400mgを加え、40℃で20時間攪拌した。反応終了後、揮発成分を減圧下除去し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去した後、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶を行うことで、例示化合物B−6(m=0、n=0)を白色固体として1.01g得た。
化合物の同定はH−NMRで行った。
H−NMRスペクトルデータ(重クロロホルム):7.41(2H,m)、7.29(2H,m)、6.92−6.86(4H,m)、5.50(1H,s)、4.86(1H,d,J=11.2Hz)、4.57(1H,d,J=11.2Hz)、4.47(1H,d,J=8.0Hz)、4.35(1H,dd,J=10.4, 5.2Hz)、3.81(3H,s)、3.81(1H,t,J=10.4Hz)、3.80(3H,s)、3.79(1H,t,J=9.2Hz)、3.55(1H,t,J=9.2Hz)、3.53(1H,dd,J=9.2, 8.0Hz)、3.44(1H,td,J=9.6, 5.2Hz)、2.80(1H,brs,−OH)、2.61(1H,brs,−OH)。
得られた化合物の融点は165℃であった。
[実施例4]
セルロースアセテートフィルムの作製
下記のセルロースアセテート溶液組成の各成分をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
酢化度2.44のセルロースアセテート 100質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 318質量部
メタノール(第2溶媒) 47質量部
別のミキシングタンクに、例示化合物A−2(m=0、n=0)、B−2(m=0、n=0)、B−6(m=0、n=0)、または比較化合物16質量部、メチレンクロライド87質量部およびメタノール13質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液465質量部にレターデーション上昇剤溶液36質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤は、セルロースアセテート100質量部に対して表1に記載の質量部を添加した。
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量%のフィルムを、200℃の条件で、テンターを用いて30%の延伸倍率で横延伸して、セルロースアセテートフィルム(厚さ:50μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフィルム(光学補償シート)について、波長590nmにおけるReレターデーション値およびRthレターデーション値を測定した。結果を表1に示す。
作製した各セルロースアセテートフィルムについて、KOBRA(WR、王子計測機器(株)製、商品名)を用いて、相対湿度25℃60%の環境下で波長446nm、548nm、629nmにおけるReレターデーション値及びRthレターデーション値を測定した。また、相対湿度25℃10%の環境下及び相対湿度25℃80%の環境下についても波長548nmにおけるReレターデーション値及びRthレターデーション値を測定した。
耐久性については、60℃、湿度90%の環境下で7日間サーモ時のブリードアウトを目視で観察して評価した。
Figure 0005342913
比較化合物1(特開2002−296421号公報に記載の化合物)
Figure 0005342913
比較化合物2(特開2003−344655号公報に記載の化合物)
Figure 0005342913
表1の結果から、本発明の一般式(I)又は(II)で表される化合物を使用したフィルム1〜5は該化合物を添加していない比較例のフィルム8に対して、高い光学異方性を有していることがわかる。また、比較例のフィルム6が60℃湿度90% 7日サーモ時にブリードアウトしてしまうのに対して、本発明の一般式(I)又は(II)で表される化合物を使用したフィルム1〜5はブリードアウトせず、耐久性に優れていることがわかる。また、比較例のフィルム7がほぼ逆分散性が失われているのに対して、本発明の一般式(I)又は(II)で表される化合物を使用したフィルム1〜5は逆分散性を保持しており、好ましいことがわかる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(I)で表されるグルコース化合物。
    Figure 0005342913
    (式中、R11、R12はそれぞれ独立に炭素原子数1〜10のアルキル基、又は炭素原子数2〜10のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基はOに置換されていてもよい。L1は−OCO−*、−OCH−*(*側でBと結合)、または単結合を表し、A、Bはそれぞれ独立に、置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、又は1,4−フェニレン基を表し、R13、R14はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10のアシル基を表す。)
  2. 前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載のグルコース化合物。
    Figure 0005342913
    (式中、R15、R16はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基、又は炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基はOに置換されていてもよい。L2は−OCO−*、−OCH−*(*側でフェニレン基と結合)を表し、R17、R18はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10のアシル基を表す。R19、R20はそれぞれ独立に水素原子、メチル基またはメトキシ基を表す)
  3. セルロース化合物の少なくとも一種と、請求項1又は2に記載のグルコース化合物の少なくとも一種とを含有することを特徴とするセルロース組成物。
  4. 請求項3に記載のセルロース組成物からなるセルロースフィルム。
  5. 請求項4に記載のセルロースフィルムからなる光学フィルム。
  6. 偏光膜及びその両側に配置された二枚の透明保護膜を有する偏光板であって、透明保護膜の少なくとも一方が、請求項5に記載の光学フィルムであることを特徴とする偏光板。
  7. 液晶セル及びその両側に配置された2枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、少なくとも1枚の偏光板が請求項6に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 表示モードがVAモードであることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
  9. 請求項1又は2に記載のグルコース化合物からなるレターデーション上昇剤。
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