JP2008101176A - 組成物及び該組成物からなるフィルム、偏光板保護フィルム、光学補償フィルムならびに液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無機粒子への吸着基と液晶化合物のコア部を形成し得る基を有する分子、好ましくはさらに高分子材料との親和性を有する置換基を有する分子を吸着させた無機微粒子と、高分子材料とを少なくとも含有する組成物、及び前記組成物から形成されたフィルムである。
【選択図】なし
Description
[1]無機粒子への吸着基及び液晶化合物のコア部を形成し得る基を有する分子を吸着させた無機微粒子と、高分子材料とを少なくとも含有する組成物。
[2]前記分子が液晶分子である[1]に記載の組成物。
[3]前記分子が、前記高分子材料と親和性を有する置換基をさらに有する[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] 前記無機粒子への吸着基の少なくとも一種が、カルボキシル基もしくはその塩である[1]〜[3]のいずれかの組成物。
[5] 前記無機粒子への吸着基の少なくとも一種が、下記一般式(1)で表されるホスホン酸基もしくはその塩、又は下記一般式(2)で表されるリン酸モノエステル基もしくはその塩である[1]〜[3]のいずれかの組成物:
一般式(1)
−PO3Xm
一般式(2)
−OPO3Xm
式中、Xはそれぞれ独立に、水素原子、あるいは1価もしくは2価の有機又は無機カチオンを表し、mは1又は2であるが、mが1の場合は、Xは2価の有機又は無機カチオンであり、mが2の場合は、2個のXはそれぞれ水素原子あるいは1価の有機又は無機カチオンである。
[6] 前記無機粒子への吸着基の少なくとも一種が、下記一般式(3)で表される基である[1]〜[3]のいずれかの組成物:
一般式(3)
−Si(R1)3-n(OR2)n
式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。
[7] 前記無機粒子が形状異方性を有する粒子である[1]〜[6]のいずれかの組成物。
[8] 前記無機粒子が形状異方性および複屈折性を有する粒子である[7]のいずれかの組成物。
[9] 前記無機粒子が、金属酸化物の粒子である[1]〜[8]のいずれかの組成物。
[10] 前記無機粒子が炭酸ストロンチウムの粒子である[1]〜[8]のいずれかの組成物。
[11] 前記高分子材料が、セルロースアシラート系ポリマーである[1]〜[10]のいずれか1項に記載の組成物。
[12] 前記分子が、棒状分子である[1]〜[11]のいずれかの組成物。
[13] [1]〜[12]のいずれかの組成物から形成されたフィルム。
[14] さらに延伸された[13]のフィルム。
[15] [13]又は[14]のフィルムを用いることを特徴とする偏光板保護フィルム。
[16] [13]又は[14]のフィルムを用いることを特徴とする光学補償フィルム。
[17] [15]の偏光板保護フィルム及び/又は[16]の光学補償フィルムを用いることを特徴とする液晶表示装置。
[18] 無機粒子への吸着基及び液晶化合物のコア部を形成し得る基を有する分子を吸着させた無機微粒子と、高分子材料とを少なくとも含有する組成物からなるフィルムを形成することを含む光学フィルムの製造方法。
[19] 前記組成物から形成されたフィルムをさらに延伸することを含む[18]の方法。
[20] 無機粒子への吸着基及び液晶化合物のコア部を形成し得る基を有する分子を吸着させた無機微粒子からなる高分子フィルム用レターデーション制御剤。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
例えば、本発明の組成物の一例として、前記所定の基を有する棒状分子を吸着させた棒状の無機微粒子と、高分子材料とを含有する組成物が挙げられる。前記棒状分子は、その分子末端で、無機微粒子の棒側面に吸着しているのが好ましい。無機微粒子の長軸方向の屈折率がそれと直交する方向の屈折率よりも大きく、無機微粒子の屈折率異方性が吸着している棒状分子の屈折率異方性よりも充分に大きく、且つ無機微粒子の屈折率の波長分散が、吸着している棒状分子のそれよりも充分に小さい組み合わせであるとする。この態様の組成物を用いてフィルムを作製すると、作製されるフィルムの面内レターデーションRe及び厚さ方向のレターデーションRthのいずれも正であり、且つRe及びRthの波長分散を逆波長分散に制御可能であると考えられる。
[無機微粒子]
本発明に用いる無機微粒子は、粒径が一般にnm〜μmのオーダーのものが好ましい。より具体的には、投影面積を円に換算したときの直径から求めた一次粒子の平均粒径が5〜500nmであるのがより好ましく、8〜300nmであるのがさらに好ましい。粒径分布及び/又は形状の異なる2種類以上の微粒子を混合してもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは100nm以下であるのが好ましく、より好ましくは75nm以下である。形状には異方性があることが好ましく、針状あるいは棒状であることがより好ましい。針状及び棒状の微粒子は、一般的には、アスペクト比が3〜20であり、5〜15であるのがより好ましい。また、円盤状又は平板状の無機微粒子を用いてもよく、これらの形状は、アスペクト比で示すと、一般的にはアスペクト比2〜50であり、好ましくは5〜20となる粒子である。
また、無機微粒子としては形状異方性を有するのが好ましく、さられに加えて複屈折性を有することがより好ましく、長軸方向(無機粒子の最も長い方向)と短軸方向(長軸方向と垂直な軸のうち最も短い方向)の屈折率差としては、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.1以上である。
これらのうち、例えば、アナタ−ゼ型の針状TiO2微粒子を用いた場合には、長軸方向がそれと直交する方向の屈折率よりも大きいために、TiO2微粒子を面内配向させることにより、厚み方向のレターデーション(Rth)を増加させることが可能であり、ある一軸方向に配向させることにより、その方向の屈折率を増加することが可能である。また、例えば、針状SrCO3微粒子を用いた場合には、長軸方向がそれと直交する方向の屈折率よりも小さいために、SrCO3微粒子を面内配向させることにより、厚み方向のレターデーション(Rth)を減少させることが可能であり、ある一軸方向に配向させることにより、その方向の屈折率を減少させることが可能である。ここで、粒子をある一軸方向に配向させるための手段としては、後述するフィルムの延伸処理が好ましい例として挙げられる。
本発明の組成物は、有機化合物の分子を吸着させた無機微粒子を含有する。ここで、無機粒子に吸着している分子は有機化合物の分子であって、吸着基及び液晶化合物のコア部を形成し得る基を有する。該有機化合物の例には、液晶性化合物が含まれるとともに、液晶形成をしない、即ち非液晶性化合物であっても、液晶化合物の分子のコア部となり得る部分構造を有している化合物も含まれる。
液晶化合物の分子のコア部を形成し得る基についてさらに説明する。本発明において、液晶分子のコア部とは、液晶形成に寄与する液晶分子の主要骨格を示す基であり、一般的に、メソゲンとも称される構造のことをいう。液晶分子は、結晶状態と等方性液体状態の中間の状態(メソフェーズ)である液晶性を示す。前記液晶分子のコア部を形成し得る基については特に制限はなく、例えば、「Flussige Kristalle in Tabellen II」(VEB Deutsche Verlag fur Grundstoff Industrie,Leipzig、1984年刊)、特に第7頁〜第16頁の記載、及び、液晶便覧編集委員会編、液晶便覧(丸善、2000年刊)、特に第3章の記載、を参照することができる。好ましくは、サーモトロピック液晶の残基であり、さらに好ましくは、棒状液晶及びディスコティック液晶の残基である。棒状液晶ではネマティック相及びスメクティックA相を示す液晶の残基がより好ましく、ディスコティック液晶ではディスコティックネマティック相を示す液晶の残基がより好ましい。
ディスコティック液晶の残基の好ましい例には、ベンゼン、トリフェニレン、トルキセン、トリオキサトルキセン、アントラキノン、フタロシアニンまたはポリフィリン、マクロサイクレン、ビス(1,3−ジケトン)銅錯体、テトラアリールビピラニリデン、テトラチアフルバレン、及びイノシトールが含まれる。
二価の鎖状基としては、アルキレン基、アルケニレン基またはアルキニレン基が好ましい。これらは分岐または置換基を有していてもよい。より好ましい炭素数としては2〜8であり、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、2−メチル−テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2−ブテニレン基、2−ブチニレン基が好適な例として挙げられる。
二価の環状基の例としては、後述するCy1〜Cy3と同様である。
一般式(1)
−PO3Xm
一般式(2)
−OPO3Xm
一般式(3)
−Si(R1)3-n(OR2)n
前記式中、mが2であり、2つのXがともに1価の有機又は無機カチオンの場合、双方は同一であっても異なっていてもよいが、コスト上、同一のものが好ましい。
上記一般式(4)中、R3は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。前記アルキル基の例には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基及びn−ブチル基が含まれ、i−プロピル基がよりさらに好ましい。
SP=a1×SP1+a2×SP2+a3×SP3+…
に従い計算により求めることができる。ここで、式中のSP1、SP2およびSP3は各重合体の単量体成分に含まれる単量体を単独で重合した際に得られるそれぞれのホモポリマーのSP値を表し、「POLYMER HANDBOOK THIRD EDITION」に記載されている値を引用した値である。また、上記式中のa1、a2およびa3は各重合体を形成するのに用いた単量体成分に含まれる単量体のそれぞれの質量分率を表す。
本発明において、吸着基と液晶化合物のコア部を形成し得る基を有する分子の無機微粒子への吸着の態様については限定されず、物理的吸着及び化学的吸着の双方の態様、及びその中間的な態様のいずれも含まれる。中でも、化学的吸着が好ましい。該化合物を吸着させた無機微粒子は、具体的には、無機微粒子と該化合物とを混合して、接触させ、結果として該化合物を無機微粒子に物理吸着及び/又は化学吸着させることによって得られる。混合及び接触の際には溶媒を用いることもでき、また、下記高分子ドープ液の状態で行うことができる。無機微粒子の該化合物の吸着の有無については、紫外可視吸収スペクトル、赤外吸収スペクトル、熱分析を測定することにより確認できる。無機微粒子に対する該化合物の吸着は、単層での被覆であることが好ましい。吸着量は、粒子のサイズにより単位質量当りの表面積が変化するので、好ましい量はそれに依存して変化するが、10〜300質量%であるのが好ましく、20〜150質量%であるのがより好ましい。
なお、本発明の組成物をドープや塗布液等として調製し、異方性フィルム等の形成に用いる場合は、ドープ及び塗布液中において有機化合物の分子が無機微粒子に吸着していなくてもよく、例えば、ドープを流延又は塗布液を塗布等した後、乾燥する過程において、有機化合物の分子の無機微粒子への吸着が進行してもよい。
本発明において「高分子材料」の用語は、天然高分子及び合成高分子のいずれも含む意味で用いる。本発明の組成物からフィルムを作製する場合は、フィルム状に成型可能な高分子材料を用いるのが好ましい。フィルム状に成型可能な高分子材料としては、例えば、セルロース誘導体、ポリカーボナート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、シンジオタクチックポリステレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリラート、ポリエステルスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、環状ポリオレフィン系樹脂、ブロム化フェノキシ樹脂等が挙げられる。中でも、COC、COPと呼ばれる環状ポリオレフィン系樹脂、及びセルロース誘導体が好ましい。特に好ましくは、セルロースアシラートである。
以下、セルロースアシラートついて、詳細に説明する。
本発明に高分子材料として使用可能なセルロースアシラートとしては、例えば、セルローストリアシラート、セルロースアセタートプロピオナートが挙げられる。また、本発明においては異なる2種類以上のセルロース化合物を混合して用いてもよい。
以下、セルロースアシラートを例にして、本発明の好ましい態様を説明する。
本発明に使用可能なセルロースアシラート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシラートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、特に限定されるものではない。
式(I) :2.0≦A+B≦3.0
式(II) :0<B
上記式中、Aは、セルロースの水酸基に置換されているアセチル基の置換度を表し、Bはセルロースの水酸基に置換されている炭素原子数3以上のアシル基の置換度を表す。
セルロースアシラートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であることが好ましく、セルロースアセタートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400がさらに好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度を700以下とすることにより、セルロースアシラートのドープ溶液の粘度が高くなり過ぎず、流延によるフィルム製造が容易になる傾向にある。また、重合度を180以上とすることにより、作製したフィルムの強度がより向上する傾向にあり好ましい。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫著、「繊維学会誌」、第18巻、第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。具体的には、特開平9−95538号公報に記載の方法に従って測定することができる。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシラートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがより好ましく、1.0〜1.6であることがさらに好ましい。
また、本発明に使用可能なセルロースアシラートの原料綿や合成方法としては、例えば、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、7頁〜12頁、2001年3月15日発行、発明協会)に記載のものを好ましく採用できる。
本発明の組成物は、所望により、所定の機能を付与し得る添加剤を含有していてもよい。添加剤の例には、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子(所定の基を有する分子が吸着していない微粒子)及び光学特性調整剤等が含まれる。
本発明の組成物は、紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤としては、目的に応じ任意の種類のものを選択することができ、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系等の吸収剤を用いることができ、好ましくはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系である。
本発明の組成物は劣化防止剤を含有していてもよい。前記劣化防止剤は、セルロースアシラート等の高分子材料が劣化及び分解するのを防止する目的で添加されてもよい。劣化防止剤としては、ブチルアミン、ヒンダードアミン化合物(特開平8−325537号公報)、グアニジン化合物(特開平5−271471号公報)、ベンゾトリアゾール系UV吸収剤(特開平6−235819号公報)、ベンゾフェノン系UV吸収剤(特開平6−118233号公報)などの化合物を用いることができる。
本発明の組成物は、可塑剤を含有していてもよい。前記可塑剤としては、リン酸エステル及び/又はカルボン酸エステルであることが好ましい。リン酸エステル系可塑剤としては、例えばトリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ビフェニルジフェニルホスフェート(BDP)、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が好ましい。また、カルボン酸エステル系可塑剤としては、例えばジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)、ジエチルヘキシルフタレート(DEHP)、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)、O−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等が好ましい。さらに、前記可塑剤が、(ジ)ペンタエリスリトールエステル類、グリセロールエステル類、ジグリセロールエステル類であることが好ましい。
本発明の組成物は、用途に応じて剥離促進剤を含有していてもよい。前記剥離促進剤としては、クエン酸のエチルエステル類が好ましい例として挙げられる。
[赤外吸収剤]
本発明の組成物は、用途に応じて赤外吸収剤を含有していてもよい。前記赤外吸収剤としては、例えば特開2001−194522号公報に記載のものが好ましい。
本発明の組成物は、色相調整のための染料を含有していてもよい。染料の含有量は、セルロースアシラート等の高分子材料に対する質量割合で10〜1000ppmが好ましく、50〜500ppmがさらに好ましい。この様に染料を含有させることにより、例えば、本発明の組成物からフィルムを作製した場合に、ライトパイピングが減少でき、黄色味を改良することができる。
本発明の組成物を、例えばフィルムの作製に用いる場合は、マット剤として微粒子を加えてもよい。マット剤として使用可能な微粒子としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子は、ケイ素を含むものが、濁度が低くなる点でより好ましく、特に二酸化ケイ素が好ましい。二酸化ケイ素の微粒子は、1次平均粒子サイズが20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができ、より好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上がさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
なお、本発明の組成物は、無機粒子への吸着基と液晶化合物のコア部を形成し得る基とを有する分子、好ましくは高分子材料との親和性を有する置換基をさらに有する分子、を吸着させた無機微粒子を含有するので、かかる無機微粒子がマット剤としても機能する場合は、別途マット剤を添加しなくても、同様の効果が得られる場合もある。
本発明の組成物からフィルムを作製する場合は、組成物中における分子量が3000以下の化合物の総量は、セルロースアシラート等の高分子材料の質量に対して5〜45質量%であることが好ましい。より好ましくは10〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜30質量%である。これらの化合物としては上述した無機微粒子に吸着した所定の基を有する化合物、及び所望により添加される、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤などである。さらに、分子量が2000以下の化合物の総量が上記範囲内であることがより好ましい。これら化合物の総量を5質量%以上とすることにより、セルロースアシラート等の高分子材料単体の性質が出にくくなり、例えば、温度や湿度の変化に対して光学性能や物理的強度が変動しにくくなる。またこれら化合物の総量を45質量%以下とすることにより、セルロースアシラートフィルム等の高分子フィルム中に化合物が相溶する限界を超え、フィルム表面に析出してフィルムの白濁(フィルムからの泣き出し)が抑止される傾向にあり好ましい。
高分子材料としてセルロースアシラートを用いる場合、本発明の組成物は、例えば、以下の方法により調製できる。まず、セルロースアシラートの溶液を調製し、該溶液に、前記所定の基を有する分子を吸着させた無機微粒子を添加する。その他、必要に応じて、種々の添加剤(例えば、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤等)を添加することができる。前記所定の基を有する分子を吸着させた無機微粒子、及び他の添加剤の添加時期については特に限定されない。同時に添加してもよいし、いずれかを先に添加してもよい。
まず、セルロースアシラートの溶液を調製する。ドープの調製に用いる主溶媒としては、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、及び炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン及び、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトン及びエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及び−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
特開2000−95876号、特開平12−95877号、特開平10−324774号、特開平8−152514号、特開平10−330538号、特開平9−95538号、特開平9−95557号、特開平10−235664号、特開平12−63534号、特開平11−21379号、特開平10−182853号、特開平10−278056号、特開平10−279702号、特開平10−323853号、特開平10−237186号、特開平11−60807号、特開平11−152342号、特開平11−292988号、特開平11−60752号、特開平11−60752号の各公報。
これらの特許文献には、セルロースアシラート溶液の調製に用いる好ましい溶媒についてだけでなく、その溶液物性や共存させる共存物質についても記載があり、それらも、本発明においても好ましい態様である。
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
(溶解工程)
セルロースアシラート溶液(ドープ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法又は高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。本発明におけるセルロースアシラート溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、22頁〜25頁、2001年3月15日発行、発明協会)にて詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
次に、調製したセルロースアシラート溶液を流延して、フィルム状に成型する。セルロースアシラートフィルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセタートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置を広く採用することができる。具体的には、まず、溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシラート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば、回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて得られたフィルムを乾燥装置のロール群で機械的に搬送し乾燥を終了して巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。
上記方法により作製したセルロースアシラートフィルムが、所望の光学特性を有する場合は、そのまま所定の用途に供することができる。さらに、延伸処理を施してレターデーション値を調整してもよい。特に、セルロースアシラートフィルムの面内レターデーション値を高い値とする場合には、積極的に幅方向に延伸する方法、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、特開平4−284211号、特開平4−298310号、及び特開平11−48271号の各公報などに記載されている、製造したフィルムを延伸する方法を用いることができる。
(590)値のばらつきは、±5nmであることが好ましく、±3nmであることが更に好ましい。また幅方向のRth(590)値のバラツキは±10nmが好ましく、±5nmであることが更に好ましい。また、長さ方向のRe値、及びRth値のバラツキも、幅方向のバラツキの範囲内であることが好ましい。
〔フィルムの光学特性〕
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
注記:
式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。
式中、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
式(a): 0nm≦Re(590)≦200nm
式(b): 0nm≦Rth(590)≦400nm
(式中、Re(590)、Rth(590)は、波長λ=590nmにおける値(単位:nm)である。)
下記式(a−1)及び(b−1)を満たすのが、さらに好ましい。
式(a−1): 30nm≦Re(590)≦150nm
式(b−1): 30nm≦Rth(590)≦300nm
2枚型の場合、Re(590)は20〜100nmが好ましく、30〜70nmがさらに好ましい。Rth(590)については70〜300nmが好ましく、100〜200nmがさらに好ましい。
1枚型の場合、Re(590)は30〜150nmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。Rth(590)については100〜300nmが好ましく、150〜250nmがさらに好ましい。
本発明の組成物から形成されたフィルムを液晶表示装置の光学補償シートとして用いる場合は、フィルムの透湿度は、JIS規格JISZ0208をもとに、温度60℃、湿度95%RH(相対湿度)の条件において測定し、膜厚80μmに換算して400〜2000g/m2・24hであることが好ましい。500〜1800g/m2・24hであることがより好ましく、600〜1600g/m2・24hであることが特に好ましい。2000g/m2・24h以下とすることにより、フィルムのRe値、Rth値の湿度依存性の絶対値が0.5nm/%RHを超えにくくなり、好ましい。また、前記フィルムに光学異方性層を積層して光学補償フィルムとした場合も、Re値、Rth値の湿度依存性の絶対値が0.5nm/%RHを超えにくくなり、好ましい。また、前記フィルムの透湿度を400g/m2・24h以上とすることにより、偏光膜の両面などに貼り付けて偏光板を作製する場合に、前記フィルムによって接着剤が乾燥しにくくなり、接着不良を生じにくくできる。
フィルムの膜厚が厚ければ透湿度は小さくなり、膜厚が薄ければ透湿度は大きくなる傾向にある。そこで、本発明における透湿度は、膜厚を80μmに換算した値として述べている。膜厚の換算は、(80μm換算の透湿度=実測の透湿度×実測の膜厚μm/80μm)として求める。
透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4,共立出版)の285頁〜294頁:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)に記載の方法を適用することができ、フィルム試料70mmφを25℃、90%RH及び60℃、95%RHでそれぞれ24時間調湿し、透湿試験装置(KK−709007、商品名、東洋精機(株))にて、JIS Z−0208に従って、単位面積あたりの水分量を算出(g/m2)し、透湿度=調湿後重量−調湿前重量で求める。
本発明では、フィルム中の残留溶剤量が、0.01〜1.5質量%の範囲となる条件で乾燥することが好ましい。より好ましくは0.01〜1.0質量%である。前記フィルムを液晶性組成物からなる光学異方性層の支持体に用いる場合、残留溶剤量を該範囲内とすることでカールをより抑制できる。これは、前述のソルベントキャスト方法による成膜時の残留溶剤量が少なくすることで自由体積が小さくなることが主要な効果要因になるためと思われる。
前記フィルムの吸湿膨張係数は30×10-5/%RH以下とすることが好ましく、15×10-5/%RH以下とすることがより好ましく、10×10-5/%RH以下であることがさらに好ましい。また、下限値は特に定めるものではなく、吸湿膨張係数は小さい方が好ましい傾向にあるが、より好ましくは、1.0×10-5/%RH以上の値である。吸湿膨張係数は、一定温度下において相対湿度を変化させた時の試料の長さの変化量を示す。この吸湿膨張係数を調節することで、前記フィルムを光学補償フィルムの支持体として用いた際、光学補償フィルムの光学補償機能を維持したまま、額縁状の透過率上昇すなわち歪みによる光漏れを防止することができる。
前記フィルムに、所望により表面処理を行って、フィルムと各機能層(例えば、下塗層及びバック層)との接着性を改善してもよい。例えば、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、30頁〜32頁、2001年3月15日発行、発明協会)に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
アルカリ鹸化処理は、フィルムを鹸化液の槽に直接浸漬する方法、又は鹸化液をフィルムに塗布する方法により実施することが好ましい。塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法及びE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液をフィルムに対して塗布するために、濡れ性がよく、また鹸化液溶媒によってフィルム表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、上記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、KOH、NaOHがさらに好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒〜5分が好ましく、5秒〜5分がさらに好ましく、20秒〜3分が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。
本発明の組成物から形成されたフィルムは、光学用途と写真感光材料に用いられるのに適する。特に光学用途として、液晶表示装置の部材として用いられるのが好ましく、液晶表示装置が、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、及び該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償シートを配置した構成であることがさらに好ましい。これらの液晶表示装置としては、TN、IPS、FLC、AFLC、OCB、STN、ECB、VA及びHANが好ましい。
前述の光学用途に前記フィルムを用いるに際し、各種の機能層を付与するのが好ましい。それらは、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層、配向層、液晶層などである。これらの機能層及びその材料としては、界面活性剤、滑り剤、マット剤、帯電防止層、ハードコート層などが挙げられ、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、32頁〜45頁、2001年3月15日発行、発明協会)に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
本発明の組成物から形成されたフィルムの用途について説明する。
本発明の組成物から形成されたフィルム、特にセルロースフィルムは、偏光板保護膜用として有用である。偏光板保護膜として用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたフィルム(好ましくはセルロースフィルム)をアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。
保護膜処理面と偏光膜を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
偏光板は偏光膜及びその両面を保護する保護膜で構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成してもよい。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、前記フィルムを適用した偏光板保護膜はどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護膜には透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護膜をこの部分に用いることが得に好ましい。
本発明の組成物から形成されたフィルムは、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光学補償フィルムとして用いると特に効果がある。なお、光学補償フィルムとは、一般に液晶表示装置に用いられ、位相差を補償する光学材料のことを指し、位相差板、光学補償シートなどと同義である。光学補償フィルムは複屈折性を有し、液晶表示装置の表示画面の着色を取り除いたり、視野角特性を改善したりする目的で用いられる。
本発明の組成物から形成した前記フィルム(好ましくはセルロースフィルム)を光学補償フィルムとして用いる場合は、偏光膜の透過軸と、前記フィルムの遅相軸とをどのような角度で配置しても構わない。液晶表示装置は、一般的に、二枚の電極基板の間に液晶を挟んでなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光膜、及び該液晶セルと該偏光膜との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。本発明の組成物からなる前記フィルムを、この光学補償フィルムとして組み込んでもよいし、偏光膜の保護膜として組み込んでもよい。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、好ましくは50μm〜2mmの厚さを有する。
本発明の組成物から形成されたフィルム(好ましくはセルロースアシラートフィルム)を、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートとして、その一部の支持体として、又は偏光板の保護膜として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くからよく知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報の記載に従って作製することができる。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)p.143や、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)p.1068)の記載に従って作製することができる。
本発明の組成物から形成されたフィルム(好ましくはセルロースアシラートフィルム)を、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートとして、その一部の支持体として、又は偏光板の保護膜として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報の記載に従って作製することができる。
本発明の組成物から形成されたフィルム(好ましくはセルロースアシラートフィルム)は、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートとして、その一部の支持体として、又は偏光板の保護膜として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置に用いる光学補償シートのRe値を0〜150nmとし、Rth値を70〜400nmとすることが好ましい。VA型液晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRth値は70〜250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRth値は150〜400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であってもよい。
本発明の組成物から形成されたフィルム(好ましくはセルロースアシラートフィルム)は、IPSモード及びECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置及びECB型液晶表示装置の光学補償シートとして、その一部の支持体、又は偏光板の保護膜としても有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において前記フィルムを用いた偏光板は色味の改善、視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護膜のうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護膜(セル側の保護膜)に前記フィルムを用いることが好ましい。更に好ましくは、偏光板の保護膜と液晶セルの間に光学異方性層を配置し、配置された光学異方性層のレターデーション値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定するのが好ましい。
本発明の組成物から形成されたフィルム(好ましくはセルロースアシラートフィルム)は、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートとして、その一部の支持体として、又は偏光板の保護膜としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートには、レターデーション値の絶対値が最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質及び光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平9−197397号公報の記載に従って作製することができる。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.38(1999)p.2837)の記載に従って作製することができる。
本発明の組成物から形成されたフィルム(好ましくはセルロースアシラートフィルム)は、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シート等としても有利に用いられる。これらの表示モードは古くからよく知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号公報、国際公開WO98/48320号パンフレット、特許登録第3022477号公報の記載に従って作製することができる。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、国際公開WO00/65384号パンフレットの記載に従って作製することができる。
本発明の組成物から形成されたフィルム(好ましくはセルロースアシラートフィルム)は、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シート等としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al.,SID 98 Digest 1089(1998))の記載に従って作製することができる。
本発明の組成物から形成されたフィルム(好ましくはセルロースアシラートフィルム)は、また、ハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムに好ましく用いることができる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、前記フィルムの片面又は両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れかあるいは全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、54頁〜57頁、2001年3月15日発行、発明協会)に詳細に記載されており、前記フィルムを好ましく用いることができる。
(針状二酸化チタン粒子の製造)
J.Am.Chem.Soc誌、第125巻、10518頁、2003年に記載の方法(ゾル−ゲル法)に順じて、針状二酸化チタンの粒子を形成した。粒子の粒子サイズ、アスペクト比は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察結果から求めた。その結果、粒子サイズは300nm、アスペクト比は5であった。
(異方性炭酸塩粒子の製造)
金属イオン源としての0.2mol/Lの水酸化ストロンチウム懸濁液1,000mL(水600mL、メタノール400mL)に、炭酸源としての0.1mol/Lの炭酸アンモニウム水溶液600mLを攪拌混合して反応させた。反応液中のpHは12.7であった。
次いで、反応液を攪拌しながら、炭酸源としての炭酸ガスを、金属イオン源より過剰に供給し、反応液中に白色沈殿を形成した。
この反応液に対して濾過および十分な水洗を行った。得られた沈殿は、乾燥後、メノウ乳鉢でこれを粉砕させて、異方性無機粒子としての炭酸ストロンチウム結晶T−1を得た。粒子の粒子サイズ、アスペクト比は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察結果から求めた。その結果、粒子サイズは300nm、アスペクト比は5であった。
(所定の基を有する分子を吸着させた無機微粒子の調製−1)
表1に示す試料No.4〜8のレターデーション制御剤として、等質量の無機微粒子(実施例1に従って形成した針状TiO2、アスペクト比5)、及び無機粒子への吸着基と液晶化合物のコア部を形成し得る基とを有する化合物、又は高分子材料との親和性を有する置換基をさらに有する化合物(例示化合物C−1、C−4、又はC−11)とを、100倍容量部のメタノールに分散し、30分間超音波処理した。得られた分散物を減圧濃縮し溶媒を除去し、前記それぞれの化合物の分子が吸着した無機微粒子を得た。前記化合物の分子の吸着の有無は、紫外可視吸収スペクトルにより確認した。
表1に示す試料No.9〜10のレターデーション制御剤として、等質量の無機微粒子(実施例1に従って形成した針状TiO2、アスペクト比5)、及び無機粒子への吸着基と液晶化合物のコア部を形成し得る基とを有する化合物、又は高分子材料との親和性を有する置換基をさらに有する化合物(例示化合物C−51)を、100倍容量部のアセトニトリルに分散し、30分間超音波処理した。得られた分散物を減圧濃縮し溶媒を除去し、前記化合物の分子が吸着した無機微粒子を得た。前記化合物の分子の吸着の有無は、紫外可視吸収スペクトルにより確認した。
下記セルロースアセテート溶液組成の各成分を、ミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
酢化度60.9%のセルロースアセテート(重合度:300)100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 318質量部
メタノール(第2溶媒) 47質量部
レターデーション制御剤溶液36質量部にセルロースアセテート溶液474質量部を徐々に添加、混合させ、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション制御剤の量は、セルロースアセテート100質量部に対して表1に記載の質量部を添加するように、各レターデーション制御剤溶液を調製した。
(所定の基を有する分子を吸着させた無機微粒子の調製−3及びセルロースアセテートフィルムの作製−2)
実施例3で用いたのと同様の無機粒子と、下記の例示化合物を用いて、吸着無機微粒子を調製した。
具体的には、無機粒子への吸着基と液晶化合物のコア部を形成し得る基を有する化合物、又は高分子材料との親和性を有する置換基をさらに有する化合物として、表2に示す例示化合物C−16又はC−19を用いた以外は、実施例3と同様に、所定の例示化合物の分子が吸着した無機微粒子を調製した。
この所定の例示化合物の分子が吸着した無機微粒子(レターデーション制御剤)の量が、セルロースアセテート100質量部に対して表2に示す添加量となるように、それぞれの吸着無機微粒子とセルロースアセテートとを混合して組成物を調製し、160℃の条件での横延伸しなかった以外は、実施例3と同様にして、セルロースアセテートフィルム(厚さ:92μm)を製造した。
(所定の基を有する分子を吸着させた無機微粒子の調製−4)
表3に示す試料No.3〜8のレターデーション制御剤として、実施例2記載の方法で調製した無機微粒子(針状SrCO3、アスペクト比5)、及び無機粒子への吸着基と液晶性化合物のコア部を形成し得る基を有する、又は高分子材料との親和性を有する置換基をさらに有する化合物(例示化合物C−4、C−5、C−31、C−36、C−41又はC−44)を、無機微粒子100質量部に対して該化合物が5質量部の割合で、100倍容量部のメタノールに分散し、30分間超音波処理した。得られた分散物を減圧濃縮し溶媒を除去し、前記化合物の分子が吸着した無機微粒子を得た。前記化合物の吸着の有無は、紫外可視吸収スペクトルにより確認した。
実施例3と同様にして、セルロースアセテート溶液、及び、表3に示す各レターデーション制御剤を含むドープを調製した。得られたドープを、バンド流延機を用いて流延し、160℃の条件での横延伸をせずに、セルロースアセテートフィルム(厚さ:80μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフィルムについて、波長590nmにおけるRe(590)値及びRth(590)値を、上述の方法により測定した。結果を表3に示す。なお、表3のNo.1はレターデーション制御剤溶液を加えない以外は同様にして製造されたセルロースアセテートフィルムである。また、表3中のフィルムNo.3〜8についての添加量とは、所定の有機化合物が吸着した針状SrCO3の添加量である。
(環状ポリオレフィンP−1の合成)
Makromol.Chem.誌,193巻,2915頁,1992年に記載の方法に準じて、環状ポリオレフィンP−1(Mw=88,000)を合成した。ここで、MwはTSK Gel GMHxL、TSK Gel G4000 HxL、TSK Gel G2000 HxL (いずれも東ソー(株)の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した質量平均分子量である。
下記環状ポリオレフィン溶液組成の各成分を、ミキシングタンクに投入し、攪拌しながら各成分を溶解し、環状ポリオレフィン溶液を調製した。
(環状ポリオレフィン溶液組成)
環状ポリオレフィン(Mw=88,000) 100質量部
メチレンクロライド 400質量部
表4に示す試料No.3〜6のレターデーション制御剤として、所定の基を有する分子を吸着させた無機微粒子を下記のように調製した。
実施例2記載の方法で調製した無機微粒子(針状SrCO3、アスペクト比5)、及び無機粒子への吸着基と液晶性化合物のコア部を形成し得る基を有する、又は高分子材料との親和性を有する置換基をさらに有する化合物(例示化合物C−4、C−10、C−31、又はC−44)を、無機微粒子100質量部に対して該化合物が5質量部の割合で、100倍容量部のメタノールに分散し、30分間超音波処理した。得られた分散物を減圧濃縮し溶媒を除去し、前記化合物の分子が吸着した無機微粒子を得た。前記化合物の吸着の有無は、紫外可視吸収スペクトルにより確認した。
この所定の例示化合物の分子が吸着した無機微粒子(レターデーション制御剤)の量が、環状ポリオレフィン 100質量部に対して表2 No.3〜6に示す添加量となるように、上述の(環状ポリオレフィンフィルムの作製−1)と同様の方法により、それぞれの吸着無機微粒子と環状ポリオレフィンとを混合して組成物を調製し、さらに、環状ポリオレフィンフィルム(厚さ:80μm)を製造した。作製したポリオレフィンフィルムについて、波長590nmにおけるRe(590)値及びRth(590)値を、上述の方法により測定した。結果を表4に示す。
表4に示す試料No.2、および7〜10のレターデーション制御剤として、例示化合物C−4、C−10、C−31、又はC−44を環状ポリオレフィン100質量部に対して表2に示す添加量となるように用いた以外は、上述の(環状ポリオレフィンフィルムの作製−1)と同様の方法により、それぞれの吸着無機微粒子と環状ポリオレフィンとを混合して組成物を調製し、さらに、環状ポリオレフィンフィルム(厚さ:80μm)を製造した。作製したポリオレフィンフィルムについて、波長590nmにおけるRe(590)値及びRth(590)値を、上述の方法により測定した。結果を表4に示す。
また、前記レターデーション制御剤、即ち、所定の基を有する分子が吸着した無機微粒子は、セルロースアシレートフィルム及び環状ポリオレフィンフィルムのRth抑制効果にも優れていることが確認された。
Claims (20)
- 無機粒子への吸着基及び液晶化合物のコア部を形成し得る基を有する分子を吸着させた無機微粒子と、高分子材料とを少なくとも含有する組成物。
- 前記分子が液晶分子である請求項1に記載の組成物。
- 前記分子が、前記高分子材料と親和性を有する置換基をさらに有する請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記無機粒子への吸着基の少なくとも一種が、カルボキシル基もしくはその塩である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記無機粒子への吸着基の少なくとも一種が、下記一般式(1)で表されるホスホン酸基もしくはその塩、又は下記一般式(2)で表されるリン酸モノエステル基もしくはその塩である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物:
一般式(1)
−PO3Xm
一般式(2)
−OPO3Xm
式中、Xはそれぞれ独立に、水素原子、あるいは1価もしくは2価の有機又は無機カチオンを表し、mは1又は2であるが、mが1の場合は、Xは2価の有機又は無機カチオンであり、mが2の場合は、2個のXはそれぞれ水素原子あるいは1価の有機又は無機カチオンである。 - 前記無機粒子への吸着基の少なくとも一種が、下記一般式(3)で表される基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物:
一般式(3)
−Si(R1)3-n(OR2)n
式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。 - 前記無機粒子が形状異方性を有する粒子である請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記無機粒子が形状異方性および複屈折性を有する粒子である請求項7に記載の組成物。
- 前記無機粒子が、金属酸化物の粒子である請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記無機粒子が、炭酸ストロンチウムの粒子である請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記高分子材料が、セルロースアシラート系ポリマーである請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記分子が、棒状分子である請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物から形成されたフィルム。
- さらに延伸された請求項13に記載のフィルム。
- 請求項13又は14記載のフィルムを用いることを特徴とする偏光板保護フィルム。
- 請求項13又は14記載のフィルムを用いることを特徴とする光学補償フィルム。
- 請求項15記載の偏光板保護フィルム及び/又は請求項16記載の光学補償フィルムを用いることを特徴とする液晶表示装置。
- 無機粒子への吸着基及び液晶化合物のコア部を形成し得る基を有する分子を吸着させた無機微粒子と、高分子材料とを少なくとも含有する組成物からなるフィルムを形成することを含む光学フィルムの製造方法。
- 前記組成物から形成されたフィルムをさらに延伸することを含む請求項18に記載の方法。
- 無機粒子への吸着基及び液晶化合物のコア部を形成し得る基を有する分子を吸着させた無機微粒子からなる高分子フィルム用レターデーション制御剤。
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