JP2005339595A - 光ヘッド装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光の偏光状態を制御する位相板6は、少なくとも1枚の透明基板61を有し、この透明基板61には交差する少なくとも2つの有機系複屈折層である高分子液晶層62、63が積層されており、かつ、高分子液晶層62、63の間にこの形成材料とは異なる材料で、所定条件を満たす有機膜若しくは無機系膜の配向膜64、65を設けるか、または有機膜もしくは無機系膜を介在させずに有機系複屈折層どうしを直接積層してある。
【選択図】 図2
Description
この光ヘッド装置は、例えば図6に示すように、光記録媒体であるCD110(またはDVD120)での情報の読取や書込みを行う場合、光源102Aである半導体レーザを用い、ここから出射する光をコリメータレンズ103Aで平行光とし、そのままビームスプリッタプリズム104を透過させた後、対物レンズ105を用いてCD110(またはDVD120)の記録面上に集光し、情報の読取りまたは書込みを行う。
一方、この装置によりDVD120(またはCD110)の情報の読取や書込みを行うため、前述の光源102Aとは別の光源102Bの光を用いる場合には、コリメータレンズ103Bで平行光とした後、ビームスプリッタプリズム104で反射させて光路を折曲し、光源102Aからの光が進行する光路方向に進行させて、対物レンズ105を用いてDVD120(またはCD110)の記録面上に集光し、情報の書き込みまたは読み取りを行う。なお、ここで、受光系は、説明を分かりやすくするため省略した。
(1)第1の問題点は、信頼性の問題で、この位相板を高温高湿下で保管すると、この有機層が厚いことにより大量の水分を含むことになる。これにより、位相板の透過波面収差が劣化する。特に位相板材料としてポリカーボネートのような有機フィルム(約80μm)を用いると水分を吸湿してしまい、透過波面収差の劣化が大きいので、波面収差歩留まりが非常に低く、コスト高となっていた。
(2)第2の問題点は、これらの有機層を接着剤で積層する際にひずみが生じ波面収差を劣化させ生産歩留まりの低下を招いた。この接着層の厚さも厚ければ厚いほどそのひずみは大きくなる。
(3)第3の問題点は、この位相板を切断したり、他の光学部品に積層する際に、柔らかい有機層が厚いために素子にひずみが入りやすく、波面収差を劣化させた。
(4)第4の問題点は、積層フィルムの厚さに加えて、基材としてのガラスが存在するために小型・軽量化には適していなかった。
これら4つの問題点のうち第2および第3の問題点は、比較的やわらかい有機層が厚くて、歪みやすいためと考えられる。
前記位相板は、少なくとも1枚の透明基板を有し、前記透明基板には、交差する少なくとも2つの有機系材料により形成された有機系複屈折層が積層されており、かつ、
前記積層された有機系複屈折層間にこの有機系複屈折層の形成材料とは異なる材料で所定の反射制御式を満たす関係に形成された有機膜若しくは無機系膜を設けるか、または前記有機膜もしくは無機系膜を介在させずに前記有機系複屈折層どうしを直接積層してあることを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
図1は、本発明の光ヘッド装置1を示すものであり、この光ヘッド装置1は、光ディスクDに記載された情報の読取および/または記録を行う図示外の光記録再生装置に搭載されており、光ディスクDの種類に応じて異なる光を使い分けるために、それぞれ、波長が異なる光を出射する2つの光源2A、2Bと、この光源2A、2Bからの光を平行光とするコリメータレンズ3A、3Bと、光の偏光方向に応じて透過または反射する偏光ビームスプリッタプリズム4と、入射する光の偏光状態を制御する位相板6と、この光を情報の記録を行うために光ディスクDへ集光させる対物レンズ5と、光ディスクDで反射する戻り光を入射して情報の読取りを行う図示外の受光光学系とを備えている。
この配向膜64、65には、例えば、有機系の配向膜を用いる場合、例えばポリイミド膜が適しているが、そのほか配向機能を有する各種の有機系膜でもよい。また、斜方蒸着で成膜した酸化ケイ素等の無機系膜を用いてもよい。さらには、磁場下に基板を設置し、所定に方向に磁場を印加させることにより配向させ、その状態で重合させる磁場配向方法によっても作製することもできる。この場合、上記の配向膜64、65は不要となる。
なお、有機系複屈折層間の媒体である第1、第2の配向膜64、65は、界面(フレネル)反射による透過損失が発生するおそれがあるため、配置しないのが望ましいが、配置する場合は、屈折率が近いものが望ましく、屈折率が異なる場合は、膜の厚さをd、屈折率をn、使用波長をλcとした場合、次式
図2に示すように、初めに、ガラス基板61上に配向制御のための第1配向膜64を成膜し、ラビングにより配向制御を行った後、液晶モノマーをコータにより所望の膜厚になるように塗布し、液晶モノマーを配向させ、UV光を用いて光重合させ、高分子液晶層62を成膜した。
その後、同様にして第2配向膜65を成膜し、所望の特性が出るように第1の高分子液晶層62の光軸(この場合は、ラビング軸)を交差させるようにラビング配向処理を行った。
その後、同様の方法で、液晶モノマーをコータにより塗布し配向させて、UV光により光重合し第2の高分子液晶層63を成膜した。ここで、第1、第2の高分子液晶層62、63は、透湿性を考慮して、10μm以下とする。また、界面反射による透過損失をできるだけ抑制するために、第1、第2の配向膜64、65は、前述した反射制御式を満たすものとする。
なお、前述のコート法を用いると、層厚を制御しやすく、また生産性をあげることができる。コート法としては、スピンコート法やドクターブレード法などを挙げることができる。
また、空気との界面となる高分子液晶層63の表面に、図示しない無反射膜(ARコート)を設けることで、表面反射が低減でき好ましい。また、透明基板61にも、同様の反射防止膜を成膜するのが好ましい。
なお、上記した図2、3では、高分子液晶層63が透明基板66(図4参照)でカバーされていない構造であるため、材料・プロセスを削減でき、低コスト化の点で好ましく、薄型・軽量化の点でも好ましい。特に、この構成式は、低分子液晶を用いた収差補正素子、複屈折材料に格子を形成して作製する偏光ホログラム素子等と組み合わせて、積層構造とする場合に有利である。
また、これらの膜の外面に界面反射低減のための反射防止膜を成膜し、反射防止膜特性を合わせて制御することも可能である。即ち、膜の厚さ及び屈折率を、使用する波長に対して、前述した反射防止式の条件を満たすように設定して、界面反射を防止するのが望ましい。
そのほか、有機系複屈折層のレタデーション値と光軸方向とを組み合わせることにより、任意の波長において偏光制御を行うことができる。
(比較例)
初めに、比較例の位相板について説明する。
図7に示す位相子(位相板200)を作成するため、使用波長の無反射膜(ARコート)を設けた厚さ0.3mmのガラス基板201、202の間に、二つの使用中心波長660nmと790nmとの平均波長725nmにおいて1/2波長(約362nm)のレタデーション値をもつ位相板(ポリカーボネート製の複屈折フィルム)203と、レタデーション値がその約半分(約181nm)となる位相板(ポリカーボネート製の複屈折フィルム)204を接着層206〜208により接着した。
この時、位相板(ポリカーボネート製の複屈折フィルム)203、204は、光軸(この場合は延伸方向)を入射偏光方向に対してそれぞれ約75度、約15度となるように調整して貼り付けた。また、接着層206〜208の厚さは約5μmで、位相板(ポリカーボネート製の複屈折フィルム)203、204の厚さは、それぞれ約70μm、約65μmであった。
このようにして作成した位相板200をダイシング・ソーにより、5mm角の形状に素子化した。
次に、前述した比較例と光学的に同等の構成の実施例を、二層の高分子液晶を用いて製作した場合を、図2にしたがって説明する。
(1)初め、使用波長に対して無反射コート(ARコート)を成膜した0.3mmの基板61の上にポリイミド(日産化学社製ポリイミド膜:SE1410)の配向制御層64を成膜焼成した。
(2)その後、ラビングすることにより配向処理を行った。この時のラビング角度は入射偏光方向に対して約75度とした。
(3)その後、液晶モノマーをコータにより均一に塗布し、窒素雰囲気下でUV光源により5000mJ/cm2のUV光を照射させることにより、液晶モノマーを硬化させ高分子液晶層62を成膜した。この時の膜厚は約1.8μmで、レタデーション値は、波長725nmにおいて約360nmであった。
(4)さらに、ポリイミド(日産化学社製ポリイミド膜:SE1410)の配向制御層65を成膜焼成した。
(5)その後、ラビングすることにより配向処理を行った。この時のラビング角度は、入射偏光方向に対して約15度とした。
(6)その後、液晶モノマーをコータにより均一に塗布し、窒素雰囲気下でUV光源により5000mJ/cm2のUV光を照射させることにより、液晶モノマーを硬化させ高分子液晶層63を成膜した。このとき、膜厚は約0.9μmで、レタデーション値は、波長725nmにおいて約180nmの膜を形成した。
ここで、上記した比較例と実施例において作成した位相板6、200について、これらの特性比較を行うために、高温高湿保存試験を行った。このときの試験条件は、温度60℃、湿度90%にて300時間保存し、取り出した24時間後に測定した。素子サンプルは5個として、測定は、ザイゴ(ZYGO)社干渉計を用いて、測定波長633nm、測定径φ4.3mmで位相の傾き成分(Tilt)、位相のパワー成分(Power)、位相のDCオフセット成分(Piston)を除去した形で透過波面収差を測定した。結果の平均は、表1のようになった。
いずれの素子も、初期特性ではDVD、CDとも良好な記録および再生特性を示した。一方、高温高湿試験結果においては、実施例の光ヘッド装置1での位相板6に関してはほとんど問題ない特性レベルであったのに対して、比較例の光ヘッド装置100では、読取りや書込みのできないものがあった。これは、高温高湿試験下において、比較例での光ヘッド装置100においては、位相板200の透過波面収差が大きく変化してしまったためであると考えられる。
2A、2B 光源
3A、3B コリメータレンズ
4 ビームスプリッタプリズム
5 対物レンズ
6 位相板
61、66 透明基板
62、63 高分子液晶層(有機系複屈折層)
64、65 配向膜(配向制御層)
67 接着層
68 ハードコート層
D ディスク
Claims (5)
- 光源と、この光源から出射する光を光記録媒体へ集光する対物レンズと、前記光記録媒体によって反射された光を検出する光検出器と、前記光源と対物レンズとの間、または前記光検出器と対物レンズとの間の光路中に設けた光の偏光状態を制御する位相板とを備える光ヘッド装置において、
前記位相板は、少なくとも1枚の透明基板を有し、前記透明基板には、交差する少なくとも2つの有機系材料により形成された有機系複屈折層が積層されており、かつ、
前記積層された有機系複屈折層間にこの有機系複屈折層の形成材料とは異なる材料で所定の反射制御式を満たす関係に形成された有機膜若しくは無機系膜を設けるか、または前記有機膜もしくは無機系膜を介在させずに前記有機系複屈折層どうしを直接積層してあることを特徴とする光ヘッド装置。 - 前記有機系複屈折層は、前記一枚の透明基板に固定され積層されているとともに、光学的等方性基板にてカバーされている請求項1に記載の光ヘッド装置。
- 前記有機系複屈折層は、一枚の透明基板に固定され積層された最上層が、前記反射制御式を満たし、前記有機系複屈折材料とは異なる前記有機膜または無機系膜でカバーされている請求項1に記載の光ヘッド装置。
- 前記有機系複屈折層は、液晶性モノマーが硬化された高分子液晶膜である請求項1から3のいずれか1項に記載の光ヘッド装置。
- 前記有機系複屈折層は、コート法によって形成される請求項1から4のいずれか1項に記載の光ヘッド装置。
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JP2008021368A (ja) * | 2006-07-13 | 2008-01-31 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 波長選択性偏光ホログラム素子の製造方法 |
JP2011227429A (ja) * | 2009-06-19 | 2011-11-10 | Nitto Denko Corp | 光学フィルムの製造方法、光学フィルムおよび画像表示装置 |
KR101142674B1 (ko) | 2009-09-09 | 2012-05-10 | 광운대학교 산학협력단 | 유연성 있는 gbo 반사 편광 기판상에 제작된 편광 발광성 유기 발광 소자 |
US9581747B2 (en) | 2009-06-19 | 2017-02-28 | Nitto Denko Corporation | Method for producing optical film, optical film, laminated polarizing plate, and image display |
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2004
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