JP2002082226A - 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
光学補償シート、偏光板および液晶表示装置Info
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Abstract
セテートフィルムからなる光学補償シートと、該フィル
ムを利用した偏光板および液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 酢化度が59.0乃至61.5%である
セルロースアセテートおよびセルロースアセテート10
0質量部に対して、少なくとも二つの芳香族環を有する
芳香族化合物を0.01乃至20質量部含み、Reレタ
ーデーション値が20乃至70nmであり、Rthレター
デーション値が70乃至400nmであり、そして、少
なくとも一方の面の表面エネルギーが55乃至75mN
/mであるセルロースアセテートフイルムを光学補償シ
ートとして利用する。
Description
ートフイルムからなる光学補償シートおよびそれを用い
た偏光板と液晶表示装置とに関する。
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れている。セルロースアセテートフイルムは、代表的な
写真感光材料の支持体である。また、セルロースアセテ
ートフイルムは、液晶表示装置にも用いられている。セ
ルロースアセテートフイルムには、他のポリマーフイル
ムと比較して、光学的等方性が高い(レターデーション
値が低い)との特徴がある。従って、光学的等方性が要
求される用途、例えば偏光板には、セルロースアセテー
トフイルムを用いることが普通である。液晶表示装置の
光学補償シート(位相差フイルム)には、逆に光学的異
方性(高いレターデーション値)が要求される。従っ
て、光学補償シートとしては、ポリカーボネートフイル
ムやポリスルホンフイルムのようなレターデーション値
が高い合成ポリマーフイルムを用いることが普通であ
る。
リマーフイルムに光学的異方性(高いレターデーション
値)が要求される場合には合成ポリマーフイルムを使用
し、光学的等方性(低いレターデーション値)が要求さ
れる場合にはセルロースアセテートフイルムを使用する
ことが一般的な原則であった。欧州特許0911656
A2号明細書には、従来の一般的な原則を覆して、光学
的異方性が要求される用途にも使用できる高いレターデ
ーション値を有するセルロースアセテートフイルムが開
示されている。このセルロースアセテートフィルムを偏
光板と液晶セルの間に挿入することにより表示品位の高
い液晶表示装置の得られることが記載されている。しか
し、表示品位は高くなるものの、偏光板と液晶セルの間
に、新たにフィルムを挿入するため、液晶表示装置が厚
くなる、もしくは、バックライトからの熱により生じる
歪みが原因で額縁状に透過率が上昇するなどの問題点が
あった。
ロースアセテートフイルムからなる光学補償シートによ
り、液晶セルを光学的に補償することである。別の本発
明の目的は、液晶セルを光学的に補償でき、そして偏光
膜との接着性に優れた、表面エネルギーが55乃至75
mN/mであるセルロースアセテートフィルムからなる
光学補償シートを提供することである。さらに別の本発
明の目的は、偏光膜と表面エネルギーが55乃至75m
N/mであるセルロースアセテートフィルムを一体化さ
せて偏光板とし、偏光板の構成要素の数を増加すること
なく、偏光板に光学補償機能を追加することである。さ
らにまた別の本発明の目的は、セルロースアセテートフ
イルムによって光学的に補償された液晶表示装置を提供
することである。
9.0乃至61.5%であるセルロースアセテートおよ
びセルロースアセテート100質量部に対して、少なく
とも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を0.01乃
至20質量部含み、下記式(I)で定義されるReレタ
ーデーション値が20乃至70nmであり、下記式(I
I)で定義されるRthレターデーション値が70乃至4
00nmであり、そして、少なくとも一方の面の表面エ
ネルギーが55乃至75mN/mであるセルロースアセ
テートフイルムからなることを特徴とする光学補償シー
トにある。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であ
り、nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り、nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり、そし
て、dは、フイルムの厚さである。
学補償シートが、3乃至100%の延伸倍率での延伸物
であるセルロースアセテートフイルムからなることが好
ましく、また、芳香族化合物が、少なくとも一つの1,
3,5−トリアジン環を有することが好ましい。また、
セルロースアセテートフイルムが、溶液製膜法により製
膜されたフイルムであり、製膜に用いる溶媒が、炭素数
3乃至12のエーテル、炭素数3乃至12のケトン、も
しくは炭素数3乃至12のエステルであることが好まし
い。また、セルロースアセテートフイルムが、6位水酸
基の置換度が、2,3位に比べて多いセルロースアセテ
ートを主成分とすることが好ましい。また、本発明の光
学補償シートの少なくとも一方の面に、規定濃度が0.
1N乃至3.0Nのアルカリ溶液を用いたアルカリケン
化処理がされているか、あるいは、放電周波数が50H
z乃至5000kHzのコロナ放電処理がされているこ
とが好ましい。
置された二枚の透明保護膜からなる偏光板であって、透
明保護膜の一方が、酢化度が59.0乃至61.5%で
あるセルロースアセテート、および少なくとも二つの芳
香族環を有する芳香族化合物をセルロースアセテート1
00質量部に対して0.01乃至20質量部含み、下記
式(I)で定義されるReレターデーション値が20乃
至70nmであり、下記式(II)で定義されるRthレタ
ーデーション値が70乃至400nmであり、そして、
偏光膜に接する面の表面エネルギーが55乃至75mN
/mであるセルロースアセテートフイルムからなり、さ
らに、セルロースアセテートフイルムの遅相軸と偏光膜
の透過軸とが実質的に平行になるように配置されている
ことを特徴とする偏光板にもある。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であ
り、nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り、nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり、そし
て、dは、フイルムの厚さである。
側に配置された二枚の偏光板からなり、偏光板が偏光膜
およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる
液晶表示装置であって、液晶セルと一方の偏光板との間
に、酢化度が59.0乃至61.5%であるセルロース
アセテート、および少なくとも二つの芳香族環を有する
芳香族化合物をセルロースアセテート100質量部に対
して0.01乃至20質量部含み、下記式(I)で定義
されるReレターデーション値が20乃至70nmであ
り、下記式(II)で定義されるRthレターデーション値
が70乃至400nmであり、そして、少なくとも一方
の面の表面エネルギーが55乃至75mN/mであるセ
ルロースアセテートフイルムからなる光学補償シートが
配置されており、さらに、セルロースアセテートフイル
ムの遅相軸とセルロースアセテートフイルムに隣接する
偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置され
ている液晶表示装置にもある。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であ
り、nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り、nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり、そし
て、dは、フイルムの厚さである。また、本発明の液晶
表示装置においては、液晶セルが、OCBモード、VA
モード、またはTNモードの液晶セルであることが好ま
しい。
フイルムのReレターデーション値およびRthレターデ
ーション値は、それぞれ、下記式(I)および(II)で
定義される。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内
の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率であ
る。 式(I)および(II)において、nyは、フイルム面内
の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率であ
る。 式(II)において、nzは、フイルムの厚み方向の屈折
率である。式(I)および(II)において、dは、単位
をnmとするフイルムの厚さである。
ムのReレターデーション値を20乃至70nmに、そ
して、Rthレターデーション値が70乃至400nmに
調節する。液晶表示装置に二枚の光学的異方性セルロー
スアセテートフイルムを使用する場合、フイルムのRth
レターデーション値は70乃至250nmであることが
好ましい。液晶表示装置に一枚の光学的異方性セルロー
スアセテートフイルムを使用する場合、フイルムのRth
レターデーション値は150乃至400nmであること
が好ましい。なお、セルロースアセテートフイルムの複
屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00025乃至
0.00088であることが好ましい。また、セルロー
スアセテートフイルムの厚み方向の複屈折率{(nx+
ny)/2−nz}は、0.00088乃至0.005
であることが好ましい。
化度が59.0乃至61.5%であるセルロースアセテ
ートを使用する。酢化度とは、セルロース単位重量当た
りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−
817−91(セルロースアセテート等の試験法)にお
けるアセチル化度の測定および計算に従う。セルロース
エステルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であ
ることが好ましく、290以上であることがさらに好ま
しい。また、本発明に使用するセルロースエステルは、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/
Mn(Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量)の
分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mn
の値としては、1.0乃至1.7であることが好まし
く、1.3乃至1.65であることがさらに好ましく、
1.4乃至1.6であることが最も好ましい。一般に、
セルロースアセテートの2,3,6の水酸基は全体の置
換度の1/3づつに均等に分配されるわけではなく、6
位水酸基の置換度が小さくなる傾向がある。本発明では
セルロースアセテートの6位水酸基の置換度が、2,3
位に比べて多いほうが好ましい。全体の置換度に対して
6位の水酸基が30%以上アセチル基で置換されている
ことが好ましく、更には31%以上、特に32%以上で
あることが好ましい。さらにセルロースアセテートの6
位アセチル基の置換度が0.88以上であることが好ま
しい。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上の
アシル基であるプロピオニル基、ブチロイル基、バレロ
イル基、ベンゾイル基、アクリロイル基などで置換され
ているものも本発明の光学補償シートとして用いること
が出来る。各位置の置換度の測定は、NMRによって求
める事ができる。本発明のセルロースアセテートとし
て、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜
0044に記載されている合成例1、段落番号0048
〜0049に記載されている合成例2、および段落番号
0051〜0052に記載されている合成例3の方法で
得られたセルロースアセテートを用いることができる。
セテートフイルムのレターデーションを調整するため、
少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレタ
ーデーション上昇剤として使用する。芳香族化合物は、
セルロースアセテート100質量部に対して、0.01
乃至20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セ
ルロースアセテート100質量部に対して、0.05乃
至15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1
乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好まし
い。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香
族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、
芳香族性ヘテロ環を含む。
ベンゼン環)であることが特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ
環は、5員環、6員環または7員環であることが好まし
く、5員環または6員環であることがさらに好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。
ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原
子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、
オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、
イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フ
ラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピ
リダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,
5−トリアジン環が含まれる。芳香族環としては、ベン
ゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサ
ゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾー
ル環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および
1,3,5−トリアジン環が好ましく、ベンゼン環およ
び1,3,5−トリアジン環がさらに好ましい。芳香族
化合物は、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環
を有することが特に好ましい。
乃至20であることが好ましく、2乃至12であること
がより好ましく、2乃至8であることがさらに好まし
く、2乃至6であることが最も好ましい。二つの芳香族
環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)
単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合
する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は
形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれ
でもよい。
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、イン
ドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾ
チオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール
環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベン
ゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメ
ン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キ
ナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジ
ン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、
フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フ
ェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン
環およびチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、ア
ズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベン
ゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリア
ゾール環およびキノリン環が好ましい。(b)の単結合
は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好
ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、
二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環
を形成してもよい。
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO
−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−
CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
いてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シア
ノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファ
モイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル
基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族
置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換
スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香
族性複素環基が含まれる。
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。、脂
肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含
まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の
例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド
およびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族
置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。レターデーション
上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ま
しい
ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフイ
ルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法
では、セルロースアセテートを有機溶媒に溶解した溶液
(ドープ)を用いてフイルムを製造する。有機溶媒は、
炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃
至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルお
よび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選
ばれる溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンお
よびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテ
ル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O
−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上
有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。
有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を
有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶
媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有す
る化合物の規定範囲内であればよい。
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の
有機溶媒を混合して用いてもよい。
を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常
温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調
製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調
製方法および装置を用いて実施することができる。な
お、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化
炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ま
しい。セルロースアセテートの量は、得られる溶液中に
10乃至40重量%含まれるように調整する。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30重量%であることが
さらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する
任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温
(0乃至40℃)でセルロースアセテートと有機溶媒と
を攪拌することにより調製することができる。高濃度の
溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体
的には、セルロースアセテートと有機溶媒とを加圧容器
に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以
上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪
拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好まし
くは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃
至110℃である。
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
できる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒中にもセルロースアセテートを
溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセル
ロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶
解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果があ
る。冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロ
ースアセテートを撹拌しながら徐々に添加する。セルロ
ースアセテートの量は、この混合物中に10乃至40重
量%含まれるように調整することが好ましい。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30重量%であることが
さらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の
添加剤を添加しておいてもよい。
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、セルロースアセテートと有機溶媒の混合物は
固化する。冷却速度は、4℃/分以上であることが好ま
しく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12
℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速
いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限で
あり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして1
00℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、
冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷
却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間
で割った値である。
は0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、
最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒
中にセルロースアセテートが溶解する。昇温は、室温中
に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。加
温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/
分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上で
あることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好まし
いが、10000℃/秒が理論的な上限であり、100
0℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が
実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始す
る時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始して
から最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値で
ある。以上のようにして、均一な溶液が得られる。な
お、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り
返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視によ
り溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20重量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒
により異なる。
プ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセ
テートフイルムを製造する。ドープは、ドラムまたはバ
ンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成す
る。流延前のドープは、固形分量が18乃至35%とな
るように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたは
バンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好まし
い。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法
については、米国特許2336310号、同23676
03号、同2492078号、同2492977号、同
2492978号、同2607704号、同27390
69号、同2739070号、英国特許640731
号、同736892号の各明細書、特公昭45−455
4号、同49−5614号、特開昭60−176834
号、同60−203430号、同62−115035号
の各公報に記載がある。ドープは、表面温度が10℃以
下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。
流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好まし
い。得られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取
り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高
温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以
上の方法は、特公平5−17844号公報に記載があ
る。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を
短縮することが可能である。この方法を実施するために
は、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてド
ープがゲル化することが必要である。
的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため
に、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル
酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フ
タル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが
含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DE
P、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用
いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤
の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25
重量%であることが好ましく、1乃至20重量%である
ことがさらに好ましく、3乃至15重量%であることが
最も好ましい。
防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加して
もよい。劣化防止剤については、特開平3−19920
1号、同5−1907073号、同5−194789
号、同5−271471号、同6−107854号の各
公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01乃至1重量%であることが好ま
しく、0.01乃至0.2重量%であることがさらに好
ましい。添加量が0.01重量%未満であると、劣化防
止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1重量%
を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードア
ウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好まし
い劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げる
ことができる。
延伸処理によりレターデーションをを調整することがで
きる。延伸倍率は、3乃至100%であることが好まし
い。セルロースアセテートフイルムの厚さは、40乃至
140μmであることが好ましく、70乃至120μm
であることがさらに好ましい。
理]セルロースアセテートフィルムの表面エネルギーを
55乃至75mN/mとするには、表面処理を施すこと
が好ましい。表面処理の例として、ケン化処理、プラズ
マ処理、火炎処理、および紫外線照射処理が挙げられ
る。ケン化処理には、酸ケン化処理およびアルカリケン
化処理が含まれる。プラズマ処理にはコロナ放電処理お
よびグロー放電処理が含まれる。フィルムの平面性を保
つために、これらの表面処理においては、セルロースア
セテートフィルムの温度をガラス転移温度(Tg)以
下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。こ
れらの表面処理後のセルロースアセテートフィルムの表
面エネルギーは55乃至75mN/mであることが好ま
しく、60乃至75mN/mであることがさらに好まし
い。
ートフィルムをアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で
中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好
ましい。アルカリ溶液の例としては、水酸化カリウム溶
液、および水酸化ナトリウム溶液が挙げられる。アルカ
リ溶液中の水酸化イオンの規定濃度は、0.1N乃至
3.0Nであることが好ましく、0.5N乃至2.0N
であることがさらに好ましい。アルカリ溶液の温度は、
0乃至90℃の範囲が好ましく、40乃至70℃がさら
に好ましい。アルカリ溶液にはセルロースアセテートフ
イルムを溶解せず、かつ膨潤させない溶媒を用いること
が好ましい。具体的には、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール等のアルコール類が好ましく用いられ
る。また、2種類の溶媒を混合することで、膨潤等を制
御することも好ましい。これら有機溶剤に溶解するのに
好ましいアルカリは水酸化カリウムが挙げられる。アル
カリ溶液を、セルロースアセテートフイルムに塗布し、
鹸化が進行した後、水洗により除去することで、表面エ
ネルギーを制御することが好ましい。この場合、アルカ
リが乾燥してしまうと水洗効率が落ちるため、アルカリ
溶液に乾燥防止用の添加剤を入れることが好ましい。具
体的には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、等のグリセリン類が好ま
しく挙げられる。さらにこれら湿潤剤は、アルカリ溶液
の相分離防止に効果のあることもある。
した電極と誘電体ロールの間に高電圧を印加して、電極
と誘電体ロールの間に発生したコロナ放電中にセルロー
スアセテートフィルムを置くか、あるいは移動させるこ
とにより行われる。また、本明細書では電極と誘電体ロ
ール間に印加する高電圧の周波数を放電周波数と記載す
る。コロナ放電処理は大気中で行うと簡便であるが、必
要に応じて処理装置を密閉あるいは半密閉状態にして、
他のガスで充満させた状態か、他のガスと大気が混合し
た状態で処理することもできる。ガスの例として窒素ガ
ス、アルゴンガス、酸素ガスなどが挙げられる。コロナ
放電処理において、放電周波数は、一般的に50Hz〜
5000kHzであり、5kHz〜数100kHzがよ
り好ましい。コロナ処理において、放電周波数が低すぎ
ると、放電が不安定になり、かつセルロースアセテート
フィルムにピンホールが生じるために好ましくない。ま
た、放電周波数が高すぎると、インピーダンスマッチン
グのための追加装置が必要となり、装置の価格が高くな
るために好ましくない。通常の濡れ性改良の為には、セ
ルロースアセテートフィルムのコロナ放電処理を、0.
001kV・A・分/m2 〜5kV・A・分/m2 とす
ることが好ましく、0.01kV・A・分/m2 〜1k
V・A・分/m2 とすることがさらに好ましい。電極と
誘電体ロールの間隔は0.5乃至2.5mmであること
が好ましく、1.0乃至2.0mmであることがさらに
好ましい。
一対以上の電極間に高電圧を印加して、電極間に発生し
たグロー放電中にセルロースアセテートフィルムを置く
か、あるいは移動させることにより行われる。グロー放
電処理における、ガスの圧力は、一般的に0.005〜
20Torrの範囲であり、0.02〜2Torrの範
囲がより好ましい。圧力が低すぎると表面処理効果が低
下する。圧力が高すぎると過大電流が流れ、スパークが
おこりやすく危険であり、セルロースアセテートフィル
ムが破壊される恐れもある。放電は、真空タンク中で1
対以上の空間を置いて配置された金属板或いは金属棒間
に高電圧を印加することにより生じる。この電圧は、雰
囲気気体の組成、圧力により色々な値をとり得るもので
あるが、通常上記圧力範囲内では、500〜5000V
の間で安定な定常グロー放電が起こる。接着性を向上さ
せるために、印加電圧の範囲を2000〜4000Vに
することが好ましい。また、一般的な放電周波数は、直
流から数1000MHzであり、50Hz〜20MHz
であることが好ましい。所望の接着強度を得るために、
被処理物のグロー放電処理を0.01kV・A・分/m
2 〜5kV・A・分/m 2 とすることが好ましく、0.
15kV・A・分/m2 〜1kV・A・分/m2とする
ことがさらに好ましい。
フィルムに紫外線を照射することにより行われる。紫外
線照射処理において、フィルムの表面温度が150℃前
後にまで上昇することで性能上問題なければ、光源とし
て主波長が365nmの高圧水銀ランプを使用すること
ができる。低温度処理が必要とされる場合には主波長が
254nmの低圧水銀ランプを使用することが好まし
い。またオゾンレスタイプの高圧水銀ランプ、および低
圧水銀ランプを使用することも可能である。処理光量に
関しては、処理光量が多い程フィルムと被接着層との接
着力は向上するが、光量の増加に伴いフィルムが着色
し、またフィルムが脆くなるという問題が発生する。従
って、365nmを主波長とする高圧水銀ランプを使用
する場合、照射光量は20〜10000(mJ/c
m2 )が好ましく、50〜2000(mJ/cm2 )が
さらに好ましい。254nmを主波長とする低圧水銀ラ
ンプを使用する場合、照射光量は100〜10000
(mJ/cm2 )が好ましく、300〜1500(mJ
/cm2 )がさらに好ましい。
用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記
載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求
めることができる。本発明のセルロースアセテートフィ
ルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。具体的
には、表面エネルギーが既知である2種類の溶液をセル
ロースアセテートフィルムに滴下し、液滴の表面とフィ
ルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィル
ム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義
し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出でき
る。
面処理を実施することにより、フィルムの表面エネルギ
ーが55乃至75mN/mであるセルロースアセテート
フィルムを得ることができる。このセルロースアセテー
トフィルムを偏光板の透明保護膜とすることにより、偏
光膜とセルロースアセテートフィルムの接着性を向上さ
せることができる。また、本発明のセルロースアセテー
トフィルムをOCBモードの液晶表示装置に用いる場
合、本発明の光学補償シートは、セルロースアセテート
フィルム上に配向膜を形成し、その上に円盤状化合物も
しくは棒状液晶化合物を含む光学異方性層を設けても良
い。光学異方性層は、配向膜上に円盤状化合物(もしく
は棒状液晶化合物)を配向させ、その配向状態を固定す
ることにより形成する。このようにセルロースアセテー
トフィルム上に光学異方性層を設ける場合、従来ではセ
ルロースアセテートフィルムと配向膜との接着性を確保
するために、両者の間にゼラチン下塗り層を設ける必要
があったが、本発明の、表面エネルギーが55乃至75
mN/mであるセルロースアセテートフィルムを用いる
ことにより、ゼラチン下塗り層を不要とすることができ
る。
折率を有し、多様な配向形態があるため、円盤状化合物
を用いることで、従来の延伸複屈折フィルムでは得るこ
とができない光学的性質を有する光学補償シートを製造
することができる。円盤状化合物を用いた光学補償シー
トについては、特開平6−214116号公報、米国特
許5583679号、同5646703号、西独特許公
報3911620A1号の各明細書に記載がある。
側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護
膜として、上記のセルロースアセテートフイルムを用い
ることができる。他方の保護膜は、通常のセルロースア
セテートフイルムを用いてもよい。偏光膜には、ヨウ素
系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン
系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜
は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製
造する。セルロースアセテートフイルムの遅相軸と偏光
膜の透過軸とは、実質的に平行になるように配置する。
ートフイルムからなる光学補償シート、または上記のセ
ルロースアセテートフイルムを用いた偏光板は、液晶表
示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。
透過型液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置
された二枚の偏光板からなる。液晶セルは、二枚の電極
基板の間に液晶を担持している。光学補償シートは、液
晶セルと一方の偏光板との間に、一枚配置するか、ある
いは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置する。
置される透明保護膜として、上記のセルロースアセテー
トフイルムを用いる。一方の偏光板の(液晶セルと偏光
膜との間の)透明保護膜のみ上記のセルロースアセテー
トフイルムを用いるか、あるいは双方の偏光板の(液晶
セルと偏光膜との間の)二枚の透明保護膜に、上記のセ
ルロースアセテートフイルムを用いる。液晶セルはOC
Bモード、VAモードまたはTNモードであることが好
ましい。
子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対
称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用い
た液晶表示装置であり、米国特許4583825号、同
5410422号の各明細書に開示されている。棒状液
晶分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向してい
るため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償
機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB
(Optically Compensatory Bend)液晶モードとも呼ば
れる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が
速いとの利点がある。
に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VA
モードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無
印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的
に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開
平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野
角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(M
VAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tec
h. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、
(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配
向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させる
モード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論
会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)
SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインター
ナショナル98で発表)が含まれる。
に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60乃
至120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セ
ルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用さ
れており、多数の文献に記載がある。
2号明細書に開示されているセルロースアセテートフイ
ルムを改良して、従来の厚みを保ったまま、副作用なし
に液晶セルを光学的に補償することに成功した。セルロ
ースアセテートフイルムへの添加剤(具体的には、二つ
の芳香族環を有する芳香族化合物)の種類と量あるいは
製造条件(例えば、フイルムの延伸条件)を調節するこ
とによって、Reレターデーション値が20乃至70n
mであり、Rthレターデーション値が70乃至400n
mであるセルロースアセテートフイルムが得られる。こ
のセルロースアセテートフイルムは、液晶セルを光学的
に補償するために充分な光学的異方性を有している。さ
らにセルロースアセテートフィルムに表面処理を施すこ
とにより、表面エネルギーが55乃至75mN/mであ
るセルロースアセテートフイルムからなる光学補償シー
トが得られる。
れた保護膜からなる。そして偏光膜はポリビニルアルコ
ールを延伸配向したものにヨウ素、もしくは二色性色素
を吸着させたものであり、保護膜は、一般にセルロース
アセテートフイルムからなる。上記のセルロースアセテ
ートフイルムを偏光板の一方の保護膜として用いると、
偏光板の構成要素の数を増加することなく、偏光板に光
学補償機能を追加するができる。この際に、セルロース
アセテートフィルムの表面エネルギーが55乃至75m
N/mであるために、(接着剤を介し)ポリビニルアル
コールとの接着性が上がり、耐久性に優れた偏光板を得
ることができる。なお、酢化度が59.0未満のセルロ
ースアセテートを使用すると、上記の光学的異方性を容
易に達成できるが、セルロースアセテートフイルムとし
ての物性が低下する。本発明では、酢化度が59.0乃
至61.5%であるセルロースアセテートを使用し、他
の手段(上記の添加剤や製造条件の調節)で上記のレタ
ーデーション値を達成することにより、光学的異方性と
物性との双方が優れ、さらに偏光膜との接着性に優れる
セルロースアセテートフイルムを得ている。上記のセル
ロースアセテートフイルムからなる光学補償シートおよ
び上記のセルロースアセテートフイルムを保護膜として
用いた偏光板は、OCB(Optically Compensatory Ben
d)型、VA(Vertically Aligned)型またはTN(Twi
stedNematic)型の液晶表示装置に、特に有利に用いる
ことができる。
クに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、
セルロースアセテート溶液を調製した。
ーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質
量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しなが
ら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーシ
ョン上昇剤溶液25質量部を混合し、充分に攪拌してド
ープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、
セルロースアセテート100質量部に対して、3.5質
量部であった。
流延した。残留溶剤量が15重量%のフイルムを、13
0℃の条件で、テンターを用いて25%の延伸倍率で横
延伸して、セルロースアセテートフイルム(厚さ:80
μm)を製造した。さらに、作製したセルロースアセテ
ートフィルムを、1.5Nの水酸化カリウム溶液(50
℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和した。そしてセル
ロースアセテートフィルムを溶液から取り出して、純水
により洗浄した後、乾燥した。この様にケン化処理され
たセルロースアセテートフィルムの表面エネルギーを接
触角法により求めたところ、60mN/mであった。作
製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シー
ト)について、エリプソメーター(M−150、日本分
光(株)製)を用いて、波長550nmにおけるReレ
ターデーション値およびRthレターデーション値を測定
した。結果は第1表に示す。
74質量部にレターデーション上昇剤溶液56質量部を
混合してドープを調製し(セルロースアセテート100
質量部に対して、レターデーション上昇剤7.8質量部
を使用し)、延伸倍率を14%に変更した以外は、実施
例1と同様にセルロースアセテートフイルム(光学補償
シート)を作製した。さらに、作製したセルロースアセ
テートフィルムを、1.5Nの水酸化カリウム溶液(4
0℃)に5分間浸漬した後、硫酸で中和した。そしてセ
ルロースアセテートフィルムを溶液から取り出して、純
水により洗浄した後、乾燥した。この様にケン化処理さ
れたセルロースアセテートフィルムの表面エネルギーを
接触角法により求めたところ、68mN/mであった。
作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シー
ト)について、実施例1と同様に、Reレターデーショ
ン値およびRthレターデーション値を測定した。結果は
第1表に示す。
外は、実施例2と同様にセルロースアセテートフイルム
を作製した。さらに、作製したセルロースアセテートフ
ィルムを2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2
分間浸漬した後、硫酸で中和した。そして、セルロース
アセテートフィルムを溶液から取り出して、純水により
洗浄した後、乾燥した。この様にケン化処理されたセル
ロースアセテートフィルムの表面エネルギーを接触角法
により求めたところ、63mN/mであった。このセル
ロースアセテートフィルム上に、下記の組成の塗布液を
#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2 塗布し
た。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で15
0秒乾燥した。次に、セルロースアセテートフィルムの
遅相軸(波長632.8nmで測定)と45゜の方向
に、形成した膜にラビング処理を実施した。
の円盤状(液晶性)化合物41.01g、エチレンオキ
サイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製)4.06g、セ
ルロースアセテートブチレート(CAB551−0.
2、イーストマンケミカル社製)0.90g、セルロー
スアセテートブチレート(CAB531−1、イースト
マンケミカル社製)0.23g、光重合開始剤(イルガ
キュアー907、チバガイギー社製)1.35g、増感
剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.4
5gを、102gのメチルエチルケトンに溶解した塗布
液を、#3のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠
に貼り付けて、130℃の恒温槽中で2分間加熱し、円
盤状化合物を配向させた。次に130℃で120W/c
m高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し円盤状化合物
を重合させた。その後、室温まで放冷した。このように
して、光学異方性層を形成した。作製したセルロースア
セテートフイルム(光学補償シート)について、実施例
1と同様に、Reレターデーション値およびRthレター
デーション値を測定した。結果は第1表に示す。
74質量部にレターデーション上昇剤溶液56質量部を
混合してドープを調整し(セルロースアセテート100
質量部に対して、レターデーション上昇剤7.8質量部
を使用し)、延伸倍率を35%に変更した以外は、実施
例1と同様にセルロースアセテートフィルム(光学補償
シート)を作製した。さらに、作製したセルロースアセ
テートフィルム表面に、放電周波数100kHzのコロ
ナ放電処理を施した。この様にコロナ放電処理されたセ
ルロースアセテートフィルムの表面エネルギーを接触角
法により求めたところ、60mN/mであった。作製し
たセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)に
ついて、実施例1と同様に、Reレターデーション値お
よびRthレターデーション値を測定した。結果は第1表
に示す。
ンクに投入し、各成分を冷却溶解(−70℃)し、セル
ロースアセテート溶液を調整した。
テートは、残存酢酸量が0.01質量%以下であり、C
aが0.05質量%、Mgは0.007質量%であり、
さらにFeは5ppmであった。また6位アセチル基は
0.95であり全アセチル中の32.2%であった。ま
た、アセトン抽出分は11質量%、重量平均分子量と数
平均分子量の比は0.5であり、分布の均一なものであ
った。また、イエローネスインデックスは0.3であ
り、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であり、T
gは160℃、結晶化発熱量は6.2J/gであった。
実施例2と同様にして、レターデーション上昇剤がセル
ロースアセテート100質量部に対して、6.5質量部
となるように調整し、セルロースアセテートフイルム
(CAF−05)を作製した。以降、表面処理(鹸
化)、配向膜、光学異方層は実施例3と全く同じ方法で
光学補償シート(KH−05)を作製した。
を、そのままドープとして使用し、延伸処理およびケン
化処理を実施しなかった以外は、実施例1と同様にセル
ロースアセテートフイルム(光学補償シート)を作製し
て評価した。結果は第1表に示す。
ルフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリ
ビニル系接着剤を用いて、実施例1で作成したセルロー
スアセテートフィルムを偏光膜の片側に貼り付けた。そ
して、市販のセルロースアセテートフイルム(フジタッ
クTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化
処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、
偏光膜の反対側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と実施例
1で作製したセルロースアセテートフイルムの遅相軸と
は平行になるように配置した。偏光膜の透過軸と市販の
セルローストリアセテートフイルムの遅相軸とは、直交
するように配置した。このようにして偏光板を作製し
た。
スアセテートフイルムを用いた以外は、実施例6と同様
にして、偏光板を作製した。
スアセテートフイルムを用いた以外は、実施例6と同様
にして、偏光板を作製した。 [実施例9]実施例5で作製したセルロースアセテート
フイルムを用いた以外は、実施例6と同様にして、偏光
板を作製した。
した液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)
製)に設けられている一対の偏光板および一対の光学補
償シートを剥がし、代わりに実施例6で作製した偏光板
を、実施例1で作製したセルロースアセテートフイルム
が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側お
よびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の
偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側
の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコ
ル配置とした。作製した液晶表示装置について、測定機
(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用い
て、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で
視野角を測定した。結果を第2表に示す。
した液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)
製)に設けられている一対の偏光板および一対の光学補
償シートを剥がし、代わりに実施例7で作製した偏光板
を、実施例2で作製したセルロースアセテートフイルム
が液晶セル側となるように粘着剤を介して一枚、観察者
側に貼り付けた。また、バックライト側には、市販の偏
光板(HLC2−5618HCS、(株)サンリッツ
製)を一枚貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上
下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が
左右方向になるように、クロスニコル配置とした。作製
した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast1
60D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)か
ら白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結
果を第2表に示す。
た液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)
について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDI
M社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)
までの8段階で視野角を測定した。結果を第2表に示
す。
基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラ
ビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板をラビ
ング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャッ
プを6μmに設定した。セルギャップにΔnが0.13
96の液晶性化合物(ZL1132、メルク社製)を注
入し、ベンド配向液晶セルを作製した。作製したベンド
配向セルを挟むように、実施例8で作製した偏光板を二
枚貼り付けた。偏光板の光学異方性層がセル基板に対面
し、液晶セルのラビング方向とそれに対面する光学異方
性層のラビング方向とが反平行となるように配置した。
液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加した。白表示2
V、黒表示5Vのノーマリーホワイトモードとした。透
過率の比(白表示/黒表示)をコントラスト比として、
測定器(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を
用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段
階で視野角を測定した。測定した結果を第3表に示す。
を用いること以外は実施例12と同様にして、液晶表示
装置を作製し、評価した。
液晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)に設け
られている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例6で
作製した偏光板を、実施例1で作製したセルロースアセ
テートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介し
て、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付け
た。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏
光板の透過軸とは、直交となるように配置した。作製し
た液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast16
0D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から
白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果
を第4表に示す。
晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)につい
て、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社
製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)まで
の8段階で視野角を測定した。結果を第4表に示す。
Claims (10)
- 【請求項1】 酢化度が59.0乃至61.5%である
セルロースアセテート、および少なくとも二つの芳香族
環を有する芳香族化合物をセルロースアセテート100
質量部に対して0.01乃至20質量部含み、下記式
(I)で定義されるReレターデーション値が20乃至
70nmであり、下記式(II)で定義されるRthレター
デーション値が70乃至400nmであり、そして、少
なくとも一方の面の表面エネルギーが55乃至75mN
/mであるセルロースアセテートフイルムからなること
を特徴とする光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである]。 - 【請求項2】 光学補償シートが、3乃至100%の延
伸倍率での延伸物であるセルロースアセテートフイルム
からなる請求項1に記載の光学補償シート。 - 【請求項3】 芳香族化合物が、少なくとも一つの1,
3,5−トリアジン環を有する請求項1に記載の光学補
償シート。 - 【請求項4】 前記のセルロースアセテートフイルム
が、溶液製膜法により製膜されたフイルムであり、製膜
に用いる溶媒が、炭素数3乃至12のエーテル、炭素数
3乃至12のケトン、もしくは炭素数3乃至12のエス
テルであることを特徴とする請求項2もしくは3に記載
の光学補償シート。 - 【請求項5】 前記セルロースアセテートフイルムが、
6位水酸基の置換度が、2,3位に比べて多いセルロー
スアセテートを主成分とする事を特徴とする請求項1、
2および4のうちのいずれかの項に記載の光学補償シー
ト。 - 【請求項6】 光学補償シートの少なくとも一方の面
に、規定濃度が0.1N乃至3.0Nのアルカリ溶液を
用いたアルカリケン化処理がされていることを特徴とす
る請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載の光学補
償シート。 - 【請求項7】 光学補償シートの少なくとも一方の面
に、放電周波数が50Hz乃至5000kHzのコロナ
放電処理がされていることを特徴とする請求項1乃至6
のうちのいずれかの項に記載の光学補償シート。 - 【請求項8】 偏光膜およびその両側に配置された二枚
の透明保護膜からなる偏光板であって、透明保護膜の一
方が、酢化度が59.0乃至61.5%であるセルロー
スアセテート、および少なくとも二つの芳香族環を有す
る芳香族化合物をセルロースアセテート100質量部に
対して0.01乃至20質量部含み、下記式(I)で定
義されるReレターデーション値が20乃至70nmで
あり、下記式(II)で定義されるRthレターデーション
値が70乃至400nmであり、そして、偏光膜に接す
る面の表面エネルギーが55乃至75mN/mであるセ
ルロースアセテートフイルムからなり、さらに、セルロ
ースアセテートフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とが
実質的に平行になるように配置されていることを特徴と
する偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである]。 - 【請求項9】 液晶セルおよびその両側に配置された二
枚の偏光板からなり、偏光板が偏光膜およびその両側に
配置された二枚の透明保護膜からなる液晶表示装置であ
って、液晶セルと一方の偏光板との間に、酢化度が5
9.0乃至61.5%であるセルロースアセテート、お
よび少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を
セルロースアセテート100質量部に対して0.01乃
至20質量部含み、下記式(I)で定義されるReレタ
ーデーション値が20乃至70nmであり、下記式(I
I)で定義されるRthレターデーション値が70乃至4
00nmであり、そして、少なくとも一方の面の表面エ
ネルギーが55乃至75mN/mであるセルロースアセ
テートフイルムからなる光学補償シートが配置されてお
り、さらに、セルロースアセテートフイルムの遅相軸と
セルロースアセテートフイルムに隣接する偏光膜の透過
軸とが実質的に平行になるように配置されている液晶表
示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである]。 - 【請求項10】 液晶セルが、OCBモード、VAモー
ド、またはTNモードの液晶セルである請求項9に記載
の液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001071623A JP2002082226A (ja) | 2000-06-21 | 2001-03-14 | 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 |
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Publications (1)
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ID=26594338
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- 2001-03-14 JP JP2001071623A patent/JP2002082226A/ja active Pending
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