JP2017128630A - セルロース製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂中への分散性が良好なセルロース製剤を提供すること。【解決手段】平均重合度が500以下のセルロースと、溶解パラメータ(SP値)が7.25以上であり、水よりも高い沸点を有する有機成分と、を含む、セルロース製剤。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロース製剤及びそれを含む樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂は、軽く、加工特性に優れるため、自動車部材、電気・電子部材、事務機器ハウジング、精密部品等の多方面に広く使用されている。しかしながら、樹脂単体では、機械特性、寸法安定性等が不十分である場合が多く、樹脂と各種無機材料をコンポジットしたものが一般的に用いられている。
セルロースI型結晶から構成されるミクロフィブリルは、機械的特性に優れ、アラミド繊維に匹敵する高い弾性率、ガラスファイバー以下の線膨張係数を有することが知られている。また、セルロースI型結晶は、真密度が1.56g/cm3であり、熱可塑性樹脂の補強材として汎用されるガラス(密度2.4〜2.6g/cm3)や、タルク(密度2.7g/cm3)と比べて圧倒的に軽い材料である。そのため、高L/D(長径/短径比)のセルロースI型結晶をミクロフィブリル状で樹脂マトリクスに分散できれば、それらが樹脂中でネットワークを形成し、それにより結晶セルロースが有する機械的特性を樹脂に付与できるものと期待される。
しかしながら、樹脂にセルロース系物質(ミクロフィブリルの凝集体)を分散する場合、乾燥状態で添加するとミクロフィブリル同士の結合が強いため樹脂中で分散が進まず、また、湿潤状態で添加するとミクロフィブリル表面の水の撥水性のため樹脂との親和性が悪くなり、分散しにくいという課題があった。
例えば、特許文献1には、平均粒径が6μm以下であり、20μm以上の粒子の含有量が10質量%未満であり、かつ粒子の長径/短径比が4以上の棒状粒子からなる結晶セルロースの微粉末と、分散剤と、熱可塑性樹脂とを含有する樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献2には、熱可塑性樹脂100質量部に対し、植物性繊維5〜150質量部、ロジン系樹脂1〜40質量部、および植物性油0〜40質量部を含有してなる熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
さらに、特許文献3には、セルロース繊維100質量部、よう素価50以上の油脂成分0.1〜5質量部、シランカップリング剤0.5〜5質量部、および少量のラジカル発生剤、15質量部以下のエラストマー、ポリエチレン5〜28質量部を含むセルロース繊維添加用マスターバッチが記載されている。
加えて、特許文献4には、セルロースの水酸基の一部がロジン系化合物の酸無水物とエステル結合してなるロジン変性セルロースが、特定の変性率において合成樹脂中で分散されることが記載されている。
特開2006−282923号公報 特開2002−294080号公報 特開2000−264975号公報 特開2014−129518号公報
特許文献1には、気流式で乾式粉砕された結晶セルロース微粒子を樹脂に分散させたものが記載されているが、一次粒子が大きい結晶セルロースが単独で用いられるため、ミクロフィブリル状に分散させることは困難である。
特許文献2には、木粉等のセルロースと他の成分を撹拌混合して熱可塑性樹脂組成物を得ることが記載されている。特許文献3には、粉末セルロースと紙粉に、各種添加剤を混練してオレフィン組成物を得ることが記載されている。しかしながら、これらに用いられるセルロースは加水分解されていないため、最初から粒子が粗く、通常の機械処理では樹脂中にミクロフィブリル状に分散できない。
特許文献4には、予めミクロフィブリル化されたセルロースの表面に無水ロジンをエステル結合させることで、樹脂中にセルロースミクロフィブリルが分散されやすくなることが記載されている。しかしながら、変性セルロースの疎水基を外側(樹脂側)に向け、親水基を内側に向けて凝集した形で分散するため、樹脂中でのセルロースのネットワーク形成が不十分となり、樹脂の機械的特性が不足するという問題がある。
上記事情に鑑み、本発明は、樹脂中への分散性が良好なセルロース製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、平均重合度が500以下のセルロースと、特定の溶解パラメータ(SP値)を有し、且つ、水よりも高い沸点を有する有機成分とを、予め複合化することにより得られるセルロース製剤が、乾燥粉末状態で樹脂に添加して溶融混合する際に、ミクロフィブリルレベルに分散し、それらが樹脂中でネットワークを形成することを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
平均重合度が500以下のセルロースと、
溶解パラメータ(SP値)が7.25以上であり、水よりも高い沸点を有する有機成分と、
を含む、セルロース製剤。
[2]
前記セルロースは結晶セルロースである、上記[1]記載のセルロース製剤。
[3]
前記セルロースを30〜99質量%、前記有機成分を1〜70質量%含む、上記[1]又は[2]に記載のセルロース製剤。
[4]
前記有機成分はロジン誘導体である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のセルロース製剤。
[5]
前記有機成分はロジンエトキシエステルである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のセルロース製剤。
[6]
平均重合度が500以下のセルロースと、ロジンエトキシエステルと、を含むセルロース製剤。
[7]
前記セルロースは結晶セルロースである、上記[6]記載のセルロース製剤。
[8]
前記セルロースを30〜99質量%、前記ロジンエトキシエステルを1〜70質量%含む、上記[6]又は[7]に記載のセルロース製剤。
[9]
上記[1]〜[8]のいずれかに記載のセルロース製剤を1質量%以上含有する樹脂組成物。
本発明のセルロース製剤は、樹脂中への分散性が良好であるという効果を奏する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
本実施形態のセルロース製剤は、平均重合度が500以下のセルロースと、溶解パラメータ(SP値)が7.25以上であり、水よりも高い沸点を有する有機成分と、を含む、セルロース製剤である。
本実施形態におけるセルロース製剤とは、セルロースと有機成分が、水素結合、分子間力等の非共有結合により結合されたものをいう。セルロース製剤の例としては、結晶セルロース粒子の表面が有機成分で被覆されたもの等が挙げられる。
(1)セルロース
本実施形態において「セルロース」とは、セルロースを含有する天然由来の水不溶性繊維質物質である。セルロースの原料としては、木材、竹、麦藁、稲藁、コットン、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等が挙げられる。原料としては、これらのうち1種の天然セルロース系物質を使用しても、2種以上を混合したものを使用してもよい。
<セルロースの平均重合度>
本実施形態におけるセルロースの平均重合度は、500以下である。平均重合度が500以下であれば、有機成分との複合化の工程において、セルロースが攪拌、粉砕、摩砕等の物理処理を受けやすくなり、複合化が促進されやすくなる。セルロースの平均重合度は、好ましくは400以下、より好ましくは350以下、さらに好ましくは300以下、さらにより好ましくは250以下、特に好ましくは200以下である。平均重合度は、小さいほど複合化の制御が容易になるため、下限は特に制限されないが、好ましい範囲としては10以上である。
平均重合度は、「第14改正日本薬局方」(廣川書店発行)の結晶セルロース確認試験(3)に規定される銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法により測定できる。
<セルロースの加水分解>
セルロースの平均重合度を制御する方法としては、加水分解処理が挙げられる。加水分解処理によって、セルロース繊維質内部の非晶質セルロースの解重合が進み、平均重合度が小さくなる。また同時に、加水分解処理により、上述の非晶質セルロースに加え、ヘミセルロースや、リグニン等の不純物も取り除かれるため、繊維質内部が多孔質化する。それにより、混練工程中等の、セルロースと有機成分に機械的せん断力を与える工程において、セルロースが機械処理を受けやすくなり、セルロースが微細化されやすくなる。その結果、セルロースの表面積が高くなり、有機成分との複合化の制御が容易になる。
加水分解の方法としては、特に制限されないが、酸加水分解、熱水分解、スチームエクスプロージョン、マイクロ波分解等が挙げられる。これらの方法は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。酸加水分解では、セルロースを水系媒体に分散させた状態で、プロトン酸、カルボン酸、ルイス酸、ヘテロポリ酸等を適量加え、攪拌させながら加温することにより、容易に平均重合度を制御できる。この際の温度、圧力、時間等の反応条件は、セルロース種、セルロース濃度、酸種、酸濃度により異なるが、目的とする平均重合度が達成されるよう適宜調整される。例えば、2質量%以下の鉱酸水溶液を使用し、100℃以上、加圧下で、10分以上の条件で、セルロースを処理する。この条件で処理する場合、酸等の触媒成分がセルロース繊維内部まで浸透するため加水分解が促進され、使用する触媒成分量が少なくなり、その結果、その後の精製も容易になる。
<セルロースの結晶化度>
本実施形態におけるセルロース製剤中のセルロースは、結晶セルロースであることが好ましく、セルロースI型結晶を含有し、結晶化度が10%以上であることがより好ましい。結晶化度が10%以上であると、セルロース粒子自体の力学物性(強度、寸法安定性)が高まるため、樹脂に分散した際に、樹脂コンパウンドの強度、寸法安定性が高くなる傾向にある。結晶化度は、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは50%以上であり、特に好ましくは70%以上である。上限は特に制限されないが、90%以下であることが好ましい。
結晶化度は、セルロースを広角X線回折により測定した際の回折パターン(2θ/deg.が10〜30)からSegal法により、以下の式で求められる。
結晶化度(%)=((2θ/deg.=22.5の(200)面に起因する回折強度)−(2θ/deg.=18の非晶質に起因する回折強度))/(2θ/deg.=22.5の(200)面に起因する回折強度)x100
<セルロースの粒子形状(L/D)>
本実施形態におけるセルロース製剤中のセルロースは、微細な粒子状であることが好ましい。セルロースの粒子形状は、セルロース(加水分解後のウェットケークが好ましい)を、1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」、処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させた水分散体を、0.1〜0.5質量%まで純水で希釈し、マイカ上にキャストし、風乾したものを、高分解能走査型顕微鏡(SEM)又は原子間力顕微鏡(AFM)で計測した際に得られる粒子像の長径(L)と短径(D)の比(L/D)で表され、100個〜150個の粒子の平均値として算出される。
セルロースのL/Dは、懸濁安定性の観点から、20未満であることが好ましく、15以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましく、5以下であることがさらにより好ましく、5未満であることがよりさらに好ましく、4以下であることが特に好ましい。
<コロイド状セルロース含有量>
本実施形態におけるセルロースは、コロイド状セルロースを含むことが好ましい。コロイド状セルロースの含有量が高いほど、該セルロースを用いたセルロース製剤を樹脂中に分散させた際に、分散が進み、表面積が高いネットワークを形成できるため、樹脂の強度および寸法安定性が向上する傾向にある。セルロース中のコロイド状セルロースの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。コロイド状セルロースの含有量の上限は特に制限されず、理論上の上限は100質量%である。
コロイド状セルロースの含有量は以下の方法で測定することができる。セルロースを固形分40質量%として、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)中において、126rpmで、室温常圧下で30分間混練し、次いで、固形分が0.5質量%の濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、遠心分離(久保田商事(株)製、商品名「6800型遠心分離器」ロータータイプRA−400型、処理条件:遠心力39200m2/sで10分間遠心した上澄みを採取し、さらに、この上澄みについて、116000m2/sで45分間遠心処理する。)し、遠心後の上澄みに残存する固形分を絶乾法で測定し、質量百分率を算出する。
<セルロースの粒子径>
本実施形態におけるセルロースは、粒子径が小さいほど好ましい。粒子径が小さいほど、該セルロースを用いたセルロース製剤を樹脂中に分散させた際に、分散が進み、表面積が高いネットワークを形成できるため、樹脂の強度および寸法安定性が向上する傾向にある。セルロースの粒子径は、1.0μm以下であることが好ましく、0.7μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがさらに好ましく、0.3μ以下であることが特に好ましい。粒子径の下限としては特に制限されないが、現実的には0.05μm以上である。
セルロースの粒子径は以下の方法で測定することができる。セルロースを固形分40質量%として、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)中において、126rpmで、室温常圧下で30分間混練し、次いで0.5質量%の濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、遠心分離(久保田商事(株)製、商品名「6800型遠心分離器」ロータータイプRA−400型、処理条件:遠心力39200m2/sで10分間遠心した上澄みを採取し、さらに、この上澄みについて、116000m2/sで45分間遠心処理する。)し、遠心後の上澄みを採取する。この上澄み液を用いて、レーザー回折/散乱法粒度分布計(堀場製作所(株)製、商品名「LA−910」、超音波処理1分、屈折率1.20)により得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径(体積平均粒子径)を測定する。
(2)有機成分
本実施形態における有機成分とは、炭素原子を骨格とし、水素、酸素、窒素、塩素、硫黄、リン等から構成される官能基を有するものである。分子中に上述の構造を有していれば、無機化合物と上記官能基が化学結合したものも、本実施形態における有機成分に含まれる。
有機成分は、水よりも高い沸点を有する。即ち、常圧下においては100℃よりも高い沸点を有することを意味するが、ここでいう沸点とは、常圧に限らず、水の蒸気圧曲線において、各気圧における沸点よりも高い性質を有するということをいう。有機成分の沸点が水よりも高いことで、溶融状態の樹脂にセルロースを混合する際に、セルロース製剤に含まれる水が蒸発し、その水と有機成分が置換されるため、樹脂中でのセルロースの分散が促進される。
また、有機成分は、溶解パラメーター(SP値)が7.25以上である。有機成分がこの範囲のSP値を有することで、セルロースとの複合化に加え、樹脂中でのセルロースの分散が促進される。
溶解パラメータ(SP値)は、以下の方法で測定することができる。溶解パラメータ(SP値)は、Fodersの文献(R.F.Foders:Polym.Eng.Sci.,12(10)、p.2359−2370(1974))によると、物質の凝集エネルギー密度とモル分子量の両方が、置換基の種類および数に依存していると考えられ、上田らの文献(塗料の研究 No.152 Oct.2010)によると、後述する実施例に示す既存の主要な溶剤についてのSP値(cal/cm31/2が公開されている。
本実施形態における有機成分のSP値は、実験的には、SP値が既知の種々の溶剤に有機成分を溶解させ、可溶と不溶の境目から求めることができる。例えば、実施例に示す表中のSP値が異なる各種溶剤(10mL)に、有機溶剤1mLを室温においてスターラー撹拌下で1時間溶解させた場合に、全量が溶解するかどうかで判断する。例えば、有機成分がジエチルエーテルに可溶であった場合は、その有機成分のSP値は7.25以上となる。
有機成分の表面張力は、セルロース製剤が疎水性の樹脂に分散されやすくなる傾向にあるため、水の表面張力(72.8mNm-1)以下であることが好ましい。
有機成分は、セルロース製剤中で、セルロースと非共有結合していることが好ましい。有機成分がセルロースと非共有結合している場合、溶融状態の樹脂にセルロース製剤が混合、分散される過程で、セルロース表面の有機成分が樹脂中に遊離し、露出したセルロース表面同志が、相互作用することでネットワークが強固になる傾向にある。
本実施形態における有機成分としては、特に限定されず、例えば、油脂、脂肪酸又は界面活性剤等を用いることができる。
油脂としては、脂肪酸とグリセリンとのエステルが挙げられ、通常は、トリグリセリド(トリ−O−アシルグリセリン)の形態を取るものをいう。脂肪油で酸化を受けて固まりやすい順に乾性油、半乾性油、不乾性油と分類され、食用、工業用など様々な用途で利用されているものを用いることができ、例えば以下のものを、1種又は2種以上併用して用いる。
動植物油としては、例えば、テルピン油、トール油、ロジン、白絞油、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油(キャノーラ油)、こめ油、糠油、椿油、サフラワー油(ベニバナ油)、ヤシ油(パーム核油)、綿実油、ひまわり油、エゴマ油(荏油)、アマニ油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、ヘーゼルナッツオイル、ウォルナッツオイル、グレープシードオイル、マスタードオイル、レタス油、魚油、鯨油、鮫油、肝油、カカオバター、ピーナッツバター、パーム油、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、鶏油、兎脂、羊脂、馬脂、シュマルツ、乳脂(バター、ギー等)、硬化油(マーガリン、ショートニングなど)、ひまし油(植物油)等が挙げられる。また、鉱物油としては、例えば、流動パラフィン、シリコンオイルや、カルシウム石鹸基グリース、カルシウム複合石鹸基グリース、ナトリウム石鹸基グリース、アルミニウム石鹸基グリース、リチウム石鹸基グリース、非石鹸基グリース、シリコングリース等のグリース類;ナフテン系およびパラフィン系鉱物油;鉱物油や高度水素分解油にPAOやエステル(あるいは水素化分解油)を混合し得られる部分合成油;PAO(ポリアルファオレフィン)等の化学合成油・全合成油・合成油等が挙げられる。
脂肪酸とは、一般式CnHmCOOHで表せる化合物をいい、食用、工業用など様々な用途で利用されているものを用いることができる。例えば、以下のものを1種又は2種以上併用して用いる。
飽和脂肪酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸 、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸等が挙げられ、不飽和脂肪酸としては、例えば、α-リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等のω-3脂肪酸;リノール酸、γ-リノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸、ドコサペンタエン酸等のω-6脂肪酸;パルミトレイン酸、バクセン酸、パウリン酸等のω-7脂肪酸;オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ネルボン酸等のω-9脂肪酸が挙げられる。
界面活性剤としては、親水性の置換基と疎水性の置換基が共有結合した化学構造を有していればよく、食用、工業用など様々な用途で利用されているものを用いることができる。例えば、以下のものを1種又は2種以上併用して用いる。
アシルグタミン酸塩等のアシルアミノ酸塩、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩等のアニオン性界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化(N,N‘−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピチジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体等のカチオン性界面活性剤;2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホバタイン等のベタイン系両性界面活性剤等の両性界面活性剤、ソルビタンノモオレエート、ソルビタンモノモイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、パンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビタンテトラオレエート等のポリオキシエチレン−ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン−ソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットペンタオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリントリイソステアレート等のポリオキシエチレン−グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸等のポリオキシエチレンヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
特に、上述の動植物油の中でも、セルロース表面への親和性、均一コーティング性の観点から、テルピン油、トール油、ロジン、およびそれらの誘導体が、本実施形態のセルロース製剤に加える有機成分としては好ましい。
テルピン油(テルビン油ともいう)は、マツ科の樹木のチップ、あるいはそれらの樹木から得られた松脂(まつやに)を水蒸気蒸留することによって得られる精油のことであり、松精油、ターペンタインともいう。テルピン油としては、例えば、ガム・テレピン油(松脂の水蒸気蒸留によって得られたもの)、ウッド・テレピン油(マツ科の樹木のチップを水蒸気蒸留あるいは乾留することで得られたもの)、硫酸テレピン油(硫酸塩パルプ製造時にチップを加熱処理した時に留出して得られたもの)、亜硫酸テレピン油(亜硫酸パルプ製造時にチップを加熱処理した時に留出して得られたもの)が挙げられ、ほぼ無色から淡黄色の液体で、亜硫酸テレピン油以外は主にα−ピネンとβ−ピネンを成分とする。亜硫酸テレピン油は、他のテレピン油と異なりp−シメンを主成分とする。上述の成分を含んでいれば、本実施形態のテルピン油に含まれ、いずれも単独で又は複数を混合して使用することができる。
トール油は、松材を原料にクラフトパルプを作る際に副成する、樹脂と脂肪酸を主成分とする油である。トール油としては、オレイン酸とリノール酸を主成分とするトール脂肪酸を用いても、アビエチン酸などの炭素数20のジテルペノイド化合物を主成分とするトールロジンを用いてもよい。
ロジンは、マツ科の植物の樹液である松脂等のバルサム類を集めてテレピン精油を蒸留した後に残る残留物で、ロジン酸(アビエチン酸、パラストリン酸、イソピマール酸等)を主成分とする天然樹脂である。コロホニーあるいはコロホニウムとも呼ばれる。中でも、トールロジン、ウッドロジン、ガムロジンが好適に使用できる。また、これらロジン類に種々の安定化処理、エステル化処理、精製処理などを施したロジン誘導体を使用することがより好ましい。安定化処理とは、上記ロジン類に水素化、不均化、脱水素化、重合処理等を施すことをいう。また、エステル化処理とは、上記ロジン類、または安定化処理を施したロジン類を各種アルコールと反応させてロジンエステルとする処理のことをいう。このロジンエステルの製造には各種公知のアルコールまたはエポキシ化合物等を使用することができる。アルコールとしては、例えば、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコールのような1価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の4価アルコールが挙げられる。また、イソペンチルジオール、エチルヘキサンジオール、エリトルロース、オゾン化グリセリン、カプリリルグリコール、グリコール、(C15−18)グリコール、(C20−30)グリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジグリセリン、ジチアオクタンジオール、DPG、チオグリセリン、1,10−デカンジオール、デシレングリコール、トリエチレングリコール、チリメチルギドロキシメチルシクロヘキサノール、フィタントリオール、フェノキシプロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、BG、PG、1,2−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、メチルプロパンジオール、メンタンジオール、ラウリルグリコール等の多価アルコールを用いてもよい。また、イノシトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、ラクチトール等の糖アルコールとして分類されるものも、多価アルコールに含まれる。
さらに、アルコールとしては、アルコール性の水溶性高分子を用いることもできる。アルコール性の水溶性高分子としては、多糖類・ムコ多糖類、デンプンとして分類されるもの、多糖誘導体として分類されるもの、天然樹脂に分類されるもの、セルロースおよび誘導体に分類されるもの、タンパク質・ペプチドに分類されるもの、ペプチド誘導体に分類されるもの、合成ホモポリマーに分類されるもの、アクリル(メタクリル酸)酸共重合体に分類されるもの、ウレタン系高分子に分類されるもの、ラミネートに分類されるもの、カチオン化高分子に分類されるもの、その他の合成高分子に分類されるもの等が挙げられ、常温で水溶性のものを用いることができる。より具体的には、ポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエーテル、アルギン酸カルシウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、ポリアクリルアミド、カチオン化ガーガムなどのカチオン系ポリマー、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アクリル共重合体、POE/POP共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、ガーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、セルロース、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、カチオン化シリコーン重合体等が挙げられる。
上述の各種ロジンエステルの中でも、セルロース微粒子表面のコーティング性、樹脂中でのセルロース製剤の分散性がさらに促進される傾向にあるため、ロジンと水溶性高分子がエステル化したものが好ましく、ロジンとポリエチレングリコールとのエステル化物(ロジンエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレングリコール樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンロジン酸エステルともいう。)が特に好ましい。
<セルロースと有機成分の配合比率>
本実施形態におけるセルロース製剤は、セルロースを30〜99質量%、及び有機成分を1〜70質量%含むことが好ましい。セルロースと有機成分との複合化によって、有機成分がセルロース粒子の表面を水素結合、分子間力等の非共有の化学結合により被覆し、その結果、樹脂中へのセルロースの分散が促進される。セルロースと有機成分の含有量を上記範囲にすることで、複合化がより促進される。
本実施形態におけるセルロース製剤は、セルロースを50〜99質量%、有機成分を1〜50質量%を含むことがより好ましく、セルロースを70〜99質量%、有機成分を1〜30質量%を含むことがさらに好ましく、セルロースを80〜99質量%、有機成分を1〜20質量%を含むことがさらにより好ましく、セルロースを90〜99質量%、有機成分を1〜10質量%を含むことが特に好ましい。
(3)セルロース製剤の製造方法
次に、本実施形態におけるセルロース製剤の製造方法について説明する。
本実施形態におけるセルロース製剤は、セルロースと有機成分とを混練することによって製造することができる。具体的には、混練工程において、セルロースと有機成分に機械的せん断力を与え、セルロースを微細化させると共にセルロース表面に有機成分を複合化させることによって得ることができる。また、この混練工程では、有機成分以外の親水性物質、及びその他の添加剤等を添加してもよい。混練工程後、必要に応じて、乾燥してもよい。本実施形態におけるセルロース製剤としては、混練工程後、未乾燥のものでも、その後乾燥したものでもよい。
機械的せん断力を与えるには、例えば、混練機等を用いて混練する方法を適用することができる。混練機としては、例えば、ニーダー、エクストルーダー、プラネタリーミキサー、ライカイ機等を用いることができ、連続式でもバッチ式でもよい。混練時の温度は、成り行きでもよく、混練の際の複合化反応、摩擦等により発熱する場合にはこれを除熱しながら混練してもよい。上記機種は、単独で使用しても、二種以上の機種を組み合わせて用いてもよい。
混練温度は、有機成分の劣化が抑制され、セルロースと有機成分の複合化が促進される傾向にあるため、より低いことが好ましい。混練温度は、0〜100℃であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることがさらに好ましく、60℃以下であることがさらにより好ましく、50℃以下であることが特に好ましい。高エネルギー下で上記の混練温度を維持するために、ジャケット冷却、放熱等の徐熱を工夫することが好ましい。
混練時の固形分は、20質量%以上とすることが好ましい。混練物の粘性が高い半固形状態で混練することで、混練物が緩い状態にならず、下記に述べる混練エネルギーが混練物に伝わりやすくなり、複合化がより促進される傾向にある。混練時の固形分は、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは40質量%以上であり、特に好ましくは50質量%以上である。固形分の上限としては特に制限されないが、充分な混練効果と均一な混練状態を得る観点から、90質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下である。固形分を上記範囲とするために、加水するタイミングとしては、混練工程の前に必要量を加水してもよく、混練工程の途中で加水してもよく、両方実施してもよい。
ここで、混練エネルギーについて説明する。混練エネルギーとは混練物の単位質量当たりの電力量(Wh/kg)で定義される。混練エネルギーは、50Wh/kg以上とすることが好ましい。混練エネルギーが50Wh/kg以上であれば、混練物に与える磨砕性が高く、セルロースと有機成分との複合化がより促進される傾向にある。混練エネルギーは、より好ましくは80Wh/kg以上であり、さらに好ましくは100Wh/kg以上であり、さらにより好ましくは200Wh/kg以上であり、よりさらに好ましくは300Wh/kg以上であり、特に好ましくは400Wh/kg以上である。混練エネルギーが高い方が、複合化がより促進されると考えられるが、混練エネルギーが高すぎると、工業的に過大な設備となり、設備に過大な負荷がかかることになる。従って、混練エネルギーの上限は1000Wh/kgとすることが好ましい。
複合化の程度は、セルロースと、有機成分の水素結合、分子間力による結合の割合と考えられる。複合化が進むと、セルロースと有機成分の結合の割合が高くなり、本発明の効果がより一層顕著となる。
混練工程における複合化は、減圧化で行うことが好ましい。セルロースの原料として、水を含んだウェットケークを使用する場合は、減圧化で行うことで、混練初期段階でセルロース粒子間の水の水素結合を活用し、粒子微細化がより一層促進される。さらに、水を減圧で系外に排出しながらさらに混練を進めると、セルロースの微細化、脱水、有機成分のコーティングが同時に進行するため効率的である。
本実施形態におけるセルロース製剤を得るにあたって、上述の混練工程より得られた混練物を乾燥する場合は、棚段式乾燥、噴霧乾燥、ベルト乾燥、流動床乾燥、凍結乾燥、マイクロウェーブ乾燥等の公知の乾燥方法を用いることができる。混練物を乾燥工程に供する場合には、混練物に水を添加せず、混練工程の固形分濃度を維持して、乾燥工程に供することが好ましい。
乾燥後のセルロース製剤の含水率は1〜20質量%であることが好ましい。含水率を20質量%以下とすることで、容器への付着、腐敗等の問題や、運搬・輸送におけるコストの問題が生じにくくなる。また、含水率が少ないほど、溶融樹脂に混合する際に水の蒸発に起因するボイドが入りにくく、樹脂コンポジットの物性(強度、寸法安定性)が高くなる傾向にある。一方、含水率を1質量%以上とすることで、過剰乾燥により分散性が悪化するおそれが少なくなる。セルロース製剤の含水率は、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下であり、さらにより好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以下であり、下限としては、より好ましくは1.5質量%以上である。
セルロース製剤を市場に流通させる場合、その形状は、粉体である方が取り扱い易いため、セルロース製剤を粉砕処理して粉体状にすることが好ましい。但し、乾燥方法として噴霧乾燥を用いた場合は、乾燥と粉末化が同時に行われるため、粉砕しなくともよい。セルロース製剤を粉砕する場合、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の公知の方法を用いることができる。粉砕する程度は、粉砕処理したものが目開き1mmの篩いを全通する程度に粉砕する。より好ましくは、目開き425μmの篩いを全通し、かつ、平均粒度(質量平均粒子径)が10〜250μmとなるように粉砕することが好ましい。得られた乾燥粉末は、セルロース製剤の微粒子が凝集し、二次凝集体を形成したものである。この二次凝集体は、水中で攪拌すると崩壊し、上述のセルロース製剤微粒子に分散する。二次凝集体の見かけの質量平均粒子径は、ロータップ式篩振盪機(平工作所製、シーブシェーカーA型)、JIS標準篩(Z8801−1987)を用いて、試料10gを10分間篩分することにより得られる粒度分布における累積質量50%粒径のことをいう。
<有機成分の結合率>
本実施形態におけるセルロース製剤は、セルロースと有機成分が共有結合せず、過度に水素結合、分子間結合していないことが好ましい。これにより樹脂中に分散した際に、有機成分がセルロース表面から樹脂中に遊離、脱離し、セルロース本来の表面が発現する。その結果、セルロース粒子同志の結合が促進され、樹脂中で強固なネットワークを形成する。
セルロースと有機成分の共有結合の程度は、以下に示す結合率で表される。
セルロース製剤粉末を250μmの篩を通るように粉砕し、それを1g採取する。このサンプルをエタノール10mLに入れ、スターラー撹拌下で60分間、室温で撹拌する。エタノールを目開き0.4μmのPTFE製メンブレンフィルターでろ過し、ろ液からエタノールを気化させる。ろ液から採取された残渣の質量を求め、以下の式から結合率を算出する。
結合率(%)=(1−(残渣の質量(g)/セルロース製剤中の有機成分量(g)))/100
(ここで、セルロース製剤中の有機成分量は、製造時の配合量から得られる理論値を用いても、NMR、IR、X線回折等の化学分析から求めたものを用いてもよい。)
結合率は、90%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましく、10%以下であることがさらにより好ましく、5%以下であることが特に好ましい。結合率が低いほどセルロース製剤の樹脂への分散性および分散後の力学特性が高まるため、下限は特に制限されないが、理論上は0%以上である。
(4)樹脂組成物
本実施形態におけるセルロース製剤は、樹脂中に分散させて樹脂組成物とする。セルロース製剤を分散させる樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。これにより、本来、熱可塑性を有さないセルロースを用いて、熱可塑性の樹脂組成物を得ることが可能になる。熱可塑性樹脂としては、樹脂組成物の製造時や成形品の製造時におけるセルロース微粒子の分解による褐変化や凝集を防ぐ観点から、250℃以下の温度で溶融混練/押し出しできるものが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類;ABS、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレンゴム等のエラストマー類;さらにはこれらの変性樹脂等が挙げられる。
ポリオレフィンとしては、オレフィン樹脂、エラストマー等のポリオレフィンを用いることができる。また、メタロセン触媒等のシングルサイト触媒を用いて製造された樹脂を用いることができる。
オレフィン樹脂としては、下記のエラストマーを除く、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等ポリエチレン類;ポリプロピレン(PP)、ポリプロピレン−α−オレフィン共重合体等のポリプロピレン類;ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のポリペンテン類、およびこれらの混合物を用いることができる。
エラストマーとしては、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、クロロプレン(CR)、ハロブチルゴム(XIIR)、ブチルゴム(IIR)、熱可塑性エラストマー(TPO)等のゴム成分、およびこれらの混合物を用いることができる。
これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記の中でも、樹脂の強度の観点から、ポリプロピレンが好ましい。
<樹脂の含有量>
樹脂組成物における樹脂の含有量は、樹脂組成物に対して70質量%以上98質量%以下であることが好ましい。樹脂の含有量が70質量%以上である場合、十分な成形性と熱可塑性を有する傾向にあり、98質量%以下である場合、結晶セルロース微粉末の分散性が良好となる傾向にある。樹脂の含有量は、より好ましくは75質量%以上90質量%以下である。
<セルロース製剤の含有量>
樹脂組成物におけるセルロース製剤の含有量は、樹脂組成物に対して1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。セルロース製剤の含有量が1質量%以上である場合、得られる成形品の強度と耐衝撃性が良好となる傾向にある。また、50質量%以下である場合、得られる成形品の強度と弾性率が良好となる傾向にある。セルロース製剤の含有量の上限は、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下であり、さらにより好ましくは20質量%以下であり、特に好ましくは15質量%以下である。
<分散剤>
本実施形態における樹脂組成物は、界面活性剤、表面処理剤、無機充填剤等の分散剤が含まれていてもよい。分散剤は、セルロース製剤と樹脂との間を取り持って、両者の相溶性を向上させる機能を有する。つまり、セルロース粒子が樹脂組成物中で凝集せずに樹脂と良く混合させ、樹脂組成物全体を均一にする機能を有する。従って、樹脂組成物中でセルロース微粒子を均一に分散できるものであれば、特に制限なく使用することができる。分散剤は、少なくともセルロース粒子と樹脂の両者に親和性を有しており、このような分散剤としては、例えば、界面活性剤、表面処理剤、無機充填剤等を用いることができる。
樹脂組成物への分散剤の含有量は、好ましくは1質量%以上20質量%以下である。分散剤の含有量が1質量%以上である場合、樹脂組成物中における結晶セルロース微粉末の分散性が良好となる傾向にあり、20質量%以下である場合、樹脂組成物から得られる成形品の強度を良好に維持することができる傾向にある。分散剤の含有量は、より好ましくは5質量%以上15質量%以下である。
界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸のカルシウム、マグネシウム、亜鉛塩等の高級脂肪酸及びその塩;ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリド、ポリエチレングリコール等の高級アルコールや高級多価アルコール;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等の各種脂肪酸エステル等が挙げられる。上記の中でも、ステアリン酸グリセリドが好ましい。
表面処理剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル等の非反応性シリコーンオイル;エポキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル等の反応性シリコーンオイル;N−ラウリル−D,L−アスパラギン酸−β−ラウリルエステル等が挙げられる。
無機充填剤としては、周期律表第I族〜第VIII族中の金属元素、例えば、Fe、Na、K、Cu、Mg、Ca、Zn、Ba、Al、TiまたはSi元素の単体、酸化物、水酸化物、炭素塩、硫酸塩、ケイ酸塩、亜硫酸塩、これらの化合物よりなる各種粘度鉱物等が挙げられ、より具体的には、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、(重質)炭酸カルシウム、ほう酸アルミニウム、アルミナ、酸化鉄、チタン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、クレーワラストナイト、ガラスビーズ、ガラスパウダー、けい砂、けい石、石英粉、けいそう土、ホワイトカーボン等が挙げられる。これらは一種を単独で用いても、複数種を併用しても構わない。上記の中でも、(重質)炭酸カルシウムが好ましい。
<その他の添加剤>
樹脂組成物中には、セルロース製剤や樹脂、さらには分散剤の他に、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて他の成分を加えてもよい。他の成分としては、例えば、酸化防止剤、金属不活性化剤、難燃剤(有機リン酸エステル系化合物、無機リン系化合物、芳香族ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤等)、フッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐候(光)性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、スリップ剤、無機または有機の充填材や強化材(ガラス繊維、カーボン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ウィスカー、マイカ、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、ワラストナイト、導電性金属繊維、導電性カーボンブラック等)、各種着色剤、離型剤等を添加してもよい。他の成分の含有量は、樹脂組成物全体に対して10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
<樹脂組成物の製造方法>
樹脂組成物の製造方法としては、樹脂を加熱溶融し、そこにセルロース製剤と分散剤とを加えてから一緒に溶融混練する方法が挙げられる。あるいは押出機に樹脂の原料を供給して溶融させ、他方、押出機の中間口よりセルロース製剤と分散剤を供給することで、押出機中で混合分散する方法が挙げられる。押出機としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等が挙げられる。中でも、二軸押出機を用いた溶融混練方法が、混練が十分となる観点から好ましい。
樹脂組成物の製造における溶融混練温度は、用いる成分によって異なるため特に限定されるものではないが、通常、50〜250℃の中から任意に選ぶことができ、多くの場合は200℃〜250℃の範囲である。その他の製造条件は、通常用いられる条件を適宜用いればよい。
樹脂組成物は、種々の方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形等の成型方法を用いることによって各種部品の成形体として成形できる。樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合、得られた成形品は、熱可塑性を有すると共に、熱可塑性樹脂のみから得られた成形品では到底得られない強度、弾性率、耐衝撃性を有する上、成形品のザラツキや凝集有無等の表面物性も良好である。
<樹脂組成物の成形品>
樹脂組成物から得られる好適な成形品としては、例えば、自動車部品や電気機器の内外装部品が挙げられる。自動車部品としては、例えば、バンパー、フェンダー、ドアーパネル、各種モール、エンブレム、エンジンフード、ホイールキャップ、ルーフ、スポイラー、各種エアロパーツ等の外装品や、インストルメントパネル、コンソールボックス、トリム等の内装部品等が挙げられる。電気機器の内外装部品としては、例えば、各種コンピュータおよびその周辺機器、その他のOA機器、テレビ、ビデオ、各種ディスクプレーヤ等のキャビネット、冷蔵庫等の部品等が挙げられる。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
各物性等の測定方法は以下のとおりに行った。
<セルロースの平均重合度>
「第14改正日本薬局方」(廣川書店発行)の結晶セルロース確認試験(3)に規定される銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法により測定した。
<セルロースの結晶化度>
X線回折装置(株式会社リガク製 多目的X線回折装置)で粉末法にて回折像を測定(常温)し、Segal法で結晶化度を算出した。
<セルロース粒子のL/D>
セルロース(加水分解後のウェットケーク)を、1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させた水分散体を、0.1〜0.5質量%まで純水で希釈し、マイカ上にキャストし、風乾したものを、原子間力顕微鏡(AFM)で計測された際に得られる粒子像の長径(L)と短径(D)とした場合の比(L/D)を求め、100個〜150個の粒子の平均値として算出した。
<コロイド状セルロース含有量>
各セルロースを固形分40質量%として、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)中において、126rpmで、室温常圧下で30分間混練し、次いで、固形分が0.5質量%の濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、遠心分離(久保田商事(株)製、商品名「6800型遠心分離器」ロータータイプRA−400型、処理条件:遠心力39200m/sで10分間遠心した上澄みを採取し、さらに、この上澄みについて、116000m/sで45分間遠心処理する。)し、遠心後の上澄みに残存する固形分を絶乾法で測定し、質量百分率を算出した。
<セルロースの粒子径>
セルロースを固形分40質量%として、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)中において、126rpmで、室温常圧下で30分間混練し、次いで0.5質量%の濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、遠心分離(久保田商事(株)製、商品名「6800型遠心分離器」ロータータイプRA−400型、処理条件:遠心力39200m/sで10分間遠心した上澄みを採取し、さらに、この上澄みについて、116000m/sで45分間遠心処理する。)し、遠心後の上澄みを採取した。この上澄み液を用いて、レーザー回折/散乱法粒度分布計(堀場製作所(株)製、商品名「LA−910」、超音波処理1分、屈折率1.20)により得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径(体積平均粒子径)を測定した。
<有機成分のSP値>
有機成分のSP値は、各1mLをSP値が既知の下表の溶剤10mLに室温で滴下し、スターラーで1時間撹拌した後、相分離なく溶解した溶剤のSP値の範囲から求めた。
Figure 2017128630
<有機成分の結合率>
セルロース製剤を固形分で1g、エタノール10mLに入れ、スターラー撹拌下で60分間、室温で撹拌し、溶媒を目開き0.4μmのPTFE製メンブレンフィルターでろ過し、ろ液からエタノール、その他溶剤を気化させた。ろ液から採取された残渣の質量を求め、以下の式から結合率を算出した。
結合率(%)=(1−(残渣の質量(g)/セルロース製剤中の有機成分量(g)))/100
<分散性>
透過光にてマイクロスコープ(KEYENCE製 商品名「VHX−1000」、倍率200倍)で観察し、短径100μm以上の粗大粒子の個数を計測した。評価は以下のとおりに行った。
2000μmx2000μmの視野に、短径100μm以上の粒子が、
◎ 10個以下
○ 10個を超え20個以下
△ 20個を超えて50個以下
× 50個を超える。
<着色性>
目視で観察した。評価は以下のとおりに行った。
◎ 無色透明
○ 薄い橙色
△ 濃い橙色
× 濃い橙色から茶褐色
(実施例1)
市販のDPパルプ(平均重合度1600)を細断後、2.5mol/L塩酸中、105℃で15分間加水分解した後、水洗・濾過を行い、固形分が50質量%のウェットケーク状のセルロースを作製した(平均重合度220、結晶化度78%、粒子L/D1.6、コロイド状セルロース含有量55質量%、粒子径0.2μm)。次に、ウェットケーク状のセルロースを単独で密閉式プラネタリーミキサー(株式会社小平製作所製 商品名「ACM−5LVT」、撹拌羽根はフック型)中、70rpmで20分間、常温常圧で摩砕処理し、その後、ロジンエチレンオキサイド付加物(ロジン−ポリエチレングリコールエステル、ハリマ化成株式化一社製 商品名「REO−15」、SP値7.25以上、常圧下沸点100℃超)を、セルロース/ロジンエチレンオキサイド付加物が80/20(質量比)となるように投入し、常温常圧下70rpmで60分間摩砕処理し、最後に減圧(−0.1MPa)し、40℃の温浴をセットし、307rpmで2時間、コーティングおよび減圧乾燥処理を行い、セルロース製剤Aを得た(水分2質量%、有機成分の結合率5%以下)。
得られたセルロース製剤と、市販の高密度ポリエチレン(HDPE、旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名「クレオレックスTM」)粉末を、セルロース製剤/HDPE=80/20(質量比)で混ぜ合わせ、複合型混練押出機(株式会社井元製作所製 商品名「IMC−1853型」、四枚ブレード(各ブレードは60°ずらして設置)、180℃、130rpm、10分間)で溶融混練し、ダイスを経てφ1mmの複合HDPEのストランドを得た。本ストランドを常温で、1cm長さにカットして、1gを量りとり、ホットプレス(200℃)にて厚み100μmの薄膜を得た。この薄膜を透過光にてマイクロスコープ(KEYENCE製 商品名「VHX−1000」、倍率200倍)で観察し、短径100μm以上の粗大粒子の個数を計測した。また、着色性を目視で観察した。結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1のセルロース製剤の製法において、セルロース/ロジンエチレンオキサイド付加物の配合割合を95/5(質量比)としたこと以外は、実施例1と同様の方法によりセルロース製剤Bを得た(水分2質量%、有機成分の結合率5%以下)。
実施例1と同様の方法によりHDPEと混合し、評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1のセルロース製剤の製法において、セルロース/ロジンエチレンオキサイド付加物の配合割合を50/50(質量比)としたこと以外は、実施例1と同様の方法によりセルロース製剤Cを得た(水分2質量%、有機成分の結合率5%以下)。
実施例1と同様の方法によりHDPEと混合し、評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1のセルロース製剤の製法において、セルロース/ロジンエチレンオキサイド付加物の配合割合を99/1(質量比)としたこと以外は、実施例1と同様の方法によりセルロース製剤Dを得た(水分2質量%、有機成分の結合率5%以下)。
実施例1と同様の方法によりHDPEと混合し、評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例5)
実施例1のセルロース製剤の製法において、有機成分をトール油脂肪酸(ハリマ化成株式会社製 商品名「ハートールSR−30」、SP値7.25以上、沸点100℃以上)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法によりセルロース製剤E(水分2質量%、有機成分の結合率5%以下)を得た。
実施例1と同様の方法によりHDPEと混合し、評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例6)
実施例1のセルロース製剤の製法において、セルロース/ロジンエチレンオキサイド付加物/トール油の配合割合を80/10/10(質量比)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法によりセルロース製剤Fを得た。
実施例1と同様の方法によりHDPEと混合し、評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例7)
実施例1のセルロース製剤の製法において、有機成分をテルピン油(ヤスハラケミカル株式会社製 商品名「ターピネオール」、SP値7.25以上、沸点100℃以上)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法によりセルロース製剤G(水分2質量%、有機成分の結合率5%以下)を得た。
実施例1と同様の方法によりHDPEと混合し、評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1のセルロースを有機成分と複合化せずに用いた(セルロースH)。
実施例1と同様の方法によりHDPEと混合し、評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1のセルロース製剤の製法において、加水分解を経た結晶セルロースの代わりに、微細繊維状セルロース(ダイセルファインケム株式会社製 商品名「セリッシュKY−100G」、平均重合度500超、固形分10質量%、コロイド状セルロースの含有量50質量%未満、粒子径1μm超、常圧下沸点100℃超)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法によりセルロース製剤Iを得た。
実施例1と同様の方法によりHDPEと混合し、評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1のセルロース製剤の製法において、有機成分をエタノール(和光純薬株式会社製、SP値12.58、沸点100℃未満)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法により、セルロース製剤J(水分2質量%)を得た。
実施例1と同様の方法によりHDPEと混合し、評価を行った。結果を表1に示した。
Figure 2017128630
本発明は、熱可塑性樹脂の溶融成形加工において、ミクロフィブリル状に分散可能なセルロース製剤及びそれを含む樹脂組成物に関する。

Claims (9)

  1. 平均重合度が500以下のセルロースと、
    溶解パラメータ(SP値)が7.25以上であり、水よりも高い沸点を有する有機成分と、
    を含む、セルロース製剤。
  2. 前記セルロースは結晶セルロースである、請求項1記載のセルロース製剤。
  3. 前記セルロースを30〜99質量%、前記有機成分を1〜70質量%含む、請求項1又は2に記載のセルロース製剤。
  4. 前記有機成分はロジン誘導体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロース製剤。
  5. 前記有機成分はロジンエトキシエステルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロース製剤。
  6. 平均重合度が500以下のセルロースと、ロジンエトキシエステルと、を含むセルロース製剤。
  7. 前記セルロースは結晶セルロースである、請求項6記載のセルロース製剤。
  8. 前記セルロースを30〜99質量%、前記ロジンエトキシエステルを1〜70質量%含む、請求項6又は7に記載のセルロース製剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のセルロース製剤を1質量%以上含有する樹脂組成物。
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