JP2002022944A - 円偏光板およびその製造方法 - Google Patents

円偏光板およびその製造方法

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JP2002022944A JP2000205711A JP2000205711A JP2002022944A JP 2002022944 A JP2002022944 A JP 2002022944A JP 2000205711 A JP2000205711 A JP 2000205711A JP 2000205711 A JP2000205711 A JP 2000205711A JP 2002022944 A JP2002022944 A JP 2002022944A
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polarizing plate
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Yoji Ito
洋士 伊藤
Hiroaki Sata
博暁 佐多
Ichiro Amimori
一郎 網盛
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い波長領域でλ/4を達成できる一枚のポ
リマーフイルムを用いて生産性が優れた円偏光板を得
る。 【解決手段】 波長450nmで測定したレターデーシ
ョン値(Re450)が100乃至125nmであり、
波長590nmで測定したレターデーション値(Re5
90)が120乃至160nmであり、Re590−R
e450≧2nmの関係を満足する一枚のポリマーフイ
ルムからなるλ/4板と直線偏光膜とを、λ/4板の面
内の遅相軸と直線偏光膜の透過軸との角度が実質的に4
5゜になるように積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、λ/4板と直線偏
光膜とを積層した円偏光板およびその製造方法に関す
る。特に本発明は、液晶表示装置において有効に使用で
きる円偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】λ/4板は、反射防止膜や液晶表示装置
に関連する多くの用途を有しており、既に実際に使用さ
れている。特にλ/4板は、直線偏光膜と組み合わせて
円偏光板として使用する場合が多い。λ/4板と直線偏
光膜とを、λ/4板の面内の遅相軸と直線偏光膜の透過
軸との角度が実質的に45゜になるように積層すれば、
円偏光板が得られる。しかし、従来のλ/4板は、λ/
4板と称していても、特定波長でのみλ/4を達成して
いるものが大部分であった。そのようなλ/4板を用い
た円偏光板では、特定波長でしか円偏光が得られない。
【0003】特開平5−27118号および同5−27
119号の各公報には、レターデーションが大きい複屈
折性フイルムと、レターデーションが小さい複屈折率フ
イルムとを、それらの光軸が直交するように積層させた
位相差板が開示されている。二枚のフイルムのレターデ
ーションの差が可視光域の全体にわたりλ/4であれ
ば、位相差板は理論的には、可視光域の全体にわたりλ
/4板として機能する。特開平10−68816号公報
に、特定波長においてλ/4となっているポリマーフイ
ルムと、それと同一材料からなり同じ波長においてλ/
2となっているポリマーフイルムとを積層させて、広い
波長領域でλ/4が得られる位相差板が開示されてい
る。特開平10−90521号公報にも、二枚のポリマ
ーフイルムを積層することにより広い波長領域でλ/4
を達成できる位相差板が開示されている。以上のポリマ
ーフイルムとしては、ポリカーボネートのような合成ポ
リマーの延伸フイルムが使用されていた。特開2000
−137116号公報および国際特許出願WO00/2
6705号明細書には、一枚のポリマーフイルムで測定
波長が短いほど位相差が小さくなる位相差板、円偏光
板、および反射型液晶表示装置への適応に関しての記載
がある。このフイルムを一枚使用した反射型液晶表示装
置は、ある程度のコントラストは得られるものの、その
レベルは充分ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】二枚のポリマーフイル
ムを積層することにより、広い波長領域でλ/4を達成
することができる。しかし、そのためには、二枚のポリ
マーフイルムの角度を厳密に調整しながら積層する必要
がある。一枚のポリマーフイルムからなるλ/4板も提
案されている。しかし、広い波長領域でλ/4が達成さ
れている一枚のフイルムは、ほとんど存在していない。
λ/4を達成できる波長領域が狭いと、λ/4板あるい
は円偏光板の効果(例えば、液晶表示装置の視野角改善
効果)が不充分になる。また、円偏光板の作製では、λ
/4板の面内遅相軸方向と直線偏光膜の透過軸との角度
が、実質的に45度になるようにする必要がある。従来
の技術では、λ/44板または直線偏光膜を適当な角度
で打ち抜いた後、角度を厳密に調節しながら積層する必
要がある。そのような製造方法には、製品の歩留まりが
悪いとの問題がある。本発明の目的は、広い波長領域で
λ/4を達成できる一枚のポリマーフイルムを用いて生
産性が優れた円偏光板を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(8)の円偏光板および下記(9)〜(14)
の円偏光板の製造方法により達成された。 (1)波長450nmで測定したレターデーション値
(Re450)が100乃至125nmであり、波長5
90nmで測定したレターデーション値(Re590)
が120乃至160nmであり、Re590−Re45
0≧2nmの関係を満足する一枚のポリマーフイルムか
らなるλ/4板と直線偏光膜とが、λ/4板の面内の遅
相軸と直線偏光膜の透過軸との角度が実質的に45゜に
なるように積層されているロール状の円偏光板。 (2)λ/4板が、面内の遅相軸方向の屈折率nx、面
内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の
屈折率nzが、1≦(nx−nz)/(nx−ny)≦
2の関係を満足する一枚のポリマーフイルムからなる
(1)に記載の円偏光板。
【0006】(3)λ/4板が、波長450nmで測定
したレターデーション値(Re450)が108乃至1
20nmであり、波長550nmで測定したレターデー
ション値(Re550)が125乃至142nmであ
り、波長590nmで測定したレターデーション値(R
e590)が130乃至152nmであり、そして、R
e590−Re550≧2nmの関係を満足する一枚の
ポリマーフイルムからなる(1)に記載の円偏光板。 (4)λ/4板が、セルロースエステルフイルムからな
る(1)に記載の円偏光板。 (5)λ/4板が、延伸したセルロースエステルフイル
ムからなる(1)に記載の円偏光板。 (6)セルロースエステルフイルムが、少なくとも二つ
の芳香族環を有する化合物をレターデーション上昇剤と
して含む(4)に記載の円偏光板。 (7)円偏光板の長手方向と直線偏光膜の透過軸との角
度が実質的に45゜である(1)に記載の円偏光板。 (8)円偏光板の長手方向とλ/4板の遅相軸との角度
が実質的に45゜である(1)に記載の円偏光板。
【0007】(9)長手方向と透過軸との角度が実質的
に45゜であるロール状の直線偏光膜と、波長450n
mで測定したレターデーション値(Re450)が10
0乃至125nmであり、波長590nmで測定したレ
ターデーション値(Re590)が120乃至160n
mであり、Re590−Re450≧2nmの関係を満
足し、長手方向と面内の遅相軸とが実質的に平行である
一枚のロール状のポリマーフイルムからなるλ/4板と
を積層することにより、ロール状の円偏光板を製造する
ことを特徴とする円偏光板の製造方法。 (10)ロール状のポリビニルアルコールフイルムを長
手方向に対して実質的に45゜の方向に斜め延伸し、次
にヨウ素または二色性染料をポリビニルアルコールフイ
ルム吸着させることにより、長手方向と透過軸との角度
が実質的に45゜であるロール状の直線偏光膜を得る
(9)に記載の製造方法。 (11)ロール状のポリビニルアルコールフイルムを長
手方向に対して実質的に45゜の方向にラビング処理
し、次にヨウ素または二色性染料をポリビニルアルコー
ルフイルム吸着させることにより、長手方向と透過軸と
の角度が実質的に45゜であるロール状の直線偏光膜を
得る請求項9に記載の製造方法。 (12)ロール状のポリビニルアルコールフイルムにヨ
ウ素または二色性染料を含む塗布層を設け、次に長手方
向に対して実質的に45゜の方向にラビング処理するこ
とにより、長手方向と透過軸との角度が実質的に45゜
であるロール状の直線偏光膜を得る(9)に記載の製造
方法。
【0008】(13)長手方向と透過軸とが実質的に平
行であるロール状の直線偏光膜と、波長450nmで測
定したレターデーション値(Re450)が100乃至
125nmであり、波長590nmで測定したレターデ
ーション値(Re590)が120乃至160nmであ
り、Re590−Re450≧2nmの関係を満足し、
長手方向と面内の遅相軸との角度が実質的に45゜であ
る一枚のロール状のポリマーフイルムからなるλ/4板
とを積層することにより、ロール状の円偏光板を製造す
ることを特徴とする円偏光板の製造方法。 (14)ロール状のセルロースエステルフイルムを、長
手方向に対して実質的に45゜の方向に延伸処理するこ
とにより、長手方向と遅相軸との角度が実質的に45゜
であるロール状のλ/4板を得る(13)に記載の製造
方法。
【0009】
【発明の効果】本発明者は、研究の結果、ポリマーフイ
ルムの素材と製造方法を調節することにより、一枚で広
い波長領域においてλ/4を達成するポリマーフイルム
を製造することに成功した。一枚のポリマーフイルムか
らなるλ/4板は、円偏光板の製造に有利に用いること
ができる。すなわち、ロール状のλ/4板とロール状の
直線偏光膜とを、λ/4板の面内の遅相軸と直線偏光膜
の透過軸との角度が実質的に45゜になるように積層す
ることで、ロール状の円偏光板を容易に製造することが
できる。この方法ならば、複数のフイルムを、角度を厳
密に調整しながら積層する従来の製造工程が不要にな
る。そして、このようなロールtoロールによる方法な
らば、円偏光板の製造における生産性を著しく改善でき
る。
【0010】
【発明の実施の形態】[λ/4板]λ/4板は、波長4
50nmで測定したレターデーション値(Re450)
が100乃至125nmであり、かつ波長590nmで
測定したレターデーション値(Re590)が120乃
至160nmであり、そして、Re590−Re450
≧2nmの関係を満足する。Re590−Re450≧
5nmであることがさらに好ましく、Re590−Re
450≧10nmであることが最も好ましい。波長45
0nmで測定したレターデーション値(Re450)が
108乃至120nmであり、波長550nmで測定し
たレターデーション値(Re550)が125乃至14
2nmであり、波長590nmで測定したレターデーシ
ョン値(Re590)が130乃至152nmであり、
そして、Re590−Re550≧2nmの関係を満足
することが好ましい。Re590−Re550≧5nm
であることがさらに好ましく、Re590−Re550
≧10nmであることが最も好ましい。また、Re55
0−Re450≧10nmであることも好ましい。レタ
ーデーション値(Re)は、下記式に従って算出する。 レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d 式中、nxは、λ/4板の面内の遅相軸方向の屈折率
(面内の最大屈折率)であり;nyは、λ/4板の面内
の遅相軸に垂直な方向の屈折率であり;そして、dは、
λ/4板の厚さ(nm)である。
【0011】さらに、λ/4板は、下記式を満足する一
枚のポリマーフイルムからなることが好ましい。 1≦(nx−nz)/(nx−ny)≦2 式中、nxは、λ/4板の面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、λ/4板の面内の遅相軸に垂直な方向の
屈折率であり;そして、nzは、λ/4板の厚み方向の
屈折率である。λ/4板を構成する一枚のポリマーフイ
ルムの厚さは、5乃至1000μmであることが好まし
く、10乃至500μmであることがより好ましく、4
0乃至200μmであることがさらに好ましく、70乃
至120μmであることが最も好ましい。以上のような
光学的性質を有するλ/4板は、以下に述べる材料と方
法により製造することができる。
【0012】[ポリマー]ポリマーフイルムのポリマー
としては、セルロースエステルが好ましく、セルロース
の低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸と
は、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子
数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプ
ロピオネート)または4(セルロースブチレート)であ
ることが好ましい。セルロースアセテートが特に好まし
い。セルロースアセテートプロピオネートやセルロース
アセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用
いてもよい。セルロースアセテートの平均酢化度(アセ
チル化度)は、45.0乃至62.5%であることが好
ましく、55.0乃至61.0%であることがさらに好
ましく、59.0乃至60.0%であることが最も好ま
しい。
【0013】[レターデーション上昇剤]各波長におけ
るレターデーション値を調整するため、レターデーショ
ン上昇剤をポリマーフイルムに添加することができる。
レターデーション上昇剤は、ポリマー100重量部に対
して、0.05乃至20重量部の範囲で使用することが
好ましく、0.1乃至10重量部の範囲で使用すること
がより好ましく、0.2乃至5重量部の範囲で使用する
ことがさらに好ましく、0.5乃至2重量部の範囲で使
用することが最も好ましい。二種類以上のレターデーシ
ョン上昇剤を併用してもよい。レターデーション上昇剤
は、250乃至400nmの波長領域に最大吸収を有す
ることが好ましい。レターデーション上昇剤は、可視領
域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
【0014】レターデーション上昇剤としては、少なく
とも二つの芳香族環を有する化合物を用いることが好ま
しい。本明細書において、「芳香族環」は、芳香族炭化
水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。芳香族炭化
水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であること
が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘ
テロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環ま
たは7員環であることが好ましく、5員環または6員環
であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般
に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒
素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子
が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン
環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソ
オキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イ
ミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾー
ル環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジ
ン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含
まれる。芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チ
オフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール
環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピ
リミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン
環が好ましい。
【0015】レターデーション上昇剤が有する芳香族環
の数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至12
であることがより好ましく、2乃至8であることがさら
に好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。二つ
の芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場
合、(b)単結合で直結する場合および(c)連結基を
介して結合する場合に分類できる(芳香族環のため、ス
ピロ結合は形成できない)。結合関係は、(a)〜
(c)のいずれでもよい。
【0016】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、ナフタセン
環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベン
ゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベ
ンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミ
ダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダ
ゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、
キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサ
リン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール
環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン
環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイ
ン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれ
る。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾ
オキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾ
ール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ま
しい。(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間
の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの
芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環ま
たは非芳香族性複素環を形成してもよい。
【0017】(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO
−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−
CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0018】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シア
ノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファ
モイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル
基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族
置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換
スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香
族性複素環基が含まれる。
【0019】アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であ
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0020】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0021】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。、脂
肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含
まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の
例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド
およびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族
置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。レターデーション
上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ま
しい
【0022】[赤外線吸収剤]各波長におけるレターデ
ーション値を調整するため、赤外線吸収剤をポリマーフ
イルムに添加することができる。赤外線吸収剤は、ポリ
マー100重量部に対して、0.01乃至5重量部の範
囲で使用することが好ましく、0.02乃至2重量部の
範囲で使用することがより好ましく、0.05乃至1重
量部の範囲で使用することがさらに好ましく、0.1乃
至0.5重量部の範囲で使用することが最も好ましい。
二種類以上の赤外線吸収剤を併用してもよい。赤外線吸
収剤は、750乃至1100nmの波長領域に最大吸収
を有することが好ましく、800乃至1000nmの波
長領域に最大吸収を有することがさらに好ましい。赤外
線吸収剤は、可視領域に実質的に吸収を有していないこ
とが好ましい。
【0023】赤外線吸収剤としては、赤外線吸収染料ま
たは赤外線吸収顔料を用いることが好ましく、赤外線吸
収染料を用いることが特に好ましい。赤外線吸収染料に
は、有機化合物と無機化合物が含まれる。有機化合物で
ある赤外線吸収染料を用いることが好ましい。有機赤外
線吸収染料には、シアニン化合物、金属キレート化合
物、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、キノン化
合物、スクアリリウム化合物およびメチン化合物が含ま
れる。赤外線吸収染料については、色材、61〔4〕2
15−226(1988)、および化学工業、43−5
3(1986、5月)に記載がある。
【0024】赤外線吸収機能あるいは吸収スペクトルの
観点で染料の種類を検討すると、ハロゲン化銀写真感光
材料の技術分野で開発された赤外線吸収染料が優れてい
る。ハロゲン化銀写真感光材料の技術分野で開発された
赤外線吸収染料には、ジヒドロペリミジンスクアリリウ
ム染料(米国特許5380635号明細書および特願平
8−189817号明細書記載)、シアニン染料(特開
昭62−123454号、同3−138640号、同3
−211542号、同3−226736号、同5−31
3305号、同6−43583号の各公報、特願平7−
269097号明細書および欧州特許0430244号
明細書記載)、ピリリウム染料(特開平3−13864
0号、同3−211542号の各公報記載)、ジイモニ
ウム染料(特開平3−138640号、同3−2115
42号の各公報記載)、ピラゾロピリドン染料(特開平
2−282244号記載)、インドアニリン染料(特開
平5−323500号、同5−323501号の各公報
記載)、ポリメチン染料(特開平3−26765号、同
4−190343号の各公報および欧州特許37796
1号明細書記載)、オキソノール染料(特開平3−93
46号明細書記載)、アントラキノン染料(特開平4−
13654号明細書記載)、ナフタロシアニン色素(米
国特許5009989号明細書記載)およびナフトラク
タム染料(欧州特許568267号明細書記載)が含ま
れる。
【0025】[ポリマーフイルムの製造]ソルベントキ
ャスト法によりポリマーフイルムを製造することが好ま
しい。ソルベントキャスト法では、ポリマーを有機溶媒
に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造す
る。有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、
炭素原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至
12のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン
化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エ
ーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有してい
てもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基
(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のい
ずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用い
ることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のよ
うな他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能
基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれ
かの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
【0026】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の
有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0027】一般的な方法でポリマー溶液を調製でき
る。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または高
温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常
のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法およ
び装置を用いて実施することができる。なお、一般的な
方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特
にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。ポリマ
ーの量は、得られる溶液中に10乃至40重量%含まれ
るように調整する。ポリマーの量は、10乃至30重量
%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中
には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
溶液は、常温(0乃至40℃)でポリマーと有機溶媒と
を攪拌することにより調製することができる。高濃度の
溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体
的には、ポリマーと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉
し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が
沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温
度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60乃至2
00℃であり、さらに好ましくは80乃至110℃であ
る。
【0028】各成分は予め粗混合してから容器に入れて
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0029】冷却溶解法により、溶液を調製することも
できる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒中にもポリマーを溶解させるこ
とができる。なお、通常の溶解方法でポリマーを溶解で
きる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な
溶液が得られるとの効果がある。冷却溶解法では最初
に、室温で有機溶媒中にポリマーを撹拌しながら徐々に
添加する。ポリマーの量は、この混合物中に10乃至4
0重量%含まれるように調整することが好ましい。ポリ
マーの量は、10乃至30重量%であることがさらに好
ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を
添加しておいてもよい。
【0030】次に、混合物を−100乃至−10℃(好
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、ポリマーと有機溶媒の混合物は固化する。冷
却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/
分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上で
あることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好まし
いが、10000℃/秒が理論的な上限であり、100
0℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が
実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始す
る時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始して
から最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値で
ある。
【0031】さらに、これを0乃至200℃(好ましく
は0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、
最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒
中にポリマーが溶解する。昇温は、室温中に放置するだ
けでもよし、温浴中で加温してもよい。加温速度は、4
℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上である
ことがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最
も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、100
00℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技
術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限
である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と
最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な
加温温度に達するまでの時間で割った値である。以上の
ようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充
分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。
溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を
観察するだけで判断することができる。
【0032】冷却溶解法においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20重量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
平均酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機
溶媒により異なる。
【0033】調製したポリマー溶液(ドープ)から、ソ
ルベントキャスト法によりポリマーフイルムを製造す
る。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を
蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固
形分量が18乃至35%となるように濃度を調整するこ
とが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態
に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法
における流延および乾燥方法については、米国特許23
36310号、同2367603号、同2492078
号、同2492977号、同2492978号、同26
07704号、同2739069号、同2739070
号、英国特許640731号、同736892号の各明
細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、
特開昭60−176834号、同60−203430
号、同62−115035号の各公報に記載がある。ド
ープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上
に流延することが好ましい。流延した2秒以上風に当て
て乾燥することが好ましい。得られたフイルムをドラム
またはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃
まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発
させることもできる。以上の方法は、特公平5−178
44号公報に記載がある。この方法によると、流延から
剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この
方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンド
の表面温度においてドープがゲル化することが必要であ
る。本発明に従い調製した溶液(ドープ)は、この条件
を満足する。製造するフイルムの厚さは、40乃至12
0μmであることが好ましく、70乃至100μmであ
ることがさらに好ましい。
【0034】ポリマーフイルムには、機械的物性を改良
するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を
添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステ
ルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エス
テルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)
およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれ
る。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルお
よびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステ
ルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチル
フタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DB
P)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフ
タレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート
(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、
O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)および
O−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含ま
れる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン
酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジ
ブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フ
タル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、D
OP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DE
PおよびDPPが特に好ましい。可塑剤の添加量は、セ
ルロースエステルの量の0.1乃至25重量%であるこ
とが好ましく、1乃至20重量%であることがさらに好
ましく、3乃至15重量%であることが最も好ましい。
【0035】ポリマーフイルムには、劣化防止剤(例、
酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不
活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化
防止剤については、特開平3−199201号、同5−
1907073号、同5−194789号、同5−27
1471号、同6−107854号の各公報に記載があ
る。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の
0.01乃至1重量%であることが好ましく、0.01
乃至0.2重量%であることがさらに好ましい。添加量
が0.01重量%未満であると、劣化防止剤の効果がほ
とんど認められない。添加量が1重量%を越えると、フ
イルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出
し)が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤
の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)
を挙げることができる。
【0036】ポリマーフイルムは、さらに延伸処理によ
り屈折率(面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内の遅相
軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の屈折率n
z)を調整することが好ましい。固有複屈折率が正であ
ると、ポリマー鎖が配向した方向に屈折率が高くなる。
このような固有複屈折率が正のポリマーを延伸すると、
通常、屈折率は、nx>ny≧nzとなる。これは、面
内の方向に配向したポリマー鎖が、延伸によってx成分
が多くなり、z成分が最も小さくなるためである。これ
により、1≦(nx−nz)/(nx−ny)の関係を
満足することができる。さらに、(nx−nz)/(n
x−ny)≦2の関係を満足するためには、一軸延伸の
延伸倍率を制御するか、あるいはアンバランスな二軸延
伸を実施して屈折率を調整すればよい。具体的には、最
大の延伸倍率SAと、その延伸方向に垂直な方向の延伸
倍率SBとが、1<SA/SB≦3の関係を満足するよ
うに、一軸延伸またはアンバランス二軸延伸を実施すれ
ばよい。延伸倍率は、延伸する前の長さを1とする場合
の相対的な値である。SBは、1未満の値となる(言い
換えると収縮する)場合もある。上記式の関係を満足す
れば、SBは1未満の値であってもよい。さらに、延伸
倍率は、正面レターデーションがλ/4となるように調
整する。延伸処理は、同時処理であっても、逐次処理で
あってもよい。
【0037】以上のようにして、ロール状のポリマーフ
イルムからなるλ/4板が得られる。ロール状のポリマ
ーフイルムからなるλ/4板の長手方向と面内の遅相軸
との角度が実質的に45゜であると、長手方向と透過軸
とが実質的に平行であるロール状の直線偏光膜とλ/4
板とをロールtoロールで積層するだけで、ロール状の
円偏光板を製造することができる。長手方向と面内の遅
相軸との角度が実質的に45゜であるλ/4板は、ロー
ル状のセルロースエステルフイルムを、長手方向に対し
て実質的に45゜の方向に延伸処理することにより製造
することができる。
【0038】[直線偏光膜]直線偏光膜には、ヨウ素系
偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系
偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、
一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造す
る。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルのケン化
により製造する。酢酸ビニルと他のエチレン不飽和モノ
マー(例、不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレ
フィン、ビニルエーテル)とのコポリマーをケン化して
得られる変性ポリビニルアルコールを用いてもよい。ポ
リビニルアルコールに、他の官能基(例、アセトアセチ
ル、スルホ、カルボキシル、アルコキシ基)を導入し
て、変性ポリビニルアルコールを製造してもよい。ポリ
ビニルアルコールのケン化度は、80乃至100モル%
であることが好ましく、90乃至100モル%であるこ
とがさらに好ましい。ポリビニルアルコールの重合度
は、1000乃至10000であることが好ましく、1
500乃至5000であることがさらに好ましい。
【0039】直線偏光膜は、ポリビニルアルコールを水
または有機溶媒に溶解した溶液を、流延、製膜し、得ら
れたポリビニルアルコールフイルムを延伸してからヨウ
素または二色性染料で染色することにより製造できる。
ヨウ素または二色性染料でポリビニルアルコールフイル
ムを染色してから、フイルムを延伸してもよい。上記有
機溶媒の例には、アルコール(例、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール)、多価アルコール
(例、グリセリン、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロ
パン)、アミン(例、エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン)、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリ
ドンおよびこれらの混合物が含まれる。
【0040】ロール状の直線偏光膜の長手方向と透過軸
との角度が実質的に45゜であると、長手方向と面内の
遅相軸とが実質的に平行である一枚のロール状のポリマ
ーフイルムからなるλ/4板と直線偏光膜とをロールt
oロールで積層するだけで、ロール状の円偏光板を製造
することができる。長手方向と透過軸との角度が実質的
に45゜である直線偏光膜は、ロール状のポリビニルア
ルコールフイルムを長手方向に対して実質的に45゜の
方向に斜め延伸し、次にヨウ素または二色性染料をポリ
ビニルアルコールフイルム吸着させることにより製造す
ることができる。また、長手方向と透過軸との角度が実
質的に45゜である直線偏光膜は、ロール状のポリビニ
ルアルコールフイルムを長手方向に対して実質的に45
゜の方向にラビング処理し、次にヨウ素または二色性染
料をポリビニルアルコールフイルム吸着させることによ
り製造することもできる。さらに、長手方向と透過軸と
の角度が実質的に45゜である直線偏光膜は、ロール状
のポリビニルアルコールフイルムにヨウ素または二色性
染料を含む塗布層を設け、次に長手方向に対して実質的
に45゜の方向にラビング処理することにより製造する
こともできる。以下、延伸法とラビング法について説明
する。
【0041】ポリビニルアルコールフイルムを長手方向
に対して実質的に45゜の方向に斜め延伸するために
は、テンターを用いることが好ましい。図2は、テンタ
ーによる斜め延伸を示す模式図である。図2に示すよう
に、ポリビニルアルコールフイルム(21)を、一定の
方向(23)に搬送しながら、テンター(22)を用い
て斜め(45゜)延伸する。図2では、延伸方向におけ
るフイルムの幅変化を点線で示す。図2のある位置(2
4Lおよび24R)でチャックされたフイルムは、左側
が遅い速度(26L)で近い位置(25L)へ、右側が
速い速度(26R)で遠い位置(25R)へ移動するこ
とによって、斜め延伸が実施される。延伸倍率は、2.
5乃至30.0倍であることが好ましく、3.0乃至1
0.0倍であることがさらに好ましい。延伸は、空気中
のドライ延伸として実施できる。ドライ延伸の場合、延
伸倍率は2.5乃至5.0倍であることが好ましい。延
伸は、水中に浸漬したウエット延伸としても実施でき
る。ウエット延伸の場合、延伸倍率は3.0乃至10.
0倍であることが好ましい。
【0042】斜め延伸は、数回の工程に分けて実施して
もよい。特に高倍率延伸の場合は、数回の工程に分け
て、均一な延伸結果を得ることが好ましい。また、幅方
向の収縮を防止する目的で、斜め延伸前に、横方向また
は縦方向の若干の延伸処理を行ってもよい。斜め延伸
は、通常のフイルム二軸延伸に採用されているテンター
延伸を、上記のように左右が異なる工程で行うことによ
り実施できる。左右が異なる速度で延伸するため、延伸
前のフイルムの厚さが左右で異なるように調整してお
く。ポリビニルアルコール溶液を流延して製膜する際
に、溶液の流量が左右で異なるように調節すればよい。
流量の調節は、ダイにテーパーを付けるような方法で容
易に実施できる。
【0043】ラビング処理は、液晶配向膜の処理を応用
することができる。すなわち、液晶配向膜と同様に、ポ
リビニルアルコールフイルムの表面を、紙や布(例え
ば、ガーゼ、フェルト、ゴム製布、ナイロン布、ポリエ
ステル布)で一定方向にこする。紙または布の繊維は長
さや太さが均一であることが好ましい。また、紙や布に
は、繊維が均一に含まれていることが好ましい。ラビン
グ処理は、通常、数回、同一方向に実施する。ラビング
ロールを用いて、ラビング処理を実施することが好まし
い。ラビングロールの真円度、円筒度、振れ(偏芯)
は、いずれも、30μm以下であることが好ましい。ラ
ビングロールへのフイルムのラップ角度は、0.1乃至
90゜であることが好ましい。ただし、ラビングロール
にフイルムを360゜以上巻き付けて、安定なラビング
処理を実施する方法(特開平8−160430号公報記
載)もある。ロール状フイルムは、搬送装置を用いてフ
イルムへの張力を一定に保ち、1乃至10m/分の速度
で搬送しながら、ラビング処理を実施することが好まし
い。長手方向に対して45゜の方向にラビング処理する
ためには、フイルムの進行方向に対して、水平方向に回
転自在なラビングロールを用いることが好ましい。
【0044】染色工程は、気相または液相の吸着処理に
より実施できる。ヨウ素の液相吸着処理では、ヨウ素・
ヨウ化カリウム水溶液にポリビニルアルコールフイルム
を浸漬する。ヨウ素濃度は0.1乃至2.0g/リット
ルが好ましく、ヨウ化カリウム濃度は10乃至50g/
リットルが好ましく、ヨウ化カリウム/ヨウ素の重量比
は、20乃至100であることが好ましい。浸漬時間
は、30乃至5000秒であることが好ましく、水溶液
温度は5乃至50℃であることが好ましい。染色工程
は、浸漬以外にも、ヨウ素溶液または染料溶液の塗布あ
るいは噴霧によっても実施できる。二色性染料として
は、アゾ染料、スチルベン染料、キノン染料、アントラ
キノン染料、アゾメチン染料、メチン染料(例、シアニ
ン染料、メロシアニン染料)、キノフタロン染料あるい
はテトラジン染料を用いることができる。アゾ染料およ
びアントラキノン染料が好ましい。
【0045】染色したポリビニルアルコールフイルム
は、一般に架橋処理を実施する。架橋処理は、ホウ素化
合物またはアルデヒドを用いる。ホウ素化合物を用いる
ことが特に好ましい。ホウ素化合物の例には、ホウ酸お
よびホウ砂が含まれる。ホウ素化合物は、溶液として使
用する。溶液の溶媒としては、水または水と有機溶媒と
の混合溶媒が好ましい。溶液濃度は、0.5乃至2モル
/リットルが好ましい。染色したポリビニルアルコール
フイルムを、ホウ砂化合物溶液に浸漬するか、或いは溶
液をフイルムに噴霧または塗布することで、架橋処理が
実施できる。ホウ素化合物溶液には、少量のヨウ化カリ
ウムを添加することが好ましい。浸漬温度は、40乃至
70℃であることが好ましく、浸漬時間は、5乃至20
分であることが好ましい。架橋処理と同時に、前記の斜
め延伸処理を実施してもよい。
【0046】ポリビニルアルコールフイルムを熱処理し
てもよい。熱処理におけるフイルムの含水率は、10乃
至30重量%であることが好ましい。熱処理温度は40
乃至100℃であることが好ましく、50乃至90℃で
あることがさらに好ましい。熱処理時間は、30秒乃至
15分が好ましい。
【0047】[円偏光板]λ/4板と直線偏光膜とを、
λ/4板の面内の遅相軸と直線偏光膜の透過軸との角度
が実質的に45゜になるように積層すると円偏光板が得
られる。実質的に45゜とは、40乃至50゜であるこ
とを意味する。λ/4板の面内の遅相軸と偏光膜の透過
軸との角度は、41乃至49゜であることが好ましく、
42乃至48゜であることがより好ましく、43乃至4
7゜であることがさらに好ましく、44乃至46゜であ
ることが最も好ましい。直線偏光膜のλ/4板とは反対
側の面には、透明保護膜を設けることが好ましい。透明
保護膜は、透明な(光透過率が80%以上の)ポリマー
を用いて製造することが好ましい。透明なポリマーとし
ては、ポリオレフィン、セルロースアセテート、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、ポリスルホンあるいはポ
リエーテルスルホンを用いることができる。市販の透明
ポリマーまたは透明ポリマーフイルムを用いてもよい。
【0048】直線偏光膜とλ/4板あるいは直線偏光膜
と透明保護膜とは、接着剤を用いて貼り合わせる。接着
剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂またはホウ素
化合物の水溶液が好ましいく、ポリビニルアルコール系
樹脂が特に好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂とし
ては、アルコール以外の官能基(例、アセトアセチル、
スルホ、カルボキシル、アルコキシ基)を導入した変性
ポリビニルアルコールを用いてもよい。接着剤の厚さ
は、乾燥後に0.01乃至10μmであることが好まし
く、0.05乃至5μmであることがさらに好ましい。
円偏光板には、様々な用途がある。本発明の円偏光板
は、反射型液晶表示装置に特に有効に用いられる。
【0049】[反射型液晶表示装置]図1は、反射型液
晶表示装置の基本的な構成を示す模式図である。図1に
示す反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板
(1)、反射電極(2)、下配向膜(3)、液晶層
(4)、上配向膜(5)、透明電極(6)、上基板
(7)、λ/4板(8)、そして直線偏光膜(9)から
なる。下基板(1)と反射電極(2)が反射板を構成す
る。下配向膜(3)〜上配向膜(5)が液晶セルを構成
する。そして、λ/4板(8)と直線偏光膜(9)とが
円偏光板を構成する。カラー表示の場合には、さらにカ
ラーフィルター層を設ける。カラーフィルター層は、反
射電極(2)と下配向膜(3)との間、または上配向膜
(5)と透明電極(6)との間に設けることが好まし
い。図1に示す反射電極(2)の代わりに透明電極を用
いて、別に反射板を取り付けてもよい。透明電極と組み
合わせて用いる反射板としては、金属板が好ましい。反
射板の表面が平滑であると、正反射成分のみが反射され
て視野角が狭くなる場合がある。そのため、反射板の表
面に凹凸構造(特許275620号公報記載)を導入す
ることが好ましい。反射板の表面が平坦である場合は
(表面に凹凸構造を導入する代わりに)、直線偏光膜の
片側(セル側あるいは外側)に光拡散フイルムを取り付
けてもよい。
【0050】液晶セルは、TN(twisted nematic )
型、STN(Supper Twisted Nematic)型またはHAN
(Hybrid Aligned Nematic)型であることが好ましい。
TN型液晶セルのツイスト角は、40乃至100゜であ
ることが好ましく、50乃至90゜であることがさらに
好ましく、60乃至80゜であることが最も好ましい。
液晶層の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)と
の積(Δnd)の値は、0.1乃至0.5μmであるこ
とが好ましく、0.2乃至0.4μmであることがさら
に好ましい。STN型液晶セルのツイスト角は、180
乃至360゜であることが好ましく、220乃至270
゜であることがさらに好ましい。液晶層の屈折率異方性
(Δn)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値
は、0.3乃至1.2μmであることが好ましく、0.
5乃至1.0μmであることがさらに好ましい。HAN
型液晶セルは、片方の基板上では液晶が実質的に垂直に
配向しており、他方の基板上のプレチルト角が0乃至4
5゜であることが好ましい。液晶層の屈折率異方性(Δ
n)と液晶層の厚み(d)との積(Δnd)の値は、
0.1乃至1.0μmであることが好ましく、0.3乃
至0.8μmであることがさらに好ましい。液晶を垂直
配向させる側の基板は、反射板側の基板であってもよい
し、透明電極側の基板であってもよい。反射型液晶表示
装置は、印加電圧が低い時に明表示、高い時に暗表示で
あるノーマリーホワイトモードでも、印加電圧が低い時
に暗表示、高い時に明表示であるノーマリーブラックモ
ードでも用いることができる。ノーマリーホワイトモー
ドの方が好ましい。
【0051】
【実施例】[実施例1] (λ/4板の作製)室温において、平均酢化度59.0
%のセルロースアセテート120重量部、トリフェニル
ホスフェート9.36重量部、ビフェニルジフェニルホ
スフェート4.68重量部、下記のレターデション上昇
剤1.00重量部、メチレンクロリド543.14重量
部、メタノール99.35重量部およびn−ブタノール
19.87重量部を混合して、溶液(ドープ)を調製し
た。
【0052】
【化1】
【0053】得られたドープを、ガラス板上に流延し、
室温で1分間乾燥後、45℃で5分間乾燥させた。乾燥
後の溶剤残留量は30重量%であった。セルロースアセ
テートフイルムをガラス板から剥離し、適当な大きさに
切断した後、130℃で流延方向とは平行な方向に延伸
した。延伸方向と垂直な方向は、自由に収縮できるよう
にした。延伸後、そのままの状態で120℃で30分間
乾燥した後、延伸フイルムを取り出した。延伸後の溶剤
残留量は0.1重量%であった。得られたフイルムの厚
さは、101μmであった。また、エリプソメーター
(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長45
0nm、550nmおよび590nmにおけるレターデ
ーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、11
9.3nm、137.2nmおよび142.7nmであ
った。従って、このセルロースアセテートフイルムは、
広い波長領域でλ/4を達成していた。このようにし
て、ロール状のλ/4板を作製した。さらに、アッベ屈
折率計による屈折率測定と、レターデーションの角度依
存性の測定から、波長550nmにおける面内の遅相軸
方向の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率
nyおよび厚み方向の屈折率nzを求め、(nx−n
z)/(nx−ny)の値を計算したところ、1.60
であった。
【0054】(直線偏光膜の作製)平均重合度が400
0でケン化度が99.8モル%のポリビニルアルコール
を水に溶解し、4.0重量%の水溶液を得た。水溶液を
テーパーの付いたダイを用いてバンド流延し、乾燥し
て、幅が110nm、左端の厚みが120μm、右端の
厚みが135μmのポリビニルアルコールフイルムを製
膜した。フイルムをバンドから剥ぎ取り、ドライで45
度斜め延伸した。そのまま、ヨウ素0.5g/リット
ル、ヨウ化カリウム60g/リットルの水溶液中に、3
0℃で1分間浸漬した。次に、ホウ酸100g/リット
ル、ヨウ化カリウム60g/リットルの水溶液中に70
℃で5分間浸漬した。さらに、20℃の水洗槽で10秒
間水洗した。そして、80℃で5分間乾燥し、ロール状
の直線偏光膜を作製した。直線偏光膜の幅は660n
m、厚みは左右ともに20μmであった。
【0055】(円偏光板の作製)作製したロール状のλ
/4板、作製したロール状の直線偏光膜、そしてロール
状のセルローストリアセテートフイルム(フジタック、
富士写真フイルム(株)製)からなる透明保護膜を、こ
の順にロールtoロールで積層して、円偏光板を作製し
た。得られた円偏光板の光学的性質を調べたところ、広
い波長領域(450〜590nm)において、ほぼ完全
な円偏光が達成されていた。
【0056】(反射型液晶表示装置の作製)市販の反射
型液晶表示装置の偏光板と位相差板とを剥ぎ取り、代わ
りに作製した円偏光板を貼り付けた。作製した反射型液
晶表示装置について、測定機(EZcontrast160D、El
dim社製)を用いてコントラスト比10となる視野角
を測定したところ、上下が129゜、左右が118゜で
あった。
【0057】[実施例2] (λ/4板の作製)室温において、平均酢化度59.7
%のセルロースアセテート120重量部、実施例1で用
いたレターデション上昇剤1.20重量部、トリフェニ
ルホスフェート9.36重量部、ビフェニルジフェニル
ホスフェート4.68重量部、メチレンクロリド54
3.14重量部、メタノール99.35重量部およびn
−ブタノール19.87重量部を混合して、溶液(ドー
プ)を調製した。得られたドープを用いた以外は、実施
例1と同様に位相差板を作製した。得られたフイルムの
厚さは、97μmであった。また、エリプソメーター
(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長45
0nm、550nmおよび590nmにおけるレターデ
ーション値(Re)を測定したところ、それぞれ、11
6.7nm、137.4nmおよび143.1nmであ
った。従って、このセルロースアセテートフイルムは、
広い波長領域でλ/4を達成していた。このようにし
て、ロール状のλ/4板を作製した。さらに、アッベ屈
折率計による屈折率測定と、レターデーションの角度依
存性の測定から、波長550nmにおける面内の遅相軸
方向の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率
nyおよび厚み方向の屈折率nzを求め、(nx−n
z)/(nx−ny)の値を計算したところ、1.50
であった。
【0058】(直線偏光膜の作製)平均酢化度が60.
9%のセルローストリアセテートフイルム(フジタッ
ク、富士写真フイルム(株)製)の片面にゼラチン下塗
り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、下記の組成か
らなる塗布液をを厚さが10μmとなるように塗布し、
ポリビニルアルコール層を設けた。
【0059】 ──────────────────────────────────── ポリビニルアルコール層塗布液組成 ──────────────────────────────────── 下記の変性ポリビニルアルコール 4重量部 グルタルアルデヒド 0.2重量部 水 96重量部 ────────────────────────────────────
【0060】
【化2】
【0061】ポリビニルアルコール層に、斜めラビング
処理を実施した。ラビングロールの外径は300mm、
フイルム搬送速度は50m/分、ラビングロールの回転
周速度は470m/分、フイルムの基板張力は基板幅当
たり2Kgf/cm、ラップ角度は30゜、ラビングロ
ールの傾き角は45゜で実施した。ラビング処理したフ
イルムを、40゜のよそ雰囲気下に放置し、ヨウ素を吸
着させ、ポリビニルアルコールの架橋反応を進行させ
た。このようにして、透過軸がフイルムの長手方向に対
して45゜傾いたロール状の直線偏光膜を作製した。
【0062】(円偏光板の作製)作製したロール状のλ
/4板、作製したロール状の直線偏光膜、そしてロール
状のセルローストリアセテートフイルム(フジタック、
富士写真フイルム(株)製)からなる透明保護膜を、こ
の順にロールtoロールで積層して、円偏光板を作製し
た。得られた円偏光板の光学的性質を調べたところ、広
い波長領域(450〜590nm)において、ほぼ完全
な円偏光が達成されていた。
【0063】[比較例1] (λ/4板の作製)重量平均分子量10万のポリカーボ
ネートを塩化メチレンに溶解して、17重量%溶液を得
た。この溶液をガラス板上に、乾燥膜厚が80μmとな
るように流延し、室温で30分乾燥後、70℃で30分
乾燥した。ポリカーボネートフイルムをガラス板から剥
離し、158℃で4%延伸し、ポリカーボネートの延伸
複屈折フイルムを得た。得られたポリカーボネートフイ
ルム(λ/4板)について、エリプソメーター(M−1
50、日本分光(株)製)を用いて、波長450nm、
550nmおよび590nmにおけるレターデーション
値(Re)を測定したところ、それぞれ、147.8n
m、137.5nmおよび134.9nmであった。
【0064】(直線偏光膜の作製)市販のヨウ素系偏光
板(HLC2−5518、(株)サンリッツ製)を直線
偏光膜として用いた。偏光板の幅は650mmであっ
た。
【0065】(円偏光板の作製)λ/4板および偏光板
を積層して、円偏光板を作製した。λ/4の遅相軸と偏
光板の偏光軸との角度を45゜に調整するため、λ/4
板と偏光板とを、それぞれチップに切り出してから貼り
合わせた。
【0066】(反射型液晶表示装置の作製)市販の反射
型液晶表示装置の偏光板と位相差板とを剥ぎ取り、代わ
りに作製した円偏光板を貼り付けた。作製した反射型液
晶表示装置について、測定機(EZcontrast160D、El
dim社製)を用いてコントラスト比10となる視野角
を測定したところ、上下が58゜、左右が56゜であっ
た。
【0067】[実施例3] (λ/4板の作製)実施例1で調製したセルロースアセ
テート溶液(ドープ)を、バンド上に流延し、室温で1
分間乾燥後、45℃で5分間乾燥させた。流延量を調整
して、幅が700mm、左端の厚みが107μm、右端
の厚みが120μmのセルロースアセテートフイルムを
得た。フイルムをバンドから剥ぎ取り、ドライで45度
斜め延伸してロール状のフイルムを得た。フイルムの幅
は980mm、厚みは左右ともに100μmであった。
斜め延伸後のフイルムを、そのままの状態で120℃で
30分間乾燥した後、取り出した。延伸後の溶剤残留量
は0.1重量%であった。得られたフイルムについて、
エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を
用いて、波長450nm、550nmおよび590nm
におけるレターデーション値(Re)を測定したとこ
ろ、それぞれ、119.3nm、137.2nmおよび
142.7nmであった。従って、このセルロースアセ
テートフイルムは、広い波長領域でλ/4を達成してい
た。このようにして、ロール状のλ/4板を作製した。
さらに、アッベ屈折率計による屈折率測定と、レターデ
ーションの角度依存性の測定から、波長550nmにお
ける面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内の遅相軸に垂
直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の屈折率nzを求
め、(nx−nz)/(nx−ny)の値を計算したと
ころ、1.60であった。
【0068】(直線偏光膜の作製)平均重合度が400
0でケン化度が99.8モル%のポリビニルアルコール
を水に溶解し、4.0重量%の水溶液を得た。水溶液を
テーパーの付いたダイを用いてバンド流延し、乾燥し
て、幅が110nm、厚みが100μmのポリビニルア
ルコールフイルムを製膜した。フイルムをバンドから剥
ぎ取り、そのまま、ヨウ素0.5g/リットル、ヨウ化
カリウム60g/リットルの水溶液中に、30℃で1分
間浸漬した。次に、ホウ酸100g/リットル、ヨウ化
カリウム60g/リットルの水溶液中に70℃で5分間
浸漬した。さらに、20℃の水洗槽で10秒間水洗し
た。そして、80℃で5分間乾燥し、ロール状の直線偏
光膜を作製した。直線偏光膜の幅は960nm、厚みは
左右ともに20μmであった。
【0069】(円偏光板の作製)作製したロール状のλ
/4板、作製したロール状の直線偏光膜、そしてロール
状のセルローストリアセテートフイルム(フジタック、
富士写真フイルム(株)製)からなる透明保護膜を、こ
の順にロールtoロールで積層して、円偏光板を作製し
た。得られた円偏光板の光学的性質を調べたところ、広
い波長領域(450〜590nm)において、ほぼ完全
な円偏光が達成されていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射型液晶表示装置の基本的な構成を示す模式
図である。
【図2】テンターによる斜め延伸を示す模式図である。
【符号の説明】
1 下基板 2 反射電極 3 下配向膜 4 液晶層 5 上配向膜 6 透明電極 7 上基板 8 λ/4板 9 直線偏光膜 21 ポリビニルアルコールフイルム 22 テンター 23 搬送方向 24L 左チャック位置 24R 右チャック位置 25L フイルム左移動位置 25R フイルム右移動位置 26L 左移動速度 26R 右移動速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 11:00 B29L 11:00 (72)発明者 網盛 一郎 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA03 BA07 BA25 BA26 BA27 BB03 BB43 BB49 BC03 BC04 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FB02 FB12 FC01 FD06 FD07 KA02 LA12 LA16 4F210 AA01 AA19 AB01 AB19 AG01 QC01 QG01 QG18

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長450nmで測定したレターデーシ
    ョン値(Re450)が100乃至125nmであり、
    波長590nmで測定したレターデーション値(Re5
    90)が120乃至160nmであり、Re590−R
    e450≧2nmの関係を満足する一枚のポリマーフイ
    ルムからなるλ/4板と直線偏光膜とが、λ/4板の面
    内の遅相軸と直線偏光膜の透過軸との角度が実質的に4
    5゜になるように積層されているロール状の円偏光板。
  2. 【請求項2】 λ/4板が、面内の遅相軸方向の屈折率
    nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚
    み方向の屈折率nzが、1≦(nx−nz)/(nx−
    ny)≦2の関係を満足する一枚のポリマーフイルムか
    らなる請求項1に記載の円偏光板。
  3. 【請求項3】 λ/4板が、波長450nmで測定した
    レターデーション値(Re450)が108乃至120
    nmであり、波長550nmで測定したレターデーショ
    ン値(Re550)が125乃至142nmであり、波
    長590nmで測定したレターデーション値(Re59
    0)が130乃至152nmであり、そして、Re59
    0−Re550≧2nmの関係を満足する一枚のポリマ
    ーフイルムからなる請求項1に記載の円偏光板。
  4. 【請求項4】 λ/4板が、セルロースエステルフイル
    ムからなる請求項1に記載の円偏光板。
  5. 【請求項5】 λ/4板が、延伸したセルロースエステ
    ルフイルムからなる請求項4に記載の円偏光板。
  6. 【請求項6】 セルロースエステルフイルムが、少なく
    とも二つの芳香族環を有する化合物をレターデーション
    上昇剤として含む請求項4に記載の円偏光板。
  7. 【請求項7】 円偏光板の長手方向と直線偏光膜の透過
    軸との角度が実質的に45゜である請求項1に記載の円
    偏光板。
  8. 【請求項8】 円偏光板の長手方向とλ/4板の遅相軸
    との角度が実質的に45゜である請求項1に記載の円偏
    光板。
  9. 【請求項9】 長手方向と透過軸との角度が実質的に4
    5゜であるロール状の直線偏光膜と、波長450nmで
    測定したレターデーション値(Re450)が100乃
    至125nmであり、波長590nmで測定したレター
    デーション値(Re590)が120乃至160nmで
    あり、Re590−Re450≧2nmの関係を満足
    し、長手方向と面内の遅相軸とが実質的に平行である一
    枚のロール状のポリマーフイルムからなるλ/4板とを
    積層することにより、ロール状の円偏光板を製造するこ
    とを特徴とする円偏光板の製造方法。
  10. 【請求項10】 ロール状のポリビニルアルコールフイ
    ルムを長手方向に対して実質的に45゜の方向に斜め延
    伸し、次にヨウ素または二色性染料をポリビニルアルコ
    ールフイルム吸着させることにより、長手方向と透過軸
    との角度が実質的に45゜であるロール状の直線偏光膜
    を得る請求項9に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 ロール状のポリビニルアルコールフイ
    ルムを長手方向に対して実質的に45゜の方向にラビン
    グ処理し、次にヨウ素または二色性染料をポリビニルア
    ルコールフイルム吸着させることにより、長手方向と透
    過軸との角度が実質的に45゜であるロール状の直線偏
    光膜を得る請求項9に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 ロール状のポリビニルアルコールフイ
    ルムにヨウ素または二色性染料を含む塗布層を設け、次
    に長手方向に対して実質的に45゜の方向にラビング処
    理することにより、長手方向と透過軸との角度が実質的
    に45゜であるロール状の直線偏光膜を得る請求項9に
    記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 長手方向と透過軸とが実質的に平行で
    あるロール状の直線偏光膜と、波長450nmで測定し
    たレターデーション値(Re450)が100乃至12
    5nmであり、波長590nmで測定したレターデーシ
    ョン値(Re590)が120乃至160nmであり、
    Re590−Re450≧2nmの関係を満足し、長手
    方向と面内の遅相軸との角度が実質的に45゜である一
    枚のロール状のポリマーフイルムからなるλ/4板とを
    積層することにより、ロール状の円偏光板を製造するこ
    とを特徴とする円偏光板の製造方法。
  14. 【請求項14】 ロール状のセルロースエステルフイル
    ムを、長手方向に対して実質的に45゜の方向に延伸処
    理することにより、長手方向と遅相軸との角度が実質的
    に45゜であるロール状のλ/4板を得る請求項13に
    記載の製造方法。
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