JP2005042039A - セルロースエステルフィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、光学補償シート、偏光板、位相差板、電子ペーパ及び表示装置 - Google Patents

セルロースエステルフィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、光学補償シート、偏光板、位相差板、電子ペーパ及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 リターデーション値が高く、広幅で、高透明性を有するセルロースエステルフィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、光学補償シート、偏光板、位相差板、電子ペーパ及び表示装置を提供する。
【解決手段】 紫外線吸収能を有する置換基Aと可塑剤機能を有する置換基Bを有するセルロースエステルを含み、置換基A、Bは、結合分極率異方性を示す化学結合A、Bを各々有し、化学結合鎖に平行方向の分極率をα1a、α1b、化学結合鎖の直交方向の分極率をα2a、α2b、化学結合Aが、芳香族環を有する時、芳香族環に垂直な方向の分極率をα3aとした時、|α1a−α2a|または|α3a−α2a|で表される結合分極率異方性が50×10-25cm3以上、且つ、|α1b−α2b|で表される結合分極率異方性が50×10-25cm3未満であることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セルロースエステルフィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、光学補償シート、偏光板、位相差板、電子ペーパ及び表示装置に関する。
従来、誘導体化セルロースフィルムとしては、セルロースアセテートフィルムが多用されてきた。セルロースアセテートフイルムは、その強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いられている。セルロースアセテートフイルムは、代表的な写真感光材料の支持体としても重用されている。また、セルロースアセテートフイルムは、液晶表示装置にも用いられている。
従来公知のセルロースアセテートフイルムには、他のポリマーフイルムと比較して、光学的等方性が高い(リターデーション値が低い)との特徴があり、従って、光学的等方性が要求される液晶表示装置の素子、例えば偏光素子の保護フイルムやカラーフィルターには、セルロースアセテートフイルムを用いることが一般的である。
しかしながら、別の液晶表示装置の素子である光学補償シート(位相差フイルム)では、逆に高いリターデーション値が要求されるが、従来公知のセルロースアセテートフイルムでは十分補償することができない。更に、従来公知のセルロースアセテートフイルムでも延伸処理等を行うことによりリターデーション値を高めることは可能であるが、延伸による変化量は非常に少ないために、かなり強く延伸する必要があるが、延伸を強くすると白濁を生じるなど、セルロース支持体の特徴である透明性が損なわれやすいという問題点がある。
このため、このような目的には、ポリカーボネートフイルムやポリスルホンフイルムのようなリターデーション値が高い合成ポリマーフイルムが用いられてきたが、ここで、前記ポリマーフイルムからなる光学補償シートとは別に、透明支持体上にディスコティック液晶を含む光学的異方性層を設けた光学補償シートも提案されてきている(例えば、特許文献1、2、3及び4参照。)。
上記の、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルムまたは、ディスコティック液晶を含む光学的異方性層を設けた光学補償シートは、要求される高いリターデーション値を達成している。
しかしながら、上記の方法では、いずれも低いリターデーション値の透明支持体の上に、別途、高いリターデーション値を有する層を2層以上設ける必要があり、構成が複雑であり、且つ、製造工程上の工数も増加し、高価なものになりやすいという問題点がある。
最近では、フィルムの光学的等方性、耐水性や寸度安定性の向上の観点から、セルロースとカルボン酸とのエステルからなるセルロースアシレート(例えば、特許文献5参照。)が提案されている。
しかしながら、この技術では、カルボン酸が芳香族カルボン酸であることから、透湿性(耐水性)や寸度安定性等は向上するが、光学異方性(複屈折性)はむしろ増加し、光学等方性が低下し、フィルム中に用いる各種添加剤との相溶性が低下しやすい等の問題点がある。
また、フィルムの製膜法としては流延製膜法が主として用いられているが、その場合、製膜用支持体上に形成されたフィルムの該支持体からの剥離性向上、フィルムの剥離面に良好なフィルム面状(ムラ、ブツがなく、ヘイズが小さい面が良好な面である)を付与させる観点から、セルロースの水酸基がアセチル基及び炭素原子数3〜22のアシル基によって置換されているセルロースアシレートフィルム(例えば、特許文献6参照。)が提案されている。
しかしながら、フィルムの剥離性は確かに向上するが、製膜されたフィルムの透明性が十分ではなく、フィルム中に用いられる各種添加剤との相溶性が十分ではない等の問題点があり、フィルム製膜時に広幅に延伸処理を行うとフィルム中に更に白濁が発生しやすい等の問題点があった。
そこで、当業界においては、光学補償シート用途として、耐水性、寸度安定性に優れ、各種添加剤との相溶性が良好であり、広幅で製膜してもフィルムの白濁が少なく、且つ、高いリターデーション値を有する誘導体化セルロースシート(セルロースエステルフィルムともいう)の開発が望まれていた。
特開平3−9325号公報 特開平6−148429号公報 特開平8−50206号公報 特開平9−26572号公報 特開2002−179701号公報 特開2002−265638号公報
本発明の目的は、リターデーション値が高く、広幅でありながら白濁のない高透明性を有するセルロースエステルフィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、光学補償シート、偏光板、位相差板、電子ペーパ及び表示装置を提供することである。
本発明の上記目的は下記の構成1〜14により達成された。
(請求項1) セルロース分子の有する3つの水酸基の少なくとも一つが、紫外線吸収能を有する置換基Aにより置換され、更に少なくとも一つが、可塑剤機能を有する置換基Bによって置換されているセルロースエステルを含むセルロースエステルフィルムであって、該置換基A、Bは、各々結合分極率異方性を示す化学結合A、Bを有し、前記化学結合A、Bの化学結合鎖に平行な方向の分極率を、各々α1a、α1b、前記化学結合鎖の直交方向の分極率を、各々α2a、α2b、更に、前記化学結合Aが、芳香族環を有する時には、該芳香族環に垂直な方向の分極率をα3aとした時に、|α1a−α2a|または|α3a−α2a|で表される結合分極率異方性が50×10-25cm3以上であり、且つ、|α1b−α2b|で表される結合分極率異方性が50×10-25cm3未満であることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
(請求項2) 前記置換基AまたはBが、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)またはカルボニルイミノ基(−C(=O)−NH−)を有することを特徴とする請求項1に記載のセルロースエステルフィルム。
(請求項3) 前記置換基Aが、芳香族環を有することを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースエステルフィルム。
(請求項4) 前記置換基Aのオキシカルボニル基またはカルボニルイミノ基の構成原子群であるカルボニル基を三次元座標(x軸、y軸、z軸)上において該三次元座標のx軸に一致させ、該置換基Aの芳香族環を構成する各々の原子同士の結合を、各々x軸、y軸で構成されるxy平面上に配置し、且つ、該原子同士の結合軸に対して垂直な方向にz軸を配置し、部分構造の理論結合分極率テンソルを下記一般式(1)で表した場合、|αyy−αxx|aまたは|αyy−αzz|aで表される結合分極率異方性の少なくとも一つが、50×10-25cm3以上、300×10-25cm3以下であり、置換基Bのオキシカルボニル基またはカルボニルイミノ基の構成原子群であるカルボニル基を三次元座標(x軸、y軸、z軸)上において該三次元座標のx軸に一致させ、該置換基Bを構成する各々の原子同士の結合を、各々x軸、y軸で構成されるxy平面上に配置し、且つ、該原子同士の結合軸に対して垂直な方向にz軸を配置し、部分構造の理論結合分極率テンソルを下記一般式(1)で表した場合、|αyy−αxx|bまたは|αyy−αzz|bで表される結合分極率異方性の少なくとも一つが、50×10-25cm3未満、3×10-25cm3以上であることを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
Figure 2005042039
〔式中、αxx、αxy、αxzは、各々xx成分、xy成分、xz成分の結合分極率を表し、αyx、αyy、αyzは、各々yx成分、yy成分、yz成分の結合分極率を表し、αzx、αzy、αzzは、各々zx成分、zy成分、zz成分の結合分極率を表す。〕
(請求項5) セルロース分子の有する3つの水酸基への、前記結合分極率異方性を示す置換基Aの置換度が、0.01〜2.5の範囲であり、且つ、置換基Bの置換度が0.1〜2.5の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
(請求項6) セルロース分子の有する3つの水酸基への、前記結合分極率異方性を示す置換基Aの置換度が、0.01〜2.0の範囲であり、且つ、置換基Bの置換度が0.1〜2.0の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
(請求項7) 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを製造するに当たり、2.0倍以下の延伸倍率でフィルムの幅方向に延伸する工程を有することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
(請求項8) 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを製造するに当たり、1.5倍以下の延伸倍率でフィルムの幅方向に延伸する工程を有することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
(請求項9) 延伸工程時において、フィルム幅が1.3m以上になるように調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
(請求項10) 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする光学補償シート。
(請求項11) 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムまたは請求項10に記載の光学補償シートを含むことを特徴とする偏光板。
(請求項12) 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを用いたことを特徴とする位相差板。
(請求項13) 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを用いたことを特徴とする電子ペーパ。
(請求項14) 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム、請求項10に記載の光学補償シート、請求項11に記載の偏光板及び請求項12に記載の位相差板からなる群から選択される少なくとも一つを用いたことを特徴とする表示装置。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは上記の問題点を種々検討した結果、請求項1に記載のように、セルロース分子の有する3つの水酸基の少なくとも一つが、紫外線吸収能を有する置換基Aにより置換され、更に少なくとも一つが、可塑剤機能を有する置換基Bによって置換されているセルロースエステル分子の、前記置換基A、Bとして、各々特定の結合分極率異方性を示す化学結合A、Bを含ませることにより、本発明に記載の効果を示すセルロースエステルフィルムを得ることが出来た。
また、前記セルロースエステルフィルムを用いることにより、光学補償能の高い光学補償シート、偏光板、位相差板、電子ペーパ及び表示装置等が提供できることが判った。
《紫外線吸収能を有する置換基A》
本発明に係る紫外線吸収能を有する置換基Aの、『紫外線吸収能を有する』とは、置換基Aを構成する少なくとも一つの部分構造が紫外線吸収性を持つことであり、紫外線に対しては特に、波長370nm以下の紫外線の吸収性が高く、且つ、良好な液晶表示性の観点から、可視光に対しては、波長400nm以上の光吸収が少ないものが好ましく用いられる。
紫外線吸収特性を光透過率の観点から具体的に記載すると、紫外線吸収能を有する置換基Aを含むセルロースエステルフィルムの光透過率特性を測定したときに、380nmの光に対する透過率が10%未満であることが好ましく、特に好ましくは5%未満である。
置換基Aに紫外線吸収能を付与する部分構造としては、従来公知の紫外線吸収剤化合物を母核として用いられる。前記母核として用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、従来公知のオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
更には、特開平10−182621号公報、同8−337574号公報等に記載の紫外線吸収剤が母核として好ましく用いられる。又、特開平6−148430号公報、同12−273437号公報に記載の高分子紫外線吸収剤、特開平10−152568号公報に記載されている紫外線吸収剤等が挙げられる。
(セルロース分子の水酸基への置換基Aの導入方法)
セルロース分子の3つの水酸基の少なくとも一つに紫外線吸収能を有する基を導入する方法としては、種々の方法があるが、一例としては、上記の紫外線吸収剤化合物にカルボキシル基を導入した後、紫外線吸収剤化合物のカルボン酸クロライドまたは前記カルボン酸無水物を合成し、次いで、セルロースとカルボン酸クロライドまたはカルボン酸無水物との反応により、置換基Aをセルロースの水酸基に導入することが出来る。
セルロースの水酸基への置換基Aの導入時の反応条件等については、例えば、セルロースと芳香族カルボン酸無水物(または混合酸無水物)との反応については、各種文献(例えば、Journal of Applied Polymer Science,Vol.29,3981−3990(1984))を参照することが出来る。
また、セルロースアシレートの原料となるセルロースは、一般に綿花リンターまたは木材パルプである。綿花リンターと木材パルプとを混合して使用してもよい。セルロースアシレートの合成反応では、反応溶媒としてハロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタン)が好ましく用いられる。
更に、本発明では、セルロースアシレートの合成方法の基本的な原理は、右田他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)に記載されているような、代表的な合成方法、例えば、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相酢化法を適用することが出来る。
具体的には、綿花リンタや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却したカルボン酸化混液に投入してエステル化することにより、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成することが出来る。
《可塑剤機能を有する置換基B》
本発明に係る可塑剤機能を有する置換基Bの、『可塑剤機能を有する』とは、置換基Bを構成する少なくとも一つの部分構造が可塑剤機能を有することであり、具体的には、従来公知の可塑剤を構成する分子構造が部分構造中に含まれることである。
前記可塑剤としては、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることが出来る。
リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等、トリメリット酸系可塑剤として、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、ピロメリット酸エステル系可塑剤として、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等、グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤として、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることができる。ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合ポリマーを用いることが出来る。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などを用いることが出来る。グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなどを用いることが出来る。
また、炭素数が3以上の脂肪族アシル基や芳香族アシル基を用いて、セルロース分子の水酸基と置換反応させることにより、可塑剤機能を有する置換基として用いることが出来る。
炭素数3以上の脂肪族アシル基または芳香族アシル基としては、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、イソブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基およびシンナモイル基等が含まれる。中でも、プロピオニル基、ブチリル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基およびシンナモイル基が好ましい。
(セルロース分子の水酸基への置換基Bの導入方法)
セルロース分子の3つの水酸基の少なくとも一つに可塑剤機能を有する置換基Bを導入する方法としては、種々の方法があるが、紫外線吸収剤化合物のカルボン酸クロライドまたは前記カルボン酸無水物を合成する代わりに、可塑剤にカルボン酸を導入してからカルボン酸クロライドまたは前記カルボン酸無水物を合成して、セルロース分子の水酸基と反応させる以外は、セルロース分子の水酸基への置換基Aの導入方法と同様にして、置換基Bを導入することが出来る。
《結合分極率異方性》
本発明に係る結合分極率異方性と併せて、セルロースエステルの光学異方性、特にリターデーション特性と結合分極率異方性との関係について説明する。
ここで、本発明に係る結合分極率異方性とは、化学結合の化学結合鎖に平行な方向の分極率をα1、前記化学結合の化学結合鎖の直交方向の分極率をα2、更に、化学結合が、芳香族環(芳香族炭素環、芳香族複素環)を有する時には、前記芳香族炭素環または前記芳香族複素環に垂直な方向の分極率をα3とした時に、|α1−α2|、|α3−α2|等のように、結合分極率の差の絶対値で表す場合もあれば、三次元座標(x軸、y軸、z軸)上において、結合分極率異方性を示す、オキシカルボニル基またはカルボニルイミノ基の構成原子群であるカルボニル基を該三次元座標のx軸に一致させ、芳香族環を構成する各々の分子同士の結合を、各々x軸、y軸で構成されるxy平面上に配置し、且つ、該分子同士の結合軸に対して垂直な方向にz軸を配置し、前記部分構造の理論結合分極率テンソルを前記一般式(1)で表し、前記テンソルを構成する成分の差の絶対値を結合分極率異方性として用いる場合もある。
本発明においては、上記テンソルの中でも、請求項4に記載のように、結合分極率異方性の絶対値|αyy−αxx|、|αyy−αzz|の各々について特定の数値範囲の値を示す置換基を分子側鎖に有するセルロースエステルフィルムが特に好ましく用いられる。
(リターデーション値(R0、Rt)):光学異方性
セルロースエステルの分子側鎖の置換基の結合分極率異方性と該セルロースエステルが示す光学異方性、特に面内リターデーション値(R0)、厚さ方向のリターデーション値(Rt)との間には下記に示すような関係がある。
面内方向のリターデーション値(R0)は通常下記一般式(2)、(3)で表される。
一般式(2)
0=(nx−ny)×d
また、厚さ方向のリターデーションは、下記一般式(3)で表される。
一般式(3)
t=((nx−ny)/2−nz)×d
ここで、nxはセルロースエステルフィルムの面内での最大屈折率方向であるx方向、nyはx方向に垂直な前記セルロースエステルフィルム面内の方向であるy方向の屈折率である。dは、セルロースエステルフィルムの厚み(nm)である。
(複屈折、配向係数と結合分極率との関係)
ここで、結晶化による影響が無視できる場合は、下記一般式(4)で表される関係式が成立する。
一般式(4)
0=Δ×d
ここで、Δは複屈折(配向複屈折ともいう)であり、dは上記と同義(フィルムの厚み)である。また、Δ=Δ0×Pなる関係がある。ここで、Δ0は分子本来の持つ固有複屈折であり、Pはその分子の配向係数である。固有複屈折とは、その素材に完全な一軸性を付与した場合に発現する複屈折を示すものである。
更に、岡村等、高分子化学序論、第2版、化学同人、E.F.Gurne,J.Appl.Phys.25,1232(1954)等により、Δ0は、下記一般式(5)で表される関係式を満たすことが知られている。
一般式(5)
Δ0=(2π/9)×((n2+2)2/n)×(ρNA/M)×Δα
Δαは分子の構造単位(ポリマーの場合はモノマー単位)における結合分極率異方性で、その分子の長手方向およびそれに直交する方向の分極率の差分で定義される。固有複屈折Δ0の大きい分子結合、すなわち分極率異方性Δαの大きい分子が、ある方向に強く配向(配向係数Pが大)すれば、大きなリターデーションを示すことになる。また、上記式で明らかなように、ポリマー分子でもそれを構成する単分子単位で考察すれば、複屈折と分極率異方性を予測できる。
一方、分子の分極の種類には、電子分極、原子分極、双極子分極、界面分極があるが、可視光領域ではその波長が非常に短いので、主に電子分極が支配的となることが知られている。電子分極は簡単に言えば電子分布の偏りにより生じるものであり、たとえば扁平な分布をもつπ電子雲を有する芳香族環などでは分極率変化が大きいといえる。
本発明では、セルロースエステル分子側鎖に修飾する置換基の結合分極率異方性を規定するため、芳香族環(芳香族炭素環、芳香族複素環等)の存在により実際にどの程度の結合分極率異方性を生じるかを把握する必要があるが、上述の式から側鎖に修飾する化合物単位の結合分極率異方性を算出することは、修飾する化合物の固有複屈折を測定すること自体が難しく非常に困難である。
他の公知な手法としては、修飾する化合物の個々の化学結合単位の結合分極率が算出されており、この結合単位の分極率を加算することで理論的に分極率異方性を計算する方法が知られている。ここでは代表的な手法である、E.Erman,D.C.Marvin,P.A.Irvine,P.J.Flory,Macromolecules,15,664(1982)に記載の方法を利用して計算した。
実際の手順はコンフォメーション解析により分子形状を決定し、各構成原子団の異方性テンソルは、下記一般式(6)を用いて求めることが出来る。
Figure 2005042039
式中、[diag(αmxyz]は、構成官能基の結合分極率テンソルの対角行列で、φとτは、各々結合官能基の座標軸に対する方位角と極角である。各々の構成官能基ごとのΔαxyzを加算することにより分子全体の結合分極率が得られる。結合官能基の結合分極率データは、C=O、フェニル基では、M.Pietralla,H.R.Schubach,M.Dettenmaier,B.Heise,Prog.Colloid&Ploym.Sci.71,125,(1985)に記載のデータ、C−O、C−H結合は、K.G.Denbigh,Trans Faraday Soc.,36,936(1940)に記載のデータを用いた。
以下、上記の方法を用い、シミュレーションとして、DMC(ジメチルカーボネート)、MPC(メチルフェニルカーボネート)、DPC(ジフェニルカーボネート)等の分子の結合分極率異方性、グルコース分子の側鎖にアセチルオキシ基(−O−C(=O)−CH3)を置換させたもの、グルコース分子の側鎖にベンゾイルオキシ基(−O−C(=O)−C65)を置換させたもの等の各々の分子側鎖の結合分極率異方性を各々計算した。
例えば、ジメチルカーボネート等を構成する分子の化学結合の結合分極率異方性の計算に当たっては、化合物の座標軸の取り方によっても結合分極率異方性が変化する。そこで、カルボニル基(C=O)を基準として、前記カルボニル基(C=O)の方向をx軸に一致させて座標軸を図1のように定め、このときに得られる理論結合分極率テンソルを前記一般式(1)で表した。また、メチル基部分をそのままの座標系でフェニル基に置き換えると図2に示すように、フェニルカーボネートとなる。
本発明においては、上記のように、αyyとαxxとの差の絶対値|αyy−αxx|、およびαyyとαzzとの差の絶対値|αyy−αzz|に注目し、その結合分極率異方性値の数値を特定の数値以上に調整することにより、リターデーション値の高いセルロースエステルフィルムを得ることを見いだし、且つ、本発明のセルロースエステルフィルムは、光学補償シート、偏光板、位相差板、電子ペーパ等に好ましく用いられることがわかった。
さらに同様な方法で、グルコース分子の側鎖にアセチルオキシ基(CH3−C(=O)−O−)を有する場合、グルコース分子の側鎖にベンゾイルオキシ基を有する場合、及び、ディフェニルカーボネート分子の結合分極率異方性を計算した。
得られた結果を下記に示す。
Figure 2005042039
但し、表1において、Δα0(×10-24)は、|αyy−αxx|、ΔαT(×10-24)は、|αyy−αzz|を表す。
表1から、フェニル基などの芳香族環の存在により、一桁近く分極率異方性が大きくなることが分かる。このような結果から、側鎖を修飾する置換基として分極率異方性に注目し、その値を大きくするような分子設計を行う観点からは、芳香族環を1つ以上含み、且つ、三次元座標(x,y,z)上において、前記置換基の結合分極率異方性を示す部分構造のうち、極性基部分であるカルボニル基(C=O基)をx軸に一致させ、更に、芳香族環を構成する各々の分子同士の結合を、各々x軸、y軸で構成されるxy平面上に配置し、該分子同士の結合軸に対して垂直な方向にz軸を配置し、前記置換基の、前記一般式(1)で表される理論結合分極率テンソルにおける、結合分極率異方性、すなわちαyyとαxxとの差の絶対値|αyy−αxx|が4×10-24cm3以上であることが好ましく、更に好ましくは、結合分極率異方性、αyyとαzzとの差の絶対値|αyy−αzz|が6×10-24cm3以上である。
《結合分極率異方性を示す化学結合》
結合分極率異方性を示す化学結合について説明する。
本発明に係る結合分極率異方性を示す化学結合(分子種も含む)としては、季刊化学総説、透明ポリマーの屈折率制御(日本化学会編、No.39,1998)に記載があるが、具体的には、C=C(芳香性)、C=C(脂肪性)、C=O、C−O、C−N等のデータ、分子種としては、ベンゼン環、トルエン、p−トルエン等について、化学結合の化学結合鎖に平行な方向の分極率をα1、前記化学結合の化学結合鎖の直交方向の分極率をα2、更に、化学結合が、芳香族炭素環または芳香族複素環を有する時には、前記芳香族炭素環または前記芳香族複素環に垂直な方向の分極率をα3のデータが挙げられている。
上記の結合分極率異方性を示す化学結合(分子種も含む)を含む置換基としては、極性基が好ましく、前記極性基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、アルコキシル基、ニトリル基、エステル基(−COOR、ここで、Rは、アルキル基、アリール基を表す)、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)を有する置換基、カルボニルイミノ(−C(=O)−NH−)基を有する置換基等が挙げられる。
中でも、エステル基、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)を有する置換基、カルボニルイミノ基(−C(=O)−NH−)等を有する置換基が好ましい。
(置換基A、置換基Bとして用いられる基)
置換基Aの結合分極率異方性としては、50×10-25cm3以上300×10-25cm3以下のものが好ましく、そのような結合分極率異方性を紫外線吸収能を有する置換基Aに付与する基の具体例としては、アルキル基(特に炭素数が18等のような長鎖のアルキル基が好ましい)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、芳香族環を含むアシル基(例えば、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基等)等が挙げられ、それらの基が、上記の母核として用いられる紫外線吸収剤の置換基として置換されていることが好ましい。
上記アルキル基、アリール基は未置換でも置換基を有していてもよいが、前記置換基としては、ハロゲン原子、硫黄原子またはそれらを有する基を使用してもよいが、特に好ましく用いられるのは、未置換のアリール基である。
また、置換基Bの結合分極率異方性としては、3×10-25cm3以上50×10-25cm3未満のものが好ましく、これらを満たす可塑剤機能を有する置換基Bの具体例としては、アシル基(例えば、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、ノルボルニルカルボニル基等)が挙げられる。また、置換基Bが上記の結合分極率異方性を示すには、芳香族環は含まないことが好ましい。
置換基Aは分極率異方性が50×10-25cm3と高いために、これをセルロースエステル分子側鎖に修飾した場合、セルロース主鎖の分極率異方性(およそ30〜40×10-25cm3と考えられる)よりも高くなり、負の1軸性を示す効果が期待できる。一方、置換基Bでは分極率異方性を50×10-25cm3未満とするため、セルロース主鎖の分極率異方性より小さくなり、正の1軸性を示す効果が期待できる。両者の効果を有効に利用することにより、より優れた光学フィルムが得られる。
《セルロース分子の水酸基への置換度A、Bの置換度》
本発明のセルロースエステルフィルムの作製に用いられる、セルロースエステル分子の側鎖に結合分極率異方性を示す化学結合を含む置換基を配置する場合、置換基効果として十分なリターデーション値向上効果を奏し、且つ、フィルムの白濁、透明度の低下などを防止する観点から、本発明のセルロースエステル分子全体への置換度は1.5〜2.65の範囲であることが好ましく、紫外線吸収能を有する置換基Aの置換度は0.01〜2.0の範囲が好ましく、可塑剤機能を有する置換基Bの置換度は0.1〜2.0の範囲に調整することが好ましい。
ここで、セルロースの水酸基の置換度は下記のようにして求めた。
《置換基A、Bにより置換されたセルロースの置換度(DS)の測定》
乾燥したセルロースエステル1.9gを精秤し、アセトン70mlとジメチルスルホキシド30mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。撹拌しながら1M−水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間けん化処理を行った。次いで、60℃程度の熱水を100ml加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として0.5M−硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行った。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、定法により有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度(DS)を計算した。
TA=(B−A)×F/(1000×W)
TA:有機酸量(モル/g)
A:試料滴定量
B:空試験滴定量
F:0.5M−硫酸の力価
W:試料質量
DSa=(162.16×TA)/{1−MCa×TA+(1−MCb×TA)×α}
DS=DSa+DSb
α=DSb/DSa
DSa:置換基Aの置換度
DSb:置換基Bの置換度
MCa:置換基Aを構成する原子団の当量
MCb:置換基Bを構成する原子団の当量(例えば、イオンクロマトグラフでプロピオン酸が検出された場合、プロピオニル基の当量56.06を用いる)
α:イオンクロマトグラフ法で測定される、置換基A由来の酸と置換基B由来の酸とのモル比
《極性基の効果》
本発明において、上記の極性基が好ましい理由としては、フィルムの製造時(特に製膜時)にセルロースアセテート、セルロースプロピオネート等を低倍率で延伸した場合、後述するようにCOO基のような極性基部分が優先的に配向変化を起こすことが明らかになったが、ここで、COO基のみが配向する機構は現時点で不明であるが、おそらく水素結合が関与しているのではと本発明者等は推定している。
以上から、セルロースエステル分子を効率よく配向させるには、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)やカルボニルイミノ基(−C(=O)−NH−)を含む置換基をセルローエステル分子の側鎖に配置することが好ましく、更に好ましくは、結合分極率異方性の大きい芳香族環を前記置換基が構造中に有することである。
《芳香族環》
本発明に係る芳香族環としては、芳香族炭素環基(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等)や芳香族複素環基(例えば、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、1,2,3−オキサジアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、s−トリアジン環、ベンゾフラン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、プリン環、キノリン環及びイソキノリン環等)等が挙げられる。これらは、更に置換基を有していてもよい。
以下、本発明に係る、結合分極率異方性を示す化学結合を含む置換基の具体例を示すが本発明はこれらに限定されない。
Figure 2005042039
《セルロースフィルムの延伸処理》
上記の表1のように、セルロースエステル分子の側鎖に高い分極率異方性を有する芳香族環や高い分極率異方性を示す化学結合である、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)またはカルボニルイミノ(−C(=O)−NH−)基を有する置換基を持たせることにより、高い固有複屈折を示し、前記のリターデション値の高い(光学異方性が大きいともいう)セルロースエステルフィルムが得られるが、更に、光学異方性の大きい、即ち、リターデーション値を高め、十分な光学補償機能を示すセルロースエステルフィルムや光学補償シートを得るためには、後述する延伸処理をセルロースエステルフィルムの製造時(製膜時ともいう)に行うことが好ましい。
《溶液流延製膜》
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法としては、セルロースエステルを溶媒に溶解し、調製したドープ液を支持体上に流延、製膜し、得られたフィルムを支持体から剥ぎ取り、その後、張力をかけて乾燥ゾーン中を搬送させながら乾燥する、溶液流延製膜法が好ましい。
溶液流延製膜法と、無限に移送する無端の金属ベルト(例えばステンレスベルト)あるいは回転する金属ドラム(例えば鋳鉄で表面をクロムメッキしたドラム)等の流延用金属支持体(以降、単に金属支持体ともいう)上に、加圧ダイからドープ(セルロースエステル溶液のこと)を流延(キャスティング)し、該支持体上のウェブ(ドープ膜)を該支持体から剥離し、乾燥させて製造するものである。
本発明においては、流延後60秒以内に剥離し、張力を掛けながら乾燥させて得られたフィルムはその上に形成した金属酸化物層にクラックが入りにくく、特に好ましい。
流延用金属支持体から剥離する際の剥離張力は300N/m以下であることが好ましく、搬送張力は300N/m以下であることが好ましく、更に好ましくは250N/m以下であることが好ましく、更に好ましくは100N/m〜200N/mである。
乾燥工程では、金属支持体から剥離した後、テンターによって幅手方向または長手方向に張力を付与しながら乾燥させることが本発明の方法で形成した金属酸化物層を有する光学フィルムの耐久性が優れ好ましい。幅手方向または長手方向に張力を付与するとは、一方向だけではなく、幅手方向及び長手方向に張力を付与する2軸延伸方式も好ましく用いられる。あるいはウェブの乾燥過程で10質量%以上の高い残留溶媒量のときと10質量%未満の低い残留溶媒量のときにそれぞれ1回以上延伸する方法も好ましい。2回の延伸によって、乾燥時に生じた歪が緩和されるように調整されることが好ましい。
(テンターを用いる延伸処理)
上記のウェブの乾燥工程においては、ウェブを延伸する方法は特に限定しないが、例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法や、特開昭62−46625号公報に示されているような乾燥全工程あるいは一部の工程を幅方向にクリップでウェブの幅両端をクリップやピン等で幅保持し、延伸処理を行いながら、且つ、乾燥をも行う方法(テンター方式)が好ましい。
テンター方式を用いて延伸処理を行う場合、延伸処理後のセルロースエステルフィルムの、白濁による透明度の低下を防止し、硬く脆くなる等の物性変動を効果的に抑制する観点から、テンターを用いてのセルロースエステルフィルムのMD方向(Machine Direction方向、搬送方向ともいう)または、TD方向(Transverse Direciton方向、巾方向、幅手方向ともいう)延伸倍率は、2.0倍以下であることが好ましく、更に好ましくは、1.5倍以下であり、特に好ましくは、1.01倍〜1.5倍である。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法では、最終的に流延の幅手方向の屈折率が面内で最大となるように延伸することが好ましい。また、延伸の際の残留溶媒量は3質量%〜30質量%であることが好ましい。残留溶媒量やドープ調製に用いる溶媒については後述する。
また、生産性向上の観点から、製膜工程(ドープの調液〜延伸、製膜、乾燥工程等)を経て得られる本発明のセルロースエステルフィルムのフィルム幅は、1.3m以上に設定することが好ましく、更に好ましくは、1.4m以上であり、特に好ましくは、1.4m以上3m以下である。
また、従来公知のセルロースエステルフィルムの製膜においては、1.3m以上もの広幅に製膜すると白濁発生等のトラブルが生じやすく問題であったが、本発明のセルロースエステルフィルムは、上記のような広幅でのフィルム作製を行っても、白濁発生が無く、耐湿性、耐水性が良好であり、且つ、光学補償フィルム等に求められる高いリターデーション特性を示すことが判った。
本発明に使用するテンターとしては特に限定はなく、例えば特開平11−77719号公報、同11−90943号公報、同7−112446号公報に記載されているピンテンター、クリップテンターでも良い。幅方向と搬送方向の張力を個別に調製できるテンターとしてBRUCKNER社製のLISIMを使用することもできる。
《ウェブの残留溶媒量の測定》
本発明において、ウェブの残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(%)=〔(ウェブの加熱処理前質量−ウェブの加熱処理後質量)/(ウェブの加熱処理後質量)〕×100
尚、残留溶媒量を測定する際の、加熱処理は、110℃、3時間の加熱処理を行った。
(ドープ液調製用の溶媒)
ドープ液調製用の溶媒としては、塩素系溶媒、非塩素系溶媒等がある。塩素系溶媒としては、アリルクロリド、2−エチルヘキシルクロリド、塩化アミル、塩化イソプロピル、塩化エチル、塩化ブチル、塩化ヘキシル、塩化メチル、塩化メチレン(メチレンクロライド)、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1.2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、テトラメチレンクロロブロミド、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン等が挙げられる。
非塩素系溶媒としては、炭素原子数が2〜12のエーテル(例えば、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等)、炭素原子数が3〜12のケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノン等)、炭素原子数が2〜12のエステル(例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテート等)が挙げられる。また、二種類以上の官能基を有する有機溶媒として、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノール等を用いてもよい。
《延伸処理とセルロースエステルフィルムの配向性挙動》
上記の延伸倍率を付与する延伸処理が本発明のセルロースエステルフィルムの配向性に与える効果を偏光ATR−FTIR法(偏向ATR法ともいう)により検討した。
例えば、セルロースエステルシート(例えば、TAC(トリアセチルセルロース)シート、CAP(セルロースアセテートプロピオネート)シート等)をごくわずかに延伸させた(延伸率≦200%、延伸倍率が2.0倍以下)場合、このような低倍率延伸では、面内ではセルロース骨格(主鎖)の配向変化はほとんどなく、主に側鎖のアセチル基部分のみが配向変化を起こすこと、そして更に、MD(machine direction)方向に延伸した場合に、側鎖の配向はこれとは直交する方向に配向する傾向があることが分かった。
低倍率延伸(微小延伸ともいう)においては、このように側鎖のCOO基のみが主として配向するメカニズムは不明であるが、COO基と近傍の置換基とで形成される水素結合との関連があると予想される。
したがって、セルロースエステルを用いて、リターデション値の高いセルロースエステルフィルムを製造する際の延伸条件を設定するにおいては、延伸倍率が2.0倍以下では、主鎖である、セルロースエステル分子骨格の面内における配向変化がほとんど認められないので、セルロースエステル分子の主鎖に帰属され、1125cm-1〜1145cm-1付近に極大吸収を有するエーテル結合の吸収における面内の赤外2色比fxyが、−0.05を超え0.1未満になるように調整することが好ましく、更に好ましくは、−0.025を超え0.05未満の範囲に調整することである。
ここで、赤外2色比fxyは、後述するが、面内方向の配向係数を表す。
《配向係数》
本発明に係る配向係数の理論的な考察について述べる。
赤外分光法を利用した配向性評価方法は、長手方向(x)、幅方向(y)、および厚み(z)方向の空間的な吸収係数の比率kx/ky、kx/kz、およびky/kzを求めることである。このためにはx、y、z軸方向に沿って偏光された光を用いて赤外吸収を測定し、各成分の吸収比率を計算する必要がある。
赤外吸収の測定においては、x、y、z軸方向に独立に偏光させた光で測定することが最も理想的であるが、実際には特に厚み方向z軸の測定が最も難しい。
偏光ATR法では、x方向、y方向、xz(x軸とz軸成分の両方の吸収成分を含む)方向、およびyz(y軸とz軸成分の両方の吸収成分を含む)方向に4つの吸収スペクトルを測定し、この測定データからx、y、z方向の吸収係数を計算する手順をとる。
図3に、偏光ATR法による測定における4つの基本的な光学配置を示す。試料平面の一方をx、他方をy、厚みをz、例えば2軸延伸フィルムではmachine方向(MD方向:machine direction方向)をx、これと垂直な方向(TD方向:transverse direction方向)をyとし、入射する光と反射する光で構成される入射面に対して、垂直な偏光(s−偏光;TE:transverse electric)および水平な偏光(TM:transverse magnetic)をワイヤーグリッド偏光子を用いて入射する。このときx軸をTE偏光の方向に合わせておく(TEx、TMx)。次に試料を90°回転させ、すなわちx軸方向とy軸方向を入れ替えて、同様に測定する(TEy、TMy)。
ここで得られた4つの吸収スペクトルをそれぞれATEx、ATMx、ATEy、ATMyとすると、下記一般式(7)で表される関係を満たす。
一般式(7)
TEx=αkx
TMx=βky−γkz
TEy=αky
TMy=βkx−γkz
上記一般式(7)で表される関係式が得られる。ここでα、β、γは、入射角と試料の屈折率に依存する定数であり、入射角が45度の場合は、P.A.Floumoy,and W.J.Schaffers,Spectrochimica Acta,22,5(1966)、K.Palm,Vib.Spectrosc.,6,185,(1994)を参照して、下記一般式(8)により求められる。
Figure 2005042039
ここで、p=(試料の屈折率)2/(プリズムの屈折率)2である。
上記より、試料の前記空間的の吸収係数、kx、ky、kzが下記一般式(9)のように計算できる。
一般式(9)
x=ATEx/α
y=ATEy/α
z=((ATMx−βky)/γ+(ATMy−βkx)/γ)/2
以上より、赤外2色比は、下記一般式(10)で表される。
一般式(10)
xy=kx/ky
xz=kx/kz
式中、Dxy、Dxzは、全く空間的に等方性の無配向試料では、いずれも1.00の値をとる。配向性が強くなるにつれて、この数値は増大する。別な評価式として、より定量的な評価が可能なものとして、P.A.Floumoy,and W.J.Schaffers,Spectrochimica Acta,22,5(1966)に開示されている、1軸配向係数(fxy、fxz)があり、下記一般式(11)で表される。
一般式(11)
xy=((Dxy−1)/(Dxy+2))×((D0+2)/(D0−1))
xz=((Dxz−1)/(Dxz+2))×((D0+2)/(D0−1))
式中、fxyは、面内方向の配向係数を、また、fxzは、膜厚方向の配向係数をしめす。ここで、D0=cot2(δ)であり、δは分子振動により形成される遷移モーメントベクトルと、分子軸との成す角度である。これを厳密に計算するには分子振動のモーメントの方向を調べる必要があるが、通常は分子軸に平行な振動モードと垂直なモードを選び、これをそれぞれ0°、90°として計算すれば十分配向性に関する情報が得られる。この配向係数は理論上、無配向の場合は0、観測方向に完全に配向している場合には1.0、逆に観測方向と直交している場合は−0.5となる。
本発明のセルロースエステルフィルムでは、セルロースエステル分子骨格部のO−C−C伸縮振動(1035cm-1±10cm-1の最大ピーク値)を分子軸に平行な振動モード(δ=0度)とし、側鎖のエステル基(C=O、CH3、C−C−O、それぞれ1713cm-1±10cm-1、1367cm-1±10cm-1、1214cm-1±10cm-1)を分子軸に垂直な方向の振動モード(δ=90度)として計算した。実際の分子モデル(文献)でも上記官能基は、ほぼ上述のような関係にあった。
ベースラインは、C−C−Oについては1510cm-1〜1530cm-1間の最小値と930cm-1〜1000cm-1間の最小値を結んだ直線とし、C=Oについては、1800cm-1〜1850cm-1間の最小値と1510cm-1〜1530cm-1間の最小値を結んだ直線とした。
《ピークの決め方》
ピークの決め方について述べる。
赤外2色比の測定には、減衰全反射赤外分光法(ATR−IR法)を用いて測定できる。計算方法は、J.P.Hobbs,C.S.P.Sung(J.P.Hobbs,C.S.P.Sung,K.Krishan,and,S.Hill,Macromolecules,16,193(1983))を参照して行った。
《赤外2色比の求め方》
赤外2色比の求め方は、セルロースエステル分子における、C−O対照伸縮振動に由来するピーク(1150cm-1〜1025cm-1の間に現れる最も強いピーク)の強度を測定する。ピーク強度は、そのピークトップの波数(xcm-1とする)と、xcm-1〜x+50cm-1のなかの最も吸光度の小さな点とxcm-1〜x−50cm-1の中の最も吸光度の小さい点を結び、これをベースラインとし、そこからのピーク強度を測定し求める。まず、長手方向に平行に光を入射し、入射面に偏光が垂直な時の吸光度(ATEx)および入射面に偏光面が平行な時の吸光度(ATMx)を求め、次に幅方向に平行に入射して同様にATEyとATMyを測定し、前記一般式(11)により、赤外2色比fxy、fxz(fxyは、面内の配向係数、fxzは、膜厚方向の配向係数である。)を計算することができる。
具体的には、次の偏光ATR法の測定条件で測定する。
測定装置:Magna 860(ニコレ社製)
単反射ATR装置:HARRICK SEAGUL
プリズム :ゲルマニウム
プリズムと試料間の圧力:トルクドライバーで80cN・m
測定サンプル面積:1cm2
入射角 :45°
反射回数 :1回
分解能 :4cm-1
データ補間 :0.5cm-1
試料の屈折率は、例えば、CAP(セルロースアセテートプロピオネート)では1.477、TAC(トリアセチルセルロース)では1.482として計算した。またプリズム(ゲルマニウム)は4.00とした。サンプル表面に入射する光と反射する光で構成される入射面に対して、垂直な偏光および水平な偏光をワイヤーグリッド偏光子を用いて入射し、FTIR−ATRスペクトルを測定した。上記測定をMD方向をx軸、垂直方向(幅方向TD)をy軸、厚み方向をz軸に設定して測定した。
なお、この方法で配向係数を求める場合は、試料面と測定用プリズム面とがほぼ完全に密着していることが重要である。このためここで用いるATR装置は高い密着圧力に耐えうる市販の、または改良された高耐圧ATR装置の使用が望ましい。
《添加剤》
本発明のセルロースエステルフィルムの保存性、寸度安定性、耐候性等を向上させる目的で、他に所望により可塑剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑り剤及びマット剤等を含有させてもよい。
(可塑剤)
可塑剤としては例えばトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリナフチルホスフェート、トリキシリルオスフェート、トリスオルト−ビフェニルホスフェート等のリン酸エステル系の可塑剤、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等のフタル酸エステル系の可塑剤、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のグリコール酸エステル系の可塑剤などが挙げられる。中でも、フタル酸エステル系やグリコール酸エステル系の可塑剤は、セルロースエステルの加水分解を引き起こし難いことから好ましい。又、凝固点が20℃以下の可塑剤が含まれることが好ましい。このような可塑剤としては、例えばトリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレートなどが挙げられる。
又、特に可塑剤の中でも不揮発性を有するものが好ましく使用される。不揮発性可塑剤とは、200℃における蒸気圧が1.333kPa以下の化合物であり、極めて低い蒸気圧を有し、かつ低い揮発度を有する性質のものである。好ましくは0.667kPa以下、更に好ましくは0.133kPa以下である。具体的には特表平6−501040号に記載されている不揮発性燐酸エステルが挙げられ、例えばアリーレンビス(ジアリールホスフェート)エステルが好ましい。
本発明に用いられる可塑剤の含有量は寸法安定性の観点から、セルロースエステルフィルム全体の質量に対して、0.1質量%〜30質量%が好ましく、特に好ましくは、0.5質量%〜15質量%の範囲である。
(紫外線吸収剤)
本発明のセルロースエステルフィルムには、必要に応じて紫外線吸収剤を添加することもできる。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
本発明に用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物などが挙げられる。又、特開平6−148430号記載の高分子紫外線吸収剤、特開2002−31715号公報に開示の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては下記一般式〔A〕で示される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2005042039
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
また、上記記載のこれらの基は、任意の置換基を有していて良い。
以下に一般式〔A〕で示される紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN 171、Ciba製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN 109、Ciba製)
また本発明において、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式〔B〕で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2005042039
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基又は−CO(NH)n-1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
上記において、アルキル基としては、例えば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表し、アルコキシ基としては例えば、炭素数18までのアルコキシ基で、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基で例えばアリル基、2−ブテニル基などを表す。又、アルキル基、アルケニル基、フェニル基へ置換してもよい置換基としてはハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子など、ヒドロキシル基、フェニル基、(このフェニル基にはアルキル基又はハロゲン原子などを置換していてもよい)などが挙げられる。
以下に一般式〔B〕で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、これらに限定されない。
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
市販されているものとしては、TINUVIN P、TINUVIN 324、TINUVIN 320、TINUVIN 326、TINUVIN 327、TINUVIN 328、TINUVIN 329、TINUVIN 770、TINUVIN 780、TINUVIN 144、TINUVIN 120、UVITEX OB(日本チバガイギー(株)製)等から適宜選択して使用することもできる。
本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
本発明においては、紫外線吸収剤は、セルロースエステルフィルム全体に対して、0.1質量%〜20質量%添加することが好ましく、更に0.5質量%〜10質量%添加することが好ましく、更に1質量%〜5質量%添加することが好ましい。
これらは2種以上を併用したほうが好ましい効果があることが多いので、製造条件、使用条件等により適宜最適な組み合わせを探索するのが好ましい。
(マット剤)
本発明のセルロースエステルフィルムには、滑り性を付与するためにマット剤等の微粒子を添加することができる。微粒子としては、無機化合物の微粒子又は有機化合物の微粒子が挙げられる。
無機化合物としては、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであり、二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
二酸化珪素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
有機化合物としては、例えばシリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でもシリコーン樹脂が好ましく用いられる。
上記のシリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えばトスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上、東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
本発明に係る微粒子の1次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から20nm以下が好ましく、更に好ましくは16nm〜5nmであり、特に好ましくは12nm〜5nmである。
本発明に係る微粒子の1次平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、その平均値をもって1次平均粒子径とした。
これら微粒子の添加方法は常法によって混練するなどにより行うことができるが、特に好ましくは予め溶媒に分散した微粒子とセルロースエステル及び/又は可塑剤及び/又は紫外線吸収剤を混合分散させた後、溶媒を揮発させた固形物とし、これをセルロースエステル溶融物の製造過程で用いることが均一な溶融物が得られる点で等に好ましい。
上記のセルロースエステルフィルム、光学補償シート等は、例えば米国特許第2,492,978号明細書、同第2,739,070号明細書、同第2,739,069号明細書、同第2,492,977号明細書、同第2,336,310号明細書、同第2,367,603号明細書、同第2,607,704号明細書、英国特許第64,071号明細書、同第735,892号明細書、特公昭45−9074号公報、同49−4554号公報、同49−5614号公報、同60−27562号公報、同61−39890号公報、同62−4208号公報に記載の方法を参照して製膜できる。
また、着色防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、消泡剤、透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料等を添加させてもよい。
《偏光板、位相差板》
本発明の偏光板について説明する。
本発明のセルロースエステルフィルムや本発明の光学補償シートは特に偏光板保護フィルムとして有用であり、これらを用いて公知の方法で偏光板を作製することができる。また、本発明の光学フィルムまたは本発明の光学補償シートを有する偏光板や表示装置は極めて視認性に優れており、過酷な環境下であっても優れた視認性を提供出来る。
《表示素子、電子ペーパ》
本発明のセルロースエステルフィルム、それを用いる光学補償シート等の用途としては特に限定されないが、バックライトを有する液晶表示素子、液晶表示装置等に好ましく適用でき、また、タッチパネル、フレキシブルに屈曲する表示素子である電子ペーパ等にも適用可能である。
《表示装置》
本発明の表示装置について説明する。
また、本発明の光学フィルムは反射型、透過型、半透過型液晶表示装置あるいはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型、IPS型等の各種駆動方式の液晶表示装置で好ましく用いられ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ等の各種表示装置にも好ましく用いられる。
また、本発明の光学フィルムは反射防止フィルム、帯電防止フィルム、位相差フィルム、導電性フィルム、電磁波遮蔽フィルム、偏光板等の保護フィルム、光学補償フィルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、偏光板、プラズマディスプレイ前面フィルター等に好ましく用いられる。特に複数の金属酸化物層を形成する反射防止フィルムに有用である。
本発明により、リターデーション値が高く、広幅でありながら白濁のない高透明性を有するセルロースエステルフィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、光学補償シート、偏光板、位相差板、電子ペーパ及び表示装置を提供することが出来た。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
《セルロースエステルフィルム1の作製》:本発明
下記のようにして調製したドープAを用いて、市販の流延製膜法によりセルロースエステルフィルム1を作製した。
(ドープAの調製)
ドープAとして、セルロース分子のグルコース単位当たり3つの水酸基の水素原子に対する、2’−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン−4−カルボニル基の置換度2.0、プロピオニル基の置換度0.65であり、数平均分子量150000のセルロースエステル1を100質量部、トリフェニルフォスフェイト8質量部、エチルフタリルエチルグリコレート2質量部、塩化メチレン300質量部、エタノール26質量部を加圧密閉容器に投入し、80℃に加温して容器内圧力を2気圧とし、撹拌しながらセルロースエステル1を完全に溶解させドープを得た。溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した後、ドープを35℃まで下げて一晩静置して、ドープ中の脱泡を行った。
(セルロースエステル1の合成)
セルロース分子の3つの水酸基に対して、2’−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン−4−カルボニル基を置換度2.0、プロピオニル基の置換度を0.65にする為の反応は、上記の当該業者公知の文献に記載の合成条件を参照して行った。
尚、セルロース分子の水酸基への上記置換基の導入確認は1H−NMR、13C−NMR等を用い、置換度の確認は、上記のセルロースの置換度(DS)の測定に記載の方法を用いて行った。
(製膜工程)
上記のドープAを市販の流延製膜装置の共流延ダイからステンレスベルト上に流延し1層構成のドープ膜とした。ステンレスベルトの裏面から温水を接触させて35℃に温度制御されたステンレスベルト上で1分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、15℃の冷水を接触させて10秒間保持した後、ステンレスベルトから生乾きのフィルムを剥離した。尚、ステンレスベルトの表面からは60℃の温風を搬送方向と平行に流した。また、剥離時のフィルム中の残留溶媒量は100質量%であった。
次いで剥離したフィルムを、ロールに巻き回しながら搬送するとともに60℃で乾燥し、テンター直前でのフィルム中の残留溶媒量を30質量%とした。次いでテンタークリップで両端を把持させながら100℃で横方向(巾方向)に1.5倍延伸した。次いで巾を保持したまま120℃で10分間搬送しながら乾燥させた。この時フィルム巾が3%収縮するようにテンタークリップ巾を調節した。
更に、ロール搬送させながら110℃で20分間乾燥し、両表面層5μm、コア層60μm、トータル膜厚70μmのセルロースエステルフィルム1(位相差フィルム)を得た。最終的なフィルムの残留溶媒量は0.2質量%であった。
《リターデーション特性(R0、Rt)評価》
得られたセルロースエステルフィルム1と従来公知のセルロースエステルフィルムである、市販のトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルムともいう)、セルロースアセテートプロピオネートフィルム(CAPフィルムともいう)とを比較として用い、面内方向のリターデーション特性値(面内リターデーションR0)、フィルムの厚み方向のリターデーション特性値(厚み方向のリターデーションRt)を各々評価した。
ここで、リターデーション測定は、エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて波長550nmにおける面内リターデーション値(R0)、厚み方向のリターデーション値(Rt)を各々測定した。
各セルロースエステルフィルムと置換基の結合分極率異方性とリターデーション特性の関係を下記に示す。
試料 結合分極率異方性(×10-25cm3
|α1a−α2a| |α3a−α2a| |α1b−α2b|
1 176 172 33
TAC 15 − 31
CAP 15 − 33
ここで、上記の結合分極率異方性の数値は下記に示す、セルロースエステルフィルム試料の置換基の分極率異方性データを用いて求めた。
以下、各試料のリターデーション特性を示す。
試料 R0(nm) Rt(nm)
1 64 168
TAC 1.2 57
CAP 47 109
1:セルロースエステルフィルム1
上記から、本発明のセルロースエステルフィルム1は、比較のフィルム(トリアセチルセルロースエステルフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)と比べて、面内方向のリターデーション(R0)、厚み方向のリターデーション(Rt)が共に増大し、光学的異方性が向上していることが判った。また、本発明のセルロースエステルフィルム1は、比較のTAC、CAPと同等の高い透過率、ヘイズが小さいということが当該業者公知の透過率、ヘイズの測定から判った。
結合分極率異方性算定時の座標軸設定を示す模式図である。 結合分極率異方性算定時の座標軸設定を示す模式図である。 偏光ATR測定時の光学配置の一例を示す模式図である。

Claims (14)

  1. セルロース分子の有する3つの水酸基の少なくとも一つが、紫外線吸収能を有する置換基Aにより置換され、更に少なくとも一つが、可塑剤機能を有する置換基Bによって置換されているセルロースエステルを含むセルロースエステルフィルムであって、該置換基A、Bは、各々結合分極率異方性を示す化学結合A、Bを有し、前記化学結合A、Bの化学結合鎖に平行な方向の分極率を、各々α1a、α1b、前記化学結合鎖の直交方向の分極率を、各々α2a、α2b、更に、前記化学結合Aが、芳香族環を有する時には、該芳香族環に垂直な方向の分極率をα3aとした時に、|α1a−α2a|または|α3a−α2a|で表される結合分極率異方性が50×10-25cm3以上であり、且つ、|α1b−α2b|で表される結合分極率異方性が50×10-25cm3未満であることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
  2. 前記置換基AまたはBが、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)またはカルボニルイミノ基(−C(=O)−NH−)を有することを特徴とする請求項1に記載のセルロースエステルフィルム。
  3. 前記置換基Aが、芳香族環を有することを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースエステルフィルム。
  4. 前記置換基Aのオキシカルボニル基またはカルボニルイミノ基の構成原子群であるカルボニル基を三次元座標(x軸、y軸、z軸)上において該三次元座標のx軸に一致させ、該置換基Aの芳香族環を構成する各々の原子同士の結合を、各々x軸、y軸で構成されるxy平面上に配置し、且つ、該原子同士の結合軸に対して垂直な方向にz軸を配置し、部分構造の理論結合分極率テンソルを下記一般式(1)で表した場合、|αyy−αxx|aまたは|αyy−αzz|aで表される結合分極率異方性の少なくとも一つが、50×10-25cm3以上、300×10-25cm3以下であり、置換基Bのオキシカルボニル基またはカルボニルイミノ基の構成原子群であるカルボニル基を三次元座標(x軸、y軸、z軸)上において該三次元座標のx軸に一致させ、該置換基Bを構成する各々の原子同士の結合を、各々x軸、y軸で構成されるxy平面上に配置し、且つ、該原子同士の結合軸に対して垂直な方向にz軸を配置し、部分構造の理論結合分極率テンソルを下記一般式(1)で表した場合、|αyy−αxx|bまたは|αyy−αzz|bで表される結合分極率異方性の少なくとも一つが、50×10-25cm3未満、3×10-25cm3以上であることを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
    Figure 2005042039
    〔式中、αxx、αxy、αxzは、各々xx成分、xy成分、xz成分の結合分極率を表し、αyx、αyy、αyzは、各々yx成分、yy成分、yz成分の結合分極率を表し、αzx、αzy、αzzは、各々zx成分、zy成分、zz成分の結合分極率を表す。〕
  5. セルロース分子の有する3つの水酸基への、前記結合分極率異方性を示す置換基Aの置換度が、0.01〜2.5の範囲であり、且つ、置換基Bの置換度が0.1〜2.5の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
  6. セルロース分子の有する3つの水酸基への、前記結合分極率異方性を示す置換基Aの置換度が、0.01〜2.0の範囲であり、且つ、置換基Bの置換度が0.1〜2.0の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを製造するに当たり、2.0倍以下の延伸倍率でフィルムの幅方向に延伸する工程を有することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを製造するに当たり、1.5倍以下の延伸倍率でフィルムの幅方向に延伸する工程を有することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
  9. 延伸工程時において、フィルム幅が1.3m以上になるように調整することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを有することを特徴とする光学補償シート。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムまたは請求項10に記載の光学補償シートを含むことを特徴とする偏光板。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを用いたことを特徴とする位相差板。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルムを用いたことを特徴とする電子ペーパ。
  14. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースエステルフィルム、請求項10に記載の光学補償シート、請求項11に記載の偏光板及び請求項12に記載の位相差板からなる群から選択される少なくとも一つを用いたことを特徴とする表示装置。
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