JP4930084B2 - 広帯域波長板 - Google Patents

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本発明は、レーザー光の位相状態を制御するための広帯域波長板に関する。
広帯域波長板は、光ストレージ媒体の光ピックアップや、プロジェクターなどの投影装置において、異なる複数の波長に対応して、4分の1波長板や2分の1波長板等として使用されている。4分の1波長板として使用する場合においては、リタデーション値が約90°、2分の1波長板として使用する場合においては、リタデーションが180°となるように構成されている。
光ピックアップには、CDに使用される785nm波長帯、DVDに使用される660nm波長帯に加え、最近は高密度記録DVD(Blu−ray、HD−DVD)に使用される405nm波長帯が使用されている。また、可視光領域としてプロジェクター用途となる460〜780nmの波長領域が使用されている。広帯域波長板を光ピックアップに用いる場合は、少なくとも上記3つすべての波長帯に対して適切なリタデーションが得られることが有用であり、特許文献1のような公知例が報告されている。
特開2006−139263号公報
しかしながら、従来の広帯域波長板においては、表面に特定の周期構造の凹凸を有する波長板素子を用意しなければならず、周期構造製作のため複雑なプロセスが必要という難点がある。また、少なくとも光ピックアップ用の3つの波長帯において4分の1波長板としたとき、405nm波長の透過率は91%程度と他の波長(650nm、780nm)の透過率94%に比べて低い結果となっている。本発明はこの問題に鑑みて、少なくとも光ピックアップ用の405nm波長帯、660nm波長帯、785nm波長帯にすべておいて適切なリタデーションが得られ、かつ容易なプロセスで製造できる広帯域波長板を提供することを目的とする。本発明では、405nm波長帯は395〜415nmの波長領域、660nm波長帯は650〜680nmの波長領域、785nm波長帯は770〜810nmの波長領域と定義する。さらに、同様に容易なプロセスで製造できる可視光領域波長帯である420〜810nmに渡って連続的に適切なリタデーションが得られる広帯域波長板を提供する。
本発明は、所定の異なる3種の波長で入射する直線偏光について偏光状態を変えることにより、1/4波長板として機能する広帯域波長板であって、前記異なる3種の波長で入射する直線偏光が405nm波長帯に含まれる直線偏光、660nm波長帯に含まれる直線偏光および785nm波長帯に含まれる直線偏光であるか、または、前記異なる3種の波長で入射する直線偏光のうち少なくとも異なる2種の波長を含む連続する波長領域が420〜810nmの直線偏光である広帯域波長板において、液晶分子の長軸が厚さ方向に対してツイストされた液晶層を含む複数の位相板が積層され入射側から前記複数の位相板を第1の位相板、第2の位相板とすると、前記第1の位相板を構成する液晶層の液晶分子の厚さ方向に対するツイスト角Φを有するツイスト方向と、前記第2の位相板を構成する液晶層の液晶分子の厚さ方向に対するツイスト角Φを有するツイスト方向とが逆になるようにされると共に、前記入射する直線偏光の振動方向と前記第1の位相板の前記入射する直線偏光側の液晶分子の長軸方向とがなす角度をθ、前記入射する直線偏光の振動方向と前記第2の位相板の前記第1の位相板側にある液晶分子の長軸方向とがなす角度をθとしたとき、前記異なる3種の波長で入射する直線偏光、または前記異なる3種の波長で入射する直線偏光のうち少なくとも異なる2種の波長を含む連続する波長領域で入射する直線偏光に対し、前記広帯域波長板から出射する光の楕円率が0.9以上となるようにΦ、Φ、θ、θおよび前記位相板のそれぞれのリタデーションが設定されていることを特徴とする広帯域波長板を提供する。
また、前記第1の位相板のリタデーションRに対する、前記第2の位相板のリタデーションRの比R/Rが0.6〜1.0であることを特徴とする上記に記載の広帯域波長板を提供する。
また、前記広帯域波長板が2枚の前記位相板で構成されており、前記第1の位相板のツイスト角Φに対する第1の位相板の前記リタデーションRの比R/Φをαとし、前記第2の位相板のツイスト角Φと第2の位相板の前記リタデーションRの比R/Φをαとしたときに、α /α の絶対値が1.6〜2.5であることを特徴とする上記に記載の広帯域波長板を提供する。また、前記広帯域波長板に入射する前記異なる波長の直線偏光の振動方向が互いに平行であることを特徴とする上記に記載の広帯域波長板を提供する。
さらに、異なる3種の波長の直線偏光を出射する少なくとも一つの光源と、直線偏光を出射する光を光記録媒体上に集光する対物レンズと、光記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを備えた、光記録媒体の情報の記録・再生を行う光ヘッド装置であって、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中、または前記対物レンズと前記光検出器との間の光路中に、上記に記載の広帯域波長板が設置されている光ヘッド装置を提供する。
本発明の広帯域波長板を用いることにより、光ピックアップ用の異なる3波長以上の直線偏光に対して、良好な円偏光を出射する効果を有する広帯域波長板および光ヘッド装置を提供することができる。または、可視光領域である420〜810nmの連続した波長領域の直線偏光に対して、良好な円偏光を出射する効果を有する広帯域波長板を提供することができる。
本発明は、屈折率異方性を有する材料で形成された位相板を複数枚積層し、透明基板により挟持させた広帯域波長板に関するものである。本発明の広帯域波長板は光ピックアップ用の異なる3波長(405nm波長帯、660nm波長帯、785nm波長帯)が互いに平行する直線偏光で入射したときに4分の1波長板に相当するリタデーションを有する。また、本発明では可視光領域としてプロジェクター用途である460〜780nm波長領域のすべての波長において、互いに平行する直線偏光で入射したときに4分の1波長板に相当するリタデーションを有する波長板に関するものである。以下、本発明の広帯域波長板について2枚の位相板を積層した例を図1および図2を用いて説明する。
図1は本発明の広帯域波長板の断面を示した模式図であり、広帯域波長板103は、第1の位相板101と第2の位相板102とが、UV接着剤層7を介して互いに積層されるように構成されている。積層の手順については、実施例において説明する。
第1の位相板101は、複屈折材料を構成する高分子液晶層3とガラス基板1とポリイミド配向膜2とを備えている。一方、第2の位相板は、複屈折材料を構成する高分子液晶層6とガラス基板4とポリイミド配向膜5とを備えている。
第1の位相板および第2の位相板のそれぞれの高分子液晶層3、高分子液晶層6は、高分子液晶層の厚さ方向に対して液晶分子の長軸がツイストされている構造をなしている。高分子液晶層のツイスト角は、カイラル剤の添加量により調整し、第1の位相板と第2の位相板それぞれにおいて所望のツイスト角を実現する。
本発明に係る広帯域波長板は、1枚以上の透明基板に積層されていても良い。この場合、透明基板によって熱膨張によるゆがみや透過光の波面収差が改善されるため好ましい。また、透明基板に反射防止膜(AR)処理が施されると入射光の透過率が向上し、好ましい。
また、本発明に係る広帯域波長板は、複屈折材料が有機物あるいは無機物のいずれの材料により構成されていても良い。また、液晶分子をツイストさせる手法として高分子液晶材料を使用することに限らず、透明電極によって液晶分子に電界を加えて調整しても良い。また、第1の位相板と第2の位相板とは、同一の材料により構成されているだけでなく、異なる材料により構成されていても良い。
ここで、第1の位相板101のリタデーションをR、ツイスト角をΦ、第2の位相板102のリタデーションをR、ツイスト角をΦとする。また、入射する直線偏光の振動方向と広帯域波長板に入射する直線偏光側にある第1の位相板の液晶分子の長軸とがなす角度をθ、入射する直線偏光の振動方向と広帯域波長板に入射する直線偏光側にある第2の位相板の液晶分子の長軸とがなす角度をθとする。
図2および図4にガラス基板1側から見た直線偏光の入射角による位相板の設置角度およびツイスト角の平面図を示す。ここで、Φは202と203または、302と303とがなす角度、Φは204と205または、304と305とがなす角度に相当する。また、θは201と202または、301と302とがなす角度、θは201と204または、301と304とがなす角度に相当する。ツイスト角Φ、Φは、位相板の厚さ方向に対して液晶分子の長軸が連続的にツイストするため、ツイストする方向によって角度に符号が存在する。ここでは、直線偏光の入射方向から見て厚さ方向に対して左回りのツイスト方向をプラス(+)、右回りのツイスト方向をマイナス(−)と定義する。θ、θは入射偏光の振動方向201または301の軸を基準に円の中心から左方向0〜90°までをプラス(+)、右方向0〜90°までをマイナス(−)と定義する。
位相板を積層させる場合、ツイスト角が互いに反対方向であること、つまりΦ、Φの符号が異なることが好ましく、2枚の位相板のリタデーションの比率は、R/Rが0.6〜1.0の間にあることが好ましい。また、R/Φをα、R/Φをαとしたときに、α /α の絶対値が1.6〜2.5であると、本発明の広帯域波長板における3波長の直線偏光に対するリタデーションが近くなるため好ましい。
積層させる位相板のツイスト角、リタデーション、積層する際の光学軸の配置を適切に設計すれば、広帯域4分の1波長板となる3波長帯を独立に設定することが可能である。また、3波長帯域が含まれる波長領域を狭く設定することで、可視光程度の広帯域にわたり4分の1波長板として機能するように設計可能である。例えば、光ピックアップ用の3つの波長帯においては、405nm、660nm、785nm波長の楕円率が最大となる初期値である1を与え、リタデーション、位相板のツイスト角および位相板の積層する光学軸配置角度のパラメータを変化させて収束計算を行う。そして、上記3つ全ての波長の楕円率が0.95以上となる上記パラメータ値を調査した。
次に図1に示す広帯域波長板を4分の1波長板として用いた光ヘッド装置の光学系の例を図6に示す。3波長レーザーダイオード11から出射される直線偏光は、グレーティング21を通過してビームスプリッタ31に入射する。ビームスプリッタ31は、入射する直線偏光方向の光が通過するように設置され、コリメータレンズ41を通過する。
コリメータレンズを通過した光が広帯域波長板103に入射する。このときのレーザーダイオードの直線偏光方向は、図2において201の方向になるように配置されている。
広帯域波長板103において光は、直線偏光から円偏光と偏光状態が変化し、対物レンズ42で光ディスク51上の信号トラックへ集光される。
集光された光は、光ディスク51によって反射され、対物レンズ42および広帯域波長板103を通過し、レーザーダイオードの偏光方向に対して直交した偏光方向を有する直線偏光に変換される。変換された直線偏光は、コリメータレンズ41を通過し、ビームスプリッタ31によって光が受光素子61へ集光される。
本発明に係る広帯域波長板は、位相板が2枚で構成されるものに限らず、3枚以上積層されて実現されるものであっても良いが、製造の容易性、透過率などの点で2枚で実現することが好ましい。
本発明に係る広帯域波長板に入射する直線偏光の振動方向は少なくとも異なる3波長(405nm波長帯、660nm波長帯、785nm波長帯)において平行に入射されるものであるため、広帯域波長板は所望の波長によって入射する直線偏光の振動方向を変えることなく利用できるものである。
なお、上記においては、1つの光源から3つの波長の光が出射される場合について説明したが、広帯域波長板に入射する直線偏光が特定の光学軸の振動方向であれば、1つの光源から1つまたは2つの波長の光が出射されても良い。
本発明の実施例について図1〜図6を用いて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例1は、少なくとも光ピックアップ用の405nm波長帯、660nm波長帯、785nm波長帯に対して適切なリタデーションとなる設計とした。また、実施例2は、少なくとも可視光領域でプロジェクター用途となる460〜780nmの波長領域に渡って連続的に適切なリタデーションが得られる設計とした。
(実施例1)
405nm、660nm、785nm波長の楕円率が0.9以上となるように、リタデーション(R、R)、位相板のツイスト角(Φ、Φ)および位相板の積層する光学軸配置角度(θ、θ)のパラメータを決定する。図1は本発明の広帯域波長板の構成図である。厚さ0.5mmのガラス基板1の一面にポリイミドの被膜を形成し、ラビングにより水平配向処理をして配向膜2とする。次に、配向膜2の上に図示しない直径11.3μmのSiOビーズを10個/mmの密度でスペーサとして散布する。その後、ガラス基板1と同様の、図示しないポリイミド配向膜付きガラスを用意する。このとき、配向膜2の水平配向方向と図示しないポリイミド配向膜付きガラスの水平配向方向とがなす角度を113°として対向させる。そして、図示しないポリイミド付きガラスのポリイミド配向膜上を離散化処理する。
さらに、ポリイミド配向膜付きガラスの外周部に図示しない熱硬化型のエポキシシール材を印刷する。対向させた配向膜付ガラス基板と離散化処理されたポリイミド配向膜付きガラス基板をエポキシシール材で固定し、2枚のガラス基板間のギャップが11.3μmの液晶セルを形成する。このように対向させた2枚のガラス基板の11.3μmのスペースに液晶分子の長軸が113°ツイストするように調整されたコレスティック液晶モノマーを注入し、挟持させる。
液晶材料は、光重合開始剤としてベンゾインニソプロピルエーテルが1%添加されたUV硬化性の液晶モノマー組成物である。また、注入した高分子液晶モノマーは重合後のポリマーにおける屈折率異方性Δnが405nmの波長の光で0.047、660nmの波長の光で0.039、785nmの波長の光で0.038である。
波長365nmのUV光を液晶材料全体に照射し、水平配向状態のまま液晶モノマー組成物全体を重合・固化する。30分間140℃の熱処理をして、厚さ11.3μmの水平配向した高分子液晶層3を形成する。その後、上記の離型化処理されたポリイミド配向膜付きガラス基板を除去する。これより、ガラス基板1上の配向膜2の上に水平配向した11.3μmの厚さでツイスト角Φ=113°の高分子液晶層3からなる第1の位相板101を形成する。
上記と同様のプロセスにより、ガラス基板4上の配向膜5の上に水平配向した9.9μmの厚さで、ツイスト角Φ=−50°の高分子液晶層6からなる第2の位相板102を形成する。
作成した第1の位相板101に入射する直線偏光の振動方向201を基準として直線偏光の入射する側にある第1位相板101の液晶分子の長軸方向202となす角度θを35°とする。第1の位相板101に入射する直線偏光方向201を基準として第2の位相板102の第1の位相板101側にある液晶分子の長軸方向204となす角度θを59°となるように配置する。このとき、図2の光学軸の配置図に示すようにツイスト角ΦおよびΦの符号が異なるように配置する。位相板101の上にUV接着剤を滴下し、1000rpmの回転速度で20秒間、5000rpmで100秒間回転させ、UV接着剤の厚さを5μmとする。位相板102を積層し、挟持されたUV接着剤領域に5000mJ、365nmのUV光を照射することによりUV接着剤層7とし、広帯域波長板103を形成する。
最後に、作成した広帯域波長板103の第1の位相板101に入射する直線偏光の振動方向201を基準に、ダイシングソーにより外形5mm×5mmに切断し、光ヘッド装置に適用できる形状とする。切断後、波長633nmのHe−Neレーザーを用いてこの広帯域波長板の透過波面収差を測定すると、25mλrms以下であり、広帯域波長板が光学素子として十分に使用できることが確認される。
作成した広帯域波長板103の第1の位相板101に対して、3種類の異なる直線偏光波長405nm、660nm、785nmを直線偏光がいずれも平行な方向に入射したときの分光測定結果を図3に示す。これより上記3種類の波長において楕円率が0.9以上となる。いずれも互いに平行な直線偏光が入射され広帯域波長板103で良好な楕円率となっていることが確認される。
(実施例2)
460nm、530nm、660nm波長の楕円率が0.9以上となるように、リタデーション(R、R)、位相板のツイスト角(Φ、Φ)および位相板の積層する光学軸配置角度(θ、θ)のパラメータを決定する。厚さ0.5mmのガラス基板1の一面にポリイミドの被膜を形成し、ラビングにより水平配向処理をして配向膜2とする。次に、配向膜2の上に図示しない直径13.2μmのSiOビーズを10個/mmの密度でスペーサとして散布する。その後、同様にガラス基板1と同様の、図示しないポリイミド配向膜付きガラスを用意する。このとき、配向膜2の水平配向方向と図示しないポリイミド配向膜付きガラスの水平配向方向とがなす角度を183°として対向させる。そして、図示しないポリイミド付きガラスのポリイミド配向膜上を離散化処理する。
さらに、ポリイミド配向膜付きガラスの外周部に図示しない熱硬化型のエポキシシール材を印刷する。対向させた配向膜付ガラス基板と離散化処理されたポリイミド配向膜付きガラス基板をエポキシシール材で固定し、2枚のガラス基板間のギャップが13.2μmの液晶セルを形成する。このように対向させた2枚のガラス基板の13.2μmのスペースに液晶分子の長軸が183°ツイストするように調整されたコレスティック液晶モノマーを注入し、挟持させる。
液晶セル内にの屈折率異方性Δnが405nmの波長の光で0.047、660nmの波長の光で0.039、785nmの波長の光で0.038である液晶材料を注入する。液晶材料は、光重合開始剤としてベンゾインニソプロピルエーテルが1%添加されたUV硬化性の液晶モノマー組成物である。
波長365nmのUV光を液晶材料全体に照射し、水平配向状態のまま液晶モノマー組成物全体を重合・固化する。30分間140℃の熱処理をして、厚さ13.2μmの水平配向した高分子液晶層3を形成する。その後、上記の離型化処理されたポリイミド配向膜付きガラス基板を除去する。これより、ガラス基板1上の配向膜2の上に水平配向した13.2μmの厚さでツイスト角Φ=183°の高分子液晶層3からなる第1の位相板101を形成する。
上記と同様のプロセスにより、ガラス基板4上の配向膜5の上に水平配向した9.5μmの厚さでツイスト角Φ=−74°の高分子液晶層6からなる第2の位相板102を形成する。
作成した第1の位相板101に入射する直線偏光の振動方向301を基準として直線偏光の入射する側にある第1位相板101の液晶分子の長軸方向302となす角度θを−17°とする。第1の位相板101に入射する直線偏光方向301を基準として第2の位相板102の第1の位相板101側にある液晶分子の長軸方向304となす角度θを76°となるように配置する。このとき、図4の光学軸の配置図に示すようにツイスト角ΦおよびΦの符号が異なるように配置する。位相板101の上にUV接着剤を滴下し、1000rpmの回転速度で20秒間、5000rpmで100秒間回転させ、UV接着剤の厚さを5μmとする。位相板102を積層し、挟持されたUV接着剤領域に5000mJ、365nmのUV光を照射することによりUV接着剤層7とし、広帯域波長板103を形成する。
最後に、作成した広帯域波長板103を入射する第1の位相板101に入射する直線偏光の振動方向301を基準に、ダイシングソーにより外形5mm×5mmに切断し、光ヘッド装置に適用できる形状とする。切断後、波長633nmのHe−Neレーザーを用いてこの広帯域波長板の透過波面収差を測定すると、25mλrms以下であり、広帯域波長板が光学素子として十分に使用できることが確認される。
作成した広帯域波長板103の第1の位相板101に対して、直線偏光波長をいずれも平行な方向から入射したときの分光測定結果を図5に示す。これより少なくとも460〜780nmの波長領域において良好な楕円率を示し、上記波長領域を含む420〜810nmの波長領域において連続して楕円率が0.9以上となる。直線偏光はいずれも互いに平行に入射され、広帯域波長板103で良好な楕円率となっていることが確認される。
(比較例)
本発明の実施態様とは異なり、液晶のツイスト角がない(Φ=0°、Φ=0°)位相板を2枚積層させるときに得られる特性を比較例として実施する。このとき、第1の位相板を特定波長の2分の1波長板とし、第2の位相板を特定の波長の4分の1波長板となるようにリタデーションを設定する。第1の位相板と第2の位相板を積層するときに直線偏光の光軸とそれぞれの位相板が有する液晶分子の長軸方向がなす角度を調整する。
第1の位相板を5.7μmの厚さでθに相当する角度を17.6°、第2の位相板を2.8μmの厚さでθに相当する角度を72.4°として設定するとき、入射する直線偏光の波長に対する楕円率を図3の従来例に示す。このときは、2つの光ピックアップ用の波長帯(405nm波長帯、660nm波長帯)では楕円率が0.9以上であるが、785nm波長帯では楕円率が0.9未満となり、異なる3つの波長帯すべてにおいて良好な楕円率は得られない。
また、第1の位相板を6.5μmの厚さでθに相当する角度を15.6°、第2の位相板を3.3μmの厚さでθに相当する角度を74.3°として設定するとき、入射する直線偏光の波長に対する楕円率を図5の従来例に示す。このときは、440〜710nmの波長領域では楕円率が連続して0.9以上であるが、710nm以上の波長では0.9未満となり、プロジェクター用途としての460〜780nmの連続した波長領域においては良好な楕円率は得られない。
本発明によれば、異なる3波長以上の単色直線偏光の入射に対して良好な円偏光へ変更する広帯域波長板を提供することができる。したがって、本発明の広帯域波長板は、高密度DVD、DVD、CDの書き込み・読み出しに利用する光ピックアップまたは、プロジェクター等に用いられる。
本発明に係る広帯域波長板の構成を示し、2枚の位相板の側面を模式的に示した図 本発明に係る広帯域波長板の実施例1において、重ねられた2枚の位相板の入射光軸に対する設置角度、位相板の液晶層のツイスト角の角度を示す平面図 本発明に係る広帯域波長板の実施例1において、透過光に対する楕円率の波長依存性を示すグラフ 本発明に係る広帯域波長板の実施例2において、重ねられた2枚の位相板の入射光軸に対する設置角度、位相板の液晶層のツイスト角の角度を示す平面図 本発明に係る広帯域波長板の実施例2において、透過光に対する楕円率の波長依存性を示すグラフ 本発明の広帯域波長板を用いた光ヘッド装置の構成図
符号の説明
1、4 ガラス基板
2、5 ポリイミド配向膜
3、6 高分子液晶層
7 UV接着剤層
101 第1の位相板
102 第2の位相板
103 広帯域波長板
201、301 入射偏光の振動方向
202、302 位相板101の入射偏光側の光学軸
203、303 位相板101の出射偏光側の光学軸
204、304 位相板102の入射偏光側の光学軸
205、305 位相板102の出射偏光側の光学軸
11 3波長レーザーダイオード
21 グレーティング
31 ビームスプリッタ
41 コリメータレンズ
42 対物レンズ
51 光ディスク
61 光検出器

Claims (5)

  1. 所定の異なる3種の波長で入射する直線偏光について偏光状態を変えることにより、4分の1波長板として機能する広帯域波長板であって、前記異なる3種の波長で入射する直線偏光が405nm波長帯に含まれる直線偏光、660nm波長帯に含まれる直線偏光および785nm波長帯に含まれる直線偏光であるか、または、前記異なる3種の波長で入射する直線偏光のうち少なくとも異なる2種の波長を含む連続する波長領域が420〜810nmの直線偏光である広帯域波長板において、
    液晶分子の長軸が厚さ方向に対してツイストされた液晶層を含む複数の位相板が積層され
    入射側から前記複数の位相板を第1の位相板、第2の位相板とすると、前記第1の位相板を構成する液晶層の液晶分子の厚さ方向に対するツイスト角Φを有するツイスト方向と、前記第2の位相板を構成する液晶層の液晶分子の厚さ方向に対するツイスト角Φを有するツイスト方向とが逆になるようにされると共に、前記入射する直線偏光の振動方向と前記第1の位相板の前記入射する直線偏光側の液晶分子の長軸方向とがなす角度をθ、前記入射する直線偏光の振動方向と前記第2の位相板の前記第1の位相板側にある液晶分子の長軸方向とがなす角度をθとしたとき、前記異なる3種の波長で入射する直線偏光、または前記異なる3種の波長で入射する直線偏光のうち少なくとも異なる2種の波長を含む連続する波長領域で入射する直線偏光に対し、前記広帯域波長板から出射する光の楕円率が0.9以上となるようにΦ、Φ、θ、θおよび前記位相板のそれぞれのリタデーションが設定されている
    ことを特徴とする広帯域波長板。
  2. 前記第1の位相板のリタデーションRに対する、前記第2の位相板のリタデーションRの比R/Rが0.6〜1.0であることを特徴とする請求項1に記載の広帯域波長板。
  3. 前記広帯域波長板が2枚の前記位相板で構成されており、前記第1の位相板のツイスト角Φに対する第1の位相板の前記リタデーションRの比R/Φをαとし、前記第2の位相板のツイスト角Φと第2の位相板の前記リタデーションRの比R/Φをαとしたときに、α /α の絶対値が1.6〜2.5であることを特徴とする請求項2に記載の広帯域波長板。
  4. 前記広帯域波長板に入射する異なる波長の直線偏光の振動方向が互いに平行であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の広帯域波長板。
  5. 異なる3種の波長の直線偏光を出射する少なくとも一つの光源と、直線偏光を出射する光を光記録媒体上に集光する対物レンズと、光記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを備えた、光記録媒体の情報の記録・再生を行う光ヘッド装置であって、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中、または前記対物レンズと前記光検出器との間の光路中に、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の広帯域波長板が設置されている光ヘッド装置。
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