JP5081378B2 - セルロースアシレートフイルム並びにそれを用いた光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置。 - Google Patents
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Description
本発明の第2の課題は、光学的異方性が小さく、波長分散が小さいセルロースアシレートフイルムにより作製した光学補償フイルム、偏光板などの光学材料が視野角特性に優れるものであることを示すこと、およびこれらを用いた液晶表示装置を提供することにある。
〔1〕
下記式(I)および(II)を満たし、平均酢化度が61.5〜62.5%であり、残留硫酸量(硫黄元素の含有量として)が50〜150ppmであり、かつアルカリ土類金属の含有量が0〜60ppmであることを特徴とするセルロースアシレートフイルム。
(I)0≦Re(630)≦10かつ|Rth(630)|≦25
(II)|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式中、Re(λ)は波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。]
〔2〕
鉄の含有量が1ppm以下であることを特徴とする〔1〕に記載のセルロースアシレートフイルム。
〔3〕
綿花リンターを主原料とすることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のセルロースアシレートフイルム。
〔4〕
下記式(III)、(IV)を満たす少なくとも一種以上の化合物を含有することを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(III)(Rth(A)−Rth(0))/A≦−1.0
(IV)0.1≦A≦30
[式中、Rth(A)はRthを低下させる化合物をA質量%含有したフィルムのRth(630)、Rth(0)はRthを低下させる化合物を含有しないフィルムのRth(630)である。またAはフィルム原料ポリマーの質量に対するRthを低下させる化合物の添加量(質量%)である。]
〔5〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のセルロースアシレートフイルム上に、Re(630)が0〜200nmかつ|Rth(630)|が0〜400nmの光学異方性層を設けてなることを特徴とする光学補償フイルム。
〔6〕
光学異方性層がディスコティック液晶層を有することを特徴とする〔5〕に記載の光学補償フイルム。
〔7〕
光学異方性層が棒状液晶層を有することを特徴とする〔5〕または〔6〕に記載の光学補償フイルム。
〔8〕
光学異方性層がポリマーフイルムを有することを特徴とする〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載の光学補償フイルム。
〔9〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のセルロースアシレートフイルム、又は〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載の光学補償フイルムを少なくとも1枚、偏光子の保護フイルムとしたことを特徴とする偏光板。
〔10〕
表面にハードコート層、防眩層、反射防止層の少なくとも一層を設けたことを特徴とする〔9〕に記載の偏光板。
〔11〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のセルロースアシレートフイルム、又は〔5〕〜〔8〕のいずれかに記載の光学補償フイルム及び〔9〕または〔10〕に記載の偏光板のいずれかを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
〔12〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のセルロースアシレートフイルム、又は〔5〕〜〔8〕のいずれかに記載の光学補償フイルム及び〔9〕または〔10〕に記載の偏光板、のいずれかを用いたことを特徴とするVAまたはIPS液晶表示装置。
本発明は、上記〔1〕〜〔12〕に係る発明であるが、以下、それ以外の事項についても記載している。
(1)下記式(I)および(II)を満たし、かつ残留硫酸量(硫黄元素の含有量として)が30〜150ppmであることを特徴とするセルロースアシレートフイルム。
(I)0≦Re(630)≦10かつ|Rth(630)|≦25
(II)|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式中、Re(λ)は波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。]
(3)平均酢化度が61.0〜62.5%であることを特徴とする1または2に記載のセルロースアシレートフイルム。
(4)綿花リンターを主原料とすることを特徴とする1〜3のいずれかに記載のセルロースアシレートフイルム。
(5)下記式(III)、(IV)を満たす少なくとも一種以上の化合物を含有することを特徴とする1〜4のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(III)(Rth(A)−Rth(0))/A≦−1.0
(IV)0.1≦A≦30
[式中、Rth(A)はRthを低下させる化合物をA質量%含有したフィルムのRth(630)、Rth(0)はRthを低下させる化合物を含有しないフィルムのRth(630)である。またAはフィルム原料ポリマーの質量に対するRthを低下させる化合物の質量(%)である。]
(7)光学異方性層がディスコティック液晶層を含有することを特徴とする6に記載の光学補償フイルム。
(8)光学異方性層が棒状液晶層を含有することを特徴とする6または7に記載の光学補償フイルム。
(9)光学異方性層がポリマーフイルムを含有することを特徴とする6〜8のいずれかに記載の光学補償フイルム。
(11)表面にハードコート層、防眩層、反射防止層の少なくとも一層を設けたことを特徴とする10に記載の偏光板。
(12)1〜5のいずれかに記載のセルロースアシレートフイルム、又は6〜9のいずれかに記載の光学補償フイルム及び10または11に記載の偏光板のいずれかを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
(13)1〜5のいずれかに記載のセルロースアシレートフイルム、又は6〜9のいずれかに記載の光学補償フイルム及び10または11に記載の偏光板のいずれかを用いたことを特徴とするVAまたはIPS液晶表示装置。
本発明における残留硫酸量とは、セルロースアシレートまたはセルロースアシレートフィルム中の残留硫酸量を硫黄元素の含有量として算出した数値を指すものとする。本発明における「残留硫酸量」とは、セルロースに結合した硫酸(硫酸エステル、スルホン酸基として結合した硫酸成分)、遊離の硫酸、硫酸塩などに対応する硫酸を総称し、「総硫酸」という場合がある。また本発明においては反応系中に硫酸成分(硫酸エステル、スルホン酸基)を有する添加剤を剥離剤として使用することが可能であり、その場合にも該剥離剤由来の硫酸は残留硫酸に含まれる。一方で上記硫酸成分を有しない含硫黄添加剤については残留硫酸量に含まれないものとする。残留硫酸量は、セルロースアシレート、及びセルロースアシレートフィルム試料を用いてICP発光分光分析法(ICP−OES)により精度良く簡便に算出することができる。セルロースアシレート中の残留硫酸量は、メチレンクロライド等の良溶媒でセルロースアシレートを溶解させたのち、ICP−OESで測定し硫黄元素含有量として算出することができる。また、セルロースアシレートフィルム試料の残留硫酸量についても、同様の手法により硫黄元素含有量として算出することができる。ただしフィルム試料が硫酸成分(硫酸エステル基、スルホン酸基を意味する)を有さない含硫黄添加剤を含有する場合には、まずフィルム中の硫黄含有量Aを測定する。次にTHF(テトラヒドロフラン)等の良溶媒を用いて該添加剤をフィルム中から抽出し、液体クロマトグラフィーを用いて精製し、含硫黄添加剤の添加量を求める。該添加剤の構造式から含硫黄添加剤由来の硫黄量Bを算出し、フィルムの硫黄含有量Aから硫黄含有量Bを引いた値からセルロースアシレートフィルムの残留硫酸量(硫黄元素含有量として)を算出する。これにより、(例えば、光学的異方性低下剤として)硫酸構造を有しない添加剤を用いた場合には、該添加剤由来の硫黄元素含有量は残留硫酸量には含まないものとする。
本発明においては、光学異方性を小さくするために、高酢化度のセルロースアシレートを用いることが好適態様であるが、高酢化度のセルロースアシレートはその残留硫酸量が少なくなりがちな傾向があり、それを用いてフィルムを製膜する際に剥離抵抗が大きくなり問題となることがわかった。したがって高酢化度セルロースアシレートを用いる際に、本発明を利用すると、面内レターデーションを小さくしつつ剥離抵抗を下げることができ非常に有効である。
セルロースアシレートは、通常、アルカリ金属(カリウム、ナトリウムなど)やアルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウムなど)などの金属成分を含んでいる。一般にこれらの金属成分は金属バンド面との親和性が高く、ウェブを金属バンド面から剥離する際に剥離抵抗を悪化させる原因となる。一方で、硫酸成分が多いセルロースアシレートはセルロースアシレートの加水分解反応を促進し、耐熱性、耐湿熱安定性(イエローステイン)等を悪化させる。セルロースアシレートに含まれる該金属成分量は、セルロースアシレートの硫酸成分を中和して錯体を形成し、加水分解反応を起こしにくくすることで耐熱性を向上させる効果がある。したがって、本発明におけるセルロースアシレートは剥離抵抗を悪化させない最少量の硫酸成分を含有し、かつ金属成分(特にアルカリ土類金属)の含有量が少なくすることで、剥離抵抗と耐熱性に優れた特長を有する。本発明においては、金属成分の中でもアルカリ金属にくらべてアルカリ土類金属成分量が多いことに注目し、特にアルカリ土類金属残存量を調整することを目的とする。ここでアルカリ土類金属原子の含有量は、X線光電子分光分析装置(XPS)を用いて測定することができる。本発明において、セルロースアシレート中のアルカリ土類金属は、酢化度とは特に相関は見られなかった。アルカリ土類金属(特にCa)の量が少ないほど剥離抵抗が小さくなり、正面レターデーションReをさらに低減することができる。本発明においてはアルカリ土類金属の好ましい範囲は0〜60ppmである、より好ましくは0〜40ppm、さらに好ましくは1〜20ppmである。70ppmを超えると剥離抵抗が悪化し、正面レターデーションReが高くなるので好ましくない。なお、本発明のアルカリ土類金属の含有量はセルロースアシレートフイルム試料を用いて算出する。主に原料であるセルロースアシレート中のアルカリ土類金属の含有量を調整することで、該フィルム中のアルカリ土類金属の含有量を調整することができる。
なお、本明細書に用いられる「ppm」は、前記したように当業界で慣用的に用いられていて、セルロースアシレートフイルムに対する質量基準の値であり、「mg/kg」と同価である。
は、やはり多すぎると不溶分を生ずるので、多すぎることは好ましくない。但し、余りに少なすぎても、特性的にはよくない。
本発明における耐久性は、液晶表示装置に本発明のフィルムが使用された場合に、いわゆるカーベキューと言われる自家用車内等の高温条件下でフィルムが変色・改質する現象に相当する。したがって、耐久性が悪いフィルムほど高温条件下でフィルムが変色しやすいことを意味し、具体的には以下の方法で測定される。すなわちセルロースエステル試料片40mm角1枚を、140℃乾燥セル庫内に40時間静置する。耐熱試験後の試料片を白色透過光にて目視観察して、以下の評価を行った。
○ : 5枚重ねたフィルムを透過で着色を見て、着色が認められない場合
△ : 上記5枚重ね条件で 、僅かに着色が見られるが1枚では全く着色が認められない場合
× : 5枚で著しく着色が見られ、1枚でも着色が認められる場合
本明細書において、Re、Rthは各々、波長λにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。ReはKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rthは前記Re、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。
(I)0≦Re(630)≦10
(II)|Rth(630)|≦25
上記式(I)、(II)は
(I)0≦Re(630)≦5
(II)|Rth(630)|≦10
であることがより好ましく、
(I)0≦Re(630)≦3
(II)|Rth(630)|≦5
であることが特に好ましい。
本発明においてレターデーションの波長分散とは、上記方法により算出した波長400nm、及び700nmにおけるRe、及びRthのそれぞれの差の絶対値により求めた。
レターデーション波長分散が小さいフィルムほど、斜め方向から見たときのディスプレイの色味変化が小さく、視認性に優れた表示装置を作製することができる。
(I)|Re(400)−Re(700)|≦10
(II)|Rth(400)−Rth(700)|≦35
上記式(I)、(II)は
(I)|Re(400)−Re(700)|≦7
(II)|Rth(400)−Rth(700)|≦25
であることがより好ましく、
(I)|Re(400)−Re(700)|≦5
(II)|Rth(400)−Rth(700)|≦15
であることが特に好ましい。
本発明に用いられるセルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に見られる。
本発明においては、剥離性を低下させるヘミセルロース(キシラン,グルコマンナンなど)含有量が少ない綿花リンター綿由来のセルロースアシレートを用いることが好ましい。
次に上述のセルロースを原料に製造される本発明のセルロースアシレートについて記載する。本発明のセルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換度はアシル基の炭素原子数が2のアセチル基から炭素原子数が22のものまでいずれも用いることができる。本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度、置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度、平均酢化度を得ることができる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することが出来る。
本発明のセルロースアシレートフィルムは残留硫酸量を50〜150ppm含むことを特徴とし、その結果として残留溶媒が多いウェブについて、剥離剤を用いずに製膜時の支持体からの剥離抵抗を低減でき、生産性を大幅に向上させる効果を奏する。セルロースアシレートフィルム中の残留硫酸量を規定範囲内に調節する方法のひとつとして、原料として使用するセルロースアシレート中の残留硫酸量を調節する方法が挙げられる。
したがって、原料綿として残留硫酸量が通常よりも多いセルロースアシレートを用いることで、本発明を達成することが出来、その際のセルロースアシレートの残留硫酸量としては30〜160ppmの範囲にあることが好ましい。より好ましくは30〜130ppmであり、特に好ましくは35〜100ppmである。
本発明のセルロースアシレートフィルムはアルカリ土類金属含有量が0〜60ppmであることが好適態様である。セルロースアシレートフィルム中のアルカリ土類金属含有量を規定範囲内に調節する方法のひとつとして、原料として使用するセルロースアシレート中のアルカリ土類金属含有量を調節する方法が挙げられる。
本発明において、セルロースアシレート中のアルカリ土類金属含有量としては、0〜65ppmであることが好ましく、0〜45ppmであることがより好ましく、0〜22ppmであることがさらに好ましい。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアシレートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が高すぎるとセルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなり、流延によりフイルム作製が困難になる。重合度が低すぎると作製したフイルムの強度が低下してしまう。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。特開平9−95538に詳細に記載されている。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、2.0〜3.5であることがさらに好ましく、2.3〜3.3であることが最も好ましい。
本発明では、セルロースアシレート溶液に、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、光学的異方性を低下する化合物、波長分散調整剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤、剥離剤など)を加えることができる。これらについて以下に説明する。またその添加する時期はドープ作製工程において何れでも添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。
まずセルロースアシレートフイルムの光学的異方性を調整する化合物について説明する。光学異方性を調整する化合物とは、レターデーションの絶対値を増加させる化合物と低下させる化合物を総称するものである。本発明の発明者らは、フイルム中のセルロースアシレートが面内および膜厚方向に配向するのを抑制する化合物を用いて光学的異方性を十分に低下させ、ReがゼロかつRthがゼロに近くすることができた。以後、本発明においては光学異方性を低下させる化合物(光学異方性低下剤ということもある)について、特に言及することととする。光学的異方性を低下させる化合物はセルロースアシレートに十分に相溶し、化合物自身が棒状の構造や平面性の構造を持たないことが有利である。具体的には芳香族基のような平面性の官能基を複数持っている場合、それらの官能基を同一平面ではなく、非平面に持つような構造が有利である。
本発明のセルロースアシレートフイルムの光学的異方性、特にフィルム膜厚方向のレターデーションRthを低下させる化合物を、下記式(I)、(II)をみたす範囲内で少なくとも一種含有することがのぞましい。
(II)0.1≦A≦30
上記式(I)、(II)は
(I)(Rth(A)−Rth(0))/A≦−2.0
(II)0.5≦A≦25
であることがより好ましく、
(I)(Rth(A)−Rth(0))/A≦−3.0
(II)1.0≦A≦20
であることが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフイルムを作製するにあたっては、上述のようにフイルム中のセルロースアシレートが面内および膜厚方向に配向するのを抑制して光学異方性を低下させる化合物のうち、オクタノール/水分配係数(logP値)が0ないし7である化合物が好ましい。logP値が7を超える化合物は、セルロースアシレートとの相溶性に乏しく、フイルムの白濁や粉吹きを生じやすい。また、logP値が0よりも小さな化合物は親水性が高いために、セルロースアシレートフイルムの耐水性を悪化させる場合がある。logP値としてさらに好ましい範囲は1ないし6であり、特に好ましい範囲は1.5ないし5である。
オクタノール/水分配係数(logP値)の測定は、JIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。
また、オクタノール/水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen's fragmentation法( J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)、Viswanadhan's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989).)、Broto's fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.- Chim.Theor.,19,71(1984).)などが好ましく用いられるが、Crippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)がより好ましい。ある化合物のlogPの値が測定方法あるいは計算方法により異なる場合に、該化合物が本発明の範囲内であるかどうかは、Crippen's fragmentation法により判断することが好ましい。
光学異方性を低下させる化合物は、芳香族基を含有しても良いし、含有しなくても良い。また光学異方性を低下させる化合物は、分子量が150以上3000以下であることが好ましく、170以上2000以下であることが好ましく、200以上1000以下であることが特に好ましい。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であっても良いし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造やポリマー構造でも良い。
光学異方性を低下させる化合物は、好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜250℃の固体であり、さらに好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜200℃の固体である。また光学異方性を低下させる化合物は、セルロースアシレートフイルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
光学異方性を低下させる化合物は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。
光学異方性を低下させる化合物を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
一般式(1)の化合物について説明する。
R11−13について詳しく説明する。R11−13は好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12である脂肪族基である。ここで、脂肪族基とは、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、アルキル基(鎖状、分岐状および環状のアルキル基を含む。)、アルケニル基またはアルキニル基である。例として、アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、t−アミル、n−ヘキシル、n−オクチル、デシル、ドデシル、エイコシル、2−エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2,6−ジメチルシクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロペンチル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イルなどの各基が挙げられ、アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどの各基が挙げられ、アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられる。
一般式(2)および(3)の化合物について説明する。
また、Zを含んで構成される5または6員環は、ラクトン構造またはラクタム構造、すなわち、Zの隣接炭素にオキソ基を有する環状エステルまたは環状アミド構造を含む。このような環状エステルまたは環状アミド構造の例としては、2−ピロリドン、2−ピペリドン、5−ペンタノリド、6−ヘキサノリドを挙げることができる。
一般式(4)〜(12)の化合物について説明する。
Q1、Q2およびQ3として好ましくは芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環である。芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
XはB、C-R(Rは水素原子または置換基を表す。)、N、P、P=Oを表し、Xとして好ましくはB、C-R(Rとして好ましくはアリール基、置換又は未置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシル基であり、より好ましくはアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくはアルコキシ基、ヒドロキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基である。)、Nであり、Xとしてより好ましくはC-R、Nであり、特に好ましくはC-Rである。
一般式(16)として好ましくは下記一般式(17)で表される化合物である。
これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(17)
一般式(18)
なお、(A’− )と付してある化合物が一般式(17)で表される化合物の具体例であり、(B’− )と付してある化合物が一般式(18)で表される化合物の具体例である。
一般式(19)
前記(19)で表される化合物は、更に下記一般式(20)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(20)
一般式(21)
一般式(22)
一般式(23)
上記一般式(19)において、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ、水素原子、置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表し、脂肪族基が好ましい。脂肪族基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、環状であることがより好ましい。脂肪族基および芳香族基が有していてもよい置換基としては後述の置換基Tが挙げられるが、無置換のものが好ましい。X1、X2、X3およびX4は、それぞれ、単結合、−CO−、−NR5−R5は置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表し、無置換のものおよび/または脂肪族基がより好ましい。)からなる群から選ばれる1種以上の基から形成される2価の連結基を表す。X1、X2、X3およびX4の組み合わせは特に限定されないが、−CO−、−NR5−(から選ばれるのがより好ましい。a、b、cおよびdは0以上の整数であり、a+b+c+dは2以上である。a+b+c+dは、2〜8であることが好ましく、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4である。Q1は(a+b+c+d)価の有機基(環状のものを除く)を表す。Q1の価数は2〜8が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜4が最も好ましい。
有機基とは、有機化合物からなる基をいう。
上記一般式(20)において、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ、水素原子、置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表し、脂肪族基が好ましい。脂肪族基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、環状であることがより好ましい。脂肪族基および芳香族基が有していてもよい置換基としては後述の置換基Tが挙げられるが、無置換のものが好ましい。X11、X12、X13およびX14はそれぞれ独立に単結合、−CO−、−NR15−(R15はは置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表し、無置換のものおよび/または脂肪族基がより好ましい。)から選ばれる1種以上の基から形成される2価の連結基を表す。それぞれX11、X12、X13およびX14の組み合わせは特に限定されないが、−CO−、−NR15−から選ばれるのがより好ましい。k、l、mおよびnは0または1であり、k+l+m+n=2、3または4である。Q1は2〜4価の有機基(環状のものを除く)を表す。Q1の価数は2〜4が好ましく、2または3がより好ましい。
上記一般式(21)において、R21およびR22は、それぞれ、置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表し、脂肪族基が好ましい。脂肪族基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、環状であることがより好ましい。脂肪族基および芳香族基が有していてもよい置換基としては後述の置換基Tが挙げられるが、無置換のものが好ましい。Y1およびY2はそれぞれ独立に−CONR23−または−NR24CO−を表し、R23およびR24は置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表表し、無置換のものおよび/または脂肪族基がより好ましい。L1は−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−NR25−、アルキレン基およびアリーレン基から選ばれる1種以上の基から形成される2価の有機基(環状のものを除く)を表す。L1の組み合わせは特に限定されないが、−O−、−S−、−NR25−、およびアルキレン基から選ばれるのが好ましく、−O−、−S−およびアルキレン基から選ばれるのがさらに好ましく、−O−、−S−およびアルキレン基から選ばれるのが最も好ましい。
上記一般式(22)において、R31、R32、R33およびR34はそれぞれ置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表し、脂肪族基が好ましい。脂肪族基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、環状であることがより好ましい。脂肪族基および芳香族基が有していてもよい置換基としては後述の置換基Tが挙げられるが、無置換のものが好ましい。L2は−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−NR35−(R35は置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表し、無置換のものおよび/または脂肪族基がより好ましい。)、アルキレン基、アリーレン基から選ばれる1種以上の基から形成される2価の連結基を表す。L2の組み合わせは特に限定されないが、−O−、−S−、−NR35−、およびアルキレン基から選ばれるのが好ましく、−O−、−S−およびアルキレン基から選ばれるのがさらに好ましく、−O−、−S−およびアルキレン基から選ばれるのが最も好ましい。
上記一般式(23)において、R41、R42、R43およびR44は、それぞれ、置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表し、脂肪族基が好ましい。脂肪族基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、環状であることがより好ましい。脂肪族基および芳香族基が有していてもよい置換基としては後述の置換基Tが挙げられるが、無置換のものが好ましい。L3は−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−NR45−(R45は置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表し、無置換のものおよび/または脂肪族基がより好ましい。)、アルキレン基、アリーレン基から選ばれる1種以上の基から形成される2価の連結基を表す。L3の組み合わせは特に限定されないが、−O−、−S−、−NR45−、およびアルキレン基から選ばれるのがさらに好ましく、−O−、−S−およびアルキレン基から選ばれるのがさらに好ましく、−O−、−S−およびアルキレン基から選ばれるのが最も好ましい。
上記一般式(24)において、R51、R52、R53およびR54はそれぞれ置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表し、脂肪族基が好ましい。脂肪族基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、環状であることがより好ましい。脂肪族基および芳香族基が有していてもよい置換基としては後述の置換基Tが挙げられるが、無置換のものが好ましい。L4は−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−NR55−(R55は置換若しくは無置換の脂肪族基または置換若しくは無置換の芳香族基を表し、無置換のものおよび/または脂肪族基がより好ましい。)、アルキレン基、アリーレン基から選ばれる1種以上の基から形成される2価の連結基を表す。L4の組み合わせは特に限定されないが、−O−、−S−、−NR55−、およびアルキレン基から選ばれるのが好ましく、−O−、−S−およびアルキレン基から選ばれるのがさらに好ましく、−O−、−S−およびアルキレン基から選ばれるのが最も好ましい。
置換基Tとしては、例えばアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、
これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
本発明の多価アルコールエステルは、2価以上の多価アルコールと1種以上のモノカルボン酸とのエステルである。多価アルコールエステル化合物としては以下のものが例としてあげられるが、本発明はこれらに限定されない。
好ましい多価アルコールの例としては、例えばアドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
本発明の多価アルコールエステルにおけるモノカルボン酸としては、特に制限はなく公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いるとセルロースアシレートフイルムの透湿度、含水率、保留性を向上させる点で好ましい。
カルボン酸エステル化合物としては、以下の化合物を例としてあげることができるが、本発明はこれらに限定されない。具体的には、フタル酸エステル及びクエン酸エステル等、フタル酸エステルとしては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチルを挙げることが出来る。またその他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、トリメチロールプロパントリベンゾエート等も挙げられる。
本発明において用いる多環カルボン酸化合物は分子量が3000以下の化合物であることが好ましく、特に250〜2000以下の化合物であることが好ましい。環状構造に関して、環の大きさについて特に制限はないが、3〜8個の原子から構成されていることが好ましく、特に6員環及び/又は5員環であることが好ましい。これらが炭素、酸素、窒素、珪素あるいは他の原子を含んでいてもよく、環の結合の一部が不飽和結合であってもよく、例えば6員環がベンゼン環、シクロヘキサン環でもよい。本発明の化合物は、このような環状構造が複数含まれているものであり、例えば、ベンゼン環とシクロヘキサン環をどちらも分子内に有していたり、2個のシクロヘキサン環を有していたり、ナフタレンの誘導体あるいはアントラセン等の誘導体であってもよい。より好ましくはこのような環状構造を分子内に3個以上含んでいる化合物であることが好ましい。また、少なくとも環状構造の1つの結合が不飽和結合を含まないものであることが好ましい。具体的には、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、パラストリン酸などのアビエチン酸誘導体が代表的であり、以下にこれら化合物の化学式を示すが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明において用いるビスフェノール誘導体は分子量が10000以下であることが好ましく、この範囲であれば単量体でも良いし、オリゴマー、ポリマーでも良い。また他のポリマーとの共重合体でも良いし、末端に反応性置換基が修飾されていても良い。以下にこれら化合物の化学式を示すが、特にこれらに限定されるものではない。
セルロースアシレートフイルムの波長分散を低下させる化合物について説明する。本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、フイルムの|Re(400)−Re(700)|および|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物を少なくとも1種、セルロースアシレート固形分に対して0.01〜30重量%含むことによってセルロースアシレートフイルムのRe、Rthの波長分散を調整した。
上述した本発明で好ましく用いられる波長分散調整剤の添加量は、セルロースアシレートの0.01ないし30重量%であることが好ましく、0.1ないし20重量%であることがより好ましく、0.2ないし10重量%であることが特に好ましい。
またこれら波長分散調整剤は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。
またこれら波長分散調整剤を添加する時期はドープ調製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
Q11で表される含窒素芳香族ヘテロ環は更に置換基を有してもよく、置換基としては後述の置換基Tが適用できる。また、置換基が複数ある場合にはそれぞれが縮環して更に環を形成してもよい。
芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
芳香族ヘテロ環として好ましくは窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。
Q12であらわされる芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくはナフタレン環、ベンゼン環であり、特に好ましくはベンゼン環である。Q12は更に置換基を有してもよく、後述の置換基Tが好ましい。
置換基Tは、一般式(16)の説明に述べた置換基Tと同義であり、好ましい置換基例も同じである。また、置換基Tが二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(101−A)
R1およびR3として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素数4〜12)である。
一般式(101−B)
一般式(102)
Q1およびQ2で表される芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
Q1およびQ2で表される芳香族ヘテロ環として好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のどれかひとつを少なくとも1つ含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどの各環が挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。
Q1およびQ2であらわされる芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環であり、更に好ましくは置換または無置換のベンゼン環である。
Q1およびQ2は更に置換基を有してもよく、後述の置換基Tが好ましいが、置換基にカルボン酸やスルホン酸、4級アンモニウム塩を含むことはない。また、可能な場合には置換基同士が連結して環構造を形成してもよい。
一般式(102−A)
一般式(102−B)
R10として好ましくは置換または無置換のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5〜20の置換または無置換のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数5〜12の置換または無置換のアルキル基(n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n-ドデシル基、ベンジル基、などが挙げられる。)であり、特に好ましくは、炭素数6〜12の置換または無置換のアルキル基(2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基)である。
以下に一般式(102)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
一般式(103)
Q1およびQ2であらわされる芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
Q1およびQ2は更に置換基を有してもよく、置換基Tが好ましい。置換基Tは、一般式(16)の説明に述べた置換基Tと同義であり、好ましい置換基例も同じである。
また、置換基Tが二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
基によって置換されてもよく、X1およびX2はそれぞれが縮環して環構造を形成してもよい。
一般式(103-A)
一般式(103-B)
一般式(103-C)
本発明のセルロースアシレートフイルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフイルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上がさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
上記の光学的に異方性を低下する化合物、波長分散調整剤の他に、本発明のセルロースアシレートフイルムには、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開2001−151901号などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開2001−194522号に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフイルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開2001−151902号などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
本発明に用いることができる剥離剤について、以下に詳細に説明する。剥離剤としては、界面活性剤が有効であり、リン酸系、スルフォン酸系、カルボン酸系、ノニオン系、カチオン系など特に限定されない。これらは、例えば特開昭61−243837号公報などに記載されている。
一般式(1):(R1−B1−O)n1−P(=O)−(OM1)n2
一般式(2):R2−B2−X
これらで好ましい連結基は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ポリ(重合度1〜25)オキシエチレン、ポリ(重合度1〜25)オキシプロピレン、ポリ(重合度1〜15)オキシグリセリンである。次に、Xはカルボン酸(又は塩)、スルフォン酸(又は塩)、硫酸エステル(又は塩)であるが、特に好ましくはスルフォン酸(又は塩)、硫酸エステル(又は塩)である。塩としては好ましくはNa、K、アンモニウム、トリメチルアミン及びトリエタノールアミンである。
RZ−1:C8H17O−P(=O)−(OH)2
RZ−2:C12H25O−P(=O)−(OK)2
RZ−3:C12H25OCH2CH2O−P(=O)−(OK)2
RZ−4:C15H31(OCH2CH2)5O−P(=O)−(OK)2
RZ−5:{C12H25O(CH2CH2O)5}2−P(=O)−OH
RZ−6:{C18H35(OCH2CH2)8O}2−P(=O)ONH4
RZ−7:(t−C4H9)3−C6H2−OCH2CH2O−P(=O)−(OK)2
RZ−8:(iso−C9H19−C6H4−O−(CH2CH2O)))5−P(=O)−(OK)(OH)
RZ−9:C12H25SO3Na
RZ−10:C12H25OSO3Na
RZ−11:C17H33COOH
RZ−12:C17H33COOH・N(CH2CH2OH)3RZ−13:iso−C8H17−C6H4−O−(CH2CH2O)3−(CH2)2SO3Na
RZ−14:(iso−C9H19)2−C6H3−O−(CH2CH2O)3−(CH2)4SO3Na
RZ−15:トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム
RZ−16:トリ−t−ブチルナフタレンスルフォン酸ナトリウム
RZ−17:C17H33CON(CH3)CH2CH2SO3Na
RZ−18:C12H25−C6H4SO3・NH4
本発明のセルロースアシレートフイルムにおいては、分子量が3000以下の化合物の総量は、セルロースアシレート重量に対して5〜45%であることがのぞましい。より好ましくは10〜40%であり、さらにのぞましくは15〜30%である。これらの化合物としては上述したように、光学異方性を低下する化合物、波長分散調整剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤などであり、分子量としては3000以下がのぞましく、2000以下がよりのぞましく、1000以下がさらにのぞましい。これら化合物の総量が5%以下であると、セルロースアシレート単体の性質が出やすくなり、例えば、温度や湿度の変化に対して光学性能や物理的強度が変動しやすくなるなどの問題がある。またこれら化合物の総量が45%以上であると、セルロースアシレートフイルム中に化合物が相溶する限界を超え、フイルム表面に析出してフイルムが白濁する(
フイルムからの泣き出し)などの問題が生じやすくなる。
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましく、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造される。本発明の主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
[溶解工程]
本発明のセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。本発明におけるセルロースアシレート溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
本発明のセルロースアシレート溶液のドープ透明度としては85%以上であることがのぞましい。より好ましくは88%以上であり、さらに好ましくは90%以上であることがのぞましい。本発明においてはセルロースアシレートドープ溶液に各種の添加剤が十分に溶解していることを確認した。具体的なドープ透明度の算出方法としては、ドープ溶液を1cm角のガラスセルに注入し、分光光度計(UV−3150、島津製作所)で550nmの吸光度を測定した。溶媒のみをあらかじめブランクとして測定しておき、ブランクの吸光度との比からセルロースアシレート溶液の透明度を算出した。
次に、本発明のセルロースアシレート溶液を用いたフイルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースアシレートフイルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフイルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。本発明のセルロースアシレートフイルムの主な用途である、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性保護膜やハロゲン化銀写真感光材料に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフイルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む),金属支持体,乾燥,剥離などに分類され、本発明において好ましく用いることができる。
また、セルロースアシレートフィルムの厚さは10〜120μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜90μmがさらに好ましい。
本発明において、剥離工程は非常に重要であるため以下にその詳細について触れる。セルロースアシレートフイルムを製造する速度はベルトの長さ、乾燥方法、ドープ溶媒組成等によっても変化するが、該フイルム(有機溶剤を含有し、ウエブとも称する)をベルトから剥離する時点での残留溶媒の量によって殆ど決まってしまう。つまり、ドープ膜の厚み方向でのベルト表面付近での溶媒濃度が高すぎる場合には、剥離した時、ベルトにドープが残ってしまい、次の流延に支障を来すため、剥離残りは絶対あってはならないし、更に剥離する力に耐えるだけのウェブ強度が必要であるからである。剥離時点での残留溶媒量は、ベルトやドラム上での乾燥方法によっても異なり、ドープ表面から風を当てて乾燥する方法よりは、ベルト或いはドラム裏面から伝熱する方法が効果的に残留溶媒量を低減することが出来るのである。
以下の剥離に係る記述には、公開公報などに記載されている態様を引用するが、これら引用記載の態様は、本発明の実施にも好ましく適用される。
また、さらに好ましい態様として、
・流延用支持体上でのウェブの乾燥風温度をT1、剥離後少なくとも10秒間ウェブに当てる乾燥風温度をT2、主溶媒の沸点を沸点Tbp、そして剥離部における流延用支持体の温度をTsとしたとき、T1をTbp−20≦T1≦Tbp+20の範囲とし、且つT2をTs≦T2≦Ts+40の範囲として製膜を行うこと、
・剥離時の搬送張力を3〜40kg/m巾として製膜を行うこと、
等が記載されている。
・剥離ロール及び剥離ロールから乾燥装置までの移送ロールのうち少なくとも剥離ロールを100〜300℃に加熱し、加熱後のロールのビッカース硬度を800〜1000とすること、
・剥離ロール及び移送ロールのうち少なくとも剥離ロールの表面粗さRyを0.6μm以下とすること、
・剥離ロール及び移送ロールのうち少なくとも剥離ロールの表面層をNi合金で形成すること、
・剥離ロール及び移送ロールのうち少なくとも剥離ロールに20℃における表面エネルギーが70〜100mN/mのものを用いること、
・ウェブをエンドレスベルトから剥離ロールにより剥離した後の剥離ロール及び剥離ロールから乾燥装置までの移送ロールに接するウェブの残留溶媒が60〜80%である際の、剥離ロール及び移送ロールの表面温度をウェブに添加されている可塑剤の融点以上すること、
・剥離ロール及び移送ロールのビッカース硬度を500〜800とすること、・剥離ロール及び移送ロールを100〜300℃に加熱し、加熱後のこれらロールのビッカース硬度を800〜1000すること、
・剥離ロール及び移送ロールの表面粗さRyを0.6μm以下とすること、
・剥離ロール及び移送ロールの表面層をNi合金で形成すること、
・剥離ロール及び移送ロールに20℃における表面エネルギーが70〜100mN/mのものを用いること、
等が開示されている。さらには、ビッカース硬度のより好ましい範囲は550〜800であることが記載されている。
なお、本発明における剥離張力は、剥離直後のフィルムを搬送するロールにテンションピックアップの機能をつけ、該ロールにかかる荷重より、剥離荷重(N/m)を求めた。
・剥離点より100〜150cm離れたところで遮蔽物のない状態で、125〜250Hz成分の剥離音以外の雑音を差し引いた音量を測定したとき、ウェブを剥離する際に発する125〜250Hz成分の剥離音を90dB以下とすること、
・剥離張力を30〜240N/m幅として剥離した後、剥離点から張力遮断手段までの工程距離間をウェブ長さにして最小2m、最大90mとして、該工程距離間のウェブの張力を維持しながら搬送し、工程距離間におけるウェブの残留溶媒量の変化を140質量%から10質量%の間とすること、
等が開示されている。なお、張力遮断手段はドライブロールでも良いとの記載もある。
セルロースアシレートフイルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフイルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、その用途として光学用途と写真感光材料に適用される。特に光学用途が液晶表示装置であることが好ましく、液晶表示装置が、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償シートを配置した構成であることがさらに好ましい。これらの液晶表示装置としては、TN、IPS、FLC、AFLC、OCB、STN、ECB、VAおよびHANが好ましい。
その際に前述の光学用途に本発明のセルロースアシレートフィルムを用いるに際し、各種の機能層を付与することが実施される。それらは、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層、配向層、液晶層などである。本発明のセルロースアシレートフィルムを用いることができるこれらの機能層及びその材料としては、界面活性剤、滑り剤、マット剤、帯電防止層、ハードコート層などが挙げられ、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
本発明のセルロースアシレートフイルムの用途について説明する。
本発明の光学フィルムは特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号に記載されているような易接着加工を施してもよい。
保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが得に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光学補償フイルムとして用いると特に効果がある。なお、光学補償フイルムとは、一般に液晶表示装置に用いられ、位相差を補償する光学材料のことを指し、位相差板、光学補償シートなどと同義である。光学補償フイルムは複屈折性を有し、液晶表示装置の表示画面の着色を取り除いたり、視野角特性を改善したりする目的で用いられる。本発明のセルロースアシレートフィルムは光学的異方性が小さく、また波長分散が小さいため、余計な異方性を生じず、複屈折を持つ光学異方性層を併用すると光学異方性層の光学性能のみを発現することができる。
前記液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物または棒状液晶性化合物が好ましい。
本発明に使用可能なディスコティック液晶性化合物の例には、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,p.111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,1794頁(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,116巻,2655頁(1994))に記載の化合物が含まれる。
本発明において、使用可能な棒状液晶性化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。
上記した様に、光学異方性層はポリマーフイルムから形成してもよい。ポリマーフイルムは、光学異方性を発現し得るポリマーから形成する。そのようなポリマーの例には、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステルおよびセルロースエステル(例、セルローストリアセーテート、セルロースジアセテート)が含まれる。また、これらのポリマーの共重合体あるいはポリマー混合物を用いてもよい。
セルロースアシレートフィルムを光学補償フイルムとして用いる場合は、偏光素子の透過軸と、セルロースアシレートフィルムからなる光学補償フイルムの遅相軸とをどのような角度で配置しても構わない。液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償フイルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のセルロースアシレートフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
本発明のセルロースアシレートフィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くから良く知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn.J.Appl. Phys.、36巻(1997)143頁や、Jpn.J.Appl. Phys.、36巻(1997)1068頁)に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置に用いる光学補償シートのReレターデーション値を0乃至150nmとし、Rthレターデーション値を70乃至400nmとすることが好ましい。Reレターデーション値は、20乃至70nmであることが更に好ましい。VA型液晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は70乃至250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は150乃至400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、IPSモードおよびECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置の光学補償シートの支持体、または偏光板の保護膜としても特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。この態様においては、前記偏光板の保護膜と保護膜と液晶セルの間に配置された光学異方性層のリターデーションの値は、液晶層のΔn・d(屈折率差×厚み)の値の2倍以下に設定するのが好ましい。またRth値の絶対値|Rth|は、25nm以下、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは15nm以下に設定するのが好ましいため、本発明のセルロースアシレートフイルムが有利に用いられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートには、レターデーションの絶対値が最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn.J.Appl.Phys.38巻(1999)2837頁)に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、WO9848320号、特許第3022477号の各公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、WO00−65384号公報に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell )モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al.,SID98 Digest,1089頁(1998))に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、またハードコートフイルム、防眩フィルム、反射防止フィルムへの適用が好ましく実施できる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明のセルロースアシレートフィルムの片面または両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れかあるいは全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の54頁〜57頁に詳細に記載されており、本発明のセルロースアシレートフイルムを好ましく用いることができる。
さらに本発明のセルロースアシレートフィルムは、ハロゲン化銀写真感光材料の支持体としても適用でき、該特許に記載されている各種の素材や処方さらには処理方法が適用できる。それらの技術については、特開2000−105445号公報にカラーネガティブに関する記載が詳細に挙げられており、本発明のセルロースアシレートフィルムが好ましく用いられる。またカラー反転ハロゲン化銀写真感光材料の支持体としての適用も好ましく、特開平11−282119号公報に記載されている各種の素材や処方さらには処理方法が適用できる。
本発明のセルロースアシレートフイルムは、光学的異方性がゼロに近く、優れた透明性を持っていることから、液晶表示装置の液晶セルガラス基板の代替、すなわち駆動液晶を封入する透明基板としても用いることができる。
液晶を封入する透明基板はガスバリア性に優れる必要があることから、必要に応じて本発明のセルロースアシレートフイルムの表面にガスバリアー層を設けてもよい。ガスバリアー層の形態や材質は特に限定されないが、本発明のセルロースアシレートフイルムの少なくとも片面にSiO2等を蒸着したり、あるいは塩化ビニリデン系ポリマーやビニルアルコール系ポリマーなど相対的にガスバリアー性の高いポリマーのコート層を設ける方法が考えられ、これらを適宜使用できる。また液晶を封入する透明基板として用いるには、電圧印加によって液晶を駆動するための透明電極を設けてもよい。透明電極としては特に限定されないが、本発明のセルロースアシレートフイルムの少なくとも片面に、金属膜、金属酸化物膜などを積層することによって透明電極を設けることができる。中でも透明性、導電性、機械的特性の点から、金属酸化物膜が好ましく、なかでも酸化スズを主として酸化亜鉛を2〜15%含む酸化インジウムの薄膜が好ましく使用できる。これら技術の詳細は例えば、特開2001−125079や特開2000−227603などの各公報に公開されている。
以下、実施例1、2、4、7、8、9、11、12及び13は、それぞれ、参考例1、2、4、7、8、9、11、12及び13に読み替えるものとする。
[実施例1]
(セルロースアセテート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液Aを調製した。なお、用いたセルロースアセテートの硫酸残存量は53ppmであり、アルカリ土類金属の含有量が82ppmであった。
平均酢化度61.3のセルロースアセテート 110.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 438.0質量部
メタノール(第2溶媒) 75.0質量部
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)を20質量部、メタノール80質量部を30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分散液を下記の組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
平均粒径16nmのシリカ粒子分散液 12.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 78.1質量部
メタノール(第2溶媒) 3.8質量部
セルロースアセテート溶液A 11.3質量部
<添加剤溶液組成>
光学的異方性を低下する化合物(A−19) 49.1質量部
波長分散調整剤(UV−102) 7.3質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 57.8質量部
メタノール(第2溶媒) 8.1質量部
セルロースアセテート溶液A 12.8質量部
上記セルロースアセテート溶液Aを93.8質量部、マット剤溶液を1.8質量部、添加剤溶液4.4質量部それぞれを濾過後にミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテートドープ001を調製した。30℃に温度調整されたドープ001を用いて、裏面から29℃(T2)の温風で加熱したエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。流延後、ただちにベルト上のドープ膜(ウエブ)に20℃(T1)の温風をあてて乾燥させた後、流延から35秒後にベルトの裏面から45℃(T4)の温風で加熱すると共に、ウエブ表面に45℃(T3)の温風をあてて乾燥させ、流延から80秒後に剥離し、多数のロールで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は15℃とした。剥離時の残留溶媒量は15質量%であった。剥離されたフィルムは、45℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間搬送させた後、80℃に設定された第2乾燥ゾーンを30秒間搬送させ、さらに130℃に設定された第3乾燥ゾーンで10分間搬送させて、乾燥を行った。第2乾燥ゾーン内ではテンターにて幅手方向に1.00倍に保持し延伸を行わなかった。乾燥後、ロール状に巻き取る事で、膜厚82μmの本発明のセルロースエステルフィルム001を得た。巻き取り時の残留溶媒量は0.4質量%であった。なお、セルロースアシレートフィルム001の硫酸残存量は48ppmであり、アルカリ土類金属の含有量が74ppmであった。セルロースアシレートフィルム001の光学特性および耐久性等の諸物性を表1に示す。
(セルロースアシレートフイルム002の作製)
平均酢化度59.3であり、かつ残存硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表1記載のセルロースアシレートを用いて、表1に記載のレタデーション調整剤添加量にした以外は、実施例1と同様の方法により表1に示す諸物性を有す膜厚81μmの本発明のセルロースアシレートフィルム002を得た。
(セルロースアシレートフイルム003の作製)
平均酢化度61.6であり、かつ残存硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表1記載のセルロースアシレートを用いて、表1に記載のレタデーション調整剤添加量にした以外は、実施例1と同様の方法により表1に示す諸物性を有す膜厚81μmの本発明のセルロースアシレートフィルム003を得た。
(セルロースアシレートフイルム004の作製)
平均酢化度61.7であり、かつ残存硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表1記載のセルロースアシレートを用いて、表1に記載のレタデーション調整剤添加量にした以外は、実施例1と同様の方法により表1に示す諸物性を有す膜厚81μmの本発明のセルロースアシレートフィルム004を得た。
(セルロースアシレートフイルム005の作製)
平均酢化度61.7であり、かつ残存硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表1記載のセルロースアシレートを用いて、表1に記載のレタデーション調整剤添加量にした以外は、実施例1と同様の方法により表1に示す諸物性を有す膜厚81μmの本発明のセルロースアシレートフィルム005を得た。
(セルロースアシレートフイルム006の作製)
平均酢化度61.7であり、かつ残存硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表1記載のセルロースアシレートを用いて、表1に記載のレタデーション調整剤添加量にした以外は、実施例1と同様の方法により表1に示す諸物性を有す膜厚81μmの本発明のセルロースアシレートフィルム005を得た。
(セルロースアシレートフイルム007の作製)
平均酢化度62.0であり、かつ残存硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表1記載のセルロースアシレートを用いて、表1に記載のレタデーション調整剤添加量にした以外は、実施例1と同様の方法により表1に示す諸物性を有す膜厚81μmの本発明のセルロースアシレートフィルム007を得た。
(セルロースアシレートフイルム008の作製)
平均酢化度61.2であり、かつ残存硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表1記載のセルロースアシレートを用いて、表1に記載のレタデーション調整剤添加量にした以外は、実施例1と同様の方法により表1に示す諸物性を有す膜厚81μmの本発明のセルロースアシレートフィルム008を得た。
(セルロースアシレートフイルム009の作製)
平均酢化度62.3であり、かつ残存硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表1記載のセルロースアシレートを用いて、表1に記載のレタデーション調整剤添加量にした以外は、実施例1と同様の方法により表1に示す諸物性を有す膜厚81μmの本発明のセルロースアシレートフィルム009を得た。
(セルロースアシレートフイルム010の作製)
平均酢化度62.1であり、かつ残存硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表1記載のセルロースアシレートを用いて、表1に記載のレタデーション調整剤添加量にした以外は、実施例1と同様の方法により表1に示す諸物性を有す膜厚81μmの本発明のセルロースアシレートフィルム010を得た。
本発明の実施例1〜7及び比較例の効果を表1に示す。
(表1)
(セルロースアシレートフイルム011〜014の作製)
平均酢化度、硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表2記載のセルロースアシレートを用い、かつ光学的異方性を低下する化合物(B−1)を表2に記載の添加量用いた以外は、実施例1と同様の方法により表2に示す諸物性を有す本発明のセルロースアシレートフィルム011〜014を得た。
(セルロースアシレートフイルム015〜017の作製)
平均酢化度、硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表2記載のセルロースアシレートを用い、かつ光学的異方性を低下する化合物(B−1)を表2に記載の添加量用いた以外は、実施例1と同様の方法により表2に示す諸物性を有す比較例のセルロースアシレートフィルム015〜017を得た。
本発明の実施例8〜11及び比較例4〜6の効果を表2に示す。
(表2)
(セルロースアシレートフイルム018の作製)
平均酢化度、硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表3記載のセルロースアシレートを用い、光学的異方性を低下する化合物(A−19)を表3に記載の添加量用い、かつセルロースアシレートフィルムの残留硫酸量が本発明の範囲に入るようにセルロースアシレート溶液中に含硫黄剥離剤(RZ−10)を添加した以外は、実施例1と同様の方法により表3に示す諸物性を有す本発明のセルロースアシレートフィルム018を得た。
(セルロースアシレートフイルム019〜020の作製)
平均酢化度、硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表3記載のセルロースアシレートを用い、光学的異方性を低下する化合物(B−1)を表3に記載の添加量用い、かつセルロースアシレートフィルムの残留硫酸量が本発明の範囲に入るようにセルロースアシレート溶液中に含硫黄剥離剤(RZ−10)を添加した以外は、実施例1と同様の方法により表3に示す諸物性を有す本発明のセルロースアシレートフィルム019〜020を得た。
(セルロースアシレートフイルム021〜022の作製)
平均酢化度、硫酸量、及びアルカリ土類金属の含有量が表3記載のセルロースアシレートを用い、かつ光学的異方性を低下する化合物(B−1)を表3に記載の添加量用いた以外は、(剥離剤を添加することなく)実施例1と同様の方法により表3に示す諸物性を有す比較例のセルロースアシレートフィルム021〜022を得た。
本発明の実施例12〜14及び比較例7、8の効果を表3に示す。
(表3)
(偏光板の作製)
実施例1で得た本発明のセルロースアセテートフイルム試料001を、1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースアシレートフイルムの表面をケン化した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、アルカリけん化処理したセルロースアシレートフイルム試料001を2枚用意して偏光膜を間にして貼り合わせ、両面がセルロースアシレートフイルム001によって保護された偏光板を得た。この際両側のセルロースアシレートフイルム試料001の遅相軸が偏光膜の透過軸と平行になるように貼り付けた。同様にして本発明の実施例2〜14及び比較例1〜8の試料002〜022について偏光板を作製した。セルロースアシレートフイルム試料001〜026はいずれも延伸したポリビニルアルコールとの貼合性は十分であり、優れた偏光板加工適性を有していた。
実施例15において、偏光膜の保護を本発明のセルロースアシレートフイルム2枚で行う代わりに、市販のポリカーボネートフイルム「パンライトC1400」(帝人化成製)2枚を用いて同様の操作で偏光板を作製した。しかし延伸したポリビニルアルコールとの貼合性が不十分であり、ポリカーボネートフイルムは偏光膜の保護フイルムとして機能できず、偏光板加工適性に問題があった。
実施例15において、偏光膜の保護を本発明のセルロースアシレートフイルム2枚で行う代わりに、厚さ80μmのアートンフィルム(JSR製)2枚を用いて同様の操作で偏光板を作製した。しかし延伸したポリビニルアルコールとの貼合性が不十分であり、アートンフイルムは偏光膜の保護フイルムとして機能できず、偏光板加工適性に問題があった。
(偏光板耐久性)
実施例15で作製したセルロースアシレートフィルム試料001〜022を用いた偏光板を60℃95%RHの条件で500時間放置した後の偏光度を評価したところ、セルロースアシレートフィルム試料001〜009、011〜016、018〜021を用いた偏光板の耐久性は良好であった。
しかし、試料010、017、022を用いた偏光板は残留硫酸量が過剰なために耐久性は悪化した。
(IPS型液晶表示装置への実装評価)
実施例1〜14で得たセルロースアシレートフイルム試料(試料001〜007、011〜014、018〜020)および実施例15で得たそれぞれに対応する偏光板を、液晶表示装置へ実装して評価してその視認性や視野角依存性などの光学性能が十分であることを確認した。
なお本実施例ではIPS型液晶セル、以下の実施例ではVA型、OCB型液晶セルを用いたが、本発明のセルロースアシレートフイルムを用いた偏光板または光学補償フイルムの用途は液晶表示装置の動作モードに限定されることはない。
(VA型、OCB型液晶表示装置への実装評価)
実施例1〜14で得た本発明のセルロースアシレートフイルム試料(試料001〜007、011〜014、018〜020)を用いて、特開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜9に記載のVA型液晶表示装置、特開2000−154261号公報の図10〜15に記載のOCB型液晶表示装置での評価をしたところ、いずれの場合においてもコントラスト視野角が良好な性能が得られた。
(光学補償フイルム性能)
実施例1〜14で得た本発明のセルロースアシレートフイルム試料(試料001〜007、011〜014、018〜020)を用いて、特開平7−333433号公報の実施例1に記載の方法により光学補償フイルム試料を作製した。得られたフィルターフイルムは左右上下に優れた視野角を有するものであった。したがって、本発明のセルローストリアセテートフイルムが、光学補償用途として優れたものであることが判った。
Claims (12)
- 下記式(I)および(II)を満たし、平均酢化度が61.5〜62.5%であり、残留硫酸量(硫黄元素の含有量として)が50〜150ppmであり、かつアルカリ土類金属の含有量が0〜60ppmであることを特徴とするセルロースアシレートフイルム。
(I)0≦Re(630)≦10かつ|Rth(630)|≦25
(II)|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
[式中、Re(λ)は波長λnmにおける正面レターデーション値(単位:nm)、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション値(単位:nm)である。] - 鉄の含有量が1ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースアシレートフイルム。
- 綿花リンターを主原料とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロースアシレートフイルム。
- 下記式(III)、(IV)を満たす少なくとも一種以上の化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(III)(Rth(A)−Rth(0))/A≦−1.0
(IV)0.1≦A≦30
[式中、Rth(A)はRthを低下させる化合物をA質量%含有したフィルムのRth(630)、Rth(0)はRthを低下させる化合物を含有しないフィルムのRth(630)である。またAはフィルム原料ポリマーの質量に対するRthを低下させる化合物の添加量(質量%)である。] - 請求項1〜4のいずれかに記載のセルロースアシレートフイルム上に、Re(630)が0〜200nmかつ|Rth(630)|が0〜400nmの光学異方性層を設けてなることを特徴とする光学補償フイルム。
- 光学異方性層がディスコティック液晶層を有することを特徴とする請求項5に記載の光学補償フイルム。
- 光学異方性層が棒状液晶層を有することを特徴とする請求項5または6に記載の光学補償フイルム。
- 光学異方性層がポリマーフイルムを有することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の光学補償フイルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のセルロースアシレートフイルム、又は請求項5〜8のいずれかに記載の光学補償フイルムを少なくとも1枚、偏光子の保護フイルムとしたことを特徴とする偏光板。
- 表面にハードコート層、防眩層、反射防止層の少なくとも一層を設けたことを特徴とする請求項9に記載の偏光板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のセルロースアシレートフイルム、又は請求項5〜8のいずれかに記載の光学補償フイルム及び請求項9または10に記載の偏光板のいずれかを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のセルロースアシレートフイルム、又は請求項5〜8のいずれかに記載の光学補償フイルム及び請求項9または10に記載の偏光板、のいずれかを用いたことを特徴とするVAまたはIPS液晶表示装置。
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