JP2002062426A - 配向膜、光学補償シート、楕円偏光板、およびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

配向膜、光学補償シート、楕円偏光板、およびそれを用いた液晶表示装置

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JP2002062426A
JP2002062426A JP2000246269A JP2000246269A JP2002062426A JP 2002062426 A JP2002062426 A JP 2002062426A JP 2000246269 A JP2000246269 A JP 2000246269A JP 2000246269 A JP2000246269 A JP 2000246269A JP 2002062426 A JP2002062426 A JP 2002062426A
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liquid crystal
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compound
alignment film
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JP2000246269A
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English (en)
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Yoji Ito
洋士 伊藤
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示品位に優れ、かつ生産歩留まりの良い液
晶表示装置を提供すること。 【解決手段】 透明支持体、配向膜、および液晶化合物
からなる光学異方性層がこの順で設けられており、配向
膜の表面粗さ(Ra)が0.1乃至2.0nmの範囲に
あることを特徴とする光学補償シートを液晶表示装置に
利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配向膜、光学補償
シート、偏光板、およびそれを用いた液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、偏光板と液晶セルから
構成されている。現在主流であるTNモードTFT液晶
表示装置においては、特開平8−50206号公報に記
載のように、光学補償シート(位相差板)を偏光板と液
晶セルの間に挿入することにより、表示品位の高い液晶
表示装置が実現されている。しかし、この方法による
と、液晶表示装置自体が厚くなるなどの問題点があっ
た。特開平1−68940号公報には、偏光膜の一方の
面に光学補償シート、他方の面に保護フィルムを有する
楕円偏光板を用いることで、液晶表示装置を厚くするこ
となく、正面コントラストを高くすることができるとの
記載がある。ところが、この発明の光学補償シートは、
熱等の歪みにより位相差が発生しやすく、耐久性に問題
のあることがわかった。歪みによる位相差発生の問題に
対し、特開平7−191217号公報および欧州特許0
911656A2号明細書においては、透明支持体上に
ディスコティック化合物からなる光学異方性層を塗設し
た光学補償シートを、直接偏光板の保護フィルムとした
楕円偏光板を用いることで、液晶表示装置を厚くするこ
となく、上述の耐久性の問題を解決した。
【0003】光学補償シートは、透明支持体上に配向膜
を形成し、配向膜表面をラビング(布などで擦る)処理
し、その上に、液晶化合物を塗布そして配向させ、さら
にその配向状態が固定化された光学異方性層を設けるこ
とで得られる。ラビング処理において、配向膜表面が削
り取られ、その粉が凝集することで液晶化合物層の配向
欠陥となり、生産の歩留まりを悪化させるという問題が
あった。この問題に対し、特開平7−333613号公
報に記載のように、超音波除塵機を利用してラビング屑
を取り去る試みがなされ、ある程度の成果が得られた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のように配向膜を
ラビング処理する際に発生するラビング屑は、液晶化合
物を用いる光学補償シートもしくは液晶セルの歩留まり
を悪化させていた。超音波除塵機の利用により、ある程
度ラビング屑の除去ができ成果は得られたものの、歩留
まりを低下させる原因であるラビング屑の発生そのもの
を抑えたわけではない。また、近年、ディスプレイが高
精細化するに従い、欠陥サイズに対する要求も厳しくな
り、超音波除塵機の利用のみでは十分な歩留まりが得ら
れなくなっている。本発明の目的は、ラビング屑の発生
が少ない配向膜を提供して、光学補償シートや液晶セル
の生産歩留まりを向上させることにある。また、液晶表
示装置の視野角を拡大させる、生産歩留まりに優れる光
学補償シートを提供することにある。さらに、本発明の
目的は、光学補償シートを用いて、液晶パネルの厚みを
厚くすることなく、視野角が拡大し、そして視角変化に
よる、コントラスト低下、階調または黒白反転、および
色相変化等がほとんど発生することのなく、さらに耐久
性が向上した液晶表示装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者の鋭意研究によ
り、配向膜としてこれまで用いられてきた材料の変更な
しに、その表面の粗さを制御することにより、従来用い
られてきた配向膜の配向能を維持したまま、かつラビン
グ屑の発生を抑えられることを見出した。従って本発明
の目的は、下記(1)の配向膜、(2)〜(7)の光学
補償シート、(8)および(9)の偏光板、および(1
0)および(11)の液晶表示装置により達成された。 (1)表面粗さ(Ra)が0.1乃至2.0nmの範囲
にあることを特徴とする液晶化合物用の配向膜。 (2)透明支持体上に、配向膜、および液晶化合物から
なる光学異方性層がこの順で設けらており、配向膜の表
面粗さ(Ra)が0.1乃至2.0nmの範囲にあるこ
とを特徴とする光学補償シート。
【0006】(3)前記の液晶化合物がディスコティッ
ク化合物であることを特徴とする(2)に記載の光学補
償シート。 (4)前記の配向膜が、ポリビニルアルコールもしくは
変性ポリビニルアルコールからなることを特徴とする
(2)に記載の光学補償シート。 (5)前記の配向膜が、二種類のポリマーを含む混合物
の架橋膜の表面にラビング処理を施したものであり、少
なくとも一方のポリマーが、下記の化合物によるポリビ
ニルアルコールの変性物であることを特徴とする(2)
に記載の光学補償シート:
【化2】 [式中、R1 は、アルキル基、アクリロイルアルキル
基、メタクリロイルアルキル基、またはエポキシアルキ
ル基を表わし;Wは、ハロゲン原子、アルキル基、また
はアルコキシ基を表わし;Xは、活性エステル、酸無水
物、または酸ハロゲン化物を形成するために必要な原子
群を表わし;pは、0または1を表わし;そしてnは、
0〜4の整数を表わす]。
【0007】(6)前記の透明支持体が、下記式(I)
により定義されるReレターデーション値が20乃至2
00nmの範囲にあり、そして、下記式(II)により定
義されるRthレターデーション値が70乃至400nm
の範囲にあるポリマーフイルムからなることを特徴とす
る(2)に記載の光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである]。(7)前記のポリ
マーフィルムが、酢化度59.0乃至61.5%である
セル ロースアセテート、およびセルロースアセテート100
質量部に対して、少なくとも二つの芳香族環を有する芳
香族化合物を0.01乃至20質量部含むことを特徴と
する(6)に記載の光学補償シート。
【0008】(8)偏光膜の少なくとも一方の面に、透
明支持体、配向膜および円盤状構造単位を有する化合物
からなる光学異方性層からなる光学補償シートが貼り合
わされてなり、透明支持体が、下記式(I)により定義
されるReレターデーション値が20乃至200nmの
範囲にあり、下記式(II)により定義されるRthレター
デーション値が70乃至400nmの範囲にあるポリマ
ーフイルムからなり、そして、配向膜の表面粗さ(R
a)が0.1乃至2.0nmの範囲にあることを特徴と
する楕円偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである]。 (9)前記のポリマーフィルムが、酢化度59.0乃至
61.5%であるセルロースアセテート、およびセルロ
ースアセテート100質量部に対して、少なくとも二つ
の芳香族環を有する芳香族化合物を0.01乃至20質
量部含むことを特徴とする(8)に記載の楕円偏光板。 (10)液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏
光板からなる液晶表示装置であって、少なくとも一方の
偏光板が、(8)もしくは(9)に記載の偏光板であ
り、光学補償シートが液晶セル側になるように配置され
ていることを特徴とする液晶表示装置。 (11)液晶セルが、OCBモード、またはTNモード
の液晶セルであることを特徴とする(10)に記載の液
晶表示装置。
【0009】
【発明の効果】本発明者は、配向膜の表面粗さを制御す
ることにより、ラビングの際に発生するラビング屑の発
生を抑えることに成功した。また、本発明の配向膜を光
学補償シートや液晶セルに利用することで、それらの生
産歩留まりを向上することができる。更にこの技術を利
用した光学補償シートは、液晶化合物層の配向欠陥が少
なく、そして液晶セルを光学的に充分補償できる。ま
た、この光学補償シートを偏光板や液晶表示装置に利用
することで、従来の液晶表示装置の厚みを保ったまま、
副作用なしに液晶セルが光学的に補償され、広視野角で
ある液晶表示装置を歩留まり良く提供することができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の配向膜は、ラビング屑の
発生を抑えるために、その表面粗さが0.1乃至2.0
nmの範囲にあることを特徴とする。配向膜の表面粗さ
は、配向膜用塗布液の溶媒および粘度、そして乾燥膜厚
などを調整することにより制御できる。表面粗さの制御
についての詳細は後述する。
【0011】また、本発明の光学補償シートは、透明支
持体に、配向膜および液晶化合物からなる光学異方性層
がこの順で設けられてなり、配向膜の表面粗さが0.1
乃至2.0nmの範囲にあることを特徴とする。液晶化
合物はディスコティック化合物であることが好ましく、
その例としては、モノマー等の低分子量ディスコティッ
ク化合物または重合性ディスコティック化合物の重合に
より得られるポリマーを挙げることができる。ディスコ
ティック化合物は、一般に、ディスコティック液晶相
(即ち、ディスコティックネマチック相)を有する化合
物とディスコティック液晶相を持たない化合物に大別す
ることができる。ディスコティック化合物は、一般に負
の複屈折を有する。本発明の光学異方性層は、ディスコ
ティック化合物のこの負の複屈折性を利用したものであ
る。液晶化合物を有する光学補償シートは、液晶セルに
対する優れた光学補償機能を有する。
【0012】[配向膜]本発明の配向膜は、生産性に優れ
た塗布方式を用いることができる有機配向膜であること
が好ましい。そして、その表面粗さが0.1乃至2.0
nmの範囲にあることを特徴とする。配向膜は、ポリマ
ー材料からなり、そして、ポリマー材料と溶媒からなる
配向膜用塗布液を所望の方法で塗布、そして乾燥するこ
とにより形成する。配向膜の表面粗さは、配向膜用塗布
液の溶媒および粘度、そして乾燥膜厚などを調整するこ
とにより制御できる。具体的には、基板表面の凹凸以上
の乾燥膜厚で、ゆっくりと乾燥させることにより、配向
膜の表面を平滑化できる。さらに、トリアセチルセルロ
ースに代表される透明プラスッチック支持体に配向膜を
塗設する場合、配向膜用塗布液の乾燥条件のみでなく乾
燥後の厚みが0.7μm乃至1.5μm、さらには、
0.85乃至1.25μmであると非常に平滑な表面の
得られることがわかった。ポリマーとして、ポリビニル
アルコールもしくは変性ポリビニルアルコールを用いる
場合、配向膜用塗布液の溶媒は、消泡作用のあるメタノ
ール等の有機溶媒、あるいは有機溶媒と水の混合溶媒で
あることが好ましい。その比率は質量比で、水:メタノ
ールが0:100〜99:1が一般的であり、0:10
0〜91:9であることが好ましい。これにより、塗布
の際の泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方性
層の表面の欠陥が著しく減少する。更に乾燥速度を低下
させるのにも有効に働く。
【0013】配向膜用塗布液の塗布方法としては、スピ
ンコーティング法、ディップコーティング法、カーテン
コーティング法、エクストルージョンコーティング法、
バーコーティング法及びE型塗布法を挙げることができ
る。特にE型塗布法が好ましい。また、形成された配向
膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ま
しく、0.5乃至5μmの範囲にあることがより好まし
く、1.0乃至2.0μmの範囲にあることが最も好ま
しい。膜厚の上限は、素材コストおよび生産性の観点か
ら低い方が好ましい。
【0014】配向膜用の塗布液を加熱乾燥する際の温度
は、20℃乃至110℃の範囲にあることが好ましい。
配向膜の表面粗さを制御するには、特に塗布直後から1
分間の初期の乾燥が重要である。この1分間の初期の乾
燥を、膜面温度が20℃乃至40℃となるように乾燥す
ることが好ましい。この後の乾燥温度は、後述する架橋
剤で充分な架橋を形成させるために60乃至100℃の
範囲にあることが好ましく、80乃至100℃の範囲に
あることがさらに好ましい。乾燥時間は、1分〜36時
間の範囲で行なうことができる。乾燥時間は、5分間乃
至30分間の範囲にあることが好ましい。配向膜用塗布
液のpH値は、用いる架橋剤に最適な値に設定すること
が好ましく、グルタルアルデヒドを使用する場合は、p
H値が4.5乃至5.5の範囲にあることが好ましく、
pH値が5であることが特に好ましい。
【0015】配向膜用のポリマー材料は、一種類もしく
はそれ以上のポリマー材料からなる。形成された配向膜
は、これらポリマーの混合物の架橋膜であることが好ま
しい。また、必要に応じて架橋剤を添加することもでき
る。ポリマーは、それ自体架橋可能なポリマー、架橋剤
により架橋されるポリマーのいずれも使用することがで
きる。配向膜は、官能基を有するポリマーあるいはポリ
マーに官能基を導入したものを、光、熱、PH変化など
により、ポリマー間で反応させて形成するか、あるい
は、反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてポリマ
ー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、ポリマー間
を架橋することにより形成することができる。
【0016】このような架橋は、通常ポリマーまたはポ
リマーと架橋剤の混合物を含む塗布液を、透明支持体上
に塗布したのち、加熱等を行なうことにより実施され
る。また、最終商品の段階で耐久性が確保できればよい
ので、配向膜を透明支持体上に塗設してから、光学補償
シートを得るまでのいずれの段階で架橋させる処理を行
なってもよい。配向膜上に形成される円盤状構造を有す
る化合物(光学異方性層)の配向性を考えると、円盤状
構造を有する化合物を配向させたのちに、充分架橋を行
なうことも好ましい。すなわち、透明支持体上に、ポリ
マー及び該ポリマーを架橋することができる架橋剤を含
む塗布液を塗布した場合、加熱乾燥した後、ラビング処
理を行なって配向膜を形成し、次いでこの配向膜上に円
盤状構造単位を有する化合物を含む塗布液を塗布し、デ
ィスコティックネマチック相形成温度以上に加熱した
後、冷却して光学異方性層を形成する。一般的には、こ
の塗布液の加熱乾燥の際に架橋が行なわれるが、加熱温
度が低い場合には、ディスコティックネマチック相形成
温度に加熱された時に更に架橋が進む。
【0017】配向膜に用いられるポリマーは、それ自体
架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポ
リマーのいずれも使用することができる。勿論、両方可
能なポリマーも使用することができる。ポリマーの例と
しては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタ
クリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合
体、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコー
ル、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン
/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチ
レン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/
塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン及びポリカーボネート等のポリマー及びシランカ
ップリング剤等の化合物を挙げることができる。これら
のポリマーのうち、ポリ(N−メチロールアクリルアミ
ド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビ
ルアルコール及び変性ポリビニルアルコール等の水溶性
ポリマーを用いることが好ましく、ゼラチン、ポリビル
アルコール及び変性ポリビニルアルコールを用いること
がさらに好ましく、ポリビルアルコール及び変性ポリビ
ニルアルコールを用いることが最も好ましい。また、重
合度の異なるポリビニルアルコール又は変性ポリビニル
アルコールを2種類併用することは、さらに好ましい。
【0018】ポリビニルアルコールの例としては、鹸化
度が70乃至100%の範囲にあるポリビニルアルコー
ルが挙げられる。一般に鹸化度は80乃至100%の範
囲にあり、85乃至95%の範囲にあることがさらに好
ましい。また、ポリビニルアルコールの重合度は、10
0乃至3000の範囲にあることが好ましい。変性ポリ
ビニルアルコールの例としては、共重合変性、連鎖移動
による変性、またはブロック重合による変性をしたポリ
ビニルアルコールなどを挙げることができる。共重合変
性する場合の変性基の例としては、COONa、Si
(OX) 3 、N(CH3 3 ・Cl、C9 、H19CO
O、SO3 、Na、C1225などが挙げられる。連鎖移
動による変性をする場合の変性基の例としては、COO
Na、SH、C1225などが挙げられる。また、ブロッ
ク重合による変性をする場合の変性基の例としては、C
OOH、CONH2 、COOR、C6 5 などが挙げら
れる。これらの中でも、鹸化度が80〜100%の範囲
にある未変性もしくは変性ポリビニルアルコールが好ま
しい。また、鹸化度が85乃至95%の範囲にある未変
性ポリビニルアルコールおよびアルキルチオ変性ポリビ
ニルアルコールがさらに好ましい。
【0019】変性ポリビニルアルコールは、下記の一般
式により表される化合物によるポリビニルアルコールの
変性物であることが好ましい。この変性ポリビニルアル
コールを、以下、特定の変性ポリビニルアルコールと記
載する。
【0020】
【化3】 [式中、R1 は、アルキル基、アクリロイルアルキル
基、メタクリロイルアルキル基、またはエポキシアルキ
ル基を表わし;Wは、ハロゲン原子、アルキル基、また
はアルコキシ基を表わし;Xは、活性エステル、酸無水
物、または酸ハロゲン化物を形成するために必要な原子
群を表わし;pは、0または1を表わし;そしてnは、
0〜4の整数を表わす]。上記の特定の変性ポリビニル
アルコールは、さらに下記一般式で表わされる化合物に
よるポリビニルアルコールの変性物であることが好まし
い。
【0021】
【化4】 [式中、X1 は活性エステル、酸無水物、または酸ハロ
ゲン化物を形成するために必要な原子群を表わし、そし
てmは2〜24の整数を表わす。]
【0022】上記の二つの一般式により表される化合物
と反応させるために用いられるポリビニルアルコールと
しては、未変性のポリビニルアルコール、および、上記
の共重合変性、連鎖移動による変性、またはブロック重
合による変性をした変性ポリビニルアルコールを挙げる
ことができる。上記特定の変性ポリビニルアルコールの
好ましい例は、特開平9−152509号明細書に詳し
く記載されている。これらのポリマーの合成方法、可視
吸収スペクトル測定、および変性基導入率の決定方法な
どは、特開平8−338913号公報に詳しく記載があ
る。
【0023】架橋剤の例としては、アルデヒド類、N−
メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基
を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化
合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾール類、およ
びジアルデヒド澱粉などを挙げることができる。アルデ
ヒド類の例としては、ホルムアルデヒド、グリオキザー
ル、およびグルタルアルデヒドが挙げられる。N−メチ
ロール化合物の例としては、ジメチロール尿素およびメ
チロールジメチルヒダントインが挙げられる。ジオキサ
ン誘導体の例としては、2,3−ジヒドロキシジオキサ
ンが挙げられる。カルボキシル基を活性化することによ
り作用する化合物の例としては、カルベニウム、2−ナ
フタレンスルホナート、1,1−ビスピロリジノ−1−
クロロピリジニウム、および1−モルホリノカルボニル
−3−(スルホナトアミノメチル)が挙げられる。活性
ビニル化合物の例としては、1、3、5−トリアクロイ
ル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスル
ホン)メタン、およびN,N’−メチレンビス−[βー
(ビニルスルホニル)プロピオンアミド]が挙げられ
る。そして、活性ハロゲン化合物の例としては、2,4
−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンが挙げら
れる。これらは、単独または組合せて用いることができ
る。これらは上記水溶性ポリマー、特にポリビニルアル
コール及び変性ポリビニルアルコール(上記特定の変性
ポリビニルアルコールも含む)と併用する場合に好まし
い。生産性を考慮した場合、反応活性の高いアルデヒド
類、とりわけグルタルアルデヒドの使用が好ましい。
【0024】架橋剤の添加量に特に制限はなく、耐湿性
に関しては、多く添加した方が良化傾向にある。しか
し、架橋剤をポリマーに対して50質量%以上添加する
と、配向膜としての配向能が低下する。従って、ポリマ
ーに対する架橋剤の添加量は、0.1乃至20質量%の
範囲にあることが好ましく、特に0.5乃至15質量%
の範囲にあることが好ましい。本発明の配向膜は、架橋
反応が終了した後でも、反応しなかった架橋剤をある程
度含んでいるが、その架橋剤の量は、配向膜中に1.0
質量%以下であることが好ましく、特に0.5質量%以
下であることが好ましい。配向膜中に1.0質量%を超
える量で架橋剤が含まれていると、充分な耐久性が得ら
れない。即ち、液晶表示装置に使用した場合、長期使
用、あるいは高温高湿の雰囲気下に長期間放置した場合
に、レチキュレーションが発生することがある。
【0025】本発明の配向膜は、上記ポリマーを含む塗
布液、もしくは上記ポリマーと架橋剤を含む塗布液を透
明支持体上に塗布した後、加熱乾燥(架橋)させ、ラビ
ング処理することにより形成することができる。前記の
ように架橋反応は、塗布液を透明支持体上に塗布した
後、任意の時期に行なうことができる。また、配向膜
は、透明支持体に設けられた下塗層上に設けてもよい。
配向膜は、その上に設けられる液晶性ディスコティック
化合物の配向方向を規定するように機能する。
【0026】ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工
程として広く採用されている処理方法を利用することが
できる。即ち、配向膜の表面を、紙、ガーゼ、フェル
ト、ゴム、ナイロン繊維、またはポリエステル繊維など
を用いて一定方向に擦ることによりラビング処理が行わ
れる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的
に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うこと
により実施される。
【0027】[光学異方性層]本発明に用いる液晶化合
物からなる光学異方性層は、配向膜の上に形成される。
液晶化合物はディスコティック化合物であることが好ま
しい。ディスコティック化合物の例としては、C.De
stradeらの研究報告、Mol.Cryst.71
巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン
誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.
Cryst.122巻、141頁(1985年)、Ph
ysics lett,A,78巻、82頁(199
0)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohn
eらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70
頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及
びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Co
mmun.,1794頁(1985年)、J.Zhan
gらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116
巻、2655頁(1994年)に記載されているアザク
ラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを
挙げることができる。上記ディスコティック(円盤状)
化合物は、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖
のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基
等がその直鎖として放射線状に置換された構造であり、
液晶性を示し、一般的にディスコティック液晶とよばれ
るものが含まれる。ただし、分子自身が負の一軸性を有
し、一定の配向を付与できるものであれば上記記載に限
定されるものではない。また、本発明において、円盤状
化合物から形成したとは、最終的にできた物が前記化合
物である必要はなく、例えば、前記低分子ディスコティ
ツク液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的
に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化
し液晶性を失ったものも含まれる。上記ディスクティッ
ク化合物の好ましい例は特開平8−50206号公報に
記載されている。
【0028】光学異方性層は、ディスコティック構造単
位を有する化合物からなる負の複屈折を有する層である
ことが好ましい。そして、ディスコティック構造単位の
面が、透明支持体面に対して傾き、かつディスコティッ
ク構造単位の面と透明支持体面とのなす角度が、光学異
方性層の深さ方向に変化していることが好ましい。ディ
スコティック構造単位の面の角度(傾斜角)は、一般
に、光学異方性層の深さ方向で、光学異方性層の底面か
らの距離の増加と共に増加または減少している。上記傾
斜角は、光学異方性層の底面からの距離の増加と共に増
加することが好ましい。更に、傾斜角の変化としては、
連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連
続的増加と連続的減少を含む変化、及び増加及び減少を
含む間欠的変化等を挙げることができる。間欠的変化
は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んで
いる。傾斜角は、変化しない領域を含んでいても、全体
として増加または減少していることが好ましい。更に、
傾斜角は全体として増加していることが好ましく、特に
連続的に変化することが好ましい。
【0029】上記光学異方性層は、一般にディスコティ
ック化合物及び他の化合物を溶剤に溶解した溶液を配向
膜上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチ
ック相形成温度まで加熱し、その後配向状態(ディスコ
ティックネマチック相)を維持して冷却することにより
得られる。あるいは、上記光学異方性層は、ディスコテ
ィック化合物及び他の化合物(更に、例えば重合性モノ
マー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向膜上
に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチック
相形成温度まで加熱したのち重合させ(UV光の照射等
により)、さらに冷却することにより得られる。本発明
に用いるディスコティック液晶性化合物のディスコティ
ックネマティック液晶相−固相転移温度としては、70
乃至300℃の範囲にあることが好ましく、特に70乃
至170℃の範囲にあることが好ましい。
【0030】また、支持体側のディスコティック単位の
傾斜角は、一般にディスコティック化合物あるいは配向
膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方
法を選択することにより、調整することができる。ま
た、表面側(空気側)のディスコティック単位の傾斜角
は、一般にディスコティック化合物あるいはディスコテ
ィック化合物とともに使用する他の化合物を選択するこ
とにより調整することができる。ディスコティック化合
物とともに使用する他の化合物の例としては、可塑剤、
界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーを挙げること
ができる。更に、傾斜角の変化の程度も、上記と同様の
選択をすることにより調整することができる。
【0031】ディスコティック化合物とともに使用する
可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマーとしては、ディ
スコティック化合物と相溶性を有し、液晶性ディスコテ
ィック化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは
配向を阻害しない限り、どのような化合物も使用するこ
とができる。これらの中で、重合性モノマー(例、ビニ
ル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロ
イル基を有する化合物)が好ましい。上記化合物は、デ
ィスコティック化合物に対して一般に1乃至50質量%
の範囲で添加することが好ましく、5乃至30質量%の
範囲で添加することがより好ましい。
【0032】ディスコティック化合物とともに使用する
ポリマーとしては、ディスコティック化合物と相溶性を
有し、液晶性ディスコティック化合物に傾斜角の変化を
与えられる限り、どのようなポリマーでも使用すること
ができる。ポリマー例としては、セルロースエステルを
挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例
としては、セルロースアセテート、セルロースアセテー
トプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及び
セルロースアセテートブチレートを挙げることができ
る。上記ポリマーは、液晶性ディスコティック化合物の
配向を阻害しないように、ディスコティック化合物に対
して一般に0.1乃至10質量%の範囲で添加する。こ
の添加量は、0.1乃至8質量%の範囲にあることが好
ましく、0.1乃至5質量%の範囲にあることがさらに
好ましい。
【0033】[透明支持体]本発明に用いる透明支持体
としては、光透過率が80%以上であるポリマーフィル
ムを用いることが好ましい。ポリマーフィルムとして
は、外力により複屈折が発現しにくいものが好ましい。
ポリマーフィルムの例としては、セルロース系ポリマ
ー、商品名アートン(JSR(株)製)および商品名ゼ
オネックス(日本ゼオン(株)製)などのノルボルネン
系ポリマー、およびポリメチルメタクリレートなどが挙
げられる。セルロース系ポリマーとしては、セルロース
エステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステル
がさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以
下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロース
アセテート)、3(セルロースプロピオネート)または
4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セ
ルロースエステルとしてはセルロースアセテートが好ま
しく、その例としては、ジアセチルセルロースおよびト
リアセチルセルロースなどが挙げられる。セルロースア
セテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレ
ートのような混合脂肪酸エステルを用いても良い。
【0034】また、ポリマーフィルムの粘度平均重合度
(DP)は、250以上であることが好ましく、290
以上であることがさらに好ましい。また、ポリマーフィ
ルムは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
るMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分
子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なM
w/Mnの値としては、1.0乃至1.7であることが
好ましく、1.3乃至1.65であることがさらに好ま
しく、1.4乃至1.6であることが最も好ましい。ポ
リマーフィルムとその上に設けられる層(接着層、配向
膜、あるいは光学異方性層)との接着を改善するため
に、ポリマーフィルムに表面処理(例、グロー放電処
理、コロナ放電処理、紫外線処理、火炎処理)を実施し
てもよい。これらのポリマーフィルムは、紫外線吸収剤
等を含むことが好ましい。また、特開平7−33343
3号公報に記載のようにポリマーフィルム上に接着層
(下塗り層)を設けてもよい。接着層の厚みは0.1乃
至2μであることが好ましく、0.2μ乃至1μである
ことがさらに好ましい。本発明のポリマーフィルムとし
ては、酢化度が59.0乃至61.5%であるセルロー
スアセテートフィルムを用いることが好ましい。酢化度
とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味す
る。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロー
スアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定
および計算に従う。
【0035】[レターデーション制御]ポリマーフィル
ムのレターデーションを調整するためには延伸等の外力
を与える方法が一般的であるが、欧州特許091165
6A2号明細書に記載のような、少なくとも二つの芳香
族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤と
して使用することも出来る。芳香族化合物は、セルロー
スアセテート100質量部に対して、0.01乃至20
質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セルロース
アセテート100質量部に対して、0.05乃至15質
量部の範囲で使用することが好ましく、0.1乃至10
質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。二種類
以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香族化合物の
芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘ
テロ環を含む。
【0036】[フイルムのレターデーション]フイルム
のReレターデーション値およびRthレターデーション
値は、それぞれ、下記式(I)および(II)で定義され
る。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内
の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率であ
る。式(I)および(II)において、nyは、フイルム
面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率
である。式(II)において、nzは、フイルムの厚み方
向の屈折率である。式(I)および(II)において、d
は、単位をnmとするフイルムの厚さである。本発明で
は、ポリマーフイルムのReレターデーション値は20
乃至200nmであり、そして、Rthレターデーション
値が70乃至400nmに調節する。Reレターデーシ
ョン値は、20乃至70nmに調整することがより好ま
しい。芳香族性ヘテロ環であることが特に好ましく、芳
香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。1,
3,5−トリアジン環が特に好ましい。
【0037】芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2
乃至20であることが好ましく、2乃至12であること
がより好ましく、2乃至8であることがさらに好まし
く、3乃至6であることが最も好ましい。二つの芳香族
環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)
単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合
する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は
形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれ
でもよい。
【0038】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、イン
ドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾ
チオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール
環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベン
ゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメ
ン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キ
ナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジ
ン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、
フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フ
ェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン
環およびチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、ア
ズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベン
ゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリア
ゾール環およびキノリン環が好ましい。(b)の単結合
は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好
ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、
二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環
を形成してもよい。
【0039】(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO
−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−
CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0040】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シア
ノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファ
モイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル
基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族
置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換
スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香
族性複素環基が含まれる。
【0041】アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であ
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0042】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0043】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。脂肪
族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが好
ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含ま
れる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至
8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の例
には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミドお
よびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族置
換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好
ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。レターデーション
上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ま
しい
【0044】[ポリマーフイルムの製造]ソルベントキ
ャスト法によりポリマーフイルムを製造することが好ま
しい。ソルベントキャスト法では、ポリマー材料を有機
溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造
する。本発明のポリマーフィルムの製造を、セルロース
アセテートを例に具体的に説明する。有機溶媒は、炭素
原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至1
2のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび
炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれ
る溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンおよび
エステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、
ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−
CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する
化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶
媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有して
いてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場
合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合
物の規定範囲内であればよい。
【0045】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の
有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0046】一般的な方法でセルロースアセテート溶液
を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常
温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調
製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調
製方法および装置を用いて実施することができる。な
お、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化
炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ま
しい。セルロースアセテートの量は、得られる溶液中に
10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30質量%であることが
さらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する
任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温
(0乃至40℃)でセルロースアセテートと有機溶媒と
を攪拌することにより調製することができる。高濃度の
溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体
的には、セルロースアセテートと有機溶媒とを加圧容器
に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以
上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪
拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好まし
くは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃
至110℃である。
【0047】各成分は予め粗混合してから容器に入れて
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0048】冷却溶解法により、溶液を調製することも
できる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒中にもセルロースアセテートを
溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセル
ロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶
解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果があ
る。冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロ
ースアセテートを撹拌しながら徐々に添加する。セルロ
ースアセテートの量は、この混合物中に10乃至40質
量%含まれるように調整することが好ましい。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30質量%であることが
さらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の
添加剤を添加しておいてもよい。
【0049】次に、混合物を−100乃至−10℃(好
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、セルロースアセテートと有機溶媒の混合物は
固化する。冷却速度は、4℃/分以上であることが好ま
しく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12
℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速
いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限で
あり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして1
00℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、
冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷
却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間
で割った値である。
【0050】さらに、これを0乃至200℃(好ましく
は0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、
最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒
中にセルロースアセテートが溶解する。昇温は、室温中
に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。加
温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/
分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上で
あることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好まし
いが、10000℃/秒が理論的な上限であり、100
0℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が
実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始す
る時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始して
から最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値で
ある。以上のようにして、均一な溶液が得られる。な
お、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り
返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視によ
り溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
【0051】冷却溶解法においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保する必要がある。ただ
し、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの酢
化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒に
より異なる。
【0052】調製したセルロースアセテート溶液(ドー
プ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセ
テートフイルムを製造する。ドープには前記のレターデ
ーション上昇剤を添加することが好ましい。ドープは、
ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイ
ルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18乃
至35%となるように濃度を調整することが好ましい。
ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておく
ことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延お
よび乾燥方法については、米国特許2336310号、
同2367603号、同2492078号、同2492
977号、同2492978号、同2607704号、
同2739069号、同2739070号、英国特許6
40731号、同736892号の各明細書、特公昭4
5−4554号、同49−5614号、特開昭60−1
76834号、同60−203430号、同62−11
5035号の各公報に記載がある。ドープは、表面温度
が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが
好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥するこ
とが好ましい。得られたフイルムをドラムまたはバンド
から剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度
を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることも
できる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に
記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまで
の時間を短縮することが可能である。この方法を実施す
るためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度に
おいてドープがゲル化することが必要である。
【0053】セルロースアセテートフイルムには、機械
的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため
に、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル
酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フ
タル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが
含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DE
P、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用
いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤
の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25
質量%であることが好ましく、1乃至20質量%である
ことがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが
最も好ましい。
【0054】セルロースアセテートフイルムには、劣化
防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加して
もよい。劣化防止剤については、特開平3−19920
1号、同5−1907073号、同5−194789
号、同5−271471号、同6−107854号の各
公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ま
しく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好
ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防
止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%
を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードア
ウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好まし
い劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げる
ことができる。
【0055】セルロースアセテートフイルムは、さらに
延伸処理によりレターデーションをを調整することがで
きる。延伸倍率は、3乃至100%であることが好まし
い。セルロースアセテートフイルムの厚さは、40乃至
140μmであることが好ましく、70乃至120μm
であることがさらに好ましい。
【0056】[ポリマーフイルムの表面処理]ポリマー
フイルムには、表面処理を実施することが好ましい。表
面処理の例として、ケン化処理、プラズマ処理、火炎処
理、および紫外線照射処理が挙げられる。ケン化処理に
は、酸ケン化処理およびアルカリケン化処理が含まれ
る。プラズマ処理にはコロナ放電処理およびグロー放電
処理が含まれる。フィルムの平面性を保つために、これ
らの表面処理においては、ポリマーフィルムの温度をガ
ラス転移温度(Tg)以下とすることが好ましい。偏光
板の透明保護膜として使用する場合、偏光膜との接着性
の観点から、酸ケン化処理またはアルカリケン化処理を
実施することが特に好ましい。以下、アルカリケン化処
理を行う例について、具体的に説明する。アルカリケン
化処理は、ポリマーフィルムをアルカリ溶液に浸漬した
後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行
われることが好ましい。アルカリ溶液の例としては、水
酸化カリウム溶液、および水酸化ナトリウム溶液が挙げ
られる。アルカリ溶液中の水酸化イオンの規定濃度は、
0.1N乃至3.0Nの範囲にあることが好ましく、
0.5N乃至2.0Nの範囲にあることがさらに好まし
い。アルカリ溶液の温度は、0乃至90℃の範囲にある
ことが好ましく、40乃至70℃の範囲にあることがさ
らに好ましい。
【0057】[偏光板]一般に、液晶表示装置に用いら
れる偏光板は、偏光膜およびその両側に配置された二枚
の透明保護膜からなる。偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、
二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜が
ある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポ
リビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。そし
て、偏光板の一方の保護膜を、上記の光学補償シートと
することで、本発明の偏光板を作製することができる。
また、偏光膜の他方の保護膜として、通常のセルロース
アセテートフイルムを積層してもよい。このようにし
て、リワーク性に優れる光学補償シートと偏光膜を(接
着剤を介して)積層することにより本発明の偏光板を得
ることが出来る。本発明の偏光板において、光学補償シ
ートの遅相軸と偏光膜の透過軸の関係は、適用される液
晶表示装置の種類により以下のように配置することが好
ましい。本発明の偏光板を、TN、MVA、およびOC
Bモードの液晶表示装置に用いる場合は、光学補償シー
トの遅相軸と偏光膜の透過軸を実質的に平行になるよう
に配置し、反射型液晶表示装置に用いる場合は、光学補
償シートの遅相軸と偏光膜の透過軸を実質的に45度と
なるように配置することが好ましい。
【0058】[液晶表示装置]本発明の光学補償シー
ト、およびそれを用いた偏光板は、液晶表示装置に有利
に用いられる。TN、MVA、およびOCBモードの液
晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二
枚の偏光板からなる。液晶セルは、二枚の電極基板の間
に液晶を担持している。本発明の光学補償シートを液晶
表示装置に用いる場合には、液晶セルと一方の偏光板と
の間に、一枚配置するか、あるいは液晶セルと双方の偏
光板との間に二枚配置する。本発明の光学補償シート
は、ポリマーフィルム上に円盤状構造単位を有する化合
物からなる光学異方性層を有している。光学異方性層
は、円盤状化合物を配向させ、その配向状態を固定する
ことにより形成する。円盤状化合物は、一般に大きな複
屈折率を有する。また、円盤状化合物には、多様な配向
形態がある。従って、円盤状化合物を用いることで、従
来の延伸複屈折フイルムでは得ることができない光学的
性質を有する光学補償シートを製造することができる。
円盤状化合物を用いた光学補償シートについては、特開
平6−214116号公報、米国特許5583679
号、同5646703号、西独特許公報3911620
A1号の各明細書に記載がある。
【0059】本発明の偏光板を液晶表示装置に用いる場
合は、液晶セルと偏光膜との間に配置される透明保護膜
として、本発明の光学補償シートを用いる。一方の偏光
板の(液晶セルと偏光膜との間の)透明保護膜のみ光学
補償シートを用いるか、あるいは双方の偏光板の(液晶
セルと偏光膜との間の)二枚の透明保護膜に、光学補償
シートを用いれば良い。
【0060】液晶セルはOCBモード、またはTNモー
ドであることが好ましい。OCBモードの液晶セルは、
棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆
の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液
晶セルである。これを用いた液晶表示装置は、米国特許
4583825号、同5410422号の各明細書に開
示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部
とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液
晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、これ
を用いた液晶モードは、OCB(Optically Compensator
y Bend) 液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの
液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。TN
モードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子
が実質的に水平配向し、さらに60乃至120゜にねじ
れ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTF
T液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の
文献に記載がある。
【0061】
【実施例】配向膜の表面粗さ(Ra)は、原子間力顕微
鏡(AFM:Atomic Force Microscope、SPI3800N、セイコ
ーインスツルメンツ(株)製)にて測定した。測定の際
のカットオフ値は3.3μmとした。 [実施例1]下記の組成物をミキシングタンクに投入
し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロー
スアセテート溶液を調製した。
【0062】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部 ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部 メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部 メタノール(第2溶媒) 54質量部 1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部 ────────────────────────────────────
【0063】別のミキシングタンクに、下記のレターデ
ーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質
量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しなが
ら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液488質量部にレターデーシ
ョン上昇剤溶液11質量部を混合し、充分に攪拌してド
ープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、
セルロースアセテート100質量部に対して、1.5質
量部であった。
【0064】
【化5】
【0065】作製したセルロースアセテートフイルム
(光学補償シート)について、エリプソメーター(M−
150、日本分光(株)製)を用いて、波長633nm
におけるReレターデーション値およびRthレターデー
ション値を測定した。Reは10nmで、Rthは81
nmであった。
【0066】(下塗り層の作製)上記セルロースアセテ
ートフィルム支持体に下記組成の塗布液を28cc/m
2 塗布乾燥し、0.1μのゼラチン層(第1下塗り層)
を塗設した。 ──────────────────────────────────── 第1下塗り層塗布液組成 ──────────────────────────────────── ゼラチン 0.542質量部 ホルムアルデヒド 0.136質量部 サリチル酸 0.160質量部 アセトン 39.1質量部 メタノール 15.8質量部 メチレンクロライド 40.6質量部 水 1.2質量部 ──────────────────────────────────── さらにその上に下記組成の塗布液を7cc/m2 塗布乾
燥して、第2下塗り層を塗設した。 ──────────────────────────────────── 第2下塗り層塗布液組成 ──────────────────────────────────── 下記のアニオン性共重合体 0.079質量部 クエン酸モノエチルエステル 1.01質量部 アセトン 20質量部 メタノール 87.7質量部 水 4.05質量部 ────────────────────────────────────
【0067】
【化6】
【0068】さらに上記と反対側の層に下記組成の塗布
液を25cc/m2 塗布乾燥し、バック層を設けた。 ──────────────────────────────────── バック層塗布液組成 ──────────────────────────────────── セルロースジアセテート(酢化度55%) 0.656質量部 シリカ系マット剤(平均粒径1μ) 0.065質量部 アセトン 67.9質量部 メタノール 10.4質量部 ──────────────────────────────────── また、偏光板に用いる透明保護膜として、レターデーシ
ョン上昇剤溶液を添加しないで得られた80μのセルロ
ースアセテートフィルムを作成した。
【0069】(配向膜層の作製)このセルロースアセテ
ートフイルムのゼラチン層上に、下記の組成の塗布液を
#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2 塗布し
た。25℃で60秒、60℃の温風で60秒、さらに9
0℃の温風で150秒乾燥した。乾燥後の配向膜厚みは
1.1μmであった。また、配向膜の表面粗さ(Ra)
を原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope、SP
I3800N、セイコーインスツルメンツ(株)製)にて測定
したところ、1.147nmであった。次に、セルロー
スアセテートフイルムの遅相軸(波長632.8nmで
測定)の方向に、形成した膜にラビング処理を実施し
た。
【0070】 ──────────────────────────────────── 配向膜塗布液組成 ──────────────────────────────────── 下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部 水 361質量部 メタノール 119質量部 グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部 ────────────────────────────────────
【0071】
【化7】
【0072】(光学異方性層の形成)配向膜上に、下記
の円盤状(液晶性)化合物41.01g、エチレンオキ
サイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製)4.06g、セ
ルロースアセテートブチレート(CAB551−0.
2、イーストマンケミカル社製)0.90g、セルロー
スアセテートブチレート(CAB531−1、イースト
マンケミカル社製)0.23g、光重合開始剤(イルガ
キュアー907、チバガイギー社製)1.35g、増感
剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.4
5gを、102gのメチルエチルケトンに溶解した塗布
液を、#4のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠
に貼り付けて、130℃の恒温槽中で2分間加熱し、円
盤状化合物を配向させた。次に、130℃で120W/
cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し円盤状化合
物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このよう
にして、光学異方性層を形成した。波長633nmで測
定した光学異方性層のReレターデーション値は48n
mであった。また、円盤面と第1透明支持体面との間の
角度(傾斜角)は平均で42゜であった。
【0073】
【化8】
【0074】また、配向欠陥の数を100倍のルーペを
用いて観測したところ、70μm以上の欠陥が1.3個
/m2 であった。
【0075】[比較例1]実施例1で得られた下塗り層
付きセルロースアセテートフイルム上に、下記の組成の
塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m
2 塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温
風で150秒乾燥した。乾燥後の配向膜厚みは0.5μ
mであった。また、配向膜の表面粗さ(Ra)を原子間
力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope、SPI3800N、
セイコーインスツルメンツ(株)製)にて測定したとこ
ろ、2.664nmであった。次に、セルロースアセテ
ートフイルムの遅相軸(波長632.8nmで測定)の
方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
【0076】 ──────────────────────────────────── 配向膜塗布液組成 ──────────────────────────────────── 変性ポリビニルアルコール(MP203、クラレ製) 10質量部 水 245質量部 メタノール 245質量部 グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部 ────────────────────────────────────
【0077】(光学異方性層の形成)配向膜上に、実施
例1と同様にして光学異方性層を形成した。波長633
nmで測定した光学異方性層のReレターデーション値
は48nmであった。また、円盤面と第1透明支持体面
との間の角度(傾斜角)は平均で42゜であり、実施例
1と同じであった。また、配向欠陥の数を実施例1と同
様の方法で観測したところ、70μm以上の欠陥が2
0.3個/m2であった。
【0078】[実施例2]レターデーション上昇剤の添
加量を、セルロースアセテート100質量部に対して、
3.0質量部とする以外は、実施例1と同様にして得ら
れたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶
剤量が15質量%のフイルムを、130℃の条件で、テ
ンターを用いて30%の延伸倍率で横延伸して、セルロ
ースアセテートフイルム(厚さ:80μm)を製造し
た。作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償
シート)について、エリプソメーター(M−150、日
本分光(株)製)を用いて、波長633nmにおけるR
eレターデーション値およびRthレターデーション値を
測定した。Reはテンター延伸方向に20nm、Rth
は130nmであった。 (下塗り層の作製)実施例1と同様に、下塗り層を設け
た。
【0079】(配向膜層の作製)このセルロースアセテ
ートフイルムのゼラチン層上に、下記の組成の塗布液を
E型コーターで56ml/m2 塗布した。膜面温度が3
5℃となるように塗布直後から90秒間の温風で乾燥
し、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。乾燥後の
配向膜厚みは1.5μmであった。また、配向膜の表面
粗さ(Ra)を原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Mi
croscope、SPI3800N、セイコーインスツルメンツ(株)
製)にて測定したところ、0.664nmであった。次
に、セルロースアセテートフイルムの遅相軸(波長63
2.8nmで測定)と45゜となる方向に、形成した膜
にラビング処理を実施した。
【0080】 ──────────────────────────────────── 配向膜塗布液組成 ──────────────────────────────────── 下記の変性ポリビニルアルコール 13.5質量部 ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ製) 1.5質量部 水 371質量部 メタノール 119質量部 グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部 ────────────────────────────────────
【0081】
【化9】
【0082】(光学異方性層の形成)配向膜上に、下記
の円盤状(液晶性)化合物41.01g、エチレンオキ
サイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製)4.06g、セ
ルロースアセテートブチレート(CAB551−0.
2、イーストマンケミカル社製)0.90g、セルロー
スアセテートブチレート(CAB531−1、イースト
マンケミカル社製)0.23g、光重合開始剤(イルガ
キュアー907、チバガイギー社製)1.35g、増感
剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.4
5gを、102gのメチルエチルケトンに溶解した塗布
液を、#3のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠
に貼り付けて、130℃の恒温槽中で2分間加熱し、円
盤状化合物を配向させた。次に、130℃で120W/
cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し円盤状化合
物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このよう
にして、光学異方性層を形成した。波長633nmで測
定した光学異方性層のReレターデーション値は38n
mであった。また、円盤面と第1透明支持体面との間の
角度(傾斜角)は平均で40゜であった。また、配向欠
陥の数を実施例1と同様の方法で観測したところ、70
μm以上の欠陥が2.3個/m2であった。
【0083】
【化10】
【0084】[実施例3]延伸したポリビニルアルコー
ルフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリ
ビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例1で作成し
たセルローストリアセテートフイルムを偏光膜の片側
に、もう一方には市販のセルローストリアセテートフイ
ルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム
(株)製)にケン化処理を行い貼り付けた後、80℃で
10分間乾燥させた。偏光膜の透過軸と実施例1で作製
した光学補償シートの遅相軸とは平行になるように配置
した。偏光膜の透過軸と市販のセルローストリアセテー
トフイルムの遅相軸とは、直交するように配置した。こ
のようにして偏光板を作製した。
【0085】[実施例4]実施例2で作製した光学補償
シートをその遅相軸が、偏光膜の透過軸と45゜となる
ように配置した以外は、実施例3と同様にして、偏光板
を作製した。
【0086】[比較例2]延伸したポリビニルアルコー
ルフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリ
ビニルアルコール系接着剤を用いて、比較例1で作成し
た光学補償シートを偏光膜の片側に、もう一方には市販
のポリカーボネートフイルム(帝人(株)製)を貼り付
けた後、80℃で30分間乾燥させたが、偏光能が低下
し、偏光板としての機能を十分に果たさなかった。
【0087】[実施例5] (ベンド配向液晶セルの作製)ITO電極付きのガラス
基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラ
ビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板をラビ
ング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャッ
プを6μmに設定した。セルギャップにΔnが0.13
96の液晶性化合物(ZLI1132、メルク社製)を
注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。作製したベン
ド配向セルを挟むように、実施例4で作製した楕円偏光
板を二枚貼り付けた。楕円偏光板の光学異方性層がセル
基板に対面し、液晶セルのラビング方向とそれに対面す
る光学異方性層のラビング方向とが反平行となるように
配置した。液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加し
た。白表示2V、黒表示5Vのノーマリーホワイトモー
ドとした。透過率の比(白表示/黒表示)をコントラス
ト比として、測定機(EZ−Contrast160D、ELD
IM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L
8)までの8段階で視野角を測定した。結果を第1表に
示す。
【0088】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 液晶 視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲) 表示装置 上 下 左右 ──────────────────────────────────── 実施例5 80゜ 80゜ 80゜ ──────────────────────────────────── (註)黒側の階調反転:L1とL2との間の反転
【0089】[実施例6]TN型液晶セルを使用した液
晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)に設けら
れている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例3で作
製した偏光板を、実施例1で作製したセルロースアセテ
ートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介し
て、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付け
た。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏
光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。作
製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast
160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)
から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。
結果を第2表に示す。
【0090】[比較例4]TN型液晶セルを使用した液
晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)につい
て、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社
製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)まで
の8段階で視野角を測定した。結果を第2表に示す。
【0091】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 液晶 視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲) 表示装置 上 下 左右 ──────────────────────────────────── 実施例6 70゜ 45゜ 160゜ 比較例4 15゜ 25゜ 37゜ ──────────────────────────────────── (註)黒側の階調反転:L1とL2との間の反転
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 29/04 C08L 29/04 Z G02F 1/1335 510 G02F 1/1335 510 1/13363 1/13363 // C08L 29:04 C08L 29:04 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA04 BA06 BA42 BB03 BB43 BB49 BB63 BC22 2H091 FA07X FA07Z FA11X FA11Z FB02 FC25 FD06 GA06 GA16 HA07 HA09 KA02 LA11 LA12 LA19 4F071 AA09 AA21 AA33 AC02 AC10 AC12 AC13 AC19 AE22 AF31 AF31Y AF35Y AG01 AG11 AG15 AG30 AH19 BA02 BB02 BB07 BC01 BC12 4J002 AB021 BG061 BK001 CE001 EA066 ED056 EE036 EH136 EL066 EN066 EP016 ET006 EU026 EU076 EU096 EU176 EU226 EU236 EV286 EV306 EV316 EV326 FD020 FD206 GP00 HA05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面粗さ(Ra)が0.1乃至2.0n
    mの範囲にあることを特徴とする液晶化合物用の配向
    膜。
  2. 【請求項2】 透明支持体上に、配向膜、および液晶化
    合物からなる光学異方性層がこの順で設けらており、配
    向膜の表面粗さ(Ra)が0.1乃至2.0nmの範囲
    にあることを特徴とする光学補償シート。
  3. 【請求項3】 前記の液晶化合物がディスコティック化
    合物であることを特徴とする請求項2に記載の光学補償
    シート。
  4. 【請求項4】 前記の配向膜が、ポリビニルアルコール
    もしくは変性ポリビニルアルコールからなることを特徴
    とする請求項2に記載の光学補償シート。
  5. 【請求項5】 前記の配向膜が、二種類のポリマーを含
    む混合物の架橋膜の表面にラビング処理を施したもので
    あり、少なくとも一方のポリマーが、下記の化合物によ
    るポリビニルアルコールの変性物であることを特徴とす
    る請求項2に記載の光学補償シート: 【化1】 [式中、R1 は、アルキル基、アクリロイルアルキル
    基、メタクリロイルアルキル基、またはエポキシアルキ
    ル基を表わし;Wは、ハロゲン原子、アルキル基、また
    はアルコキシ基を表わし;Xは、活性エステル、酸無水
    物、または酸ハロゲン化物を形成するために必要な原子
    群を表わし;pは、0または1を表わし;そしてnは、
    0〜4の整数を表わす]。
  6. 【請求項6】 前記の透明支持体が、下記式(I)によ
    り定義されるReレターデーション値が20乃至200
    nmの範囲にあり、そして、下記式(II)により定義さ
    れるRthレターデーション値が70乃至400nmの範
    囲にあるポリマーフイルムからなることを特徴とする請
    求項2に記載の光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
  7. 【請求項7】 前記のポリマーフィルムが、酢化度5
    9.0乃至61.5%であるセルロースアセテート、お
    よびセルロースアセテート100質量部に対して、少な
    くとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を0.01
    乃至20質量部含むことを特徴とする請求項6に記載の
    光学補償シート。
  8. 【請求項8】 偏光膜の少なくとも一方の面に、透明支
    持体、配向膜および円盤状構造単位を有する化合物から
    なる光学異方性層からなる光学補償シートが貼り合わさ
    れてなり、透明支持体が、下記式(I)により定義され
    るReレターデーション値が20乃至200nmの範囲
    にあり、下記式(II)により定義されるRthレターデー
    ション値が70乃至400nmの範囲にあるポリマーフ
    イルムからなり、そして、配向膜の表面粗さ(Ra)が
    0.1乃至2.0nmの範囲にあることを特徴とする楕
    円偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
  9. 【請求項9】 前記のポリマーフィルムが、酢化度5
    9.0乃至61.5%であるセルロースアセテート、お
    よびセルロースアセテート100質量部に対して、少な
    くとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を0.01
    乃至20質量部含むことを特徴とする請求項8に記載の
    楕円偏光板。
  10. 【請求項10】 液晶セルおよびその両側に配置された
    二枚の偏光板からなる液晶表示装置であって、少なくと
    も一方の偏光板が、請求項8もしくは9に記載の偏光板
    であり、光学補償シートが液晶セル側になるように配置
    されていることを特徴とする液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 液晶セルが、OCBモード、またはT
    Nモードの液晶セルであることを特徴とする請求項10
    に記載の液晶表示装置。
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