JP4460792B2 - Vaモードの液晶表示装置用光学補償シートおよびvaモードの液晶表示装置 - Google Patents

Vaモードの液晶表示装置用光学補償シートおよびvaモードの液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、VAモードの液晶表示装置用光学補償シートおよびVAモードの液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置に用いられる光学補償シート(位相差フイルム)としては、ポリカーボネートフイルムや、ポリスルホンフイルム、ポリスチレンフイルム、ポリビニルアルコールフイルムなどのようなレターデーション値が高い合成ポリマーフイルムが広く用いられている。
それに対してセルロースアセテートフイルムは、上記ポリマーフイルムと比較して光学的等方性が高いことが知られており、レターデーション値を高くすることは困難であった。従って、光学的等方性が要求される用途、例えば偏光板には、セルロースアセテートフイルムを用いることが普通であった。しかし、欧州特許0911656A2号明細書に、従来の一般的な原則を覆して、光学的異方性が要求される用途にも使用できる高いレターデーション値を有するセルロースアセテートフイルムが開示されている。このセルロースアセテートフイルムを偏光板と液晶セルの間に挿入することにより表示品位の高い液晶表示装置の得られることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような光学補償シートに用いられるポリマーフイルムの製造工程において、フイルムに擦り傷が生じる問題があった。また、フイルムから擦り傷に由来するゴミが発生して、そのゴミがフイルムに付着するなどの問題もあった。そしてこのような擦り傷とゴミの発生そして付着を防止するためにウェブハンドリングがしにくいという問題があった。
また、ポリマーフイルムからなる光学補償シートは、通常、偏光板と貼り合わされた後、液晶表示装置に偏光板と共に貼り合わされる。このような貼り合わせ工程においても、フイルムロール搬送時に擦り傷が発生したりゴミが付着したりする問題があった。擦り傷や付着したゴミは、液晶表示装置上で欠陥として見えるという問題があった。
本発明の目的は、擦り傷の発生と、ゴミの発生や付着が抑えられる光学補償シート、およびそれを用いた偏光板と液晶表示装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、光学補償シートに用いられるポリマーフイルムの表面の引掻き強度を1g以上とすることで、ポリマーフイルムに生じる擦り傷を防止し、ゴミの発生や付着が防止できることを見出した。引掻き強度を1g以上とする方法の詳細については後述する。
本発明の目的は、下記(1)〜(10)のVAモードの液晶表示装置用光学補償シートおよび(11)、(12)のVAモードの液晶表示装置により達成された。
(1)面内レターデーションの値が20乃至70nmの範囲にあって、かつ厚み方向のレターデーションの値が70乃至240nmの範囲にあるセルロースエステルフイルムからなり、該セルロースエステルフイルムの少なくとも一方の表面の引掻き強度が1g以上であるVAモードの液晶表示装置用光学補償シートであって、面内レターデーションの値が20乃至70nmの範囲にあって、かつ厚み方向のレターデーションの値が70乃至240nmの範囲にあることを特徴とするVAモードの液晶表示装置用光学補償シート。
なお、セルロースエステルフイルムの面内レターデーションおよび厚み方向のレターデーションはそれぞれ下記(I)式および下記(II)式により定義される。
(I)Re=(nx−ny)×d
(II)Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式中、nxおよびnyは、セルロースエステルフイルムの面内屈折率であり、nzは、厚み方向の屈折率であり、そしてdは、セルロースエステルフイルムの厚さである。
そして引掻き強度の値は、円すい頂角が90度で、先端の直径が0.25mmのサファイア針を用いて光学補償シートの表面を引掻き、引掻跡が目視で認められた時の加重(g)を意味する。
【0005】
(2)セルロースエステルフイルムの当該表面の動摩擦係数が0.40以下であることを特徴とする(1)に記載の光学補償シート。
(3)セルロースエステルフイルムの少なくとも一方の面に、表面抵抗率が1012Ω/□以下である透明導電層が設けられ、そして透明導電層を有するセルロースエステルフイルムのヘイズが2.0%以下であることを特徴とする(1)もしくは(2)に記載の光学補償シート。
(4)セルロースエステルに対して、平均粒子径が1.0μm以下である二酸化ケイ素の微粒子を0.001乃至0.3質量%の量で含むことを特徴とする(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載の光学補償シート。
【0006】
(5)セルロースエステル100質量部に対して、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物が0.01乃至20質量部の範囲で含まれていることを特徴とする(1)に記載の光学補償シート。
(6)セルロースエステルフイルムが、3乃至100%の範囲の倍率で延伸された延伸物であることを特徴とする(1)に記載の光学補償シート。
(7)セルロースエステルがセルロースの混合脂肪酸エステルであることを特徴とする(1)に記載の光学補償シート。
【0007】
(8)セルロースエステルがセルロースアセテートプロピオネートであることを特徴とする(1)に記載の光学補償シート。
(9)表面層におけるセルロースエステルに対する微粒子の添加量が、該フイルムから表面層を除いた層におけるセルロースエステルに対する微粒子の添加量より多いことを特徴とする(4)に記載の光学補償シー
【0008】
(10)二酸化ケイ素の微粒子が、表面処理により粒子表面にメチル基が導入されていることを特徴とする(4)に記載の光学補償シート
(11)VAモードの液晶セルその両側に配置された二枚の偏光板およびバックライトからなる液晶表示装置であって、二枚の偏光板がいずれも偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなり、VAモードの液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の透明保護膜のうち、少なくとも一枚が(1)乃至(10)のうちのいずれかに記載の光学補償シートでありバックライト側の偏光膜の透過軸が左右方向に、そして、バックライト側とは反対側となる観察者側の偏光膜の透過軸が上下方向となるようにクロスニコル配置として、さらに該光学補償シートの遅相軸と偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されていることを特徴とするVAモードの液晶表示装置。
【0009】
(12)VAモードの液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の透明保護膜がいずれも(1)乃至(10)のうちのいずれかに記載の光学補償シートであることを特徴とする(11)に記載の液晶表示装置。
なお、本明細書において、「実質的に平行」とは、厳密な角度よりも±3°未満の範囲内であることを意味する。この範囲は、±2°未満であることが好ましく、±1°未満であることがさらに好ましい。
【0010】
【発明の効果】
本発明者は、光学補償シートに用いられるセルロースエステルフイルム(以下、ポリマーフイルムと略す場合がある)の引掻き強度を1g以上とすること、さらに好ましくは透明導電層を設けることで、擦り傷の発生、およびゴミの発生や付着が防止され、液晶セルを(ゴミに由来する表示欠陥なく)光学的に補償することに成功した。
ポリマーフイルム(好ましくはセルロースアセテートフイルム)への添加剤(具体的には、二つの芳香族環を有する芳香族化合物)の種類と量あるいは製造条件(例えば、フイルムの延伸条件)を調節することによって、Reレターデーション値が20乃至70nmの範囲にあり、Rthレターデーション値が70乃至240nmの範囲にあるポリマーフイルムが得られる。このポリマーフイルムは、VAモードの液晶セルを光学的に補償するために充分な光学的異方性を有しており、光学補償シートとして用いることができる。
本発明においては、光学補償シートに用いられるポリマーフイルムに、1.0μm以下の平均粒子径を有する微粒子を添加することで、ヘイズが2.0%以下であり、かつ表面の動摩擦係数が0.40以下である、引掻き強度に優れ、ゴミ付着のない光学補償シートを得ている。
【0011】
なお、酢化度が57.0%未満のセルロースアセテートを使用すると、上記の光学的異方性を容易に達成できる。酢化度が57.0乃至61.5%であるセルロースアセテートを使用し、他の手段(上記の添加剤や製造条件の調節)で上記のレターデーション値を達成することもできる
偏光板の保護膜は、一般にセルロースアセテートフイルムからなる。上記のポリマーフイルム(好ましくはセルロースアセテートフイルム)からなる光学補償シートを偏光板の一方の保護膜として用いると、偏光板の構成要素の数を増加することなく、偏光板に光学補償機能を追加することができる。
上記のポリマーフイルム(好ましくはセルロースアセテートフイルム)からなる光学補償シートおよび上記のセルロースアセテートフイルムを保護膜として用いた偏光板は、VA(Vertically Aligned)型の液晶表示装置に、特に有利に用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
[ポリマーフイルムのレターデーション]
フイルムのReレターデーション値およびRthレターデーション値は、それぞれ、下記式(I)および(II)で定義される。
(I) Re=(nx−ny)×d
(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率である。
式(I)および(II)において、nyは、フイルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率である。
式(II)において、nzは、フイルムの厚み方向の屈折率である。
式(I)および(II)において、dは、単位をnmとするフイルムの厚さである。
【0013】
本発明では、ポリマーフイルムのReレターデーション値を20乃至70nmの範囲に、そしてRthレターデーション値を70乃至240nmの範囲に調節する。
液晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフイルムを使用する場合、フイルムのRthレターデーション値は70乃至240nmであることが好ましい。
液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフイルムを使用する場合、フイルムのRthレターデーション値は150乃至240nmであることが好ましい。
なお、ポリマーフイルムの複屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00025乃至0.00088であることが好ましい。また、ポリマーフイルムの厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}は、0.00088乃至0.005であることが好ましい。
さらに、面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の屈折率nzが、1≦(nx−nz)/(nx−ny)≦2の関係を満足する位相差板であることが好ましい。
【0014】
[フイルムの遅相軸角度]
ポリマーフイルム面内における遅相軸の角度は、ロール状フイルムの幅方向を基準線(0°)とし、遅相軸と基準線のなす角度で定義する。時計回りを+とする。
遅相軸角度の平均値の絶対値は3°以下であることが好ましく、2°以下であることがさらに好ましく、1°以下であることが最も好ましい。遅相軸角度の平均値の方向を遅相軸の平均方向と定義する。
また、遅相軸角度の標準偏差は1.5°以下であることが好ましく、0.8°以下であることがにさら好ましく、0.4°以下であることが最も好ましい。
【0015】
[ポリマー]
本発明のポリマーフイルムに用いられるポリマーとしては、ポリカーボネートや、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリビニルアルコールなどのような合成ポリマーや天然物に由来するセルロース誘導体が用いられる。その中でも、セルロースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルロースアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。セルロースアセテートの酢化度は、57.0乃至61.5%であることが好ましい。
酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
セルロースアセテートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
また、本発明に使用するセルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、例えばクロロホルム溶液中において、1.0乃至1.7であることが好ましく、1.3乃至1.65であることがさらに好ましく、1.4乃至1.6であることが最も好ましい。
【0016】
[レターデーション上昇剤]
ポリマーフイルム(好ましくはセルロースアセテートフイルム)のレターデーションを調整するため、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することが好ましい。
芳香族化合物は、ポリマー(好ましくはセルロースアセテート)100質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、ポリマー100質量部に対して、0.05乃至15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。
芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
【0017】
芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が好ましく、ベンゼン環および1,3,5−トリアジン環がさらに好ましい。
芳香族化合物は、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環を有することが特に好ましい。
【0018】
芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至12であることがより好ましく、2乃至8であることがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。
二つの芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれでもよい。
【0019】
(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ましい。
(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環を形成してもよい。
【0020】
(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせであることが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆になってもよい。
c1:−CO−O−
c2:−CO−NH−
c3:−アルキレン−O−
c4:−NH−CO−NH−
c5:−NH−CO−O−
c6:−O−CO−O−
c7:−O−アルキレン−O−
c8:−CO−アルケニレン−
c9:−CO−アルケニレン−NH−
c10:−CO−アルケニレン−O−
c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−
c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−O−
c13:−O−CO−アルキレン−CO−O−
c14:−NH−CO−アルケニレン−
c15:−O−CO−アルケニレン−
【0021】
芳香族環および連結基は、置換基を有していてもよい。
置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファモイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香族性複素環基が含まれる。
【0022】
アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有していてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メトキシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれる。
アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であることが好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセニルが含まれる。
アルキニル基の炭素原子数は、2乃至8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有していてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブチニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0023】
脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、アセチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。
脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセトキシが含まれる。
アルコキシ基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコキシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキシ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含まれる。
アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノおよびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0024】
アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メチルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。脂肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。
脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミドおよびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。
脂肪族置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノが含まれる。
脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カルバモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチルカルバモイルが含まれる。
脂肪族置換スルファモイル基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモイルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。
脂肪族置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウレイドが含まれる。
非芳香族性複素環基の例には、ピペリジノおよびモルホリノが含まれる。
レターデーション上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ましい。レターデーション上昇剤の例として、特開2000−111014号および特開2000−275434号の各明細書に記載の化合物を挙げることができる。
【0025】
[ポリマーフイルムの製造]
ポリマーフイルムの製造を、ポリマーフイルムとして好ましいセルロースアセテートフイルムを例にして説明する。
ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフイルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、ポリマーを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造する。
有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
ハロゲン化炭化水素は製造環境適性から含まないことが好ましく、その場合エーテル、ケトン、エステル、またはこれらの有機溶媒を混合した溶媒を含むことがより好ましい。
エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
【0026】
炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、30乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
二種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0027】
一般的な方法でセルロースアセテート溶液を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法および装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
セルロースアセテートの量は、得られる溶液中に10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロースアセテートの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
溶液は、常温(0乃至40℃)でセルロースアセテートと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロースアセテートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃至110℃である。
【0028】
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0029】
冷却溶解法により、溶液を調製することもできる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させることが困難な有機溶媒中にもセルロースアセテートを溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロースアセテートを撹拌しながら徐々に添加する。
セルロースアセテートの量は、この混合物中に10乃至40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアセテートの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
【0030】
次に、混合物を−100乃至−10℃(好ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、セルロースアセテートと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
【0031】
さらに、これを0乃至200℃(好ましくは0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒中にセルロースアセテートが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
【0032】
冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
なお、セルロースアセテート(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、33℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
【0033】
調製したセルロースアセテート溶液(ドープ)は、ゴミや不溶解物を除去するため、フイルム製造前にフィルタを用いてろ過することが好ましい。ろ過には濾紙や金属焼結フィルタ等、光学補償シートとして使用した場合に確認できる異物よりも小さな孔径のフィルタで溶媒に溶解しない素材でできたフィルタであればいずれも好ましく用いることができるが、好ましくはフィルタの保留粒子径は20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
フィルタが濾紙の場合は、濾水時間が20秒以上の濾紙であることが好ましい。
【0034】
調製したセルロースアセテート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフイルムを製造する。
ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18乃至35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
【0035】
ドープは、該セルロースアセテートフイルムの破砕した材を原料として混入し、原料の再利用によってコストダウンをはかることもできる。ろ過されて異物の減少したフイルムを原料として再利用することにより、ろ過フィルターの寿命をのばすこともでき有利である。原料に対する混入率は0〜100質量%のいずれでも好適におこなえるが、連続行程としては10〜70質量%の混入がより好ましい。
【0036】
[可塑剤]
ポリマーフイルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
可塑剤の添加量は、ポリマーの量の5乃至30質量%であることが好ましく、5乃至20質量%であることがさらに好ましく、5乃至15質量%であることが最も好ましい。
【0037】
[劣化防止剤]
ポリマーフイルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ましく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
【0038】
[延伸処理]
ポリマーフイルムは、さらに延伸方向に張力を付与することによる、延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3乃至100%であることが好ましい。
セルロースエステルフイルムは、さらに延伸処理により屈折率(面内の遅相軸方向の屈折率nx、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率nyおよび厚み方向の屈折率nz)を調整することが好ましい。
固有複屈折率が正であると、ポリマー鎖が配向した方向に屈折率が高くなる。このような固有複屈折率が正のポリマーを延伸すると、通常、屈折率は、nx>ny≧nzとなる。これは、面内の方向に配向したポリマー鎖が、延伸によってx成分が多くなり、z成分が最も小さくなるためである。
これにより、1≦(nx−nz)/(nx−ny)の関係を満足することができる。さらに、(nx−nz)/(nx−ny)≦2の関係を満足するためには、一軸延伸の延伸倍率を制御するか、あるいはアンバランスな二軸延伸を実施して屈折率を調整すればよい。
具体的には、最大の延伸倍率SAと、その延伸方向に垂直な方向の延伸倍率SBとが、1<SA/SB≦3の関係を満足するように、一軸延伸またはアンバランス二軸延伸を実施すればよい。延伸倍率は、延伸する前の長さを1とする場合の相対的な値である。SBは、1未満の値となる(言い換えると収縮する)場合もある。上記式の関係を満足すれば、SBは1未満の値であってもよい。
延伸処理は、同時処理であっても、逐次処理であってもよい。
【0039】
延伸処理の際、該フイルムの溶媒含有率は70質量%以下であることが好ましい。含有率が多いとハンドリング困難であり、また延伸配向しにくく延伸の効率が悪化する。一方、含有率が少ないと延伸の際の見かけ弾性率や、延伸応力が大きくなるため、おおがかりな設備が必要となり、設備コスト的に不利となる他、延伸時に切断しやすく、不利である。具体的には、延伸時の該フイルムの溶媒含有率は、延伸開始時に1質量%以上70質量%以下、延伸終了時に0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
延伸張力は巾あたりの荷重が1t/m以下であることが好ましい。
【0040】
[厚み]
ポリマーフイルムの厚さは、40乃至140μmであることが好ましく、70乃至120μmであることがさらに好ましい。
【0041】
[微粒子]
ポリマーフイルム(好ましくはセルロースアセテートフイルム)には、1.0μm以下の平均粒子径を有する微粒子を添加することが好ましい。ポリマーフイルムに微粒子が含有する形態に特に制限はなく、ポリマーフイルム中に微粒子が均一に含まれていても良いしポリマーフイルムが、その少なくとも一方の面にポリマーと1.0μm以下の平均粒子径を有する微粒子を含む表面層を有していても良い。
【0042】
微粒子は滑り剤として機能して、フイルムの動摩擦係数を改善し、引掻き強度を改善する。微粒子としては、無機化合物を用いることが好ましい。無機化合物の例には、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムが含まれる。二酸化ケイ素、二酸化チタンおよび酸化ジルコニウムが好ましく、二酸化ケイ素が特に好ましい。無機化合物の微粒子は、表面処理により粒子表面にメチル基を導入することができる。例えば、酸化ケイ素の微粒子をジクロロジメチルシランやビス(トリメチルシリル)アミンで処理すればよい。
【0043】
二酸化ケイ素の微粒子は、既に市販されている(例、アエロジルR972TM、R972DTM、R974TM、R812TM、日本アエロジル(株)製)。また、酸化ジルコニウムの微粒子にも市販品がある(例、アエロジルR976TM、R811TM、日本アエロジル(株)製)。微粒子の平均粒径は、1.0μm以下であることが好ましい。平均粒径は0.1乃至1.0μmであることがさらに好ましく、0.1乃至0.5μmであることが最も好ましい。微粒子は、ポリマー(好ましくはセルロースアセテート)に対して、0.001乃至0.3質量%の量で使用することが好ましく、0.001乃至0.1質量%の量で使用することがさらに好ましい。
【0044】
微粒子を含む表面層を有するポリマーフイルムは、ポリマーフイルムを共流延法または逐次流延法により製膜することで、該ポリマーフイルムをポリマーからなるポリマー層とその少なくとも一方の面にポリマーと平均粒子径が1.0μm以下の微粒子を含む表面層とから構成することで形成することができる。さらにポリマー層に平均粒子径が1.0μm以下の微粒子が添加され、表面層におけるポリマーに対する微粒子の添加量が、ポリマー層におけるポリマーに対する微粒子の添加量より多いことが好ましい。また、ポリマーと微粒子を含む溶液を塗布することにより、微粒子を含む表面層を設けても良い。
流延するための装置としては、共流延法の場合には、内部合流ダイ、先端合流ダイなどを用いることができ、逐次流延法の場合には、エクストルージョンダイなどを用いることができる。
本発明におけるフイルムのヘイズは2.0%以下であることが好ましい。
【0045】
ポリマー層に表面層を設ける場合には、表面層に微粒子が添加されていれば、ポリマー層には微粒子を添加しなくても構わない。ポリマー層の微粒子の添加量は、ポリマー(好ましくはセルロースアセテート)の量に対して0.001乃至0.05質量%の範囲にあることが好ましく、0.001乃至0.01質量%の範囲にあることがさらに好ましい。表面層の微粒子の添加量は、ポリマー層の微粒子の添加量よりも多いことが好ましい。表面層の微粒子の添加量は、ポリマー(好ましくはセルロースアセテート)の量に対して0.001乃至0.05質量%の範囲にあることが好ましく、0.001乃至0.02質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
ポリマー層と表面層のポリマーの種類は同じであっても構わないし、異なっていても構わない。表面層の厚みは0.2乃至50μmの範囲にあることが好ましく、0.5乃至20μmの範囲にあることがさらに好ましく、0.5乃至5μmの範囲にあることが特に好ましい。
【0046】
[動摩擦係数]
ポリマーフイルムの少なくとも一方の表面の動摩擦係数は、0.40以下であることが好ましい。動摩擦係数は、0.35以下であることがより好ましく、0.30以下であることがさらに好ましく、0.25以下であることが最も好ましい。動摩擦係数は、低いほど好ましいが0.10程度が下限値である。動摩擦係数は、JISやASTMが規定する方法に従い、鋼球を用いて容易に測定できる。
【0047】
[引掻き強度]
本発明におけるポリマーフイルムの、少なくとも一方の表面の引掻き強度は1g以上の値をとる。これによりフイルムを取り扱う際の擦り傷の発生やゴミの発生などの種々の問題を解決することができる。この引掻き強度の値は大きいほど好ましいが、100g以下の値であるのが一般的である。引掻き強度の値は1.5乃至50gの範囲にあることが更に好ましい。
引掻き強度の値は、円すい頂角が90度で、先端の直径が0.25mmのサファイア針を用いて光学補償シートの表面を引掻き、引掻跡が目視で認められた時の加重(g)で評価する。
【0048】
[透明導電層]
ポリマーフイルムには、界面活性剤や導電性微粒子分散物などを用いて、透明導電膜を設けても構わないし、ポリマーフイルム全体または一部分に導電性が付与されていても構わない。帯電防止性付与のためには、透明導電膜を設ける方がより好ましい。透明導電膜は、塗布によって設けても構わないし、フイルム流延時に共流延することによって設けても構わない。また、スパッタリング、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの真空成膜法によって透明導電膜を成膜しても構わない。フイルムの片面に透明導電膜を設けても構わないし、両面に設けても構わない。また、これらの方法を併用することも可能である。
さらに前述の微粒子を含む表面層と併用(あるいは兼用)しても構わない。前記のポリマー層や表面層に導電性微粒子を添加してもよい。
微粒子を含む表面層と透明導電膜の積層順序に特に制限はないが、最表層に微粒子を含む表面層を設けることが、引掻き強度を付与するために好ましい。本発明においては、接着剤層または易接着層として透明導電膜を形成するところに特徴があり、これによってゴミが付着しにくく、かつ接着性が良好な光学補償シートを得ることができる。
【0049】
界面活性剤としては、ノニオン性、イオン性(アニオン、カチオン、ベタイン)いずれも使用できる。さらにフッ素系界面活性剤も有機溶媒中での塗布剤としたり、帯電防止剤として好ましく用いられる。
本発明に用いられる界面活性剤は、界面活性剤の応用(幸書房、刈米孝夫著、昭和55年9月1日発行)に記載されている。本発明においては、好ましい界面活性剤はその使用量において特に限定されず、目的とする界面活性特性が得られる量であればよい。なお、これらな界面活性剤の塗設量は、1m2 当り0.02〜1000mgが好ましく、0.05〜200mgが好ましい。
【0050】
導電性微粒子分散物を用いた透明導電膜は、基本的には少なくとも1種以上の金属および、または金属酸化物、金属窒化物からなる微粒子を含有する層を塗布などの方法を用いて形成できる。1種以上の金属からなる微粒子としては、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、パラジウム、プラチナ等の金属あるいはこれらの合金が挙げられる。特に銀が好ましく、さらに耐候性の観点からパラジウムと銀の合金が好ましい。パラジウムの含有量としては5〜30質量%が好ましく、パラジウムが少ないと耐候性が悪く、パラジウムが多くなると導電性が低下する。金属微粒子の作製方法としては、低真空蒸発法による微粒子の作製方法や金属塩の水溶液を鉄(II)、ヒドラジン、ボロンハイドライド、ヒドロキシエチルアミン等のアミン等の還元剤で還元する金属コロイド作製方法が挙げられる。
金属酸化物としてはIn2 3 系(Snなどドープ品含む)、SnO2 系(F、Sbなどドープ品含む)、ZnO系(Al、Gaなどのドープ品含む)、TiO2 、Al2 3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V2 5 、またはこれらの複合品などが挙げられる。金属窒化物としてはTiNなどが挙げられる。
【0051】
これら導電性微粒子の平均粒径は1.0〜700nmが好ましく、2.0〜300nmが更に好ましく、5.0〜100nmが最も好ましい。粒径が大きすぎると、導電性微粒子による光の吸収が大きくなり、このために粒子層の光透過率が低下すると同時にヘイズが大きくなる。また、これら導電性微粒子の平均粒径が1nm未満の場合には微粒子の分散が困難になること、微粒子層の表面抵抗が急激に大きくなるため、ゴミの付着を防止できる程度の低抵抗値を有する被膜を得ることができない。
【0052】
スパッタなどでポリマーフイルム上に成膜する際にはその表面をフッ素系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、プロピレン系樹脂、ビニル系樹脂などの高分子や、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 などの無機物でコートすることが好ましい。コートする膜厚としては10nm以上100μm以下が好ましく、さらに好ましくは10nm以上50μm以下であり、特に好ましくは10nm以上10μm以下である。
スパッタなどの際には基板を冷却することが好ましい。好ましくは−30℃以上30℃以下であり、さらに好ましくは−30℃以上20℃以下であり、特に好ましくは−30℃以上10℃以下である。
スパッタ法により酸化インジウムを主として含む膜を成膜する方法としては、インジウムを主成分とする金属ターゲット、または酸化シンジウムを主成分とする焼結体であるターゲットを用いた反応性スパッタリングを行うことができる。反応の制御上、後者が好ましい。反応性スパッタリング法においてはスパッタリングガスとしては、アルゴンなどの不活性ガスを用い、反応性ガスとしては酸素を用いる。放電形式としてはDCマグネトロンスパッタ、RFマグネトロンスパッタなどが利用できる。
また、酸素の流量を制御する方法としてはプラズマエミッションモニター法で行うことが好ましい。
【0053】
ポリマーフイルムの光の透過率は、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることが特に好ましく、80%以上であることが最も好ましい。ヘイズは2%以下が好ましく、1.5%以下が更に好ましく、1.0%以下が最も好ましい。ヘイズの値は低いほど好ましいが0.5%以上であるのが一般的である。
【0054】
[ポリマーフイルムの表面処理]
ポリマーフイルムを偏光板の透明保護膜として使用する場合、ポリマーフイルムを表面処理することが好ましい。
表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理を実施する。酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアセテートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
【0055】
[偏光板]
偏光板は、偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護膜として、上記のポリマーフイルムを用いることができる。他方の保護膜は、通常のセルロースアセテートフイルムを用いてもよい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。
ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸が実質的に平行となるように配置することが好ましい。即ち、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸のなす角度は3°以下になるように配置することが好ましく、2°以下になるように配置することがさらに好ましく、1°以下になるように配置することが最も好ましい。
【0056】
[液晶表示装置]
上記のポリマーフイルムからなる光学補償シート、または上記のポリマーフイルムを用いた偏光板は、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。
透過型液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる。偏光板は偏光膜とその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。
光学補償シートは、液晶セルと一方の偏光板との間に、一枚配置するか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置する。光学補償シートの遅相軸とと偏光膜の透過軸とは実質的に平行となるように配置することが好ましい。
偏光板では、液晶セルと偏光膜との間に配置される透明保護膜として、上記のポリマーフイルムを用いる。一方の偏光板の(液晶セルと偏光膜との間の)透明保護膜のみ上記のポリマーフイルムを用いるか、あるいは双方の偏光板の(液晶セルと偏光膜との間の)二枚の透明保護膜に、上記のポリマーフイルムを用いる。光学補償シートの遅相軸とと偏光膜の透過軸とは実質的に平行となるように配置することが好ましい。
液晶セルは、OCBモード、VAモードまたはTNモードであることが好ましい。
【0057】
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
【0058】
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置であり、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
OCBモードの液晶表示装置の場合、本発明の光学補償シートは、ポリマーフイルム(好ましくはセルロースアセテートフイルム)上に円盤状化合物、もしくは棒状液晶化合物を含む光学異方性層を有していても良い。光学異方性層は、円盤状化合物(もしくは棒状液晶化合物)を配向させ、その配向状態を固定することにより形成する。
円盤状化合物は、一般に大きな複屈折率を有する。また、円盤状化合物には、多様な配向形態がある。従って、円盤状化合物を用いることで、従来の延伸複屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を有する光学補償シートを製造することができる。円盤状化合物を用いた光学補償シートについては、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、西独特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。
【0059】
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60乃至120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
【0060】
【実施例】
なお、実施例9および10は、参考例である。
(光学特性の測定)
作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長550nmにおけるReレターデーション値およびRthレターデーション値を測定した。
(引掻き強度)
温湿度25℃、60%RH条件下で引掻き強度を測定した。このうち実用に耐えるものは、引掻き強度が1gを越えるものである。
【0061】
[実施例1]
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。該溶液を保留粒子径4μm、濾水時間35秒の濾紙( No.63、アドバンテック製)を5kg/cm2 以下で用いてろ過した。
【0062】
Figure 0004460792
【0063】
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤16質量部、二酸化珪素微粒子(平均粒径:0.1μm)0.28質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液(かつ微粒子分散液)を調製した。
セルロースアセテート溶液474質量部に該レターデーション上昇剤溶液25質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、3.5質量部、微粒子添加量は同じく0.0175質量部であった。
【0064】
【化1】
Figure 0004460792
【0065】
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が15質量%のフイルムを、130℃の条件で、テンターを用いて25%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の幅のまま50℃で30秒間保持した後クリップを外してセルロースアセテートフイルムを作製した。
延伸終了時の残留溶媒量は5質量%であり、さらに乾燥して残留溶媒量を0.1質量%未満としてフイルムを作製した。
【0066】
1)バック第1層(透明導電膜)の塗設
得られたフイルムの一方の面に下記処方を乾燥膜厚が0.2μmになるように塗布し、115℃で30秒間乾燥した。なお、下記質量部は固形分質量を示す。
【0067】
Figure 0004460792
【0068】
このようにして得られたフイルム(光学補償シート)の厚さは80μmであった。また、ヘイズが1.2%であった。そしてフイルムの透明導電膜とは反対側の面の動摩擦係数は0.38であった。
作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)X−1について、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長550nmにおけるReレターデーション値およびRthレターデーション値を測定し、さらにフイルムの透明導電膜とは反対側の面の引掻き強度を測定したところ、Re=40nm、Rth=130nm、引掻き強度1.5gであった。フイルムの透明導電膜側の表面抵抗率は0.6×1012Ω/□であった。
また、フイルム原料として実施例1で作製したフイルムを50質量%用い、フイルムに含有される各成分をその質量分減じた他は実施例1と同様にして溶液を調整し、フイルムを作製したところ、得られたReレターデーション値およびRthレターデーション値、引掻き強度、表面抵抗率は実施例1と変わりなく同等であった。
【0069】
[実施例2]
セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーション上昇剤溶液56質量部を混合してドープを調製し(セルロースアセテート100質量部に対して、レターデーション上昇剤7.8質量部を使用し)、延伸倍率を14%に変更した以外は、実施例1と同様にして(透明導電膜を有する)セルロースアセテートフイルム(光学補償シート)を作製した。作製した光学補償シートのヘイズは1.2%であり、かつフイルムの透明導電膜とは反対側の面の動摩擦係数は0.38であった。
作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)X−2について、光学特性を測定し、さらにフイルムの透明導電膜とは反対側の面の引掻き強度を測定したところ、Re=50nm、Rth=240nm、引掻き強度1.7gであった。また、フイルムの透明導電膜側の表面抵抗率は0.7×1012Ω/□であった。
【0070】
[実施例3]
透明導電膜を塗設せず、さらに延伸倍率を8%に変更した以外は、実施例2と同様にしてセルロースアセテートフイルムを作製した。セルロースアセテートフイルムの一方の面に、実施例1と同様に透明導電膜(ゼラチン下塗り層)を塗設した。さらに、ゼラチン下塗り層の上に下記組成の塗布液を7cc/m2 塗布乾燥した。このようにしてフイルムに透明導電膜を塗設した。
【0071】
Figure 0004460792
【0072】
【化2】
Figure 0004460792
【0073】
このようにして得られたフイルムX−3の厚さは80μmであった。また、ヘイズが1.7%であり、かつフイルムの透明導電膜とは反対側の面の動摩擦係数は0.37であった。フイルムの透明導電膜側の表面抵抗率は0.8×1012Ω/□であった。
作製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)について、光学特性を測定し、さらに透明導電膜とは反対側の面の引掻き強度を測定したところ、Re=20nm、Rth=220nm、引掻き強度1.6gであった。
このセルロースアセテートフイルムの透明導電膜とは反対側の面に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2 塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、セルロースアセテートフイルムの遅相軸(波長632.8nmで測定)と45゜の方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
【0074】
Figure 0004460792
【0075】
【化3】
Figure 0004460792
【0076】
(光学異方性層の形成)
配向膜上に、下記の円盤状(ディスコティック)液晶性化合物41.01g、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)4.06g、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)0.90g、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.23g、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)1.35g、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.45gを、102gのメチルエチルケトンに溶解した塗布液を、#3のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、130℃の恒温槽中で2分間加熱し、円盤状化合物を配向させた。次に、130℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し円盤状化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学異方性層を形成した。この光学補償シートをX−6とする。
波長546nmで測定した光学異方性層のReレターデーション値は38nmであった。また、円盤面と第1透明支持体面との間の角度(傾斜角)は平均で40゜であった。
【0077】
【化4】
Figure 0004460792
【0078】
[比較例1]
セルロースアセテート溶液を、そのままドープとして使用し、延伸処理を実施しなかった以外は、実施例1と同様にセルロースアセテートフイルム(光学補償シート)Y−1を作製した。微粒子は添加しなかった。評価結果は第1表に示す。
【0079】
[光学補償シートの評価]
実施例1〜3、および比較例1で作製した光学補償シートの評価結果を第1表に示す。
【0080】
【表1】
Figure 0004460792
【0081】
[実施例4]
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例1で作製したセルローストリアセテートフイルムX−1を偏光膜の片側に貼り付けた。
市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。
偏光膜の透過軸と実施例1で作製したセルロースアセテートフイルムの遅相軸とは平行になるように配置した。偏光膜の透過軸と市販のセルローストリアセテートフイルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光板を作製した。
【0082】
[実施例5]
実施例2で作製したセルロースアセテートフイルムX−2を用いた以外は、実施例4と同様にして、偏光板を作製した。
【0083】
[実施例6]
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例3で作製した光学異方性層付きセルローストリアセテートフイルムX−6を偏光膜の片側に貼り付けた。この際、光学異方性層が偏光膜とは反対の側に来るように配置した。
市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。
偏光膜の透過軸と実施例3で作製したセルロースアセテートフイルムX−3の遅相軸とは平行になるように配置した。偏光膜の透過軸と市販のセルローストリアセテートフイルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光板を作製した。
【0084】
[実施例7]
垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シートを剥がし、代わりに実施例4で作製した偏光板を、実施例1で作製したセルロースアセテートフイルムX−1が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果を第2表に示す。
【0085】
[実施例8]
垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シートを剥がし、代わりに実施例5で作製した偏光板を、実施例2で作製したセルロースアセテートフイルムX−2が液晶セル側となるように粘着剤を介して一枚、観察者側に貼り付けた。また、バックライト側には、市販の偏光板(HLC2−5618HCS、(株)サンリッツ製)を一枚貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果を第2表に示す。
【0086】
[比較例2]
垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果を第2表に示す。
【0087】
【表2】
Figure 0004460792
【0088】
[実施例9]
(ベンド配向液晶セルの作製)
ITO電極付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャップを6μmに設定した。セルギャップにΔnが0.1396の液晶性化合物(ZLI1132、メルク社製)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。
作製したベンド配向セルを挟むように、実施例6で作製した楕円偏光板を二枚貼り付けた。楕円偏光板の光学異方性層がセル基板に対面し、液晶セルのラビング方向とそれに対面する光学異方性層のラビング方向とが反平行となるように配置した。
液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加した。白表示2V、黒表示5Vのノーマリーホワイトモードとした。透過率の比(白表示/黒表示)をコントラスト比として、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。
結果を第3表に示す。
【0089】
【表3】
Figure 0004460792
【0090】
[実施例10]
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例4で作製した偏光板を、実施例1で作製したセルロースアセテートフイルムX−1が液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、直交となるように配置した。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果を第4表に示す。
【0091】
[比較例3]
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果を第4表に示す。
【0092】
【表4】
Figure 0004460792
【0093】
[実施例11]
(光学補償シートの作製)
室温において、平均酢化度60.9%のセルロースアセテート120質量部、実施例1のレターデーション上昇剤4質量部、トリフェニルホスフェート11.7質量部、ビフェニルジフェニルホスフェート5.85質量部、メチレンクロリド538.2質量部、メタノール46.8質量部を混合して溶液(ドープA)を調整した。
【0094】
同様にして、平均酢化度60.9%のセルロースアセテート120質量部、実施例1のレターデーション上昇剤4質量部、実施例1の微粒子0.021質量部、トリフェニルホスフェート11.7質量部、ビフェニルジフェニルホスフェート5.85質量部、トリベンジルアミン2.0質量部、メチレンクロリド538.2質量部、メタノール46.8質量部を混合して溶液(ドープB)を調整した。
得られた各ドープを、ドープAを内層(ポリマー層)、ドープBを外層(表面層)として、ステンレス製バンド上に内部合流型ダイで共流延し、内層の両面に外層を設けた。自己支持性を持つまでフイルムを乾燥した後バンドから剥ぎ取った。その時の残留揮発分は30質量%であった。その後、130℃で流延方向と垂直な方向に延伸した。延伸後、そのままの状態で120℃で30分間乾燥した後、延伸フイルムを取り出した。延伸後の溶剤残留量は0.1質量%であった。こうして得られたセルロースアセテートフイルムに、下記組成の塗布液を28cc/m2 塗布乾燥し、0.1μmのゼラチン層を塗設した。
【0095】
Figure 0004460792
【0096】
さらにその上に実施例3で用いたアニオン性共重合体塗布液を7cc/m2 塗布乾燥した。このようにしてフイルムに透明導電膜を塗設した。
さらに上記と反対側の層に下記組成の塗布液を25cc/m2 塗布乾燥し、バック層を設けた。
Figure 0004460792
【0097】
得られたフイルム(光学補償シート)の全体の厚みは、80μmであり、内層の厚みは70μm、外層の厚みはそれぞれ5μmであった。また、光学特性を測定し、さらにフイルムの透明導電膜とは反対側の表面の引掻き強度等測定したところ、Re=20nm、Rth=120nm、引掻き強度1.9gであった。また得られたフイルムのヘイズは1.9%であり、かつフイルムの透明導電膜とは反対側の表面の動摩擦係数は0.34であった。そして、フイルムの透明導電膜側の表面抵抗率は0.5×1012Ω/□であった。
得られたフイルムを光学補償シートとする以外は、実施例4、8と同様にして偏光板、液晶表示装置を作製したところ、実施例4,8と同様の良好な視野角特性が得られた。
また、実施例7〜11で作製した液晶表示装置を作製する際には擦り傷の発生と、ゴミの発生や付着が防止された。また、作製した液晶表示装置の表示画面において目視で観察できるゴミに由来する欠陥は無かった。

Claims (12)

  1. 面内レターデーションの値が20乃至70nmの範囲にあって、かつ厚み方向のレターデーションの値が70乃至240nmの範囲にあるセルロースエステルフイルムからなり、該セルロースエステルフイルムの少なくとも一方の表面の引掻き強度が1g以上であるVAモードの液晶表示装置用光学補償シートであって、面内レターデーションの値が20乃至70nmの範囲にあって、かつ厚み方向のレターデーションの値が70乃至240nmの範囲にあることを特徴とするVAモードの液晶表示装置用光学補償シート。
  2. セルロースエステルフイルムの当該表面の動摩擦係数が0.40以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償シート。
  3. セルロースエステルフイルムの少なくとも一方の面に、表面抵抗率が1012Ω/□以下である透明導電層が設けられ、そして透明導電層を有するセルロースエステルフイルムのヘイズが2.0%以下であることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の光学補償シート。
  4. セルロースエステルに対して、平均粒子径が1.0μm以下である二酸化ケイ素の微粒子を0.001乃至0.3質量%の量で含むことを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載の光学補償シート。
  5. セルロースエステル100質量部に対して、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物が0.01乃至20質量部の範囲で含まれていることを特徴とする請求項1に記載の光学補償シート。
  6. セルロースエステルフイルムが、3乃至100%の範囲の倍率で延伸された延伸物であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償シート。
  7. セルロースエステルがセルロースの混合脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1に記載の光学補償シート。
  8. セルロースエステルがセルロースアセテートプロピオネートであることを特徴とする請求項1に記載の光学補償シート。
  9. 面層におけるセルロースエステルに対する微粒子の添加量が、該フイルムから表面層を除いた層におけるセルロースエステルに対する微粒子の添加量より多いことを特徴とする請求項4に記載の光学補償シート。
  10. 二酸化ケイ素の微粒子が、表面処理により粒子表面にメチル基が導入されていることを特徴とする請求項4に記載の光学補償シート
  11. VAモードの液晶セルその両側に配置された二枚の偏光板およびバックライトからなる液晶表示装置であって、二枚の偏光板がいずれも偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなり、VAモードの液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の透明保護膜のうち、少なくとも一枚が請求項1乃至10のうちのいずれかの項に記載の光学補償シートでありバックライト側の偏光膜の透過軸が左右方向に、そして、バックライト側とは反対側となる観察者側の偏光膜の透過軸が上下方向となるようにクロスニコル配置として、さらに該光学補償シートの遅相軸と偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されていることを特徴とするVAモードの液晶表示装置。
  12. VAモードの液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の透明保護膜がいずれも請求項1乃至10のうちのいずれかの項に記載の光学補償シートであることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
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