JP2005246610A - 記録媒体および記録媒体の製造方法 - Google Patents

記録媒体および記録媒体の製造方法 Download PDF

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辰彦 松下
Akio Suzuki
晶雄 鈴木
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孝憲 青木
Kazuhiro Mitsuzuka
和弘 三塚
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Abstract

【課題】 取扱いが容易であると共に、安定してデータを書き込み、読み込み可能となる記録媒体および記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】 短波長のレーザが照射されることで、データの書き込みまたは読み込みがなされる記録媒体であって、基板11と、基板11に高純度の鉄が成膜されてなり、アモルファスの鉄を主成分とする記録層12と、記録層12を保護する保護層13を備えた記録媒体10Aおよび記録媒体10Aの製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、短波長のレーザを使用し、データの書き込み又は読み込みがなされる記録媒体および記録媒体の製造方法に関する。
コンピュータの外部記録装置、マルチメディア記録媒体等において、データを高密度で記録する技術(以下、高密度データ記録技術という)は、情報化時代において不可欠な技術基盤となっている。高密度データ記録技術では、記録媒体の大容量化、高密度化が、重要なポイントとされている。この大容量化等を達成するには、短波長の半導体レーザの開発が期待されると共に、この短波長の半導体レーザに対応する記録媒体の開発が望まれている。
短波長の半導体レーザにおいては、最近になって、InGaN系等のレーザが開発され、このレーザに対応した記録媒体の開発が急がれている。なお、InGaN系等の半導体レーザは、ブルーレーザとも称される半導体レーザであり、その波長は約405nmである。
一方、記録媒体の開発においては、銀(Ag)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)およびテルル(Te)等を、所定割合で含む記録層を有する記録媒体が提案されている(特許文献1参照)。この記録層は、書き込み用のレーザの照射により、記録層を形成する化合物を、非結晶状態(アモルファス)と結晶状態との間で相変化させることによって、データの書き込み、読み込みを行う方法を採用している。
また、特許文献2には、TeFeCo(希土類、遷移金属合金膜)や、GeSbTe、AgInSbTe等を含む記録層を有する記録媒体が提案されている。
特開2001−14723号公報(段落番号0064〜0065、図1) 特開2000−67465号公報(段落番号0024)
しかしながら、記録層が複数種類の元素を含むと、記録層の表面が粗くなってしまい、短波長の半導体レーザを使用して、データの書き込み、読み込みを行ったとき、誤作動を生じやすいという問題があった。
また、非結晶状態と結晶状態の相変化を利用する記録層では、例えば記録媒体が長時間、直射日光に曝されて高温になると、結晶状態が元の結晶状態に戻ってしまい、データが消失したり、データの読み込み時に誤作動を起こしてしまう場合があった。
さらに、複数種類の元素からなる記録層を形成するには、複雑な工程が必要となり、記録媒体を製造するために時間がかかってしまうという問題があった。
さらにまた、特許文献1および特許文献2に記載のGe、Sb、Te等の元素は、希少である上、有害性を有しているため取扱いが困難であった。
そこで、本発明は、取扱いが容易であると共に、安定してデータを書き込み、読み込み可能となる記録媒体、および記録媒体の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、短波長のレーザが照射されることで、データの書き込みまたは読み込みがなされる記録媒体であって、基板と、当該基板に高純度の鉄が成膜されてなり、アモルファスの鉄を主成分とする記録層と、を備え、前記レーザが照射された前記記録層の部分がFe23に変化することで、データが書き込まれることを特徴とする記録媒体である。
ここで、短波長のレーザとは、前記したブルーレーザ(405nm)を含み、おおよそ波長が355〜630nmの範囲内の半導体レーザを意味する。
このような記録媒体によれば、高純度の鉄を成膜してなり、アモルファスの鉄を主成分とするを主成分とする記録層を備えたことで、レーザが照射された記録層の部分がFe23に変化することで、データが書き込まれる。つまり、レーザが照射された記録層は、局所的に化学変化する。したがって、記憶媒体の温度が上昇しても、書き込まれたデータは消失しにくくなり、データ読み取り時の誤作動も少なくなり、安定してデータの読み取りが可能となる。
また、稀少元素でなく有害でない鉄を使用するため、記録媒体の取扱いは容易となる上、その処分も容易となり環境にも優しくなる。さらに、記録層は、高純度の鉄を成膜してなるため、表面粗さが小さくなり、データの書き込み、読み込み時における誤作動が少なくなり安定する。
請求項2に係る発明は、前記高純度の鉄は、純度99.99%以上であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体である。
このような記録媒体によれば、記録層は、純度が99.99%以上の高純度の鉄を成膜してなるため、記録層の表面粗さはさらに小さくなり、安定してデータを書き込み、読み込むことができる。
請求項3に係る発明は、前記記録層の表面粗さRaは、2nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録媒体である。
このような記録媒体によれば、記録層の表面粗さRaが2nm以下であることにより、記録媒体に照射するレーザが、錯乱しにくくなり、安定してデータを書き込み、読み込むことができる。
請求項4に係る発明は、前記記録層を保護する保護層を、さらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の記録媒体である。
このような記録媒体によれば、保護層によって記録層は保護されるため、記録層に書き込まれたデータは消失しにくくなり、安定してデータを読み込むことができる。
請求項5に係る発明は、前記レーザを反射させる反射層を、さらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の記録媒体である。
このような記録媒体によれば、反射層によってレーザの反射量は増加し、安定してデータを読み込むができる。
請求項6に係る発明は、短波長のレーザが照射されることで、データの書き込みまたは読み込みがなされる記録媒体の製造方法であって、基板に高純度の鉄を成膜し、アモルファスの鉄を主成分とする記録層を形成する工程を有することを特徴とする記録媒体の製造方法である。
このような記録媒体の製造方法によれば、基板に高純度の鉄を成膜することで、アモルファスの鉄を主成分とする記録層を形成される。すなわち、取扱いが容易である高純度の鉄を使用するため、特別な装置など必要とせずに記録媒体を製造することができる。また、従来の技術のように複数種類の金属を使用しないため、複数の工程を行わず、短時間で記録媒体を製造することができる。
請求項7に係る発明は、前記高純度の鉄は、純度99.99%以上であることを特徴とする請求項6に記載の記録媒体の製造方法である。
このような記録媒体の製造方法によれば、記録層の表面粗さはさらに小さくなり、安定してデータを書き込み、読み込むができる。
本発明によれば、安定してデータを書き込み、読み込み可能となる記録媒体および記録媒体の製造方法を提供することができる。
次に、本発明の各実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するするものとする。
≪第1実施形態≫
第1実施形態に係る記録媒体について、図1および図2を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る記録媒体の構造を示す断面図である。図2(a)から図2(f)は、第1実施形態に係る記録媒体の製造方法において使用する高純度鉄の一製造工程を段階的に示す工程図である。
<記録媒体の構成>
図1に示すように、第1実施形態に係る記録媒体10Aは、基板11と、この基板11の片面に順に形成された記録層12と、保護層13とを備えて構成されている。
[基板]
基板11は、本発明においては特に限定されないが、一般にはポリカーボネイト(PC)によって形成される。
[記録層]
記録層12は、アモルファス(非結晶状態)の鉄を主成分として、基板11の上側片面に薄層状で形成されている。記録層12には、前記アモルファスの鉄以外に、Fe34などが含まれている。記録層12は、後記する製造方法によって、純度99.99%以上の高純度鉄が、スパッタリング法等によって、基板11に成膜することで形成される。そして、記録層12に後記書き込みレーザが照射されると、記録層12は局所的に主成分であるアモルファスの鉄からFe23に化学変化(組成変化)し、データを書き込み可能となっている。そして、このように化学的に組成変化することで、記録媒体10Aの温度が上昇してもデータが消失しにくく、誤作動を防止可能となっている。
また、記録層12の上側、つまり基板11と反対側の表面12a(以下、記録層表面という)の表面粗さRaは、2.00nm以下である。ここで、基板11はPCなどから形成され、その表面は平滑である。また、後記するように記録層12は基板11に、高純度鉄が成膜されることで形成される。したがって、記録層12と基板11との界面12bの凹凸程度は、記録層表面12aの表面粗さと略等しいとすることができる。よって、記録層表面12aの表面粗さが、2.00nm以下であることは、前記界面12bの凹凸の程度が2.00nm以下と推定することができる。ゆえに、短波長のレーザが基板11側から入射しても、散乱しにくくなり、データの書き込み時、読み込み時に誤作動を生じにくく、安定してデータの書き込み、読み取りが可能となっている。記録層12の厚さは、適宜変更してよいが、一般には20〜40nmである。なお、記録層表面12aの表面粗さRaは、例えば走査型表面粗さ顕微鏡(AFM: Atomic Force Microscope)等により、10μm×10μm当たりに対して測定される。
さらに、後記するように記録層12は、稀少元素でなく有害でない鉄を使用して形成されるため、記録媒体10Aの取扱いおよびその処分も容易となり、環境にも優しくなる。
[保護層]
保護層13は、記録層12を保護するための層であり、記録層12の上側に薄層状で形成されている。したがって、保護層13により、記録層12は物理的な衝撃等から保護されると共に、保護層13によって記録層12は外気中の酸素と直接的に接触しないため、記録層12の主成分であるアモルファスの鉄の酸化が防止されている。すなわち、保護層13によって、記録層12の組成変化が防止されている。このような保護層13は、例えばZnO−SiO2、ZnO、In23、Al23、Ga23などよって形成することができる。
また、保護層13を形成することで、後記実施例で説明するように、記録媒体10Aにデータを書き込むとき、記録媒体10Aに照射する書き込みレーザの出力(以下、書き込み出力)の好適とされるCNR(Carrier-to-Noise Ratio)範囲(一般に45dB以上が好ましいとされる)は広くなり、小さい書き込み出力であってもデータを書き込み可能となる。これにより、書き込みレーザを照射する書き込み装置(図示しない)の消費エネルギーも少なくなると共に、書き込み装置自体の小型化もでき、書き込みレーザの寿命も長くなる。
<記録媒体の作用効果>
続いて、第1実施形態に係る記録媒体10Aの作用効果について、記録媒体10Aにデータを書き込むデータ書き込み時と、データを読み込むデータ読み込み時に分けて説明する。
[データ書き込み時]
図1に示すように、記録媒体10Aの基板11側から書き込みレーザが照射されると、書き込みレーザが照射された部分において、記録層12が、主成分であるアモスファスの鉄から局所的にFe23に組成変化(化学変化)し、データが書き込まれる。また、このデータの書き込みにおいて、記録層表面12aの表面粗さRaは2.00nm以下であるため、書き込みレーザはいたずらに錯乱しにくくなり、安定して記録層12にデータが書き込まれる。なお、書き込みレーザは、後記読み込みレーザに対して高出力であり、例えば、5〜10mWである。
[データ読み込み時]
データが書き込まれた記録媒体10Aに、図1に示すように、基板11側からデータ読み込み用レーザ(以下、読み込みレーザという)が照射されると、記録層12においてアモルファスの鉄とFe23との組成の違いによる結晶構造の違いに基づいて、読み込みレーザが散乱する。この散乱に対応して、記録層12にて反射する反射光の出力が変化する。そして、この透過光を、ビームスプリッタ、レンズ等を介して集光し、適宜な検出器(図示しない)で検出することで、記録媒体10Aに書き込まれたデータを読み込むことができる。
<記録媒体の製造方法>
次に、第1実施形態に係る記録媒体10Aの製造方法について説明する。まず、記録媒体10Aの製造方法において使用する高純度鉄の製造方法の一例を説明した後、記録媒体10Aの製造方法について説明する。
[高純度鉄の製造方法]
高純度鉄の一製造方法について、図2を参照して説明する。高純度鉄の製造方法は、硫酸第1鉄(FeSO4)を主成分とする第1電解液を用い第1の高純度鉄を第1カソード上に析出させる第A工程と、第1の高純度鉄と第1カソードを分離させる分離工程と、塩化第1鉄(FeCl2)を主成分とする第2電解液を用い第2の高純度鉄を第2カソード上に析出させる第B工程を有している。
(第A工程)
図2(a)に示すように、電解槽30に硫酸第1鉄(FeSO4)を主成分とする第1電解液ES1(硫酸酸性浴、硫酸浴とも呼ばれる)を所定量満たし、この第1電解液ES1中に、第1アノード21と第1カソード22を所定間隔で、所定高さ位置に保持する。ここではわかりやすくするため、1対の第1アノード21と第1カソード22について説明する。
第1アノード21、第1カソード22は、天井に設けられた移動式クレーン等により吊り下げられ、鉛直方向、水平方向に移動自在となっている。そして、第1アノード21、第1カソード22は、外部電源(図示しない)と接続しており、第1アノード21、第1電解液ES1、第1カソード22を経由する電気的回路が構成されている。
また、第1アノード21は、純鉄、粗鋼等からなり鉄を主成分として形成されている。一方、第1カソード22は、耐液性および後記第1の高純度鉄23の剥離性を考慮し、ステンレス製であることが好ましい。
このような第1アノード21、第1カソード22の設置状態で、外部電源(図示しない)より通電させると、図2(b)に示すように、第1アノード21が部分的に溶出すると共に、第1カソード22の表面に第1の高純度鉄23が薄層状で析出する。
ここで、第1アノード21中にコバルト(Co)が含まれても、鉄(Fe)はコバルト(Co)より卑であるため、鉄(Fe)が優先的に第1カソード22表面に析出する。したがって、第1の高純度鉄23中のコバルト(Co)の含有量を少なくすることができる。また、電流密度を70〜150A/m2(0.7〜1.5A/dm2)とすることで、第1カソード22上へ銅(Cu)の析出を抑えることができる。
したがって、第A工程により、コバルト(Co)、銅(Cu)の含有量の少ない第1の高純度鉄23を製造することができる。
(分離工程)
次に、分離工程について説明する。
所定時間経過後、通電を停止し、図2(c)に示すように、第1アノード21と第1の高純度鉄23が析出した第1カソード22を、第1電解液ES1から引き上げる。そして、例えば、第1カソード22に衝撃等を与え、第1カソード22と第1の高純度鉄23とを分離させる。すなわち、第1の高純度鉄23を第1カソード22から剥離する。
(第B工程)
次に、第B工程について説明する。
図2(d)に示すように、前記した第1カソード22から分離した第1の高純度鉄23を第2アノード24として使用する。そして、第2アノード24と、第2カソード25とを、電解槽31に貯溜された塩化第1鉄(FeCl2)を主成分とする第2電解液ES2(塩酸酸性浴、塩酸浴とも呼ばれる)中に、所定間隔で所定高さ位置に設置する。第2カソード25は、第1カソード22と同様、ステンレス製である。
このような第2アノード24、第2カソード25の設置状態で、外部電源(図示しない)より通電させると、図2(e)に示すように、第2アノード24が部分的に溶出すると共に、第2カソード25の表面に第2の高純度鉄26が薄層状で析出する。
ここで、第1アノード21がニッケル(Ni)を含有しており、このニッケル(Ni)が第1の高純度鉄23に含まれてしまい、そのまま第2アノード24として使用されても、ニッケル(Ni)より卑である鉄(Fe)が優先的に第2カソード25上に析出する。したがって、第2の高純度鉄26中のニッケル(Ni)の含有量を少なくすることができる。また、適宜な加熱手段で、第2電解液ES2を75〜80℃に加熱することで、第2カソード25上へニッケル(Ni)の析出を、さらに抑制することができる。
また、第B工程では、第2電解液ES2中に硫黄(S)は含まれないため、第2電解液ES2が第2の高純度鉄26に巻き込まれても、第2の高純度鉄26中に硫黄(S)が含有されることはない。
さらに、塩化第1鉄(FeCl2)を主成分とする第2電解液ES2では、第2カソード25上に析出する第2の高純度鉄26の表面は平滑となり易いため、第2電解液の巻き込みが少なくなる。したがって、第2の高純度鉄26中の不純物の量が少なくなる。
所定時間経過後、通電を停止し、図2(f)に示すように、第2アノード24と第2の高純度鉄26が析出した第2カソード25を、第2電解液ES2から引き上げる。そして、第2カソード25と第2の高純度鉄26とを分離する。このようにして、不純物であるコバルト(Co)、銅(Cu)、硫黄(S)、ニッケル(Ni)の含有量が少ない第2の高純度鉄26、すなわち純度:99.99%以上の高純度鉄を製造することができる。
[記録媒体の製造方法]
次に、このような高純度鉄を使用する記録媒体10Aの製造方法について、図1を参照して説明する。
第1実施形態に係る記録媒体10Aの製造方法は、基板11に高純度鉄を成膜して記録層12を形成する第1工程と、記録層12の上面に保護層13を形成する第2A工程とを有している。
以下、各工程について説明する。
(第1工程)
PC等から形成された基板11に、スパッタリング法によって、純度99.99%以上の高純度鉄を蒸着させることで成膜し、アモルファスの鉄を主成分とする記録層12を形成する。これにより、記録層12にも不純物はほとんど含まれず、不純物が核となって結晶が成長し、記録層12の記録層表面12aに露出することもない。すなわち、記録層12の主成分であるアモルファスの鉄内に、微量の異元素が入り込むこともなく、歪みも生じにくくなる。その結果として、記録層表面12aが平滑となり、平均粗さRaが2.0nm以下となる。また、鉄の融点は1540℃と高く、Fe23は強固に結合するため、記録層表面12aは平滑となる。なお、記録層12の厚さは、スパッタリング法において使用するスパッタリングガスの流量と、スパッタリングを行う時間とによって、容易に調整可能である。
(第2A工程)
次いで、スパッタリング法によって、記録層12の上面にZnS−SiO2などを蒸着させて、保護層13を形成する。なお、保護層13の厚さは、前記した記録層12の厚さと同様、スパッタリングガスの流量と、時間とによって、容易に調整可能である。
このようにして、高純度鉄を使用することで、安定してデータを書き込み、読み込み可能となる記録媒体10Aを製造することができる。また、複雑で希少な合金を使用しないため、特別な装置および工程を必要とせず、低コストかつ短時間で記録媒体10Aを製造することができる。
≪第2実施形態≫
続いて、第2実施形態に係る記録媒体について、図3を参照して説明する。図3は、第2実施形態に係る記録媒体の構造を示す断面図である。
<記録媒体の構成>
図3に示すように、第2実施形態に係る記録媒体10Bは、第1実施形態に係る保護層13に代えて、レーザが反射しやすい反射層14を備えたことを特徴とする。この反射層14によって、レーザの反射量は増加するため、安定してデータを読み込むことができる。
[反射層]
反射層14は、記録層12の上面に薄層状で形成されている。反射層14は、例えば銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、白金(Pt)などから形成することができる。
<記録媒体の作用効果>
次に、記録媒体10Bの作用効果について説明する。
図3に示すように、記録媒体10Bへのデータの書き込み時においては、書き込みレーザが、記録媒体10Bの基板側から入射すると、第1実施形態と同様に、記録層12において局所的にFe23に化学変化することによって、データが書き込まれる。
一方、データが書き込まれた記録媒体10Bからのデータを読み込み時には、読み込みレーザを基板11側から照射すると、変化したFe23に対応して、レーザが変化した後、反射層14によって反射し、反射光として記録媒体10Bの基板11側から放出される。この反射光を適宜な検出器で検出することによって、記録媒体10Bに書き込まれたデータを読み込むことができる。
<記録媒体の製造方法>
記録媒体10Bの製造方法は、第1実施形態に係る記録媒体10Aの製造方法における保護層13を形成する第2A工程に代えて、反射層14を形成する第2B工程を有する。
(第2B工程)
記録層12が形成された基板11を対象として、スパッタリング法により、銀(Ag)をターゲットとして、記録層12の上面に所定厚さで蒸着し、保護層13を形成することで、記録媒体10Bを製造することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について一例を説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
前記した第1実施形態に係る記録媒体10Aは保護層13を備え、第2実施形態に係る記録媒体10Bは反射層14を備えるとしたが、本発明に係る記録媒体は、これらに限定されず、例えば、反射層14の外側に保護層13が形成された記録媒体であってもよい。
前記した第1実施形態では、スパッタリング法を使用して、基板11上に高純度鉄を蒸着させることで成膜し、記録層12を形成するとしたが、高純度鉄を成膜して記録層12を形成する方法は、これに限定されずその他に例えば、PLD(Pulsed Laser Deposition)法を使用し、記録層12を形成してもよい。
前記した第1実施形態に係る記録媒体10Aでは、例えば、基板11の片面に直接、記録層12が形成されたとしたが、基板11と記録層12との間に中間層や接着層が設けられていてもよく、このような場合であっても本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
(1−1)記録媒体の製造
まず、実施例1に係る記録媒体の製造方法について説明する。基板としてガラス製の基板(つまり、ガラス板)を使用し、このガラス製基板の片面にRFマグネトロンスパッタリング装置((株)トクダ社製、CFE−8EP)を使用して、表1に示す条件にて、ターゲットとなる高純度鉄を蒸着し、これを実施例1(蒸着直後)とした。すなわち、実施例1は、照射される書き込みレーザの熱により、記録媒体が受ける影響を擬似的に測定するため、一般に使用されるPC製の基板に代えてガラス基板を使用し、このガラス基板の片面に記録層を形成した記録媒体である。
Figure 2005246610
(1−2)記録媒体の評価
(1−2−1)アニーリング処理(熱処理)
電気炉を使用し、実施例1を540℃、10分間にて、アニーリング処理を行った。ここで、このアニーリング処理は、レーザによる記録媒体の記録層への書き込みを想定して行う処理である。なぜなら、PC製の基板に記録層が形成された一般の記録媒体にレーザが照射されたとき、このレーザによりデータが記録される部分は非常に小さなスポットであるため、スポットにおける透過率を測定することが極めて困難であり、レーザの照射により、透過率がどの程度変化するか測定できないからである。
(1−2−2)記録層の表面粗さ測定、XRD測定
実施例1(蒸着直後)と、実施例1(アニーリング処理後)について、それぞれ記録層の表面粗さを、AFMにて測定した。また、XRD測定により、記録層の結晶構造を測定した。
(1−2−3)透過率の測定
また、実施例1(蒸着直後)と、実施例1(アニーリング処理後)について、基板側からレーザを照射し、通過した透過光を所定の検出器で検出することによって(光透過方式)、アニーリング処理前後における透過率の測定を行った。なお、レーザの波長は300から700nmに変化させた。透過率の測定結果を図4に示し、図5にアニーリング処理前後における透過率の差を示す。
(実施例2、実施例3)
(2−1)記録媒体の製造
次に、実施例2に係る記録媒体の製造方法について説明する。実施例2に係る記録媒体の製造方法は、PC(ポリカーボネイト)製の基板を使用し、記録層の厚さを30nmとした以外は、実施例1に係る記録媒体の製造方法と同じである。
実施例3に係る記録媒体の製造方法は、記録層の厚さを40nmとした以外は、実施例2に係る記録媒体の製造方法と同じである。
(2−2)記録媒体の評価
続いて、実施例2および実施例3について、CNR測定器((株)シバソク社製、LM330A)を使用して、書き込みレーザの書き込み出力0〜8(mW)に変化させ、次の表2に示す条件にて、CNRを測定した。測定結果を図6に示す。なお、CNRは、一般に測定値が小さいほどノイズが高く、逆に測定値が大きいほどノイズが小さいとされ、記録媒体ではCNRが45dB以上であることが好ましいとされている。
Figure 2005246610
(実施例4〜実施例6)
(3−1)記録媒体の製造
次に、実施例4に係る記録媒体の製造方法は、実施例2に係る製造方法の後、記録層の表面に、スパッタリング法によりZnS−SiO2を蒸着させ、厚さ50nmの保護層を形成し、これを実施例4とした。
実施例5は、実施例4と比較して保護層を100nmとし、実施例6は保護層の厚さを150nmとした。
(3−2)記録媒体の評価
続いて、実施例4から実施例6について、実施例2および実施例3と同様に、CNR測定器を利用して、CNRを測定した。なお、書き込みレーザの書き込み出力は0〜10mWとした。
ここで、実施例1から実施例6について、主たる測定結果と合わせて、次の表3にまとめて示す。
Figure 2005246610
(4)記録媒体の評価結果
(4−1)実施例1の評価結果
(4−1−1)表面粗さ測定結果、XRD測定結果
AFMによって測定された実施例1(蒸着直後)の記録層表面の表面粗さRaは、0.97nmであり、実施例1(アニーリング処理後)の記録層表面の表面粗さRaは1.33nmであった。これは、アニーリング処理を行うことによって、記録層を形成する粒子径が大きくなったためと考えられる。そして、実際のメディア(PC製基板の記録媒体)においても、レーザが照射されたとき、粒子径が大きくなると予想されるが、これまでの知見により、レーザを照射したときに生成する粒子径(一般にピット径という)は、約0.26μmである。
また、XRD測定によって、実施例1(蒸着直後)はアモルファス鉄を主成分とし、実施例1(アニーリング処理後)はFe23を主成分とすることが確認された。
(4−1−2)透過率の測定結果
図4より、アニーリング処理を施すことによって、透過率が低下したことが分かる。また、図5より、レーザの波長を405nmとした場合の透過率差が19.6%となり、一般に好適レベルとされる15%を大きく超えることが分かった。
(4−2)実施例2および実施例3の評価結果
図6より、実施例2および実施例3のいずれにおいても、一般に良好とされるCNRが45dB以上となる範囲を有することが分かった。また、記録層の厚さによって、CNRのピークはずれており、厚さの薄い実施例2(30nm)の方が、実施例3(40nm)より低い書き込み出力で書き込み可能であることがわかる。なお、低い書き込み出力で書き込み可能であると、記録媒体にデータを書き込む書き込み装置を小型化したり、書き込み装置の省エネルギー化、高価なブルーレーザを長寿命化することができる。
(4−3)実施例4から実施例6の評価結果
図7より、記録媒体が保護層を備えることで、一般に好適レベルとされるCNRが45dB以上となる範囲がさらに拡がることが分かった。詳細には、保護層が厚くなるにつれて、CNRが45dB以上となる書き込み出力の範囲が、プラス側に拡がることが分かった。すなわち、書き込み出力の範囲がプラス側に拡がることで、大きい書き込み出力であっても、記録層が破壊せずに書き込み可能となる。
第1実施形態に係る記録媒体の構造を示す断面図である。 第1実施形態で使用する高純度鉄の製造工程を示す工程図であり、(a)は第A工程における第1アノードと第1カソードの設置状況を示す図であり、(b)は第1の電解鉄の析出状況を示す図であり、(c)は第1カソードと第1の電解鉄との分離状況を示す図であり、(d)は第B工程における第2アノードと第2カソードの設置状況を示す図であり、(e)は第2の電解鉄の析出状況を示す図であり、(f)は第2カソードと第2の電解鉄との分離状況を示す図である。 第2実施形態に係る記録媒体の構造を示す断面図である。 実施例1に係る記録媒体のアニーリング処理前後の透過率を示すグラフである。 実施例1に係る記録媒体のアニーリング処理前後の透過率の差を示すグラフである。 実施例2から実施例3に係る記録媒体のCNR測定結果を示すグラフである。 実施例4から実施例6に係る記録媒体のCNR測定結果を示すグラフである。
符号の説明
10A、10B 記録媒体
11 基板
12 記録層
13 保護層
14 反射層

Claims (7)

  1. 短波長のレーザが照射されることで、データの書き込みまたは読み込みがなされる記録媒体であって、
    基板と、
    当該基板に高純度の鉄が成膜されてなり、アモルファスの鉄を主成分とする記録層と、
    を備え、
    前記レーザが照射された前記記録層の部分がFe23に変化することで、データが書き込まれることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記高純度の鉄は、純度99.99%以上であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記記録層の表面粗さRaは、2nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録媒体。
  4. 前記記録層を保護する保護層を、さらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の記録媒体。
  5. 前記レーザを反射させる反射層を、さらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の記録媒体。
  6. 短波長のレーザが照射されることで、データの書き込みまたは読み込みがなされる記録媒体の製造方法であって、
    基板に高純度の鉄を成膜し、アモルファスの鉄を主成分とする記録層を形成する工程を有することを特徴とする記録媒体の製造方法。
  7. 前記高純度の鉄は、純度99.99%以上であることを特徴とする請求項6に記載の記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010262688A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Jx Nippon Oil & Energy Corp 光学フィルター及びそれを用いた光記録媒体

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