JP2007132988A - 光記録媒体及びその製造方法、並びに光記録媒体の記録方法及びその再生方法 - Google Patents

光記録媒体及びその製造方法、並びに光記録媒体の記録方法及びその再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】選択反射層を透過し、サーボピット上に設けられた反射膜又は基板界面で乱反射する光を除去して、信号対雑音比(S/N比)を高めることができ、高密度記録を実現することができる光記録媒体、及び製造コスト、簡便性、生産スピードに優れた光記録媒体の製造方法、並びに光記録媒体の記録方法及び光記録媒体の再生方法の提供。
【解決手段】着色基板と、該着色基板の一方の面にサーボピットと、該サーボピット上に反射膜とを有し、かつ前記着色基板のサーボピットを有さない側の面に選択反射層と、を有する反射膜及び選択反射層付き着色基板を少なくとも有してなり、前記反射膜及び選択反射層付き着色基板が、情報光及び参照光の波長の光を吸収し、かつサーボ光の波長の光を透過する光記録媒体である。
【選択図】図5

Description

本発明は、ホログラフィを利用して情報が記録される光記録媒体及び該光記録媒体の製造方法、並びに該光記録媒体の記録方法及び光記録媒体の再生方法に関する。
高密度画像データ等の大容量の情報を書き込み可能な記録媒体の一つとして光記録媒体が挙げられる。この光記録媒体としては、例えば、光磁気ディスク、相変化型光ディスク等の書換型光記録媒体やCD−R等の追記型光記録媒体については既に実用化されているが、光記録媒体の更なる大容量化に対する要求は高まる一方である。しかし、従来より提案されている光記録媒体は全て二次元記録であり、記録容量の増大化には限界があった。そこで、近時、三次元的に情報を記録可能なホログラム型光記録媒体が注目されている。
前記ホログラム型光記録媒体は、一般に、二次元的な強度分布が与えられた情報光と、該情報光と強度がほぼ一定な参照光とを感光性の記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉パターンを利用して記録層内部に屈折率などの光学特性の分布を生じさせることにより、情報を記録する。一方、書き込んだ情報を読み出す(再生する)際には、記録時と同様の配置で参照光のみを記録層に照射し、該記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する回折光として該記録層から出射させる。
このホログラム型光記録媒体では、記録層内に光学特性分布が三次元的に形成されるので、一の情報光により情報が書き込まれた領域と、他の情報光により情報が書き込まれた領域とを部分的に重ね合わせること、即ち多重記録が可能である。コンピュータにより合成されるデジタルボリュームホログラフィを利用した場合には、1スポットの信号対雑音比(S/N比)は極めて高くなるので、重ね書きによりS/N比が多少低くなっても元の情報を忠実に再現できる。その結果、多重記録回数が数百回までに及び、光記録媒体の記録容量を著しく増大させることができる(特許文献1参照)。
このようなホログラム型の光記録媒体としては、例えば、図1に示すように、第二の基板1表面にサーボピットパターン3を設け、このサーボピットパターン表面にアルミニウム等からなる反射膜2と、この反射膜上に記録層4と、この記録層上に第一の基板5とを有する光記録媒体20が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、図1に示す構成の光記録媒体20では、サーボゾーンと記録ゾーンとが面内で分かれており、その分、記録密度が半減してしまうという問題がある。
このため、図2に示す光記録媒体21では、情報光及び参照光として円偏光を用い、記録層4と反射膜2との間に、第二の基板1の平滑化のためのギャップ層8、選択反射層6としてのコレステリック液晶層又はダイクロイックミラー層、4分の1波長板層7を設け、記録層とサーボ層を厚み方向に重ねている(特許文献3参照)。この手法により記録密度は倍増する。また、前記選択反射層として情報光の円偏光と同じ旋回方向を螺旋構造に持つ単層のコレステリック液晶層を用いると、生産性に優れ、光記録媒体を安価に大量生産することができ、垂直入射0°におけるフィルタ効果は良好となる。
しかし、この提案では、入射角が変化し、入射光が10°以上傾くと、選択反射波長にずれが生じ、情報光及び参照光が選択反射層を通過して反射膜まで到達して反射され、ノイズが生じる原因となることがある。この現象は、レンズで絞った±10°以上の通常の光記録媒体におけるレンズ光学系の入射光には適用できないという問題がある。
前記入射角が、10°以内の場合には、本来は図3に示すように、情報光及び参照光35は、選択反射層6で、その全てが選択反射され、戻り光となるが、図4に示すように、情報光及び参照光35は、選択反射層6で、その全てが反射せず、点線で示すように、僅かに選択反射層から漏れて、反射膜2まで到達し、該反射膜で反射し、反射光35aとなって再生光に混入し、ノイズの原因となることがある。
したがって、選択反射層から情報光及び参照光の光漏れが生じても、ノイズの発生を防止することが可能なホログラム型の光記録媒体を効率よく低コストに大量生産することは未だ実現されておらず、その速やかな提供が望まれているのが現状である。
特開2002−123949号公報 特開平11−311936号公報 特開2004−265472号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、選択反射層を透過し、サーボピット上に設けられた反射膜又は基板界面で乱反射する光を除去して、信号対雑音比(S/N比)を高めることができ、高多重記録を行った際においてもエラーの少ない信号を再生することができる光記録媒体、及び製造コスト、簡便性、生産スピードに優れた光記録媒体の製造方法、並びに該光記録媒体の記録方法及び光記録媒体の再生方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 着色基板と、該着色基板の一方の面にサーボピットと、該サーボピット上に反射膜とを有し、かつ前記着色基板のサーボピットを有さない側の面に選択反射層と、を有する反射膜及び選択反射層付き着色基板を少なくとも有してなり、
前記反射膜及び選択反射層付き着色基板が、情報光及び参照光の波長の光を吸収し、かつサーボ光の波長の光を透過することを特徴とする光記録媒体である。
<2> 選択反射層上にホログラフィを利用して情報を記録する記録層を有する前記<1>に記載の光記録媒体である。
<3> 反射膜及び選択反射層付き着色基板が、波長350〜700nmの情報光及び参照光を吸収し、波長600〜1200nmのサーボ光を透過する前記<1>から<2>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<4> 反射膜及び選択反射層付き着色基板が、情報光及び参照光の波長の光に対する光透過率が、0.01〜30%であり、かつサーボ光の波長の光に対する光透過率が、30〜100%である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<5> 着色基板が、少なくともプラスチック及び着色剤を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<6> プラスチックが、ポリカーボネート樹脂である前記<5>に記載の光記録媒体である。
<7> 着色剤が、赤色顔料及び赤色染料から選択される少なくとも1種である前記<5>から<6>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<8> 着色基板の厚みが、0.2〜2mmである前記<1>から<7>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<9> 選択反射層が、ダイクロイックミラー層、誘電体蒸着層、及びコレステリック液晶層の少なくともいずれかである前記<1>から<8>のいずれかに記載の光記録媒体である。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の光記録媒体を製造する方法であって、
着色基板の一方の面にサーボピットを形成し、該サーボピット上に反射膜を形成する工程と、前記着色基板のサーボピットを有さない側の面に選択反射層を形成する工程と、を少なくとも含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
<11> 選択反射層上にホログラフィを利用して情報を記録する記録層を形成する工程を含む前記<10>に記載の光記録媒体の製造方法である。
<12> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の光記録媒体に対し、情報光及び参照光の照射を、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸となるようにして行い、前記情報光と前記参照光との干渉により生成される干渉パターンによって情報を記録層に記録することを特徴とする光記録媒体の記録方法である。
<13> 前記<12>に記載の光記録媒体の記録方法により記録層に記録された干渉パターンに参照光を照射して記録情報を再生することを特徴とする光記録媒体の再生方法である。
<14> 参照光が、光記録媒体の記録に用いられた参照光と同じ角度で、干渉パターンに照射して記録情報を再生する前記<13>に記載の光記録媒体の再生方法である。
本発明の光記録媒体は、着色基板と、該着色基板の一方の面にサーボピットと、該サーボピット上に反射膜とを有し、かつ前記着色基板のサーボピットを有さない側の面に選択反射層と、を有する反射膜及び選択反射層付き着色基板を少なくとも有してなり、
前記反射膜及び選択反射層付き着色基板が、情報光及び参照光の波長の光を吸収し、かつサーボ光の波長の光を透過する。
本発明の光記録媒体によれば、前記反射膜及び選択反射層付き着色基板を有しているので、選択反射層をわずかに透過し、サーボピット上に設けられた反射膜又は着色基板界面で乱反射する光を除去し、信号対雑音比(S/N比)を高めることができ、高多重記録を行った際においてもエラーの少ない信号を再生することができる。
本発明の光記録媒体の製造方法は、本発明の前記光記録媒体を製造する方法であって、
着色基板の一方の面にサーボピットを形成し、該サーボピット上に反射膜を形成する工程と、前記着色基板のサーボピットを有しない側の面に選択反射層を形成する工程と、を少なくとも含む。
本発明の光記録媒体の製造方法においては、信号対雑音比(S/N比)を高めることができ、高多重記録を行った際においてもエラーの少ない信号を再生することができる光記録媒体を、効率よく、安価に製造することができる。
本発明の光記録媒体の記録方法は、本発明の前記光記録媒体に対し、情報光及び参照光の照射を、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸となるようにして行い、前記情報光と前記参照光との干渉により生成される干渉パターンによって情報を記録層に記録する。
本発明の光記録媒体の記録方法においては、本発明の前記光記録媒体を用いて、該情報光と参照光との干渉による干渉パターンによって情報を記録層に記録することにより、高多重記録を行った際においてもエラーの少ない信号を再生することができ、高密度記録を実現することができる。
本発明の光記録媒体の再生方法は、本発明の前記光記録媒体の記録方法により記録層に記録された干渉パターンに参照光を照射して情報を再生する。
本発明の光記録媒体の再生方法においては、本発明の前記記録方法により記録層に記録された干渉パターンを効率よく、正確に読み取って高密度記録情報を再生することができる。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、選択反射層から情報光及び参照光の光漏れが生じても、ノイズの発生を防止でき、信号対雑音比(S/N比)を高めることができ、高多重記録を行った際においてもエラーの少ない信号を再生することができるホログラム型の光記録媒体及び該光記録媒体を効率よく、低コストで製造できる光記録媒体の製造方法、並びに該光記録媒体の記録方法及び光記録媒体の再生方法を提供することができる。
(光記録媒体)
本発明の光記録媒体は、反射膜及び選択反射層付き着色基板を少なくとも有してなり、記録層、上側基板、下側基板、更に必要に応じて、その他の層を有してなる。
前記光記録媒体においては、前記着色基板のサーボピットが設けられていない側の面(選択反射層の側の面)から光が入射して、情報の記録及び再生が行われる。
本発明の光記録媒体は、ホログラムの原理を利用して記録再生可能なものであれば特に制限はなく、二次元などの情報を記録する比較的薄型の平面ホログラムや立体像など多量の情報を記録する体積ホログラムであってもよく、透過型及び反射型のいずれであってもよい。また、ホログラムの記録方式もいずれであってもよく、例えば、振幅ホログラム、位相ホログラム、ブレーズドホログラム、複素振幅ホログラムなどでもよい。
<反射膜及び選択反射層付き着色基板>
前記反射膜及び選択反射層付き着色基板は、情報光及び参照光の波長の光を吸収し、かつサーボ光の波長の光を透過する。前記選択反射層から漏れた光の再生光への混入を防止し、信号対雑音比(S/N比)を高める機能を有する。
前記反射膜及び選択反射層付き着色基板は、波長350〜700nm(好ましくは380〜600nm)の情報光及び参照光を吸収し、波長600〜1200nm(好ましくは700〜1000nm)のサーボ光を透過することが好ましい。
前記情報光及び参照光が350nm未満であると、ポリカーボネート樹脂などの基板材料自身に吸収があるため、使用できなくなることがある。なお、上限については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、サーボ光の波長よりも短波長であることが好ましい。
前記サーボ光が、600nm未満であると、記録層に劣化が生じることがあり、上限については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、情報光及び参照光よりも長波長であることが好ましい。
前記反射膜及び選択反射層付き着色基板は、情報光及び参照光の波長の光に対する光透過率が、0.01〜30%(好ましくは0.1〜10%)であり、かつサーボ光の波長の光に対する光透過率が、30〜100%(好ましくは50〜99%)であることが好ましい。
この範囲において、目的とするS/N比でトラッキングサーボ及び情報の記録、読み出しが可能である。
前記情報光及び参照光の波長の光に対する光透過率が30%を超えると、目的とするS/N比の低減効果が得られないことがある。
前記サーボ光の波長の光に対する光透過率が30%未満であると、透過すべき波長により読み出される信号(トラッキングサー後や情報の読み出し)の強度が弱くなり、読み出しが困難になることがある。
〔着色基板〕
前記着色基板は、少なくともプラスチックと、着色剤とを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−プラスチック−
前記プラスチックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、スパッタリング処理の条件(例えば、200℃以下又はそれ以上の温度)に耐えられるものであることが好ましく、プラスチックが成膜工程での変形を防ぐのに十分な熱安定性を有するものがより好ましい。
前記プラスチックとしては、ガラス転移温度(Tg)が150℃以上のものが好ましく、200℃以上のものがより好ましく、例えば、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、耐熱性ポリカーボネートなどが挙げられる。これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が250℃以上のものが特に好ましく、例えば、m−フェニレンジアミンをスルホンジアニリン又はオキシジアニリンで置換したポリエーテルイミド、ポリイミドなどが挙げられる。市販品としては、例えば、Probimide(又は、ドライ粉末相当物、Matrimid 5218、Ciba Geigy Chemical社)などが挙げられる。
前記プラスチックとしては、スタンピング条件下で所望の表面凹凸を形成できる十分な流動性を有していれば、熱硬化性樹脂を用いることも可能である。なお、用途によって様々なガラス転移温度のポリマーが必要とされるので、所望のガラス転移温度をもつフィルムが得られるようにプラスチック(ホモポリマー、コポリマー又はブレンド)のガラス転移温度を調節できれば有利である。この目的のため、米国特許第5534602号明細書(Lupinski及びCole、1996)に記載されているようなポリマーブレンドを、コーティング溶液の調製に使用し得る。この例では、ポリマーブレンドによって190〜320℃の種々異なるガラス転移温度を選択的に与えることができる。
前記プラスチックとしては、特に制限はなく、非晶質、結晶性及び半結晶性のいずれかの熱可塑性樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレンを始めとする線状及び環状ポリオレフィンなど)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシルメチレンテレフタレートなど)、ポリアミド、ポリスルホン(例えば、水素化ポリスルホンなど)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ABS樹脂、ポリスチレン(例えば、水素化ポリスチレン、シンジオタクチック及びアタクチックポリスチレン、ポリシクロヘキシルエチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)、ポリブタジエン、ポリアクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−ポリイミド共重合体など)、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル(例えば、2,6−ジメチルフェノール由来のもの及び2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体など)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、液晶重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、芳香族ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、テフロン(登録商標)、並びに熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、無機充填剤入りシリコーン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、ビニル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリカーボネートが特に好ましい。
前記ポリカーボネートとしては、下記構造式(I)で表される構造単位を有する組成物が包含される。
ただし、前記構造式(I)中、Rは総数の約60%以上は芳香族有機基であり、残りは脂肪族基、脂環式基、又は芳香族基である。
の芳香族有機基としては、下記構造式(II)で表される基が好ましい。
−A−Y−A− ・・・構造式(II)
ただし、前記構造式(II)中、A及びAは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、2価のアリール基を表す。
は、AとAとを連結する連結基であり、例えば、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)−、メチレン、シクロヘキシル−メチレン、2−[2,2,1]−ビシクロへプチリデン、エチリデン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、アダマンチリデンなどが挙げられる。これらの中でも、メチレン、シクロヘキシリデン、イソプロピリデンが特に好ましい。
前記ポリカーボネートは、AとAとが1原子のみで隔てられているジヒドロキシ化合物の界面反応により合成することができる。
前記ジヒドロキシ化合物としては、例えば、下記構造式(III)で表されるビスフェノール化合物が好適である。
ただし、前記構造式(III)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、ハロゲン原子、又は一価炭化水素基を表す。p及びqは、それぞれ0〜4の整数を表す。Xaは、下記構造式(IV)で表される基を表す。
ただし、前記構造式(IV)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、一価の鎖状炭化水素基、又は環状炭化水素基を表す。Rは、二価炭化水素基を表す。
前記ジヒドロキシ化合物としては、二価フェノール類、米国特許第4217438号明細書に記載の化合物、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素が挙げられる。
前記構造式(III)で表されるビスフェノール化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」又は「BPA」と称することもある)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ホモポリマーよりもカーボネート共重合体を用いることが好ましい場合には、2種以上の異なる二価フェノールの重合で得られるポリカーボネート、或いは二価フェノールとグリコール、ヒドロキシ、酸末端ポリエステル、二塩基酸、ヒドロキシ酸、脂肪族二酸との共重合体を使用することもできる。一般に、脂肪族二酸としては炭素数2〜40のものが好ましい。該脂肪族二酸としてはドデカン二酸が好ましい。ポリアリーレート及びポリエステル−カーボネート樹脂、又はそのブレンドも使用できる。分岐ポリカーボネートも有用であり、線状ポリカーボネートと分岐ポリカーボネートのブレンドも有用である。分岐ポリカーボネートは重合時に分岐剤を添加することにより製造することができる。
前記分岐剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3個以上の官能基を有する多官能性有機化合物が挙げられる。該官能基としては、例えば、ヒドロキシル、カルボキシル、無水カルボキシル、ハロホルミル、又はこれらの組合せが挙げられる。具体例には、トリメリト酸、無水トリメリト酸、トリメリト酸トリクロライド、トリス−p−ヒドロキシフェニルエタン、イサチン−ビスフェノール、トリスフェノールTC(1,3,5−トリス((p−ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン)、トリス−フェノールPA(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)、4−クロロホルミル無水フタル酸、トリメシン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などが挙げられる。
前記分岐剤の添加量は、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.05〜2.0質量%がより好ましい。前記添加量が3.0質量%を超えると、必要以上の分岐が発生して製品が機械的な特性を失うことがあり、0.01質量%未満であると、目的とする添加効果を得ることができないことがある。
前記分岐剤及び分岐ポリカーボネートの製造方法は、米国特許第3635895号明細書及び米国特許第4001184号明細書に記載されているものが利用可能であり、ポリカーボネート末端基はどのようなタイプのものであっても構わない。
前記ポリカーボネートとしては、A及びAがp−フェニレンであり、YがイソプロピリデンであるビスフェノールAが好ましい。
このようなポリカーボネートの重量平均分子量は5,000〜100,000が好ましく、10,000〜65,000がより好ましく、15,000〜35,000が更に好ましい。
前記ポリカーボネート合成をモニター及び評価する場合、ポリカーボネートに存在するフリース生成物の濃度を測定するのが特に重要である。周知の通り、フリース生成物の生成量が顕著になるとポリマーの分岐を招いて、溶融挙動の制御ができなくなるおそれがある。
ここで、前記「フリース」及び「フリース生成物」とは、ポリカーボネート中の下記構造式(V)で表される繰返し単位を意味する。
ただし、前記構造式(V)中、Xは、上記構造式(III)に関して記載した通りの二価基である。
前記ポリカーボネート組成物には、この種の樹脂組成物に通常用いられる種々の添加剤を含有することができる。前記添加剤としては、例えば、充填剤、補強材、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、その他の樹脂、発泡剤などが挙げられる。これらの添加剤の任意のものの組合せも使用できる。該添加剤は、組成物を製造するための諸成分の混合時の適当な段階で混合すればよい。
前記充填剤又は補強材としては、例えば、ガラス繊維、石綿、炭素繊維、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸化物、ジルコニア酸化物、アルミニウム酸化物、シリカ等の金属酸化物の微粒子などが挙げられる。
前記熱安定剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス(混成モノ−及びジ−ノニルフェニル)ホスファイト、ジメチルベンゼンホスホネート、トリメチルホスフェートなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒロキシフェニル)プロピオネート及びペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。
前記光安定剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記可塑剤としては、例えば、ジオクチル−4,5−エポキシ−ヘキサヒドロフタレート、トリス(オクトキシカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリステアリン、エポキシ化大豆油などが挙げられる。
前記帯電防止剤としては、例えば、グリセロールモノステアレート、ステアリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記離型剤としては、例えば、ステアリン酸ステアリル、蜜蝋、モンタンワックス、パラフィンワックスなどが挙げられる。
前記その他の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンオキシドなどが挙げられる。
−着色剤−
前記着色剤としては、情報光の波長の光を吸収し、かつ参照光の波長の光を透過する性質を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、染料、顔料が挙げられる。これらの中でも、堅牢性の観点からは顔料が好ましく、透過率を制御すべき波長を自由に選択できるという点から、有機顔料が特に好ましい。更に、材料の透明性を損じないために、顔料はナノメートルサイズに微分散されていることが最も好ましい。なお、堅牢性に優れているのであれば、染料を用いることもできる。この場合、基板材料、又は添加剤等に溶解させて用いることが好ましい。
前記着色剤の種類と量は、所望の厚みの基板(ディスク)を通過する際の透過すべき波長での透過率が30〜100%の範囲に、透過すべきでない波長での透過率が0.01〜30%の範囲になるように制御しつつ、所望の色が得られると同時に、データ読出エラーの原因となる夾雑物(即ち、副生物)を含む基板を生じることがないように選択する必要がある。このため、添加量は用いる着色剤によってその量を適宜調節する必要がある。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、アントラピリミジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ピランスロン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、イソインドリン系、キノフタロン系、シアニン系、メロシアニン系、ポルフィリン系、スクアリウム系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アクリジウム系、チオキサントン系、アントラセン系、フェナンスレン系、ピレン系、アクリジン系、カルバゾール系、フェノチアジン系などが挙げられる。これらの中でも、405nm、532nmの光を吸収し、655nm若しくは780nmの光を透過させる赤色染料、赤色顔料が好ましい。
前記赤色染料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.アシッドレッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289等の酸性染料;C.I.ベーシックレッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112等の塩基性染料;C.I.リアクティブレッド1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97等の反応性染料;C.I.ソルベントレッド111、135、179、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記赤色顔料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド217、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド227、C.I.ピグメントレッド228、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド48:1、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメントレッド146)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメントレッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメントレッド81)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、532nmの光に対する透過率が10%以下であり、かつ655nmの光に対する透過率が90%以上である透過スペクトルを示す赤色顔料又は赤色染料が特に好ましい。
前記着色基板には、前記プラスチック及び前記着色剤以外にも、任意成分として、この種の樹脂組成物に慣用される各種添加剤を含んでいてもよい。前記各種添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤(トラアルキルアンモニウムベンゼンスルホン酸塩、テトラアルキルホスホニウムベンゼンスルホン酸塩など)、離型剤(ペンタエリスリトールテトラステアレート、グリセロールモノステアレートなど)、並びにこれらの1種以上を含む組合せがある。例えば、前記着色基板の全質量を基準にして、0.01〜0.1質量%の熱安定剤、0.01〜0.2質量%の帯電防止剤、0.1〜1質量%の離型剤を含有することができる。
前記酸化防止剤としては、例えば、オルガノホスファイト類(例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなど);アルキル化モノフェノール類;ポリフェノール類及びポリフェノール類のジエン類とのアルキル化反応生成物(例えば、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートオクタデシル、2,4−ジ−tert−ブチルフェニルホスファイトなど);パラクレゾールとジシクロペンタジエンとのブチル化反応生成物;アルキル化ヒドロキノン;ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル;アルキリデン−ビスフェノール;ベンジル化合物;β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル;β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル;チオアルキル又はチオアリール化合物のエステル(例えば、ジステアリルチオプロピオネート、ジラウリルチオプロピオネート、ジトリデシルチオプロピオネートなど);β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の添加剤としては、例えば、UV吸収剤;安定剤(例えば、光安定剤及び熱安定剤(例えば、酸性リン含有化合物等);ヒンダードフェノール類;酸化亜鉛,硫化亜鉛粒子;潤滑剤(例えば、鉱油等);可塑剤;染料(例えば、キノン、アゾベンゼン等)、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記プラスチック、特に、ポリカーボネートの加工を容易にするため、押出機又は他の混合装置で触媒を使用しても構わない。前記触媒は多くの場合、得られる材料の粘度の調節を目的とする。前記触媒としては、例えば、水酸化テトラアルキルアンモニウム、水酸化テトラアルキルホスホニウムなどが挙げられ、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム及び水酸化テトラブチルホスホニウムが特に好ましい。触媒は単独で使用してもよいし、リン酸などの酸のような奪活剤と組合せて使用してもよい。更に、残留揮発化合物を除去するため、コンパウンディング時にポリマーメルトに水を注入してベントから水蒸気として除去してもよい。
〔着色基板の製造方法〕
前記着色基板の製造に際しては、まず、各種原料を混合できる慣用の反応容器、例えば、単軸又は二軸押出機、ニーダー、ブレンダなどを用いてプラスチックを形成する。原料を着色剤(例えば、ペレット、粉末形態、液体形態)と予め混合し、ホッパを通して押出機に同時に供給するか、或いは着色剤を射出成形機、その他の成形機の供給口又は別の注入口から添加すればよい。
前記押出機は、プラスチック原料の分解を起こさずに溶融させるのに十分な高温に維持することが好ましい。例えば、ポリカーボネートでは、220〜360℃の温度が好ましく、260〜320℃がより好ましい。同様に、押出機中での滞留時間は色素やプラスチック材料、添加剤などの分解を最小限に抑えるように制御する必要がある。2分間以下又はそれ以上の滞留時間を採用でき、1.5分間以下が好ましく、1分間以下が特に好ましい。所望の形状(典型的にはペレット、シート、ウェブなど)に押し出す前に、混合物を適宜溶融濾過及び/又はスクリーンパックを用いて濾過して、望ましくない混入物や分解生成物、微粒子状混合物や色素の析出物、凝集物を除去してもよい。
プラスチック組成物を調製後、これを公知の種々の成形及び/又は加工方法でデータ記憶媒体に形成すればよい。使用可能な成形方法には、射出成形、フィルム流延、押出、プレス成形、ブロー成形、スタンピングなどがある。特にディスク形状もしくはカード形状の、サーボピットを有する基板を作製する場合においては、量産性の観点から射出成形が特に好ましい。
前記着色基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ディスク形状、カード形状などが挙げられる。前記着色基板の厚みは、0.2〜2mmが好ましく、0.3〜1.5mmがより好ましく、0.5〜1.2mmが更に好ましい。前記厚みが、2mmを超えると、透過すべき光の透過率が望ましい値に達しないおそれがあり、0.2mm未満であると、射出成形法等、量産に適した方法でもって安定に作製することができないことがある。
前記着色基板には、半径方向に線状に延びる複数の位置決め領域としてのアドレス−サーボエリアが所定の角度間隔で設けられ、隣り合うアドレス−サーボエリア間の扇形の区間がデータエリアになっている。アドレス−サーボエリアには、サンプルドサーボ方式によってフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを行うための情報とアドレス情報とが、予めエンボスピット(サーボピット)等によって記録されている(プリフォーマット)。なお、フォーカスサーボは、反射層の反射面を用いて行うことができる。トラッキングサーボを行うための情報としては、例えば、ウォブルピットを用いることができる。
〔反射膜〕
前記反射膜は、前記着色基板のサーボピットパターン表面に形成される。
前記反射膜の材料としては、記録光や参照光に対して高い反射率を有する材料を用いることが好ましい。使用する光の波長が400〜780nmである場合には、例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、などを使用することが好ましい。使用する光の波長が650nm以上である場合には、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、Cu合金、TiN、などを使用することが好ましい。
なお、前記反射膜として、光を反射すると共に、追記及び消去のいずれかが可能な光記録媒体、例えば、DVD(ディジタル ビデオ ディスク)などを用い、ホログラムをどのエリアまで記録したかとか、いつ書き換えたかとか、どの部分にエラーが存在し交替処理をどのように行ったかなどのディレクトリ情報などをホログラムに影響を与えずに追記及び書き換えすることも可能となる。
前記反射膜の形成は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等の点で優れている。
前記反射膜の厚みは、十分な反射率を実現し得るように、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
〔選択反射層〕
前記選択反射層は、着色基板のサーボピットを有しない側の面に設けられる。
前記選択反射層は、複数種の光線の中から特定の波長の光のみを反射する、波長選択反射機能を有する。特に、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、情報光及び参照光による光記録媒体の反射膜からの乱反射を防止し、ノイズの発生を防止する機能もあり、前記光記録媒体に前記選択反射層を積層することにより、高解像度、回折効率の優れた光記録が得られる。
前記選択反射層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ダイクロイックミラー層、誘電体蒸着層、単層又は2層以上のコレステリック層及び必要に応じて適宜選択したその他の層の少なくともいずれかを積層した積層体により形成される。
前記選択反射層は、直接記録層など共に、前記支持体上に塗布などにより積層してもよく、フィルムなどの基材上に積層して選択反射層を作製し、これを支持体上に積層してもよい。
−ダイクロイックミラー層−
前記ダイクロイックミラー層は、波長選択反射層とするためには、複数層積層することが好ましい。前記積層数は、1〜50層が好ましく、2〜40層がより好ましく、2〜30層が特に好ましい。前記積層数が、50層を超えると、多層蒸着により生産効率性が低下し、分光透過率特性の変化が小さくなり層数を増加するだけの効果は小さくなる。
前記ダイクロイックミラー層における材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、Ag、Au、Pt、Al、Cu、又はこれらの合金などが挙げられる。
前記ダイクロイックミラー層の積層方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、イオンアシスト法、レーザーアブレーション法等の物理的気相成長(PVD)法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の化学的気相成長(CVD)法、などが挙げられる。これらの中でも、物理的気相成長(PVD)法が好ましく、スパッタリング法が特に好ましい。
前記スパッタリングとしては、成膜レートの高いDCスパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。
また、前記スパッタリングにより多層成膜する方法としては、例えば、(1)1つのチャンバで複数のターゲットから交互又は順番に成膜する1チャンバ法、(2)複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法とがある。これらの中でも、生産性及び材料コンタミネーションを防ぐ観点から、マルチチャンバ法が特に好ましい。
前記ダイクロイックミラー層の厚みとしては、光学波長オーダーで、λ/16〜λの膜厚が好ましく、λ/8〜3λ/4がより好ましく、λ/6〜3λ/8がより好ましい。
−誘電体蒸着層−
前記誘電体蒸着層は、例えば、互いに屈折率の異なる誘電体薄層を複数層積層してなり、波長選択反射層とするためには、高屈折率の誘電体薄層と低屈折率の誘電体薄層とを交互に複数層積層することが好ましいが、2種以上に限定されず、それ以上の種類であってもよい。
前記積層数は、2〜20層が好ましく、2〜12層がより好ましく、4〜10層が更に好ましく、6〜8層が特に好ましい。前記積層数が、20層を超えると、多層蒸着により生産効率性が低下し、本発明の目的及び効果を達成できなくなることがある。
前記誘電体薄層の積層順については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、隣接する膜の屈折率が高い場合にはそれより低い屈折率の膜を最初に積層する。その逆に隣接する層の屈折率が低い場合にはそれより高い屈折率の膜を最初に積層する。前記屈折率が高いか低いかを決めるしきい値としては1.8が好ましい。なお、屈折率が高いか低いかは絶対的なものではなく、高屈折率の材料の中でも、相対的に屈折率の大きいものと小さいものとが存在してもよく、これらを交互に使用してもよい。
前記高屈折率の誘電体薄層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Sb、Sb、Bi、CeO、CeF、HfO、La、Nd、Pr11、Sc、SiO、Ta、TiO、TlCl、Y、ZnSe、ZnS、ZrO、などが挙げられる。これらの中でも、Bi、CeO、CeF、HfO、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOが好ましく、これらの中でも、SiO、Ta、TiO、Y、ZnSe、ZnS、ZrOがより好ましい。
前記低屈折率の誘電体薄層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Al、BiF、CaF、LaF、PbCl、PbF、LiF、MgF、MgO、NdF、SiO、Si、NaF、ThO、ThF、などが挙げられる。これらの中でも、Al、BiF、CaF、MgF、MgO、SiO、Siが好ましく、これらの中でも、Al、CaF、MgF、MgO、SiO、Siがより好ましい。
なお、前記誘電体薄層の材料においては、原子比についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、成膜時に雰囲気ガス濃度を変えることにより、原子比を調整することができる。
前記誘電体薄層の積層方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、イオンアシスト法、レーザーアブレーション法等の物理的気相成長(PVD)法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の化学的気相成長(CVD)法、などが挙げられる。これらの中でも、物理的気相成長(PVD)法が好ましく、スパッタリング法が特に好ましい。
前記スパッタリングとしては、成膜レートの高いDCスパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。
また、前記スパッタリングにより多層成膜する方法としては、例えば、(1)1つのチャンバで複数のターゲットから交互又は順番に成膜する1チャンバ法と、(2)複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法とがある。これらの中でも、生産性及び材料コンタミネーションを防ぐ観点から、マルチチャンバ法が特に好ましい。
前記誘電体薄層の厚みとしては、光学波長オーダーで、λ/16〜λの膜厚が好ましく、λ/8〜3λ/4がより好ましく、λ/6〜3λ/8がより好ましい。
前記誘電体蒸着層においては、該誘電体蒸着層中を伝播する光の一部が、各誘電体薄層毎に多重反射し、それらの反射光が干渉するため、誘電体薄層の厚さと光に対する膜の屈折率との積で決まる波長の光のみが選択的に透過されることになる。また、誘電体蒸着層の中心透過波長は入射光に対して角度依存性を有しており、入射光を変化させると透過波長を変えることができる。
−コレステリック液晶層−
前記コレステリック液晶層は、少なくともネマチック液晶化合物、及びカイラル化合物を含有してなり、重合性モノマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記コレステリック液晶層は、1層でもよく、2層以上が積層されていてもよい。該2層以上の積層数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2〜10層が好ましい。前記積層数が10層を超えると、却って塗布による生産効率性が低下し、本発明の目的及び効果を達成できなくなることがある。
前記コレステリック液晶層としては、円偏光分離機能を有するものが好ましい。前記円偏光分離機能を有するコレステリック液晶層は、液晶の螺旋の回転方向(右回り又は左回り)と円偏光方向とが一致し、波長が液晶の螺旋ピッチであるような円偏光成分の光だけを反射する選択反射特性を有する。このコレステリック液晶層の選択反射特性を利用して、一定の波長帯域の自然光から特定波長の円偏光のみを透過分離し、その残りを反射する。したがって、前記各コレステリック液晶層は、第一の光を透過し、該第一の光と異なる第二の光の円偏光を反射することが好ましく、前記第一の光の波長が350〜600nmであり、かつ前記第二の光の波長が600〜900nmであることが好ましい。
前記コレステリック液晶層の選択反射特性は、特定の波長帯域のみに限定され、可視光域をカバーすることは困難である。即ち、前記コレステリック液晶層の選択反射波長領域幅Δλは、下記数式1で表される。
<数式1>
Δλ=2λ(ne−no)/(ne+no)
ただし、前記数式1中、noは、コレステリック液晶層に含有されるネマチック液晶分子の正常光に対する屈折率を表す。neは、該ネマチック液晶分子の異常光に対する屈折率を表す。λは、選択反射の中心波長を表す。
前記数式1で示すように、前記選択反射波長帯域幅Δλは、ネマチック液晶そのものの分子構造に依存する。前記数式1から、(ne−no)を大きくすれば、前記選択反射波長帯域幅Δλを拡げられるが、(ne−no)は通常0.3以下であり、0.3より大きくなると、液晶としてのその他の機能、例えば、配向特性、液晶温度等が不十分となり、実用化が困難となる。したがって、現実にはコレステリック液晶層の選択反射波長帯域幅Δλは、最大でも150nm程度であり、通常30〜100nm程度が好ましい。
また、前記コレステリック液晶層の選択反射中心波長λは、下記数式2で表される。
<数式2>
λ=(ne+no)P/2
ただし、前記数式2中、ne及びnoは上記数式1と同じ意味を表す。Pは、コレステリック液晶層の一回転ねじれに要する螺旋ピッチ長を表す。
前記数式2で示すように、前記選択反射中心波長λは、コレステリック液晶層の螺旋ピッチが一定であれば、コレステリック液晶層の平均屈折率と螺旋ピッチ長Pに依存する。それ故、コレステリック液晶層の選択反射特性を拡げるには、前記各コレステリック液晶層の選択反射中心波長が互いに異なり、前記各コレステリック液晶層の螺旋の回転方向(右回り又は左回り)が互いに同じであることが好ましい。また、各コレステリック液晶層の選択反射波長帯域は連続的であることが好ましい。ここで、前記「連続的」とは、2つの選択反射波長帯域間にギャップがなく、実質的にこの範囲の反射率が40%以上であることを意味する。
したがって、各コレステリック液晶層の選択反射中心波長λ間の距離は、各選択反射波長帯域が少なくとも1つの他の選択反射波長帯域と連続となる範囲内であることが好ましい。
前記選択反射層は、垂直入射を0°とし±20°の範囲であるλ〜λ/cos20°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが好ましく、垂直入射を0°とし±40°の範囲であるλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)における光反射率が40%以上であることが特に好ましい。
前記λ〜λ/cos20°、特にλ〜λ/cos40°(ただし、λは照射光波長を表す)の範囲における光反射率が40%以上であれば、照射光反射の角度依存性を解消でき、通常の光記録媒体に用いられているレンズ光学系を採用することができる。
具体的には、選択反射中心波長が互いに異なり、前記各コレステリック液晶層の螺旋の回転方向が互いに同じであるコレステリック液晶層を3層積層すると、図6に示すような反射特性を有する選択反射層が得られる。この図6は正面(0°)からの垂直入射光に対する反射特性が40%以上であることを示している。これに対し、斜め方向からの入射光になると次第に短波長側にシフトしていき、液晶層内で40°傾斜した時は図7に示すような反射特性を示す。
同様に、選択反射中心波長が互いに異なり、前記各コレステリック液晶層の螺旋の回転方向が互いに同じであるコレステリック液晶層を2層積層すると、図8に示すような反射特性を有する選択反射層が得られる。この図8は正面(0°)からの垂直入射光に対する反射特性が40%以上であることを示している。これに対し、斜め方向からの入射光になると次第に短波長側にシフトしていき、液晶層内で20°傾斜した時は図9に示すような反射特性を示す。
なお、図6に示したλ〜1.3λの反射域は、λ=532nmのとき1.3λ=692nmとなり、サーボ光が655nmの場合はサーボ光を反射してしまう。ここに示すλ〜1.3λの範囲は選択反射層における±40°入射光への適性であるが、実際にそうした大きな斜め光まで使用する場合は、入射角±20°以内のサーボ光をマスキングして使用すれば支障なくサーボ制御できる。また、使用する選択反射層における各コレステリック液晶層の平均屈折率を十分大きくすれば、選択反射層内での入射角を±20°以内で全て設計することも容易であり、その場合は図8に示すλ〜1.1λのコレステリック液晶層を2層積層することでよいので、サーボ光透過には全く支障がなくなる。
したがって、図6〜図9の結果から、本発明の選択反射層内においては、入射波長が0°〜20°(好ましくは0°〜40°)傾斜しても40%以上の反射率が確保できているので、信号読み取りには何ら支障のない選択反射層が得られる。
前記各コレステリック液晶層は、上記特性を満たせば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上述したように、ネマチック液晶化合物、及びカイラル化合物を含有してなり、重合性モノマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−ネマチック液晶化合物−
前記ネマチック液晶化合物は、液晶転移温度以下ではその液晶相が固定化することを特徴とし、その屈折率異方性Δnが、0.10〜0.40の液晶化合物、高分子液晶化合物、及び重合性液晶化合物の中から目的に応じて適宜選択することができる。前記ネマチック液晶化合物は、溶融時の液晶状態にある間に、例えば、ラビング処理等の配向処理を施した配向基板を用いる等により配向させ、そのまま冷却等して固定化させることにより固相として使用することができる。
前記ネマチック液晶化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記の化合物などを挙げることができる。
前記式中において、nは1〜1,000の整数を表す。なお、前記各例示化合物においては、その側鎖連結基を、以下の構造に変えたものも同様に好適なものとして挙げることができる。
上記の各例示化合物のうち、ネマチック液晶化合物としては、十分な硬化性を確保する観点から、分子内に重合性基を有するネマチック液晶化合物が好ましく、これらの中でも、紫外線(UV)重合性液晶が好適である。該UV重合性液晶としては、市販品を用いることができ、例えば、BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC242;Merck社製の商品名E7;Wacker−Chem社製の商品名LC−Sllicon−CC3767;高砂香料株式会社製の商品名L35、L42、L55、L59、L63、L79、L83、などが挙げられる。
前記ネマチック液晶化合物の含有量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し30〜99質量%が好ましく、50〜99質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%未満であると、ネマチック液晶化合物の配向が不十分となることがある。
−カイラル化合物−
前記カイラル化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、液晶化合物の色相、色純度改良の観点から、例えば、イソマニード化合物、カテキン化合物、イソソルビド化合物、フェンコン化合物、カルボン化合物、等の他、以下に示す化合物などを挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記カイラル化合物としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、Merck社製の商品名S101、R811、CB15;BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC756、などが挙げられる。
前記カイラル化合物の含有量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
−重合性モノマー−
前記コレステリック液晶層には、例えば、膜強度等の硬化の程度を向上させる目的で重合性モノマーを併用することができる。該重合性モノマーを併用すると、光照射による液晶の捻れ力を変化(パターンニング)させた後(例えば、選択反射波長の分布を形成した後)、その螺旋構造(選択反射性)を固定化し、固定化後のコレステリック液晶層の強度をより向上させることができる。ただし、前記液晶化合物が同一分子内に重合性基を有する場合には、必ずしも添加する必要はない。
前記重合性モノマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン性不飽和結合を持つモノマー等が挙げられ、具体的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
前記エチレン性不飽和結合を持つモノマーの具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性モノマーの添加量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記添加量が50質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向を阻害することがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光重合開始剤、増感剤、バインダー樹脂、重合禁止剤、溶媒、界面活性剤、増粘剤、色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤、などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア784、イルガキュア814;BASF社製の商品名ルシリンTPO、などが挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、光照射時の硬化効率が低いため長時間を要することがあり、20質量%を超えると、紫外線領域から可視光領域での光透過率が劣ることがある。
前記増感剤は、必要に応じてコレステリック液晶層の硬化度を上げるために添加される。前記増感剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、などが挙げられる。
前記増感剤の添加量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形分質量に対し0.001〜1.0質量%が好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール;ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース樹脂;側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体;ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂;メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体;アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマー;その他の水酸基を有するポリマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー又はメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマーにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、などが挙げられる。
前記その他の水酸基を有するポリマーとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタアクリル酸のホモポリマー)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーの多元共重合体、などが挙げられる。
前記バインダー樹脂の添加量としては、前記各コレステリック液晶層の全固形質量に対し0〜80質量%が好ましく、0〜50質量%がより好ましい。前記添加量が80質量%を超えると、コレステリック液晶層の配向が不十分となることがある。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ベンゾキノン、又はこれらの誘導体、などが挙げられる。
前記重合禁止剤の添加量としては、前記重合性モノマーの固形分に対し0〜10質量%が好ましく、100ppm〜1質量%がより好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチルエステル、3−メトキシプロピオン酸エチルエステル、3−メトキシプロピオン酸プロピルエステル、3−エトキシプロピオン酸メチルエステル、3−エトキシプロピオン酸エチルエステル、3−エトキシプロピオン酸プロピルエステル等のアルコキシプロピオン酸エステル類;2−メトキシプロピルアセテート、2−エトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のアルコキシアルコールのエステル類;乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<記録層>
前記記録層は、ホログラフィを利用して情報が記録され得るものであり、前記選択反射層上に設けられ、所定の波長の電磁波を照射すると、その強度に応じて吸光係数や屈折率などの光学特性が変化する材料が用いられる。
前記記録層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)光照射で重合反応が起こり高分子化するフォトポリマー、(2)フォトリフラクティブ効果(光照射で空間電荷分布が生じて屈折率が変調する)を示すフォトリフラクティブ材料、(3)光照射で分子の異性化が起こり屈折率が変調するフォトクロミック材料、(4)ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム等の無機材料、(5)カルコゲン材料、などが挙げられる。
前記(1)のフォトポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノマー、及び光開始剤を含有してなり、更に必要に応じて増感剤、オリゴマー等のその他の成分を含有してなる。
前記フォトポリマーとしては、例えば、「フォトポリマーハンドブック」(工業調査会、1989年)、「フォトポリマーテクノロジー」(日刊工業新聞社、1989年)、SPIE予稿集 Vol.3010 p354−372(1997)、及びSPIE予稿集 Vol.3291 p89−103(1998)に記載されているものを用いることができる。また、米国特許第5,759,721号明細書、同第4,942,112号明細書、同第4,959,284号明細書、同第6,221,536号明細書、国際公開第97/44714号パンフレット、同第97/13183号パンフレット、同第99/26112号パンフレット、同第97/13183号パンフレット、特許第2880342号公報、同第2873126号公報、同第2849021号公報、同第3057082号公報、同第3161230号公報、特開2001−316416号公報、特開2000−275859号公報などに記載されているフォトポリマーを用いることができる。
前記フォトポリマーに記録光を照射して光学特性を変化させる方法としては、低分子成分の拡散を利用した方法などが挙げられる。また、重合時の体積変化を緩和するため、重合成分とは逆方向へ拡散する成分を添加してもよく、或いは、酸開裂構造を有する化合物を重合体のほかに別途添加してもよい。なお、前記低分子成分を含むフォトポリマーを用いて記録層を形成する場合には、記録層中に液体を保持可能な構造を必要とすることがある。また、前記酸開裂構造を有する化合物を添加する場合には、その開裂によって生じる膨張と、モノマーの重合によって生じる収縮とを補償させることにより体積変化を抑制してもよい。
前記モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル基やメタクリル基のような不飽和結合を有するラジカル重合型のモノマー、エポキシ環やオキセタン環のようなエーテル構造を有するカチオン重合型系モノマーなどが挙げられる。これらのモノマーは、単官能であっても多官能であってもよい。また、光架橋反応を利用したものであってもよい。
前記ラジカル重合型のモノマーとしては、例えば、アクリロイルモルホリン、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ナフト−1−オキシエチルアクリレート、2−カルバゾイル−9−イルエチルアクリレート、(トリメチルシリルオキシ)ジメチルシリルプロピルアクリレート、ビニル−1−ナフトエート、N−ビニルカルバゾールなどが挙げられる。
前記カチオン重合型系モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、グリセロールトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサングリシジルエーテル、ビニルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、下記構造式(A)〜(E)で表される化合物などが挙げられる。
これらモノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光開始剤としては、記録光に感度を有するものであれば特に制限はなく、光照射によりラジカル重合、カチオン重合、架橋反応などを引き起こす材料などが挙げられる。
前記光開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−ジエチルアミノフェニルベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−2−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド、トリフェニルブチルボレートテトラエチルアンモニウム、下記構造式で表されるチタノセン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、照射する光の波長に合わせて増感色素を併用してもよい。
前記フォトポリマーは、前記モノマー、前記光開始剤、更に必要に応じてその他の成分を攪拌混合し、反応させることによって得られる。得られたフォトポリマーが十分低い粘度ならばキャスティングすることによって記録層を形成することができる。一方、キャスティングできない高粘度フォトポリマーである場合には、ディスペンサーを用いて第二の基板にフォトポリマーを盛りつけ、このフォトポリマー上に第一の基板で蓋をするように押し付けて、全面に広げて記録層を形成することができる。
前記(2)のフォトリフラクティブ材料としては、フォトリフラクティブ効果を示すものであるならば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生材、及び電荷輸送材を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷発生材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、又はそれらの誘導体等のフタロシアニン色素/顔料;ナフタロシアニン色素/顔料;モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ等のアゾ系色素/顔料;ペリレン系染料/顔料;インジゴ系染料/顔料;キナクリドン系染料/顔料;アントラキノン、アントアントロン等の多環キノン系染料/顔料;シアニン系染料/顔料;TTF−TCNQで代表されるような電子受容性物質と電子供与性物質とからなる電荷移動錯体;アズレニウム塩;C60及びC70で代表されるフラーレン並びにその誘導体であるメタノフラーレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送材は、ホール又はエレクトロンを輸送する材料であり、低分子化合物であってもよく、又は高分子化合物であってもよい。
前記電荷輸送材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インドール、カルバゾール、オキサゾール、インオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサアジアゾール、ピラゾリン、チアチアゾール、トリアゾール等の含窒素環式化合物、又はその誘導体;ヒドラゾン化合物;トリフェニルアミン類;トリフェニルメタン類;ブタジエン類;スチルベン類;アントラキノンジフェノキノン等のキノン化合物、又はその誘導体;C60及びC70等のフラーレン並びにその誘導体;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等のπ共役系高分子又はオリゴマー;ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系高分子又はオリゴマー;アントラセン、ピレン、フェナントレン、コロネン等の多環芳香族化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フォトリフラクティブ材料を用いて記録層を形成方法としては、例えば、前記フォトリフラクティブ材料を溶媒中に溶解乃至は分散させてなる塗布液を用いて塗膜を形成し、この塗膜から溶媒を除去することにより記録層を形成することができる。また、加熱して流動化させた前記フォトリフラクティブ材料を用いて塗膜を形成し、この塗膜を急冷することにより記録層を形成することもできる。
前記(3)のフォトクロミック材料は、フォトクロミック反応を起こす材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾベンゼン化合物、スチルベン化合物、インジゴ化合物、チオインジゴ化合物、スピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物、フルキド化合物、アントラセン化合物、ヒドラゾン化合物、桂皮酸化合物、などが挙げられる。これらの中でも、光照射によりシス−トランス異性化により構造変化を起こすアゾベンゼン誘導体、スチルベン誘導体、光照射により開環−閉環の構造変化を起こすスピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体が特に好ましい。
前記(5)のカルコゲン材料としては、例えば、カルコゲン元素を含むカルコゲナイドガラスと、このカルコゲナイドガラス中に分散されており光の照射によりカルコゲナイドガラス中に拡散可能な金属からなる金属粒子とを含む材料、などが挙げられる。
前記カルコゲナイドガラスは、S、Te又はSeのカルコゲン元素を含む非酸化物系の非晶質材料から構成されるものであり、金属粒子の光ドープが可能なものであれば特に限定されない。
前記カルコゲン元素を含む非晶質材料としては、例えば、Ge−S系ガラス、As−S系ガラス、As−Se系ガラス、As−Se−Ce系ガラス等が挙げられ、これらの中ではGe−S系ガラスが好ましい。前記カルコゲナイドガラスとしてGe−S系ガラスを用いる場合には、ガラスを構成するGe及びSの組成比は照射する光の波長に応じて任意に変化させることができるが、主としてGeSで表される化学組成を有するカルコゲナイドガラスが好ましい。
前記金属粒子は、光の照射によりカルコゲナイドガラス中に光ドープされる特性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Al、Au、Cu、Cr、Ni、Pt、Sn、In、Pd、Ti、Fe、Ta、W、Zn、Ag等が挙げられる。これらの中では、Ag、Au又はCuが光ドープをより生じやすい特性を有しており、Agは光ドープを顕著に生じるため特に好ましい。
前記カルコゲナイドガラスに分散されている金属粒子の含有量としては、前記記録層の全体積基準で0.1〜2体積%が好ましく、0.1〜1.0体積%がより好ましい。前記金属粒子の含有量が0.1体積%未満であると、光ドープによる透過率変化が不充分となって記録の精度が低下することがあり、2体積%を超えると、記録材料の光透過率が低下して光ドープを充分に生じさせることが困難となることがある。
前記記録層は、材料に応じて公知の方法に従って形成することができるが、例えば、蒸着法、湿式成膜法、MBE(分子線エピタキシー)法、クラスターイオンビーム法、分子積層法、LB法、印刷法、転写法、などにより好適に形成することができる。これらの中でも、蒸着法、湿式成膜法が好ましい。
前記蒸着法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、真空蒸着法、抵抗加熱蒸着、化学蒸着法、物理蒸着法、などが挙げられる。該化学蒸着法としては、例えば、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、などが挙げられる。
前記湿式成膜法による前記記録層の形成は、例えば、前記記録層材料を溶剤に溶解乃至分散させた溶液(塗布液)を用いる(塗布し乾燥する)ことにより、好適に行うことができる。該湿式成膜法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、インクジェット法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法などが挙げられる。
前記記録層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜1,000μmが好ましく、100〜700μmがより好ましい。
前記記録層の厚みが、前記好ましい数値範囲であると、10〜300多重のシフト多重を行っても十分なS/N比を得ることができ、前記より好ましい数値範囲であるとそれが顕著である点で有利である。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下側基板、上側基板、ギャップ層などが挙げられる。
−下側基板及び上側基板−
前記下側基板及び上側基板は、必要に応じて設けられ、前記下側基板は、前記着色基板のサーボピット上に設けられ、前記上側基板は、前記記録層上に設けられる。
前記下側基板及び上側基板の材料としては、通常、ガラス、セラミックス、樹脂、などが用いられるが、成形性、コストの点から、樹脂が特に好適である。
前記樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、成形性、光学特性、コストの点から、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が特に好ましい。
前記基板は、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記下側及び上側基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.2〜1.2mmが好ましい。この範囲において、目的とするS/N比でトラッキングサーボ及び情報の記録、読み出しが可能である。
前記基板の厚みが、0.2mm未満であると、基板の作製、取り扱い性が困難であり、ディスク保存時の形状の歪みを抑えられなくなることがあり、1.2mmを超えると、光路長が必要以上に長くなって、S/N比が下がるおそれがあり、また、ディスク全体の重量が大きくなってドライブモーターに過剰な負荷をかけることがある。
−ギャップ層−
前記ギャップ層は、必要に応じて記録層と選択反射層との間に設けられる。該ギャップ層は、情報光及び参照光がフォーカシングするポイントの部分をフォトポリマーで埋めていると、過剰露光がされた場合に、モノマーの過剰消費が起こり、多重記録能力が低下することがあり、この弊害を防止する機能がある。
前記ギャップ層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル=ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のような透明樹脂フィルム、又は、JSR社製商品名ARTONフィルムや日本ゼオン社製商品名ゼオノアのような、ノルボルネン系樹脂フィルム、などが挙げられる。これらの中でも、等方性の高いものが好ましく、TAC、PC、商品名ARTON、及び商品名ゼオノアが特に好ましい。
前記ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
ここで、本発明の光記録媒体について、図面を参照して更に詳しく説明する。
図5は、本発明の光記録媒体の構成の一例を示す概略断面図である。この光記録媒体では、着色基板9と、該着色基板9の一方の面にサーボピットと、該サーボピット上に反射膜2とを有し、かつ前記着色基板9のサーボピットが設けられていない側の面に選択反射層6とを有する反射膜及び選択反射層付き着色基板を有してなり、選択反射層6上に、ギャップ層8、記録層4、上側基板5が設けられている。なお、図5中1は、下側基板である。
次に、光記録媒体21の光の入出射面(上側基板5)から入射したサーボ光は、図10に示すように入射した後、記録層4、ギャップ層8、選択反射層6を透過し、更に、着色基板9を透過し、反射膜2で反射されて再び着色基板9、選択反射層6、ギャップ層8、記録層4、上側基板5を透過し、レンズ12、ダイクロイックミラー13を経てサーボ信号検出器へと入射して、サーボピットパターン(不図示)を検出する。一方、参照光もしくは再生光、及び、情報光は、ダイクロイックミラー13を透過しレンズ12にて集光されて光記録媒体に入射し、選択反射層6で反射され、情報記録及び情報再生を行う。この際、選択反射層の反射特性が理想的、即ち100%反射ではなく、参照光もしくは再生光、情報光のある割合が選択反射層6を通過した場合においては、着色基板9によりこの光は吸収され、反射膜2から反射し再び記録層4に入射して、例えば、記録像のノイズとなったり、再生時にノイズ信号として検出されることはない。
(光記録媒体の製造方法)
本発明の光記録媒体の製造方法は、本発明の前記光記録媒体を製造する方法であって、
着色基板の一方の面にサーボピットを形成し、該サーボピット上に反射膜を形成する工程と、前記着色基板のサーボピットを有しない側の面に選択反射層を形成する工程とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記サーボピット形成は、着色基板の一方の面に形成され、例えば、着色基板を射出成形するのと同時に形成することができる。
前記反射膜形成工程は、該サーボピット上に反射膜を形成する工程であり、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などで形成することができる。
前記選択反射層形成工程は、サーボピットが設けられていない面又はサーボピット面に選択反射層を形成する工程である。例えば、コレステリック液晶層を積層した積層体からなる選択反射層を形成する工程である。
また、前記選択反射層がダイクロイックミラー層である場合には、サーボピットが設けられていない面又はサーボピット面に、Agをスパッタ法により多層蒸着して形成することができる。
(光記録媒体の記録方法及び再生方法)
本発明の光記録媒体の記録方法は、本発明の前記光記録媒体に対し、情報光及び参照光の照射を、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸となるようにして行い、前記情報光と前記参照光との干渉により生成される干渉パターンによって情報を記録層に記録する。
本発明の光記録媒体の再生方法は、本発明の前記光記録媒体の記録方法により記録層に記録された干渉パターンに参照光を照射して情報を再生する。
この場合。参照光が、光記録媒体の記録に用いられた参照光と同じ角度で、干渉パターンに照射して記録情報を再生することが好ましい。
本発明の光記録媒体の記録方法及び再生方法では、上述したように、二次元的な強度分布が与えられた情報光と、該情報光と強度がほぼ一定な参照光とを感光性の記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉パターンを利用して記録層内部に光学特性の分布を生じさせることにより、情報を記録する。一方、書き込んだ情報を読み出す(再生する)際には、記録時と同様の配置で参照光のみを記録層に照射し、記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する再生光として記録層から出射される。
ここで、本発明の光記録媒体の記録方法及び再生方法は、以下に説明する光記録再生装置を用いて行われる。
本発明の光記録媒体の記録方法及び再生方法に使用される光記録再生装置について図11を参照して説明する。
図11は、本発明の光記録再生装置の一例を示す全体構成図である。なお、光記録再生装置は、光記録装置と光再生装置を含んでなる。
この光記録再生装置100は、光記録媒体20が取り付けられるスピンドル81と、このスピンドル81を回転させるスピンドルモータ82と、光記録媒体20の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ82を制御するスピンドルサーボ回路83とを備えている。
また、光記録再生装置100は、光記録媒体20に対して情報光と参照光とを照射して情報を記録すると共に、光記録媒体20に対して再生用参照光を照射し、再生光を検出して、光記録媒体20に記録されている情報を再生するためのピックアップ31と、このピックアップ31を光記録媒体20の半径方向に移動可能とする駆動装置84とを備えている。
光記録再生装置100は、ピックアップ31の出力信号よりフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、及び再生信号RFを検出するための検出回路85と、この検出回路85によって検出されるフォーカスエラー信号FEに基づいて、ピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズ(不図示)を光記録媒体20の厚み方向に移動させてフォーカスサーボを行うフォーカスサーボ回路86と、検出回路85によって検出されるトラッキングエラー信号TEに基づいてピックアップ31内のアクチュエータを駆動して対物レンズを光記録媒体20の半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路87と、トラッキングエラー信号TE及び後述するコントローラからの指令に基づいて駆動装置84を制御してピックアップ31を光記録媒体20の半径方向に移動させるスライドサーボを行うスライドサーボ回路88とを備えている。
光記録再生装置100は、更に、ピックアップ31内の後述するCMOS又はCCDアレイの出力データをデコードして、光記録媒体20のデータエリアに記録されたデータを再生したり、検出回路85からの再生信号RFより基本クロックを再生したりアドレスを判別したりする信号処理回路89と、光記録再生装置100の全体を制御するコントローラ90と、このコントローラ90に対して種々の指示を与える操作部91とを備えている。コントローラ90は、信号処理回路89より出力される基本クロックやアドレス情報を入力すると共に、ピックアップ31、スピンドルサーボ回路83、及びスライドサーボ回路88等を制御するようになっている。スピンドルサーボ回路83は、信号処理回路89より出力される基本クロックを入力するようになっている。コントローラ90は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード オンリ メモリ)、及びRAM(ランダム アクセス メモリ)を有し、CPUが、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、コントローラ90の機能を実現するようになっている。
本発明の光記録媒体の記録方法及び再生方法に使用される光記録再生装置は、本発明の前記光記録媒体を用いているので、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、情報光及び参照光による光記録媒体の反射膜や層界面からの乱反射を防止し、ノイズの発生を防止することができ、今までにない高密度記録を実現することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
<反射膜及び選択反射層付き着色基板1の作製>
−ポリカーボネート樹脂ペレットの作製−
低粘度ポリカーボネート樹脂粉末〔250℃でのメルトフローレート11g/10分(ASTM−D1238)、GPCで測定した分子量約17700g/モル〕、着色剤としてのSandoplast Red G(クラリアント社製、C.I.ソルベントレッド135)を0.1質量%、離型剤としてのグリセロールモノステアレートを0.02質量%、及びDoverphos S−9228(ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフェート酸化防止剤)を0.02質量%添加し、混合して混合物を調製した。得られた混合物を30mmの二軸押出機で溶融し、ダイに通し、冷却して、着色ペレットを作製した。
−着色基板1の作製−
得られた着色ペレットを、非開口金型を備えた射出成形機(Krauss Maffei 80/190℃ Marathon Series,CDLiner)を用いて、射出成形し、直径120mm、内径15mm、厚さ0.2mm、サーボピット溝深さ140nm、及び溝幅300nmの着色基板1を作製した。
−反射膜の形成−
着色基板1のサーボピット面に、Agを厚みが150nmとなるようにスパッタ法により成膜した。
−選択反射層の形成−
着色基板1のサーボピットが設けられていない側の面に、Agをスパッタ法により30層多層蒸着したダイクロイックミラー層を設けた。
以上により、反射膜及び選択反射層付き着色基板1を作製した。
(製造例2)
−反射膜及び選択反射層付き着色基板2の作製−
製造例1において、着色剤としてのSandoplast Red G(クラリアント社製、C.I.ソルベントレッド135)の代わりにPolysynthlen Red GPFを用いた以外は、製造例1と同様にして、着色基板2を作製し、同様に、反射膜、ダイクロイックミラー層を設けて、反射膜及び選択反射層付き着色基板2を作製した。
(製造例3)
−反射膜及び選択反射層付き着色基板3の作製−
製造例1において、着色剤としてのSandoplast Red G(クラリアント社製、C.I.ソルベントレッド135)の代わりにSandoplast Red 2Gを用いた以外は、製造例1と同様にして、着色基板3を作製し、同様に、反射膜、ダイクロイックミラー層を設けて、反射膜及び選択反射層付き着色基板3を作製した。
(製造例4)
−反射膜及び選択反射層付き基板4の作製−
製造例1において、着色剤としてのSandoplast Red G(クラリアント社製、C.I.ソルベントレッド135)を添加しない以外は、製造例1と同様にして、基板4を作製し、同様に、反射膜、ダイクロイックミラー層を設けて、反射膜及び選択反射層付き基板4を作製した。
<光反射特性の評価>
得られた製造例1〜4の反射膜及び選択反射層付き基板1〜4について、大塚電子(株)製 MCPD−7000により、選択反射層側から斜め45°からの入射光に対する反射膜での反射光を測定した。製造例4の反射膜及び選択反射層付き基板4をベースラインとしたときのスペクトルから吸収率を測定したところ、波長532nmの光、即ち情報光及び参照光に対応する波長の光に対する光透過率は約0.1%であり、波長650nmの光、即ちサーボ光に対応する光に対する光透過率は約69%であった。その結果、製造例1〜3の選択反射層付き着色基板1〜3は、情報光及び参照光の波長の光を吸収し、かつサーボ光の波長の光を透過する性質を有することが認められた。
(実施例1〜3及び比較例1)
−光記録媒体の作製−
表1に示すように、製造例1〜4の反射膜及び選択反射層付き基板1〜4を用い、下側基板及び上側基板としては、直径120mm、内径15mm、厚み0.6mmのDVD+RW用に用いられている一般的なポリカーボネート樹脂製基板を使用した。
まず、各反射膜及び選択反射層付き基板のサーボピットが設けられている側の面に、下側基板をUV接着剤(大日本インキ化学工業株式会社製、SD−640)で気泡が入らないように接着した。
−ホログラフィック記録層塗布液の調製−
下記組成からなるホログラフィック記録層塗布液を、下記のタンクAとタンクBに分けて窒素雰囲気下で調製した。
<タンクA>
・ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットトリマー・・・292.0g
・ヘキサメチレンジイソシアネート・・・97.4g
・トリブロモフェニルアクリレート・・・64.22g
・イルガキュア784・・・14g
・3,5ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン・・・210g
<タンクB>
・PolyFoxTMT・・・817.9g
・ポリプロピレンオキサイドトリオール(平均分子量1,000)・・・517.9g
・ターシャリーブチルペルオキサイド・・・580μl
・ジブチルラウレートスズ・・・10.2g
次に、反射膜及び選択反射層付き基板の選択反射層上に、ポシラティオ(Liquid Control社から入手可能な液混合注入装置)を用いて、タンクAとタンクBとを混合した組成物を充填し、このフォトポリマー上に、上側基板を押し付け2時間保持した。なお、ディスク端部には、該記録層が厚み500μmとなるようにフランジ部が設けてあり、該フランジ部に、前記上側基板を接着することによって記録層の厚みは決定され、余分なフォトポリマーはあふれ出て、除去される。2時間放置するとフォトポリマーは自発的に硬化し、上側基板と記録層は強固に接着される。以上により、実施例1〜3及び比較例1の各光記録媒体を作製した。
<S/N比の測定>
S/N比の初期値(単一スポット記録を行った際の再生S/N比)、及び、49多重記録後の再生S/N比を、ホログラフィック記録再生装置(SHOT−2000、パルステック工業株式会社製)により測定した。結果を表1に示す。
実施例1〜3は、比較例1に比べて、初期のS/N比においてはわずかであるが向上し、更に、多重記録後の再生においてはS/N比の差が顕著になることが認められた。
本発明の光記録媒体は、高多重記録を行った際においてもエラーの少ない信号を再生することができ、高密度画像記録が可能なホログラム型の各種光記録媒体として幅広く用いられる。
図1は、従来の光記録媒体の構造を示す概略断面図である。 図2は、従来の選択反射層を有する光記録媒体の構造を示す概略断面図である。 図3は、光記録媒体の情報光及びサーボ光の照射を説明する概念図である。 図4は、従来の光記録媒体の光反射を説明する概念図である。 図5は、本発明の光記録媒体の一例を示す概略断面図である。 図6は、コレステリック液晶層を3層積層した選択反射層の正面(0°)からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図7は、コレステリック液晶層を3層積層した選択反射層内の40°傾斜方向からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図8は、コレステリック液晶層を2層積層した選択反射層の正面(0°)からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図9は、コレステリック液晶層を2層積層した選択反射層内の20°傾斜方向からの入射光に対する反射特性を示すグラフである。 図10は、本発明の光記録媒体周辺の光学系の一例を示す説明図である。 図11は、本発明の光記録媒体を搭載した光記録再生装置の全体構成の一例を表すブロック図である。
符号の説明
1 第一の基板(下側基板)
2 反射膜
3 サーボビットパターン
4 記録層
5 第二の基板(上側基板)
6 選択反射層
8 ギャップ層
9 着色基板
12 対物レンズ
13 ダイクロイックミラー
14 検出器
15 1/4波長板
16 偏光板
17 ハーフミラー
20 光記録媒体
21 光記録媒体
31 ピックアップ
33 サーボ光
35 情報光及び参照光
35a 情報光及び参照光
81 スピンドル
82 スピンドルモータ
83 スピンドルサーボ回路
84 駆動装置
85 検出回路
86 フォーカスサーボ回路
87 トラッキングサーボ回路
88 スライドサーボ回路
89 信号処理回路
90 コントローラ
91 走査部
100 光記録再生装置
A 入出射面
FE フォーカスエラー信号
TE トラッキングエラー信号
RF 再生信号

Claims (14)

  1. 着色基板と、該着色基板の一方の面にサーボピットと、該サーボピット上に反射膜とを有し、かつ前記着色基板のサーボピットを有さない側の面に選択反射層と、を有する反射膜及び選択反射層付き着色基板を少なくとも有してなり、
    前記反射膜及び選択反射層付き着色基板が、情報光及び参照光の波長の光を吸収し、かつサーボ光の波長の光を透過することを特徴とする光記録媒体。
  2. 選択反射層上にホログラフィを利用して情報を記録する記録層を有する請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 反射膜及び選択反射層付き着色基板が、波長350〜700nmの情報光及び参照光を吸収し、波長600〜1200nmのサーボ光を透過する請求項1から2のいずれかに記載の光記録媒体。
  4. 反射膜及び選択反射層付き着色基板は、情報光及び参照光の波長の光に対する光透過率が0.01〜30%であり、かつサーボ光の波長の光に対する光透過率が、30〜100%である請求項1から3のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 着色基板が、少なくともプラスチック及び着色剤を含有する請求項1から4のいずれかに記載の光記録媒体。
  6. プラスチックが、ポリカーボネート樹脂である請求項5に記載の光記録媒体。
  7. 着色剤が、赤色顔料及び赤色染料から選択される少なくとも1種である請求項5から6のいずれかに記載の光記録媒体。
  8. 着色基板の厚みが、0.2〜2mmである請求項1から7のいずれかに記載の光記録媒体。
  9. 選択反射層が、ダイクロイックミラー層、誘電体蒸着層、及びコレステリック液晶層の少なくともいずれかである請求項1から8のいずれかに記載の光記録媒体。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の光記録媒体を製造する方法であって、
    着色基板の一方の面にサーボピットを形成し、該サーボピット上に反射膜を形成する工程と、前記着色基板のサーボピットを有さない側の面に選択反射層を形成する工程と、を少なくとも含むことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  11. 選択反射層上にホログラフィを利用して情報を記録する記録層を形成する工程を含む請求項10に記載の光記録媒体の製造方法。
  12. 請求項1から9のいずれかに記載の光記録媒体に対し、情報光及び参照光の照射を、該情報光の光軸と該参照光の光軸とが同軸となるようにして行い、前記情報光と前記参照光との干渉により生成される干渉パターンによって情報を記録層に記録することを特徴とする光記録媒体の記録方法。
  13. 請求項12に記載の光記録媒体の記録方法により記録層に記録された干渉パターンに参照光を照射して記録情報を再生することを特徴とする光記録媒体の再生方法。
  14. 参照光が、光記録媒体の記録に用いられた参照光と同じ角度で、干渉パターンに照射して記録情報を再生する請求項13に記載の光記録媒体の再生方法。
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