JP4583648B2 - レターデーション制御剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルロースエステルフイルム用のレターデーション制御剤、レターデーションが制御されたセルロースエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
λ/4板およびλ/2板に代表されるような光学異方性膜(位相差膜)は、反射防止膜や液晶表示装置に関連する多くの用途を有しており、すでに実際に使用されている。特開平5−27118号および同5―27119号の各公報には、レターデーションが大きい複屈折性フイルムと、レターデーションが小さい複屈折性フイルムとを、それらの光軸が直交するように積層させた位相差板が開示されている。二枚のフイルムのレターデーションの差が可視光域の全般にわたりλ/4またはλ/2であれば、位相差板は理論的には可視光域の全体にわたりλ/4板またはλ/2板として機能する。特開平10−68816号および同10−90521号の各公報にも、二枚のフイルムを積層することによって広い波長領域でλ/4をできる位相差膜が開示されている。
以上のポリマーフイルムとしては、ポリカーボネートのような合成ポリマーの延伸フイルムが使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
セルロースエステルフイルムを延伸することによって、一枚で広い波長領域においてλ/4を達成できることが開示されている(特開2000−137116号公報)。さらに、セルロースエステルフイルムに添加剤(レターデーション制御剤)を用いるとより、広い範囲の波長領域においてλ/4を達成できることがわかってきた(WO00/65384号明細書)。WO00/65384号明細書では、セルロースエステルフイルムにレターデーション制御剤を添加して延伸する方法を用いているが、目標の光学特性を得るためにはフイルムを破断領域近くまで延伸する必要があり、製造上、延伸が少なくすむことが求められていた。
本発明の目的は、延伸倍率が低くても、セルロースエステルフイルムの屈折率を任意に制御できるレターデーション制御剤を提供することである。
また、本発明の目的は、延伸倍率が低くても、屈折率が任意に制御されているセルロースエステルフイルムを提供することでもある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記のセルロースエステルフイルム用レターデーション制御剤により達成された。
セルロースエステルフイルムを一軸延伸すると、延伸方向と直交する方向のセルロースエステルフイルムの屈折率が大きくなるようにレターデーションを制御する機能を有し、後述する式(I−1)または(I−3)で表されるセルロースエステルフイルム用レターデーション制御剤
【0005】
【発明の効果】
本発明者の研究によれば、従来のレターデーション制御剤は、セルロースエステルフイルムを一軸延伸した場合に、延伸方向のセルロースエステルフイルムの屈折率を制御する機能を有する。従来のレターデーション制御剤とは別に、あるいは従来のレターデーション制御剤に加えて、セルロースエステルフイルムを一軸延伸した場合に、延伸方向と直交する方向のセルロースエステルフイルムの屈折率を制御する機能を有するレターデーション制御剤があれば、延伸倍率が低くても、セルロースエステルフイルムの屈折率を任意に制御できる。
本発明の研究の結果、本発明に従う化合物は、上記のようなレターデーション制御剤としての機能を有することが判明した。
以上の結果、本発明によれば、従来から制御できていた延伸方向の屈折率に加えて、延伸方向と直交する方向の屈折率も制御することが可能になった。その結果、任意の屈折率、あるいは任意の光学異方性(レターデーション値)を有するセルロースエステルフイルムを製造することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
[レターデーション制御剤]
本発明では、セルロースエステルフイルムを一軸延伸したときに延伸方向と直交する方向に屈折率が大きくなる化合物を、レターデーション制御剤として用いる。
レターデーション制御剤としては、少なくとも1つの配向性付与基と少なくとも1つの複屈折性付与基を有する化合物が好ましく、下記式(I)で表される構造を有する化合物であることがより好ましい。
(I) (Q)m−L−(M)n
上記式(I)において、Qは、配向性付与基を表し;Mは、複屈折性付与基を表し;Lは、直接結合またはm+n価の連結基を表し;そして、m、nは、おのおの1以上の整数を表す。
【0007】
式(I)において、Qは配向性付与基であり、セルロースエステルフイルムを延伸した場合に延伸方向にレターデーション制御剤を延伸方向と平行に配向することを促進する置換基を表し、Qが複数、即ちmが2以上であるときにはQは同じであっても異なっていてもよく、また、複数のQとLが連結して環状構造を形成してもよい。複数のQとLが連結して形成される環状構造は、飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基、または、飽和もしくは不飽和の複素環基である。mは好ましくは2以上である。Qおよび(Q)m−Lとして好ましい置換基を以下に具体的に示す。
【0008】
【化2】
Figure 0004583648
【0010】
【化3】
Figure 0004583648
【0011】
【化4】
Figure 0004583648
【0012】
【化5】
Figure 0004583648
【0013】
【化6】
Figure 0004583648
【0014】
【化7】
Figure 0004583648
【0015】
【化8】
Figure 0004583648
【0016】
【化9】
Figure 0004583648
【0017】
Mは複屈折性付与基であり、セルロースエステルフイルムを延伸した場合に延伸方向と直交する方向に複屈折性が発現することを促進する置換基を表し、Mが複数、即ちnが2以上であるときにはMは同じであっても異なっていてもよく、また、複数のMとLが連結して環状構造を形成してもよい。複数のMとLが連結して形成される環状構造は、飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基、または、飽和もしくは不飽和の複素環基である。Mおよび(M)n−Lとして好ましい置換基を以下に具体的に示す。
【0018】
【化10】
Figure 0004583648
【0019】
【化11】
Figure 0004583648
【0020】
【化12】
Figure 0004583648
【0021】
【化13】
Figure 0004583648
【0022】
【化14】
Figure 0004583648
【0023】
【化15】
Figure 0004583648
【0024】
【化16】
Figure 0004583648
【0025】
【化17】
Figure 0004583648
【0026】
【化18】
Figure 0004583648
【0027】
【化19】
Figure 0004583648
【0028】
【化20】
Figure 0004583648
【0029】
さらに、置換基Qと水素原子からなるQHなる化合物または置換基(Q)m−Lと水素原子からなる化合物(Q)m−L(H)nの溶液中における最大吸収波長(λQ)および吸光係数(εQ)と、置換基Mと水素原子からなるMHなる化合物または置換基(M)n−Lと水素原子からなる化合物(M)n−L(H)mの溶液中における最大吸収波長(λM)および吸光係数(εM)と比較して、λM>λQまたはεM>εQの関係にあることが好ましく、λM>λQかつεM>εQの関係であることがより好ましい。
【0030】
Lは直接結合、またはm+n価の連結基を表し、具体的には直接結合、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、水素原子およびこれらの原子の組み合わせによって得られる連結基を表す。以下に具体的に示す。
【0031】
【化21】
Figure 0004583648
【0032】
【化22】
Figure 0004583648
【0033】
【化23】
Figure 0004583648
【0034】
【化24】
Figure 0004583648
【0035】
【化25】
Figure 0004583648
【0036】
【化26】
Figure 0004583648
【0037】
上記に示した配向性付与基Qと連結基Lと複屈折性付与基Mからなる化合物の具体例を以下に示す。式(I−1)または(I−3)で表される化合物が本発明に従うセルロースエステルフイルム用レターデーション制御剤である。
【0038】
【化27】
Figure 0004583648
【0039】
【化28】
Figure 0004583648
【0040】
【化29】
Figure 0004583648
【0041】
【化30】
Figure 0004583648
【0042】
【化31】
Figure 0004583648
【0043】
【化32】
Figure 0004583648
【0044】
本発明のレターデーション制御剤は文献既知の合成方法に準じて合成できる。
例えば、Chem. Lett.,10巻、1055頁(1998年)、Can. J. Chem.,54巻、37頁(1976年)、J. Med. Chem.,41巻、2号、148頁(1998年)、Chem. Ber., 111巻、1453頁(1978年)に記載の合成方法を参照して、合成すればよい。
【0045】
本発明のレターデーション制御剤は、単独で用いても、2種類上の化合物を混合して用いてもよい。
【0046】
延伸時に延伸方向と平行な方向に屈折率を上げてλ/4板を作製する場合には、延伸時に延伸方向と平行な方向に屈折率が大きくなるレターデーション制御剤(以下、平行型レターデーション制御剤と記す)を用いてもよい。
平行型レターデーション制御剤としては、溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物が好ましい。
棒状化合物は、少なくとも一つの芳香族環を有することが好ましく、少なくとも二つの芳香族環を有することがさらに好ましい。
棒状化合物は、直線的な分子構造を有することが好ましい。直線的な分子構造とは、熱力学的に最も安定な構造において棒状化合物の分子構造が直線的であることを意味する。熱力学的に最も安定な構造は、結晶構造解析または分子軌道計算によって求めることができる。例えば、分子軌道計算ソフト(例、WinMOPAC2000、富士通(株)製)を用いて分子軌道計算を行い、化合物の生成熱が最も小さくなるような分子の構造を求めることができる。分子構造が直線的であるとは、上記のように計算して求められる熱力学的に最も安定な構造において、分子構造の角度が140度以上であることを意味する。
【0047】
棒状化合物としては、下記式(II)で表される化合物が好ましい。
(II)Ar1 −L1 −Ar2
式(II)において、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、芳香族基である。
上記芳香族基は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基を含む。
アリール基および置換アリール基の方が、芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基よりも好ましい。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性へテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましく、窒素原子または硫黄原子がさらに好ましい。芳香族性へテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、および1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族基の芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびピラジン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
【0048】
置換アリール基および置換芳香族性ヘテロ環基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ)、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基(例、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、スルファモイル、アルキルスルファモイル基(例、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ウレイド、アルキルウレイド基(例、N−メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N,N,N’−トリメチルウレイド)、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチル、イソプロピル、s−ブチル、t−アミル、シクロヘキシル、シクロペンチル)、アルケニル基(例、ビニル、アリル、ヘキセニル)、アルキニル基(例、エチニル、ブチニル)、アシル基(例、ホルミル、アセチル、ブチリル、ヘキサノイル、ラウリル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ラウリルオキシ)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(例、ブトキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ)、アリールチオ基(例、フェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル)、アミド基(例、アセトアミド、ブチルアミド基、ヘキシルアミド、ラウリルアミド)および非芳香族性複素環基(例、モルホリル、ピラジニル)が含まれる。
【0049】
置換アリール基および置換芳香族性ヘテロ環基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノ、アルキル置換アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基およびアルキル基が好ましい。
アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基のアルキル部分とアルキル基とは、さらに置換基を有していてもよい。アルキル部分およびアルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アミド基および非芳香族性複素環基が含まれる。アルキル部分およびアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基およびアルコキシ基が好ましい。
【0050】
式(II)において、L1 は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−O−、−CO−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。
アルキレン基は、環状構造を有していてもよい。環状アルキレン基としては、シクロヘキシレンが好ましく、1,4−シクロへキシレンが特に好ましい。鎖状アルキレン基としては、直鎖状アルキレン基の方が分岐を有するアルキレン基よりも好ましい。
アルキレン基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至8であることがさらにまた好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
【0051】
アルケニレン基およびアルキニレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさらに好ましい。
アルケニレン基およびアルキニレン基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましく、2乃至8であることがより好ましく、2乃至6であることがさらに好ましく、2乃至4であることがさらにまた好ましく、2(ビニレンまたはエチニレン)であることが最も好ましい。
【0052】
組み合わせからなる二価の連結基の例を示す。
L−1:−O−CO−アルキレン基−CO−O−
L−2:−CO−O−アルキレン基−O−CO−
L−3:−O−CO−アルケニレン基−CO−O−
L−4:−CO−O−アルケニレン基−O−CO−
L−5:−O−CO−アルキニレン基−CO−O−
L−6:−CO−O−アルキニレン基−O−CO−
【0053】
式(II)の分子構造において、L1 を挟んで、Ar1 とAr2 とが形成する角度は、140度以上であることが好ましい。
棒状化合物としては、下記式(III)で表される化合物がさらに好ましい。
(III)Ar1 −L2 −X−L3 −Ar2
式(III)において、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、芳香族基である。芳香族基の定義および例は、式(II)のAr1 およびAr2 と同様である。
【0054】
式(III)において、L2 およびL3 は、それぞれ独立に、アルキレン基、−O−、−CO−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。
アルキレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさらに好ましい。
アルキレン基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましく、1乃至8であることがより好ましく、1乃至6であることがさらに好ましく、1乃至4であることがさらにまた好ましく、1または2(メチレンまたはエチレン)であることが最も好ましい。
2 およびL3 は、−O−CO−または−CO−O−であることが特に好ましい。
【0055】
式(III)において、Xは、1,4−シクロへキシレン、ビニレンまたはエチニレンである。
以下に、式(II)で表される化合物の具体例を示す。
【0056】
【化33】
Figure 0004583648
【0057】
【化34】
Figure 0004583648
【0058】
【化35】
Figure 0004583648
【0059】
【化36】
Figure 0004583648
【0060】
【化37】
Figure 0004583648
【0061】
【化38】
Figure 0004583648
【0062】
【化39】
Figure 0004583648
【0063】
【化40】
Figure 0004583648
【0064】
【化41】
Figure 0004583648
【0065】
具体例(1)〜(34)、(41)、(42)は、シクロヘキサン環の1位と4位とに二つの不斉炭素原子を有する。ただし、具体例(1)、(4)〜(34)、(41)、(42)は、対称なメソ型の分子構造を有するため光学異性体(光学活性)はなく、幾何異性体(トランス型とシス型)のみ存在する。具体例(1)のトランス型(1-trans)とシス型(1-cis)とを、以下に示す。
【0066】
【化42】
Figure 0004583648
【0067】
前述したように、棒状化合物は直線的な分子構造を有することが好ましい。そのため、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
具体例(2)および(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトランス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体については、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいずれでもよい。
具体例(43)〜(45)では、中心のビニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
【0068】
溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を、二種類以上併用してもよい。
棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mol. Cryst. Liq. Cryst., 53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年)、J. Am. Chem. Soc., 113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年)、J. Org. Chem., 40巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
【0069】
[セルロースエステル]
セルロースエステルとしては、セルロースの低級脂肪酸エステルを用いることが好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルロースアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。
セルロースアセテートの平均酢化度(アセチル化度)は、45.0乃至62.5%であることが好ましく、55.0乃至61.0%であることがさらに好ましい。
【0070】
[赤外線吸収剤]
レターデーション値を調整するため、赤外線吸収剤をセルロースエステルフイルムに添加することができる。
赤外線吸収剤は、セルロースエステル100質量部に対して、0.01乃至5質量部の範囲で使用することが好ましく、0.02乃至2質量部の範囲で使用することがより好ましく、0.05乃至1質量部の範囲で使用することがさらに好ましく、0.1乃至0.5質量部の範囲で使用することが最も好ましい。二種類以上の赤外線吸収剤を併用してもよい。
赤外線吸収剤は、750乃至1100nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、800乃至1000nmの波長領域に最大吸収を有することがさらに好ましい。赤外線吸収剤は、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
【0071】
赤外線吸収剤としては、赤外線吸収染料または赤外線吸収顔料を用いることが好ましく、赤外線吸収染料を用いることが特に好ましい。
赤外線吸収染料には、有機化合物と無機化合物が含まれる。有機化合物である赤外線吸収染料を用いることが好ましい。有機赤外線吸収染料には、シアニン化合物、金属キレート化合物、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、キノン化合物、スクアリリウム化合物およびメチン化合物が含まれる。赤外線吸収染料については、色材、61〔4〕215−226(1988)、および化学工業、43−53(1986、5月)に記載がある。
【0072】
赤外線吸収機能あるいは吸収スペクトルの観点で染料の種類を検討すると、ハロゲン化銀写真感光材料の技術分野で開発された赤外線吸収染料が優れている。
ハロゲン化銀写真感光材料の技術分野で開発された赤外線吸収染料には、ジヒドロペリミジンスクアリリウム染料(米国特許5380635号明細書および特願平8−189817号明細書記載)、シアニン染料(特開昭62−123454号、同3−138640号、同3−211542号、同3−226736号、同5−313305号、同6−43583号の各公報、特願平7−269097号明細書および欧州特許0430244号明細書記載)、ピリリウム染料(特開平3−138640号、同3−211542号の各公報記載)、ジイモニウム染料(特開平3−138640号、同3−211542号の各公報記載)、ピラゾロピリドン染料(特開平2−282244号記載)、インドアニリン染料(特開平5−323500号、同5−323501号の各公報記載)、ポリメチン染料(特開平3−26765号、同4−190343号の各公報および欧州特許377961号明細書記載)、オキソノール染料(特開平3−9346号明細書記載)、アントラキノン染料(特開平4−13654号明細書記載)、ナフタロシアニン色素(米国特許5009989号明細書記載)およびナフトラクタム染料(欧州特許568267号明細書記載)が含まれる。
【0073】
[セルロースエステルフイルムの製造]
ソルベントキャスト法によりセルロースエステルフイルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースエステルを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造する。
有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
【0074】
炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、30乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
二種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0075】
一般的な方法でセルロースエステル溶液を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースエステルの量は、得られる溶液中に10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロースエステルの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
溶液は、常温(0乃至40℃)でセルロースエステルと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロースエステルと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃至110℃である。
【0076】
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0077】
冷却溶解法により、溶液を調製することもできる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させることが困難な有機溶媒(ハロゲン化炭化水素以外の有機溶媒)中にも、セルロースエステルを溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロースエステルを溶解できる溶媒(例えば、ハロゲン化炭化水素)であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロースエステルを撹拌しながら徐々に添加する。
セルロースエステルの量は、この混合物中に10乃至40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースエステルの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
【0078】
次に、混合物を−100乃至−10℃(好ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、セルロースエステルと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
【0079】
さらに、これを0乃至200℃(好ましくは0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒中にセルロースエステルが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
【0080】
冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
なお、セルロースアセテート(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、33℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの平均酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
【0081】
調製したセルロースエステル溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースエステルフイルムを製造する。
ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18乃至35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延した2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。本発明に従い調製した溶液(ドープ)は、この条件を満足する。
製造するフイルムの厚さは、40乃至120μmであることが好ましく、70乃至100μmであることがさらに好ましい。
【0082】
セルロースエステルフイルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
可塑剤の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25質量%であることが好ましく、1乃至20質量%であることがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが最も好ましい。
【0083】
セルロースエステルフイルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ましく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤については、特開平7−11056号公報に記載がある。
【0084】
[位相差板]
セルロースエステルフイルムは、位相差板として用いることができる。
位相差板をλ/4板として使用する場合は、波長450nmで測定したレターデーション値が100乃至125nmとなり、かつ波長590nmで測定したレターデーション値が135乃至160nmとなるようにする。波長450nmで測定したレターデーション値が108乃至117nmであり、波長550nmで測定したレターデーション値が133乃至142nmであり、かつ波長590nmで測定したレターデーション値が143乃至152nmであることが好ましい。
位相差板をλ/2板として使用する場合は、波長450nmで測定したレターデーション値が200乃至250nmとなり、かつ波長590nmで測定したレターデーション値が270乃至320nmとなるようにする。波長450nmで測定したレターデーション値が216乃至234nmであり、波長550nmで測定したレターデーション値が266乃至284nmであり、かつ波長590nmで測定したレターデーション値が286乃至304nmであることが好ましい。
レターデーション値(Re)は、下記式に従って算出する。
レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d
式中、nxは位相差板の面内の最大屈折率(x方向)であり;nyは位相差板の面内のx方向に垂直な方向(y方向)の屈折率であり;そしてdは位相差板の厚さ(nm)である。
【0085】
以上のような位相差板の光学的性質は、前述したセルロースエステルフイルム一枚で達成できる。
位相差板のレターデーション値とその波長依存性は、(1)セルロースエステルの組成(特に平均酢化度)の調整、(2)添加剤の種類と使用量の調整、および(3)フイルムの厚さにより制御できる。
位相差板(セルロースエステルフイルム)の厚さは、5乃至1000μmであることが好ましく、10乃至500μmであることがさらに好ましい。
【0086】
[円偏光板]
λ/4板と直線偏光膜とを、λ/4板の面内の遅相軸と直線偏光膜の透過軸との角度が実質的に45゜になるように積層すると円偏光板が得られる。実質的に45゜とは、40乃至50゜であることを意味する。λ/4板の面内の遅相軸と偏光膜の透過軸との角度は、41乃至49゜であることが好ましく、42乃至48゜であることがより好ましく、43乃至47゜であることがさらに好ましく、44乃至46゜であることが最も好ましい。
直線偏光膜のλ/4板とは反対側の面には、透明保護膜を設けることが好ましい。透明保護膜は、透明な(光透過率が80%以上の)ポリマーを用いて製造することが好ましい。透明なポリマーとしては、ポリオレフィン、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホンあるいはポリエーテルスルホンを用いることができる。市販の透明ポリマーまたは透明ポリマーフイルムを用いてもよい。
【0087】
直線偏光膜とλ/4板あるいは直線偏光膜と透明保護膜とは、接着剤を用いて貼り合わせる。接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂またはホウ素化合物の水溶液が好ましいく、ポリビニルアルコール系樹脂が特に好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂としては、アルコール以外の官能基(例、アセトアセチル、スルホ、カルボキシル、アルコキシ基)を導入した変性ポリビニルアルコールを用いてもよい。接着剤の厚さは、乾燥後に0.01乃至10μmであることが好ましく、0.05乃至5μmであることがさらに好ましい。
円偏光板には、様々な用途がある。本発明の円偏光板は、反射型液晶表示装置に特に有効に用いられる。
【0088】
[反射型液晶表示装置]
図1は、反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
図1に示す反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板(1)、反射電極(2)、下配向膜(3)、液晶層(4)、上配向膜(5)、透明電極(6)、上基板(7)、λ/4板(8)、そして直線偏光膜(9)からなる。
下基板(1)と反射電極(2)が反射板を構成する。下配向膜(3)〜上配向膜(5)が液晶セルを構成する。そして、λ/4板(8)と直線偏光膜(9)とが円偏光板を構成する。
カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を設ける。カラーフィルター層は、反射電極(2)と下配向膜(3)との間、または上配向膜(5)と透明電極(6)との間に設けることが好ましい。
図1に示す反射電極(2)の代わりに透明電極を用いて、別に反射板を取り付けてもよい。透明電極と組み合わせて用いる反射板としては、金属板が好ましい。反射板の表面が平滑であると、正反射成分のみが反射されて視野角が狭くなる場合がある。そのため、反射板の表面に凹凸構造(特許275620号公報記載)を導入することが好ましい。反射板の表面が平坦である場合は(表面に凹凸構造を導入する代わりに)、直線偏光膜の片側(セル側あるいは外側)に光拡散フイルムを取り付けてもよい。
【0089】
液晶セルは、TN(twisted nematic )型、STN(Supper Twisted Nematic)型またはHAN(Hybrid Aligned Nematic)型であることが好ましい。
TN型液晶セルのツイスト角は、40乃至100゜であることが好ましく、50乃至90゜であることがさらに好ましく、60乃至80゜であることが最も好ましい。液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値は、0.1乃至0.5μmであることが好ましく、0.2乃至0.4μmであることがさらに好ましい。
STN型液晶セルのツイスト角は、180乃至360゜であることが好ましく、220乃至270゜であることがさらに好ましい。液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値は、0.3乃至1.2μmであることが好ましく、0.5乃至1.0μmであることがさらに好ましい。
HAN型液晶セルは、片方の基板上では液晶が実質的に垂直に配向しており、他方の基板上のプレチルト角が0乃至45゜であることが好ましい。液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値は、0.1乃至1.0μmであることが好ましく、0.3乃至0.8μmであることがさらに好ましい。液晶を垂直配向させる側の基板は、反射板側の基板であってもよいし、透明電極側の基板であってもよい。
反射型液晶表示装置は、印加電圧が低い時に明表示、高い時に暗表示であるノーマリーホワイトモードでも、印加電圧が低い時に暗表示、高い時に明表示であるノーマリーブラックモードでも用いることができる。ノーマリーホワイトモードの方が好ましい。
【実施例】
【0090】
[実施例1]
(位相差板の作製)
室温において、平均酢化度60.9%のセルロースアセテート120質量部、レターデーション制御剤(I−1)2.4質量部、トリフェニルホスフェート9.36質量部、ビフェニルジフェニルホスフェート4.68質量部、メチレンクロリド718質量部、およびメタノール62.4質量部を混合して、溶液(ドープ)を調整した。
得られたドープを、ガラス板上に流延して、室温にて1分間乾燥後、45℃にて5分間乾燥させた。セルロースアセテートフイルムをガラス板から剥離し、100℃で30分間乾燥させ、130℃で20分間乾燥させた。乾燥後のフイルムの溶媒残存量は、0.5質量%であった。
フイルムを適当な大きさに切断した後、130℃で流延方向と平行な方向に1.33倍の長さに延伸した。延伸方向と垂直な方向は自由に収縮できるようにした。流延後そのままの状態で室温まで冷却し、延伸フイルムを取り出した。延伸後のフイルムの溶媒残存量は、0.1質量%であった。このようにして得られたフイルムの厚さは、102μmであった。
得られたフイルム(位相差板)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長450nm、550nm、および590nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、66.2nm、30.3nm、および18.2nmであった。偏光顕微鏡で観察したところ、延伸方向と直交する方向が遅相軸であった。
【0091】
[比較例1]
(位相差板の作製)
溶液(ドープ)にレターデーション制御剤(I−1)を添加しなかった以外は実施例1と同じ方法によって延伸したフイルムを作製した。延伸後のフイルムの溶媒残存量は、0.1質量%であった。このようにして得られたフイルムの厚さは、104μmであった。
得られたフイルム(位相差板)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長450nm、550nm、および590nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、15.2nm、30.3nm、および35.2nmであった。偏光顕微鏡で観察したところ、延伸方向と平行な方向が遅相軸であった。
以上、実施例1において、本発明のレターデーション制御剤を用いると延伸方向と直交する方向の屈折率が大きくなった。
【0092】
[実施例2]
実施例1において、溶液(ドープ)にさらにレターデーション制御剤(23-trans)を3.0質量部を加えて、実施例1と同じ方法によって延伸したフイルムを作製した。延伸後のフイルムの溶媒残存量は0.1質量%であった。このようにして得られたフイルムの厚さは、103μmであった。
得られたフイルム(位相差板)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長450nm、550nm、および590nmにおけるレターデーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、111.3nm、137.3nm、および145.2nmであった。偏光顕微鏡で観察したところ、延伸方向と平行な方向が遅相軸であった。
【0093】
【化43】
Figure 0004583648
【0094】
(反射型液晶表示装置の作製)
市販の反射型液晶表示装置(カラーザウルスMI−310、シャープ(株)製)の偏光板と位相差板を剥ぎとり、代わりに上記で作製した位相差板と偏光板(表面がAR処理された保護膜を積層した偏光板)を取り付けた。
作製した反射型液晶表示装置について、目視で評価したところ、白表示、黒表示、そして中間調のいずれにおいても、色味がなく、ニュートラルグレーが表示されていることがわかった。
次に、作製した反射型液晶表示装置について、測定機( EZcontrast160D、Eldim社製)を用いて反射輝度のコントラスト比を測定したところ、正面からのコントラスト比は20であり、コントラスト比が3となる視野角は上下120°以上、左右120°以上であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 下基板
2 反射電極
3 下配向膜
4 液晶層
5 上配向膜
6 透明電極
7 上基板
8 λ/4板
9 直線偏光膜

Claims (1)

  1. セルロースエステルフイルムを一軸延伸すると、延伸方向と直交する方向のセルロースエステルフイルムの屈折率が大きくなるようにレターデーションを制御する機能を有し、式(I−1)または(I−3)で表されるセルロースエステルフイルム用レターデーション制御剤。
    Figure 0004583648
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