JP2001208913A - 位相差板および円偏光板 - Google Patents

位相差板および円偏光板

Info

Publication number
JP2001208913A
JP2001208913A JP2000018764A JP2000018764A JP2001208913A JP 2001208913 A JP2001208913 A JP 2001208913A JP 2000018764 A JP2000018764 A JP 2000018764A JP 2000018764 A JP2000018764 A JP 2000018764A JP 2001208913 A JP2001208913 A JP 2001208913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ring
wavelength
retardation
examples
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000018764A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Sata
博暁 佐多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000018764A priority Critical patent/JP2001208913A/ja
Publication of JP2001208913A publication Critical patent/JP2001208913A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一枚のポリマーフイルムを用いて、広い波長
領域かつ広い視野角で、λ/4またはλ/2を達成す
る。 【解決手段】 赤外線吸収剤を含む一枚のポリマーフイ
ルムで位相差板を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相差板およびそれを
用いた円偏光板に関する。特に本発明は、液晶表示装置
において使用されるλ/4板またはλ/2板、光ディス
クの書き込み用のピックアップに使用されるλ/4板、
あるいは反射防止膜として利用されるλ/4板として有
効な位相差板に関する。
【0002】
【従来の技術】λ/4板およびλ/2板は、反射防止膜
や液晶表示装置に関連する多くの用途を有しており、既
に実際に使用されている。しかし、λ/4板あるいはλ
/2板と称していても、ある特定波長でλ/4やλ/2
を達成しているものが大部分であった。特開平5−27
118号および同5−27119号の各公報には、レタ
ーデーションが大きい複屈折性フイルムと、レターデー
ションが小さい複屈折率フイルムとを、それらの光軸が
直交するように積層させた位相差板が開示されている。
二枚のフイルムのレターデーションの差が可視光域の全
体にわたりλ/4またはλ/2であれば、位相差板は理
論的には、可視光域の全体にわたりλ/4板またはλ/
2板として機能する。
【0003】特開平10−68816号公報に、特定波
長においてλ/4となっているポリマーフイルムと、そ
れと同一材料からなり同じ波長においてλ/2となって
いるポリマーフイルムとを積層させて、広い波長領域で
λ/4が得られる位相差板が開示されている。特開平1
0−90521号公報にも、二枚のポリマーフイルムを
積層することにより広い波長領域でλ/4を達成できる
位相差板が開示されている。以上のポリマーフイルムと
しては、ポリカーボネートのような合成ポリマーの延伸
フイルムが使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】二枚のポリマーフイル
ムを積層することにより、広い波長領域でλ/4または
λ/2を達成することができる。しかし、そのために
は、二枚のポリマーフイルムの角度を厳密に調整しなが
ら積層する必要がある。一枚のポリマーフイルムからな
るλ/4板またはλ/2板も提案されている。しかし、
広い波長領域でλ/4またはλ/2が達成されている一
枚のフイルムは、ほとんど存在していない。本発明の目
的は、一枚のポリマーフイルムを用いて、広い波長領域
かつ広い視野角で、λ/4またはλ/2を達成すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(7)の位相差板(λ/4板)、下記(8)の
円偏光板および下記(9)〜(15)の位相差板(λ/
2板)により達成された。 (1)波長450nmで測定したレターデーション値が
100乃至125nmであり、かつ波長590nmで測
定したレターデーション値が135乃至160nmであ
る位相差板であって、赤外線吸収剤を含む一枚のポリマ
ーフイルムからなることを特徴とする位相差板。 (2)波長450nmで測定したレターデーション値が
108乃至117nmであり、波長550nmで測定し
たレターデーション値が133乃至142nmであり、
かつ波長590nmで測定したレターデーション値が1
43乃至152nmである(1)に記載の位相差板。 (3)ポリマーフイルムが、セルロースエステルフイル
ムである(1)に記載の位相差板。 (4)ポリマーフイルムが、延伸したセルロースエステ
ルフイルムである(3)に記載の位相差板。 (5)赤外線吸収剤が、750乃至1100nmの波長
領域に最大吸収を有する(1)に記載の位相差板。 (6)ポリマーフイルムが、さらに紫外線吸収剤を含む
(1)に記載の位相差板。 (7)紫外線吸収剤が、250乃至400nmの波長領
域に最大吸収を有する(6)に記載の位相差板。 (8)波長450nmで測定したレターデーション値が
100乃至125nmであり、かつ波長590nmで測
定したレターデーション値が135乃至160nmであ
る位相差板と直線偏光膜とが、位相差板の面内の遅相軸
と直線偏光膜の偏光軸との角度が実質的に45゜になる
ように積層されている円偏光板であって、位相差板が、
赤外線吸収剤を含む一枚のポリマーフイルムからなるこ
とを特徴とする円偏光板。
【0006】(9)波長450nmで測定したレターデ
ーション値が200乃至250nmであり、かつ波長5
90nmで測定したレターデーション値が270乃至3
20nmである位相差板であって、赤外線吸収剤を含む
一枚のポリマーフイルムからなることを特徴とする位相
差板。 (10)波長450nmで測定したレターデーション値
が216乃至234nmであり、波長550nmで測定
したレターデーション値が266乃至284nmであ
り、かつ波長590nmで測定したレターデーション値
が286乃至304nmである(9)に記載の位相差
板。 (11)ポリマーフイルムが、セルロースエステルフイ
ルムである(9)に記載の位相差板。 (12)ポリマーフイルムが、延伸したセルロースエス
テルフイルムである(11)に記載の位相差板。 (13)赤外線吸収剤が、750乃至1100nmの波
長領域に最大吸収を有する(9)に記載の位相差板。 (14)ポリマーフイルムが、さらに紫外線吸収剤を含
む(9)に記載の位相差板。 (15)紫外線吸収剤が、250乃至400nmの波長
領域に最大吸収を有する(14)に記載の位相差板。
【0007】
【発明の効果】本発明者は研究の結果、ポリマーフイル
ムの素材と製造方法を調節、特に赤外線吸収染料を使用
することにより、広い波長領域でλ/4またはλ/2を
達成する位相差板を製造することに成功した。一枚のポ
リマーフイルムを用いて広い波長領域でλ/4またはλ
/2を達成できる位相差板が得られたことで、従来の二
枚のポリマーフイルムの角度を厳密に調整しながら積層
する工程が不要になった。
【0008】
【発明の実施の形態】[位相差板]位相差板をλ/4板
として使用する場合は、波長450nmで測定したレタ
ーデーション値が100乃至125nmとなり、かつ波
長590nmで測定したレターデーション値が135乃
至160nmとなるようにする。波長450nmで測定
したレターデーション値が108乃至117nmであ
り、波長550nmで測定したレターデーション値が1
33乃至142nmであり、かつ波長590nmで測定
したレターデーション値が143乃至152nmである
ことが好ましい。位相差板をλ/2板として使用する場
合は、波長450nmで測定したレターデーション値が
200乃至250nmとなり、かつ波長590nmで測
定したレターデーション値が270乃至320nmとな
るようにする。波長450nmで測定したレターデーシ
ョン値が216乃至234nmであり、波長550nm
で測定したレターデーション値が266乃至284nm
であり、かつ波長590nmで測定したレターデーショ
ン値が286乃至304nmであることが好ましい。
【0009】レターデーション値(Re)は、下記式に
従って算出する。レターデーション値(Re)=(nx
−ny)×d式中、nxは位相差板の面内の遅相軸方向
の屈折率(面内の最大屈折率)であり;nyは位相差板
の面内の遅相軸方向に垂直な方向の屈折率であり;そし
てdは位相差板の厚さ(nm)である。位相差板を構成
する一枚のポリマーフイルムの厚さは、40乃至200
μmであることが好ましく、70乃至120μmである
ことがさらに好ましい。以上のような光学的性質を有す
る位相差板は、以下に述べる材料と方法により製造する
ことができる。
【0010】[ポリマー]フイルムを構成するポリマー
としては、セルロースエステルが好ましく、セルロース
の低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸と
は、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子
数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプ
ロピオネート)または4(セルロースブチレート)であ
ることが好ましい。セルロースアセテートが特に好まし
い。セルロースアセテートプロピオネートやセルロース
アセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用
いてもよい。セルロースアセテートの平均酢化度(アセ
チル化度)は、45.0乃至62.5%であることが好
ましく、55.0乃至61.0%であることがさらに好
ましい。
【0011】[赤外線吸収剤]本発明では、各波長にお
けるレターデーション値を調整するため、赤外線吸収剤
をポリマーフイルムに添加する。赤外線吸収剤は、ポリ
マー100重量部に対して、0.01乃至5重量部の範
囲で使用することが好ましく、0.02乃至2重量部の
範囲で使用することがより好ましく、0.05乃至1重
量部の範囲で使用することがさらに好ましく、0.1乃
至0.5重量部の範囲で使用することが最も好ましい。
二種類以上の赤外線吸収剤を併用してもよい。赤外線吸
収剤は、750乃至1100nmの波長領域に最大吸収
を有することが好ましく、800乃至1000nmの波
長領域に最大吸収を有することがさらに好ましい。赤外
線吸収剤は、可視領域に実質的に吸収を有していないこ
とが好ましい。赤外線吸収剤としては、赤外線吸収染料
または赤外線吸収顔料を用いることが好ましく、赤外線
吸収染料を用いることが特に好ましい。赤外線吸収染料
には、有機化合物と無機化合物が含まれる。有機化合物
である赤外線吸収染料を用いることが好ましい。有機赤
外線吸収染料には、シアニン化合物、金属キレート化合
物、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、キノン化
合物、スクアリリウム化合物およびメチン化合物が含ま
れる。赤外線吸収染料については、色材、61〔4〕2
15−226(1988)、および化学工業、43−5
3(1986、5月)に記載がある。
【0012】赤外線吸収機能あるいは吸収スペクトルの
観点で染料の種類を検討すると、ハロゲン化銀写真感光
材料の技術分野で開発された赤外線吸収染料が優れてい
る。ハロゲン化銀写真感光材料の技術分野で開発された
赤外線吸収染料には、ジヒドロペリミジンスクアリリウ
ム染料(米国特許5380635号明細書および特願平
8−189817号明細書記載)、シアニン染料(特開
昭62−123454号、同3−138640号、同3
−211542号、同3−226736号、同5−31
3305号、同6−43583号の各公報、特願平7−
269097号明細書および欧州特許0430244号
明細書記載)、ピリリウム染料(特開平3−13864
0号、同3−211542号の各公報記載)、ジイモニ
ウム染料(特開平3−138640号、同3−2115
42号の各公報記載)、ピラゾロピリドン染料(特開平
2−282244号記載)、インドアニリン染料(特開
平5−323500号、同5−323501号の各公報
記載)、ポリメチン染料(特開平3−26765号、同
4−190343号の各公報および欧州特許37796
1号明細書記載)、オキソノール染料(特開平3−93
46号明細書記載)、アントラキノン染料(特開平4−
13654号明細書記載)、ナフタロシアニン色素(米
国特許5009989号明細書記載)およびナフトラク
タム染料(欧州特許568267号明細書記載)が含ま
れる。
【0013】特に好ましい赤外線吸収染料は、式(I)
で表されるシアニン染料、式(III)で表されるジヒドロ
ペリミジンスクアリリウム染料、式(IV)で表されるナ
フトオキサジニンスクアリリウム染料、式(V)で表さ
れるジイモニウム染料および式(VI)で表されるポリメ
チン染料である。
【0014】
【化1】
【0015】式中、Z1 およびZ2 は、それぞれ縮環し
てもよい5員または6員の含窒素複素環を形成する非金
属原子群であり;R1 およびR2 は、それぞれアルキル
基、アルケニル基またはアラルキル基であり;Lは5、
7、9または11個のメチン基が二重結合が共役するよ
うに結合している連結基であり;a、bおよびcは、そ
れぞれ0または1であり;そして、Xはアニオンであ
る。式(I)において、Z1 およびZ2 は、それぞれ縮
環してもよい5員または6員の含窒素複素環を形成する
非金属原子群である。含窒素複素環およびその縮環の例
には、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾオ
キサゾール環、ナフトオキサゾール環、チアゾール環、
ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニ
ン環、ベンゾインドレニン環、イミダゾール環、ベンゾ
イミダゾール環、ナフトイミダゾール環、キノリン環、
ピリジン環、ピロロピリジン環、フロピロール環、イン
ドリジン環、イミダゾキノキサリン環およびキノキサリ
ン環が含まれる。含窒素複素環は、6員環よりも5員環
の方が好ましい。5員の含窒素複素環にベンゼン環また
はナフタレン環が縮合しているものがさらに好ましい。
インドレニン環およびベンゾインドレニン環が最も好ま
しい。
【0016】含窒素複素環およびそれに縮合している環
は、置換基を有してもよい。置換基の例には、炭素原子
数が10以下、好ましくは6以下のアルキル基(例、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチ
ル、ヘキシル)、炭素原子数が10以下、好ましくは6
以下のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、炭素
原子数が20以下、好ましくは12以下のアリールオキ
シ基(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロ
ゲン原子(Cl、Br、F)、炭素原子数が10以下、
好ましくは6以下のアルコキシカルボニル基(例、エト
キシカルボニル)、シアノ、ニトロおよびカルボキシル
が含まれる。カルボキシルはカチオンと塩を形成しても
よい。また、カルボキシルが、N+ と分子内塩を形成し
てもよい。好ましい置換基は、塩素原子(Cl)、メト
キシ、メチルおよびカルボキシルである。なお、含窒素
複素環がカルボキシルにより置換されると、固体微粒子
状に分散する場合、最大吸収波長の長波長側への移行が
顕著である。一方、カルボキシルのない化合物は、最大
吸収波長の長波長側への移行を促進するため、固体微粒
子の調製における分散時間を長くすることが好ましい。
また、カルボキシルのない化合物としては、後述する式
(Ic)で表わされる化合物が特に好ましい。
【0017】式(I)において、R1 およびR2 は、そ
れぞれアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基で
ある。アルキル基が好ましく、無置換のアルキル基がさ
らに好ましい。アルキル基の炭素原子数は、1乃至10
であることが好ましく、1乃至6であることがさらに好
ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、イソブチル、ペンチルおよびヘキシルが含
まれる。アルキル基は置換基を有してもよい。置換基の
例には、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、炭素原子数
が10以下、好ましくは6以下のアルコキシカルボニル
基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)お
よびヒドロキシルが含まれる。アルケニル基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましく、2乃至6であ
ることがさらに好ましい。アルケニル基の例には、2−
ペンテニル、ビニル、アリル、2−ブテニルおよび1−
プロペニルが含まれる。アルケニル基は置換基を有して
もよい。置換基の例には、ハロゲン原子(Cl、Br、
F)、炭素原子数が10以下、好ましくは6以下のアル
コキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル)およびヒドロキシルが含まれる。アラル
キル基の炭素原子数は、7乃至12であることが好まし
い。アラルキル基の例には、ベンジルおよびフェネチル
が含まれる。アラルキル基は置換基を有してもよい。置
換基の例には、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、炭素
原子数が10以下、好ましくは6以下のアルキル基
(例、メチル)および炭素原子数が10以下、好ましく
は6以下のアルコキシ基(例、メトキシ)が含まれる。
【0018】式(I)において、Lは5、7、9または
11個のメチン基が二重結合が共役するように結合して
いる連結基である。メチン基の数は、5個(ペンタメチ
ン化合物)、7個(ヘプタメチン化合物)または9個
(ノナメチン化合物)であることが好ましく、7個また
は9個であることがさらに好ましく、7個であることが
最も好ましい。メチン基は置換基を有してもよい。ただ
し、置換基を有するメチン基は、中央の(メソ位の)メ
チン基であることが好ましい。メチン基の置換基につい
ては、下記式L5(ペンタメチン)、L7(ヘプタメチ
ン)およびL9(ノナメチン)を引用して説明する。
【0019】
【化2】
【0020】式中、R9 は、水素原子、アルキル基、ハ
ロゲン原子、アリール基、−NR1415(R14はアルキ
ル基またはアリール基であり、R15は水素原子、アルキ
ル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基またはアシル基であるか、R14とR15とが結
合して5員または6員の含窒素複素環を形成する)、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基またはア
リールオキシ基であり;R10およびR11は、水素原子で
あるか、互いに結合して5員または6員環を形成する;
そしてR12およびR13は、それぞれ水素原子またはアル
キル基である。R9 は、−NR1415であることが好ま
しい。R14とR15の少なくとも一方ががフェニルである
ことが特に好ましい。R10とR11とが互いに結合して5
員または6員環を形成することが好ましい。R9 が水素
原子である場合は、環を形成することが特に好ましい。
10とR11とが形成する環の例としては、シクロペンテ
ン環およびシクロヘキセン環を挙げることができる。R
10とR11とが形成する環は、置換基を有していてもよ
い。置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含
まれる。
【0021】上記アルキル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましく、1乃至6であることがさらに
好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、イソブチル、ペンチルおよびヘキシルが
含まれる。アルキル基は置換基を有してもよい。置換基
の例には、ハロゲン原子(Cl、Br、F)、炭素原子
数が10以下、好ましくは6以下のアルコキシカルボニ
ル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)
およびヒドロキシルが含まれる。上記ハロゲン原子の例
には、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が含まれ
る。上記アリール基の炭素原子数は、6乃至12である
ことが好ましい。アリール基の例には、フェニルおよび
ナフチルが含まれる。アリール基は置換基を有してもよ
い。置換基の例には、炭素原子数が10以下、好ましく
は6以下のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル)、炭素
原子数が10以下、好ましくは6以下のアルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ)、炭素原子数が20以下、
好ましくは12以下のアリールオキシ基(例、フェノキ
シ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(Cl、B
r、F)、炭素原子数が10以下、好ましくは6以下の
アルコキシカルボニル基(例、エトキシカルボニル)、
シアノ、ニトロおよびカルボキシルが含まれる。
【0022】上記アルキルスルホニル基の炭素原子数は
1乃至10であることが好ましい。アルキルスルホニル
基の例には、メシルおよびエタンスルホニルが含まれ
る。上記アリールスルホニル基の炭素原子数は6乃至1
0であることが好ましい。アリールスルホニル基の例に
は、トシルおよびベンゼンスルホニルが含まれる。上記
アシル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ま
しい。アシル基の例には、アセチル、プロピオニルおよ
びベンゾイルが含まれる。R14とR15とが結合して形成
する含窒素複素環の例には、ピペリジン環、モルホリン
環、ピペラジン環が含まれる。含窒素複素環は、置換基
を有してもよい。置換基の例には、アルキル基(例、メ
チル)、アリール基(例、フェニル)およびアルコキシ
カルボニル基(例、エトキシカルボニル)が含まれる。
【0023】式(I)において、a、bおよびcは、そ
れぞれ0または1である。aおよびbは、0である方が
好ましい。cは一般に1である。ただし、カルボキシル
のようなアニオン性置換基がN+ と分子内塩を形成する
場合は、cは0になる。式(I)において、Xはアニオ
ンである。アニオンの例としては、ハライドイオン(C
- 、Br- 、I- )、p−トルエンスルホン酸イオ
ン、エチル硫酸イオン、PF6-、BF4-およびClO4-
を挙げることができる。さらに好ましいヘプタメチンシ
アニン染料を下記式(Ib)で表す。
【0024】
【化3】
【0025】式中、Z3 およびZ4 のベンゼン環には、
さらに別のベンゼン環が縮合してもよい;R3 およびR
4 は、それぞれアルキル基、アラルキル基またはアルケ
ニル基であり;R5 、R6 、R7 およびR8 は、それぞ
れアルキル基であるか、あるいはR5 とR6 またはR7
とR8 とが互いに結合して環を形成する;R9 は、水素
原子、アルキル基、ハロゲン原子、アリール基、−NR
1415(R14はアルキル基またはアリール基であり、R
15は水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルスル
ホニル基、アリールスルホニル基またはアシル基である
か、R14とR15とが結合して5員または6員の含窒素複
素環を形成する)、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アルコキシ基またはアリールオキシ基であり;R10およ
びR11は、水素原子であるか、互いに結合して5員また
は6員環を形成する;Xはアニオンであり;そして、c
は0または1である。
【0026】Z3 およびZ4 のベンゼン環およびそれに
縮合している他のベンゼン環は置換基を有してもよい。
置換基の例は、Z1 およびZ2 の置換基と同様である。
3 およびR4 は、式(I)のR1 およびR2 と同様の
定義を有する。R5 、R6 、R7 およびR8 のアルキル
基は、式(I)のR1 およびR2 におけるアルキル基と
同様である。R5 とR6 またはR7 とR8 とが互いに結
合して形成する環の例としては、シクロヘキサン環を挙
げることができる。R9 、R10およびR11は、式(L
7)のR9 、R10およびR11と同様の定義を有する。X
およびcは、式(I)のXおよびcと同様の定義を有す
る。最も好ましいヘプタメチンシアニン染料を下記式
(Ic)で表す。
【0027】
【化4】
【0028】式中、Z3 およびZ4 のベンゼン環には、
さらに別のベンゼン環が縮合してもよい;R3 およびR
4 は、それぞれアルキル基、アラルキル基またはアルケ
ニル基であり;R5 、R6 、R7 およびR8 は、それぞ
れアルキル基であるか、あるいはR5 とR6 またはR7
とR8 とが互いに結合して環を形成する;R16およびR
17は、それぞれアルキル基またはアリール基であり;X
はアニオンであり;そして、cは0または1である。Z
3 およびZ4 のベンゼン環およびそれに縮合している他
のベンゼン環は置換基を有してもよい。置換基の例は、
1 およびZ2 の置換基と同様である。R3 およびR4
は、式(I)のR1 およびR2 と同様の定義を有する。
5 、R6 、R7 およびR8 のアルキル基は、式(I)
のR1 およびR2 におけるアルキル基と同様である。R
5 とR6 またはR7 とR8 とが互いに結合して形成する
環の例としては、シクロヘキサン環を挙げることができ
る。R16およびR17のアルキル基は、式(I)のR1
よびR2 におけるアルキル基と同様である。R16および
17のアリール基は、式(L5)〜(L9)におけるア
リール基と同様である。Xおよびcは、式(I)のXお
よびcと同様の定義を有する。以下、式(I)で表わさ
れるシアニン染料の例を示す。
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】
【化25】
【0050】
【化26】
【0051】
【化27】
【0052】
【化28】
【0053】
【化29】
【0054】
【化30】
【0055】
【化31】
【0056】
【化32】
【0057】
【化33】
【0058】
【化34】
【0059】
【化35】
【0060】
【化36】
【0061】
【化37】
【0062】以上のシアニン染料は、特開昭62−12
3252号、特開平3−226736号、同5−313
305号、同6−43583号の各公報、特願平7−2
69097号明細書、欧州特許0430244A号明細
書に記載の方法を参考にして合成することができる。
【0063】以上のシアニン染料をレーキ化し、レーキ
シアニン染料として用いてもよい。好ましいレーキシア
ニン染料を下記式(II)で表わす。
【0064】
【化38】
【0065】式(II)において、Dは下記式(Ia)で
表わされるシアニン染料の骨格である。
【0066】
【化39】
【0067】式(Ia)において、Z1 およびZ2 は、
それぞれ縮環してもよい5員または6員の含窒素複素環
を形成する非金属原子群であり、R1 およびR2 は、そ
れぞれアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基で
あり、Lは5、7または9個のメチン基が二重結合が共
役するように結合している連結基であり、そして、aお
よびbは、それぞれ0または1である。以上のZ1 、Z
2 、R1 、R2 、L、aおよびbは、式(I)における
1 、Z2 、R1 、R2 、L、aおよびbと同様の定義
を有する。
【0068】式(II)において、AはDに置換基として
結合しているアニオン性解離基である。アニオン性解離
性基の例としては、カルボキシル、スルホ、フェノール
性ヒドロキシル、スルホンアミド基、スルファモイル、
ホスホノを挙げることができる。カルボキシル、スルホ
およびスルホンアミド基が好ましい。カルボキシルが特
に好ましい。式(II)において、Yはシアニン染料をレ
ーキ化するカチオンである。無機のカチオンの例には、
アルカリ土類金属イオン(例、Mg2+、Ca2+、B
2+、Sr2+)、遷移金属イオン(例、Ag+ 、Z
2+)やその他の金属イオン(例、Al3+)が含まれ
る。有機のカチオンの例には、アンモニウムイオン、ア
ミジニウムイオンおよびグアニジウムイオンが含まれ
る。有機のカチオンは、4以上の炭素原子数を有するこ
とが好ましい。二価または三価のカチオンが好ましい。
式(II)において、mは2から5の整数である。mは
2、3または4であることが好ましい。式(II)におい
て、nは電荷バランスに必要な1から5の整数である。
nは一般に1、2または3である。レーキシアニン染料
は、複塩の状態であってもよい。
【0069】
【化40】
【0070】式中、R61、R62、R63、R64、R65、R
66、R67およびR68は、それぞれ独立に、水素原子、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基またヘテロ環基であり、R61とR62、R63とR64、R
65とR66、R67とR68、R62とR63、そしてR66とR67
は、互いに結合し5または6員環を形成してもよく;R
69オよびR70は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ
カルボニル基、アミノ、アルキル置換アミノ基、アミド
基、スルホンアミド基、シアノ、ニトロまたはカルボキ
シルであり;そして、nは0乃至3の整数を表す。式(I
II)において、アルキル基の炭素原子数は、1乃至20
であることが好ましく、1乃至12であることがさらに
好ましく、1乃至8であることがさらに好ましい。アル
キル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、
へキシルおよびウンデシルが含まれる。アルキル基は分
岐を有していてもよい。アルキル基は置換基を有してい
てもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、
Br)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボ
ニル、エトキシカルボニル)、ヒドロキシ、アルコキシ
基(例、メトキシ、エトキシ、イソブトキシ)、アリー
ルオキシ基(例、フェノキシ)およびアシルオキシ基
(例、アセチルオキシ、ブチリルオキシ、ヘキシリルオ
キシ、ベンゾイルオキシ)が含まれる。
【0071】式(III)において、シクロアルキル基の例
には、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれ
る。式(III)において、アリール基の炭素原子数は、6
乃至12であることが好ましい。アリール基の例には、
フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基は置換
基を有していてもよい。置換基の例には、炭素原子数が
1乃至8のアルキル基(例、メチル、エチル、ブチ
ル)、炭素原子数が1乃至6のアルコキシ基(例、メト
キシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキ
シ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン原子(F、C
l、Br)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル)、アミノ、アルキル置
換アミノ基(例、メチルアミノ)、アミド基(例、アセ
トアミド)、スルホンアミド基(例、メタンスルホンア
ミド)、シアノ、ニトロおよびカルボキシルが含まれ
る。式(III)において、アラルキル基の炭素原子数は、
7乃至12であることが好ましい。アラルキル基の例に
は、ベンジルおよびフェネチルが含まれる。アラルキル
基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、炭
素原子数が1乃至8のアルキル基(例、メチル)、炭素
原子数が1乃至6のアルコキシ基(例、メトキシ)およ
びハロゲン原子(例、Cl)が含まれる。
【0072】式(III)において、ヘテロ環基の例には、
チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジルお
よびインドリルが含まれる。式(III)において、アルコ
キシ基の炭素原子数は、1乃至6であることが好まし
い。アルコキシ基の例には、メトキシおよびエトキシが
含まれる。式(III)において、アリールオキシ基は、置
換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原
子(例、Cl)が含まれる。アリールオキシ基の例に
は、フェノキシおよびp−クロロフェノキシが含まれ
る。式(III)において、アルコキシカルボニル基の例に
は、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含
まれる。式(III)において、アルキル置換アミノ基の例
には、メチルアミノが含まれる。式(III)において、ア
ミド基の例には、アセトアミドが含まれる。式(III)に
おいて、スルホンアミド基の例には、メタンスルホンア
ミドが含まれる。
【0073】R61とR62、R63とR64、R65とR66、R
67とR68、R62とR63、R66とR67が互いに結合して形
成する環の例には、シクロペンタン環およびシクロヘキ
サン環が含まれる。スクアリン環がジヒドロペリミジン
環に結合する位置は、ジヒドロペリミジン環のベンゼン
環に窒素原子が結合している位置に対して、オルト位ま
たはパラ位であることが好ましく、オルト位であること
がさらに好ましい。以下に、式(III)で表わされるジヒ
ドロペリミジンスクアリリウム染料の具体例を示す。
【0074】
【化41】
【0075】
【化42】
【0076】
【化43】
【0077】
【化44】
【0078】
【化45】
【0079】
【化46】
【0080】
【化47】
【0081】式(III)で表わされるジヒドロペリミジン
スクアリリウム染料は、米国特許5380635号明細
書に記載の合成方法を参照して合成することができる。
【0082】
【化48】
【0083】式中、R81、R82、R83、R84、R85およ
びR86は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテ
ロ環基であり、R81とR82、そしてR84とR85は、互い
に結合し5または6員環を形成してもよく、R87および
88は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニ
ル基、アミノ、アルキル置換アミノ基、アミド基、スル
ホンアミド基、シアノ、ニトロまたはカルボキシルであ
り;そして、nは0乃至3の整数を表す。式(IV)にお
いて、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アルキ
ル置換アミノ基、アミド基およびスルホンアミド基は、
式(III)と同様の定義を有する。式(IV)において、R
81とR82およびR84とR85が互いに結合して形成する環
の例には、シクロペンタン環およびシクロヘキサン環が
含まれる。スクアリン環がナフトオキサジニン環に結合
する位置は、ナフトオキサジニン環のベンゼン環に窒素
原子が結合している位置に対して、オルト位またはパラ
位であることが好ましく、オルト位であることがさらに
好ましい。以下に、式(IV)で表わされるナフトオキサ
ジニンスクアリリウム染料の具体例を示す。
【0084】
【化49】
【0085】
【化50】
【0086】
【化51】
【0087】式中、R91、R92、R93、R94、R95、R
96、R97およびR98ハ、ソレソ゛レ独立ニ、水素原子、アルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基マタハアラルキル基テ゛アリ;R99、R100 、R101
よびR102 は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカ
ルボニル基、アミノ、アルキル置換アミノ基、アミド
基、スルホンアミド基、シアノ、ニトロまたはカルボキ
シルであり;あるいは、R91とR92、R93とR94、R95
とR96、R97とR98、R91とR99、R92とR99、R93
100 、R94とR100 、R95とR101 、R96とR101
97とR102 またはR98とR102 は、互いに結合して5
または6員環を形成してもよい;nは0乃至3の整数で
あり;Xは分子内の電荷を中和するに必要なアニオンま
たはカチオンであり;そして、mは0乃至6の整数であ
る。
【0088】式(V)において、アルキル基の炭素原子
数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至12で
あることがさらに好ましく、1乃至8であることがさら
に好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、へキシルおよびウンデシルが含まれ
る。アルキル基は分岐を有していてもよい。アルキル基
は置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲ
ン原子(F、Cl、Br)、アルコキシカルボニル基
(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、ヒ
ドロキシ、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、イ
ソブトキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、
アシルオキシ基(例、アセチルオキシ、ブチリルオキ
シ、ヘキシリルオキシ、ベンゾイルオキシ)、カルボキ
シルおよびスルホが含まれる。式(V)において、シク
ロアルキル基の例には、シクロペンチルおよびシクロヘ
キシルが含まれる。式(V)において、アリール基の炭
素原子数は、6乃至12であることが好ましい。アリー
ル基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。ア
リール基は置換基を有していてもよい。置換基の例に
は、炭素原子数が1乃至8のアルキル基(例、メチル、
エチル、ブチル)、炭素原子数が1乃至6のアルコキシ
基(例、メトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基
(例、フェノキシ、p−クロロフェノキシ)、ハロゲン
原子(F、Cl、Br)、アルコキシカルボニル基
(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、ア
ミノ、アルキル置換アミノ基(例、メチルアミノ)、ア
ミド基(例、アセトアミド)、スルホンアミド基(例、
メタンスルホンアミド)、シアノ、ニトロ、カルボキシ
ルおよびスルホが含まれる。
【0089】式(V)において、アラルキル基の炭素原
子数は、7乃至12であることが好ましい。アラルキル
基の例には、ベンジルおよびフェネチルが含まれる。ア
ラルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基の例
には、炭素原子数が1乃至8のアルキル基(例、メチ
ル)、炭素原子数が1乃至6のアルコキシ基(例、メト
キシ)、ハロゲン原子(例、Cl)、カルボキシルおよ
びスルホが含まれる。式(V)において、ヘテロ環基の
例には、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、ピ
リジルおよびインドリルが含まれる。式(V)におい
て、アルコキシ基の炭素原子数は、1乃至6であること
が好ましい。アルコキシ基の例には、メトキシおよびエ
トキシが含まれる。式(V)において、アリールオキシ
基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハ
ロゲン原子(例、Cl)が含まれる。アリールオキシ基
の例には、フェノキシおよびp−クロロフェノキシが含
まれる。式(V)において、アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。式(V)において、アルキル置換アミノ基
の例には、メチルアミノが含まれる。式(V)におい
て、アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。式
(V)において、スルホンアミド基の例には、メタンス
ルホンアミドが含まれる。
【0090】式(V)において、R91とR92、R93とR
94、R95とR96またはR97とR98が互いに結合して形成
する環の例には、ピペラジン環、ピペリジン環、モルホ
リン環およびピロリジン環が含まれる。R91とR99、R
92とR99、R93とR100 、R 94とR100 、R95
101 、R96とR101 、R97とR102 またはR98とR
102 が互いに結合して形成する環の例には、ジュロリジ
ン環およびテトラヒドロキノリン環が含まれる。R99
100 、R101 またはR102 が、R91、R92、R93、R
94、R95、R96、R97またはR98と結合して環を形成す
る場合、R99、R100 、R101 またはR102 の位置は、
91、R92、R93、R94、R95、R96、R97またはR98
の位置と隣接していることが好ましい。式(V)におい
て、Xで表されるアニオンの例には、ハライドイオン
(Cl-、Br- 、I- )、p−トルエンスルホン酸イ
オン、エチル硫酸イオン、PF6-、BF4-およびClO
4-が含まれる。化合物が、分子内に2個のカルボキシル
基またはスルホ基を有する場合、mは0である。化合物
が、分子内に3個以上のカルボキシル基またはスルホ基
を有する場合はカチオンが必要になる。カチオンの例に
は、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリ
ウムイオン、リチウムイオン)、アンモニウムイオン
(例、トリエチルアンモニウムイオン)およびピリジニ
ウムイオンが含まれる。以下に、式(V)で表わされる
ジイモニウム染料の具体例を示す。
【0091】
【化52】
【0092】式(V)で表わされるジイモニウム染料
は、特公昭43−25335号公報に記載の合成方法を
参照して合成することができる。
【0093】
【化53】
【0094】式中、R110 、R111 、R112 、R113
114 、R115 、R116 およびR11 7 は、それぞれ独立
に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基またはアラルキル基であり;R118 、R119 、R
120 およびR121 は、それぞれ独立に、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルコ
キシカルボニル基、アミノ、アルキル置換アミノ基、ア
ミド基、スルホンアミド基、シアノ、ニトロまたはカル
ボキシルであり;あるいは、R110 とR111 、R 112
113 、R114 とR115 、R116 とR117 、R110 とR
118 、R111 とR 118 、R112 とR119 、R113 とR
119 、R114 とR120 、R115 とR120 、R 116 とR
121 またはR117 とR121 は、互いに結合して5または
6員環を形成してもよい;L14は、トリメチンまたはペ
ンタメチンである;nは0乃至3の整数であり;Xは分
子内の電荷を中和するに必要なアニオンまたはカチオン
であり;そして、mは0乃至6の整数である。式(VI)
において、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アルキル置換
アミノ基、アミド基およびスルホンアミド基は、式
(V)と同様の定義を有する。
【0095】式(VI)において、R110 とR111 、R
112 とR113 、R114 とR115 またはR116 とR117
互いに結合して形成する環の例には、ピペラジン環、ピ
ペリジン環、モルホリン環およびピロリジン環が含まれ
る。R110 とR118 、R111 とR118 、R112
119 、R113 とR119 、R114 とR120 、R115 とR
120 、R116 とR121 またはR117 とR121 が互いに結
合して形成する環の例には、ジュロジン環およびテトラ
ヒドロキノリン環が含まれる。R118 、R119 、R120
またはR121 が、R110 、R111 、R112 、R113 、R
114 、R115 、R116 またはR117 と結合して環を形成
する場合、R118 、R119 、R120 またはR121の位置
は、R110 、R111 、R112 、R113 、R114
115 、R116 またはR 117 の位置と隣接していること
が好ましい。L14のメチンは置換基を有していてもよ
い。L14のメチンの置換基は、式(I)のメチン(L)
の置換基と同様である。式(VI)において、Xおよびm
は、式(V)と同様の定義を有する。以下に、式(VI)
で表わされるポリメチン染料の具体例を示す。
【0096】
【化54】
【0097】
【化55】
【0098】式(VI)で表わされるポリメチン染料は、
J.Am.Chem.Soc,80 3772-3777(1958)に記載の合成方法
を参照して合成することができる。
【0099】[紫外線吸収剤]各波長におけるレターデ
ーション値を調整するため、赤外線吸収剤に加えて、紫
外線吸収剤をポリマーフイルムに添加してもよい。紫外
線吸収剤は、ポリマー100重量部に対して、0.05
乃至20重量部の範囲で使用することが好ましく、0.
1乃至10重量部の範囲で使用することがより好まし
く、0.2乃至5重量部の範囲で使用することがさらに
好ましく、0.5乃至2重量部の範囲で使用することが
最も好ましい。二種類以上の紫外線吸収剤を併用しても
よい。紫外線吸収剤は、250乃至400nmの波長領
域に最大吸収を有することが好ましい。紫外線吸収剤
は、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ま
しい。
【0100】紫外線吸収剤としては、少なくとも二つの
芳香族環を有する化合物を用いることが好ましい。本明
細書において、「芳香族環」は、芳香族炭化水素環に加
えて、芳香族性ヘテロ環を含む。芳香族炭化水素環は、
6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ま
しい。芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環であ
る。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環
であることが好ましく、5員環または6員環であること
がさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の
二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸
素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ま
しい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェ
ン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール
環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール
環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラ
ン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラ
ジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれる。芳
香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン
環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミ
ダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン
環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が好ま
しい。
【0101】紫外線吸収剤が有する芳香族環の数は、2
乃至20であることが好ましく、2乃至12であること
がより好ましく、2乃至8であることがさらに好まし
く、2乃至6であることが最も好ましい。二つの芳香族
環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)
単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合
する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は
形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれ
でもよい。
【0102】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、ナフタセン
環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベン
ゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベ
ンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミ
ダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダ
ゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、
キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサ
リン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール
環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン
環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイ
ン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれ
る。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾ
オキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾ
ール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ま
しい。 (b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合
であることが好ましい。二以上の単結合で二つの芳香族
環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環または非
芳香族性複素環を形成してもよい。
【0103】(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO
−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−
CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0104】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シア
ノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファ
モイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル
基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族
置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換
スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香
族性複素環基が含まれる。
【0105】アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であ
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0106】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0107】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。、脂
肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含
まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の
例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド
およびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族
置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。紫外線吸収剤の分
子量は、300乃至800であることが好ましい
【0108】[ポリマーフイルムの製造]ソルベントキ
ャスト法によりポリマーフイルムを製造することが好ま
しい。ソルベントキャスト法では、ポリマーを有機溶媒
に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造す
る。有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、
炭素原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至
12のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン
化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エ
ーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有してい
てもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基
(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のい
ずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用い
ることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のよ
うな他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能
基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれ
かの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
【0109】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の
有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0110】一般的な方法でポリマー溶液を調製でき
る。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または高
温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常
のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法およ
び装置を用いて実施することができる。なお、一般的な
方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特
にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。ポリマ
ーの量は、得られる溶液中に10乃至40重量%含まれ
るように調整する。ポリマーの量は、10乃至30重量
%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中
には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
溶液は、常温(0乃至40℃)でポリマーと有機溶媒と
を攪拌することにより調製することができる。高濃度の
溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体
的には、ポリマーと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉
し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が
沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温
度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60乃至2
00℃であり、さらに好ましくは80乃至110℃であ
る。
【0111】各成分は予め粗混合してから容器に入れて
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0112】冷却溶解法により、溶液を調製することも
できる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒中にもポリマーを溶解させるこ
とができる。なお、通常の溶解方法でポリマーを溶解で
きる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な
溶液が得られるとの効果がある。冷却溶解法では最初
に、室温で有機溶媒中にポリマーを撹拌しながら徐々に
添加する。ポリマーの量は、この混合物中に10乃至4
0重量%含まれるように調整することが好ましい。ポリ
マーの量は、10乃至30重量%であることがさらに好
ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を
添加しておいてもよい。
【0113】次に、混合物を−100乃至−10℃(好
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、ポリマーと有機溶媒の混合物は固化する。冷
却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/
分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上で
あることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好まし
いが、10000℃/秒が理論的な上限であり、100
0℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が
実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始す
る時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始して
から最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値で
ある。
【0114】さらに、これを0乃至200℃(好ましく
は0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、
最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒
中にポリマーが溶解する。昇温は、室温中に放置するだ
けでもよし、温浴中で加温してもよい。加温速度は、4
℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上である
ことがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最
も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、100
00℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技
術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限
である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と
最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な
加温温度に達するまでの時間で割った値である。以上の
ようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充
分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。
溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を
観察するだけで判断することができる。
【0115】冷却溶解法においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20重量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
平均酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機
溶媒により異なる。
【0116】調製したポリマー溶液(ドープ)から、ソ
ルベントキャスト法によりポリマーフイルムを製造す
る。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を
蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固
形分量が18乃至35%となるように濃度を調整するこ
とが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態
に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法
における流延および乾燥方法については、米国特許23
36310号、同2367603号、同2492078
号、同2492977号、同2492978号、同26
07704号、同2739069号、同2739070
号、英国特許640731号、同736892号の各明
細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、
特開昭60−176834号、同60−203430
号、同62−115035号の各公報に記載がある。ド
ープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上
に流延することが好ましい。流延した2秒以上風に当て
て乾燥することが好ましい。得られたフイルムをドラム
またはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃
まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発
させることもできる。以上の方法は、特公平5−178
44号公報に記載がある。この方法によると、流延から
剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この
方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンド
の表面温度においてドープがゲル化することが必要であ
る。本発明に従い調製した溶液(ドープ)は、この条件
を満足する。
【0117】ポリマーフイルムには、機械的物性を改良
するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を
添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステ
ルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エス
テルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)
およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれ
る。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルお
よびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステ
ルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチル
フタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DB
P)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフ
タレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート
(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、
O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)および
O−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含ま
れる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン
酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジ
ブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フ
タル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、D
OP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DE
PおよびDPPが特に好ましい。可塑剤の添加量は、セ
ルロースエステルの量の0.1乃至25重量%であるこ
とが好ましく、1乃至20重量%であることがさらに好
ましく、3乃至15重量%であることが最も好ましい。
【0118】ポリマーフイルムには、劣化防止剤(例、
酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不
活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加し
てもよい。劣化防止剤については、特開平3−1992
01号、同5−1907073号、同5−194789
号、同5−271471号、同6−107854号の各
公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01乃至1重量%であることが好ま
しく、0.01乃至0.2重量%であることがさらに好
ましい。添加量が0.01重量%未満であると、劣化防
止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1重量%
を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードア
ウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好まし
い劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤につ
いては、特開平7−11056号公報に記載がある。
【0119】ポリマーフイルムは、さらに延伸処理によ
りレターデーション値を調整することが好ましい。製造
したポリマーフイルムのレターデーション値が不足する
場合は、延伸処理によりポリマーの複屈折率を上昇させ
ることができる。なお、延伸処理は、ポリマーフイルム
波長分散(広帯域性)への影響が少ないとの利点もあ
る。また、延伸処理によりポリマーフイルムの屈折率
(面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直
な方向の屈折率nyおよび厚み方向の屈折率nz)を調
整することもできる。
【0120】[円偏光板]λ/4板と直線偏光膜とを、
λ/4板の面内の遅相軸と直線偏光膜の偏光軸との角度
が実質的に45゜になるように積層すると円偏光板が得
られる。実質的に45゜とは、40乃至50゜であるこ
とを意味する。λ/4板の面内の遅相軸と直線偏光膜の
偏光軸との角度は、41乃至49゜であることが好まし
く、42乃至48゜であることがより好ましく、43乃
至47゜であることがさらに好ましく、44乃至46゜
であることが最も好ましい。直線偏光膜には、ヨウ素系
偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系
偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、
一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造す
る。直線偏光膜の偏光軸は、フイルムの延伸方向に垂直
な方向に相当する。直線偏光膜のλ/4板とは反対側の
面には、透明保護膜を設けることが好ましい。
【0121】
【実施例】[実施例1](位相差板の作製)室温におい
て、平均酢化度55.0%のセルロースアセテート12
0重量部、トリフェニルホスフェート9.36重量部、
ビフェニルジフェニルホスフェート4.68重量部、赤
外線吸収剤(501)0.30重量部、メチレンクロリ
ド543.14重量部、メタノール99.35重量部お
よびn−ブタノール19.87重量部を混合して、溶液
(ドープ)を調製した。赤外線吸収剤(501)の最大
吸収波長(ジクロロメタン溶液で測定)は、1100n
mであった。
【0122】得られたドープを、ガラス板上に流延し、
室温で1分間乾燥後、45℃で5分間乾燥した。乾燥後
の溶媒残留量は30重量%であった。セルロースアセテ
ートフイルムをガラス板から隔離し、130℃で流延方
向と平行に一軸延伸した。延伸後、そのままの状態で1
20℃にて20分間乾燥した。得られたセルロースアセ
テートフイルムの乾燥膜厚は、98μmであった。得ら
れたセルロースアセテートフイルム(位相差板)につい
て、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)
製)を用いて、波長450nm、550nmおよび59
0nmにおけるレターデーション値(Re)を測定し
た。結果を第1表に示す。
【0123】[実施例2](位相差板の作製)室温にお
いて、平均酢化度60.2%のセルロースアセテート1
20重量部、トリフェニルホスフェート9.36重量
部、ビフェニルジフェニルホスフェート4.68重量
部、赤外線吸収剤(501)0.30重量部、下記の紫
外線吸収剤1.50重量部、メチレンクロリド543.
14重量部、メタノール99.35重量部およびn−ブ
タノール19.87重量部を混合して、溶液(ドープ)
を調製した。
【0124】
【化56】
【0125】得られたドープを、ガラス板上に流延し、
室温で1分間乾燥後、45℃で5分間乾燥した。セルロ
ースアセテートフイルムをガラス板から隔離し、130
℃で流延方向と平行に一軸延伸した。延伸後、そのまま
の状態で120℃にて20分間乾燥した。得られたセル
ロースアセテートフイルムの乾燥膜厚は、100μmで
あった。得られたセルロースアセテートフイルム(位相
差板)について、エリプソメーター(M−150、日本
分光(株)製)を用いて、波長450nm、550nm
および590nmにおけるレターデーション値(Re)
を測定した。結果を第1表に示す。
【0126】[実施例3](位相差板の作製)室温にお
いて、平均酢化度59.0%のセルロースアセテート1
20重量部、トリフェニルホスフェート9.36重量
部、ビフェニルジフェニルホスフェート4.68重量
部、赤外線吸収剤(501)0.10重量部、上記の紫
外線吸収剤1.00重量部、メチレンクロリド543.
14重量部、メタノール99.35重量部およびn−ブ
タノール19.87重量部を混合して、溶液(ドープ)
を調製した。
【0127】得られたドープを、ガラス板上に流延し、
室温で1分間乾燥後、45℃で5分間乾燥した。セルロ
ースアセテートフイルムをガラス板から隔離し、130
℃で流延方向と平行に一軸延伸した。延伸後、そのまま
の状態で120℃にて20分間乾燥した。得られたセル
ロースアセテートフイルムの乾燥膜厚は、98μmであ
った。得られたセルロースアセテートフイルム(位相差
板)について、エリプソメーター(M−150、日本分
光(株)製)を用いて、波長450nm、550nmお
よび590nmにおけるレターデーション値(Re)を
測定した。結果を第1表に示す。
【0128】[比較例1](位相差板の作製)重量平均
分子量10万のポリカーボネートを塩化メチレンに溶解
して、17重量%溶液を得た。この溶液をガラス板上
に、乾燥膜厚が80μmとなるように流延し、室温で3
0分乾燥後、70℃で30分乾燥した。ポリカーボネー
トフイルムをガラス板から剥離し、158℃で4%延伸
し、ポリカーボネートの延伸複屈折フイルムを得た。得
られたポリカーボネートフイルム(位相差板)につい
て、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)
製)を用いて、波長450nm、550nmおよび59
0nmにおけるレターデーション値(Re)を測定し
た。結果を第1表に示す。
【0129】[比較例2] (位相差板の作製)赤外線吸収剤を添加しなかった以外
は、実施例1と同様にしてセルロースアセテートフイル
ムを作製した。得られたセルロースアセテートフイルム
(位相差板)について、エリプソメーター(M−15
0、日本分光(株)製)を用いて、波長450nm、5
50nmおよび590nmにおけるレターデーション値
(Re)を測定した。結果を第1表に示す。
【0130】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 赤外線 紫外線 レターデーション値(nm) 位相差板 素材 吸収剤 吸収剤 450nm 550nm 590nm ──────────────────────────────────── 実施例1 CA あり なし 123.0 137.1 140.5 実施例2 CA あり あり 121.1 137.3 148.4 実施例3 CA あり あり 119.6 137.7 141.2 比較例1 PC なし なし 147.8 137.5 134.9 比較例2 CA なし なし 127.4 137.5 139.9 ──────────────────────────────────── (註) CA:セルロースアセテート PC:ポリカーボネート
【0131】[実施例4] (円偏光板の作製)透明保護膜、直線偏光膜および実施
例1で作製した位相差板を、この順に積層して円偏光板
を得た。位相差板の遅相軸と直線偏光膜の偏光軸との角
度は、45゜に調整した。得られた円偏光板の光学的性
質を調べたところ、広い波長領域(450〜590n
m)において、ほぼ完全な円偏光が達成されていた。
【0132】[実施例5] (位相差板の作製)乾燥膜厚が200μmとなるよう
に、ドープの塗布量を変更した以外は、実施例1と同様
にしてセルロースアセテートフイルムを作製した。得ら
れたセルロースアセテートフイルム(位相差板)につい
て、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)
製)を用いて、波長450nm、550nmおよび59
0nmにおけるレターデーション値(Re)を測定した
ところ、それぞれ、246.3nm、276.2nmお
よび280.6nmであった。従って、このセルロース
アセテートフイルムは、広い波長領域でλ/2を達成し
ていた。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長450nmで測定したレターデーシ
    ョン値が100乃至125nmであり、かつ波長590
    nmで測定したレターデーション値が135乃至160
    nmである位相差板であって、赤外線吸収剤を含む一枚
    のポリマーフイルムからなることを特徴とする位相差
    板。
  2. 【請求項2】 波長450nmで測定したレターデーシ
    ョン値が108乃至117nmであり、波長550nm
    で測定したレターデーション値が133乃至142nm
    であり、かつ波長590nmで測定したレターデーショ
    ン値が143乃至152nmである請求項1に記載の位
    相差板。
  3. 【請求項3】 ポリマーフイルムが、セルロースエステ
    ルフイルムである請求項1に記載の位相差板。
  4. 【請求項4】 ポリマーフイルムが、延伸したセルロー
    スエステルフイルムである請求項3に記載の位相差板。
  5. 【請求項5】 赤外線吸収剤が、750乃至1100n
    mの波長領域に最大吸収を有する請求項1に記載の位相
    差板。
  6. 【請求項6】 ポリマーフイルムが、さらに紫外線吸収
    剤を含む請求項1に記載の位相差板。
  7. 【請求項7】 紫外線吸収剤が、250乃至400nm
    の波長領域に最大吸収を有する請求項6に記載の位相差
    板。
  8. 【請求項8】 波長450nmで測定したレターデーシ
    ョン値が100乃至125nmであり、かつ波長590
    nmで測定したレターデーション値が135乃至160
    nmである位相差板と直線偏光膜とが、位相差板の面内
    の遅相軸と直線偏光膜の偏光軸との角度が実質的に45
    ゜になるように積層されている円偏光板であって、位相
    差板が、赤外線吸収剤を含む一枚のポリマーフイルムか
    らなることを特徴とする円偏光板。
  9. 【請求項9】 波長450nmで測定したレターデーシ
    ョン値が200乃至250nmであり、かつ波長590
    nmで測定したレターデーション値が270乃至320
    nmである位相差板であって、赤外線吸収剤を含む一枚
    のポリマーフイルムからなることを特徴とする位相差
    板。
  10. 【請求項10】 波長450nmで測定したレターデー
    ション値が216乃至234nmであり、波長550n
    mで測定したレターデーション値が266乃至284n
    mであり、かつ波長590nmで測定したレターデーシ
    ョン値が286乃至304nmである請求項9に記載の
    位相差板。
  11. 【請求項11】 ポリマーフイルムが、セルロースエス
    テルフイルムである請求項9に記載の位相差板。
  12. 【請求項12】 ポリマーフイルムが、延伸したセルロ
    ースエステルフイルムである請求項11に記載の位相差
    板。
  13. 【請求項13】 赤外線吸収剤が、750乃至1100
    nmの波長領域に最大吸収を有する請求項9に記載の位
    相差板。
  14. 【請求項14】 ポリマーフイルムが、さらに紫外線吸
    収剤を含む請求項9に記載の位相差板。
  15. 【請求項15】 紫外線吸収剤が、250乃至400n
    mの波長領域に最大吸収を有する請求項14に記載の位
    相差板。
JP2000018764A 2000-01-27 2000-01-27 位相差板および円偏光板 Withdrawn JP2001208913A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000018764A JP2001208913A (ja) 2000-01-27 2000-01-27 位相差板および円偏光板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000018764A JP2001208913A (ja) 2000-01-27 2000-01-27 位相差板および円偏光板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001208913A true JP2001208913A (ja) 2001-08-03

Family

ID=18545563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000018764A Withdrawn JP2001208913A (ja) 2000-01-27 2000-01-27 位相差板および円偏光板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001208913A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002035263A1 (fr) * 2000-10-24 2002-05-02 Fuji Photo Film Co., Ltd. Plaque de polarisation comprenant un film polymere et membrane de polarisation
JP2003215337A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Fuji Photo Film Co Ltd 光学補償フィルムおよびその製造方法、円偏光板、画像表示装置
JP2004070329A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Eastman Kodak Co 液晶セル
JP2004070332A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Eastman Kodak Co Lcセル用多層補償板
US6762266B2 (en) 2001-05-10 2004-07-13 Sumitomo Chemical Company, Limited Phase retarder
WO2005054911A1 (ja) 2003-12-03 2005-06-16 Jsr Corporation 波長板
JP2006045307A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルム、及びそれを用いた偏光板
WO2006095927A1 (en) * 2005-03-11 2006-09-14 Fujifilm Corporation Cellulose acylate film, and polarizing plate and liquid-crystal display device useing the same
CN1306293C (zh) * 2002-04-19 2007-03-21 富士胶片株式会社 含有聚合物薄膜的光学补偿片
US7618715B2 (en) 2003-12-01 2009-11-17 Jsr Corporation Wavelength plate
KR101202109B1 (ko) 2004-12-03 2012-11-20 코니카 미놀타 어드밴스드 레이어즈 인코포레이티드 편광판 보호 필름, 그것을 이용한 편광판 및 액정 표시장치
JPWO2020175448A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03
WO2020175532A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 富士フイルム株式会社 延伸フィルム、円偏光板、表示装置
WO2020175535A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 富士フイルム株式会社 積層体、円偏光板、表示装置
WO2021059946A1 (ja) * 2019-09-25 2021-04-01 富士フイルム株式会社 光学異方性膜、偏光板、画像表示装置、組成物、化合物

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6859242B2 (en) 2000-10-24 2005-02-22 Fuji Photo Film Co., Ltd. Polarizing plate comprising polymer film and polarizing membrane
WO2002035263A1 (fr) * 2000-10-24 2002-05-02 Fuji Photo Film Co., Ltd. Plaque de polarisation comprenant un film polymere et membrane de polarisation
US6762266B2 (en) 2001-05-10 2004-07-13 Sumitomo Chemical Company, Limited Phase retarder
JP2003215337A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Fuji Photo Film Co Ltd 光学補償フィルムおよびその製造方法、円偏光板、画像表示装置
CN1306293C (zh) * 2002-04-19 2007-03-21 富士胶片株式会社 含有聚合物薄膜的光学补偿片
JP2004070329A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Eastman Kodak Co 液晶セル
JP2004070332A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Eastman Kodak Co Lcセル用多層補償板
JP4542756B2 (ja) * 2002-08-02 2010-09-15 日東電工株式会社 補償層を有する液晶セルおよびその製造方法
US7618715B2 (en) 2003-12-01 2009-11-17 Jsr Corporation Wavelength plate
WO2005054911A1 (ja) 2003-12-03 2005-06-16 Jsr Corporation 波長板
CN100397108C (zh) * 2003-12-03 2008-06-25 Jsr株式会社 波长板
JP2006045307A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルム、及びそれを用いた偏光板
KR101202109B1 (ko) 2004-12-03 2012-11-20 코니카 미놀타 어드밴스드 레이어즈 인코포레이티드 편광판 보호 필름, 그것을 이용한 편광판 및 액정 표시장치
JP2006282979A (ja) * 2005-03-11 2006-10-19 Fuji Photo Film Co Ltd セルロースアシレートフィルム、並びにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置
WO2006095927A1 (en) * 2005-03-11 2006-09-14 Fujifilm Corporation Cellulose acylate film, and polarizing plate and liquid-crystal display device useing the same
JPWO2020175535A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03
WO2020175532A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 富士フイルム株式会社 延伸フィルム、円偏光板、表示装置
WO2020175535A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 富士フイルム株式会社 積層体、円偏光板、表示装置
JPWO2020175448A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03
WO2020175448A1 (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 富士フイルム株式会社 光学異方性膜、積層体、円偏光板、表示装置
JPWO2020175532A1 (ja) * 2019-02-27 2021-12-23 富士フイルム株式会社 延伸フィルム、円偏光板、表示装置
JP7171886B2 (ja) 2019-02-27 2022-11-15 富士フイルム株式会社 積層体、円偏光板、表示装置
JP7192085B2 (ja) 2019-02-27 2022-12-19 富士フイルム株式会社 光学異方性膜、積層体、円偏光板、表示装置
WO2021059946A1 (ja) * 2019-09-25 2021-04-01 富士フイルム株式会社 光学異方性膜、偏光板、画像表示装置、組成物、化合物
JPWO2021059946A1 (ja) * 2019-09-25 2021-04-01
JP7273985B2 (ja) 2019-09-25 2023-05-15 富士フイルム株式会社 光学異方性膜、偏光板、画像表示装置、組成物、化合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4605908B2 (ja) 芳香族化合物を含む一枚のセルロースエステルフイルムからなる位相差板
JP2001208913A (ja) 位相差板および円偏光板
US8017199B2 (en) Cellulose acylate film, process for producing cellulose acylate film, polarizing plate and liquid crystal display device
JP5221980B2 (ja) 液晶組成物、位相差板、液晶表示装置、及び位相差板の製造方法
JP2002022944A (ja) 円偏光板およびその製造方法
JP4583648B2 (ja) レターデーション制御剤
WO2000055657A1 (fr) Polariseur elliptique forme d'une couche protectrice transparente, d'une couche polarisante, d'un support transparent et d'une couche anisotrope optique de molecules de cristaux liquides
CN105143934B (zh) 光学膜、圆偏振片及有机电致发光显示装置
JP2001249223A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP4163825B2 (ja) 位相差板の製造方法
JPH09316127A (ja) エステル置換ポリビニルアルコールの製造方法およびそれを用いた薄膜
JP2002267844A (ja) 位相差フイルムロール及びその製造方法
JPWO2002035263A1 (ja) ポリマーフイルムと偏光膜とからなる偏光板
JP2002071949A (ja) 光学補償シート、偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
TWI403754B (zh) 光學薄膜、偏光板及液晶顯像裝置
JP2002156527A (ja) 光学補償フイルム、およびそれを用いた偏光板と液晶表示装置
JP2002082226A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP2001100039A (ja) セルロースエステルフイルム、光学補償シートおよび楕円偏光板
JP3896404B2 (ja) セルロースエステルフイルム用添加剤およびセルロースエステルフイルム
JP2002022945A (ja) 楕円偏光板、その製造方法、およびそれを用いた反射型stn液晶表示装置
JP2002267847A (ja) 位相差板、円偏光板および反射型液晶表示装置
JP2001253971A (ja) セルロースアセテートフイルム、位相差板および円偏光板
JP2002090544A (ja) 位相差板および円偏光板
JP2002098832A (ja) 光学補償シート、偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
JP2006195140A (ja) 光学補償シート、偏光板、及び液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070403