JP2010262688A - 光学フィルター及びそれを用いた光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】光記録媒体の記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターであって、再生光のS/N比の低下を十分に抑制することができ、光記録媒体から再生光を十分に効率よく出力することを可能とする光学フィルターを提供すること。
【解決手段】記録層と、前記記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターとを備える光記録媒体に用いる前記光学フィルターであって、
コレステリック液晶層を備え且つ前記コレステリック液晶層における前記透過光の入射面の表面粗さ(Ra)が10nm以下であることを特徴とする光学フィルター。
【選択図】なし
【解決手段】記録層と、前記記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターとを備える光記録媒体に用いる前記光学フィルターであって、
コレステリック液晶層を備え且つ前記コレステリック液晶層における前記透過光の入射面の表面粗さ(Ra)が10nm以下であることを特徴とする光学フィルター。
【選択図】なし
Description
本発明は、光学フィルター並びにそれを用いた光記録媒体に関する。
CD(Compact Disc)の登場以降、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu−ray Disc)等が、大容量の情報を読み書き可能な光記録媒体として利用されてきた。このような光記録媒体においては、ピットの反射率の違いによりデジタルデータが記録されている。また、このような光記録媒体においては、使用するレーザー光の波長を短波長化すること(例えば、CDの規格である780nmから、DVDの650nm、BDの405nmへの短波長化されている。)やレンズの開口数NAを大きくすることによって、ピットサイズとトラックピッチを小さくして大容量化を実現させてきた。しかしながら、このような光記録媒体においては、光記録媒体で使用される材料による光の吸収や、現在の技術(光記録媒体の周囲が屈折率1の空気である限り、NA<1)を考慮すれば、これ以上、レーザーの短波長化やレンズの開口数NAの増大を図ることは困難な状況となってきている。
このような状況の下、光記録媒体の更なる大容量化を図るために、レーザーの短波長化や開口数NAの増大以外の別のアプローチが検討されており、例えば、光記録媒体に3次元的に情報を記録できるホログラフィ記録を利用することが提案されてきた。このようなホログラフィ記録を利用する場合には、一般的に、2次元的なイメージ情報からなる情報光(信号光)と参照光とを光反応性の記録層内部で干渉させて、情報を3次元的な光学特性の分布としていわゆる記録層中に記録させる。また、その記録されたデータ情報を再生させる場合には、その記録媒体中の記録層に参照光のみを照射し、前記記録層の内部に記録された光学特性の分布により、光の回折を引き起こさせて、前記記録層からデータ情報を持つ再生光を出力し、2次元イメージ情報を再生させる。このようなホログラフィ記録を利用した光記録媒体においては、再生装置の小型化を図れることや、DVD及びBD等と光学系が類似しているため従来のサーボ技術がかなり流用できることから、情報光と参照光を同軸に配置する特徴をもった、いわゆるコリニア(コアキシャル)方式が検討されてきた。そして、このようなコリニア方式の光記録媒体においては、前記記録層を透過した透過光のうち、サーボ光を透過させながら記録再生光を反射させるために、様々な光学フィルターが検討されてきた。例えば、特開2004−265472号公報(特許文献1)においては、前記記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させて記録再生光を反射させることが可能な光学フィルターとして、コレステリック液晶フィルムを用いることが開示されている。また、特開2008−27488号公報(特許文献2)においては記録再生光を選択的に反射させる層にコレステリック液晶層を用いることができることが開示されている。しかしながら、特許文献1〜2に記載のような従来の光記録媒体用の波長フィルターにおいては、必ずしも、十分に高度なS/N比を有する再生光を出力させることができなかった。
一方、液晶表示装置に用いることが可能な光学補償シートとしては、特開2002−62426号公報(特許文献3)に、表面粗さ(Ra)が0.1〜2.0nmの範囲にある配向膜を利用して形成した液晶層を有する光学補償シートが開示されている。しかしながら、特許文献3には、前記光学補償シートを光記録媒体に用いることは何ら記載されていない。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、光記録媒体の記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターであって、再生光のS/N比の低下を十分に抑制することができ、光記録媒体から再生光を十分に効率よく出力することを可能とする光学フィルター、並びにそれを利用した光記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、記録層と、前記記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターとを備える光記録媒体に用いる前記光学フィルターを、コレステリック液晶層を備えるものとするとともに、そのコレステリック液晶層における前記透過光の入射面の表面粗さ(Ra)を10nm以下とすることにより、光記録媒体から出力される再生光のS/N比の低下を十分に抑制することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の光学フィルターは、記録層と、前記記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターとを備える光記録媒体に用いる前記光学フィルターであって、
コレステリック液晶層を備え且つ前記コレステリック液晶層における前記透過光の入射面の表面粗さ(Ra)が10nm以下であることを特徴とする光学フィルターである。
コレステリック液晶層を備え且つ前記コレステリック液晶層における前記透過光の入射面の表面粗さ(Ra)が10nm以下であることを特徴とする光学フィルターである。
上記本発明の光学フィルターにおいては、前記表面粗さ(Ra)が8nm以下であることが好ましい。
また、上記本発明の光学フィルターにおいては、前記コレステリック液晶層が円偏光分離特性を有することが好ましい。
さらに、本発明の光記録媒体は、記録層と、前記記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターとを備える光記録媒体であって、
前記光学フィルターが、上記本発明の光学フィルターであることを特徴とするものである。
前記光学フィルターが、上記本発明の光学フィルターであることを特徴とするものである。
また、上記本発明の光記録媒体においては、前記記録層がホログラフィを利用して情報を記録していることが好ましい。
本発明によれば、光記録媒体の記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターであって、再生光のS/N比の低下を十分に抑制することができ、光記録媒体から再生光を十分に効率よく出力することを可能とする光学フィルター、並びにそれを利用した光記録媒体を提供することが可能となる。
以下、本発明の光学フィルター及び本発明の光記録媒体をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の光学フィルターは、記録層と、前記記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターとを備える光記録媒体に用いる前記光学フィルターであって、
コレステリック液晶層を備え且つ前記コレステリック液晶層における前記透過光の入射面の表面粗さ(Ra)が10nm以下であることを特徴とするものである。
コレステリック液晶層を備え且つ前記コレステリック液晶層における前記透過光の入射面の表面粗さ(Ra)が10nm以下であることを特徴とするものである。
このような光学フィルターは、コレステリック液晶層を備えている。このようなコレステリック液晶層によって特定の波長の光を選択的に反射させることが可能となる。そのため、前記コレステリック液晶層を備える光学フィルターによって、光記録媒体の記録層を透過した透過光のうち、記録再生光は選択的に反射しながら、サーボ制御用のサーボ光は透過させることが可能となる。
また、このようなコレステリック液晶層としては、前記記録層を透過した透過光の入射する面(入射面)の表面粗さ(Ra)を10nm以下とする必要がある。このような表面粗さ(Ra)が前記上限を超えると光記録媒体用の光学フィルターとして用いた場合に、記録再生光のS/N比の低下を抑制することが困難となる傾向にある。また、このような表面粗さ(Ra)としては、光記録媒体から再生光をより効率よく出射させることができ、再生光のS/N比の低下をより十分に抑制することが可能となるという観点から、8nm以下であることが好ましい。ここで、本発明にかかる「表面粗さ(Ra)」としては、触針式の測定装置を用い、針先の先端半径が2μmのダイヤモンド製触針を用いて、測定力200μNにて測定される値を採用する。
更に、前記コレステリック液晶層としては、選択反射性を示すように配向させ、かつその選択反射波長が記録再生光は反射し、サーボ光は透過するような波長域になるよう設定される。また、コレステリック液晶層では斜めに入射する光に対しては選択反射波長が短波長側にブルーシフトすることも考慮して設定される。
また、前記コレステリック液晶層の選択波長帯域幅は、使用するレンズの開口数NAにより適宜調整することができる。選択反射帯域幅は、液晶材料の複屈折値Δnに比例するため、より広い選択反射帯域幅を必要とする場合には、複屈折値Δnの大きな液晶材料を選択すればよい。また、別の方法としてらせん軸のピッチを膜厚方向で連続的に変化させることで液晶材料固有のΔnから決まる選択反射帯域幅よりも広い帯域幅を有する選択反射を得ることができる。
このようなコレステリック液晶層としては、記録再生光と同じ波長を有し且つ前記液晶層を透過する円偏光(右円偏光を反射し且つ左円偏光を透過する場合には左円偏光)を前記液晶層に照射した際に、前記円偏光の透過率が76%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。このような透過率が前記下限未満では光の照射により液晶層が劣化し易くなり、長期間の使用によりコレステリック液晶層において反射率の低下や記録再生光の乱反射等が生じ易くなる傾向にある。
また、このようなコレステリック液晶層の厚みとしては、0.5〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。このようなコレステリック液晶層の厚みが前記下限未満では、コレステリック液晶層によって特定の波長の光を選択反射することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、配向性が悪化する傾向にあり、その製造が困難となる傾向にある。さらに、このようなコレステリック液晶層としては、右ねじれのものであってもよく、あるいは、左ねじれのものであってもよい。
次に、このようなコレステリック液晶層を製造するための好適な方法について説明する。このようなコレステリック液晶層を形成させるための方法としては、配向基板として配向面の表面粗さ(Ra)が5nm以下のものを用い、前記配向基板上に液晶層の原料を塗布した後、らせん軸が配向基板に対して略垂直となるようコレステリック配向させて固定化してコレステリック液晶層を製造する方法を採用することができる。このような方法を採用した場合には、得られるコレステリック液晶層において、前記配向基板に接する面の表面粗さ(Ra)を10nm以下とすることができ、光記録媒体に使用する時に、かかる面を記録層に対向する面として配置することで、記録層を透過した透過光が入射するコレステリック液晶層の面(入射面)の表面粗さ(Ra)を10nmとすることで可能となる。表面粗さ(Ra)を10nm以下とした場合には、前記配向基板に接する面とは反対側の面を、記録層を透過した透過光を入射させる面として光記録媒体に使用でき、これにより前記配向基板に接する面と同様に光の散乱を十分に抑制できるが、コレステリック液晶層の前記配向基板に接している面の方が、配向がより一様に揃った状態(配向がより均一に整った状態)となっており、光の散乱をより十分に抑制することができる傾向にあり、より低温、より短時間で、より高い効果を有する光学フィルターを製造することが可能となるという観点からは、前記配向基板に接する面を記録層に対向する面として配置することが好ましい。
このような配向基板としては、配向面の表面粗さ(Ra)が5nm以下のものであって且つコレステリック液晶層を支持することが可能なものであればよく、特に制限されず、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン(特にシクロオレフィンポリマー)、トリアセチルセルロース等のアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂等のフィルム、又はこれらのフィルムの一軸もしくは二軸延伸フィルム等を用いることができる。これらのフィルムはその製造方法によっては改めて配向能を発現させるための処理を行わなくともコレステリック液晶フィルムに使用される液晶材料に対して十分な配向能を示すものもあるが、配向能が不十分、または配向能を示さない等の場合には、適度な加熱下に延伸する処理、フィルム面をレーヨン布等で一方向に擦るいわゆるラビング処理、フィルム上にポリイミド、ポリビニルアルコール、シランカップリング剤等の公知の配向剤からなる配向膜を設けてから行うラビング処理、酸化珪素等の斜方蒸着処理、及び、これらを適宜組み合わせた処理等を必要により適宜施したフィルムを用いてもよい。また、前記配向膜としては特に制限されず、公知の配向膜を適宜用いることができるが、ラビング処理を施したポリイミドや、ポリビニルアルコール等を好適に用いることができる。また、ここにいう配向基板の表面粗さ(Ra)は、上述のようなラビング処理等を施した後の基板(液晶層の原料を塗布する前の段階の基板)の配向面における表面粗さをいう。また、配向基板の配向面の表面粗さ(Ra)を5nm以下とする方法は特に制限されず、配向面の表面粗さ(Ra)を5nm以下とすることが可能な公知の方法を適宜採用することができる。
また、このような液晶層の原料としては、特に制限されないが、コレステリック液晶層を形成することが可能な種々の液晶材料を適宜用いることができる。このような液晶材料としては、高分子液晶物質と低分子液晶物質のいずれもが使用可能である。また、このような液晶材料としては、最終的な材料が所望とするコレステリック配向性を呈することが可能なものであればよく、高分子液晶物質又は低分子液晶物質を単独で用いてもよく、あるいは高分子液晶物質及び低分子液晶物質のうちの2種以上を混合して用いてもよい。また、混合物が所望とするコレステリック液晶性を呈するのであれば、液晶材料中に非液晶性の高分子物質、低分子物質などの他、界面活性剤や反応開始剤等の各種添加剤を混合して用いてもよい。また、これら物質は反応性官能基を導入したものでもよい。
このような高分子液晶物質としては、各種の主鎖型高分子液晶物質、側鎖型高分子液晶物質、またはこれらの混合物を用いることができる。このような主鎖型高分子液晶物質としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンズオキサゾール系、ポリベンズチアゾール系、ポリアゾメチン系、ポリエステルアミド系、ポリエステルカーボネート系、ポリエステルイミド系等の高分子液晶物質、又は、これらの混合物等が挙げられる。
また、前記側鎖型高分子液晶物質としては、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリビニル系、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリマロネート系、ポリエステル系等の直鎖状又は環状構造の骨格鎖を有する物質に側鎖としてメソゲン基が結合した高分子液晶物質、又は、これらの混合物等が挙げられる。また、特開2006−104307号公報及び特開2007−277462号公報に記載の方法により得られた前記側鎖型高分子液晶物質を用いてもよい。
さらに、前記低分子液晶物質としては、飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、不飽和ベンゼンカルボン酸誘導体類、ビフェニルカルボン酸誘導体類、芳香族オキシカルボン酸誘導体類、シッフ塩基誘導体類、ビスアゾメチン化合物誘導体類、アゾ化合物誘導体類、アゾキシ化合物誘導体類、シクロヘキサンエステル化合物誘導体類等の末端に反応性官能基を導入した液晶性を示す化合物や、前記化合物誘導体類のなかで液晶性を示す化合物に架橋性化合物を添加した組成物等が挙げられる。
また、これら液晶材料に含まれる物質の少なくとも1つにはコレステリック液晶性を発現させるために光学活性部位を導入する。光学活性部位としては、イソソルビド基、イソマンニド基、ビナフチル基、コレステロール基、メントール基などのほか、公知の光学活性物質を選択して使用することができる。
また、このような液晶材料の中でも、記録再生光の長時間照射による液晶材料劣化の抑制を考えると、なるべく記録再生光の波長での吸収が少ないものが好ましく、得られるコレステリック液晶層に、前記記録再生光と同じ波長を有し且つ前記液晶層を透過するような円偏光(右円偏光を反射し且つ左円偏光を透過する場合には左円偏光)を照射した際に、前記円偏光の透過率を76%以上とするものが好ましく、80%以上とするものがより好ましい。
さらに、このような液晶材料を塗布する方法や配向させる方法、更には配向後に固定化する方法としては特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができる。例えば、液晶材料を塗布する方法としてはスピンコート法やダイコート法、バーコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法等を採用してもよく、また、固定化する方法としては用いる液晶材料の諸物性に応じて、光架橋、熱架橋又は冷却といった方法を適宜採用してもよい。このようにして得られるコレステリック液晶層は、配向基板の配向面に接する面の表面粗さ(Ra)が10nm以下となる。そのため、このようにして得られるコレステリック液晶層を光記録媒体中に配置させる際には、配向基板に接している面が記録層を透過した透過光が入射する面となるようにして配置させればよい。以上、コレステリック液晶層を製造するための好適な方法及びその使用方法について説明したが、本発明にかかるコレステリック液晶層を製造するための方法は、上記方法に制限されるものではなく、少なくとも一方の面の表面粗さ(Ra)が10nm以下となるコレステリック液晶層を製造することが可能な方法であれば適宜採用することができる。
また、本発明の光学フィルターは、光記録媒体に用いる際に、記録層を透過した透過光が入射する面の表面粗さ(Ra)が10nm以下となっているコレステリック液晶層を備えるものであればよい。そのため、前述のコレステリック液晶層を製造するための好適な方法を利用して得られた液晶層を本発明の光学フィルターとして利用する場合には、光記録媒体の製造時に配向基板を剥離して利用してもよく、また、予め配向基板を剥離しておいた光学フィルターを光記録媒体に配置して利用してもよく、更には、配向基板を備えた状態のままで光学フィルターとして光記録媒体に配置して利用してもよい。配向基板を備えた状態のままで光学フィルターとして光記録媒体に配置する場合、記録再生光の偏光状態に影響を与えないよう、前記配向基板は光学的に等方性であることが好ましい。
また、本発明の光学フィルターにおいては、前記コレステリック液晶層以外の他の構成は特に制限されず、前記液晶層以外に他の層を更に備えていてもよい。このような他の層としては特に制限されず、光記録媒体に用いることが可能な各種層や接着剤層等であってもよい。また、本発明の光学フィルターにおいては、他の層は1層であっても2層以上であってもよい。例えば、対物レンズによって絞られた光はコレステリック液晶層に対して斜めに入射する成分を有するが、かかる成分が斜めに入射することにより円偏光の状態に影響が生じ、S/N比が低下するような場合には、偏光状態を補正するために、位相差フィルム等を更に加えてもよい。
次に、このような本発明の光学フィルターを備える本発明の光記録媒体の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明及び図面中において、同一又は相当する要素には基本的に同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の光記録媒体の好適な一実施形態を模式的に示す概略縦断面図である。図1に示す光記録媒体は、下側基板11と、下側基板11上に積層されている、アドレス情報やサーボを取るためのサーボピット12と、サーボピット12により所定のパターンが形成されている下側基板11の面に積層されている反射膜(図示せず)と、前記反射膜上に積層されているギャップ層13と、ギャップ層13上に積層されている光学フィルター14と、光学フィルター14上に積層されているギャップ層15と、ギャップ層15上に積層されている記録層16と、記録層16上に積層されている上側基板17とを備える。また、図1中の符号L1は記録層にデータ情報を記録し、また記録層のデータ情報を再生するための記録再生光を模式的に示すものであり、符号L2は記録再生位置制御用のサーボ光を模式的に示すものである。
下側基板11及び上側基板17は特に制限されず、光記録媒体に用いることが可能な公知の材料からなる支持基板、例えば無機材料や有機材料からなる支持基板を適宜用いることができる。前記無機材料としては、ガラス、石英、シリコンなどが挙げられる。前記有機材料としては、前記有機材料としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセテート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂等が挙げられる。これらの材料は、1種を単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用してもよい。また、下側基板11及び上側基板17としては、これにより記録層16を保護することも可能となるように、ある程度の強度を有するものを用いることが好ましい。また、上側基板17としては、記録再生光の偏光状態に影響を与えないよう、光学的に等方性であることが好ましい。
サーボピット12は、所定の記録単位ごとのアドレスに関する情報を記録又は再生するために形成されるものである。このようなサーボピット12の形成方法は特に制限されず、公知の方法で適宜形成することができる。また、このようなサーボピット12により所定のパターンが形成されている下側基板11の面には、反射膜(図示せず:なお、かかる反射膜はギャップ層13の光学フィルター14と接していない面の界面に存在する膜である。)が形成されている。かかる反射膜は、サーボ光を反射することが可能な材料で形成されていればよく、特に制限されず、公知の反射膜を適宜用いることができ、例えば、アルミニウム等の金属の蒸着膜であってもよく、あるいは有機色素のコーティング膜であってもよい。
ギャップ層13及びギャップ層15は特に制限されず、光記録媒体に用いられるギャップ層を形成することが可能な公知の材料からなる層を必要に応じて適宜利用でき、例えば、光または熱硬化性樹脂やトリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィン等のような透明樹脂フィルム、及びそれらを組み合わせたもの等が挙げられる。このようなギャップ層13及び15は、反射膜と光学フィルター14との間を膜厚方向に所定距離だけ離したり、あるいは反射膜の表面の平坦性を向上させるために適宜利用することができる。なお、配向基板を備えた状態のままの光学フィルターを光記録媒体に配置して用いる場合においては、配向基板を前記ギャップ層として使用してもよい。更に、前述の他の層を形成する際に用いた基材等も前記ギャップ層として適宜使用してもよい。
光学フィルター14は、上記本発明の光学フィルターからなるものである。なお、本実施形態においては、ギャップ層15と接する光学フィルター14の面における表面粗さ(Ra)が10nm以下の面となっている。
記録層16は特に制限されず、光記録媒体におけるデータ情報を記録させるための層を形成することが可能な公知の材料からなる層を適宜用いることができ、例えば、フォトポリマーやフォトリフラクティブ材料等の記録材料からなる層を用いてもよい。また、このような記録層16においては、ホログラフィを利用して情報を記録していることがより好ましい。なお、このようなホログラフィを利用したデータ情報の記録方法としては公知の方法を適宜採用することができ、例えば、所定の波長を有する記録用光と参照光とにより記録層16内で干渉パターンが生成されるようにして、記録用光と参照光とを上側基板17側から記録層に照射し、記録層に干渉パターンを生成してデータ情報を記録する方法を採用してもよい。
ここで、ホログラフィによりデータ情報が記録されている記録層16を有する光記録媒体を例にして、前記光記録媒体からのデータの再生方法を説明する。すなわち、光記録媒体のデータの再生に際しては、先ず、再生用の光(参照光:再生光)L1を上側基板17側から光記録媒体の記録層16に焦点を合せて照射する。このようにして光記録媒体に入射した再生用光L1は、記録層16の干渉パターンに応じて回折光となり、記録層16に記録されたデータ情報を含む再生光L1として光学フィルター14の表面粗さ(Ra)が10nm以下の面において反射され、光記録媒体の表面から出射される。すなわち、このような再生用光L1は、上側基板17、記録層16、ギャップ層15を順次透過した後に、光学フィルター14で反射され、再びギャップ層15、記録層16、上側基板17を透過して、光記録媒体から出射される。そして、このようにして得られる再生光(回折光)L1の回折パターンによりデータ情報の再生が行われる。また、かかるデータの再生に際しては、同時に、サーボ制御用の光(サーボ光)L2も、上側基板17側から、サーボピット12によりサーボピットパターンが形成されている面(より正確には、その面上に積層している反射膜)上に焦点を結ぶようにして照射する。このようなサーボ光L2は、上側基板17、記録層16、ギャップ層15、光学フィルター14、ギャップ層13を順次透過した後に、反射膜で反射され、サーボピットパターン12に応じた情報を含んだ反射光として再びギャップ層13、光学フィルター14、ギャップ層15、記録層16、上側基板17を透過して、光記録媒体から出射される。なお、本発明においては、光学フィルター14が前記記録層16を透過した透過光のうち、データ情報を含む再生光L1を反射させてサーボ光L2は透過させるが、かかる光学フィルター14の前記透過光の入射する面の表面粗さ(Ra)が10nm以下であるため、反射後の再生光L1中に生じるノイズの量を十分に抑制でき、再生光L1が非常に高度な質のデータ情報光となる。
なお、このような記録・再生光L1としては、特に制限されず記録層の材料を感光でき、かつ波長が光学フィルターの選択反射波長帯域に含まれるものを適宜用いることができる。通常記録密度を高めるために、サーボ光よりも短波長の光が用いられ、青色から緑色の波長の光、例えば波長405nmの青色レーザー光などが好ましく使用できる。
また、サーボ光L2としては特に制限されず、記録層の材料を感光せず且つ波長が光学フィルターの選択反射波長帯域に含まれていない波長の光を使用すればよい。このような光L1及びL2の光源としては特に制限されず、公知の光源を適宜用いることができるが、ホログラフィによる記録を考慮すれば、コヒーレンス長の長いレーザー光源が好ましい。
なお、光学フィルター14以外の層の形成方法及びそれらの層を積層する方法等としては、公知の方法を適宜採用することができる。
以上、本発明の光記録媒体の好適な実施形態について説明したが、本発明の光記録媒体は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、下側基板11、サーボピットパターン12、反射膜、ギャップ層13、光学フィルター14、ギャップ層15、記録層16、上側基板17を備えるものであったが、本発明の光記録媒体においては、記録層と、前記記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターとを備えていればよく、他の構成は特に制限されるものではない。すなわち、本発明の光記録媒体においては、光記録媒体に用いることが可能な他の層を更に備える形態としてもよく、また、ギャップ層15等の無い形態としてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
先ず、各合成例で用いた化合物及び各実施例及び比較例で得られた光学フィルターの特性の測定方法を説明する。
(1)固有粘度の測定
各合成例で得られたポリマーの固有粘度は、ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(60/40重量比)混合溶媒中において、ポリマー濃度0.5g/dL、温度30℃の条件で測定した。
各合成例で得られたポリマーの固有粘度は、ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(60/40重量比)混合溶媒中において、ポリマー濃度0.5g/dL、温度30℃の条件で測定した。
(2)分子量の測定
各合成例で得られたポリマーの分子量は、前記ポリマーをテトラヒドロフランに溶解し、東ソー社製の8020GPCシステムで、TSK−GEL SuperH1000、SuperH2000、SuperH3000、SuperH4000を直列につなぎ、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて測定した。また、このような分子量の測定に際して較正にはポリスチレンスタンダードを用いた。
各合成例で得られたポリマーの分子量は、前記ポリマーをテトラヒドロフランに溶解し、東ソー社製の8020GPCシステムで、TSK−GEL SuperH1000、SuperH2000、SuperH3000、SuperH4000を直列につなぎ、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて測定した。また、このような分子量の測定に際して較正にはポリスチレンスタンダードを用いた。
(3)ガラス転移温度(Tg)、相転移温度の測定
各合成例で得られたポリマーのガラス転移温度(Tg)及び相転移温度は、それぞれPerkin
Elmer社製の示差走査熱量計(商品名「DSC−7」)を用いて測定した。
各合成例で得られたポリマーのガラス転移温度(Tg)及び相転移温度は、それぞれPerkin
Elmer社製の示差走査熱量計(商品名「DSC−7」)を用いて測定した。
(4)光学組織観察(偏光顕微鏡観察)
メトラー社製ホットステージFP80/82及びニコン株式会社製の偏光顕微鏡(商品名「ECLIPES E600W POL」)を用いて観察した。
メトラー社製ホットステージFP80/82及びニコン株式会社製の偏光顕微鏡(商品名「ECLIPES E600W POL」)を用いて観察した。
(5)表面粗さ(Ra)の測定
株式会社小坂研究所製の高精度微細形状測定機(商品名「Surfcorder ET4000A」)を用いて、測定領域:縦200μm×横500μm、Xピッチ:0.2μm、Yピッチ:2.0μm、X送り速度:0.05mm/秒の測定条件で、最小二乗法によるレベリング処理を行うことにより測定した。
株式会社小坂研究所製の高精度微細形状測定機(商品名「Surfcorder ET4000A」)を用いて、測定領域:縦200μm×横500μm、Xピッチ:0.2μm、Yピッチ:2.0μm、X送り速度:0.05mm/秒の測定条件で、最小二乗法によるレベリング処理を行うことにより測定した。
(6)膜厚の測定
各実施例及び各比較例で形成された膜や液晶層の厚み(膜厚)は、キーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡(商品名「VK−8500」)を用いて測定した。
各実施例及び各比較例で形成された膜や液晶層の厚み(膜厚)は、キーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡(商品名「VK−8500」)を用いて測定した。
(7)透過スペクトルの測定
各実施例及び各比較例で得られた光学フィルターの透過スペクトルは、日本分光社製のUV/VIS/NIRスペクトロフォトメーター(商品名「V−570」)を用いて測定した。
各実施例及び各比較例で得られた光学フィルターの透過スペクトルは、日本分光社製のUV/VIS/NIRスペクトロフォトメーター(商品名「V−570」)を用いて測定した。
(8)光学フィルターの表面における光の散乱度の測定
各実施例及び各比較例で得られた光学フィルターの光の散乱度は、図2に示す光学系を用いて測定した。図2に示す光学系は、ECLD(外部共振器型半導体レーザー)21と、アナモルフィックプリズムペア及び光アイソレーター22と、空間フィルター23と、アイリス絞り24と、4分の1波長板25と、光学フィルター16と、フォトディテクターR1と、フォトディテクターR2とを備える。このような光学系には、光学フィルター16は、その製造時に配向基板に接していたコレステリック液晶層の面が、レーザー光の入射面となるようにして配置する。また、ECLD(外部共振器型半導体レーザー)21としては、波長405nm、出力3.5mWのレーザー光を出射することが可能な装置を使用した。更に、光学フィルター16に対して入射するレーザーのスポット径は直径5mmとし、光学フィルター16へのレーザー光の入射角θは17度とした。また、光学フィルター16から25cmの位置の反射光の強度をフォトディテクターR1を用いて測定し、光学フィルター16から1cmの位置の反射光の強度をフォトディテクターR2を用いて測定した。そして、散乱度は、入射光に対するR1を用いて測定した反射光の強度比をX1とし、更に、入射光に対するR2を用いて測定した反射光の強度比をX2として、下記式(1):
[散乱度(%)]=(X2−X1)×100 (1)
を計算して求めた。
各実施例及び各比較例で得られた光学フィルターの光の散乱度は、図2に示す光学系を用いて測定した。図2に示す光学系は、ECLD(外部共振器型半導体レーザー)21と、アナモルフィックプリズムペア及び光アイソレーター22と、空間フィルター23と、アイリス絞り24と、4分の1波長板25と、光学フィルター16と、フォトディテクターR1と、フォトディテクターR2とを備える。このような光学系には、光学フィルター16は、その製造時に配向基板に接していたコレステリック液晶層の面が、レーザー光の入射面となるようにして配置する。また、ECLD(外部共振器型半導体レーザー)21としては、波長405nm、出力3.5mWのレーザー光を出射することが可能な装置を使用した。更に、光学フィルター16に対して入射するレーザーのスポット径は直径5mmとし、光学フィルター16へのレーザー光の入射角θは17度とした。また、光学フィルター16から25cmの位置の反射光の強度をフォトディテクターR1を用いて測定し、光学フィルター16から1cmの位置の反射光の強度をフォトディテクターR2を用いて測定した。そして、散乱度は、入射光に対するR1を用いて測定した反射光の強度比をX1とし、更に、入射光に対するR2を用いて測定した反射光の強度比をX2として、下記式(1):
[散乱度(%)]=(X2−X1)×100 (1)
を計算して求めた。
(合成例1)
テレフタル酸100mmol、メチルヒドロキノンジアセテート40mmol及びカテコールジアセテート60mmolを、酢酸流出用の冷却管が付いた200mlフラスコ中において、窒素雰囲気下、270℃の条件で6時間反応させた後、更に、毎分30mlの条件で窒素ガスを流す窒素気流下、270℃の条件で2時間反応させて脱酢酸重合を行った。このような脱酢酸重合を行った後、前記フラスコから反応物を抜き出し、ポリマー(A)を得た。このようにして得られたポリマー(A)はポリエステル系のポリマーであり、その固有粘度は0.15dL/gであった。また、ポリマー(A)は液晶相としてネマチック相を有するものであり、等方相−液晶相の相転移温度は300℃以上であり、更に、そのガラス転移点は100℃であった。また、偏光顕微鏡観察の結果、ポリマー(A)はガラス転移温度以下においてネマチック液晶相の配向が完全に固定化されるものであることが確認された。
テレフタル酸100mmol、メチルヒドロキノンジアセテート40mmol及びカテコールジアセテート60mmolを、酢酸流出用の冷却管が付いた200mlフラスコ中において、窒素雰囲気下、270℃の条件で6時間反応させた後、更に、毎分30mlの条件で窒素ガスを流す窒素気流下、270℃の条件で2時間反応させて脱酢酸重合を行った。このような脱酢酸重合を行った後、前記フラスコから反応物を抜き出し、ポリマー(A)を得た。このようにして得られたポリマー(A)はポリエステル系のポリマーであり、その固有粘度は0.15dL/gであった。また、ポリマー(A)は液晶相としてネマチック相を有するものであり、等方相−液晶相の相転移温度は300℃以上であり、更に、そのガラス転移点は100℃であった。また、偏光顕微鏡観察の結果、ポリマー(A)はガラス転移温度以下においてネマチック液晶相の配向が完全に固定化されるものであることが確認された。
次に、前記ポリマー(A)20gと、光学活性物質であるイソソルビド0.8gとを、酢酸流出用の冷却管が付いた200mlフラスコ中において、毎分20mlの条件で窒素ガスを流す窒素気流下、250℃の条件で5時間攪拌し、これらをエステル交換反応により反応させた。次いで、このような反応により得られた反応物をフラスコから抜き出して、ポリマー(B)を得た。このようにして得られたポリマー(B)はポリエステル系のポリマーであり、固有粘度は0.11dL/gであった。また、ポリマー(B)は液晶相としてコレステリック相を有し、等方相−液晶相の相転移温度は300℃以上であり、更に、そのガラス転移点は90℃であった。また、偏光顕微鏡観察の結果、ポリマー(B)はガラス転移温度以下においてコレステリック液晶相の配向が完全に固定化されるものであることが確認された。
(合成例2)
6−アセトキシ−2−ナフトエ酸50mmol、4−アセトキシ安息香酸25mmol、2,6−ナフタレンジカルボン酸50mmol、テレフタル酸50mmol、カテコールジアセテート100mmolを、酢酸流出用の冷却管が付いた200mlフラスコ中で、窒素雰囲気下において、240℃の温度条件で2時間、260℃の温度条件で2時間、280℃の温度条件で2時間、順次反応させた後、更に、毎分30mlの条件で窒素ガスを流す窒素気流下において280℃の温度条件で2時間反応させて脱酢酸重合を行った。このような脱酢酸重合を行った後、前記フラスコから反応物を抜き出し、ポリマー(C)を得た。このようにして得られたポリマー(C)はポリエステル系のポリマーであり、固有粘度は0.17dL/gであった。また、ポリマー(C)は液晶相としてネマチック相を有し、等方相−液晶相の相転移温度は300℃以上であり、更に、そのガラス転移点は120℃であった。また、偏光顕微鏡観察の結果、ポリマー(C)はガラス転移温度以下においてはネマチック液晶相の配向が完全に固定化されるものであることが確認された。
6−アセトキシ−2−ナフトエ酸50mmol、4−アセトキシ安息香酸25mmol、2,6−ナフタレンジカルボン酸50mmol、テレフタル酸50mmol、カテコールジアセテート100mmolを、酢酸流出用の冷却管が付いた200mlフラスコ中で、窒素雰囲気下において、240℃の温度条件で2時間、260℃の温度条件で2時間、280℃の温度条件で2時間、順次反応させた後、更に、毎分30mlの条件で窒素ガスを流す窒素気流下において280℃の温度条件で2時間反応させて脱酢酸重合を行った。このような脱酢酸重合を行った後、前記フラスコから反応物を抜き出し、ポリマー(C)を得た。このようにして得られたポリマー(C)はポリエステル系のポリマーであり、固有粘度は0.17dL/gであった。また、ポリマー(C)は液晶相としてネマチック相を有し、等方相−液晶相の相転移温度は300℃以上であり、更に、そのガラス転移点は120℃であった。また、偏光顕微鏡観察の結果、ポリマー(C)はガラス転移温度以下においてはネマチック液晶相の配向が完全に固定化されるものであることが確認された。
次に、前記ポリマー(C)20gと、光学活性物質であるイソソルビド0.8gを、酢酸流出用の冷却管が付いた200mlフラスコ中で、毎分20mlの条件で窒素ガスを流す窒素気流下、250℃の条件で5時間攪拌し、これらをエステル交換反応により反応させた。次いで、このような反応により得られた反応物をフラスコから抜き出し、ポリマー(D)を得た。このようにして得られたポリマー(D)はポリエステル系のポリマーであり、固有粘度は0.12dL/gであった。また、ポリマー(D)は液晶相としてコレステリック相を有し、等方相−液晶相の相転移温度は300℃以上であり、更に、そのガラス転移点は110℃であった。また、偏光顕微鏡観察の結果、ポリマー(D)はガラス転移温度以下においてコレステリック液晶相の配向が完全に固定化されるものであることが確認された。
(合成例3)
特開2006−104307号公報及び特開2007−277462号公報に記載の方法を参照して、下記化学式(I):
特開2006−104307号公報及び特開2007−277462号公報に記載の方法を参照して、下記化学式(I):
で表される反応性のオキセタンを有する側鎖型液晶性ポリアクリレートからなるポリマー(E)をラジカル重合法により合成した。なお、このようなポリマー(E)を構成するモノマー成分(1)とモノマー成分(2)とモノマー成分(3)との組成比は、モル比(成分(1):成分(2):成分(3))で15:60:25とした。また、このようにして得られたポリマー(E)は、GPC測定により求められる重量平均分子量が14,100であり、数平均分子量が6,600であった。また、ポリマー(E)は液晶相としてコレステリック相を有し、等方相−液晶相の相転移温度は182℃であり、更に、そのガラス転移点は69℃であった。また、偏光顕微鏡観察の結果、ポリマー(E)はガラス転移温度以下においてコレステリック液晶相の配向が完全に固定化されるものであることが確認された。
(合成例4)
特開2007−231108号公報に記載の方法を参照して、下記化学式(II):
特開2007−231108号公報に記載の方法を参照して、下記化学式(II):
で表されるジオキセタン化合物を合成した。本化合物は非液晶性で、130℃に融点を示した。
(調製例1:ポリビニルアルコール(PVA)溶液(i)の調製)
還流器を取り付けた1Lの3ツ口フラスコ中において、ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製の商品名「JポバールVI」、ケン化度:99.45%)32gと、脱イオン水614.4gとを95℃の温度条件で2.5時間攪拌して、PVAを脱イオン水中に溶解させた溶解物を得た。次に、このようにして得られた溶解物を70℃まで冷却した後、イソプロピルアルコール153.6gを滴下ロートでゆっくり滴下し、混合液を得た。次いで、得られた混合液を70℃の温度条件で1時間攪拌し、室温(25℃)まで冷却した。その後、前記混合液をADVANTECH製カートリッジフィルターMCP−JX−C10Eを用いてろ過し、PVA溶液(i)を得た。
還流器を取り付けた1Lの3ツ口フラスコ中において、ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製の商品名「JポバールVI」、ケン化度:99.45%)32gと、脱イオン水614.4gとを95℃の温度条件で2.5時間攪拌して、PVAを脱イオン水中に溶解させた溶解物を得た。次に、このようにして得られた溶解物を70℃まで冷却した後、イソプロピルアルコール153.6gを滴下ロートでゆっくり滴下し、混合液を得た。次いで、得られた混合液を70℃の温度条件で1時間攪拌し、室温(25℃)まで冷却した。その後、前記混合液をADVANTECH製カートリッジフィルターMCP−JX−C10Eを用いてろ過し、PVA溶液(i)を得た。
(実施例1)
<配向基板の調製>
先ず、厚み100μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポン社製の商品名「テオネックスフィルムQ65F」)の一方の面に、コロナ処理を行い、その後、合成例5で得られたPVA溶液(i)を200rpmで10秒、更に400rpmで20秒の条件でスピンコートし、PENフィルムの表面上にコート膜を積層させた。次に、ホットプレート上において55℃の温度条件で、PENフィルム上の前記コート膜を20分間乾燥させた後、オーブンで130℃の温度条件で5分間乾燥及び熱処理を施すことにより、PENフィルムの表面上にPVA膜層が積層された配向基板前駆体を得た。なお、このようにして形成されたPVA膜層の厚みは2.0μmであった。次に、前記PVA膜層の表面に対して、液晶用のラビング布(吉川化工製の商品名「YA−20−R」)を用いて、押込み量0.5mm、回転数480rpm、搬送速度100mm/秒の条件で回転ラビング処理を施し、PENフィルムの表面上にPVA配向膜層が積層された配向基板(A)を得た。なお、配向基板(A)の調製に用いたPENフィルム単体の表面粗さ(Ra)は0.3nmであった。また、ラビング前の配向基板前駆体のPVA膜層の表面粗さ(Ra)は0.8nmであり、ラビング処理後の配向基板(A)のPVA配向膜層の表面粗さ(Ra)は1.0nmであった。
<配向基板の調製>
先ず、厚み100μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポン社製の商品名「テオネックスフィルムQ65F」)の一方の面に、コロナ処理を行い、その後、合成例5で得られたPVA溶液(i)を200rpmで10秒、更に400rpmで20秒の条件でスピンコートし、PENフィルムの表面上にコート膜を積層させた。次に、ホットプレート上において55℃の温度条件で、PENフィルム上の前記コート膜を20分間乾燥させた後、オーブンで130℃の温度条件で5分間乾燥及び熱処理を施すことにより、PENフィルムの表面上にPVA膜層が積層された配向基板前駆体を得た。なお、このようにして形成されたPVA膜層の厚みは2.0μmであった。次に、前記PVA膜層の表面に対して、液晶用のラビング布(吉川化工製の商品名「YA−20−R」)を用いて、押込み量0.5mm、回転数480rpm、搬送速度100mm/秒の条件で回転ラビング処理を施し、PENフィルムの表面上にPVA配向膜層が積層された配向基板(A)を得た。なお、配向基板(A)の調製に用いたPENフィルム単体の表面粗さ(Ra)は0.3nmであった。また、ラビング前の配向基板前駆体のPVA膜層の表面粗さ(Ra)は0.8nmであり、ラビング処理後の配向基板(A)のPVA配向膜層の表面粗さ(Ra)は1.0nmであった。
<液晶ポリマー溶液(I)の調製>
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)43gに、合成例1で得られたポリマー(A)2.17g及びポリマー(B)4.83gを溶解し、ポリマー溶解液を得た。次に、前記ポリマー溶解液に、界面活性剤としてセイミケミカル社製のフッ素系界面活性剤S−383(50重量%酢酸エチル溶液)を0.0042g添加して溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、液晶ポリマー溶液(I)を得た。
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)43gに、合成例1で得られたポリマー(A)2.17g及びポリマー(B)4.83gを溶解し、ポリマー溶解液を得た。次に、前記ポリマー溶解液に、界面活性剤としてセイミケミカル社製のフッ素系界面活性剤S−383(50重量%酢酸エチル溶液)を0.0042g添加して溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、液晶ポリマー溶液(I)を得た。
<光学フィルターの調製>
配向基板(A)のPVA配向膜層の表面上に、液晶ポリマー溶液(I)を200rpmで10秒、更に250rpmで20秒の条件でスピンコートして液晶材料のコート膜を得た。次に、ホットプレート上にて55℃の温度条件で前記液晶材料のコート膜を20分間乾燥させた。その後、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)に対して、クリーンオーブンを用いて220℃の温度で7分間、更に195℃の温度で5分間の条件で熱処理を施して、前記コート膜中の前記液晶材料をコレステリック配向させた。次いで、コレステリック配向の液晶層が形成された前記配向基板(A)を、クリーンオーブンから取り出し、自然空冷させて、液晶層中のコレステリック相の配向状態をガラス状態として固定化し、配向基板(A)上にコレステリック液晶層を積層させた。このようにして得られたコレステリック液晶層の厚みは2.7μmであった。
配向基板(A)のPVA配向膜層の表面上に、液晶ポリマー溶液(I)を200rpmで10秒、更に250rpmで20秒の条件でスピンコートして液晶材料のコート膜を得た。次に、ホットプレート上にて55℃の温度条件で前記液晶材料のコート膜を20分間乾燥させた。その後、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)に対して、クリーンオーブンを用いて220℃の温度で7分間、更に195℃の温度で5分間の条件で熱処理を施して、前記コート膜中の前記液晶材料をコレステリック配向させた。次いで、コレステリック配向の液晶層が形成された前記配向基板(A)を、クリーンオーブンから取り出し、自然空冷させて、液晶層中のコレステリック相の配向状態をガラス状態として固定化し、配向基板(A)上にコレステリック液晶層を積層させた。このようにして得られたコレステリック液晶層の厚みは2.7μmであった。
次に、配向基板(A)上に形成されたコレステリック液晶層の表面上にUV硬化型接着剤(東亞合成株式会社製の商品名「UV−3400」)を約5μmの厚みとなるようにして塗布して接着剤層を形成した後、その接着剤層上に80μmの光学的等方性フィルムであるトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム株式会社製の商品名「フジタックT80SZ」)をラミネートし、約600mJのUV照射により前記接着剤を硬化させて、トリアセチルセルロースフィルム/接着剤層/コレステリック液晶層/配向基板(A)の順で各層が積層された積層体を得た。次いで、前記積層体から配向基板(A)を剥離し、コレステリック液晶層をトリアセチルセルロースフィルム上に転写して、光学フィルター(I)を得た。
[光学フィルター(I)の特性の評価]
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(I)について、配向基板(A)に接していた面の表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は5.3nmであった。また、光学フィルター(I)のコレステリック液晶層の表面(Raが5.3nmの面)を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察された。なお、光学フィルター(I)中のコレステリック液晶層の前記接着剤層と接している面(もう一方の面)についても、接着剤を塗布する前の段階において、表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は5.7nmであった。
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(I)について、配向基板(A)に接していた面の表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は5.3nmであった。また、光学フィルター(I)のコレステリック液晶層の表面(Raが5.3nmの面)を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察された。なお、光学フィルター(I)中のコレステリック液晶層の前記接着剤層と接している面(もう一方の面)についても、接着剤を塗布する前の段階において、表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は5.7nmであった。
〈透過スペクトルの測定〉
光学フィルター(I)の透過スペクトルを図3に示す。図3に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(I)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。
光学フィルター(I)の透過スペクトルを図3に示す。図3に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(I)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。
〈円偏光性の測定〉
直線偏光板に4分の1波長板を±45度の角度で貼合すると右及び左偏光板となることを利用し、これらの円偏光板を用いて光学フィルター(I)の円偏光性を測定した。右円偏光板(右円偏光のみ透過)を用いた場合には、光学フィルター(I)による反射光が観察され、偏光板なしで観察した場合とほぼ同じ結果となった。これに対し、左円偏光板(左円偏光のみ透過)を用いた場合には暗視野となり、反射光は観察されなかった。このような結果から、光学フィルター(I)は右円偏光を完全に反射することが確認された。
直線偏光板に4分の1波長板を±45度の角度で貼合すると右及び左偏光板となることを利用し、これらの円偏光板を用いて光学フィルター(I)の円偏光性を測定した。右円偏光板(右円偏光のみ透過)を用いた場合には、光学フィルター(I)による反射光が観察され、偏光板なしで観察した場合とほぼ同じ結果となった。これに対し、左円偏光板(左円偏光のみ透過)を用いた場合には暗視野となり、反射光は観察されなかった。このような結果から、光学フィルター(I)は右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
光学フィルター(I)における前記コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面(表面粗さ(Ra)が5.3nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は0.2%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(I)においては、前記コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面における光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターに使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
光学フィルター(I)における前記コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面(表面粗さ(Ra)が5.3nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は0.2%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(I)においては、前記コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面における光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターに使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
次に、レーザー光の入射面を逆にしてトリアセチルセルロースフィルム側からレーザー光を入射させた場合についても光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.9%であることが確認され、トリアセチルセルロースフィルム側の面においても、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
このような光の散乱度の測定結果から、光学フィルター(I)においては、どちら側の面も表面粗さ(Ra)が10nm以下であり、高度な光の散乱抑制効果が得られることが確認された。また、光学フィルター(I)においては、コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面を光の入射面として利用した際に、光の散乱をより高度に抑制できることが分かった。このように、コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面において、より高度な光の散乱抑制効果が得られることから、液晶層中において配向状態がより一様に揃った状態となっている、配向基板に接していた側の面を光の入射面として用いることで、光の散乱抑制効果がより高度なものとなることが分かった。
〈レーザー耐光性の測定〉
光学フィルター(I)において、波長405nmのレーザー光の吸収度合いを見積もるために、以下のようにして透過率を測定した。すなわち、光学フィルター(I)が上述のように左円偏光を透過する性質を有するため、分光器に直線偏光板と4分の1波長板を挿入して左円偏光が光学フィルター(I)に入射されるようにして、選択反射の影響を除外して、光学フィルター(I)におけるレーザー光の透過率の測定を行った。なお、かかる測定に際して、光学フィルター(I)における前記コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面(表面粗さ(Ra)が5.3nmの面)を、前記左円偏光を入射する面とした。このような透過率の測定の結果、波長405nmの光の透過率は83%であることが確認された。このように、光学フィルタ(I)は十分な透過率を示すことから、光学フィルター(I)で使用した液晶材料は波長405nmの光の吸収が少ないことが分かった。
光学フィルター(I)において、波長405nmのレーザー光の吸収度合いを見積もるために、以下のようにして透過率を測定した。すなわち、光学フィルター(I)が上述のように左円偏光を透過する性質を有するため、分光器に直線偏光板と4分の1波長板を挿入して左円偏光が光学フィルター(I)に入射されるようにして、選択反射の影響を除外して、光学フィルター(I)におけるレーザー光の透過率の測定を行った。なお、かかる測定に際して、光学フィルター(I)における前記コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面(表面粗さ(Ra)が5.3nmの面)を、前記左円偏光を入射する面とした。このような透過率の測定の結果、波長405nmの光の透過率は83%であることが確認された。このように、光学フィルタ(I)は十分な透過率を示すことから、光学フィルター(I)で使用した液晶材料は波長405nmの光の吸収が少ないことが分かった。
次に、図4に示す光学系を用いて、光学フィルター(I)の耐光性を測定した。図4に示す光学系は、ECLD(外部共振器型半導体レーザー)21と、アナモルフィックプリズムペア及び光アイソレーター22と、空間フィルター23と、アイリス絞り24と、4分の1波長板25と、対物レンズ31と、光学フィルター32と、スクリーン33とを備える。また、このような光学系に対して、光学フィルター(I)は、その製造時に配向基板に接していたコレステリック液晶層の面がレーザー光の入射面となるようにして配置した。更に、ECLD(外部共振器型半導体レーザー)21としては、波長405nmのレーザー光を出射することが可能な装置を使用した。また、レーザー光は積算照射量が1350J/cm2となるようにしてコレステリック液晶層に集光しながら照射した。このようにして、フィルム背面に配置したスクリーン33に映し出された透過光を観察したところ、レーザー光の照射期間中に観察される透過光には差が見られなかった。このような結果から、光学フィルター(I)は、レーザー照射による影響が認められず、耐光性が十分に高いことが確認された。
(実施例2)
<光学フィルターの調製>
トリアセチルセルロースフィルムの代わりに、光学的に等方性である厚み1.1mmのガラス板(表面粗さ(Ra)=0.1nm)を用い、コレステリック液晶層を前記ガラス板に転写した以外は実施例1と同様にして、光学フィルター(II)を調製した。
<光学フィルターの調製>
トリアセチルセルロースフィルムの代わりに、光学的に等方性である厚み1.1mmのガラス板(表面粗さ(Ra)=0.1nm)を用い、コレステリック液晶層を前記ガラス板に転写した以外は実施例1と同様にして、光学フィルター(II)を調製した。
[光学フィルター(II)の特性の評価]
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(II)のコレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面の表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は5.2nmであった。また、光学フィルター(II)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(II)のコレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面の表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は5.2nmであった。また、光学フィルター(II)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(II)の透過スペクトルを図5に示す。図5に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(II)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(II)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
光学フィルター(II)の透過スペクトルを図5に示す。図5に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(II)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(II)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
光学フィルター(II)における前記コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面(表面粗さ(Ra)が5.2nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は0.3%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(II)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
光学フィルター(II)における前記コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面(表面粗さ(Ra)が5.2nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は0.3%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(II)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
(実施例3)
<配向基板の調製>
PENフィルムの代わりに、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポン製メリネックス709LXC)を使用した以外は、実施例1で採用した配向基板の調製方法と同様の方法を採用して配向基板(B)を調製した。なお、配向基板(B)上に形成されたPVA配向膜層の厚みは1.8μmであった。また、配向基板(B)の調製に用いたPETフィルム単体の表面粗さ(Ra)は2.6nmであった。更に、ラビング前の配向基板前駆体のPVA膜層の表面粗さ(Ra)は3.2nmであり、ラビング処理後の配向基板(B)のPVA配向膜層の表面粗さ(Ra)は1.7nmであった。
<配向基板の調製>
PENフィルムの代わりに、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポン製メリネックス709LXC)を使用した以外は、実施例1で採用した配向基板の調製方法と同様の方法を採用して配向基板(B)を調製した。なお、配向基板(B)上に形成されたPVA配向膜層の厚みは1.8μmであった。また、配向基板(B)の調製に用いたPETフィルム単体の表面粗さ(Ra)は2.6nmであった。更に、ラビング前の配向基板前駆体のPVA膜層の表面粗さ(Ra)は3.2nmであり、ラビング処理後の配向基板(B)のPVA配向膜層の表面粗さ(Ra)は1.7nmであった。
<光学フィルターの調製>
配向基板(A)の代わりに配向基板(B)を用いた以外は実施例1と同様の方法を採用して、光学フィルター(III)を調製した。
配向基板(A)の代わりに配向基板(B)を用いた以外は実施例1と同様の方法を採用して、光学フィルター(III)を調製した。
[光学フィルター(III)の特性の評価]
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(III)のコレステリック液晶層の配向基板(B)に接していた面の表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は6.4nmであった。また、光学フィルター(III)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(III)のコレステリック液晶層の配向基板(B)に接していた面の表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は6.4nmであった。また、光学フィルター(III)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(III)の透過スペクトルを図6に示す。図6に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(III)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(III)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
光学フィルター(III)の透過スペクトルを図6に示す。図6に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(III)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(III)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
光学フィルター(III)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が6.4nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は0.9%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(III)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
光学フィルター(III)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が6.4nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は0.9%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(III)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
(実施例4)
<配向基板の調製>
PENフィルムの代わりに厚み38μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポン製テオネックスQ51)を使用した以外は、実施例1で採用した配向基板の調製方法と同様の方法を採用して配向基板(C)を調製した。なお、配向基板(C)上に形成されたPVA配向膜層の厚みは1.9μmであった。また、配向基板(C)の調製に用いたPENフィルム単体の表面粗さ(Ra)は8.0nmであった。更に、ラビング前の配向基板前駆体のPVA膜層の表面粗さ(Ra)は5.2nmであり、ラビング処理後の配向基板(C)のPVA配向膜層の表面粗さ(Ra)は4.4nmであった。
<配向基板の調製>
PENフィルムの代わりに厚み38μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポン製テオネックスQ51)を使用した以外は、実施例1で採用した配向基板の調製方法と同様の方法を採用して配向基板(C)を調製した。なお、配向基板(C)上に形成されたPVA配向膜層の厚みは1.9μmであった。また、配向基板(C)の調製に用いたPENフィルム単体の表面粗さ(Ra)は8.0nmであった。更に、ラビング前の配向基板前駆体のPVA膜層の表面粗さ(Ra)は5.2nmであり、ラビング処理後の配向基板(C)のPVA配向膜層の表面粗さ(Ra)は4.4nmであった。
<光学フィルターの調製>
配向基板(A)の代わりに配向基板(C)を用いた以外は実施例1と同様の方法を採用して、光学フィルター(IV)を調製した。
配向基板(A)の代わりに配向基板(C)を用いた以外は実施例1と同様の方法を採用して、光学フィルター(IV)を調製した。
[光学フィルター(IV)の特性の評価]
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(IV)のコレステリック液晶層の配向基板(C)に接していた面の表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は7.4nmであった。また、光学フィルター(IV)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(IV)のコレステリック液晶層の配向基板(C)に接していた面の表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は7.4nmであった。また、光学フィルター(IV)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(IV)の透過スペクトルを図7に示す。図7に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(IV)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(IV)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
光学フィルター(IV)の透過スペクトルを図7に示す。図7に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(IV)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(IV)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
光学フィルター(IV)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が7.4nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は3.4%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(IV)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
光学フィルター(IV)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が7.4nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は3.4%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(IV)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
(実施例5)
<光学フィルターの調製>
先ず、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して、トリアセチルセルロースフィルム/接着剤層/コレステリック液晶層からなる光学フィルター(I)を得た。このようにして得られた光学フィルター(I)の配向基板(A)に接していた面の表面粗さ(Ra)は5.3nmであった。
<光学フィルターの調製>
先ず、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して、トリアセチルセルロースフィルム/接着剤層/コレステリック液晶層からなる光学フィルター(I)を得た。このようにして得られた光学フィルター(I)の配向基板(A)に接していた面の表面粗さ(Ra)は5.3nmであった。
次に、このようにして得られた光学フィルター(I)のコレステリック液晶層の表面(表面粗さ(Ra)が5.3nmの面)上に、UV硬化型接着剤(東亞合成株式会社製の商品名「UV−3400」)を5μmの厚みとなるようにして塗布して接着剤層を形成せしめた。次いで、前記接着剤層の表面上に厚み100μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポン社製テオネックスフィルムQ65F)をラミネートし、600mJのUV照射処理を施して接着剤を硬化させて、トリアセチルセルロースフィルム/接着剤層/コレステリック液晶層/接着剤層/PENフィルムの順で各層が積層された積層体を得た。次いで、このようにして光学フィルター(I)にPENフィルムからなるオーバーコート層を付与した形態の光学フィルター(V)を得た。
[光学フィルター(V)の特性の評価]
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(V)のコレステリック液晶層の配向基板に接していた面の表面粗さ(Ra)は、上述のように5.3nmであり、その表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては光学フィルター(V)と実施例1で得られた光学フィルター(I)とでは目視による差は無いことが確認された。なお、光学フィルター(I)中のコレステリック液晶層の接着剤層と接している面についても、接着剤を塗布する前の段階において、表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は5.7nmであった。
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(V)のコレステリック液晶層の配向基板に接していた面の表面粗さ(Ra)は、上述のように5.3nmであり、その表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては光学フィルター(V)と実施例1で得られた光学フィルター(I)とでは目視による差は無いことが確認された。なお、光学フィルター(I)中のコレステリック液晶層の接着剤層と接している面についても、接着剤を塗布する前の段階において、表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は5.7nmであった。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(V)の透過スペクトルを図8に示す。図8に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(V)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(V)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
光学フィルター(V)の透過スペクトルを図8に示す。図8に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(V)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(V)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
光学フィルター(V)における前記コレステリック液晶層のPENフィルム側の面(表面粗さ(Ra)が5.3nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.1%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(V)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
光学フィルター(V)における前記コレステリック液晶層のPENフィルム側の面(表面粗さ(Ra)が5.3nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.1%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(V)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
次に、レーザー光の入射面を逆にしてトリアセチルセルロースフィルム側からレーザー光を入射させた場合についても光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は2.6%であることが確認され、トリアセチルセルロースフィルム側の面においても、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。また、それぞれの面における光の散乱度の測定結果を対比すると、光学フィルター(V)においては、コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面を光の入射面として利用した際に、光の散乱をより高度に抑制できることが分かった。このように、コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面において、より高度な光の散乱抑制効果が得られることから、光学フィルター(V)は、液晶層中において配向状態がより一様に揃った状態となっている配向基板(A)に接していた面側を光の入射面として用いることで、光の散乱抑制効果がより高度なものとなることが分かった。
(実施例6)
<液晶ポリマー溶液(II)の調製>
γ−ブチロラクトン(GBL)17gに、合成例3で得られたポリマー(E)2.55g及び合成例4で得られたジオキセタン化合物0.45gを溶解し、ポリマー溶解液を得た。次に、前記ポリマー溶解液に対して、カチオン系光開始剤(ダウケミカル社製UVI−6992を0.075g添加し、更に、界面活性剤としてセイミケミカル社製のフッ素系界面活性剤S−386を0.003g添加して溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、液晶ポリマー溶液(II)を得た。
<液晶ポリマー溶液(II)の調製>
γ−ブチロラクトン(GBL)17gに、合成例3で得られたポリマー(E)2.55g及び合成例4で得られたジオキセタン化合物0.45gを溶解し、ポリマー溶解液を得た。次に、前記ポリマー溶解液に対して、カチオン系光開始剤(ダウケミカル社製UVI−6992を0.075g添加し、更に、界面活性剤としてセイミケミカル社製のフッ素系界面活性剤S−386を0.003g添加して溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、液晶ポリマー溶液(II)を得た。
<光学フィルターの調製>
先ず、実施例1で採用した配向基板の調製方法と同様の方法を採用して表面粗さ(Ra)が1.0nmの配向基板(A)を調製した。次に、このような配向基板(A)上に前記液晶ポリマー溶液(II)を、200rpmで10秒、更に300rpmで20秒の条件でスピンコートして液晶材料のコート膜を得た。次に、ホットプレート上にて55℃の温度条件で、前記液晶材料のコート膜を20分間乾燥させた。その後、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)に対して、クリーンオーブンを用いて140℃の温度条件で15分間熱処理を施して、前記コート膜中の前記液晶材料をコレステリック配向させた。次いで、コレステリック配向の液晶層が形成された前記配向基板(A)をクリーンオーブンから取り出し、自然空冷させて、液晶層中のコレステリック相の配向状態をガラス状態として固定化した。次に、前記液晶層を、空気雰囲気下、フィルム温度が70℃となるようにして再加熱した後、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cm2の紫外線光を照射し、オキセタン基を反応させて、配向基板(A)上の液晶層を硬化させて、配向基板(A)上にコレステリック液晶層を積層させた。このようにして得られたコレステリック液晶層の厚みは2.6μmであった。
先ず、実施例1で採用した配向基板の調製方法と同様の方法を採用して表面粗さ(Ra)が1.0nmの配向基板(A)を調製した。次に、このような配向基板(A)上に前記液晶ポリマー溶液(II)を、200rpmで10秒、更に300rpmで20秒の条件でスピンコートして液晶材料のコート膜を得た。次に、ホットプレート上にて55℃の温度条件で、前記液晶材料のコート膜を20分間乾燥させた。その後、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)に対して、クリーンオーブンを用いて140℃の温度条件で15分間熱処理を施して、前記コート膜中の前記液晶材料をコレステリック配向させた。次いで、コレステリック配向の液晶層が形成された前記配向基板(A)をクリーンオーブンから取り出し、自然空冷させて、液晶層中のコレステリック相の配向状態をガラス状態として固定化した。次に、前記液晶層を、空気雰囲気下、フィルム温度が70℃となるようにして再加熱した後、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cm2の紫外線光を照射し、オキセタン基を反応させて、配向基板(A)上の液晶層を硬化させて、配向基板(A)上にコレステリック液晶層を積層させた。このようにして得られたコレステリック液晶層の厚みは2.6μmであった。
次に、このようにして得られた配向基板(A)上にコレステリック液晶層が積層された積層体を用いた以外は実施例1で採用した方法と同様の方法を採用してトリアセチルセルロースフィルム/接着剤層/コレステリック液晶層/配向基板(A)の順で各層を積層された積層体を得た後、前記積層体から配向基板(A)を剥離し、コレステリック液晶層をトリアセチルセルロースフィルム上に転写し、光学フィルター(VI)を得た。
[光学フィルター(VI)の特性の評価]
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(VI)のコレステリック液晶層の配向基板に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は3.5nmであった。また、光学フィルター(VI)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(VI)のコレステリック液晶層の配向基板に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は3.5nmであった。また、光学フィルター(VI)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(VI)の透過スペクトルを図9に示す。図9に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(VI)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(VI)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
光学フィルター(VI)の透過スペクトルを図9に示す。図9に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(VI)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(VI)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
光学フィルター(VI)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が3.5nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.0%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(VI)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
光学フィルター(VI)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が3.5nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.0%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(VI)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
(実施例7)
<反応性の液晶モノマー溶液の調製>
シクロヘキサノン16gに、アクリル系液晶モノマー(BASF社製の商品名「Paliocolor LC242」)3.752g及びアクリル系キラルモノマー(BASF社製の商品名「PaliocolorLC756」)0.248gを溶解させて、モノマー溶解液を得た。次に、前記モノマー溶解液に対して、ラジカル系光開始剤(BASF社製の商品名「LUCIRIN TPO」)0.16gと、重合禁止剤としてBHT(2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール)0.0012gとを添加した後、更に、界面活性剤(大日本インキ社製のフッ素系界面活性剤、商品名「メガファックF142D」)0.004gを添加して溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、反応性液晶モノマー溶液(I)を得た。
<反応性の液晶モノマー溶液の調製>
シクロヘキサノン16gに、アクリル系液晶モノマー(BASF社製の商品名「Paliocolor LC242」)3.752g及びアクリル系キラルモノマー(BASF社製の商品名「PaliocolorLC756」)0.248gを溶解させて、モノマー溶解液を得た。次に、前記モノマー溶解液に対して、ラジカル系光開始剤(BASF社製の商品名「LUCIRIN TPO」)0.16gと、重合禁止剤としてBHT(2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール)0.0012gとを添加した後、更に、界面活性剤(大日本インキ社製のフッ素系界面活性剤、商品名「メガファックF142D」)0.004gを添加して溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、反応性液晶モノマー溶液(I)を得た。
<光学フィルターの調製>
先ず、実施例1で採用した配向基板の調製方法と同様の方法を採用して表面粗さ(Ra)が1.0nmの配向基板(A)を調製した。次に、このような配向基板(A)上に、前記反応性液晶モノマー溶液(I)を、200rpmで10秒、更に200rpmで20秒の条件でスピンコートし、コート膜を得た。次に、ホットプレート上にて55℃の温度条件で前記液晶材料のコート膜を20分間乾燥させた。その後、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)に対して、クリーンオーブンを用いて100℃の温度で5分間、さらに80℃の温度で5分間の条件で熱処理を施して、コレステリック配向させた。次いで、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)を、窒素雰囲気下(酸素濃度0.8%)においてフィルム温度が50℃となるように加熱した後、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cm2の紫外線光を照射してアクリル基を反応させ、配向基板(A)上の液晶層を硬化させて、配向基板(A)上にコレステリック液晶層を積層させた。このようにして得られたコレステリック液晶層の厚みは3.0μmであった。
先ず、実施例1で採用した配向基板の調製方法と同様の方法を採用して表面粗さ(Ra)が1.0nmの配向基板(A)を調製した。次に、このような配向基板(A)上に、前記反応性液晶モノマー溶液(I)を、200rpmで10秒、更に200rpmで20秒の条件でスピンコートし、コート膜を得た。次に、ホットプレート上にて55℃の温度条件で前記液晶材料のコート膜を20分間乾燥させた。その後、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)に対して、クリーンオーブンを用いて100℃の温度で5分間、さらに80℃の温度で5分間の条件で熱処理を施して、コレステリック配向させた。次いで、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)を、窒素雰囲気下(酸素濃度0.8%)においてフィルム温度が50℃となるように加熱した後、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cm2の紫外線光を照射してアクリル基を反応させ、配向基板(A)上の液晶層を硬化させて、配向基板(A)上にコレステリック液晶層を積層させた。このようにして得られたコレステリック液晶層の厚みは3.0μmであった。
次に、このようにして得られた配向基板(A)上にコレステリック液晶層が積層された積層体を用いた以外は実施例1で採用した方法と同様の方法を採用してトリアセチルセルロースフィルム/接着剤層/コレステリック液晶層/配向基板(A)の順で各層を積層された積層体を得た後、前記積層体から配向基板(A)を剥離し、コレステリック液晶層をトリアセチルセルロースフィルム上に転写し、光学フィルター(VII)を得た。
[光学フィルター(VII)の特性の評価]
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(VII)のコレステリック液晶層の配向基板に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は1.7nmであった。また、光学フィルター(VII)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(VII)のコレステリック液晶層の配向基板に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は1.7nmであった。また、光学フィルター(VII)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(VII)の透過スペクトルを図10に示す。図10に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(VII)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(VII)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
光学フィルター(VII)の透過スペクトルを図10に示す。図10に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(VII)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(VII)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
光学フィルター(VII)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が1.7nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.8%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(VII)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
光学フィルター(VII)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が1.7nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.8%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(VII)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
(実施例8)
<光学フィルターの調製>
先ず、実施例1で採用した配向基板の調製方法と同様の方法を採用して表面粗さ(Ra)が1.0nmの配向基板(A)を調製した。次に、Merck社製のアクリル系液晶モノマー(商品名「RMS03−008」)を反応性液晶モノマー溶液(II)として用い、かかる液晶モノマー溶液(II)を、配向基板(A)上に200rpmで10秒、更に250rpmで20秒の条件でスピンコートしてコート膜を得た。次に、ホットプレート上にて55℃の温度条件で前記液晶材料のコート膜を20分間乾燥させた。その後、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)に対して、クリーンオーブンを用いて65℃の温度で10分間の条件で熱処理を施して、コレステリック配向させた。次いで、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)を、窒素雰囲気下(酸素濃度1.0%)においてフィルム温度が30℃となるように加熱した後、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cm2の紫外線光を照射してアクリル基を反応させ、配向基板(A)上の液晶層を硬化させて、配向基板(A)上にコレステリック液晶層を積層させた。このようにして得られたコレステリック液晶層の厚みは3.9μmであった。
<光学フィルターの調製>
先ず、実施例1で採用した配向基板の調製方法と同様の方法を採用して表面粗さ(Ra)が1.0nmの配向基板(A)を調製した。次に、Merck社製のアクリル系液晶モノマー(商品名「RMS03−008」)を反応性液晶モノマー溶液(II)として用い、かかる液晶モノマー溶液(II)を、配向基板(A)上に200rpmで10秒、更に250rpmで20秒の条件でスピンコートしてコート膜を得た。次に、ホットプレート上にて55℃の温度条件で前記液晶材料のコート膜を20分間乾燥させた。その後、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)に対して、クリーンオーブンを用いて65℃の温度で10分間の条件で熱処理を施して、コレステリック配向させた。次いで、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(A)を、窒素雰囲気下(酸素濃度1.0%)においてフィルム温度が30℃となるように加熱した後、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cm2の紫外線光を照射してアクリル基を反応させ、配向基板(A)上の液晶層を硬化させて、配向基板(A)上にコレステリック液晶層を積層させた。このようにして得られたコレステリック液晶層の厚みは3.9μmであった。
次に、このようにして得られた配向基板(A)上にコレステリック液晶層が積層された積層体を用いた以外は、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用してトリアセチルセルロースフィルム/接着剤層/コレステリック液晶層/配向基板(A)の順で各層を積層された積層体を調製し、その後、前記積層体から配向基板(A)を剥離して、コレステリック液晶層をトリアセチルセルロースフィルム上に転写し、光学フィルター(VIII)を得た。
[光学フィルター(VIII)の特性の評価]
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(VIII)のコレステリック液晶層の配向基板に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は2.0nmであった。また、光学フィルター(VIII)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。なお、光学フィルター(VIII)中のコレステリック液晶層の接着剤層と接している面についても、接着剤を塗布する前の段階において、表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は3.5nmであった。
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(VIII)のコレステリック液晶層の配向基板に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は2.0nmであった。また、光学フィルター(VIII)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。なお、光学フィルター(VIII)中のコレステリック液晶層の接着剤層と接している面についても、接着剤を塗布する前の段階において、表面粗さ(Ra)を測定したところ、その表面粗さ(Ra)は3.5nmであった。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(VIII)の透過スペクトルを図11に示す。図11に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(VIII)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(VIII)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
光学フィルター(VIII)の透過スペクトルを図11に示す。図11に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(VIII)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(VIII)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
光学フィルター(VIII)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が2.0nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.7%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(VIII)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
光学フィルター(VIII)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が2.0nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.7%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(VIII)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
次に、レーザー光の入射面を逆にしてトリアセチルセルロースフィルム側からレーザー光を入射させた場合についても光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は2.6%であることが確認され、トリアセチルセルロースフィルム側の面においても、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。また、それぞれの面における光の散乱度の測定結果を対比すると、光学フィルター(VIII)においては、コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面を光の入射面として利用した際に、光の散乱をより高度に抑制できることが分かった。このように、コレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面において、より高度な光の散乱抑制効果が得られることから、光学フィルター(VIII)は、液晶層中において配向状態がより一様に揃った状態となっている配向基板(A)に接していた面側を光の入射面として用いることで、光の散乱抑制効果がより高度なものとなることが分かった。
(実施例9)
<配向基板の調製>
厚み1.1mmのガラス基板に、ポリイミド溶液(東レ社製の商品名「LP−64」)を200rpmで10秒、更に1000rpmで30秒の条件でスピンコートし、コート膜を得た。次に、前記コート膜をホットプレート上にて55℃の温度条件で20分間乾燥した後、オーブンで250℃の温度条件で30分間熱処理を施し、ガラス基板上にポリイミド膜層を積層させた。なお、このようなポリイミド層の厚みは0.1μmであった。次に、前記ポリイミド膜層の表面に対して、液晶用のラビング布(吉川化工製の商品名「YA−20−R」)を用いて、押込み量0.5mm、回転数480rpm、搬送速度100mm/秒の条件で回転ラビング処理を施し、ガラス基板の表面上にポリイミドからなる配向膜層が積層された配向基板(D)を得た。なお、配向基板(D)の調製に用いたガラス基板の表面粗さ(Ra)は0.1nmであった。また、ラビング前の配向基板前駆体のポリイミド膜層の表面粗さ(Ra)は0.5nmであり、ラビング処理後の配向基板(D)の配向膜層の表面粗さ(Ra)は0.6nmであった。
<配向基板の調製>
厚み1.1mmのガラス基板に、ポリイミド溶液(東レ社製の商品名「LP−64」)を200rpmで10秒、更に1000rpmで30秒の条件でスピンコートし、コート膜を得た。次に、前記コート膜をホットプレート上にて55℃の温度条件で20分間乾燥した後、オーブンで250℃の温度条件で30分間熱処理を施し、ガラス基板上にポリイミド膜層を積層させた。なお、このようなポリイミド層の厚みは0.1μmであった。次に、前記ポリイミド膜層の表面に対して、液晶用のラビング布(吉川化工製の商品名「YA−20−R」)を用いて、押込み量0.5mm、回転数480rpm、搬送速度100mm/秒の条件で回転ラビング処理を施し、ガラス基板の表面上にポリイミドからなる配向膜層が積層された配向基板(D)を得た。なお、配向基板(D)の調製に用いたガラス基板の表面粗さ(Ra)は0.1nmであった。また、ラビング前の配向基板前駆体のポリイミド膜層の表面粗さ(Ra)は0.5nmであり、ラビング処理後の配向基板(D)の配向膜層の表面粗さ(Ra)は0.6nmであった。
<光学フィルターの調製>
配向基板(D)上に、実施例1で採用している方法と同様の方法を採用して調製された液晶ポリマー溶液(I)を、200rpmで10秒、更に250rpmで20秒の条件でスピンコートし、液晶材料のコート膜を得た。次に、ホットプレート上にて55℃の温度条件で前記液晶材料のコート膜を20分乾燥させた。その後、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(D)に対して、クリーンオーブンを用いて220℃の温度で7分間、さらに195℃の温度で5分間熱処理を施して、前記コート層中の液晶材料をコレステリック配向させた。次いで、コレステリック配向の液晶層が形成された前記配向基板(D)を、クリーンオーブンから取り出し、自然空冷させて、液晶層中のコレステリック相の配向状態をガラス状態として固定化し、配向基板(D)上にコレステリック液晶層を積層させた積層体を得た。そして、かかる積層体をそのまま光学フィルター(IX)として利用した。なお、このようにして得られたコレステリック液晶層の厚みは2.7μmであった。
配向基板(D)上に、実施例1で採用している方法と同様の方法を採用して調製された液晶ポリマー溶液(I)を、200rpmで10秒、更に250rpmで20秒の条件でスピンコートし、液晶材料のコート膜を得た。次に、ホットプレート上にて55℃の温度条件で前記液晶材料のコート膜を20分乾燥させた。その後、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(D)に対して、クリーンオーブンを用いて220℃の温度で7分間、さらに195℃の温度で5分間熱処理を施して、前記コート層中の液晶材料をコレステリック配向させた。次いで、コレステリック配向の液晶層が形成された前記配向基板(D)を、クリーンオーブンから取り出し、自然空冷させて、液晶層中のコレステリック相の配向状態をガラス状態として固定化し、配向基板(D)上にコレステリック液晶層を積層させた積層体を得た。そして、かかる積層体をそのまま光学フィルター(IX)として利用した。なお、このようにして得られたコレステリック液晶層の厚みは2.7μmであった。
[光学フィルター(IX)の特性の評価]
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(IX)の透過スペクトルを図12に示す。図12に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(IX)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(IX)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(IX)の透過スペクトルを図12に示す。図12に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(IX)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(IX)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
光学フィルター(IX)の配向基板側の面から光を照射して光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.0%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(IX)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
光学フィルター(IX)の配向基板側の面から光を照射して光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.0%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(IX)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
〈コレステリック液晶層の表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(IX)のコレステリック液晶層の配向基板(D)に接している面の表面粗さ(Ra)を測定するために、以下のようにして測定サンプルを調製した。すなわち、先ず、光学フィルター(IX)の液晶層側の面の表面に、UV硬化型接着剤(東亞合成株式会社製の商品名「UV−3400」)を約5μmの厚みとなるようにして塗布して接着剤層を形成した後、その接着剤層上に80μmの光学的等方性フィルムであるトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム株式会社製の商品名「フジタックT80SZ」)をラミネートし、約600mJのUV照射により前記接着剤を硬化させて、トリアセチルセルロースフィルム/接着剤層/コレステリック液晶層/配向基板(D)の順に各層が積層された積層体を得た後、前記積層体から配向基板(D)を剥離し、コレステリック液晶層をトリアセチルセルロースフィルム上に転写して、液晶層の使用面(配向基板(D)に接していた面)の表面粗さ(Ra)を測定するための測定サンプルを調製した。
光学フィルター(IX)のコレステリック液晶層の配向基板(D)に接している面の表面粗さ(Ra)を測定するために、以下のようにして測定サンプルを調製した。すなわち、先ず、光学フィルター(IX)の液晶層側の面の表面に、UV硬化型接着剤(東亞合成株式会社製の商品名「UV−3400」)を約5μmの厚みとなるようにして塗布して接着剤層を形成した後、その接着剤層上に80μmの光学的等方性フィルムであるトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム株式会社製の商品名「フジタックT80SZ」)をラミネートし、約600mJのUV照射により前記接着剤を硬化させて、トリアセチルセルロースフィルム/接着剤層/コレステリック液晶層/配向基板(D)の順に各層が積層された積層体を得た後、前記積層体から配向基板(D)を剥離し、コレステリック液晶層をトリアセチルセルロースフィルム上に転写して、液晶層の使用面(配向基板(D)に接していた面)の表面粗さ(Ra)を測定するための測定サンプルを調製した。
次に、前記測定サンプル中のコレステリック液晶層の配向基板(D)に接していた面の表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は5.5nmであり、光学フィルター(IX)のコレステリック液晶層の配向基板(D)に接している面の表面粗さ(Ra)は10nm以下であることが確認された。また、かかるコレステリック液晶層の配向基板(D)に接していた面の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。このような光学フィルター(IX)の特性の評価結果から、本発明の光学フィルターは、表面粗さ(Ra)が10nm以下の面に記録再生光が入射するようにして光記録媒体に利用する場合に、製造時に利用した配向基板を積層させたままの状態で使用することも可能であることが分かった。
(実施例10)
<液晶ポリマー溶液(III)の調製>
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)43gに、合成例2で得られたポリマー(C)2.17g及びポリマー(D)4.83gを溶解し、ポリマー溶解液を得た。次に、前記ポリマー溶解液に、界面活性剤としてセイミケミカル社製のフッ素系界面活性剤S−383(50%酢酸エチル溶液)を0.007g添加して溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、液晶ポリマー溶液(III)を得た。
<液晶ポリマー溶液(III)の調製>
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)43gに、合成例2で得られたポリマー(C)2.17g及びポリマー(D)4.83gを溶解し、ポリマー溶解液を得た。次に、前記ポリマー溶解液に、界面活性剤としてセイミケミカル社製のフッ素系界面活性剤S−383(50%酢酸エチル溶液)を0.007g添加して溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、液晶ポリマー溶液(III)を得た。
<光学フィルターの調製>
液晶ポリマー溶液(I)の代わりに液晶ポリマー溶液(III)を用い、更に、クリーンオーブンを用いて液晶材料をコレステリック配向させる際の熱処理の条件を、230℃の温度で5分間、更に210℃の温度で5分間という条件に変更した以外は実施例1と同様にして、光学フィルター(X)を調製した。
液晶ポリマー溶液(I)の代わりに液晶ポリマー溶液(III)を用い、更に、クリーンオーブンを用いて液晶材料をコレステリック配向させる際の熱処理の条件を、230℃の温度で5分間、更に210℃の温度で5分間という条件に変更した以外は実施例1と同様にして、光学フィルター(X)を調製した。
[光学フィルター(X)の特性の評価]
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(X)のコレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は5.1nmであった。また、光学フィルター(X)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(X)のコレステリック液晶層の配向基板(A)に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は5.1nmであった。また、光学フィルター(X)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(X)の透過スペクトルを図13に示す。図13に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(X)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(X)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
光学フィルター(X)の透過スペクトルを図13に示す。図13に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(X)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(X)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
光学フィルター(X)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が5.1nmの面)の光の散乱度を測定したところ、散乱度は0.5%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(X)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
光学フィルター(X)における前記コレステリック液晶層の配向基板に接していた面(表面粗さ(Ra)が5.1nmの面)の光の散乱度を測定したところ、散乱度は0.5%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(X)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
<レーザー耐光性の測定>
実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して光学フィルター(X)の透過率測定を行ったところ、波長405nmの光の透過率は75%を示した。また、図4に示す光学系を用いて、光学フィルター(I)のレーザー耐光性を測定したところ、レーザー光の照射期間中に観察される透過光に若干の差が見られ、レーザー照射による影響が認められることが分かった。このような結果は、実施例1と本実施例とにおいて使用した液晶材料が相違することに起因するものと本発明者らは推察する。また、このような結果から、コレステリック液晶層においては、液晶材料として実施例1で用いているような記録再生用に使用するレーザー光の波長に対しての吸収が少なく、透過率の高い液晶材料を用いることにより、より高度なレーザー耐光性を有するフィルムが得られることが確認された。
実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して光学フィルター(X)の透過率測定を行ったところ、波長405nmの光の透過率は75%を示した。また、図4に示す光学系を用いて、光学フィルター(I)のレーザー耐光性を測定したところ、レーザー光の照射期間中に観察される透過光に若干の差が見られ、レーザー照射による影響が認められることが分かった。このような結果は、実施例1と本実施例とにおいて使用した液晶材料が相違することに起因するものと本発明者らは推察する。また、このような結果から、コレステリック液晶層においては、液晶材料として実施例1で用いているような記録再生用に使用するレーザー光の波長に対しての吸収が少なく、透過率の高い液晶材料を用いることにより、より高度なレーザー耐光性を有するフィルムが得られることが確認された。
(実施例11)
<配向基板の調製>
トリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム株式会社製の商品名「フジタックT80SZ」)10gを細かく粉砕した後、ジクロロメタン52gとメタノール8gの混合溶媒に溶解させてトリアセチルセルロース溶液を得た。次に、このようにして得られたトリアセチルセルロース溶液を表面粗さRaが0.1nmのガラス板上に流延し、ホットプレート上にて80℃の温度条件で30分溶媒を乾燥した後、ガラス板上に形成された第一フィルムを、ガラス板から剥離した。次いて、前記第一フィルムに対して、クリーンオーブン中で、先ず、100℃の温度で10分間、更に140℃の温度で20分間という条件で乾燥する処理を施し、厚み50μmのトリアセチルセルロースフィルムを得た。
<配向基板の調製>
トリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム株式会社製の商品名「フジタックT80SZ」)10gを細かく粉砕した後、ジクロロメタン52gとメタノール8gの混合溶媒に溶解させてトリアセチルセルロース溶液を得た。次に、このようにして得られたトリアセチルセルロース溶液を表面粗さRaが0.1nmのガラス板上に流延し、ホットプレート上にて80℃の温度条件で30分溶媒を乾燥した後、ガラス板上に形成された第一フィルムを、ガラス板から剥離した。次いて、前記第一フィルムに対して、クリーンオーブン中で、先ず、100℃の温度で10分間、更に140℃の温度で20分間という条件で乾燥する処理を施し、厚み50μmのトリアセチルセルロースフィルムを得た。
このようにして得られたトリアセチルセルロースフィルムを用い、そのガラス板に接していた面にコロナ処理を施した後、PVA溶液(i)を200rpmで10秒、更に400rpmで20秒の条件でスピンコートし、トリアセチルセルロースフィルムの表面上にPVA膜層を積層させた。次に、ホットプレート上において55℃の温度条件で、トリアセチルセルロースフィルム上の前記コート膜を20分乾燥させた後、オーブンで130℃の温度条件で5分間乾燥及び熱処理を施すことにより、トリアセチルセルロースフィルムの表面上にPVA膜が積層された配向基板前駆体を得た。なお、このようにして形成されたPVA膜層の厚みは2.0μmであった。次に、前記PVA膜層の表面に対して、液晶用のラビング布(吉川化工製の商品名「YA−20−R」)を用いて、押込み量0.5mm、回転数480rpm、搬送速度100mm/秒の条件で回転ラビング処理を施し、トリアセチルセルロースフィルムの表面上にPVA配向膜層が積層された配向基板(E)を得た。なお、配向基板(E)の調製に用いたトリアセチルセルロースフィルムの表面粗さ(Ra)は0.3nmであった。また、ラビング前の配向基板前駆体のPVA膜層の表面粗さ(Ra)は0.9nmであり、ラビング処理後の配向基板(E)の配向膜層の表面粗さ(Ra)は1.1nmであった。
<光学フィルターの作製>
配向基板(E)上に、実施例7で使用した反応性液晶モノマー溶液(I)を200rpmで10秒、さらに200rpmで20秒スピンコートし、ホットプレート上にて55℃の温度条件で20分間乾燥した。次に、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(E)に対して、クリーンオーブンを用いて、先ず100℃の温度で5分間、更に80℃の温度で5分間の条件で熱処理を施してコレステリック配向させた。このようにして得られたコレステリック配向の液晶層が形成された前記配向基板(E)を、窒素雰囲気下(酸素濃度0.7%)において、フィルム温度が50℃となるようにして加熱した後、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cm2の紫外線光を照射してアクリル基を反応させ、配向基板(E)上の液晶層を硬化させることによって、配向基板(E)上にコレステリック液晶層が積層された光学フィルター(XI)を得た。なお、このようにして形成されたコレステリック液晶層の厚みは3.0μmであった。
配向基板(E)上に、実施例7で使用した反応性液晶モノマー溶液(I)を200rpmで10秒、さらに200rpmで20秒スピンコートし、ホットプレート上にて55℃の温度条件で20分間乾燥した。次に、前記液晶材料のコート膜が形成された配向基板(E)に対して、クリーンオーブンを用いて、先ず100℃の温度で5分間、更に80℃の温度で5分間の条件で熱処理を施してコレステリック配向させた。このようにして得られたコレステリック配向の液晶層が形成された前記配向基板(E)を、窒素雰囲気下(酸素濃度0.7%)において、フィルム温度が50℃となるようにして加熱した後、高圧水銀ランプにより積算照射量300mJ/cm2の紫外線光を照射してアクリル基を反応させ、配向基板(E)上の液晶層を硬化させることによって、配向基板(E)上にコレステリック液晶層が積層された光学フィルター(XI)を得た。なお、このようにして形成されたコレステリック液晶層の厚みは3.0μmであった。
[光学フィルター(XI)の特性の評価]
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(XI)の透過スペクトルを図14に示す。図14に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(XI)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(XI)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
光学フィルター(XI)の透過スペクトルを図14に示す。図14に示す結果からも明らかなように、光学フィルター(XI)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、光学フィルター(XI)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
光学フィルター(XI)の配向基板側の面から光を照射して光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.9%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(XI)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
光学フィルター(XI)の配向基板側の面から光を照射して光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は1.9%であることが確認された。このような結果から、光学フィルター(XI)においては、光の散乱は十分に小さく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合に、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できることが分かった。
〈コレステリック液晶層の表面粗さ(Ra)の測定〉
光学フィルター(XI)のコレステリック液晶層の配向基板(E)に接している面の表面粗さ(Ra)を測定するために、以下のようにして測定サンプルを調製した。すなわち、先ず、光学フィルター(XI)の液晶層側の面の表面にUV硬化型接着剤(東亞合成株式会社製の商品名「UV−3400」)を約5μmの厚みとなるようにして塗布して接着剤層を形成した後、その接着剤層上に厚さ1.1mmのガラス板をラミネートし、約600mJのUV照射により前記接着剤を硬化させて、ガラス/接着剤層/コレステリック液晶層/配向基板(E)の順に各層が積層された積層体を得た後、前記積層体から配向基板(E)を剥離し、コレステリック液晶層をガラス上に転写して、液晶層の使用面(配向基板(E)に接していた面)の表面粗さ(Ra)を測定するための測定サンプルを調製した。
光学フィルター(XI)のコレステリック液晶層の配向基板(E)に接している面の表面粗さ(Ra)を測定するために、以下のようにして測定サンプルを調製した。すなわち、先ず、光学フィルター(XI)の液晶層側の面の表面にUV硬化型接着剤(東亞合成株式会社製の商品名「UV−3400」)を約5μmの厚みとなるようにして塗布して接着剤層を形成した後、その接着剤層上に厚さ1.1mmのガラス板をラミネートし、約600mJのUV照射により前記接着剤を硬化させて、ガラス/接着剤層/コレステリック液晶層/配向基板(E)の順に各層が積層された積層体を得た後、前記積層体から配向基板(E)を剥離し、コレステリック液晶層をガラス上に転写して、液晶層の使用面(配向基板(E)に接していた面)の表面粗さ(Ra)を測定するための測定サンプルを調製した。
次に、前記測定サンプル中のコレステリック液晶層の配向基板(E)に接していた面の表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は2.5nmであり、光学フィルター(XI)のコレステリック液晶層の配向基板(E)に接している面の表面粗さ(Ra)は10nm以下であることが確認された。また、かかるコレステリック液晶層の配向基板(E)に接していた面の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、この点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。このような光学フィルター(XI)の特性の評価結果から、本発明の光学フィルターは、表面粗さ(Ra)が10nm以下の面に記録再生光が入射するようにして光記録媒体に利用する場合に、製造時に利用した配向基板を積層させたままの状態で使用することも可能であることが分かった。
(比較例1)
<配向基板の調製>
厚み80μmのポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルム(東レ製トレリナ)の一方の面に対して、液晶用のラビング布(吉川化工製の商品名「YA−20−R」)を用いて、押込み量0.5mm、回転数480rpm、搬送速度100mm/秒の条件で回転ラビング処理を施し、配向基板(F)を得た。ラビング前のPPSフィルムの表面における表面粗さ(Ra)は16nmであり、配向基板(F)のラビング処理後の面における表面粗さ(Ra)は18nmであった。
<配向基板の調製>
厚み80μmのポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルム(東レ製トレリナ)の一方の面に対して、液晶用のラビング布(吉川化工製の商品名「YA−20−R」)を用いて、押込み量0.5mm、回転数480rpm、搬送速度100mm/秒の条件で回転ラビング処理を施し、配向基板(F)を得た。ラビング前のPPSフィルムの表面における表面粗さ(Ra)は16nmであり、配向基板(F)のラビング処理後の面における表面粗さ(Ra)は18nmであった。
<光学フィルターの調製>
配向基板(A)の代わりに配向基板(F)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較用光学フィルター(i)を調製した。
配向基板(A)の代わりに配向基板(F)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較用光学フィルター(i)を調製した。
[比較用光学フィルター(i)の特性の評価]
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
比較用光学フィルター(i)のコレステリック液晶層の配向基板(F)に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は14.4nmであった。また、比較用光学フィルター(i)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、表面の目視観察という点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
比較用光学フィルター(i)のコレステリック液晶層の配向基板(F)に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は14.4nmであった。また、比較用光学フィルター(i)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、表面の目視観察という点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
比較用光学フィルター(i)の透過スペクトルを図15に示す。図15に示す結果からも明らかなように、比較用光学フィルター(i)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、比較用光学フィルター(i)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
比較用光学フィルター(i)の透過スペクトルを図15に示す。図15に示す結果からも明らかなように、比較用光学フィルター(i)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、比較用光学フィルター(i)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
比較用光学フィルター(i)における前記コレステリック液晶層の配向基板(F)に接していた面(表面粗さ(Ra)が14.4nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は26%であることが確認された。また、比較用光学フィルター(i)中の前記コレステリック液晶層の配向基板(E)に接していた面に、前記コレステリック液晶層と、ほぼ屈折率差が無い材料からなる層(非液晶層)を積層したサンプルを作成して、そのサンプルの散乱度を測定したところ、その散乱度の値は比較用光学フィルター(i)の単体と結果に大きな差は無かった。このような結果に基づいて、比較用光学フィルター(i)においては、その製造時に用いた配向基板の表面粗さによって、コレステリック液晶層の内部においてらせん軸方向の乱れが生じ、コレステリック液晶層において生じる反射光の散乱がより大きくなったものと本発明者らは推察する。
比較用光学フィルター(i)における前記コレステリック液晶層の配向基板(F)に接していた面(表面粗さ(Ra)が14.4nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は26%であることが確認された。また、比較用光学フィルター(i)中の前記コレステリック液晶層の配向基板(E)に接していた面に、前記コレステリック液晶層と、ほぼ屈折率差が無い材料からなる層(非液晶層)を積層したサンプルを作成して、そのサンプルの散乱度を測定したところ、その散乱度の値は比較用光学フィルター(i)の単体と結果に大きな差は無かった。このような結果に基づいて、比較用光学フィルター(i)においては、その製造時に用いた配向基板の表面粗さによって、コレステリック液晶層の内部においてらせん軸方向の乱れが生じ、コレステリック液晶層において生じる反射光の散乱がより大きくなったものと本発明者らは推察する。
(比較例2)
<配向基板の調製>
PENフィルムの代わりに、厚み80μmのポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルム(東レ社製の商品名「トレリナ」)を使用した以外は実施例1と同様にして配向基板(G)を調製した。このようにして得られた配向基板(G)上のPVA配向膜層の厚みは1.9μmであった。なお、配向基板(G)の調製に用いたPPSフィルム単体の表面粗さ(Ra)は16nmであった。また、ラビング前の配向基板前駆体のPVA膜層の表面粗さ(Ra)は9.0nmであり、ラビング処理後の配向基板(G)のPVA配向膜層の表面粗さは9.5nmであった。
<配向基板の調製>
PENフィルムの代わりに、厚み80μmのポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルム(東レ社製の商品名「トレリナ」)を使用した以外は実施例1と同様にして配向基板(G)を調製した。このようにして得られた配向基板(G)上のPVA配向膜層の厚みは1.9μmであった。なお、配向基板(G)の調製に用いたPPSフィルム単体の表面粗さ(Ra)は16nmであった。また、ラビング前の配向基板前駆体のPVA膜層の表面粗さ(Ra)は9.0nmであり、ラビング処理後の配向基板(G)のPVA配向膜層の表面粗さは9.5nmであった。
<光学フィルターの調製>
配向基板(A)の代わりに配向基板(G)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較用光学フィルター(ii)を調製した。
配向基板(A)の代わりに配向基板(G)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較用光学フィルター(ii)を調製した。
[比較用光学フィルター(ii)の特性の評価]
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
比較用光学フィルター(ii)のコレステリック液晶層の配向基板(G)に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は12.4nmであった。また、比較用光学フィルター(ii)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、表面の目視観察という点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈表面粗さ(Ra)の測定〉
比較用光学フィルター(ii)のコレステリック液晶層の配向基板(G)に接していた面における表面粗さ(Ra)を測定したところ、表面粗さ(Ra)は12.4nmであった。また、比較用光学フィルター(ii)のコレステリック液晶層の表面を目視観察したところ、外光が鏡面反射することが観察され、表面の目視観察という点においては実施例1で得られた光学フィルター(I)と差が無いことが確認された。
〈透過スペクトル及び円偏光性の測定〉
比較用光学フィルター(ii)の透過スペクトルを図16に示す。図16に示す結果からも明らかなように、比較用光学フィルター(ii)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、比較用光学フィルター(ii)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
比較用光学フィルター(ii)の透過スペクトルを図16に示す。図16に示す結果からも明らかなように、比較用光学フィルター(ii)は波長405nm付近の光を選択的に反射するものであることが確認された。また、比較用光学フィルター(ii)に対して、実施例1で採用した方法と同様の方法を採用して円偏光性を測定したところ、右円偏光を完全に反射することが確認された。
〈光の散乱度の測定〉
比較用光学フィルター(ii)における前記コレステリック液晶層の配向基板(G)に接していた面(表面粗さ(Ra)が12.4nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は11.8%であることが確認された。このような結果から、比較用光学フィルター(ii)においては、光の散乱が大きく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合には再生光のS/N比が低下してしまうことが分かった。
比較用光学フィルター(ii)における前記コレステリック液晶層の配向基板(G)に接していた面(表面粗さ(Ra)が12.4nmの面)の光の散乱度を測定したところ、光の散乱度は11.8%であることが確認された。このような結果から、比較用光学フィルター(ii)においては、光の散乱が大きく、光記録媒体用の光学フィルターとして使用した場合には再生光のS/N比が低下してしまうことが分かった。
以上説明したように、本発明によれば、光記録媒体の記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターであって、再生光のS/N比の低下を十分に抑制することができ、光記録媒体から再生光を十分に効率よく出力することを可能とする光学フィルター、並びにそれを利用した光記録媒体を提供することが可能となる。このように、本発明の光学フィルターは、再生光のS/N比の低下を十分に抑制できるものであるため、ホログラフィを利用して情報を記録している光記録媒体に用いる光学フィルター等として特に有用である。
11…下側基板、12…サーボピット、13…ギャップ層、14…光学フィルター、15…ギャップ層、16…記録層、17…上側基板、L1…再生光、L2…サーボ光、21…ECLD(外部共振器型半導体レーザー)、22…アナモルフィックプリズムペア及び光アイソレーター、23…空間フィルター、24…アイリス絞り、25…4分の1波長板、R1及びR2…フォトディテクター、31…対物レンズ、32…光学フィルター、33…スクリーン。
Claims (5)
- 記録層と、前記記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターとを備える光記録媒体に用いる前記光学フィルターであって、
コレステリック液晶層を備え且つ前記コレステリック液晶層における前記透過光の入射面の表面粗さ(Ra)が10nm以下であることを特徴とする光学フィルター。 - 前記表面粗さ(Ra)が8nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルター。
- 前記コレステリック液晶層が円偏光分離特性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルター。
- 記録層と、前記記録層を透過した透過光のうちのサーボ光を透過させ且つ記録再生光を反射させる光学フィルターとを備える光記録媒体であって、
前記光学フィルターが請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の光学フィルターであることを特徴とする光記録媒体。 - 前記記録層がホログラフィを利用して情報を記録していることを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体。
Priority Applications (1)
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