JP2002040242A - 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シート、偏光板および液晶表示装置

Info

Publication number
JP2002040242A
JP2002040242A JP2000219509A JP2000219509A JP2002040242A JP 2002040242 A JP2002040242 A JP 2002040242A JP 2000219509 A JP2000219509 A JP 2000219509A JP 2000219509 A JP2000219509 A JP 2000219509A JP 2002040242 A JP2002040242 A JP 2002040242A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
liquid crystal
polarizing plate
display device
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000219509A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4219538B2 (ja
Inventor
Yoji Ito
洋士 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000219509A priority Critical patent/JP4219538B2/ja
Publication of JP2002040242A publication Critical patent/JP2002040242A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4219538B2 publication Critical patent/JP4219538B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示品位に優れる大きなパネルサイズの液晶
表示装置を提供すること。 【解決手段】 下記式(I)により定義されるReレタ
ーデーション値が20乃至200nmの範囲にあり、下
記式(II)により定義されるRthレターデーション値が
70乃至400nmの範囲にある溶液流延法により形成
されたポリマーフィルムからなり、該ポリマーフィルム
中の残留溶剤量が0.01乃至1.00質量%の範囲に
あることを特徴とする光学補償シートを液晶表示装置に
利用する。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率であ
り、nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り、nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり、そし
て、dは、フイルムの厚さである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学補償シートお
よびそれを用いた偏光板、さらに液晶表示装置とに関す
る。
【0002】
【従来の技術】偏光板は通常、ヨウ素、もしくは二色性
染料をポリビニルアルコールに配向吸着させ、その両側
にセルローストリアセテートを主成分とする保護フィル
ムを貼り合わせることで製造されている。セルロースト
リアセテートは、強靭性、難燃性、光学的等方性が高い
(レターデーション値が低い)、および適度に湿度を通
過させるとの特徴があり、上述の偏光板用保護フィルム
として広く用いられている。
【0003】液晶表示装置は、偏光板と液晶セルから構
成されている。現在主流であるTNモードTFT液晶表
示装置においては、特開平8−50206号公報に記載
のように光学補償シートを偏光板と液晶セルの間に挿入
し、表示品位の高い液晶表示装置が実現されている。し
かし、この方法によると液晶表示装置自体が厚くなる、
等の問題点があった。特開平1−68940号公報に
は、偏光膜の片面に位相差板(光学補償シート)、他方
の面に保護フィルムを有する楕円偏光板を用いること
で、液晶表示装置を厚くすることなく、正面コントラス
トを高くすることができるとの記載がある。ところが、
この発明の位相差板は、熱等の歪みにより位相差が発生
し光漏れを生じやすく、耐久性に問題のあることがわか
った。
【0004】歪みによる位相差発生の問題に対し、特開
平7−191217号公報、および欧州特許09116
56A2号明細書には、透明支持体上に液晶性化合物か
らなる光学異方性層を塗設した光学補償シートを直接偏
光板の保護フィルムとして用いることで液晶表示装置を
厚くすることなく、上述の耐久性に問題を解決した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年液晶表示装置の液
晶パネルは大型化している。17インチ以上の大型液晶
パネルに、光学補償シートを保護フィルムに用いた偏光
板を装着したところ、上述の熱歪みによる光漏れは完全
には無くならなかった。本発明の目的は、液晶セルを光
学的に補償できるポリマーフイルムを偏光膜の片側に配
置して偏光板を作製し、それを液晶表示装置に利用する
ことにより、従来と同じ厚みで、かつ熱歪みによる光漏
れの問題も生じることのない、表示品位の高い液晶表示
装置を提供することである。別の本発明の目的は、連続
プロセスで偏光膜の片側に配置できる光学補償シートを
安価に大量生産可能な方法で提供することである。さら
に別の本発明の目的は、偏光板の構成要素の数を増加す
ることなく、偏光板に光学補償機能を追加することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者の鋭意研究によ
り、前述の熱などによる歪みは光学補償シート(偏光板
の保護フィルムも含む)の環境による寸法安定性と相関
のあることがわかった。詳細は後述するが、寸法安定性
を向上させるには、溶液流延法で得られた光学補償シー
ト中の残留溶剤量を低くすれば良いことが判明した。本
発明の目的は、下記(1)〜(3)の光学補償シート、
下記(4)、(5)、および(8)の楕円偏光板、およ
び下記(6)、(7)、および(9)の液晶表示装置に
より達成された。 (1)下記式(I)により定義されるReレターデーシ
ョン値が20乃至200nmの範囲にあり、下記式(I
I)により定義されるRthレターデーション値が70乃
至400nmの範囲にある溶液流延法により形成された
ポリマーフィルムからなり、該ポリマーフィルム中の残
留溶剤量が0.01乃至1.00質量%の範囲にあるこ
とを特徴とする光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである]。
【0007】(2)下記式(I)により定義されるRe
レターデーション値が20乃至200nmの範囲にあ
り、下記式(II)により定義されるRthレターデーショ
ン値が70乃至400nmの範囲にある溶液流延法によ
り形成されたポリマーフイルムと、液晶性化合物を含む
光学異方性層の積層体であり、該積層体の中の残留溶剤
量が、0.01乃至1.00質量%の範囲にあることを
特徴とする光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
て、dは、フイルムの厚さである]。 (3)前記のポリマーフィルムが、酢化度59.0乃至
61.5%の範囲にあるセルロースアセテート、および
セルロースアセテート100質量部に対して、少なくと
も二つの芳香族環を有する芳香族化合物を0.01乃至
20質量部含むことを特徴とする(1)もしくは(2)
に記載の光学補償シート。
【0008】(4)偏光膜の少なくとも一方の面に、
(1)もしくは(2)に記載の光学補償シートが貼り合
わされてなることを特徴とする偏光板。 (5)偏光膜の少なくとも一方の面に、(1)もしくは
(2)に記載の光学補償シートが貼り合わされてなり、
該光学補償シートの遅相軸と偏光膜の透過軸が、実質的
に平行になるように配置されていることを特徴とする偏
光板。 (6)液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光
板からなる液晶表示装置であって、少なくとも1方の偏
光板が、(4)もしくは(5)に記載の偏光板であり、
該偏光板の光学補償シートが液晶セル側になるように配
置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【0009】(7)液晶セルが、OCBモード、VAモ
ード、またはTNモードの液晶セルであることを特徴と
する(6)に記載の液晶表示装置。 (8)偏光膜の少なくとも一方の面に、(1)もしくは
(2)に記載の光学補償シートが貼り合わされてなり、
該光学補償シートの遅相軸と偏光膜の透過軸とが、実質
的に45度となるように配置されていることを特徴とす
る偏光板。 (9)液晶セル、少なくとも一枚の偏光板、および反射
板からなる反射型液晶表示装置であって、該偏光板が、
(4)もしくは(8)に記載の偏光板であり、光学補償
シートが液晶セル側になるように配置されていることを
特徴とする液晶表示装置。
【0010】なお、本明細書において、「実質的に垂
直」、「実質的に平行」あるいは「実質的に45゜」と
は、厳密な角度よりも±5゜未満の範囲内であることを
意味する。この範囲は、±4゜未満であることが好まし
く、±3゜未満であることがさらに好ましく、±2゜未
満であることが最も好ましい。また、本明細書におい
て、「遅相軸( slow axis)」は屈折率が最大となる方
向を、「進相軸( fast axis)」は屈折率が最小となる
方向、そして「透過軸(transmission axis)は透過率
が最大となる方向をそれぞれ意味する。
【0011】
【発明の効果】本発明者は、従来の厚みを保ったまま、
副作用なしに液晶セルを光学的に補償することに成功
し、更に安価に大量生産できる製造方法を見出した。す
なわち、液晶表示装置などに生じる熱歪みによる光漏れ
を改善するために、光学補償シートに用いられるポリマ
ーフィルム中の残留溶剤量を適当な範囲に制御すること
により、熱歪みによる光漏れを減少させるのみでなく、
さらに、生産性とのバランスもとれた光学補償シートが
得られる。また、この光学補償シートを用いた偏光板を
液晶表示装置に利用することで、表示品位に優れ、かつ
光漏れのない液晶表示装置を提供することができる。上
記の光学補償シートおよび上記の光学補償シートを保護
膜として用いた偏光板は、VA(Vertically Aligned)
型、OCB(Optically Compensated Bend)、TN(Tw
isted Nematic)型の液晶表示装置、および反射型液晶表
示装置に特に有利に用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】[フイルムのレターデーション]
フイルムのReレターデーション値およびRthレターデ
ーション値は、それぞれ、下記式(I)および(II)で
定義される。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内
の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率であ
る。式(I)および(II)において、nyは、フイルム
面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率
である。式(II)において、nzは、フイルムの厚み方
向の屈折率である。式(I)および(II)において、d
は、単位をnmとするフイルムの厚さである。本発明で
は、ポリマーフイルムのReレターデーション値は20
乃至200nmであり、そして、Rthレターデーション
値が70乃至400nmに調節する。
【0013】[ポリマーフィルム]本発明に用いられる
ポリマーフィルムとしては、光透過率が80%以上であ
るポリマーフィルムを用いることが好ましい。また、ポ
リマーフィルムとしては、外力により複屈折が発現しに
くいものが好ましい。ポリマーフィルムの例としては、
セルロース系ポリマー、商品名アートン(JSR(株)
製)および商品名ゼオネックス(日本ゼオン(株)製)
などのノルボルネン系ポリマー、およびポリメチルメタ
クリレートなどが挙げられる。セルロース系ポリマーと
しては、セルロースエステルが好ましい。セルロースエ
ステルとしては、セルロースアセテートが好ましく、そ
の例としては、ジアセチルセルロースおよびトリアセチ
ルセルロースなどが挙げられる。また、ポリマーフィル
ムの粘度平均重合度(DP)は、250以上であること
が好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
また、ポリマーフィルムは、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーによるMw/Mn(Mwは重量平均分子
量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好
ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0乃至
1.7であることが好ましく、1.3乃至1.65であ
ることがさらに好ましく、1.4乃至1.6であること
が最も好ましい。
【0014】本発明のポリマーフィルムとしては、酢化
度が59.0乃至61.5%であるセルロースアセテー
トフィルムを用いることが好ましい。酢化度とは、セル
ロース単位重量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度
は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテー
ト等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算
に従う。また、これらのポリマーフィルムは、紫外線吸
収剤等を含むことが好ましい。また、ポリマーフィルム
とその上に設けられる層(接着層、配向膜、あるいは光
学異方性層)との接着性を改善するために、ポリマーフ
ィルムに表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処
理、紫外線処理、火炎処理)を実施してもよい。また、
特開平7−333433号公報に記載のようにポリマー
フィルム上に接着層(下塗り層)を設けてもよい。接着
層の厚みは0.1乃至2.0μであることが好ましく、
0.2μ乃至1.0μであることがさらに好ましい。
【0015】[残留溶剤量制御]前述のように、液晶表
示装置から発生する熱や液晶表示装置を使用する環境に
おける熱により、光学補償シートあるいは偏光板の保護
フィルムに歪みが生じ、光漏れを生じる。この歪みは光
学補償シート(偏光板の保護フィルムも含む)の環境に
よる寸法安定性と相関のあることがわかった。まず、光
学補償シートの寸法変化の測定方法について記載する。
まず、幅30mm×長さ120mmのサンプルを採取
し、両端に6mm径の穴をパンチで100mm間隔に空
け、23℃、相対湿度65%の室内で2時間以上調湿す
る。自動ピンゲージ(新東科学(株)製)を用いて、パン
チ間隔の原寸(L1)を最小目盛り1/1000mmま
で測定する。サンプルを下記の一定環境条件にて処理
し、同自動ピンゲージでパンチ間隔の寸法(L2)を測
定し、下記式により寸法変化を算出する。 寸法変化(%)=(L2−L1)/L1
【0016】熱歪みによる光漏れを防止するのに必要な
光学補償シートの寸法変化を以下に示す。環境条件が6
0℃、95%、24時間における寸法変化は、−0.2
乃至+0.2%の範囲にあることが好ましく、−0.1
乃至+0.1%の範囲にあることが更に好ましく、−
0.05乃至+0.05%の範囲にあることが最も好ま
しい。環境条件が80℃、ドライ、24時間における寸
法変化は、−0.3乃至+0.3%の範囲にあることが
好ましく、−0.2乃至+0.2%の範囲にあることが
更に好ましく、−0.1乃至+0.1%の範囲にあるこ
とが最も好ましくい。環境条件が120℃、ドライ、1
0分における寸法変化は、−0.1乃至+0.1%の範
囲にあることが好ましく、−0.05%乃至+0.05
%の範囲にあることが更に好ましく、−0.03乃至+
0.03%の範囲にあることが最も好ましい。
【0017】また、上記の寸法変化は、ポリマーフィル
ム中の自由体積を小さくすればよいことを見出した。該
自由体積を大きく左右するのは、製膜時の残留溶剤量で
あり、残留溶剤量が少ない方が寸法変化は小さい。残留
溶剤を減らすための一般的手法は、高温かつ長時間で乾
燥することであるが、あまり長時間であると、当然のこ
とながら生産性が落ちるため、0.01質量%乃至1質
量%であることが好ましく、0.02質量%乃至0.0
7質量%が更に好ましく、最も好ましいのは、0.03
質量%乃至0.05質量%である。上記範囲内にポリマ
ーフィルム中の残留溶剤量を制御することにより、光学
補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造するこ
とが可能となる。
【0018】残留溶剤量は、一定量の試料をクロロフォ
ルムに溶解し、ガスクロマトグラフ(GC18A 島津
製作所(株)製)を用いて測定した。溶液流延法では、
ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用
いてフイルムを製造する。溶液流延法での乾燥は、後述
するように、ドラム(またはバンド)面での乾燥と、フ
ィルム搬送時の乾燥に大きく分かれる。ドラム(または
バンド)面での乾燥時には、使用している溶剤の沸点を
越えない温度(沸点を越えると泡となる)でゆっくりと
乾燥させることが好ましい。また、フィルム搬送時の乾
燥は、ポリマー材料のガラス転移点±30℃、更に好ま
しくは±20℃で行うことが好ましい。
【0019】[レターデーション制御]ポリマーフィル
ムのレターデーションを調整するためには延伸等の外力
を与える方法が一般的であるが、欧州特許091165
6A2号明細書に記載のような、少なくとも二つの芳香
族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤と
して使用することもできる。芳香族化合物は、セルロー
スアセテート100質量部に対して、0.01乃至20
質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セルロース
アセテート100質量部に対して、0.05乃至15質
量部の範囲で使用することが好ましく、0.1乃至10
質量部の範囲で使用することがさらに好ましい。二種類
以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香族化合物の
芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘ
テロ環を含む。芳香族性ヘテロ環であることが特に好ま
しく、芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環であ
る。1,3,5−トリアジン環が特に好ましい。
【0020】芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2
乃至20であることが好ましく、2乃至12であること
がより好ましく、2乃至8であることがさらに好まし
く、3乃至6であることが最も好ましい。二つの芳香族
環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)
単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合
する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は
形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれ
でもよい。
【0021】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、イン
ドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾ
チオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール
環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベン
ゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメ
ン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キ
ナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジ
ン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、
フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フ
ェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン
環およびチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、ア
ズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベン
ゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリア
ゾール環およびキノリン環が好ましい。(b)の単結合
は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好
ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、
二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環
を形成してもよい。
【0022】(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO
−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−
CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0023】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シア
ノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファ
モイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル
基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族
置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換
スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香
族性複素環基が含まれる。
【0024】アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であ
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0025】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0026】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。脂肪
族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが好
ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含ま
れる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至
8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の例
には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミドお
よびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族置
換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが好
ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。レターデーション
上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ま
しい
【0027】[ポリマーフイルムの製造]本発明に用い
るポリマーフィルムは、溶液流延法(キャスティング
法)により製造する。溶液流延法はポリマー材料を有機
溶媒または水に溶解した溶液を用いてフィルムを製造す
る方法である。溶液流延法としてはソルベントキャスト
法により製造することが好ましい。ソルベントキャスト
法では、ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドー
プ)を用いてフイルムを製造する。ドープには、前記の
レターデーション上昇剤を添加することが好ましい。以
下、本発明のポリマーフィルムの製造を、セルロースア
セテートを例に具体的に説明する。有機溶媒は、炭素原
子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12
のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび炭
素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる
溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンおよびエ
ステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケ
トンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−C
O−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化
合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒
は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有してい
てもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場
合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合
物の規定範囲内であればよい。
【0028】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。二種類以上の
有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0029】一般的な方法でセルロースアセテート溶液
を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常
温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調
製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調
製方法および装置を用いて実施することができる。な
お、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化
炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ま
しい。セルロースアセテートの量は、得られる溶液中に
10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30質量%であることが
さらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する
任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温
(0乃至40℃)でセルロースアセテートと有機溶媒と
を攪拌することにより調製することができる。高濃度の
溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体
的には、セルロースアセテートと有機溶媒とを加圧容器
に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以
上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪
拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好まし
くは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃
至110℃である。
【0030】各成分は予め粗混合してから容器に入れて
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0031】冷却溶解法により、溶液を調製することも
できる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒中にもセルロースアセテートを
溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセル
ロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶
解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果があ
る。冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロ
ースアセテートを撹拌しながら徐々に添加する。セルロ
ースアセテートの量は、この混合物中に10乃至40質
量%含まれるように調整することが好ましい。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30質量%であることが
さらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の
添加剤を添加しておいてもよい。
【0032】次に、混合物を−100乃至−10℃(好
ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50
乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃)に
冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール
浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液
(−30乃至−20℃)中で実施できる。このように冷
却すると、セルロースアセテートと有機溶媒の混合物は
固化する。冷却速度は、4℃/分以上であることが好ま
しく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12
℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速
いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限で
あり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして1
00℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、
冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷
却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間
で割った値である。
【0033】さらに、これを0乃至200℃(好ましく
は0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、
最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶媒
中にセルロースアセテートが溶解する。昇温は、室温中
に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。加
温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/
分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上で
あることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好まし
いが、10000℃/秒が理論的な上限であり、100
0℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が
実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始す
る時の温度と最終的な加温温度との差を加温を開始して
から最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値で
ある。以上のようにして、均一な溶液が得られる。な
お、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り
返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視によ
り溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
【0034】冷却溶解法においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保する必要がある。ただ
し、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの酢
化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒に
より異なる。
【0035】調製したセルロースアセテート溶液(ドー
プ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセ
テートフイルムを製造する。ドープは、ドラムまたはバ
ンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成す
る。流延前のドープは、固形分量が18乃至35%とな
るように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたは
バンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好まし
い。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法
については、米国特許2336310号、同23676
03号、同2492078号、同2492977号、同
2492978号、同2607704号、同27390
69号、同2739070号、英国特許640731
号、同736892号の各明細書、特公昭45−455
4号、同49−5614号、特開昭60−176834
号、同60−203430号、同62−115035号
の各公報に記載がある。ドープは、表面温度が10℃以
下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。
流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好まし
い。得られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取
り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高
温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以
上の方法は、特公平5−17844号公報に記載があ
る。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を
短縮することが可能である。この方法を実施するために
は、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてド
ープがゲル化することが必要である。
【0036】セルロースアセテートフイルムには、機械
的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため
に、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル
酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フ
タル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが
含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DE
P、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用
いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤
の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25
質量%であることが好ましく、1乃至20質量%である
ことがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが
最も好ましい。
【0037】セルロースアセテートフイルムには、劣化
防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加して
もよい。劣化防止剤については、特開平3−19920
1号、同5−1907073号、同5−194789
号、同5−271471号、同6−107854号の各
公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ま
しく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好
ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防
止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%
を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードア
ウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好まし
い劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げる
ことができる。
【0038】セルロースアセテートフイルムは、さらに
延伸処理によりレターデーションをを調整することがで
きる。延伸倍率は、3乃至100%であることが好まし
い。セルロースアセテートフイルムの厚さは、40乃至
140μmであることが好ましく、70乃至120μm
であることがさらに好ましい。
【0039】[ポリマーフイルムの表面処理]ポリマー
フイルムには、表面処理を施すことが好ましい。表面処
理の例として、ケン化処理、プラズマ処理、火炎処理、
および紫外線照射処理が挙げられる。ケン化処理には、
酸ケン化処理およびアルカリケン化処理が含まれる。プ
ラズマ処理にはコロナ放電処理およびグロー放電処理が
含まれる。フィルムの平面性を保つために、これらの表
面処理においては、ポリマーフィルムの温度をガラス転
移温度(Tg)以下とすることが好ましい。偏光板の透
明保護膜として使用する場合、偏光膜との接着性の観点
から、酸ケン化処理またはアルカリケン化処理を実施す
ることが特に好ましい。以下、アルカリケン化処理を例
に、具体的に説明する。アルカリケン化処理は、ポリマ
ーフィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液
で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが
好ましい。アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶
液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの
規定濃度は0.1乃至3.0Nの範囲にあることが好ま
しく、0.5乃至2.0Nの範囲にあることがさらに好
ましい。アルカリ溶液温度は、0乃至90℃の範囲にあ
ることが好ましく、40乃至70℃の範囲にあることさ
らに好ましい。
【0040】次に、ポリマーフィルムと液晶性化合物を
含む光学異方性層とを積層してなる、別な本発明の光学
補償シートについて説明する。上記のように得られた、
ポリマーフィルムのみからなる本発明の光学補償シート
に、液晶性化合物を含む光学異方性層を設けることによ
り、延伸複屈折フイルムでは得ることができない光学的
性質を有する、別な本発明の光学補償シートを作製する
ことができる。光学異方性層を有する光学補償シート
は、前記のポリマーフィルムの上に、配向膜を塗設し、
液晶性化合物を含む光学異方性層を形成することにより
作製することができる。また、ポリマーフィルムと配向
膜の間に、密着層(下塗り層)を設けてもよい。密着層
については、特開平7−333433号公報に記載があ
る。密着層の厚さは、0.1乃至2μmであることが好
ましく、0.2乃至1μmであることがさらに好まし
い。
【0041】[配向膜]配向膜は、光学異方性層の液晶
性化合物の配向方向を規定する機能を有する。配向膜
は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処
理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する
層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(L
B膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオ
クタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル
酸メチル)の累積のような手段で、設けることができ
る。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射に
より、配向機能が生じる配向膜も知られている。配向膜
は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ま
しい。ポリビニルアルコールが、好ましいポリマーであ
る。疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコール
が特に好ましい。疎水性基は光学異方性層の液晶性化合
物と親和性があるため、疎水性基をポリビニルアルコー
ルに導入することで、液晶性化合物を均一に配向させる
ことができる。疎水性基は、ポリビニルアルコールの主
鎖末端または側鎖に結合させる。疎水性基は、炭素原子
数が6以上の脂肪族基(好ましくはアルキル基またはア
ルケニル基)または芳香族基が好ましい。ポリビニルア
ルコールの主鎖末端に疎水性基を結合させる場合は、疎
水性基と主鎖末端との間に連結基を導入することが好ま
しい。連結基の例には、−S−、−C(CN)R1 −、
−NR2 −、−CS−およびそれらの組み合わせが含ま
れる。上記R1 およびR2 は、それぞれ、水素原子また
は炭素原子数が1乃至6のアルキル基(好ましくは、炭
素原子数が1乃至6のアルキル基)である。
【0042】ポリビニルアルコールの側鎖に疎水性基を
導入する場合は、ポリビニルアルコールの酢酸ビニル単
位のアセチル基(−CO−CH3 )の一部を、炭素原子
数が7以上のアシル基(−CO−R3 )に置き換えれば
よい。R3 は、炭素原子数が6以上の脂肪族基または芳
香族基である。これら変性ポリビニルアルコールの好ま
しい例は、特開平8−338913号に記載されてい
る。市販の変性ポリビニルアルコール(例、MP10
3、MP203、R1130、クラレ(株)製)を用い
てもよい。配向膜に用いる(変性)ポリビニルアルコー
ルのケン化度は、80%以上であることが好ましい。
(変性)ポリビニルアルコールの重合度は、200以上
であることが好ましい。ラビング処理は、配向膜の表面
を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施す
る。長さおよび太さが均一な繊維を均一に植毛した布を
用いることが好ましい。なお、光学異方性層の液晶性化
合物を配向膜を用いて配向後、配向膜を除去しても、液
晶性化合物の配向状態を保つことができる。すなわち、
配向膜は、液晶性化合物が配向した光学異方性層の製造
において必須であるが、光学補償フィルムにおいては必
須ではない。従って、光学異方性層の液晶性化合物が配
向した後に、その配向状態の液晶性化合物を固定させれ
ば、光学異方性層のみを別の透明支持体に移して光学補
償フィルムとすることも可能である。配向膜を透明支持
体と光学異方性層との間に設ける場合は、さらに下塗り
層(接着層)を透明支持体と配向膜との間に設けること
が好ましい。
【0043】[光学異方性層]光学異方性層に含まれる
液晶性化合物には、棒状液晶性化合物、あるいは円盤状
液晶性化合物が含まれる。棒状液晶性化合物は、棒状液
晶性分子を配向させて、その配向状態を固定してなる。
円盤状液晶性化合物は、円盤状液晶性分子を配向させ
て、その配向状態を固定してなる。棒状液晶性分子とし
ては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル
類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、
シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノ
フェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミ
ジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニ
ルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキ
シルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。棒状液晶
性分子の複屈折率は、0.001乃至0.7であること
が好ましい。棒状液晶性分子は、その配向状態を固定す
るために、重合性基を有することが好ましい。重合性基
の例は、後述円盤状化合物の重合性基の例と同様であ
る。棒状液晶性分子は、短軸方向に対してほぼ対称とな
る分子構造を有することが好ましい。そのためには、棒
状分子構造の両端に重合性基を有することが好ましい。
【0044】光学異方性層は、負の一軸性を有し傾斜配
向した円盤状化合物を含む層であることが好ましい。円
盤状化合物は、円盤状化合物の円盤面と透明支持体面
(ポリマーフィルム面)とのなす角が、光学異方性層の
深さ方向において変化している(ハイブリッド配向して
いる)ことが好ましい。ハイブリッド配向に関しては、
特開平8−50206号に詳細が記載されている。光学
異方性層は、後述する配向膜によって円盤状化合物を配
向させ、その配向状態の円盤状化合物を固定することに
よって形成することが好ましい。円盤状化合物は、重合
反応により固定することが好ましい。
【0045】円盤状化合物は、様々な文献(C. Destrad
e et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 1
11 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.2
2、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. K
ohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1
794 (1985);J. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., vo
l. 116, page 2655 (1994))に記載されている。円盤状
化合物の重合については、特開平8−27284公報に
記載がある。円盤状化合物を重合により固定するために
は、円盤状化合物の円盤状コアに、置換基として重合性
基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合
性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つ
ことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との
間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有する円
盤状化合物は、下記式(III)で表わされる化合物である
ことが好ましい。
【0046】(III) D(−L−P)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り、Pは重合性基であり、そして、nは4乃至12の整
数である。円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の
各例において、LP(またはPL)は、二価の連結基
(L)と重合性基(P)との組み合わせを意味する。
【0047】
【化1】
【0048】
【化2】
【0049】
【化3】
【0050】
【化4】
【0051】
【化5】
【0052】
【化6】
【0053】
【化7】
【0054】
【化8】
【0055】
【化9】
【0056】式(III)において、二価の連結基(L)
は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−
CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み
合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であること
が好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、ア
リーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−
からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み
合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二
価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−
CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を
少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが
最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数
は、2乃至12であることが好まし。アリーレン基の炭
素原子数は、6乃至10であることが好ましい。
【0057】二価の連結基(L)の例を以下に示す。左
側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(P)
に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン
基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン
基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基
(例、アルキル基)を有していてもよい。 L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO−
【0058】L11:−O−AL− L12:−O−AL−O− L13:−O−AL−O−CO− L14:−O−AL−O−CO−NH−AL− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AR−O−AL−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L20:−S−AL− L21:−S−AL−O− L22:−S−AL−O−CO− L23:−S−AL−S−AL− L24:−S−AR−AL−
【0059】式(III)の重合性基(P)は、重合反応の
種類に応じて決定する。重合性基(P)の例を以下に示
す。
【0060】
【化10】
【0061】
【化11】
【0062】
【化12】
【0063】
【化13】
【0064】
【化14】
【0065】
【化15】
【0066】重合性基(P)は、不飽和重合性基(P
1、P2、P3、P7、P8、P15、P16、P1
7)またはエポキシ基(P6、P18)であることが好
ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、
エチレン性不飽和重合性基(P1、P7、P8、P1
5、P16、P17)であることが最も好ましい。式
(III)において、nは4乃至12の整数である。具体的
な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定され
る。なお、複数のLとPの組み合わせは、異なっていて
もよいが、同一であることが好ましい。光学異方性層
は、円盤状化合物および必要に応じて重合性開始剤や任
意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで
形成できる。
【0067】配向させた円盤状化合物を、配向状態を維
持して固定する。固定化は、重合反応により実施するこ
とが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱
重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれ
る。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α
−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2
367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル
(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水
素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許272251
2号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許304
6127号、同2951758号の各明細書記載)、ト
リアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニル
ケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細
書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭
60−105667号公報、米国特許4239850号
明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許
4212970号明細書記載)が含まれる。光重合開始
剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20質量
%であることが好ましく、0.5乃至5質量%であるこ
とがさらに好ましい。円盤状化合物の重合のための光照
射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギー
は、20乃至5000mJ/cm2 であることが好まし
く、100乃至800mJ/cm2 であることがさらに
好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件
下で光照射を実施してもよい。保護層を、光学異方性層
の上に設けてもよい。
【0068】[偏光板]一般に、液晶表示装置に用いら
れる偏光板は、偏光膜およびその両側に配置された二枚
の透明保護膜からなる。偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、
二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜が
ある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポ
リビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。そし
て、偏光板の一方の保護膜を、上記のポリマーフイルム
からなる光学補償シート、もしくは、ポリマーフィルム
と液晶性化合物を含む光学異方性層とを積層してなる光
学補償シートとすることで、本発明の偏光板を作製する
ことができる。また、偏光膜の他方の保護膜として、通
常のセルロースアセテートフイルムを積層してもよい。
このようにして、ポリマーフィルム中の残留溶剤量が
0.01乃至1.00質量%の範囲にある光学補償シー
トと偏光膜を(接着剤を介して)積層することにより本
発明の偏光板を得ることができる。本発明の偏光板にお
いて、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸の関
係は、適用される液晶表示装置の種類により以下のよう
に配置することが好ましい。本発明の偏光板を、TN、
MVA、およびOCBモードの液晶表示装置に用いる場
合は、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸を実
質的に平行になるように配置し、反射型液晶表示装置に
用いる場合は、ポリマーフイルムの遅相軸と偏光膜の透
過軸を実質的に45度となるように配置することが好ま
しい。
【0069】[液晶表示装置]本発明の光学補償シート
またはそれを用いる偏光板は、透過型液晶表示装置ある
いは反射型液晶表示装置に有利に用いられる。透過型液
晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二
枚の偏光板からなる。また、反射型液晶表示装置は、液
晶セルを偏光板と反射板により狭持してなる。液晶セル
は、二枚の電極基板の間に液晶を坦持している。液晶セ
ルとしては、TN、MVA、およびOCBモードの液晶
セルが好ましい。OCBモードの液晶表示装置の場合、
本発明の光学補償シートは、ポリマーフィルム上に円盤
状化合物、もしくは棒状液晶化合物を含む光学異方性層
を有することが好ましい。光学異方性層は、円盤状化合
物(もしくは棒状液晶化合物)を配向させ、その配向状
態を固定することにより形成する。円盤状化合物は、一
般に大きな複屈折率を有する。また、円盤状化合物に
は、多様な配向形態がある。従って、円盤状化合物を用
いることで、従来の延伸複屈折フイルムでは得ることが
できない光学的性質を有する光学補償シートを製造する
ことができる。円盤状化合物を用いた光学補償シートに
ついては、特開平6−214116号公報、米国特許5
583679号、同5646703号、西独特許公報3
911620A1号の各明細書に記載がある。
【0070】VAモードの液晶セルにおいては、電圧無
印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向してい
る。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子
を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時
に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セ
ル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、
(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン
化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Dige
st of tech. Papers(予稿集)28(1997)845
記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的
に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配
向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本
液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)およ
び(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCD
インターナショナル98で発表)が含まれる。
【0071】OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分
子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対
称的に)配向させるベンド配向の液晶セルを用いてい
る。米国特許4583825号、同5410422号の
各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セル
の上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配
向の液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのた
め、この液晶モードは、OCB(Optically Compensator
y Bend) 液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの
液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。TN
モードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子
が実質的に水平配向し、さらに60乃至120゜にねじ
れ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTF
T液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の
文献に記載がある。
【0072】本発明の光学補償シートを液晶表示装置に
用いる場合は、光学補償シートを、液晶セルと一方の偏
光板との間に、一枚配置するか、あるいは液晶セルと双
方の偏光板との間に二枚配置する。このように、通常の
偏光板と液晶セルとの間に、本発明の光学補償シートを
挿入して、従来と同様に液晶セルを光学的に補償するこ
とができる。本発明の偏光板を液晶表示装置に用いる場
合は、液晶表示装置の偏光板のうちの少なくとも一つの
偏光板を、本発明の偏光板とすればよい。本発明の偏光
板を用いることで、液晶表示装置を使用中の熱による歪
みが原因の光漏れを防止でき、視野角特性に優れる表示
性能を長時間にわたり持続することができる。
【0073】
【実施例】[実施例1]下記の組成物をミキシングタン
クに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、
セルロースアセテート溶液を調製した。
【0074】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部 ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部 メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部 メタノール(第2溶媒) 54質量部 1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部 ────────────────────────────────────
【0075】別のミキシングタンクに、下記のレターデ
ーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質
量部およびメタノール20質量部を投入し、加熱しなが
ら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーシ
ョン上昇剤溶液25質量部を混合し、充分に攪拌してド
ープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、
セルロースアセテート100質量部に対して、3.5質
量部であった。
【0076】
【化16】
【0077】得られたドープを、バンド流延機を用いて
流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってか
ら、1分乾燥し、剥ぎ取った後、140℃の乾燥風で、
残留溶剤量が15質量%とした。このフイルムを、13
0℃の条件で、テンターを用いて25%の延伸倍率で横
延伸した後、140℃で20分乾燥し、残留溶剤が0.
3質量%のセルロースアセテートフイルム(厚さ:80
μm)を製造した。作製したセルロースアセテートフイ
ルム(光学補償シート)について、エリプソメーター
(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長55
0nmにおけるReレターデーション値およびRthレタ
ーデーション値を測定した。結果は第1表に示す。
【0078】[実施例2]下記の組成物をミキシングタ
ンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解
し、シクロオレフィン溶液を調製した。
【0079】 ──────────────────────────────────── シクロオレフィン溶液組成 ──────────────────────────────────── ゼオノア(日本ゼオン製) 100質量部 シクロへキサン(第1溶媒) 400質量部 ────────────────────────────────────
【0080】別のミキシングタンクに、実施例1で用い
たレターデーション上昇剤25質量部、およびシクロへ
キサン75質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レ
ターデーション上昇剤溶液を調製した。シクロオレフィ
ン溶液475質量部にレターデーション上昇剤溶液25
質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レ
ターデーション上昇剤の添加量は、シクロオレフィン9
5質量部に対して、5質量部であった。
【0081】得られたドープを、バンド流延機を用いて
流延した。バンド上での膜面温度が35℃となってか
ら、3分乾燥し、剥ぎ取った後、160℃の乾燥風で、
残留溶剤量が15質量%とした。このフイルムを、16
0℃の条件で、テンターを用いて10%の延伸倍率で横
延伸した後、170℃で20分乾燥し、残留溶剤が0.
2質量%のシクロオレフィンフイルム(厚さ:30μ
m)を製造した。作製したシクロオレフィンフイルム
(光学補償シート)について、エリプソメーター(M−
150、日本分光(株)製)を用いて、波長550nm
におけるReレターデーション値およびRthレターデー
ション値を測定した。結果は第1表に示す。
【0082】[実施例3]レターデーション上昇剤の添
加量を、セルロースアセテート100質量部に対して、
7.8質量部とし、延伸倍率を8%に変更した以外は、
実施例1と同様に作製した残留溶剤0.35質量%のセ
ルロースアセテートフィルムについて、エリプソメータ
ー(M−150、日本分光(株)製)を用いて、波長5
50nmにおけるReレターデーション値およびRthレ
ターデーション値を測定した。結果は第1表に示す。こ
のセルロースアセテートフイルム上に、下記の組成の塗
布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2
塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風
で150秒乾燥した。次に、セルロースアセテートフイ
ルムの遅相軸(波長632.8nmで測定)と45゜の
方向に、形成した膜にラビング処理を実施した。
【0083】 ──────────────────────────────────── 配向膜塗布液組成 ──────────────────────────────────── 下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部 水 371質量部 メタノール 119質量部 グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部 ────────────────────────────────────
【0084】
【化17】
【0085】(光学異方性層の形成)配向膜上に、下記
の円盤状(液晶性)化合物41.01g、エチレンオキ
サイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製)4.06g、セ
ルロースアセテートブチレート(CAB551−0.
2、イーストマンケミカル社製)0.90g、セルロー
スアセテートブチレート(CAB531−1、イースト
マンケミカル社製)0.23g、光重合開始剤(イルガ
キュアー907、チバガイギー社製)1.35g、増感
剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.4
5gを、102gのメチルエチルケトンに溶解した塗布
液を、#3のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠
に貼り付けて、130℃の恒温槽中で2分間加熱し、円
盤状化合物を配向させた。次に、130℃で120W/
cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し円盤状化合
物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このよう
にして、光学異方性層を形成した。波長546nmで測
定した光学異方性層のReレターデーション値は38n
mであった。また、円盤面と第1透明支持体面との間の
角度(傾斜角)は平均で40゜であった。また、得られ
た光学補償シートの残留溶剤量は、0.4質量%であっ
た。
【0086】
【化18】
【0087】[比較例1]実施例1で得られたドープ
を、バンド流延機を用いて流延した。バンド上での膜面
温度が20℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った
後、130℃の条件で、テンターを用いて25%の延伸
倍率で横延伸し、残留溶剤が3.0質量%のセルロース
アセテートフイルム(厚さ:80μm)を製造した。作
製したセルロースアセテートフイルム(光学補償シー
ト)について、エリプソメーター(M−150、日本分
光(株)製)を用いて、波長550nmにおけるReレ
ターデーション値およびRthレターデーション値を測定
した。結果は第1表に示す。
【0088】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── フイルム レターデーション上昇剤 延伸倍率 Re Rth ──────────────────────────────────── 実施例1 3.5質量部 25% 40nm 130nm 実施例2 5.0質量部 10% 50nm 150nm 実施例3 7.8質量部 8% 20nm 220nm 比較例1 3.5質量部 25% 30nm 110nm ────────────────────────────────────
【0089】[実施例4]延伸したポリビニルアルコー
ルフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリ
ビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例1で作成し
たセルローストリアセテートフイルムを偏光膜の片側
に、もう一方には市販のセルローストリアセテートフイ
ルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム
(株)製)にケン化処理を行い貼り付けた後、80℃で
10分間乾燥させた。偏光膜の透過軸と実施例1で作製
したセルロースアセテートフイルムの遅相軸とは平行に
なるように配置した。偏光膜の透過軸と市販のセルロー
ストリアセテートフイルムの遅相軸とは、直交するよう
に配置した。このようにして偏光板を作製した。
【0090】[実施例5]実施例2で作製したシクロオ
レフィンフイルムを用いた以外は、実施例4と同様にし
て、偏光板を作製した。
【0091】[比較例2]延伸したポリビニルアルコー
ルフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリ
ビニルアルコール系接着剤を用いて、比較例1で作成し
たセルロースアセテートフイルムを偏光膜の片側に、も
う一方には市販のトリアセチルセルロースフィルム(富
士写真フィルム(株)製)を貼り付けた後、80℃で3
0分間乾燥させて偏光板を作製した。
【0092】[実施例6]垂直配向型液晶セルを使用し
た液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)
に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シ
ートを剥がし、代わりに実施例4で作製した偏光板を、
実施例1で作製したセルロースアセテートフイルムが液
晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側および
バックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光
板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏
光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配
置とした。作製した液晶表示装置について、測定機(E
Z−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒
表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角
を測定した。結果を第2表に示す。
【0093】[実施例7]垂直配向型液晶セルを使用し
た液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)
に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シ
ートを剥がし、代わりに実施例5で作製した偏光板を、
実施例2で作製したシクロオレフィンフイルムが液晶セ
ル側となるように粘着剤を介して一枚、観察者側に貼り
付けた。また、バックライト側には、市販の偏光板(H
LC2−5618HCS、(株)サンリッツ製)を一枚
貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、
そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向に
なるように、クロスニコル配置とした。作製した液晶表
示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、E
LDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示
(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果を第2
表に示す。
【0094】[比較例3]垂直配向型液晶セルを使用し
た液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)
に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シ
ートを剥がし、代わりに比較例2で作製した偏光板を、
比較例1で作製したセルロースアセテートフイルムが液
晶セル側となるように粘着剤を介して一枚、観察者側に
貼り付けた。また、バックライト側には、市販の偏光板
(HLC2−5618HCS、(株)サンリッツ製)を
一枚貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向
に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方
向になるように、クロスニコル配置とした。作製した液
晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160
D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白
表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。結果を
第2表に示す。視野角は著しく拡大されたが、40℃9
0%RH条件下でしばらく点灯状態のまま放置したとこ
ろ、パネル端部に額縁状に光漏れが生じ、表示品位が著
しく低下する現象が見られた。
【0095】[比較例4]垂直配向型液晶セルを使用し
た液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)
について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDI
M社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)
までの8段階で視野角を測定した。結果を第2表に示
す。
【0096】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 液晶 視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲) 表示装置 透過軸方向 透過軸から45゜の方向 ──────────────────────────────────── 実施例6 >80゜ >80゜ 実施例7 >80゜ >80゜ 比較例3 >80゜ >80゜ 比較例4 >80゜ 44゜ ──────────────────────────────────── (註)黒側の階調反転:L1とL2との間の反転
【0097】[実施例8]実施例3で作製した光学補償
シートを、光学異方性層が偏光板の最外層となるように
偏光膜に貼り付けること以外は、実施例4と同様にし
て、偏光板を作製した。
【0098】[実施例9] (ベンド配向液晶セルの作製)ITO電極付きのガラス
基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラ
ビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板をラビ
ング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャッ
プを6μmに設定した。セルギャップにΔnが0.13
96の液晶性化合物(ZLI1132、メルク社製)を
注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。作製したベン
ド配向セルを挟むように、実施例8で作製した楕円偏光
板を二枚貼り付けた。楕円偏光板の光学異方性層がセル
基板に対面し、液晶セルのラビング方向とそれに対面す
る光学異方性層のラビング方向とが反平行となるように
配置した。液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加し
た。白表示2V、黒表示5Vのノーマリーホワイトモー
ドとした。透過率の比(白表示/黒表示)をコントラス
ト比として、測定機(EZ−Contrast160D、ELD
IM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L
8)までの8段階で視野角を測定した。測定した。結果
を第3表に示す。
【0099】
【表3】 第3表 ──────────────────────────────────── 液晶 視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲) 表示装置 上 下 左右 ──────────────────────────────────── 実施例8 80゜ 80゜ 80゜ ──────────────────────────────────── (註)黒側の階調反転:L1とL2との間の反転
【0100】[実施例10]TN型液晶セルを使用した
液晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)に設け
られている一対の偏光板を剥がし、代わりに実施例4で
作製した偏光板を、実施例1で作製したセルロースアセ
テートフイルムが液晶セル側となるように粘着剤を介し
て、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付け
た。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏
光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。作
製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast
160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)
から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。
結果を第4表に示す。
【0101】[比較例5]TN型液晶セルを使用した液
晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)につい
て、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社
製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)まで
の8段階で視野角を測定した。結果を第4表に示す。
【0102】
【表4】 第4表 ──────────────────────────────────── 液晶 視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲) 表示装置 上 下 左右 ──────────────────────────────────── 実施例9 18゜ 23゜ 77゜ 比較例2 15゜ 25゜ 37゜ ──────────────────────────────────── (註)黒側の階調反転:L1とL2との間の反転
【0103】[実施例11]室温において、平均酢化度
59.0%のセルロースアセテート120質量部、トリ
フェニルホスフェート9.36質量部、ビフェニルジフ
ェニルホスフェート4.68質量部、実施例1で用いた
レターデーション上昇剤1.00質量部、トリベンジル
アミン2.00質量部、メチレンクロリド543.14
質量部、メタノール99.35質量部およびn−ブタノ
ール19.87質量部を混合して、溶液(ドープ)を調
製した。
【0104】得られたドープを、ガラス板上に流延し、
室温で1分間乾燥後、45℃で5分間乾燥させた。乾燥
後の溶剤残留量は30質量%であった。セルロースアセ
テートフイルムをガラス板から剥離し、120℃で10
分間乾燥した。フイルムを適当な大きさに切断した後、
130℃で流延方向とは平行な方向に延伸した。延伸方
向と垂直な方向は、自由に収縮できるようにした。延伸
後、そのままの状態で120℃で30分間乾燥した後、
延伸フイルムを取り出した。延伸後の溶剤残留量は0.
1質量%であった。得られたポリマーフィルムフイルム
(光学補償シート)の厚さは、101μmであり、エリ
プソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用い
て、波長450nm、550nmおよび590nmにお
けるレターデーション値(Re)を測定したところ、そ
れぞれ、119.3nm、137.2nmおよび14
2.7nmであった。従って、このセルロースアセテー
トフイルムは、広い波長領域でλ/4を達成していた。
【0105】[実施例12]実施例11で作製したセル
ロースアセテートフィルム、および実施例4で作製した
偏光膜、および市販のセルロースアセテートフィルム
(フジタック 富士写真フィルム製)をこの順にロール
toロールで積層して偏光板を得た。得られた円偏光板
の光学的性質を調べたところ、いずれも広い波長領域
(450〜590nm)において、ほぼ完全な円偏光が
達成されていた。
【0106】[実施例13]実施例12で作製した円偏
光板を反射型液晶パネルに実装し、測定機(EZ−Cont
rast160D、ELDIM社製)を用いて視野角特性を
測定した。結果を第5表に示す。実施例12で作製した
円偏光板を用いると、広い視野角が得られた。
【表5】 第5表 ──────────────────────────────────── 液晶 視野角(コントラスト比が10以上で黒側の階調反転のない範囲) 表示装置 上下 左右 ──────────────────────────────────── 実施例13 129゜ 118゜ ────────────────────────────────────
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/139 B29K 1:00 // B29K 1:00 B29L 7:00 B29L 7:00 G02F 1/137 505 Fターム(参考) 2H049 BA25 BA27 BB03 BB33 BB43 BB49 BB51 BB62 BC03 BC04 BC05 BC09 BC14 BC22 2H088 JA03 JA05 JA10 MA02 2H091 FA08X FA08Z FA11Z FA14Z FB02 FD10 HA05 HA07 KA10 LA17 LA20 4F205 AA01 AC05 AG01 AH42 GA07 GB02 GC02 GC07 GF24 GN22

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)により定義されるReレタ
    ーデーション値が20乃至200nmの範囲にあり、下
    記式(II)により定義されるRthレターデーション値が
    70乃至400nmの範囲にある溶液流延法により形成
    されたポリマーフィルムからなり、該ポリマーフィルム
    中の残留溶剤量が0.01乃至1.00質量%の範囲に
    あることを特徴とする光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
  2. 【請求項2】 下記式(I)により定義されるReレタ
    ーデーション値が20乃至200nmの範囲にあり、下
    記式(II)により定義されるRthレターデーション値が
    70乃至400nmの範囲にある溶液流延法により形成
    されたポリマーフイルムと、液晶性化合物を含む光学異
    方性層の積層体であり、該積層体中の残留溶剤量が0.
    01乃至1.00質量%の範囲にあることを特徴とする
    光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、フイルム面内の遅相軸方向の屈折率で
    あり;nyは、フイルム面内の進相軸方向の屈折率であ
    り;nzは、フイルムの厚み方向の屈折率であり;そし
    て、dは、フイルムの厚さである]。
  3. 【請求項3】 前記のポリマーフィルムが、酢化度5
    9.0乃至61.5%の範囲にあるセルロースアセテー
    ト、およびセルロースアセテート100質量部に対し
    て、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を
    0.01乃至20質量部含むことを特徴とする請求項1
    もしくは2に記載の光学補償シート。
  4. 【請求項4】 偏光膜の少なくとも一方の面に、請求項
    1もしくは2に記載の光学補償シートが貼り合わされて
    なることを特徴とする偏光板。
  5. 【請求項5】 偏光膜の少なくとも一方の面に、請求項
    1もしくは2に記載の光学補償シートが貼り合わされて
    なり、該光学補償シートの遅相軸と偏光膜の透過軸が、
    実質的に平行になるように配置されていることを特徴と
    する偏光板。
  6. 【請求項6】 液晶セルおよびその両側に配置された二
    枚の偏光板からなる液晶表示装置であって、少なくとも
    1方の偏光板が、請求項4もしくは5に記載の偏光板で
    あり、該偏光板の光学補償シートが液晶セル側になるよ
    うに配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 液晶セルが、OCBモード、VAモー
    ド、またはTNモードの液晶セルであることを特徴とす
    る請求項6に記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 偏光膜の少なくとも一方の面に、請求項
    1もしくは2に記載の光学補償シートが貼り合わされて
    なり、該光学補償シートの遅相軸と偏光膜の透過軸と
    が、実質的に45度となるように配置されていることを
    特徴とする偏光板。
  9. 【請求項9】 液晶セル、少なくとも一枚の偏光板、お
    よび反射板からなる反射型液晶表示装置であって、該偏
    光板が、請求項4もしくは8に記載の偏光板であり、光
    学補償シートが液晶セル側になるように配置されている
    ことを特徴とする液晶表示装置。
JP2000219509A 2000-07-19 2000-07-19 光学補償シートの製造方法 Expired - Lifetime JP4219538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000219509A JP4219538B2 (ja) 2000-07-19 2000-07-19 光学補償シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000219509A JP4219538B2 (ja) 2000-07-19 2000-07-19 光学補償シートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002040242A true JP2002040242A (ja) 2002-02-06
JP4219538B2 JP4219538B2 (ja) 2009-02-04

Family

ID=18714286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000219509A Expired - Lifetime JP4219538B2 (ja) 2000-07-19 2000-07-19 光学補償シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4219538B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1497678A1 (en) * 2002-04-19 2005-01-19 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical compensatory sheet comprising polymer film
EP1508823A1 (en) * 2002-05-30 2005-02-23 Zeon Corporation Optical laminate
JP2005084277A (ja) * 2003-09-08 2005-03-31 Fuji Photo Film Co Ltd 光学異方性層、位相差板、円偏光板および画像表示装置
JP2006154760A (ja) * 2004-10-27 2006-06-15 Konica Minolta Opto Inc 位相差フィルムの製造方法及びその方法で製造した位相差フィルム、並びにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置
JP2009265626A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Fujifilm Corp 液晶表示装置
JP2011095771A (ja) * 2011-01-18 2011-05-12 Fujifilm Corp セルロースアシレートフイルム、光学補償フイルム、偏光板および液晶表示装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1497678A1 (en) * 2002-04-19 2005-01-19 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical compensatory sheet comprising polymer film
EP1497678A4 (en) * 2002-04-19 2011-12-14 Fujifilm Corp OPTICAL COMPENSATION SHEET COMPRISING A POLYMER FILM
EP1508823A1 (en) * 2002-05-30 2005-02-23 Zeon Corporation Optical laminate
EP1508823A4 (en) * 2002-05-30 2006-10-04 Zeon Corp OPTICAL LAMINATE
JP2005084277A (ja) * 2003-09-08 2005-03-31 Fuji Photo Film Co Ltd 光学異方性層、位相差板、円偏光板および画像表示装置
JP2006154760A (ja) * 2004-10-27 2006-06-15 Konica Minolta Opto Inc 位相差フィルムの製造方法及びその方法で製造した位相差フィルム、並びにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置
JP4710505B2 (ja) * 2004-10-27 2011-06-29 コニカミノルタオプト株式会社 位相差フィルムの製造方法
JP2009265626A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Fujifilm Corp 液晶表示装置
JP2011095771A (ja) * 2011-01-18 2011-05-12 Fujifilm Corp セルロースアシレートフイルム、光学補償フイルム、偏光板および液晶表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4219538B2 (ja) 2009-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1164391B1 (en) Elliptic polarizer formed of transparent protective layer, polarizer layer, transparent support and optical anisotropic layer of liquid-crystal molecules
US6778242B1 (en) Optical compensatory sheet comprising cellulose acetate support and optically anisotropic layer, an ellipsoidal polarizing plate, and a liquid crystal display
JP4378084B2 (ja) セルロースアセテートフイルムの製造方法
JP2000111914A (ja) セルロースの低級脂肪酸エステルフイルム用レターデーション上昇剤、光学補償シートおよび液晶表示装置
JP2002014230A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP2001098086A (ja) セルロースエステルフイルムの製造方法およびセルロースエステルフイルムの複屈折率上昇方法
JP2002090536A (ja) 偏光板および液晶表示装置
JP4248779B2 (ja) 液晶表示装置
JP4351791B2 (ja) 光学補償シートの製造方法
JPWO2002035263A1 (ja) ポリマーフイルムと偏光膜とからなる偏光板
JP2009116346A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP4460792B2 (ja) Vaモードの液晶表示装置用光学補償シートおよびvaモードの液晶表示装置
JP2002082226A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP2001100039A (ja) セルロースエステルフイルム、光学補償シートおよび楕円偏光板
JP2002062426A (ja) 配向膜、光学補償シート、楕円偏光板、およびそれを用いた液晶表示装置
JP2002071949A (ja) 光学補償シート、偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
JP4282247B2 (ja) 光学補償シートの製造方法
JP4219538B2 (ja) 光学補償シートの製造方法
JP4181757B2 (ja) 光学補償フィルムおよび偏光板の製造方法
JP2002071954A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP2002022959A (ja) 位相差板および円偏光板
JP2002022943A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP4067722B2 (ja) 楕円偏光板の製造方法
JP2002071955A (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP2002055230A (ja) 光学補償シート、楕円偏光板、および液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050916

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080627

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081107

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081112

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4219538

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131121

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term