JP2002250815A - 2波長用位相板および光ヘッド装置 - Google Patents
2波長用位相板および光ヘッド装置Info
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Abstract
45°回転させ、790nm波長帯の直線偏光に対し直
線偏光を円偏光化する2波長用位相板を得て、この位相
板を用いて再生信号のジッター値の低い光ヘッド装置を
得る。 【解決手段】複屈折性を有する2枚の有機物薄膜13
A、13Bが、それぞれの光軸が24°の角度で交差す
るように重ねられて透明基板11、14に固定されてお
り、有機物薄膜13Aは、593nmのリタデーション
値を有し、有機物薄膜13Bは395nmのリタデーシ
ョン値を有している2波長用位相板101を構成し、2
波長用位相板101を光ヘッド装置のコリメートレンズ
と対物レンズとの間の光路中に設置する。
Description
び光ヘッド装置に関し、特に660nm波長帯および7
90nm波長帯の2種の光を透過する2波長用位相板、
およびこの2波長用位相板を用いた情報の記録および/
または再生を行う光ヘッド装置に関する。
光磁気ディスクなどの光記録媒体に情報の記録および/
または再生を行う光ヘッド装置において、光源である半
導体レーザからの出射光は対物レンズにより光記録媒体
上に集光され、光記録媒体で反射して戻り光となる。こ
の戻り光はビームスプリッタを用いて光検出器である受
光素子に導かれ、光記録媒体上の情報が電気信号に変換
される。
る光記録媒体であるCDおよびDVDの情報の記録およ
び/または再生を行うため、CDとDVDとの互換光ヘ
ッド装置(以下、単に互換光ヘッド装置という)が製品
化されている。光記録媒体の記録層として、光の反射・
吸収に対して波長依存性の大きい媒質を用いる、CD−
Rなどの記録および/または再生を前提とした光記録媒
体においては、CDに用いられる半導体レーザは790
nm波長帯のものである。このとき、DVDには660
nm波長帯の半導体レーザが用いられる。
録および/または再生特性を向上するために、半導体レ
ーザからの出射光を光記録媒体に集光するとき、出射光
の偏光状態を制御する方法が提案されている。特に、D
VD再生時のジッター特性を向上するため、出射光の光
路中に1/2波長板または旋光子を挿入し、DVDのト
ラック方向に対し、45°の振動方向を有する直線偏光
を入射することが有効である。
定化(これにより、記録特性が向上)のために、半導体
レーザから光記録媒体に至る光路中に、1/4波長板を
挿入することが有効である。すなわち、この挿入により
半導体レーザからの出射光と半導体レーザへの戻り光と
による不要な干渉を防止できる。このとき、半導体レー
ザの出射光は光記録媒体への集光時に円偏光となってい
る。
のようにCDおよびDVDに対し、それぞれ異なる偏光
状態で出射光を集光させるためには、次のことを行う必
要があった。すなわち、CD用の半導体レーザ出射光の
光路とDVD用の半導体レーザ出射光の光路とで共通
(共有)となっていない光路上に、それぞれの偏光状態
を制御するための位相板を配設する。
品数の低減と小型化の妨げとなっているため、CD用と
DVD用の2つの半導体レーザ出射光の共通の光路上
に、一つの位相板でおのおのの偏光状態を制御できる2
波長用位相板の開発が望まれていた。
決するためになされたものであり、660nm波長帯お
よび790nm波長帯の2種の直線偏光を透過させて用
いる2波長用位相板であって、2波長用位相板は複屈折
性を有する2枚の有機物薄膜が、それぞれの光軸が19
〜29°の範囲にある角度で交差するように重ねられて
透明基板に固定されており、2枚の有機物薄膜のうち、
一方の有機物薄膜は533〜652nmの範囲にあるリ
タデーション値を有し、他方の有機物薄膜は356〜4
34nmの範囲にあるリタデーション値を有しているこ
とを特徴とする2波長用位相板を提供する。
波長帯の2種の直線偏光を出射する光源と、出射された
2種の直線偏光を光記録媒体に集光する対物レンズと、
集光された2種の直線偏光の光記録媒体からの反射光を
検出する光検出器とを備え、光記録媒体に情報の記録お
よび/または再生を行う光ヘッド装置であって、光ヘッ
ド装置の光源と対物レンズとの間の光路中に上記の2波
長用位相板が設置されていることを特徴とする光ヘッド
装置を提供する。
0nm波長帯(以下、波長λ1ということもある)およ
び790nm波長帯(以下、波長λ2ということもあ
る)の2種の直線偏光を透過させて用いるものであり、
複屈折性を有する2枚の有機物薄膜が重ねられ、さらに
透明基板に重ねられた構造を有している。660nm波
長帯の直線偏光とは波長が640〜680nmの範囲に
ある光であり、790nm波長帯の直線偏光とは波長が
770〜810nmの範囲にある光である。2波長用位
相板の構造としては、重ねられた有機物薄膜が1枚の透
明基板に固定されていてもよく、2枚の透明基板の間に
サンドイッチ状に挟まれて固定されていてもよい。
細に説明する。本発明の2波長用位相板は、例えば図1
に示すように、透明基板11と透明基板14との間に、
2枚の有機物薄膜13Aおよび13Bを挟み、接着剤1
2A、12Bを用いて固定する構成である。波長λ1お
よび波長λ2の光が透明基板11側から2波長用位相板
101にそれぞれ入射する。
ポリカーボネートなどの有機材料を延伸させることによ
り延伸方向に光軸の揃った複屈折性膜である。790n
m波長帯の光に対し、有機物薄膜13Aのリタデーショ
ン値は593nm(=3×790/4nm)を中心値と
する533〜652nmの範囲にあり、一方、有機物薄
膜13Bのリタデーション値は395nm(=1×79
0/2nm)を中心値とする356〜434nmの範囲
にある。
膜13Bの光軸とのなす角度θは24°を中心値とする
19〜29°の範囲の値をとる。角度θが24°のとき
後述するように本発明の効果が最も大きく、好ましい。
しかし、19〜29°の範囲の値であれば本発明の効果
を有する。リタデーション値の中心値である593nm
および395nmも、本発明の効果が最も大きい値であ
る。以下では、角度θが24°、有機物薄膜13Aのリ
タデーション値は593nm、有機物薄膜13Bのリタ
デーション値は395nmとして説明する。
および13Bとして、透明基板11および14上に塗布
した配向膜用の膜に、所望の配向処理を施した後、複屈
折性材料である液晶モノマーの溶液を塗布し、光重合用
の光源光を照射することで重合硬化させた高分子液晶を
用いることもできる。この場合、有機物薄膜13Aおよ
び13Bを透明基板11および14に固定する接着剤1
2Aを用いることなく位相板を形成できて好ましい。
は、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステ
ル系、ポリイミド系、ウレア系、メラミン系、フラン
系、イソシアネート系、シリコーン系、セルロース系、
酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ゴム系やそれらの混合系
のものを使用できる。接着剤はUV硬化型や熱硬化型で
あれば作業性がよく好ましいが、これらに限定されな
い。接着剤は平滑に一定厚さで薄く塗布することが、入
射光の波面収差の補正を良好にするために必要である。
塗布の方法としては、スピンコート、ロールコートなど
の方法を用いると作業性が優れ、また厚さの制御が容易
であるため好ましい。
に平坦なガラス基板、プラスチック基板などを使用でき
る。また、透明基板の表面にフォトリソグラフィやエッ
チングなどの技術を用いて回折格子を加工して、光を回
折させる機能を発現させてもよい。上述のように構成さ
れた2波長用位相板に入射する660nm波長帯の光と
790nm波長帯の光は、偏光方向が互いに平行または
垂直な直線偏光であるとして、660nm波長帯の光の
偏光方向と有機物薄膜13Aの光軸とが、45°の角度
をなすように入射し、2波長用位相板を透過すること
で、660nm波長帯の光の偏光方向は45°回転し、
790nm波長帯の光は円偏光となる。
する。本発明の光ヘッド装置は、660nm波長帯の光
と790nm波長帯の2種の直線偏光を出射する光源
と、出射された2種の光を光記録媒体に集光する対物レ
ンズと、集光された2種の光の光記録媒体からの反射光
を検出する光検出器とを備えている。光源としては、通
常半導体レーザが使用される(ディスクリートな半導体
レーザ、または2波長用半導体レーザのいずれを用いて
もよい)。
体に情報の記録および/または再生を行う装置であっ
て、光ヘッド装置の光源と対物レンズとの間の光路中に
上記の2波長用位相板が設置されている。ここで、情報
の記録および/または再生を行う装置とは、情報の記録
と再生を行う装置、またはいずれかを行う装置という意
味である。また、光源と対物レンズとの間の光路中と
は、光源とコリメートレンズとの間の光路中でもよく、
コリメートレンズと対物レンズとの間の光路中であって
もよい。コリメートレンズと対物レンズとの間にある方
が、平行光(平面波)が位相板に入射するため、位相板
の作製が容易となり好ましい。
図2において、半導体レーザ1Aを出射した、DVD用
の660nm波長帯の光はビームスプリッタ2により反
射され、進行方向が90°変更されてビームスプリッタ
3を透過後、コリメートレンズ4により平行光となり、
本発明の2波長用位相板101に入射する。2波長用位
相板101を透過後、この波長帯の直線偏光は、その偏
光方向を45°回転され、対物レンズ5によって、光記
録媒体である光ディスク6の情報記録面上に集光され
る。
れ、対物レンズ5によって、再び平行光となり2波長用
位相板101に入射する。2波長用位相板101を透過
後、この波長帯の光の偏光方向は、往路の偏光方向と平
行になり、コリメートレンズ4、ビームスプリッタ3、
ビームスプリッタ2の順に透過して光検出器8上に集光
される。
系の790nm波長帯の光はビームスプリッタ3により
反射され、コリメートレンズ4により平行光とされ、本
発明の2波長用位相板101に入射する。2波長用位相
板101を透過後、この波長帯の直線偏光は、円偏光に
変換され、対物レンズ5によって、光ディスク6の記録
面上に集光する。光ディスク6で反射された円偏光は、
対物レンズ5によって、再び平行光となり、2波長用位
相板101に入射する。2波長用位相板101を透過し
た光の偏光方向は、往路の偏光方向に垂直になった後、
コリメートレンズ4、ビームスプリッタ3、ビームスプ
リッタ2の順に透過して光検出器8上に集光される。
系の光記録媒体の情報の記録および/または再生時に、
光記録媒体のトラック方向に対し45°の偏光方向を有
する直線偏光を入射することが、再生信号のジッター値
の低下すなわち再生特性を大きく向上できるので極めて
好ましい。2枚の有機物薄膜のそれぞれの光軸のなす角
度が19°のときは、トラック方向に対し直線偏光は5
5°となり、それぞれの光軸のなす角度が29°のとき
は、トラック方向に対し直線偏光は35°となり、35
〜55°の範囲の角度でジッター値の低下があり好まし
い。
よび/または再生時に、光記録媒体からの半導体レーザ
への反射(戻り)光と半導体レーザからの出射光のそれ
ぞれの偏光方向を直交させて不要な干渉を防止できる。
したがって、記録時の半導体レーザの出力の安定化を図
ることができ、光記録媒体への記録特性が向上する。
板を用いて説明する。屈折率が1.5である透明基板1
1に、ポリカーボネートを延伸して複屈折性を発現させ
た有機物薄膜13Aをポリエステル系のUV硬化型接着
剤12Aによって固定する。有機物薄膜13Aのリタデ
ーション値は592.5nmである。
複屈折性を発現させ、リタデーション値が395nmで
ある有機物薄膜13Bをポリエステル系のUV硬化型接
着剤12Bによって固定する。このとき、有機物薄膜1
3Aと有機物薄膜13Bのそれぞれの光軸のなす角度θ
が24°になるように固定する。さらに、屈折率が1.
5である透明基板14をポリエステル系のUV硬化型接
着剤12Aを用いて貼り合わせることにより、2波長用
位相板101を作製する。
01に波長λ1が660nmの直線偏光と、波長λ1が7
90nmの直線偏光を、透明基板11側から入射する。
このとき、前記2つの直線偏光の偏光方向は互いに平行
で、その偏光方向と有機物薄膜13Aの光軸とが45°
の角度をなすように入射する。その結果、波長660n
mの光は、透明基板14側から見て偏光方向を反時計回
りに45°回転させて出射し、波長790nmの光は、
円偏光となって出射する。
101を、図2に示す光ヘッド装置のようにコリメート
レンズ4と対物レンズ5との間の光路中に設置する。こ
こでは、2波長用位相板101(図1参照)の透明基板
11は、コリメートレンズ4と対向している。すなわ
ち、DVD系の波長660nmの光を発振する半導体レ
ーザ1AおよびCD系の波長790nmの光を発振する
半導体レーザ1Bから出射した2種の直線偏光が、2波
長用位相板101に、透明基板11側から入射すること
になる。
平行になるように半導体レーザ1Aおよび1Bは設置さ
れており、この偏光方向と、2波長用位相板101を構
成する有機物薄膜13Aとの光軸のなす角度が45°に
なるように、光ヘッド装置に2波長用位相板101を設
置する。
て、光記録媒体である光ディスク6に集光される、DV
D系の波長660nmの光は、偏光方向が光ディスク6
のトラックの方向に対し45°の角度をなしており、一
方光ディスク6に集光される、CD系の波長790nm
の光は、円偏光になっている。光ディスク6の記録面上
で反射する復路光(戻り光)は、対物レンズ5によっ
て、再び平行光となり、2波長用位相板101を透過す
る。2波長用位相板101を透過する復路光のうち、D
VD系の波長660nmの光の偏光方向は、往路光の偏
光方向と平行になり、CD系の波長790nmの偏光方
向は、往路光の偏光方向と垂直になった後、コリメート
レンズ4によって光検出器8上に集光する。その結果、
DVD系の光ディスクにおける再生信号のジッター値の
低下が実現して再生特性が向上し、一方、CD系の光デ
ィスク記録時の半導体レーザの出力の安定化が実現して
記録特性が向上する。
位相板は、積層された一枚の位相板でありながら、66
0nm波長帯および790nm波長帯の光のうち、66
0nm波長帯の直線偏光に対し、偏光方向を45°回転
させ、790nm波長帯の直線偏光に対し、直線偏光を
円偏光化する位相特性を示す。
の互換光ヘッド装置に搭載することで、DVD系の光デ
ィスクにおける再生信号のジッター値の低下が実現して
再生特性を向上でき、CD系の光ディスク記録時の半導
体レーザの出力の安定化が実現して記録特性を向上でき
る。
構成を示す断面図。
成を示す概念図。
Claims (2)
- 【請求項1】660nm波長帯および790nm波長帯
の2種の直線偏光を透過させて用いる2波長用位相板で
あって、2波長用位相板は複屈折性を有する2枚の有機
物薄膜が、それぞれの光軸が19〜29°の範囲にある
角度で交差するように重ねられて透明基板に固定されて
おり、2枚の有機物薄膜のうち、一方の有機物薄膜は5
33〜652nmの範囲にあるリタデーション値を有
し、他方の有機物薄膜は356〜434nmの範囲にあ
るリタデーション値を有していることを特徴とする2波
長用位相板。 - 【請求項2】660nm波長帯および790nm波長帯
の2種の直線偏光を出射する光源と、出射された2種の
直線偏光を光記録媒体に集光する対物レンズと、集光さ
れた2種の直線偏光の光記録媒体からの反射光を検出す
る光検出器とを備え、光記録媒体に情報の記録および/
または再生を行う光ヘッド装置であって、光ヘッド装置
の光源と対物レンズとの間の光路中に請求項1記載の2
波長用位相板が設置されていることを特徴とする光ヘッ
ド装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001047195A JP4649748B2 (ja) | 2001-02-22 | 2001-02-22 | 2波長用位相板および光ヘッド装置 |
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