JP2002236215A - 光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ベンド配向モードの液晶セルを適切に光学的
に補償し、液晶パネル面内で均一かつ良好な表示特性を
得る。 【解決手段】 ディスコティック液晶性分子から形成し
た光学異方性層および透明支持体を有する光学補償シー
トにおいて、透明支持体として、Reレターデーション
値が20乃至70nmの範囲にあり、Rthレターデーシ
ョン値が70乃至400nmの範囲にあり、そして、遅
相軸角度の標準偏差が1.5°以下であるポリマーフイ
ルムを用いる。
に補償し、液晶パネル面内で均一かつ良好な表示特性を
得る。 【解決手段】 ディスコティック液晶性分子から形成し
た光学異方性層および透明支持体を有する光学補償シー
トにおいて、透明支持体として、Reレターデーション
値が20乃至70nmの範囲にあり、Rthレターデーシ
ョン値が70乃至400nmの範囲にあり、そして、遅
相軸角度の標準偏差が1.5°以下であるポリマーフイ
ルムを用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーフイルム
からなる透明支持体上にディスコティック液晶性分子か
ら形成した光学異方性層を有する光学補償シート、およ
びそれを用いた楕円偏光板とベンド配向モードの液晶表
示装置とに関する。
からなる透明支持体上にディスコティック液晶性分子か
ら形成した光学異方性層を有する光学補償シート、およ
びそれを用いた楕円偏光板とベンド配向モードの液晶表
示装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(LCD)は、CRT(cat
hode ray tube)と比較して、薄型、軽量、低消費電力と
の大きな利点を有する。液晶表示装置は、液晶セルおよ
び液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板からなる。
液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入するための二
枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加えるための電
極層からなる。封入した棒状液晶性分子を配向させるた
め、二枚の基板には配向膜が設けられる。液晶セルに表
示される画像の着色を除去するため、液晶セルと偏光板
との間に光学補償シート(位相差板)を設けることが多
い。偏光板と光学補償シートとの積層体は、楕円偏光板
として機能する。光学補償シートに、液晶セルの視野角
を拡大する機能を付与する場合もある。光学補償シート
としては、延伸した合成ポリマーフイルム(例、ポリカ
ーボネートフイルム、ポリスルホンフイルム)が従来か
ら使用されている。
hode ray tube)と比較して、薄型、軽量、低消費電力と
の大きな利点を有する。液晶表示装置は、液晶セルおよ
び液晶セルの両側に配置された二枚の偏光板からなる。
液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入するための二
枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加えるための電
極層からなる。封入した棒状液晶性分子を配向させるた
め、二枚の基板には配向膜が設けられる。液晶セルに表
示される画像の着色を除去するため、液晶セルと偏光板
との間に光学補償シート(位相差板)を設けることが多
い。偏光板と光学補償シートとの積層体は、楕円偏光板
として機能する。光学補償シートに、液晶セルの視野角
を拡大する機能を付与する場合もある。光学補償シート
としては、延伸した合成ポリマーフイルム(例、ポリカ
ーボネートフイルム、ポリスルホンフイルム)が従来か
ら使用されている。
【0003】合成ポリマーフイルムに代えて、透明支持
体上にディスコティック液晶性分子から形成した光学異
方性層を有する光学補償シートを使用することも提案さ
れている。光学異方性層は、ディスコティック液晶性分
子を配向させ、その配向状態を固定することにより形成
する。ディスコティック液晶性分子は、一般に大きな複
屈折率を有する。また、ディスコティック液晶性分子に
は、多様な配向形態がある。従って、ディスコティック
液晶性分子を用いることで、従来の合成ポリマーフイル
ムでは得ることができない光学的性質を有する光学補償
シートを製造することができる。ディスコティック液晶
性分子を用いた光学補償シートについては、特開平6−
214116号公報、米国特許5583679号、同5
646703号、西独特許公報3911620A1号の
各明細書に記載がある。
体上にディスコティック液晶性分子から形成した光学異
方性層を有する光学補償シートを使用することも提案さ
れている。光学異方性層は、ディスコティック液晶性分
子を配向させ、その配向状態を固定することにより形成
する。ディスコティック液晶性分子は、一般に大きな複
屈折率を有する。また、ディスコティック液晶性分子に
は、多様な配向形態がある。従って、ディスコティック
液晶性分子を用いることで、従来の合成ポリマーフイル
ムでは得ることができない光学的性質を有する光学補償
シートを製造することができる。ディスコティック液晶
性分子を用いた光学補償シートについては、特開平6−
214116号公報、米国特許5583679号、同5
646703号、西独特許公報3911620A1号の
各明細書に記載がある。
【0004】光学補償シートの透明支持体としては、光
学等方性(低いレターデーション値)が要求される場合
には、一般にセルロースアセテートフイルムが用いられ
ている。逆に、光学異方性(高いレターデーション値)
が要求される場合には、延伸した合成ポリマーフイルム
(例、ポリカーボネートフイルム、ポリスルホンフイル
ム)が用いられてる。光学補償シートのような光学材料
の技術分野では、ポリマーフイルムに光学的異方性(高
いレターデーション値)が要求される場合には合成ポリ
マーフイルムを使用し、光学的等方性(低いレターデー
ション値)が要求される場合にはセルロースアセテート
フイルムを使用することが一般的な原則であった。欧州
特許0911656A2号明細書には、従来の一般的な
原則を覆して、光学的異方性が要求される用途にも使用
できる高いレターデーション値を有するセルロースアセ
テートフイルムが開示されている。
学等方性(低いレターデーション値)が要求される場合
には、一般にセルロースアセテートフイルムが用いられ
ている。逆に、光学異方性(高いレターデーション値)
が要求される場合には、延伸した合成ポリマーフイルム
(例、ポリカーボネートフイルム、ポリスルホンフイル
ム)が用いられてる。光学補償シートのような光学材料
の技術分野では、ポリマーフイルムに光学的異方性(高
いレターデーション値)が要求される場合には合成ポリ
マーフイルムを使用し、光学的等方性(低いレターデー
ション値)が要求される場合にはセルロースアセテート
フイルムを使用することが一般的な原則であった。欧州
特許0911656A2号明細書には、従来の一般的な
原則を覆して、光学的異方性が要求される用途にも使用
できる高いレターデーション値を有するセルロースアセ
テートフイルムが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】米国特許458382
5号、同5410422号の各明細書に、棒状液晶性分
子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対
称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用い
た液晶表示装置が開示されている。棒状液晶性分子が液
晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベ
ンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有す
る。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically C
ompensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。ベンド配
向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点が
ある。ベンド配向モードは、一般的な液晶モード(TN
モード、STNモード)と比較すると、視野角が広く、
応答速度が速いとの特徴がある。しかし、CRTと比較
すると、さらに改良が必要である。ベンド配向モードの
液晶表示装置をさらに改良するため、一般的な液晶モー
ドと同様に光学補償シートを用いることが考えられる。
特開平9−197397号公報(米国特許580525
3号明細書)、WO96/37804号明細書(欧州特
許出願0783128A号明細書)および特開平11−
316378号公報(米国特許6064457号明細
書)には、ディスコティック液晶性分子から形成した光
学異方性層を有する光学補償シート、およびそれを用い
たベンド配向モードの液晶表示装置が開示されている。
5号、同5410422号の各明細書に、棒状液晶性分
子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対
称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用い
た液晶表示装置が開示されている。棒状液晶性分子が液
晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベ
ンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有す
る。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically C
ompensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。ベンド配
向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点が
ある。ベンド配向モードは、一般的な液晶モード(TN
モード、STNモード)と比較すると、視野角が広く、
応答速度が速いとの特徴がある。しかし、CRTと比較
すると、さらに改良が必要である。ベンド配向モードの
液晶表示装置をさらに改良するため、一般的な液晶モー
ドと同様に光学補償シートを用いることが考えられる。
特開平9−197397号公報(米国特許580525
3号明細書)、WO96/37804号明細書(欧州特
許出願0783128A号明細書)および特開平11−
316378号公報(米国特許6064457号明細
書)には、ディスコティック液晶性分子から形成した光
学異方性層を有する光学補償シート、およびそれを用い
たベンド配向モードの液晶表示装置が開示されている。
【0006】ディスコティック液晶性分子から形成した
光学異方性層を有する光学補償シートを、ベンド配向モ
ードの液晶表示装置に使用することで、非常に広い視野
角が得られる。しかし、本発明者が研究を進めたとこ
ろ、液晶表示装置のパネル面内で表示特性(例、正面コ
ントラスト比、視野角)にばらつきが認められた。本発
明の目的は、ベンド配向モードの液晶セルを適切に光学
的に補償し、液晶パネル面内で均一かつ良好な表示特性
を得ることである。
光学異方性層を有する光学補償シートを、ベンド配向モ
ードの液晶表示装置に使用することで、非常に広い視野
角が得られる。しかし、本発明者が研究を進めたとこ
ろ、液晶表示装置のパネル面内で表示特性(例、正面コ
ントラスト比、視野角)にばらつきが認められた。本発
明の目的は、ベンド配向モードの液晶セルを適切に光学
的に補償し、液晶パネル面内で均一かつ良好な表示特性
を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究の結果、
ベンド配向モードの液晶セルを光学的に補償して、ベン
ド配向モードの優れた表示特性を面内で均一に得るため
には、光学補償シートの透明支持体として用いるポリマ
ーフイルムについて、レターデーション値を制御し、さ
らに遅相軸角度の標準偏差を制御する必要であることが
判明した。本発明の目的は、下記(1)〜(14)の光
学補償シート、下記(15)、(17)、(18)の楕
円偏光板および下記(16)、(19)〜(21)の液
晶表示装置により達成された。
ベンド配向モードの液晶セルを光学的に補償して、ベン
ド配向モードの優れた表示特性を面内で均一に得るため
には、光学補償シートの透明支持体として用いるポリマ
ーフイルムについて、レターデーション値を制御し、さ
らに遅相軸角度の標準偏差を制御する必要であることが
判明した。本発明の目的は、下記(1)〜(14)の光
学補償シート、下記(15)、(17)、(18)の楕
円偏光板および下記(16)、(19)〜(21)の液
晶表示装置により達成された。
【0008】(1)ディスコティック液晶性分子から形
成した光学異方性層および透明支持体を有する光学補償
シートであって、透明支持体が、下記式(I)により定
義されるReレターデーション値が10乃至70nmの
範囲にあり、下記式(II)により定義されるRthレター
デーション値が70乃至400nmの範囲にあり、そし
て、遅相軸角度の標準偏差が1.5°以下であるポリマ
ーフイルムからなることを特徴とする光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
成した光学異方性層および透明支持体を有する光学補償
シートであって、透明支持体が、下記式(I)により定
義されるReレターデーション値が10乃至70nmの
範囲にあり、下記式(II)により定義されるRthレター
デーション値が70乃至400nmの範囲にあり、そし
て、遅相軸角度の標準偏差が1.5°以下であるポリマ
ーフイルムからなることを特徴とする光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
【0009】(2)透明支持体が、3乃至100%の延
伸倍率でロールフイルム形態における幅方向に延伸した
ポリマーフイルムからなる(1)に記載の光学補償シー
ト。 (3)透明支持体が、3乃至100%の延伸倍率でロー
ルフイルム形態における長手方向に延伸したポリマーフ
イルムからなる(1)に記載の光学補償シート。 (4)透明支持体の遅相軸角度の面内の平均値が延伸方
向に対して3°以内である(2)または(3)に記載の
光学補償シート。 (5)ポリマーフイルムがセルロースアセテートからな
る(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の光学補償
シート。 (6)前記の透明支持体が溶液製膜法により製造された
セルロースアセテートフィルムであって、溶液製膜法で
用いる溶媒が、炭素数3乃至12のエーテル、炭素数3
乃至12のケトン、または炭素数3乃至12のエステル
を含む事を特徴とする(5)に記載の光学補償シート。 (7)前記のセルロースアセテートフィルムが、6位水
酸基の置換度が、2,3位に比べて多い事を特徴とする
セルロースアセテートフィルムであることを特徴とする
(5)もしくは(6)に記載の光学補償シート。 (8)前記の透明支持体が共流延法により製造されたセ
ルロースアセテートフィルムである事を特徴とする
(1)に記載の光学補償シート。 (9)セルロースアセテートの酢化度が59.0乃至6
1.5%である(5)乃至(8)のうちのいずれかに記
載の光学補償シート。
伸倍率でロールフイルム形態における幅方向に延伸した
ポリマーフイルムからなる(1)に記載の光学補償シー
ト。 (3)透明支持体が、3乃至100%の延伸倍率でロー
ルフイルム形態における長手方向に延伸したポリマーフ
イルムからなる(1)に記載の光学補償シート。 (4)透明支持体の遅相軸角度の面内の平均値が延伸方
向に対して3°以内である(2)または(3)に記載の
光学補償シート。 (5)ポリマーフイルムがセルロースアセテートからな
る(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の光学補償
シート。 (6)前記の透明支持体が溶液製膜法により製造された
セルロースアセテートフィルムであって、溶液製膜法で
用いる溶媒が、炭素数3乃至12のエーテル、炭素数3
乃至12のケトン、または炭素数3乃至12のエステル
を含む事を特徴とする(5)に記載の光学補償シート。 (7)前記のセルロースアセテートフィルムが、6位水
酸基の置換度が、2,3位に比べて多い事を特徴とする
セルロースアセテートフィルムであることを特徴とする
(5)もしくは(6)に記載の光学補償シート。 (8)前記の透明支持体が共流延法により製造されたセ
ルロースアセテートフィルムである事を特徴とする
(1)に記載の光学補償シート。 (9)セルロースアセテートの酢化度が59.0乃至6
1.5%である(5)乃至(8)のうちのいずれかに記
載の光学補償シート。
【0010】(10)セルロースアセテートフイルムが
少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を含む
(5)乃至(9)のうちのいずれかに記載の光学補償シ
ート。 (11)セルロースアセテート100質量部に対して、
少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を0.
01乃至20質量部含む(10)に記載の光学補償シー
ト。 (12)芳香族化合物が、少なくとも一つの1,3,5
−トリアジン環を有する(10)もしくは(11)に記
載の光学補償シート。
少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を含む
(5)乃至(9)のうちのいずれかに記載の光学補償シ
ート。 (11)セルロースアセテート100質量部に対して、
少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を0.
01乃至20質量部含む(10)に記載の光学補償シー
ト。 (12)芳香族化合物が、少なくとも一つの1,3,5
−トリアジン環を有する(10)もしくは(11)に記
載の光学補償シート。
【0011】(13)光学異方性層が、下記式(III)に
より定義されるReレターデーション値が10乃至10
0nmの範囲にあり、下記式(IV)により定義されるR
thレターデーション値が40乃至200nmの範囲にあ
り、そして、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角
が20乃至50゜である光学異方性を有する(1)乃至
(12)のうちのいずれかに記載の光学補償シート: (III) Re=(nx−ny)×d (IV) Rth={(n2+n3)/2−n1}×d [式中、nxは、光学異方性層面内の遅相軸方向の屈折
率であり;nyは、光学異方性層面内の進相軸方向の屈
折率であり;n1は、光学異方性層を屈折率楕円体で近
似した場合の屈折率主値の最小値であり;n2およびn
3は、光学異方性層の他の屈折率主値であり;そして、
dは、光学異方性層の厚さである]。 (14)ディスコティック液晶性分子の円盤面の法線の
透明支持体面への正射影の平均方向と透明支持体の遅相
軸の平均方向との角度が実質的に45゜である(1)乃
至(13)のうちのいずれかに記載の光学補償シート。
より定義されるReレターデーション値が10乃至10
0nmの範囲にあり、下記式(IV)により定義されるR
thレターデーション値が40乃至200nmの範囲にあ
り、そして、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角
が20乃至50゜である光学異方性を有する(1)乃至
(12)のうちのいずれかに記載の光学補償シート: (III) Re=(nx−ny)×d (IV) Rth={(n2+n3)/2−n1}×d [式中、nxは、光学異方性層面内の遅相軸方向の屈折
率であり;nyは、光学異方性層面内の進相軸方向の屈
折率であり;n1は、光学異方性層を屈折率楕円体で近
似した場合の屈折率主値の最小値であり;n2およびn
3は、光学異方性層の他の屈折率主値であり;そして、
dは、光学異方性層の厚さである]。 (14)ディスコティック液晶性分子の円盤面の法線の
透明支持体面への正射影の平均方向と透明支持体の遅相
軸の平均方向との角度が実質的に45゜である(1)乃
至(13)のうちのいずれかに記載の光学補償シート。
【0012】(15)ディスコティック液晶性分子から
形成した光学異方性層、透明支持体、偏光膜、そして透
明保護膜の順序、または透明支持体、ディスコティック
液晶性分子から形成した光学異方性層、偏光膜、そして
透明保護膜の順序で設けられている楕円偏光板であっ
て、透明支持体が、下記式(I)により定義されるRe
レターデーション値が10乃至70nmの範囲にあり、
下記式(II)により定義されるRthレターデーション値
が70乃至400nmの範囲にあり、そして、遅相軸角
度の標準偏差が1.5°以下であるポリマーフイルムか
らなり、透明支持体の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過
軸とのなす角度の絶対値が3°以下になるように配置さ
れていることを特徴とする楕円偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
形成した光学異方性層、透明支持体、偏光膜、そして透
明保護膜の順序、または透明支持体、ディスコティック
液晶性分子から形成した光学異方性層、偏光膜、そして
透明保護膜の順序で設けられている楕円偏光板であっ
て、透明支持体が、下記式(I)により定義されるRe
レターデーション値が10乃至70nmの範囲にあり、
下記式(II)により定義されるRthレターデーション値
が70乃至400nmの範囲にあり、そして、遅相軸角
度の標準偏差が1.5°以下であるポリマーフイルムか
らなり、透明支持体の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過
軸とのなす角度の絶対値が3°以下になるように配置さ
れていることを特徴とする楕円偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
【0013】(16)ベンド配向モードの液晶セルおよ
びその両側に配置された二枚の偏光板からなる液晶表示
装置であって、少なくとも一方の偏光板が、ディスコテ
ィック液晶性分子から形成した光学異方性層、透明支持
体、偏光膜、そして透明保護膜の順序、または透明支持
体、ディスコティック液晶性分子から形成した光学異方
性層、偏光膜、そして透明保護膜の順序で設けられてい
る楕円偏光板であり、透明支持体が、下記式(I)によ
り定義されるReレターデーション値が10乃至70n
mの範囲にあり、下記式(II)により定義されるRthレ
ターデーション値が70乃至400nmの範囲にあり、
そして、遅相軸角度の標準偏差が1.5°以下であるポ
リマーフイルムからなり、透明支持体の遅相軸の平均方
向と偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対値が3°以下に
なるように配置されていることを特徴とする液晶表示装
置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
びその両側に配置された二枚の偏光板からなる液晶表示
装置であって、少なくとも一方の偏光板が、ディスコテ
ィック液晶性分子から形成した光学異方性層、透明支持
体、偏光膜、そして透明保護膜の順序、または透明支持
体、ディスコティック液晶性分子から形成した光学異方
性層、偏光膜、そして透明保護膜の順序で設けられてい
る楕円偏光板であり、透明支持体が、下記式(I)によ
り定義されるReレターデーション値が10乃至70n
mの範囲にあり、下記式(II)により定義されるRthレ
ターデーション値が70乃至400nmの範囲にあり、
そして、遅相軸角度の標準偏差が1.5°以下であるポ
リマーフイルムからなり、透明支持体の遅相軸の平均方
向と偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対値が3°以下に
なるように配置されていることを特徴とする液晶表示装
置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
【0014】(17)ディスコティック液晶性分子から
形成した光学異方性層、透明支持体、透明保護膜、偏光
膜、そして透明保護膜の順序、または透明支持体、ディ
スコティック液晶性分子から形成した光学異方性層、透
明保護膜、偏光膜、そして透明保護膜の順序で設けられ
ている楕円偏光板であって、透明支持体が、下記式
(I)により定義されるReレターデーション値が10
乃至70nmの範囲にあり、下記式(II)により定義さ
れるRthレターデーション値が70乃至400nmの範
囲にあり、そして、遅相軸角度の標準偏差が1.5°以
下であるポリマーフイルムからなり、透明支持体の遅相
軸の平均方向と偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対値が
3°以下になるように配置されていることを特徴とする
楕円偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
形成した光学異方性層、透明支持体、透明保護膜、偏光
膜、そして透明保護膜の順序、または透明支持体、ディ
スコティック液晶性分子から形成した光学異方性層、透
明保護膜、偏光膜、そして透明保護膜の順序で設けられ
ている楕円偏光板であって、透明支持体が、下記式
(I)により定義されるReレターデーション値が10
乃至70nmの範囲にあり、下記式(II)により定義さ
れるRthレターデーション値が70乃至400nmの範
囲にあり、そして、遅相軸角度の標準偏差が1.5°以
下であるポリマーフイルムからなり、透明支持体の遅相
軸の平均方向と偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対値が
3°以下になるように配置されていることを特徴とする
楕円偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
【0015】(18)透明支持体と偏光膜との間の透明
保護膜が、下記式(I)により定義されるReレターデ
ーション値が10乃至70nmの範囲にあり、下記式
(II)により定義されるRthレターデーション値が70
乃至400nmの範囲にあり、そして、遅相軸角度の標
準偏差が1.5°以下であるポリマーフイルムからな
り、透明保護膜の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸と
のなす角度の絶対値が3°以下になるように配置されて
いる(17)に記載の楕円偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
保護膜が、下記式(I)により定義されるReレターデ
ーション値が10乃至70nmの範囲にあり、下記式
(II)により定義されるRthレターデーション値が70
乃至400nmの範囲にあり、そして、遅相軸角度の標
準偏差が1.5°以下であるポリマーフイルムからな
り、透明保護膜の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸と
のなす角度の絶対値が3°以下になるように配置されて
いる(17)に記載の楕円偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
【0016】(19)ベンド配向モードの液晶セルおよ
びその両側に配置された二枚の偏光板からなる液晶表示
装置であって、少なくとも一方の偏光板がディスコティ
ック液晶性分子から形成した光学異方性層、透明支持
体、透明保護膜、偏光膜、そして透明保護膜がこの順に
設けられている楕円偏光板であり、透明支持体および透
明支持体と偏光膜との間の透明保護膜が、それぞれ、下
記式(I)により定義されるReレターデーション値が
10乃至70nmの範囲にあり、下記式(II)により定
義されるRthレターデーション値が70乃至400nm
の範囲にあり、そして、遅相軸角度の標準偏差が1.5
°以下であるポリマーフイルムからなり、透明支持体の
遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対
値が3°以下になるように配置されていることを特徴と
する液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
びその両側に配置された二枚の偏光板からなる液晶表示
装置であって、少なくとも一方の偏光板がディスコティ
ック液晶性分子から形成した光学異方性層、透明支持
体、透明保護膜、偏光膜、そして透明保護膜がこの順に
設けられている楕円偏光板であり、透明支持体および透
明支持体と偏光膜との間の透明保護膜が、それぞれ、下
記式(I)により定義されるReレターデーション値が
10乃至70nmの範囲にあり、下記式(II)により定
義されるRthレターデーション値が70乃至400nm
の範囲にあり、そして、遅相軸角度の標準偏差が1.5
°以下であるポリマーフイルムからなり、透明支持体の
遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対
値が3°以下になるように配置されていることを特徴と
する液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。
【0017】(20)ベンド配向モードの液晶セルおよ
びその両側に配置された二枚の偏光板からなる液晶表示
装置であって、液晶セルと少なくとも一方の偏光板との
間に、ディスコティック液晶性分子から形成した光学異
方性層および透明支持体からなる光学補償シートと透明
保護膜とが配置されており、透明支持体および透明保護
膜が、それぞれ、下記式(I)により定義されるReレ
ターデーション値が10乃至70nmの範囲にあり、下
記式(II)により定義されるRthレターデーション値が
70乃至400nmの範囲にあり、そして、遅相軸角度
の標準偏差が1.5°以下であるポリマーフイルムから
なり、透明支持体の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸
とのなす角度の絶対値が3°以下になるように配置され
ていることを特徴とする液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、ポリマーフイルム面内の遅相軸方向の
屈折率であり;nyは、ポリマーフイルム面内の進相軸
方向の屈折率であり;nzは、ポリマーフイルムの厚み
方向の屈折率であり;そして、dは、ポリマーフイルム
の厚さである]。
びその両側に配置された二枚の偏光板からなる液晶表示
装置であって、液晶セルと少なくとも一方の偏光板との
間に、ディスコティック液晶性分子から形成した光学異
方性層および透明支持体からなる光学補償シートと透明
保護膜とが配置されており、透明支持体および透明保護
膜が、それぞれ、下記式(I)により定義されるReレ
ターデーション値が10乃至70nmの範囲にあり、下
記式(II)により定義されるRthレターデーション値が
70乃至400nmの範囲にあり、そして、遅相軸角度
の標準偏差が1.5°以下であるポリマーフイルムから
なり、透明支持体の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸
とのなす角度の絶対値が3°以下になるように配置され
ていることを特徴とする液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、ポリマーフイルム面内の遅相軸方向の
屈折率であり;nyは、ポリマーフイルム面内の進相軸
方向の屈折率であり;nzは、ポリマーフイルムの厚み
方向の屈折率であり;そして、dは、ポリマーフイルム
の厚さである]。
【0018】(21)透明支持体と透明保護膜とが同一
のポリマーフイルムである(19)または(20)に記
載の液晶表示装置。なお、本明細書において、光学補償
シートの透明支持体として用いられるポリマーフイルム
の遅相軸角度の標準偏差とは、任意の基準方向(例え
ば、ポリマーフイルムの延伸方向)と10点の測定個所
で測定した遅相軸との角度(10点)の標準偏差を意味
する。10点の測定個所は、フイルムの幅方向で等間隔
に設定する。また、本明細書において、「遅相軸(slow
axis) 」は屈折率が最大となる方向を、そして「透過軸
(transmission axis) 」は透過率が最大となる方向を
意味する。
のポリマーフイルムである(19)または(20)に記
載の液晶表示装置。なお、本明細書において、光学補償
シートの透明支持体として用いられるポリマーフイルム
の遅相軸角度の標準偏差とは、任意の基準方向(例え
ば、ポリマーフイルムの延伸方向)と10点の測定個所
で測定した遅相軸との角度(10点)の標準偏差を意味
する。10点の測定個所は、フイルムの幅方向で等間隔
に設定する。また、本明細書において、「遅相軸(slow
axis) 」は屈折率が最大となる方向を、そして「透過軸
(transmission axis) 」は透過率が最大となる方向を
意味する。
【0019】
【発明の効果】本発明者の研究の結果、ベンド配向モー
ドの液晶セルを適切に光学補償することができる光学補
償シートを得ることに成功した。本発明の光学補償シー
トでは、ディスコティック液晶性分子から形成した光学
異方性層の光学異方性と、透明支持体の光学異方性とが
協調してベンド配向モードの液晶セルを光学的に補償す
る。透明支持体として、レターデーション値と遅相軸角
度の標準偏差とを制御したポリマーフイルムを用いる
と、ベンド配向モードの液晶セルを適切に光学的に補償
し、液晶パネル面内で均一かつ良好な表示特性を得るこ
とができる。
ドの液晶セルを適切に光学補償することができる光学補
償シートを得ることに成功した。本発明の光学補償シー
トでは、ディスコティック液晶性分子から形成した光学
異方性層の光学異方性と、透明支持体の光学異方性とが
協調してベンド配向モードの液晶セルを光学的に補償す
る。透明支持体として、レターデーション値と遅相軸角
度の標準偏差とを制御したポリマーフイルムを用いる
と、ベンド配向モードの液晶セルを適切に光学的に補償
し、液晶パネル面内で均一かつ良好な表示特性を得るこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】[液晶表示装置の基本構成]図1
は、ベンド配向モードの液晶セル内における配向状態を
模式的に示す断面図である。図1に示すように、ベンド
配向液晶セルは、上基板(14a)と下基板(14b)
の間に液晶性化合物(11)を封入した構造を有する。
ベンド配向液晶セルに使用する液晶性化合物(11)
は、一般に正の誘電率異方性を有する。液晶セルの上基
板(14a)と下基板(14b)は、それぞれ、配向膜
(12a、12b)と電極層(13a、13b)を有す
る。配向膜は棒状液晶性分子(11a〜11j)を配向
させる機能を有する。RDは配向膜のラビング方向であ
る。電極層は棒状液晶性分子(11a〜11j)に電圧
を印加する機能を有する。ベンド配向液晶セルの印加電
圧が低い時、図1のoffに示すように、液晶セルの上
基板(14a)側の棒状液晶性分子(11a〜11e)
と下基板(14b)側の棒状液晶性分子(11f〜11
j)とは、実質的に逆の向きに(上下対称に)に配向す
る。また、基板(14a、14b)近傍の棒状液晶性分
子(11a、11b、11i、11j)は、ほぼ水平方
向に配向し、液晶セル中央部の棒状液晶性分子(11d
〜11g)は、ほぼ垂直方向に配向する。図1のonに
示すように、印加電圧が高いと、基板(14a、14
b)近傍の棒状液晶性分子(11a、11j)は、ほぼ
水平に配向したままである。また、液晶セル中央部の棒
状液晶性分子(11e、11f)は、ほぼ垂直に配向し
たままである。電圧の増加により配向が変化するのは、
基板と液晶セル中央部との中間に位置する棒状液晶性分
子(11b、11c、11d、11g、11h、11
i)であり、これらはoffの状態よりも垂直に配向す
る。しかし、液晶セルの上基板(14a)側の棒状液晶
性分子(11a〜11e)と下基板(14b)側の棒状
液晶性分子(11f〜11j)とが、実質的に逆の向き
に(上下対称に)に配向することは、offの状態と同
様である。
は、ベンド配向モードの液晶セル内における配向状態を
模式的に示す断面図である。図1に示すように、ベンド
配向液晶セルは、上基板(14a)と下基板(14b)
の間に液晶性化合物(11)を封入した構造を有する。
ベンド配向液晶セルに使用する液晶性化合物(11)
は、一般に正の誘電率異方性を有する。液晶セルの上基
板(14a)と下基板(14b)は、それぞれ、配向膜
(12a、12b)と電極層(13a、13b)を有す
る。配向膜は棒状液晶性分子(11a〜11j)を配向
させる機能を有する。RDは配向膜のラビング方向であ
る。電極層は棒状液晶性分子(11a〜11j)に電圧
を印加する機能を有する。ベンド配向液晶セルの印加電
圧が低い時、図1のoffに示すように、液晶セルの上
基板(14a)側の棒状液晶性分子(11a〜11e)
と下基板(14b)側の棒状液晶性分子(11f〜11
j)とは、実質的に逆の向きに(上下対称に)に配向す
る。また、基板(14a、14b)近傍の棒状液晶性分
子(11a、11b、11i、11j)は、ほぼ水平方
向に配向し、液晶セル中央部の棒状液晶性分子(11d
〜11g)は、ほぼ垂直方向に配向する。図1のonに
示すように、印加電圧が高いと、基板(14a、14
b)近傍の棒状液晶性分子(11a、11j)は、ほぼ
水平に配向したままである。また、液晶セル中央部の棒
状液晶性分子(11e、11f)は、ほぼ垂直に配向し
たままである。電圧の増加により配向が変化するのは、
基板と液晶セル中央部との中間に位置する棒状液晶性分
子(11b、11c、11d、11g、11h、11
i)であり、これらはoffの状態よりも垂直に配向す
る。しかし、液晶セルの上基板(14a)側の棒状液晶
性分子(11a〜11e)と下基板(14b)側の棒状
液晶性分子(11f〜11j)とが、実質的に逆の向き
に(上下対称に)に配向することは、offの状態と同
様である。
【0021】図2は、楕円偏光板を示す模式図である。
図2に示す楕円偏光板は、ディスコティック液晶性分子
(31a〜31e)から形成した光学異方性層(3
1)、光学異方性を有する透明支持体(33)および偏
光膜(34)の積層体からなる。図2に示す楕円偏光板
は、光学異方性層(31)と透明支持体(33)との間
に配向膜(32)を有する。ディスコティック液晶性分
子(31a〜31e)は、平面分子であって、分子中に
はただ一個の平面、すなわち円盤面を持つ。円盤面は、
透明支持体(33)の面に対して傾斜している。円盤面
と支持体面との間の角度(傾斜角)は、円盤状化合物と
配向膜からの距離が増加するに伴って増加している。平
均傾斜角は、20乃至50°の範囲であることが好まし
い。図2に示すように傾斜角を変化させると、楕円偏光
板の視野角拡大機能が著しく向上する。また、傾斜角を
変化させた楕円偏光板には、表示画像の反転、階調変化
あるいは着色の発生を防止する機能もある。図2では、
ディスコティック液晶性分子(31a〜31e)の円盤
面の法線(NL)を透明支持体面へ正射影した方向(P
L)の平均が、配向膜(32)のラビング方向(RD)
と反平行の関係になる。ディスコティック液晶性分子の
円盤面の法線の透明支持体面への正射影の平均方向と透
明支持体(33)の面内遅相軸(SA)との角度は、実
質的に45゜であることが好ましい。そのためには、楕
円偏光板の製造工程において、配向膜(32)のラビン
グ方向(RD)と透明支持体の面内遅相軸(SA)との
角度(θ)を実質的に45゜になるように調節すればよ
い。さらに図2では、透明支持体(33)の面内遅相軸
(SA)と偏光膜(34)の面内透過軸(TA)とが実
質的に平行になるように透明支持体と偏光膜とを配置し
ている。透明支持体(33)の面内遅相軸(SA)は、
原則として透明支持体の延伸方向に相当する。偏光膜
(34)の面内透過軸(TA)は、原則として偏光膜の
延伸方向に垂直な方向に相当する。
図2に示す楕円偏光板は、ディスコティック液晶性分子
(31a〜31e)から形成した光学異方性層(3
1)、光学異方性を有する透明支持体(33)および偏
光膜(34)の積層体からなる。図2に示す楕円偏光板
は、光学異方性層(31)と透明支持体(33)との間
に配向膜(32)を有する。ディスコティック液晶性分
子(31a〜31e)は、平面分子であって、分子中に
はただ一個の平面、すなわち円盤面を持つ。円盤面は、
透明支持体(33)の面に対して傾斜している。円盤面
と支持体面との間の角度(傾斜角)は、円盤状化合物と
配向膜からの距離が増加するに伴って増加している。平
均傾斜角は、20乃至50°の範囲であることが好まし
い。図2に示すように傾斜角を変化させると、楕円偏光
板の視野角拡大機能が著しく向上する。また、傾斜角を
変化させた楕円偏光板には、表示画像の反転、階調変化
あるいは着色の発生を防止する機能もある。図2では、
ディスコティック液晶性分子(31a〜31e)の円盤
面の法線(NL)を透明支持体面へ正射影した方向(P
L)の平均が、配向膜(32)のラビング方向(RD)
と反平行の関係になる。ディスコティック液晶性分子の
円盤面の法線の透明支持体面への正射影の平均方向と透
明支持体(33)の面内遅相軸(SA)との角度は、実
質的に45゜であることが好ましい。そのためには、楕
円偏光板の製造工程において、配向膜(32)のラビン
グ方向(RD)と透明支持体の面内遅相軸(SA)との
角度(θ)を実質的に45゜になるように調節すればよ
い。さらに図2では、透明支持体(33)の面内遅相軸
(SA)と偏光膜(34)の面内透過軸(TA)とが実
質的に平行になるように透明支持体と偏光膜とを配置し
ている。透明支持体(33)の面内遅相軸(SA)は、
原則として透明支持体の延伸方向に相当する。偏光膜
(34)の面内透過軸(TA)は、原則として偏光膜の
延伸方向に垂直な方向に相当する。
【0022】図3は、ベンド配向モードの液晶表示装置
を示す模式図である。図3に示す液晶表示装置は、ベン
ド配向液晶セル(10)、液晶セルの両側に配置された
一対の楕円偏光板(31A〜34A、31B〜34B)
およびバックライト(BL)からなる。ベンド配向液晶
セル(10)は、図1に示した液晶セルに相当する。液
晶セル(10)の上下のラビング方向(RD2、RD
3)は、同一方向(平行)である。楕円偏光板は、液晶
セル(10)側から、光学異方性層(31A、31
B)、透明支持体(33A、33B)および偏光膜(3
4A、34B)がこの順に積層されている。光学異方性
層(31A、31B)のディスコティック液晶性分子を
配向させるためのラビング方向(RD1、RD4)は、
対面する液晶セルのラビング方向(RD2、RD3)と
は反平行の関係にある。前述したように、ディスコティ
ック液晶性分子のラビング方向(RD1、RD4)は、
円盤面の法線を透明支持体面へ正射影した平均方向と反
平行になる。透明支持体(33A、33B)の面内遅相
軸(SA1、SA2)および偏光膜(34A、34B)
の面内透過軸(TA1、TA2)は、ディスコティック
液晶性分子のラビング方向(RD1、RD4)と同一平
面では実質的に45゜の角度になる。そして、二枚の偏
光膜(34A、34B)は、面内透過軸(TA1、TA
2)が互いに直交するよう(クロスニコル)に配置され
ている。
を示す模式図である。図3に示す液晶表示装置は、ベン
ド配向液晶セル(10)、液晶セルの両側に配置された
一対の楕円偏光板(31A〜34A、31B〜34B)
およびバックライト(BL)からなる。ベンド配向液晶
セル(10)は、図1に示した液晶セルに相当する。液
晶セル(10)の上下のラビング方向(RD2、RD
3)は、同一方向(平行)である。楕円偏光板は、液晶
セル(10)側から、光学異方性層(31A、31
B)、透明支持体(33A、33B)および偏光膜(3
4A、34B)がこの順に積層されている。光学異方性
層(31A、31B)のディスコティック液晶性分子を
配向させるためのラビング方向(RD1、RD4)は、
対面する液晶セルのラビング方向(RD2、RD3)と
は反平行の関係にある。前述したように、ディスコティ
ック液晶性分子のラビング方向(RD1、RD4)は、
円盤面の法線を透明支持体面へ正射影した平均方向と反
平行になる。透明支持体(33A、33B)の面内遅相
軸(SA1、SA2)および偏光膜(34A、34B)
の面内透過軸(TA1、TA2)は、ディスコティック
液晶性分子のラビング方向(RD1、RD4)と同一平
面では実質的に45゜の角度になる。そして、二枚の偏
光膜(34A、34B)は、面内透過軸(TA1、TA
2)が互いに直交するよう(クロスニコル)に配置され
ている。
【0023】図4は、ベンド配向モードの液晶表示装置
における光学補償の関係を示す概念図である。図4に示
すように、ベンド配向液晶セル(10)を、ディスコテ
ィック液晶性分子から形成した光学異方性層(31A、
31B)と光学異方性を有する透明支持体(33A、3
3B)とが協調して、光学的に補償する。光学異方性層
(31A、31B)のディスコティック液晶性分子を配
向させるためのラビング方向(RD1、RD4)を、液
晶セルのラビング方向(RD2、RD3)とは反平行の
関係に設定すると、ベンド配向液晶セル(10)の液晶
性分子と光学異方性層(31A、31B)の円ディスコ
ティック液晶性分子とが対応(a〜c、e〜g)して、
光学的に補償する。そして、ベンド配向液晶セル(1
0)中央部の実質的に垂直に配向している液晶性分子に
は、透明支持体(33A、33B)の光学異方性が対応
(d、h)するように設計されている。なお、透明支持
体(33A、33B)に記入した楕円は、透明支持体の
光学異方性により生じる屈折率楕円である。
における光学補償の関係を示す概念図である。図4に示
すように、ベンド配向液晶セル(10)を、ディスコテ
ィック液晶性分子から形成した光学異方性層(31A、
31B)と光学異方性を有する透明支持体(33A、3
3B)とが協調して、光学的に補償する。光学異方性層
(31A、31B)のディスコティック液晶性分子を配
向させるためのラビング方向(RD1、RD4)を、液
晶セルのラビング方向(RD2、RD3)とは反平行の
関係に設定すると、ベンド配向液晶セル(10)の液晶
性分子と光学異方性層(31A、31B)の円ディスコ
ティック液晶性分子とが対応(a〜c、e〜g)して、
光学的に補償する。そして、ベンド配向液晶セル(1
0)中央部の実質的に垂直に配向している液晶性分子に
は、透明支持体(33A、33B)の光学異方性が対応
(d、h)するように設計されている。なお、透明支持
体(33A、33B)に記入した楕円は、透明支持体の
光学異方性により生じる屈折率楕円である。
【0024】[ポリマーフイルムのレターデーション
値]ポリマーフイルムのReレターデーション値および
Rthレターデーション値は、それぞれ、下記式(I)お
よび(II)で定義される。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内
の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率であ
る。式(I)および(II)において、nyは、フイルム
面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率
である。式(II)において、nzは、フイルムの厚み方
向の屈折率である。式(I)および(II)において、d
は、単位をnmとするフイルムの厚さである。
値]ポリマーフイルムのReレターデーション値および
Rthレターデーション値は、それぞれ、下記式(I)お
よび(II)で定義される。 (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内
の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率であ
る。式(I)および(II)において、nyは、フイルム
面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率
である。式(II)において、nzは、フイルムの厚み方
向の屈折率である。式(I)および(II)において、d
は、単位をnmとするフイルムの厚さである。
【0025】本発明では、ポリマーフイルムのReレタ
ーデーション値を10乃至70nm、そして、Rthレタ
ーデーション値を70乃至400nmに調節する。液晶
表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフイルムを使用
する場合、フイルムのRthレターデーション値は70乃
至200nmであることが好ましい。液晶表示装置に一
枚の光学的異方性ポリマーフイルムを使用する場合、フ
イルムのRthレターデーション値は150乃至400n
mであることが好ましい。なお、ポリマーフイルムの複
屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00025乃至
0.00088であることが好ましい。また、透明支持
体の厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}
は、0.00088乃至0.005であることが好まし
い。
ーデーション値を10乃至70nm、そして、Rthレタ
ーデーション値を70乃至400nmに調節する。液晶
表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフイルムを使用
する場合、フイルムのRthレターデーション値は70乃
至200nmであることが好ましい。液晶表示装置に一
枚の光学的異方性ポリマーフイルムを使用する場合、フ
イルムのRthレターデーション値は150乃至400n
mであることが好ましい。なお、ポリマーフイルムの複
屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00025乃至
0.00088であることが好ましい。また、透明支持
体の厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}
は、0.00088乃至0.005であることが好まし
い。
【0026】[ポリマーフイルムの遅相軸角度]透明支持
体面内における遅相軸の角度は、ポリマーフイルムの延
伸方向を基準線(0°)とし、遅相軸と基準線のなす角
度で定義する。ここで、ロール形態のフイルムを幅方向
に延伸する時は幅方向を基準線とし、長手方向に延伸す
る時は長手方向を基準線とする。遅相軸角度の平均値は
3°以下であることが好ましく、2°以下であることが
さらに好ましく、1°以下であることが最も好ましい。
遅相軸角度の平均値の方向を遅相軸の平均方向と定義す
る。また、遅相軸角度の標準偏差は1.5°以下である
ことが好ましく、0.8°以下であることがにさら好ま
しく、0.4°以下であることが最も好ましい。
体面内における遅相軸の角度は、ポリマーフイルムの延
伸方向を基準線(0°)とし、遅相軸と基準線のなす角
度で定義する。ここで、ロール形態のフイルムを幅方向
に延伸する時は幅方向を基準線とし、長手方向に延伸す
る時は長手方向を基準線とする。遅相軸角度の平均値は
3°以下であることが好ましく、2°以下であることが
さらに好ましく、1°以下であることが最も好ましい。
遅相軸角度の平均値の方向を遅相軸の平均方向と定義す
る。また、遅相軸角度の標準偏差は1.5°以下である
ことが好ましく、0.8°以下であることがにさら好ま
しく、0.4°以下であることが最も好ましい。
【0027】[ポリマーフイルム]本発明に用いるポリ
マーフイルムとしては、光透過率が80%以上であるポ
リマーフイルムを用いることが好ましい。ポリマーフイ
ルムとしては、外力により複屈折が発現しにくいものが
好ましい。ポリマーの例には、セルロース系ポリマー、
ノルボルネン系ポリマー(例、アートン、JSR(株)
製);ゼオノア、日本ゼオン(株)製;ゼオネックス、
日本ゼオン(株)製)およびポリメチルメタクリレート
が含まれる。セルロース系ポリマーが好ましく、セルロ
ースエステルがより好ましく、セルロースの低級脂肪酸
エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子
数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セ
ルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネー
ト)または4(セルロースブチレート)であることが好
ましい。セルロースエステルとしてはセルロースアセテ
ートが好ましく、その例としては、ジアセチルセルロー
スおよびトリアセチルセルロースなどが挙げられる。セ
ルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテ
ートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いても
良い。一般に、セルロースアセテートの2,3,6の水
酸基は全体の置換度の1/3づつに均等に分配されるわ
けではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向があ
る。本発明ではセルロースアセテートの6位水酸基の置
換度が、2,3位に比べて多いほうが好ましい。全体の
置換度に対して6位の水酸基が30%以上40%以下ア
シル基で置換されていることが好ましく、更には31%
以上、特に32%以上であることが好ましい。さらにセ
ルロースアセテートの6位アシル基の置換度が0.88
以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基
以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル基、
ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロ
イル基などで置換されていてもよい。各位置の置換度の
測定は、NMRによって求める事ができる。本発明のセ
ルロースアセテートとして、特開平11−5851号公
報の段落番号0043〜0044に記載されている合成
例1、段落番号0048〜0049に記載されている合
成例2、そして段落番号0051〜0052に記載され
ている合成例3の合成方法により得られたセルロースア
セテートを用いることができる。
マーフイルムとしては、光透過率が80%以上であるポ
リマーフイルムを用いることが好ましい。ポリマーフイ
ルムとしては、外力により複屈折が発現しにくいものが
好ましい。ポリマーの例には、セルロース系ポリマー、
ノルボルネン系ポリマー(例、アートン、JSR(株)
製);ゼオノア、日本ゼオン(株)製;ゼオネックス、
日本ゼオン(株)製)およびポリメチルメタクリレート
が含まれる。セルロース系ポリマーが好ましく、セルロ
ースエステルがより好ましく、セルロースの低級脂肪酸
エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子
数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セ
ルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネー
ト)または4(セルロースブチレート)であることが好
ましい。セルロースエステルとしてはセルロースアセテ
ートが好ましく、その例としては、ジアセチルセルロー
スおよびトリアセチルセルロースなどが挙げられる。セ
ルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテ
ートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いても
良い。一般に、セルロースアセテートの2,3,6の水
酸基は全体の置換度の1/3づつに均等に分配されるわ
けではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向があ
る。本発明ではセルロースアセテートの6位水酸基の置
換度が、2,3位に比べて多いほうが好ましい。全体の
置換度に対して6位の水酸基が30%以上40%以下ア
シル基で置換されていることが好ましく、更には31%
以上、特に32%以上であることが好ましい。さらにセ
ルロースアセテートの6位アシル基の置換度が0.88
以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基
以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル基、
ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロ
イル基などで置換されていてもよい。各位置の置換度の
測定は、NMRによって求める事ができる。本発明のセ
ルロースアセテートとして、特開平11−5851号公
報の段落番号0043〜0044に記載されている合成
例1、段落番号0048〜0049に記載されている合
成例2、そして段落番号0051〜0052に記載され
ている合成例3の合成方法により得られたセルロースア
セテートを用いることができる。
【0028】光学補償シートを使用した透過型液晶表示
装置において、通電後時間が経過すると画面周辺部に
「額縁状の表示ムラ」が発生することがある。このムラ
は、画面周辺部の透過率の上昇によるものであり、特に
黒表示時において顕著となる。透過型液晶表示装置で
は、バックライトから発熱しており、しかも液晶セル面
内で温度分布が生じる。この温度分布により光学補償シ
ートの光学特性(レターデーション値、遅相軸の角度)
が変化することが「額縁状の表示ムラ」の発生原因であ
る。光学補償シートの光学特性の変化は、温度上昇によ
る光学補償シートの膨張または収縮が液晶セルまたは偏
光板との粘着により抑制されるために、光学補償シート
に弾性変形が生じることに起因する。上記のような「額
縁状の表示ムラ」を抑制するには、光学補償シートに熱
伝導率が高いポリマーフイルムを使用することが好まし
い。熱伝導率が高いポリマーとしては、セルロースアセ
テート{0.22W/(m・℃)}、低密度ポリエチレ
ン{0.34W/(m・℃)}、ABS{0.36W/
(m・℃)}、ポリカーボネート{0.19W/(m・
℃)}が好ましい。環状オレフィンポリマーである、Z
EONEX{0.20W/(m・℃)、日本ゼオン
(株)製}、ZEONOR{0.20W/(m・℃)、
日本ゼオン(株)製}、ARTON{0.20W/(m
・℃)、JSR(株)製}も好ましい。
装置において、通電後時間が経過すると画面周辺部に
「額縁状の表示ムラ」が発生することがある。このムラ
は、画面周辺部の透過率の上昇によるものであり、特に
黒表示時において顕著となる。透過型液晶表示装置で
は、バックライトから発熱しており、しかも液晶セル面
内で温度分布が生じる。この温度分布により光学補償シ
ートの光学特性(レターデーション値、遅相軸の角度)
が変化することが「額縁状の表示ムラ」の発生原因であ
る。光学補償シートの光学特性の変化は、温度上昇によ
る光学補償シートの膨張または収縮が液晶セルまたは偏
光板との粘着により抑制されるために、光学補償シート
に弾性変形が生じることに起因する。上記のような「額
縁状の表示ムラ」を抑制するには、光学補償シートに熱
伝導率が高いポリマーフイルムを使用することが好まし
い。熱伝導率が高いポリマーとしては、セルロースアセ
テート{0.22W/(m・℃)}、低密度ポリエチレ
ン{0.34W/(m・℃)}、ABS{0.36W/
(m・℃)}、ポリカーボネート{0.19W/(m・
℃)}が好ましい。環状オレフィンポリマーである、Z
EONEX{0.20W/(m・℃)、日本ゼオン
(株)製}、ZEONOR{0.20W/(m・℃)、
日本ゼオン(株)製}、ARTON{0.20W/(m
・℃)、JSR(株)製}も好ましい。
【0029】上記の光学的な特性と、熱的な特性を考慮
して、本発明のポリマーフイルムとしては、酢化度が5
9.0乃至61.5%であるセルロースアセテートフイ
ルムを用いることが好ましい。酢化度とは、セルロース
単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、A
STM:D−817−91(セルロースアセテート等の
試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従
う。また、ポリマーフイルムの粘度平均重合度(DP)
は、250以上であることが好ましく、290以上であ
ることがさらに好ましい。また、ポリマーフイルムは、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/
Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の
分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mn
の値としては、1.0乃至1.7であることが好まし
く、1.3乃至1.65であることがさらに好ましく、
1.4乃至1.6であることが最も好ましい。
して、本発明のポリマーフイルムとしては、酢化度が5
9.0乃至61.5%であるセルロースアセテートフイ
ルムを用いることが好ましい。酢化度とは、セルロース
単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、A
STM:D−817−91(セルロースアセテート等の
試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従
う。また、ポリマーフイルムの粘度平均重合度(DP)
は、250以上であることが好ましく、290以上であ
ることがさらに好ましい。また、ポリマーフイルムは、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/
Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の
分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mn
の値としては、1.0乃至1.7であることが好まし
く、1.3乃至1.65であることがさらに好ましく、
1.4乃至1.6であることが最も好ましい。
【0030】[レターデーション上昇剤]ポリマーフイ
ルムのレターデーションを調整するため、少なくとも二
つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション
上昇剤として使用する。ポリマーフイルムとしてセルロ
ースアセテートフイルムを用いる場合、芳香族化合物
は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.
01乃至20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物
は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.
05乃至15質量部の範囲で使用することが好ましく、
0.1乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好
ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。
芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加え
て、芳香族性ヘテロ環を含む。
ルムのレターデーションを調整するため、少なくとも二
つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション
上昇剤として使用する。ポリマーフイルムとしてセルロ
ースアセテートフイルムを用いる場合、芳香族化合物
は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.
01乃至20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物
は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.
05乃至15質量部の範囲で使用することが好ましく、
0.1乃至10質量部の範囲で使用することがさらに好
ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。
芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加え
て、芳香族性ヘテロ環を含む。
【0031】芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、
ベンゼン環)であることが特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ
環は、5員環、6員環または7員環であることが好まし
く、5員環または6員環であることがさらに好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。
ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原
子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、
オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、
イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フ
ラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピ
リダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,
5−トリアジン環が含まれる。芳香族環としては、ベン
ゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサ
ゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾー
ル環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および
1,3,5−トリアジン環が好ましく、ベンゼン環およ
び1,3,5−トリアジン環がさらに好ましい。芳香族
化合物は、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環
を有することが特に好ましい。
ベンゼン環)であることが特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ
環は、5員環、6員環または7員環であることが好まし
く、5員環または6員環であることがさらに好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。
ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原
子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、
オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、
イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フ
ラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピ
リダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,
5−トリアジン環が含まれる。芳香族環としては、ベン
ゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサ
ゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾー
ル環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および
1,3,5−トリアジン環が好ましく、ベンゼン環およ
び1,3,5−トリアジン環がさらに好ましい。芳香族
化合物は、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環
を有することが特に好ましい。
【0032】芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2
乃至20であることが好ましく、2乃至12であること
がより好ましく、2乃至8であることがさらに好まし
く、2乃至6であることが最も好ましい。二つの芳香族
環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)
単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合
する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は
形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれ
でもよい。
乃至20であることが好ましく、2乃至12であること
がより好ましく、2乃至8であることがさらに好まし
く、2乃至6であることが最も好ましい。二つの芳香族
環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)
単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合
する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は
形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれ
でもよい。
【0033】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、イン
ドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾ
チオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール
環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベン
ゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメ
ン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キ
ナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジ
ン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、
フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フ
ェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン
環およびチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、ア
ズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベン
ゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリア
ゾール環およびキノリン環が好ましい。(b)の単結合
は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好
ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、
二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環
を形成してもよい。
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、イン
ドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾ
チオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール
環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベン
ゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメ
ン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キ
ナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジ
ン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、
フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フ
ェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン
環およびチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、ア
ズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベン
ゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリア
ゾール環およびキノリン環が好ましい。(b)の単結合
は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好
ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、
二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環
を形成してもよい。
【0034】(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO
−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−
CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO
−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−
CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0035】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シア
ノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファ
モイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル
基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族
置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換
スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香
族性複素環基が含まれる。
いてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シア
ノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファ
モイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル
基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族
置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換
スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香
族性複素環基が含まれる。
【0036】アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であ
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0037】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0038】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。、脂
肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含
まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の
例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド
およびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族
置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。レターデーション
上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ま
しいレターデーション上昇剤の具体例としては、特開2
000−111914号公報、同2000−27543
4号公報、PCT/JP00/02619号明細書等に
記載されている。
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。、脂
肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含
まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の
例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド
およびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族
置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。レターデーション
上昇剤の分子量は、300乃至800であることが好ま
しいレターデーション上昇剤の具体例としては、特開2
000−111914号公報、同2000−27543
4号公報、PCT/JP00/02619号明細書等に
記載されている。
【0039】[ポリマーフイルムの製造]以下、ポリマ
ーフイルムとしてセルロースアセテートフイルムを用い
る場合について具体的に説明する。ソルベントキャスト
法によりセルロースアセテートフイルムを製造すること
が好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースア
セテートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いて
フイルムを製造する。有機溶媒は、炭素原子数が3乃至
12のエーテル、炭素原子数が3乃至12のケトン、炭
素原子数が3乃至12のエステルおよび炭素原子数が1
乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むこ
とが好ましい。エーテル、ケトンおよびエステルは、環
状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエ
ステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−
COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機
溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコー
ル性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二
種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原
子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内
であればよい。
ーフイルムとしてセルロースアセテートフイルムを用い
る場合について具体的に説明する。ソルベントキャスト
法によりセルロースアセテートフイルムを製造すること
が好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースア
セテートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いて
フイルムを製造する。有機溶媒は、炭素原子数が3乃至
12のエーテル、炭素原子数が3乃至12のケトン、炭
素原子数が3乃至12のエステルおよび炭素原子数が1
乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むこ
とが好ましい。エーテル、ケトンおよびエステルは、環
状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエ
ステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−
COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機
溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコー
ル性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二
種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原
子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内
であればよい。
【0040】炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。なお、技術的
には、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素は
問題なく使用できるが、地球環境や作業環境の観点で
は、有機溶媒はハロゲン化炭化水素を実質的に含まない
ことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶媒
中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(好まし
くは2質量%未満)であることを意味する。また、製造
したセルロースアシレートフイルムから、メチレンクロ
リドのようなハロゲン化炭化水素が全く検出されないこ
とが好ましい。二種類以上の有機溶媒を混合して用いて
もよい。
には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネ
トールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類
の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至
12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピ
ルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテー
ト、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含ま
れる。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、
2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノー
ルおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン
化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好
ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化
水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲ
ン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている
割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、3
0乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至
65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60
モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリド
が、代表的なハロゲン化炭化水素である。なお、技術的
には、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素は
問題なく使用できるが、地球環境や作業環境の観点で
は、有機溶媒はハロゲン化炭化水素を実質的に含まない
ことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶媒
中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(好まし
くは2質量%未満)であることを意味する。また、製造
したセルロースアシレートフイルムから、メチレンクロ
リドのようなハロゲン化炭化水素が全く検出されないこ
とが好ましい。二種類以上の有機溶媒を混合して用いて
もよい。
【0041】一般的な方法でセルロースアセテート溶液
を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常
温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調
製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調
製方法および装置を用いて実施することができる。な
お、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化
炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ま
しい。セルロースアセテートの量は、得られる溶液中に
10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30質量%であることが
さらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する
任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温
(0乃至40℃)でセルロースアセテートと有機溶媒と
を攪拌することにより調製することができる。高濃度の
溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体
的には、セルロースアセテートと有機溶媒とを加圧容器
に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以
上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪
拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好まし
くは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃
至110℃である。
を調製できる。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常
温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調
製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調
製方法および装置を用いて実施することができる。な
お、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化
炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ま
しい。セルロースアセテートの量は、得られる溶液中に
10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロー
スアセテートの量は、10乃至30質量%であることが
さらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する
任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温
(0乃至40℃)でセルロースアセテートと有機溶媒と
を攪拌することにより調製することができる。高濃度の
溶液は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体
的には、セルロースアセテートと有機溶媒とを加圧容器
に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以
上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪
拌する。加熱温度は、通常は40℃以上であり、好まし
くは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃
至110℃である。
【0042】各成分は予め粗混合してから容器に入れて
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いる
ことができる。また、容器の外部にプレートヒーターを
設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を
加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、こ
れを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の
壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
【0043】本発明のセルロースアセート溶液(ドー
プ)の調製は、冷却溶解法に従い実施され、以下に説明
する。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)で有機溶
媒中にセルロースアセートを撹拌しながら徐々に添加さ
れる。複数の溶媒を用いる場合は、その添加順は特に限
定されない。例えば、主溶媒中にセルロースアセテート
を添加した後に、他の溶媒(例えばアルコールなどのゲ
ル化溶媒など)を添加してもよいし、逆にゲル化溶媒を
予めセルロースアセテートに湿らせた後の主溶媒を加え
てもよく、不均一溶解の防止に有効である。セルロース
アセテートの量は、この混合物中に10〜40質量%含
まれるように調整することが好ましい。セルロースアセ
テートの量は、10〜30質量%であることがさらに好
ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を
添加しておいてもよい。
プ)の調製は、冷却溶解法に従い実施され、以下に説明
する。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)で有機溶
媒中にセルロースアセートを撹拌しながら徐々に添加さ
れる。複数の溶媒を用いる場合は、その添加順は特に限
定されない。例えば、主溶媒中にセルロースアセテート
を添加した後に、他の溶媒(例えばアルコールなどのゲ
ル化溶媒など)を添加してもよいし、逆にゲル化溶媒を
予めセルロースアセテートに湿らせた後の主溶媒を加え
てもよく、不均一溶解の防止に有効である。セルロース
アセテートの量は、この混合物中に10〜40質量%含
まれるように調整することが好ましい。セルロースアセ
テートの量は、10〜30質量%であることがさらに好
ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を
添加しておいてもよい。
【0044】次に、混合物は−100〜−10℃(好ま
しくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−
20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却され
る。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−
75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30
〜−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、
セルロースアセテートと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、特に限定されないがバッチ式での冷却の場
合は、冷却に伴いセルロースアセテート溶液の粘度が上
がり、冷却効率が劣るために所定の冷却温度に達するた
めに効率よい溶解釜とすることが必要である。また、本
発明のセルロースアセテート溶液は膨潤させたあと、所
定の冷却温度にした冷却装置を短時間移送することで達
成できる。冷却速度は、速いほど好ましいが、1000
0℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術
的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限で
ある。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最
終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷
却温度に達するまでの時間で割った値である。さらに、
これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに
好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)
に加温すると、有機溶媒中にセルロースアセテートが流
動する溶液となる。昇温は、室温中に放置するだけでも
よし、温浴中で加温してもよい。
しくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−
20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却され
る。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−
75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30
〜−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、
セルロースアセテートと有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、特に限定されないがバッチ式での冷却の場
合は、冷却に伴いセルロースアセテート溶液の粘度が上
がり、冷却効率が劣るために所定の冷却温度に達するた
めに効率よい溶解釜とすることが必要である。また、本
発明のセルロースアセテート溶液は膨潤させたあと、所
定の冷却温度にした冷却装置を短時間移送することで達
成できる。冷却速度は、速いほど好ましいが、1000
0℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術
的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限で
ある。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最
終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷
却温度に達するまでの時間で割った値である。さらに、
これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに
好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)
に加温すると、有機溶媒中にセルロースアセテートが流
動する溶液となる。昇温は、室温中に放置するだけでも
よし、温浴中で加温してもよい。
【0045】以上のようにして、均一な溶液が得られ
る。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作
を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目
視により溶液の外観を観察するだけで判断することがで
きる。
る。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作
を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目
視により溶液の外観を観察するだけで判断することがで
きる。
【0046】冷却溶解法においては、冷却時の結露によ
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒
により異なる。
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保存する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒
により異なる。
【0047】調製したセルロースアセテート溶液(ドー
プ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセ
テートフイルムを製造する。またドープに、前記のレタ
ーデーション上昇剤を添加することが好ましい。ドープ
は、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させて
フイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が1
0乃至40%、より好ましくは18乃至35%となるよ
うに濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバン
ドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法につ
いては、米国特許2336310号、同2367603
号、同2492078号、同2492977号、同24
92978号、同2607704号、同2739069
号、同2739070号、英国特許640731号、同
736892号の各明細書、特公昭45−4554号、
同49−5614号、特開昭60−176834号、同
60−203430号、同62−115035号の各公
報に記載がある。ドープは、表面温度が10℃以下のド
ラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延し
てから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得
られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さ
らに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で
乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方
法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この
方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮する
ことが可能である。この方法を実施するためには、流延
時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲ
ル化することが必要である。
プ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセ
テートフイルムを製造する。またドープに、前記のレタ
ーデーション上昇剤を添加することが好ましい。ドープ
は、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させて
フイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が1
0乃至40%、より好ましくは18乃至35%となるよ
うに濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバン
ドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法につ
いては、米国特許2336310号、同2367603
号、同2492078号、同2492977号、同24
92978号、同2607704号、同2739069
号、同2739070号、英国特許640731号、同
736892号の各明細書、特公昭45−4554号、
同49−5614号、特開昭60−176834号、同
60−203430号、同62−115035号の各公
報に記載がある。ドープは、表面温度が10℃以下のド
ラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延し
てから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得
られたフイルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さ
らに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で
乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方
法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この
方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮する
ことが可能である。この方法を実施するためには、流延
時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲ
ル化することが必要である。
【0048】本発明では得られたセルロースアセテート
溶液を、支持体としての平滑なバンド上或いはドラム上
に単層液として流延してもよいし、2層以上の複数のセ
ルロースアセテート液を流延してもよい。複数のセルロ
ースアセテート溶液を流延する場合、支持体の進行方向
に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロースアセ
テートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながら
フィルムを作製してもよく、例えば特開昭61−158
414号、特開平1−122419号、特開平11−1
98285号、などに記載の方法が適応できる。また、
2つの流延口からセルロースアセテート溶液を流延する
ことによってもフィルム化することでもよく、例えば特
公昭60−27562号、特開昭61−94724号、
特開昭61−947245号、特開昭61−10481
3号、特開昭61−158413号、特開平6−134
933号、に記載の方法で実施できる。また、特開昭5
6−162617号に記載の高粘度セルロースアセテー
ト溶液の流れを低粘度のセルロースアセテート溶液で包
み込み、その高,低粘度のセルロースアセテート溶液を
同時に押出すセルロースアセテートフィルム流延方法で
もよい。或いはまた2個の流延口を用いて、第一の流延
口により支持体に成型したフィルムを剥ぎ取り、支持体
面に接していた側に第二の流延を行なうことでより、フ
ィルムを作製することでもよく、例えば特公昭44−2
0235号に記載されている方法である。流延するセル
ロースアセテート溶液は同一の溶液でもよいし、異なる
セルロースアセテート溶液でもよく特に限定されない。
複数のセルロースアセテート層に機能を持たせるため
に、その機能に応じたセルロースアシレート溶液を、そ
れぞれの流延口から押出せばよい。
溶液を、支持体としての平滑なバンド上或いはドラム上
に単層液として流延してもよいし、2層以上の複数のセ
ルロースアセテート液を流延してもよい。複数のセルロ
ースアセテート溶液を流延する場合、支持体の進行方向
に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロースアセ
テートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながら
フィルムを作製してもよく、例えば特開昭61−158
414号、特開平1−122419号、特開平11−1
98285号、などに記載の方法が適応できる。また、
2つの流延口からセルロースアセテート溶液を流延する
ことによってもフィルム化することでもよく、例えば特
公昭60−27562号、特開昭61−94724号、
特開昭61−947245号、特開昭61−10481
3号、特開昭61−158413号、特開平6−134
933号、に記載の方法で実施できる。また、特開昭5
6−162617号に記載の高粘度セルロースアセテー
ト溶液の流れを低粘度のセルロースアセテート溶液で包
み込み、その高,低粘度のセルロースアセテート溶液を
同時に押出すセルロースアセテートフィルム流延方法で
もよい。或いはまた2個の流延口を用いて、第一の流延
口により支持体に成型したフィルムを剥ぎ取り、支持体
面に接していた側に第二の流延を行なうことでより、フ
ィルムを作製することでもよく、例えば特公昭44−2
0235号に記載されている方法である。流延するセル
ロースアセテート溶液は同一の溶液でもよいし、異なる
セルロースアセテート溶液でもよく特に限定されない。
複数のセルロースアセテート層に機能を持たせるため
に、その機能に応じたセルロースアシレート溶液を、そ
れぞれの流延口から押出せばよい。
【0049】さらに本発明のセルロースアセテート溶液
は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止
層、アンチハレーション層、UV吸収層、偏光層など)
を同時に流延することも実施しうる。従来の単層液で
は、必要なフィルム厚さにするためには高濃度で高粘度
のセルロースアセテート溶液を押出すことが必要であ
り、その場合セルロースアセテート溶液の安定性が悪く
て固形物が発生し、ブツ故障となったり、平面性が不良
であったりして問題となることが多かった。この解決と
して、複数のセルロースアセテート溶液を流延口から流
延することにより、高粘度の溶液を同時に支持体上に押
出すことができ、平面性も良化し優れた面状のフィルム
が作製できるばかりでなく、濃厚なセルロースアセテー
ト溶液を用いることで乾燥負荷の低減化が達成でき、フ
ィルムの生産スピードを高めることができた。
は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止
層、アンチハレーション層、UV吸収層、偏光層など)
を同時に流延することも実施しうる。従来の単層液で
は、必要なフィルム厚さにするためには高濃度で高粘度
のセルロースアセテート溶液を押出すことが必要であ
り、その場合セルロースアセテート溶液の安定性が悪く
て固形物が発生し、ブツ故障となったり、平面性が不良
であったりして問題となることが多かった。この解決と
して、複数のセルロースアセテート溶液を流延口から流
延することにより、高粘度の溶液を同時に支持体上に押
出すことができ、平面性も良化し優れた面状のフィルム
が作製できるばかりでなく、濃厚なセルロースアセテー
ト溶液を用いることで乾燥負荷の低減化が達成でき、フ
ィルムの生産スピードを高めることができた。
【0050】セルロースアセテートフイルムには、機械
的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため
に、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル
酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フ
タル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが
含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DE
P、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用
いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤
の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25
質量%であることが好ましく、1乃至20質量%である
ことがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが
最も好ましい。
的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するため
に、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、
リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられ
る。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェ
ート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TC
P)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル
酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フ
タル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
フェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシル
フタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステル
の例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACT
E)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが
含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DE
P、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用
いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。可塑剤
の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25
質量%であることが好ましく、1乃至20質量%である
ことがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが
最も好ましい。
【0051】セルロースアセテートフイルムには、劣化
防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加して
もよい。劣化防止剤については、特開平3−19920
1号、同5−1907073号、同5−194789
号、同5−271471号、同6−107854号の各
公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ま
しく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好
ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防
止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%
を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードア
ウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好まし
い劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げる
ことができる。
防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加して
もよい。劣化防止剤については、特開平3−19920
1号、同5−1907073号、同5−194789
号、同5−271471号、同6−107854号の各
公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶
液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ま
しく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好
ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防
止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%
を越えると、フイルム表面への劣化防止剤のブリードア
ウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好まし
い劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエ
ン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げる
ことができる。
【0052】[ポリマーフイルムの延伸処理]作製され
たセルロースアセテートフイルム(ポリマーフイルム)
は、さらに延伸処理によりレターデーションを調整する
ことができる。延伸倍率は、3乃至100%であること
が好ましい。ポリマーフイルムの厚さは、40乃至14
0μmであることが好ましく、70乃至120μmであ
ることがさらに好ましい。また、この延伸処理の条件を
調整することにとり、光学補償シートの遅相軸の角度の
標準偏差を小さくすることができる。延伸処理の方法に
特に限定はないが、その例としてテンターによる延伸方
法が挙げられる。上記のソルベントキャスト法により作
製したフイルムに、テンターを用いて横延伸を実施する
際に、延伸後のフイルムの状態を制御することにより、
フイルム遅相軸角度の標準偏差を小さくすることができ
る。具体的には、テンターを用いてレターデーション値
を調整する延伸処理を行い、そして延伸直後のポリマー
フイルムをその状態のまま、フイルムのガラス転移温度
近傍で保持することで、遅相軸角度の標準偏差を小さく
することができる。この保持の際のフイルムの温度をガ
ラス転移温度よりも低い温度で行うと、標準偏差が大き
くなってしまう。また、別の例としては、ロール間にて
縦延伸を行う際に、ロール間距離を広くすると遅相軸の
標準偏差を小さくできる。
たセルロースアセテートフイルム(ポリマーフイルム)
は、さらに延伸処理によりレターデーションを調整する
ことができる。延伸倍率は、3乃至100%であること
が好ましい。ポリマーフイルムの厚さは、40乃至14
0μmであることが好ましく、70乃至120μmであ
ることがさらに好ましい。また、この延伸処理の条件を
調整することにとり、光学補償シートの遅相軸の角度の
標準偏差を小さくすることができる。延伸処理の方法に
特に限定はないが、その例としてテンターによる延伸方
法が挙げられる。上記のソルベントキャスト法により作
製したフイルムに、テンターを用いて横延伸を実施する
際に、延伸後のフイルムの状態を制御することにより、
フイルム遅相軸角度の標準偏差を小さくすることができ
る。具体的には、テンターを用いてレターデーション値
を調整する延伸処理を行い、そして延伸直後のポリマー
フイルムをその状態のまま、フイルムのガラス転移温度
近傍で保持することで、遅相軸角度の標準偏差を小さく
することができる。この保持の際のフイルムの温度をガ
ラス転移温度よりも低い温度で行うと、標準偏差が大き
くなってしまう。また、別の例としては、ロール間にて
縦延伸を行う際に、ロール間距離を広くすると遅相軸の
標準偏差を小さくできる。
【0053】[ポリマーフイルムの表面処理]ポリマー
フイルムを偏光板の透明保護膜として使用する場合、ポ
リマーフイルムを表面処理することが好ましい。表面処
理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処
理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理を実施
する。酸処理またはアルカリ処理、すなわちポリマーフ
イルムに対するケン化処理を実施することが特に好まし
い。
フイルムを偏光板の透明保護膜として使用する場合、ポ
リマーフイルムを表面処理することが好ましい。表面処
理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処
理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理を実施
する。酸処理またはアルカリ処理、すなわちポリマーフ
イルムに対するケン化処理を実施することが特に好まし
い。
【0054】[配向膜]配向膜は、光学異方性層のディ
スコティック液晶性分子の配向方向を規定する機能を有
する。配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)の
ラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルー
ブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェ
ット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサ
ン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、
ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けるこ
とができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは
光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られてい
る。配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成する
ことが好ましい。ポリビニルアルコールが、好ましいポ
リマーである。疎水性基が結合している変性ポリビニル
アルコールが特に好ましい。疎水性基は光学異方性層の
ディスコティック液晶性分子と親和性があるため、疎水
性基をポリビニルアルコールに導入することで、ディス
コティック液晶性分子を均一に配向させることができ
る。疎水性基は、ポリビニルアルコールの主鎖末端また
は側鎖に結合させる。疎水性基は、炭素原子数が6以上
の脂肪族基(好ましくはアルキル基またはアルケニル
基)または芳香族基が好ましい。ポリビニルアルコール
の主鎖末端に疎水性基を結合させる場合は、疎水性基と
主鎖末端との間に連結基を導入することが好ましい。連
結基の例には、−S−、−C(CN)R1 −、−NR2
−、−CS−およびそれらの組み合わせが含まれる。上
記R1 およびR2 は、それぞれ、水素原子または炭素原
子数が1乃至6のアルキル基(好ましくは、炭素原子数
が1乃至6のアルキル基)である。
スコティック液晶性分子の配向方向を規定する機能を有
する。配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)の
ラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルー
ブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェ
ット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサ
ン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、
ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けるこ
とができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは
光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られてい
る。配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成する
ことが好ましい。ポリビニルアルコールが、好ましいポ
リマーである。疎水性基が結合している変性ポリビニル
アルコールが特に好ましい。疎水性基は光学異方性層の
ディスコティック液晶性分子と親和性があるため、疎水
性基をポリビニルアルコールに導入することで、ディス
コティック液晶性分子を均一に配向させることができ
る。疎水性基は、ポリビニルアルコールの主鎖末端また
は側鎖に結合させる。疎水性基は、炭素原子数が6以上
の脂肪族基(好ましくはアルキル基またはアルケニル
基)または芳香族基が好ましい。ポリビニルアルコール
の主鎖末端に疎水性基を結合させる場合は、疎水性基と
主鎖末端との間に連結基を導入することが好ましい。連
結基の例には、−S−、−C(CN)R1 −、−NR2
−、−CS−およびそれらの組み合わせが含まれる。上
記R1 およびR2 は、それぞれ、水素原子または炭素原
子数が1乃至6のアルキル基(好ましくは、炭素原子数
が1乃至6のアルキル基)である。
【0055】ポリビニルアルコールの側鎖に疎水性基を
導入する場合は、ポリビニルアルコールの酢酸ビニル単
位のアセチル基(−CO−CH3 )の一部を、炭素原
子数が7以上のアシル基(−CO−R3 )に置き換え
ればよい。R3 は、炭素原子数が6以上の脂肪族基ま
たは芳香族基である。市販の変性ポリビニルアルコール
(例、MP103、MP203、R1130、クラレ
(株)製)を用いてもよい。配向膜に用いる(変性)ポ
リビニルアルコールのケン化度は、80%以上であるこ
とが好ましい。(変性)ポリビニルアルコールの重合度
は、200以上であることが好ましい。ラビング処理
は、配向膜の表面を、紙や布で一定方向に、数回こする
ことにより実施する。長さおよび太さが均一な繊維を均
一に植毛した布を用いることが好ましい。なお、光学異
方性層のディスコティック液晶性分子を配向膜を用いて
配向後、配向膜を除去しても、ディスコティック液晶性
分子の配向状態を保つことができる。すなわち、配向膜
は、ディスコティック液晶性分子を配向するため楕円偏
光板の製造において必須であるが、製造された光学補償
シートにおいては必須ではない。配向膜を透明支持体と
光学異方性層との間に設ける場合は、さらに下塗り層
(接着層)を透明支持体と配向膜との間に設けることが
好ましい。
導入する場合は、ポリビニルアルコールの酢酸ビニル単
位のアセチル基(−CO−CH3 )の一部を、炭素原
子数が7以上のアシル基(−CO−R3 )に置き換え
ればよい。R3 は、炭素原子数が6以上の脂肪族基ま
たは芳香族基である。市販の変性ポリビニルアルコール
(例、MP103、MP203、R1130、クラレ
(株)製)を用いてもよい。配向膜に用いる(変性)ポ
リビニルアルコールのケン化度は、80%以上であるこ
とが好ましい。(変性)ポリビニルアルコールの重合度
は、200以上であることが好ましい。ラビング処理
は、配向膜の表面を、紙や布で一定方向に、数回こする
ことにより実施する。長さおよび太さが均一な繊維を均
一に植毛した布を用いることが好ましい。なお、光学異
方性層のディスコティック液晶性分子を配向膜を用いて
配向後、配向膜を除去しても、ディスコティック液晶性
分子の配向状態を保つことができる。すなわち、配向膜
は、ディスコティック液晶性分子を配向するため楕円偏
光板の製造において必須であるが、製造された光学補償
シートにおいては必須ではない。配向膜を透明支持体と
光学異方性層との間に設ける場合は、さらに下塗り層
(接着層)を透明支持体と配向膜との間に設けることが
好ましい。
【0056】[光学異方性層]光学異方性層はディスコ
ティック液晶性分子から形成する。ディスコティック液
晶性分子は、一般に、光学的に負の一軸性を有する。本
発明の光学補償シートにおいては、ディスコティック液
晶性分子は、図2に示したように、円盤面と透明支持体
面とのなす角が、光学異方性層の深さ方向において変化
している(ハイブリッド配向している)ことが好まし
い。ディスコティック液晶性分子の光軸は、円盤面の法
線方向に存在する。ディスコティック液晶性分子は、光
軸方向の屈折率よりも円盤面方向の屈折率が大きな複屈
折性を有する。光学異方性層は、上記の配向膜によって
ディスコティック液晶性分子を配向させ、その配向状態
のディスコティック液晶性分子を固定することによって
形成することが好ましい。ディスコティック液晶性分子
は、重合反応により固定することが好ましい。
ティック液晶性分子から形成する。ディスコティック液
晶性分子は、一般に、光学的に負の一軸性を有する。本
発明の光学補償シートにおいては、ディスコティック液
晶性分子は、図2に示したように、円盤面と透明支持体
面とのなす角が、光学異方性層の深さ方向において変化
している(ハイブリッド配向している)ことが好まし
い。ディスコティック液晶性分子の光軸は、円盤面の法
線方向に存在する。ディスコティック液晶性分子は、光
軸方向の屈折率よりも円盤面方向の屈折率が大きな複屈
折性を有する。光学異方性層は、上記の配向膜によって
ディスコティック液晶性分子を配向させ、その配向状態
のディスコティック液晶性分子を固定することによって
形成することが好ましい。ディスコティック液晶性分子
は、重合反応により固定することが好ましい。
【0057】なお、光学異方性層には、レターデーショ
ン値が0となる方向が存在しない。言い換えると、光学
異方性層のレターデーションの最小値は、0を越える値
である。具体的には、光学異方性層は、下記式(III)に
より定義されるReレターデーション値が10乃至10
0nmの範囲にあり、下記式(IV)により定義されるR
thレターデーション値が40乃至200nmの範囲にあ
り、そして、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角
が20乃至50゜であることが好ましい。 (III) Re=(nx−ny)×d (IV) Rth={(n2+n3)/2−n1}×d 式(III)において、nxは、光学異方性層面内の遅相軸
方向の屈折率であり、nyは、光学異方性層面内の進相
軸方向の屈折率であり、そして、dは、光学異方性層の
厚さである。式(IV)において、n1は、光学異方性層
を屈折率楕円体で近似した場合の屈折率主値の最小値で
あり、n2およびn3は、光学異方性層の他の屈折率主
値であり、そして、dは、光学異方性層の厚さである。
ン値が0となる方向が存在しない。言い換えると、光学
異方性層のレターデーションの最小値は、0を越える値
である。具体的には、光学異方性層は、下記式(III)に
より定義されるReレターデーション値が10乃至10
0nmの範囲にあり、下記式(IV)により定義されるR
thレターデーション値が40乃至200nmの範囲にあ
り、そして、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角
が20乃至50゜であることが好ましい。 (III) Re=(nx−ny)×d (IV) Rth={(n2+n3)/2−n1}×d 式(III)において、nxは、光学異方性層面内の遅相軸
方向の屈折率であり、nyは、光学異方性層面内の進相
軸方向の屈折率であり、そして、dは、光学異方性層の
厚さである。式(IV)において、n1は、光学異方性層
を屈折率楕円体で近似した場合の屈折率主値の最小値で
あり、n2およびn3は、光学異方性層の他の屈折率主
値であり、そして、dは、光学異方性層の厚さである。
【0058】ディスコティック液晶性分子は、様々な文
献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., v
ol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総
説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節
(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. C
omm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am.Che
m. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されて
いる。ディスコティック液晶性分子の重合については、
特開平8−27284公報に記載がある。ディスコティ
ック液晶性分子を重合により固定するためには、ディス
コティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重
合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに
重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を
保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基
との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有す
るディスコティック液晶性分子は、下記式(V)で表わ
される化合物であることが好ましい。
献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., v
ol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総
説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節
(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. C
omm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am.Che
m. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されて
いる。ディスコティック液晶性分子の重合については、
特開平8−27284公報に記載がある。ディスコティ
ック液晶性分子を重合により固定するためには、ディス
コティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重
合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに
重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を
保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基
との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有す
るディスコティック液晶性分子は、下記式(V)で表わ
される化合物であることが好ましい。
【0059】(V) D(−L−Q)n 式(V)において、Dは、円盤状コアであり;Lは、二
価の連結基であり;Qは、重合性基であり;そして、n
は、4乃至12の整数である。円盤状コア(D)の例を
以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)
は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わ
せを意味する。
価の連結基であり;Qは、重合性基であり;そして、n
は、4乃至12の整数である。円盤状コア(D)の例を
以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)
は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わ
せを意味する。
【0060】
【化1】
【0061】
【化2】
【0062】
【化3】
【0063】
【化4】
【0064】
【化5】
【0065】
【化6】
【0066】
【化7】
【0067】式(V)において、二価の連結基(L)
は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−
CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み
合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であること
が好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、ア
リーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−
からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み
合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二
価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−
CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を
少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが
最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数
は、2乃至12であることが好まし。アリーレン基の炭
素原子数は、6乃至10であることが好ましい。
は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−
CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み
合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であること
が好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、ア
リーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−
からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み
合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二
価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−
CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を
少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが
最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数
は、2乃至12であることが好まし。アリーレン基の炭
素原子数は、6乃至10であることが好ましい。
【0068】二価の連結基(L)の例を以下に示す。左
側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)
に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン
基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン
基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基
(例、アルキル基)を有していてもよい。 L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO−
側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)
に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン
基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン
基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基
(例、アルキル基)を有していてもよい。 L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO−
【0069】L11:−O−AL− L12:−O−AL−O− L13:−O−AL−O−CO− L14:−O−AL−O−CO−NH−AL− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AR−O−AL−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L20:−S−AL− L21:−S−AL−O− L22:−S−AL−O−CO− L23:−S−AL−S−AL− L24:−S−AR−AL−
O− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L20:−S−AL− L21:−S−AL−O− L22:−S−AL−O−CO− L23:−S−AL−S−AL− L24:−S−AR−AL−
【0070】式(V)の重合性基(Q)は、重合反応の
種類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
種類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
【0071】
【化8】
【0072】重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1
〜Q7)またはエポキシ基(Q8)であることが好まし
く、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチ
レン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も
好ましい。式(V)において、nは4乃至12の整数で
ある。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じ
て決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異
なっていてもよいが、同一であることが好ましい。光学
異方性層は、ディスコティック液晶性分子および必要に
応じて重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向
膜の上に塗布することで形成できる。光学異方性層の厚
さは、0.5乃至100μmであることが好ましく、
0.5乃至30μmであることがさらに好ましい。
〜Q7)またはエポキシ基(Q8)であることが好まし
く、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチ
レン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も
好ましい。式(V)において、nは4乃至12の整数で
ある。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じ
て決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異
なっていてもよいが、同一であることが好ましい。光学
異方性層は、ディスコティック液晶性分子および必要に
応じて重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向
膜の上に塗布することで形成できる。光学異方性層の厚
さは、0.5乃至100μmであることが好ましく、
0.5乃至30μmであることがさらに好ましい。
【0073】配向させたディスコティック液晶性分子
を、配向状態を維持して固定する。固定化は、重合反応
により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合
開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重
合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開
始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許236
7661号、同2367670号の各明細書記載)、ア
シロインエーテル(米国特許2448828号明細書記
載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国
特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物
(米国特許3046127号、同2951758号の各
明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp
−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許35
49367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジ
ン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許
4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール
化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含ま
れる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.
01乃至20質量%であることが好ましく、0.5乃至
5質量%であることがさらに好ましい。ディスコティッ
ク液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いる
ことが好ましい。照射エネルギーは、20乃至5000
mJ/cm2 であることが好ましく、100乃至800
mJ/cm2 であることがさらに好ましい。また、光重
合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施して
もよい。保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。
を、配向状態を維持して固定する。固定化は、重合反応
により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合
開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重
合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開
始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許236
7661号、同2367670号の各明細書記載)、ア
シロインエーテル(米国特許2448828号明細書記
載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国
特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物
(米国特許3046127号、同2951758号の各
明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp
−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許35
49367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジ
ン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許
4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール
化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含ま
れる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.
01乃至20質量%であることが好ましく、0.5乃至
5質量%であることがさらに好ましい。ディスコティッ
ク液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いる
ことが好ましい。照射エネルギーは、20乃至5000
mJ/cm2 であることが好ましく、100乃至800
mJ/cm2 であることがさらに好ましい。また、光重
合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施して
もよい。保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。
【0074】[偏光膜]偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、
二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜が
ある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポ
リビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。ポリ
マーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸のなす角度は3
°以下になるように配置することが好ましく、2°以下
になるように配置することがさらに好ましく、1°以下
になるように配置することが最も好ましい。
二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜が
ある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポ
リビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。ポリ
マーフイルムの遅相軸と偏光膜の透過軸のなす角度は3
°以下になるように配置することが好ましく、2°以下
になるように配置することがさらに好ましく、1°以下
になるように配置することが最も好ましい。
【0075】[液晶セル]本発明の光学補償シートは、
液晶表示装置において、ベンド配向液晶セルと組み合わ
せて用いると特に効果がある。ベンド配向液晶セルは、
セル中央部の液晶分子がねじれ配向していてもよい。ベ
ンド配向液晶セルでは、液晶性化合物の屈折率異方性Δ
nと、液晶セルの液晶層の厚みdとの積(Δn×d)
は、輝度と視野角を両立させるために、100乃至20
00nmの範囲であることが好ましく、150乃至17
00nmの範囲であることがさらに好ましく、500乃
至1500nmの範囲であることが最も好ましい。ベン
ド配向液晶セルは、ノーマリーホワイトモード(NWモ
ード)またはノーマリーブラックモード(NBモード)
で用いることができる。
液晶表示装置において、ベンド配向液晶セルと組み合わ
せて用いると特に効果がある。ベンド配向液晶セルは、
セル中央部の液晶分子がねじれ配向していてもよい。ベ
ンド配向液晶セルでは、液晶性化合物の屈折率異方性Δ
nと、液晶セルの液晶層の厚みdとの積(Δn×d)
は、輝度と視野角を両立させるために、100乃至20
00nmの範囲であることが好ましく、150乃至17
00nmの範囲であることがさらに好ましく、500乃
至1500nmの範囲であることが最も好ましい。ベン
ド配向液晶セルは、ノーマリーホワイトモード(NWモ
ード)またはノーマリーブラックモード(NBモード)
で用いることができる。
【0076】
【実施例】[実施例1] (セルロースアセテート溶液の調製)下記の組成物をミ
キシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成
分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
キシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成
分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
【0077】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部 ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部 メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部 メタノール(第2溶媒) 29質量部 ────────────────────────────────────
【0078】(レターデーション上昇剤溶液の調製)別
のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤
16質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタ
ノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レ
ターデーション上昇剤溶液を調製した。
のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤
16質量部、メチレンクロライド80質量部およびメタ
ノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レ
ターデーション上昇剤溶液を調製した。
【0079】
【化9】
【0080】(セルロースアセテートフイルムの作製)
セルロースアセテート溶液477質量部にレターデーシ
ョン上昇剤溶液52質量部を混合し、攪拌してドープを
調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロ
ースアセテート100質量部に対して、6.7質量部で
あった。得られたドープを、バンド流延機を用いて流延
した。残留溶剤量が50質量%のフイルムをバンドから
剥離し、130℃の条件で、残留錠剤量が40質量%の
フイルムをテンターを用いて17%の延伸倍率で横延伸
し、延伸後の幅のまま130℃で30秒間保持した。そ
の後、クリップを外してセルロースアセテートフイルム
を製造した。
セルロースアセテート溶液477質量部にレターデーシ
ョン上昇剤溶液52質量部を混合し、攪拌してドープを
調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロ
ースアセテート100質量部に対して、6.7質量部で
あった。得られたドープを、バンド流延機を用いて流延
した。残留溶剤量が50質量%のフイルムをバンドから
剥離し、130℃の条件で、残留錠剤量が40質量%の
フイルムをテンターを用いて17%の延伸倍率で横延伸
し、延伸後の幅のまま130℃で30秒間保持した。そ
の後、クリップを外してセルロースアセテートフイルム
を製造した。
【0081】(光学特性の測定)作製したセルロースア
セテートフイルムについて、エリプソメーター(M−1
50、日本分光(株)製)を用い、波長550nmにお
けるReレターデーション値およびRthレターデーショ
ン値を測定した。また、自動複屈折計(KOBRA−2
1ADH、王子計測機器(株))で軸ずれ角度を測定し
た。各々の測定は幅方向に等間隔の10点で行い、平均
値を求めた。さらに、遅相軸角度の標準偏差を求めた。
結果は第1表に示す。
セテートフイルムについて、エリプソメーター(M−1
50、日本分光(株)製)を用い、波長550nmにお
けるReレターデーション値およびRthレターデーショ
ン値を測定した。また、自動複屈折計(KOBRA−2
1ADH、王子計測機器(株))で軸ずれ角度を測定し
た。各々の測定は幅方向に等間隔の10点で行い、平均
値を求めた。さらに、遅相軸角度の標準偏差を求めた。
結果は第1表に示す。
【0082】(熱伝導率の測定)シートをヒーターケー
ス(TO−3型)と銅板との間に挟み、シート厚みの1
0%を圧縮した後、銅製ヒーターケースに5Wの電力を
かけて4分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板との温
度差を測定し、熱伝導率{W/(m・K)}={電力
(W)×厚み(m)}/{温度差(K)×測定面積(m
2 )}にて熱伝導率を算出した。結果は第1表に示す。
ス(TO−3型)と銅板との間に挟み、シート厚みの1
0%を圧縮した後、銅製ヒーターケースに5Wの電力を
かけて4分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板との温
度差を測定し、熱伝導率{W/(m・K)}={電力
(W)×厚み(m)}/{温度差(K)×測定面積(m
2 )}にて熱伝導率を算出した。結果は第1表に示す。
【0083】(セルロースアセテートフイルムのケン化
処理)セルロースアセテートフイルムを、1.5規定の
水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。
室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸
を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、
さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セ
ルロースアセテートフイルムの表面をケン化した。
処理)セルロースアセテートフイルムを、1.5規定の
水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。
室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸
を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、
さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セ
ルロースアセテートフイルムの表面をケン化した。
【0084】(配向膜の形成)ケン化処理したセルロー
スアセテートフイルム(透明支持体)の一方の面に、下
記の組成の塗布液を#14のワイヤーバーコーターで2
4ml/m2 塗布した。60℃の温風で60秒、さらに
90℃の温風で150秒乾燥した。次に、セルロースア
セテートフイルム(透明支持体)の延伸方向(遅相軸と
ほぼ一致)と45゜の方向に、形成した膜にラビング処
理を実施した。
スアセテートフイルム(透明支持体)の一方の面に、下
記の組成の塗布液を#14のワイヤーバーコーターで2
4ml/m2 塗布した。60℃の温風で60秒、さらに
90℃の温風で150秒乾燥した。次に、セルロースア
セテートフイルム(透明支持体)の延伸方向(遅相軸と
ほぼ一致)と45゜の方向に、形成した膜にラビング処
理を実施した。
【0085】 ──────────────────────────────────── 配向膜塗布液組成 ──────────────────────────────────── 下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部 水 360質量部 メタノール 120質量部 グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部 ────────────────────────────────────
【0086】
【化10】
【0087】(光学異方性層の形成)配向膜上に、下記
のディスコティック液晶性分子41.01質量部、エチ
レンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリ
レート(V#360、大阪有機化学(株)製)4.06
質量部、セルロースアセテートブチレート(CAB55
1−0.2、イーストマンケミカル社製)0.90質量
部、セルロースアセテートブチレート(CAB531−
1、イーストマンケミカル社製)0.23質量部、光重
合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)
1.35質量部、増感剤(カヤキュアーDETX、日本
化薬(株)製)0.45質量部を、102質量部のメチ
ルエチルケトンに溶解した塗布液を、#3のワイヤーバ
ーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、130℃
の恒温槽中で2分間加熱し、ディスコティック液晶性分
子を配向させた。次に、130℃で120W/cm高圧
水銀灯を用いて、1分間UV照射しディスコティック液
晶性分子を重合させた。その後、室温まで放冷した。こ
のようにして、光学異方性層を形成した。このようにし
て、光学補償シートを作製した。作製した光学補償シー
トについて、セルロースアセテートフイルムと同様に、
光学特性と熱伝導率を測定した。さらに、ディスコティ
ック液晶性分子の平均傾斜角(β)も測定した。結果は
第2表に示す。
のディスコティック液晶性分子41.01質量部、エチ
レンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリ
レート(V#360、大阪有機化学(株)製)4.06
質量部、セルロースアセテートブチレート(CAB55
1−0.2、イーストマンケミカル社製)0.90質量
部、セルロースアセテートブチレート(CAB531−
1、イーストマンケミカル社製)0.23質量部、光重
合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)
1.35質量部、増感剤(カヤキュアーDETX、日本
化薬(株)製)0.45質量部を、102質量部のメチ
ルエチルケトンに溶解した塗布液を、#3のワイヤーバ
ーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、130℃
の恒温槽中で2分間加熱し、ディスコティック液晶性分
子を配向させた。次に、130℃で120W/cm高圧
水銀灯を用いて、1分間UV照射しディスコティック液
晶性分子を重合させた。その後、室温まで放冷した。こ
のようにして、光学異方性層を形成した。このようにし
て、光学補償シートを作製した。作製した光学補償シー
トについて、セルロースアセテートフイルムと同様に、
光学特性と熱伝導率を測定した。さらに、ディスコティ
ック液晶性分子の平均傾斜角(β)も測定した。結果は
第2表に示す。
【0088】
【化11】
【0089】(楕円偏光板の作製)延伸したポリビニル
アルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製
した。次に、作製した光学補償シートの透明支持体側
を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光膜の片
側に貼り付けた。透明支持体の遅相軸および偏光膜の透
過軸が平行になるように配置した。その結果、透明支持
体の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸のなす角度は
0.3°であった。市販のセルローストリアセテートフ
イルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム
(株)製)を前記と同様にケン化処理し、ポリビニルア
ルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側(光学補償
シートを貼り付けなかった側)に貼り付けた。このよう
にして、楕円偏光板を作製した。
アルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製
した。次に、作製した光学補償シートの透明支持体側
を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光膜の片
側に貼り付けた。透明支持体の遅相軸および偏光膜の透
過軸が平行になるように配置した。その結果、透明支持
体の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸のなす角度は
0.3°であった。市販のセルローストリアセテートフ
イルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム
(株)製)を前記と同様にケン化処理し、ポリビニルア
ルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側(光学補償
シートを貼り付けなかった側)に貼り付けた。このよう
にして、楕円偏光板を作製した。
【0090】(ベンド配向液晶セルの作製)ITO電極
付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設
け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガ
ラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わ
せ、セルギャップを6μmに設定した。セルギャップに
Δnが0.1396の液晶性化合物(ZLI1132、
メルク社製)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製し
た。
付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設
け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガ
ラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わ
せ、セルギャップを6μmに設定した。セルギャップに
Δnが0.1396の液晶性化合物(ZLI1132、
メルク社製)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製し
た。
【0091】(液晶表示装置の作製)作製したベンド配
向セルを挟むように、作製した楕円偏光板を二枚貼り付
けた。楕円偏光板の光学異方性層がセル基板に対面し、
液晶セルのラビング方向とそれに対面する光学異方性層
のラビング方向とが反平行となるように配置した。作製
した液晶表示装置の液晶セルに、白表示電圧2V、黒表
示電圧6Vを印加し、測定機(EZ-Contrast 160D、EL
DIM社製)を用いて、パネル面内の10カ所で正面コ
ントラスト比を測定した。さらに、正面コントラスト比
が最大である測定点および最小である測定点において、
左右方向(セルのラビング方向と直交方向)の視野角
(コントラスト比が10以上となる角度範囲)を調べ
た。結果は第3表に示す。
向セルを挟むように、作製した楕円偏光板を二枚貼り付
けた。楕円偏光板の光学異方性層がセル基板に対面し、
液晶セルのラビング方向とそれに対面する光学異方性層
のラビング方向とが反平行となるように配置した。作製
した液晶表示装置の液晶セルに、白表示電圧2V、黒表
示電圧6Vを印加し、測定機(EZ-Contrast 160D、EL
DIM社製)を用いて、パネル面内の10カ所で正面コ
ントラスト比を測定した。さらに、正面コントラスト比
が最大である測定点および最小である測定点において、
左右方向(セルのラビング方向と直交方向)の視野角
(コントラスト比が10以上となる角度範囲)を調べ
た。結果は第3表に示す。
【0092】[実施例2] (セルロースアセテートフイルムの作製)実施例1で調
製したセルロースアセテート溶液477質量部に実施例
1で調製したレターデーション上昇剤溶液21質量部を
混合し、攪拌してドープを調製した。レターデーション
上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部
に対して、2.8質量部であった。得られたドープを、
バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が50質量
%のフイルムをバンドから剥離し、130℃の条件で、
残留溶媒量が40質量%のフイルムをテンターを用いて
20%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の幅のまま130
℃で30秒間保持した。その後、クリップを外してセル
ロースアセテートフイルムを製造した。
製したセルロースアセテート溶液477質量部に実施例
1で調製したレターデーション上昇剤溶液21質量部を
混合し、攪拌してドープを調製した。レターデーション
上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部
に対して、2.8質量部であった。得られたドープを、
バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が50質量
%のフイルムをバンドから剥離し、130℃の条件で、
残留溶媒量が40質量%のフイルムをテンターを用いて
20%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の幅のまま130
℃で30秒間保持した。その後、クリップを外してセル
ロースアセテートフイルムを製造した。
【0093】(光学特性および熱伝導率の測定)作製し
たセルロースアセテートフイルムについて、実施例1と
同様に、光学特性および熱伝導率を測定した。結果は第
1表に示す。
たセルロースアセテートフイルムについて、実施例1と
同様に、光学特性および熱伝導率を測定した。結果は第
1表に示す。
【0094】(セルロースアセテートフイルムのケン化
処理)セルロースアセテートフイルムの一方の面に、
1.5規定水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶
液を25ml/m2 塗布し、25℃で5秒間乾燥した。
流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることで
フイルムの表面を乾燥した。このようにして、セルロー
スアセテートフイルムの一方の表面のみをケン化した。
処理)セルロースアセテートフイルムの一方の面に、
1.5規定水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶
液を25ml/m2 塗布し、25℃で5秒間乾燥した。
流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることで
フイルムの表面を乾燥した。このようにして、セルロー
スアセテートフイルムの一方の表面のみをケン化した。
【0095】(配向膜および光学異方性層の形成)セル
ロースアセテートフイルムのケン化処理した側の面に、
実施例1と同様にして配向膜および光学異方性層を形成
した。このようにして、光学補償シートを作製した。作
製した光学補償シートについて、セルロースアセテート
フイルムと同様に、光学特性と熱伝導率を測定した。さ
らに、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角(β)
も測定した。結果は第2表に示す。
ロースアセテートフイルムのケン化処理した側の面に、
実施例1と同様にして配向膜および光学異方性層を形成
した。このようにして、光学補償シートを作製した。作
製した光学補償シートについて、セルロースアセテート
フイルムと同様に、光学特性と熱伝導率を測定した。さ
らに、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角(β)
も測定した。結果は第2表に示す。
【0096】(楕円偏光板の作製)延伸したポリビニル
アルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製
した。ケン化処理したセルロースアセテートフイルムを
内側の透明保護膜として、ポリビニルアルコール系接着
剤を用い、ケン化処理した面が偏光膜側となるようにし
て、偏光膜の片側に貼り付けた。市販のセルローストリ
アセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写
真フイルム(株)製)を実施例1と同様にケン化処理
し、外側の透明保護膜として、ポリビニルアルコール系
接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。次に、
光学補償シートの透明支持体側が、内側の透明保護膜と
接するようにアクリル系接着剤を用いて貼り合わせ、楕
円偏光板を作製した。内側の透明保護膜の遅相軸、透明
支持体の遅相軸および偏光膜の透過軸が平行になるよう
に配置した。その結果、透明支持体および透明保護膜の
遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸のなす角度は0.4
°であった。
アルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製
した。ケン化処理したセルロースアセテートフイルムを
内側の透明保護膜として、ポリビニルアルコール系接着
剤を用い、ケン化処理した面が偏光膜側となるようにし
て、偏光膜の片側に貼り付けた。市販のセルローストリ
アセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写
真フイルム(株)製)を実施例1と同様にケン化処理
し、外側の透明保護膜として、ポリビニルアルコール系
接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。次に、
光学補償シートの透明支持体側が、内側の透明保護膜と
接するようにアクリル系接着剤を用いて貼り合わせ、楕
円偏光板を作製した。内側の透明保護膜の遅相軸、透明
支持体の遅相軸および偏光膜の透過軸が平行になるよう
に配置した。その結果、透明支持体および透明保護膜の
遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸のなす角度は0.4
°であった。
【0097】(液晶表示装置の作製)作製した楕円偏光
板を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示
装置を作製した。作製した液晶表示装置の液晶セルに、
白表示電圧2V、黒表示電圧6Vを印加し、測定機(EZ
-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、パネル面
内の10カ所で正面コントラスト比を測定した。さら
に、正面コントラスト比が最大である想定点および最小
である測定点において、左右方向の視野角(コントラス
ト比が10以上となる角度範囲)を調べた。結果は、第
3表に示す。
板を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示
装置を作製した。作製した液晶表示装置の液晶セルに、
白表示電圧2V、黒表示電圧6Vを印加し、測定機(EZ
-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、パネル面
内の10カ所で正面コントラスト比を測定した。さら
に、正面コントラスト比が最大である想定点および最小
である測定点において、左右方向の視野角(コントラス
ト比が10以上となる角度範囲)を調べた。結果は、第
3表に示す。
【0098】[実施例3] (セルロースアセテート溶液の調製)下記の組成物をミ
キシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成
分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
キシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成
分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
【0099】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部 ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部 メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部 メタノール(第2溶媒) 54質量部 1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部 ────────────────────────────────────
【0100】(レターデーション上昇剤溶液の調製)下
記の組成物を別のミキシングタンクに投入し、加熱しな
がら攪拌して、各成分を溶解し、レターデーション上昇
剤溶液を調製した。
記の組成物を別のミキシングタンクに投入し、加熱しな
がら攪拌して、各成分を溶解し、レターデーション上昇
剤溶液を調製した。
【0101】 ──────────────────────────────────── レターデーション上昇剤溶液組成 ──────────────────────────────────── 2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン(レターデーション上昇 剤) 12質量部 2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン(レターデーション上昇剤) 4質量部 メチレンクロライド(第1溶媒) 80質量部 メタノール(第2溶媒) 20質量部 ────────────────────────────────────
【0102】(セルロースアセテートフイルムの作製)
セルロースアセテート溶液487質量部にレターデーシ
ョン上昇剤溶液25質量部を混合し、攪拌してドープを
調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロ
ースアセテート100質量部に対して、3.2質量部で
あった。得られたドープを、0℃に冷却したドラム上に
流延した。残留溶剤量が70質量%のフイルムをドラム
から剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して乾燥し
た。その後、140℃の温度でロール間距離2mで縦延
伸を行い、厚さ102μmのセルロースアセテートフイ
ルムを製造した。
セルロースアセテート溶液487質量部にレターデーシ
ョン上昇剤溶液25質量部を混合し、攪拌してドープを
調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロ
ースアセテート100質量部に対して、3.2質量部で
あった。得られたドープを、0℃に冷却したドラム上に
流延した。残留溶剤量が70質量%のフイルムをドラム
から剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して乾燥し
た。その後、140℃の温度でロール間距離2mで縦延
伸を行い、厚さ102μmのセルロースアセテートフイ
ルムを製造した。
【0103】(下塗り層の形成)作製したセルロースア
セテートフイルムに、下記の組成の塗布液を28ml/
m2 塗布し、乾燥して、厚さ0.1μmの下塗りゼラチ
ン層を形成した。
セテートフイルムに、下記の組成の塗布液を28ml/
m2 塗布し、乾燥して、厚さ0.1μmの下塗りゼラチ
ン層を形成した。
【0104】 ──────────────────────────────────── 下塗りゼラチン層塗布液組成 ──────────────────────────────────── ゼラチン 0.542質量部 サリチル酸 0.160質量部 アセトン(第1溶媒) 39.1質量部 メタノール(第2溶媒) 15.8質量部 メチレンクロライド(第3溶媒) 40.6質量部 水(第4溶媒) 1.2質量部 ────────────────────────────────────
【0105】(下塗りオーバーコート層の形成)下塗り
層の上に、下記の組成の塗布液を7ml/m2 塗布し、
乾燥して、下塗りオーバーコート層を形成した。
層の上に、下記の組成の塗布液を7ml/m2 塗布し、
乾燥して、下塗りオーバーコート層を形成した。
【0106】 ──────────────────────────────────── 下塗りオーバーコート層塗布液組成 ──────────────────────────────────── 下記のアニオン性コポリマー 0.079質量部 クエン酸物エチルエステル 1.01質量部 アセトン(第1溶媒) 20質量部 メタノール(第2溶媒) 87.7質量部 水(第3溶媒) 4.05質量部 ────────────────────────────────────
【0107】
【化12】
【0108】(バック層の形成)下塗り層と反対側のフ
イルム面に、下記の組成の塗布液を25ml/m2 塗布
し、乾燥して、バック層を形成した。
イルム面に、下記の組成の塗布液を25ml/m2 塗布
し、乾燥して、バック層を形成した。
【0109】 ──────────────────────────────────── バック層塗布液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度55%のセルロースアセテート 0.656質量部 平均粒径1μmのシリカ粒子(マット剤) 0.065質量部 アセトン(第1溶媒) 67.9質量部 メタノール(第2溶媒) 10.4質量部 ────────────────────────────────────
【0110】(光学特性および熱伝導率の測定)作製し
た透明支持体について、実施例1と同様に、光学特性お
よび熱伝導率を測定した。結果は第1表に示す。
た透明支持体について、実施例1と同様に、光学特性お
よび熱伝導率を測定した。結果は第1表に示す。
【0111】(配向膜および光学異方性層の形成)透明
支持体の下塗りオーバーコート層の上に、実施例1と同
様にして配向膜および光学異方性層を形成した。このよ
うにして、光学補償シートを作製した。作製した光学補
償シートについて、セルロースアセテートフイルムと同
様に、光学特性と熱伝導率を測定した。さらに、ディス
コティック液晶性分子の平均傾斜角(β)も測定した。
結果は第2表に示す。
支持体の下塗りオーバーコート層の上に、実施例1と同
様にして配向膜および光学異方性層を形成した。このよ
うにして、光学補償シートを作製した。作製した光学補
償シートについて、セルロースアセテートフイルムと同
様に、光学特性と熱伝導率を測定した。さらに、ディス
コティック液晶性分子の平均傾斜角(β)も測定した。
結果は第2表に示す。
【0112】(楕円偏光板の作製)市販の偏光板(HL
C2−5618HCS、(株)サンリッツ製)の片面
に、下塗り層およびバック層を設けたセルロースアセテ
ートフイルムを、内側の透明保護膜としてアクリル系接
着剤を用いて貼り合わせた。次に、光学補償シートの透
明支持体側が、内側の透明保護膜と接するようにアクリ
ル系接着剤を用いて貼り合わせ、楕円偏光板を作製し
た。内側の透明保護膜の遅相軸、透明支持体の遅相軸お
よび偏光膜の透過軸が平行になるように配置した。その
結果、透明支持体および透明保護膜の遅相軸の平均方向
と偏光膜の透過軸のなす角度は0.5°であった。
C2−5618HCS、(株)サンリッツ製)の片面
に、下塗り層およびバック層を設けたセルロースアセテ
ートフイルムを、内側の透明保護膜としてアクリル系接
着剤を用いて貼り合わせた。次に、光学補償シートの透
明支持体側が、内側の透明保護膜と接するようにアクリ
ル系接着剤を用いて貼り合わせ、楕円偏光板を作製し
た。内側の透明保護膜の遅相軸、透明支持体の遅相軸お
よび偏光膜の透過軸が平行になるように配置した。その
結果、透明支持体および透明保護膜の遅相軸の平均方向
と偏光膜の透過軸のなす角度は0.5°であった。
【0113】(液晶表示装置の作製)作製した楕円偏光
板を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示
装置を作製した。作製した液晶表示装置の液晶セルに、
白表示電圧2V、黒表示電圧6Vを印加し、測定機(EZ
-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、パネル面
内の10カ所で正面コントラスト比を測定した。さら
に、正面コントラスト比が最大である想定点および最小
である測定点において、左右方向の視野角(コントラス
ト比が10以上となる角度範囲)を調べた。結果は、第
3表に示す。
板を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示
装置を作製した。作製した液晶表示装置の液晶セルに、
白表示電圧2V、黒表示電圧6Vを印加し、測定機(EZ
-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、パネル面
内の10カ所で正面コントラスト比を測定した。さら
に、正面コントラスト比が最大である想定点および最小
である測定点において、左右方向の視野角(コントラス
ト比が10以上となる角度範囲)を調べた。結果は、第
3表に示す。
【0114】[実施例4]下記の溶媒を予め混合した溶液
に、よく攪拌しつつセルローストリアセテート粉体(平
均サイズ:2mm)を徐々に添加した。
に、よく攪拌しつつセルローストリアセテート粉体(平
均サイズ:2mm)を徐々に添加した。
【0115】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成 ──────────────────────────────────── 酢化度60.5%のセルロースアセテート 100質量部 トリフェニルホスフェート(可塑剤) 6.8質量部 ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 4.9質量部 酢酸メチル(第1溶媒) 240質量部 シクロヘキサノン(第2溶媒) 100質量部 メタノール(第3溶媒) 25質量部 エタノール(第4溶媒) 25質量部 シリカ(粒径20nm) 0.5質量部 実施例1で用いたレターデーション上昇剤 6.7質量部 ────────────────────────────────────
【0116】添加後、室温(25℃)にて3時間放置し
た。得られて不均一なゲル状溶液を、−70℃にて6時
間冷却した後、50℃に加温し攪拌して溶液を得た。実
施例1と同様にして作製したセルロースアセテートフィ
ルムについて、光学特性および熱伝導率を測定した。結
果は第1表に示す。作製したセルロースアセテートフィ
ルムを使用して、実施例1と同様にして、鹸化処理、配
向膜の形成、光学異方性層の形成を行い、光学補償シー
トを作製した。作製した光学補償シートについて、セル
ロースアセテートフィルムと同様に、光学特性および熱
伝導率を測定した。作製した光学補償シートを用いて実
施例1と同様にして、楕円偏光板を作製し、さらに液晶
表示装置を作製した。実施例1と同様にして、パネル面
内の10箇所でコントラスト比を測定した。さらに、正
面コントラスト比が最大である測定点および最小である
測定点において、左右方向の視野角を調べた。結果は第
3表に示す。
た。得られて不均一なゲル状溶液を、−70℃にて6時
間冷却した後、50℃に加温し攪拌して溶液を得た。実
施例1と同様にして作製したセルロースアセテートフィ
ルムについて、光学特性および熱伝導率を測定した。結
果は第1表に示す。作製したセルロースアセテートフィ
ルムを使用して、実施例1と同様にして、鹸化処理、配
向膜の形成、光学異方性層の形成を行い、光学補償シー
トを作製した。作製した光学補償シートについて、セル
ロースアセテートフィルムと同様に、光学特性および熱
伝導率を測定した。作製した光学補償シートを用いて実
施例1と同様にして、楕円偏光板を作製し、さらに液晶
表示装置を作製した。実施例1と同様にして、パネル面
内の10箇所でコントラスト比を測定した。さらに、正
面コントラスト比が最大である測定点および最小である
測定点において、左右方向の視野角を調べた。結果は第
3表に示す。
【0117】[実施例5]下記の溶媒をを予め混合した溶
液に、よく攪拌しつつセルローストリアセテート粉体を
徐々に添加した。
液に、よく攪拌しつつセルローストリアセテート粉体を
徐々に添加した。
【0118】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成 ──────────────────────────────────── セルローストリアセテート(酢化度60.9%、置換度2.82、粘度平均重 合度320、含水率0.4質量%、メチレンクロライド溶液中6質量%の粘度 305mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.5mmである粉 体) 100質量部 トリフェニルホスフェート(可塑剤) 6.0質量部 ジトリメチロールプロパンテトラアセテート(可塑剤) 6.0質量部 酢酸メチル(第1溶媒) 290質量部 アセトン(第2溶媒) 25質量部 メタノール(第3溶媒) 25質量部 エタノール(第4溶媒) 25質量部 ブタノール(第5溶媒) 25質量部 シリカ(粒径20nm、モース硬度 約7) 0.5質量部 実施例1で用いたレターデーション上昇剤 6.7質量部 C12H25OCH2CH2O−P(=O)−(OK)2(剥離剤) 0.1質量部 クエン酸(剥離剤) 0.1質量部 ────────────────────────────────────
【0119】なお、ここで使用したセルローストリアセ
テートは、残存酢酸量が0.01質量%以下であり、C
aが0.05質量%、Mgは0.007質量%であり、
さらにFeは5ppmであった。また6位アセチル基は
0.95であり全アセチル中の32.2%であった。ま
た、アセトン抽出分は11質量%、重量平均分子量と数
平均分子量の比は0.5であり、分布の均一なものであ
った。また、イエローネスインデックスは0.3であ
り、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であり、T
gは160℃、結晶化発熱量は6.2J/gであった。
実施例1と同様にして上記作製したセルロースアセテー
トフィルムについて、光学特性および熱伝導率を測定し
た。結果は第1表に示す。上記作製したセルロースアセ
テートフィルムを使用して、実施例1と同様にして、鹸
化処理、配向膜の形成、光学異方性層の形成を行い、光
学補償シートを作製した。作製した光学補償シートにつ
いて、セルロースアセテートフィルムと同様に、光学特
性および熱伝導率を測定した。作製した光学補償シート
を用いて実施例1と同様にして、楕円偏光板を作製し、
さらに液晶表示装置を作製した。実施例1と同様にし
て、パネル面内の10箇所でコントラスト比を測定し
た。さらに、正面コントラスト比が最大である測定点お
よび最小である測定点において、左右方向の視野角を調
べた。結果は第3表に示す。
テートは、残存酢酸量が0.01質量%以下であり、C
aが0.05質量%、Mgは0.007質量%であり、
さらにFeは5ppmであった。また6位アセチル基は
0.95であり全アセチル中の32.2%であった。ま
た、アセトン抽出分は11質量%、重量平均分子量と数
平均分子量の比は0.5であり、分布の均一なものであ
った。また、イエローネスインデックスは0.3であ
り、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であり、T
gは160℃、結晶化発熱量は6.2J/gであった。
実施例1と同様にして上記作製したセルロースアセテー
トフィルムについて、光学特性および熱伝導率を測定し
た。結果は第1表に示す。上記作製したセルロースアセ
テートフィルムを使用して、実施例1と同様にして、鹸
化処理、配向膜の形成、光学異方性層の形成を行い、光
学補償シートを作製した。作製した光学補償シートにつ
いて、セルロースアセテートフィルムと同様に、光学特
性および熱伝導率を測定した。作製した光学補償シート
を用いて実施例1と同様にして、楕円偏光板を作製し、
さらに液晶表示装置を作製した。実施例1と同様にし
て、パネル面内の10箇所でコントラスト比を測定し
た。さらに、正面コントラスト比が最大である測定点お
よび最小である測定点において、左右方向の視野角を調
べた。結果は第3表に示す。
【0120】[実施例6]下記の溶媒をを予め混合した溶
液に、よく攪拌しつつセルローストリアセテート粉体を
徐々に添加した。
液に、よく攪拌しつつセルローストリアセテート粉体を
徐々に添加した。
【0121】 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート溶液組成(質量部) 内層 表面層 ──────────────────────────────────── 酢化度59.5%セルロースアセテート 100 100 トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8 7.8 ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9 3.9 酢酸メチル(第1溶媒) 306 327 シクロヘキサノン(第2溶媒) 122 131 メタノール(第3溶媒) 30.5 32.7 エタノール(第4溶媒) 30.5 32.7 シリカ(粒径20nm) 1.0 1.0 実施例1で用いたレターデーション上昇剤 6.7 6.7 ────────────────────────────────────
【0122】添加後、室温(25℃)にて3時間放置し
た。得られて不均一なゲル状溶液を、−70℃にて6時
間冷却した後、50℃に加温し攪拌して溶液を得た。次
に得られたドープを50℃にて、絶対濾過精度0.01
mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)でろ過しさら
に絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社製、
FH025)にて濾過した。これらのドープを三層共流
延ダイを用い、その他は実施例1と同様にして作製した
セルロースアセテートフィルムについて、光学特性およ
び熱伝導率を測定した。結果は第1表に示す。作製した
セルロースアセテートフィルムを使用して、実施例1と
同様にして、鹸化処理、配向膜の形成、光学異方性層の
形成を行い、光学補償シートを作製した。作製した光学
補償シートについて、セルロースアセテートフィルムと
同様に、光学特性および熱伝導率を測定した。作製した
光学補償シートを用いて実施例1と同様にして、楕円偏
光板を作製し、さらに液晶表示装置を作製した。実施例
1と同様にして、パネル面内の10箇所でコントラスト
比を測定した。さらに、正面コントラスト比が最大であ
る測定点および最小である測定点において、左右方向の
視野角を調べた。結果は第3表に示す。
た。得られて不均一なゲル状溶液を、−70℃にて6時
間冷却した後、50℃に加温し攪拌して溶液を得た。次
に得られたドープを50℃にて、絶対濾過精度0.01
mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)でろ過しさら
に絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社製、
FH025)にて濾過した。これらのドープを三層共流
延ダイを用い、その他は実施例1と同様にして作製した
セルロースアセテートフィルムについて、光学特性およ
び熱伝導率を測定した。結果は第1表に示す。作製した
セルロースアセテートフィルムを使用して、実施例1と
同様にして、鹸化処理、配向膜の形成、光学異方性層の
形成を行い、光学補償シートを作製した。作製した光学
補償シートについて、セルロースアセテートフィルムと
同様に、光学特性および熱伝導率を測定した。作製した
光学補償シートを用いて実施例1と同様にして、楕円偏
光板を作製し、さらに液晶表示装置を作製した。実施例
1と同様にして、パネル面内の10箇所でコントラスト
比を測定した。さらに、正面コントラスト比が最大であ
る測定点および最小である測定点において、左右方向の
視野角を調べた。結果は第3表に示す。
【0123】[比較例1] (セルロースアセテートフイルムの作製)実施例1で得
られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留
溶剤量が50質量%のフイルムをバンドから剥離し、1
30℃の条件で、残留溶媒が40質量%のフイルムをテ
ンターを用いて17%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の
幅のまま50℃で30秒間保持した。その後、クリップ
を外してセルロースアセテートフイルムを製造した。
られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留
溶剤量が50質量%のフイルムをバンドから剥離し、1
30℃の条件で、残留溶媒が40質量%のフイルムをテ
ンターを用いて17%の延伸倍率で横延伸し、延伸後の
幅のまま50℃で30秒間保持した。その後、クリップ
を外してセルロースアセテートフイルムを製造した。
【0124】(光学特性および熱伝導率の測定)作製し
たセルロースアセテートフイルムについて、実施例1と
同様に、光学特性および熱伝導率を測定した。結果は第
1表に示す。
たセルロースアセテートフイルムについて、実施例1と
同様に、光学特性および熱伝導率を測定した。結果は第
1表に示す。
【0125】(配向膜および光学異方性層の形成)セル
ロースアセテートフイルムを実施例1と同様にケン化処
理し、さらに、実施例1と同様にして配向膜および光学
異方性層を形成した。このようにして、光学補償シート
を作製した。作製した光学補償シートについて、セルロ
ースアセテートフイルムと同様に、光学特性と熱伝導率
を測定した。さらに、ディスコティック液晶性分子の平
均傾斜角(β)も測定した。結果は第2表に示す。
ロースアセテートフイルムを実施例1と同様にケン化処
理し、さらに、実施例1と同様にして配向膜および光学
異方性層を形成した。このようにして、光学補償シート
を作製した。作製した光学補償シートについて、セルロ
ースアセテートフイルムと同様に、光学特性と熱伝導率
を測定した。さらに、ディスコティック液晶性分子の平
均傾斜角(β)も測定した。結果は第2表に示す。
【0126】(楕円偏光板の作製)作製したセルロース
アセテートフイルムおよび光学補償シートを用いた以外
は、実施例1と同様にして、楕円偏光板を作製した。透
明支持体の遅相軸および偏光膜の透過軸は平行になるよ
うに配置した。その結果、透明支持体の遅相軸の平均方
向と偏光膜の透過軸のなす角度は0.4°であった。
アセテートフイルムおよび光学補償シートを用いた以外
は、実施例1と同様にして、楕円偏光板を作製した。透
明支持体の遅相軸および偏光膜の透過軸は平行になるよ
うに配置した。その結果、透明支持体の遅相軸の平均方
向と偏光膜の透過軸のなす角度は0.4°であった。
【0127】(液晶表示装置の作製)作製した楕円偏光
板を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示
装置を作製した。作製した液晶表示装置の液晶セルに、
白表示電圧2V、黒表示電圧6Vを印加し、測定機(EZ
-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、パネル面
内の10カ所で正面コントラスト比を測定した。さら
に、正面コントラスト比が最大である測定点および最小
である測定点において、左右方向の視野角(コントラス
ト比が10以上となる角度範囲)を調べた。結果は、第
3表に示す。
板を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示
装置を作製した。作製した液晶表示装置の液晶セルに、
白表示電圧2V、黒表示電圧6Vを印加し、測定機(EZ
-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、パネル面
内の10カ所で正面コントラスト比を測定した。さら
に、正面コントラスト比が最大である測定点および最小
である測定点において、左右方向の視野角(コントラス
ト比が10以上となる角度範囲)を調べた。結果は、第
3表に示す。
【0128】[比較例2] (セルロースアセテートフイルムの作製)実施例2で得
られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留
溶剤量が50質量%のフイルムをバンドから剥離し、1
30℃の条件で、残留溶剤量が40質量%のフイルムを
テンターを用いて17%の延伸倍率で横延伸し、延伸後
の幅のまま50℃で30秒間保持した。その後、クリッ
プを外してセルロースアセテートフイルムを製造した。
られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。残留
溶剤量が50質量%のフイルムをバンドから剥離し、1
30℃の条件で、残留溶剤量が40質量%のフイルムを
テンターを用いて17%の延伸倍率で横延伸し、延伸後
の幅のまま50℃で30秒間保持した。その後、クリッ
プを外してセルロースアセテートフイルムを製造した。
【0129】(光学特性および熱伝導率の測定)作製し
たセルロースアセテートフイルムについて、実施例1と
同様に、光学特性および熱伝導率を測定した。結果は第
1表に示す。
たセルロースアセテートフイルムについて、実施例1と
同様に、光学特性および熱伝導率を測定した。結果は第
1表に示す。
【0130】(配向膜および光学異方性層の形成)セル
ロースアセテートフイルムを実施例2と同様にケン化処
理し、さらに、実施例2と同様にして配向膜および光学
異方性層を形成した。このようにして、光学補償シート
を作製した。作製した光学補償シートについて、セルロ
ースアセテートフイルムと同様に、光学特性と熱伝導率
を測定した。さらに、ディスコティック液晶性分子の平
均傾斜角(β)も測定した。結果は第2表に示す。
ロースアセテートフイルムを実施例2と同様にケン化処
理し、さらに、実施例2と同様にして配向膜および光学
異方性層を形成した。このようにして、光学補償シート
を作製した。作製した光学補償シートについて、セルロ
ースアセテートフイルムと同様に、光学特性と熱伝導率
を測定した。さらに、ディスコティック液晶性分子の平
均傾斜角(β)も測定した。結果は第2表に示す。
【0131】(楕円偏光板の作製)作製したセルロース
アセテートフイルムおよび光学補償シートを用いた以外
は、実施例2と同様にして、楕円偏光板を作製した。内
側の透明保護膜の遅相軸、透明支持体の遅相軸および偏
光膜の透過軸は平行になるように配置した。その結果、
透明支持体および透明保護膜の遅相軸の平均方向と偏光
膜の透過軸のなす角度は0.5°であった。
アセテートフイルムおよび光学補償シートを用いた以外
は、実施例2と同様にして、楕円偏光板を作製した。内
側の透明保護膜の遅相軸、透明支持体の遅相軸および偏
光膜の透過軸は平行になるように配置した。その結果、
透明支持体および透明保護膜の遅相軸の平均方向と偏光
膜の透過軸のなす角度は0.5°であった。
【0132】(液晶表示装置の作製)作製した楕円偏光
板を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示
装置を作製した。作製した液晶表示装置の液晶セルに、
白表示電圧2V、黒表示電圧6Vを印加し、測定機(EZ
-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、パネル面
内の10カ所で正面コントラスト比を測定した。さら
に、正面コントラスト比が最大である測定点および最小
である測定点において、左右方向の視野角(コントラス
ト比が10以上となる角度範囲)を調べた。結果は、第
3表に示す。
板を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示
装置を作製した。作製した液晶表示装置の液晶セルに、
白表示電圧2V、黒表示電圧6Vを印加し、測定機(EZ
-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、パネル面
内の10カ所で正面コントラスト比を測定した。さら
に、正面コントラスト比が最大である測定点および最小
である測定点において、左右方向の視野角(コントラス
ト比が10以上となる角度範囲)を調べた。結果は、第
3表に示す。
【0133】[比較例3] (セルロースアセテートフイルムの作製)実施例3で得
られたドープを、0℃に冷却したドラム上に流延した。
残留溶剤量が70質量%のフイルムをドラムから剥ぎ取
り、両端をピンテンターにて固定して乾燥した。その
後、140℃の温度でロール間距離0.3mで縦延伸を
行い、厚さ102μmのセルロースアセテートフイルム
を製造した。セルロースアセテートフイルム上に、実施
例3と同様に、下塗り層、下塗りオーバーコート層およ
びバック層を設けて透明支持体を作製した。
られたドープを、0℃に冷却したドラム上に流延した。
残留溶剤量が70質量%のフイルムをドラムから剥ぎ取
り、両端をピンテンターにて固定して乾燥した。その
後、140℃の温度でロール間距離0.3mで縦延伸を
行い、厚さ102μmのセルロースアセテートフイルム
を製造した。セルロースアセテートフイルム上に、実施
例3と同様に、下塗り層、下塗りオーバーコート層およ
びバック層を設けて透明支持体を作製した。
【0134】(光学特性および熱伝導率の測定)作製し
た透明支持体について、実施例1と同様に、光学特性お
よび熱伝導率を測定した。結果は第1表に示す。
た透明支持体について、実施例1と同様に、光学特性お
よび熱伝導率を測定した。結果は第1表に示す。
【0135】(配向膜および光学異方性層の形成)透明
支持体の下塗りオーバーコート層の上に、実施例1と同
様にして配向膜および光学異方性層を形成した。このよ
うにして、光学補償シートを作製した。作製した光学補
償シートについて、セルロースアセテートフイルムと同
様に、光学特性と熱伝導率を測定した。さらに、ディス
コティック液晶性分子の平均傾斜角(β)も測定した。
結果は第2表に示す。
支持体の下塗りオーバーコート層の上に、実施例1と同
様にして配向膜および光学異方性層を形成した。このよ
うにして、光学補償シートを作製した。作製した光学補
償シートについて、セルロースアセテートフイルムと同
様に、光学特性と熱伝導率を測定した。さらに、ディス
コティック液晶性分子の平均傾斜角(β)も測定した。
結果は第2表に示す。
【0136】(楕円偏光板の作製)作製したセルロース
アセテートフイルムおよび光学補償シートを用いた以外
は、実施例3と同様にして、楕円偏光板を作製した。内
側の透明保護膜の遅相軸、透明支持体の遅相軸および偏
光膜の透過軸は平行になるように配置した。その結果、
透明支持体および透明保護膜の遅相軸の平均方向と偏光
膜の透過軸のなす角度は0.4°であった。
アセテートフイルムおよび光学補償シートを用いた以外
は、実施例3と同様にして、楕円偏光板を作製した。内
側の透明保護膜の遅相軸、透明支持体の遅相軸および偏
光膜の透過軸は平行になるように配置した。その結果、
透明支持体および透明保護膜の遅相軸の平均方向と偏光
膜の透過軸のなす角度は0.4°であった。
【0137】(液晶表示装置の作製)作製した楕円偏光
板を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示
装置を作製した。作製した液晶表示装置の液晶セルに、
白表示電圧2V、黒表示電圧6Vを印加し、測定機(EZ
-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、パネル面
内の10カ所で正面コントラスト比を測定した。さら
に、正面コントラスト比が最大である測定点および最小
である測定点において、左右方向の視野角(コントラス
ト比が10以上となる角度範囲)を調べた。結果は、第
3表に示す。
板を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶表示
装置を作製した。作製した液晶表示装置の液晶セルに、
白表示電圧2V、黒表示電圧6Vを印加し、測定機(EZ
-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、パネル面
内の10カ所で正面コントラスト比を測定した。さら
に、正面コントラスト比が最大である測定点および最小
である測定点において、左右方向の視野角(コントラス
ト比が10以上となる角度範囲)を調べた。結果は、第
3表に示す。
【0138】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 透明支持体 Re Rth 遅相軸角度 標準偏差 熱伝導率 ──────────────────────────────────── 実施例1 40nm 220nm 0.3° 0.5° 0.22W/m・℃ 実施例2 20nm 110nm 0.4° 0.3° 0.21W/m・℃ 実施例3 17nm 79nm 0.5゜ 0.5゜ 0.22W/m・℃ 実施例4 40nm 220nm 0.5゜ 0.3゜ 0.22W/m・℃ 実施例5 39nm 222nm 0.3゜ 0.5゜ 0.21W/m・℃ 実施例6 40nm 220nm 0.4゜ 0.4゜ 0.23W/m・℃ 比較例1 42nm 224nm 0.4° 2.7° 0.23W/m・℃ 比較例2 21nm 112nm 0.5° 2.2° 0.22W/m・℃ 比較例3 18nm 80nm 0.4゜ 2.5゜ 0.21W/m・℃ ────────────────────────────────────
【0139】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 光学補償シート Re β Rth 熱伝導率 ──────────────────────────────────── 実施例1 34nm 35.0゜ 80nm 0.24W/m・℃ 実施例2 35nm 35.5゜ 78nm 0.25W/m・℃ 実施例3 34nm 35.0゜ 80nm 0.24W/m・℃ 実施例4 34nm 35.0゜ 80nm 0.24W/m・℃ 実施例5 35nm 35.5゜ 78nm 0.25W/m・℃ 実施例6 34nm 35.0゜ 80nm 0.23W/m・℃ 比較例1 33nm 36.0゜ 76nm 0.24W/m・℃ 比較例2 34nm 35.0゜ 80nm 0.23W/m・℃ 比較例3 35nm 35.0゜ 79nm 0.23W/m・℃ ────────────────────────────────────
【0140】
【表3】 第3表 ──────────────────────────────────── 液晶表示装置 正面コントラスト比 視野角 最大値 最小値 最大 最小 ──────────────────────────────────── 実施例1 270 200 160゜ 140゜ 実施例2 250 200 160゜ 150゜ 実施例3 260 190 160゜ 145゜ 実施例4 280 210 160゜ 150゜ 実施例5 290 200 160゜ 140゜ 実施例6 270 200 160゜ 140゜ 比較例1 270 25 160゜ 30゜ 比較例2 242 50 160゜ 40゜ 比較例3 255 40 160゜ 35゜ ────────────────────────────────────
【図1】ベンド配向液晶セル内の液晶性化合物の配向を
模式的に示す断面図である。
模式的に示す断面図である。
【図2】楕円偏光板を示す模式図である。
【図3】ベンド配向型液晶表示装置を示す模式図であ
る。
る。
【図4】ベンド配向型液晶表示装置における光学補償の
関係を示す概念図である。
関係を示す概念図である。
10 ベンド配向液晶セル 11 液晶性化合物 11a〜11j 棒状液晶性分子 12a、12b 配向膜 13a、13b 電極層 14a 上基板 14b 下基板 31 光学異方性層 31a〜31e ディスコティック液晶性分子 32 配向膜 33 透明支持体 34 偏光膜 NL ディスコティック液晶性分子の円盤面の法線 PL 円盤面の法線を透明支持体面へ正射影した方向 RD ラビング方向 SA 面内遅相軸 TA 面内透過軸 BL バックライト a〜h 光学補償の関係
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/139 G02F 1/139 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA04 BA06 BA27 BA46 BB03 BB33 BB43 BB49 BC03 BC04 BC06 BC22 2H088 HA16 HA18 JA03 LA06 MA07 2H091 FA07X FA07Z FA11X FA11Z FA50X FA50Z FB02 GA16 HA05 LA19 4F071 AA09 AC02 AC07 AC10 AC19 AE19 AF30 AF31 AF31Y AH19 BA02 BB02 BB07 BC01 4J002 AB021 EU186 GP00
Claims (21)
- 【請求項1】 ディスコティック液晶性分子から形成し
た光学異方性層および透明支持体を有する光学補償シー
トであって、透明支持体が、下記式(I)により定義さ
れるReレターデーション値が10乃至70nmの範囲
にあり、下記式(II)により定義されるRthレターデー
ション値が70乃至400nmの範囲にあり、そして、
遅相軸角度の標準偏差が1.5°以下であるポリマーフ
イルムからなることを特徴とする光学補償シート: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。 - 【請求項2】 透明支持体が、3乃至100%の延伸倍
率でロールフイルム形態における幅方向に延伸したポリ
マーフイルムからなる請求項1に記載の光学補償シー
ト。 - 【請求項3】 透明支持体が、3乃至100%の延伸倍
率でロールフイルム形態における長手方向に延伸したポ
リマーフイルムからなる請求項1に記載の光学補償シー
ト。 - 【請求項4】 透明支持体の遅相軸角度の面内の平均値
が延伸方向に対して3°以内である請求項2または3に
記載の光学補償シート。 - 【請求項5】 透明支持体がセルロースアセテートから
なる請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の光学
補償シート。 - 【請求項6】 前記の透明支持体が溶液製膜法により製
造されたセルロースアセテートフィルムであって、溶液
製膜法で用いる溶媒が、炭素数3乃至12のエーテル、
炭素数3乃至12のケトン、または炭素数3乃至12の
エステルを含む事を特徴とする請求項5に記載の光学補
償シート。 - 【請求項7】 前記のセルロースアセテートフィルム
が、6位水酸基の置換度が、2,3位に比べて多い事を
特徴とするセルロースアセテートフィルムであることを
特徴とする請求項5もしくは6に記載の光学補償シー
ト。 - 【請求項8】 前記の透明支持体が共流延法により製造
されたセルロースアセテートフィルムである事を特徴と
する請求項1に記載の光学補償シート。 - 【請求項9】 セルロースアセテートの酢化度が59.
0乃至61.5%である請求項5乃至8のうちのいずれ
かの項に記載の光学補償シート。 - 【請求項10】 セルロースアセテートフイルムが少な
くとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物を含む請求
項5乃至9のうちのいずれかの項に記載の光学補償シー
ト。 - 【請求項11】 セルロースアセテート100質量部に
対して、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合
物を0.01乃至20質量部含む請求項10に記載の光
学補償シート。 - 【請求項12】 芳香族化合物が、少なくとも一つの
1,3,5−トリアジン環を有する請求項10もしくは
11に記載の光学補償シート。 - 【請求項13】 光学異方性層が、下記式(III)により
定義されるReレターデーション値が10乃至100n
mの範囲にあり、下記式(IV)により定義されるRthレ
ターデーション値が40乃至200nmの範囲にあり、
そして、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角が2
0乃至50゜である光学異方性を有する請求項1乃至1
2のうちのいずれかの項に記載の光学補償シート: (III) Re=(nx−ny)×d (IV) Rth={(n2+n3)/2−n1}×d [式中、nxは、光学異方性層面内の遅相軸方向の屈折
率であり;nyは、光学異方性層面内の進相軸方向の屈
折率であり;n1は、光学異方性層を屈折率楕円体で近
似した場合の屈折率主値の最小値であり;n2およびn
3は、光学異方性層の他の屈折率主値であり;そして、
dは、光学異方性層の厚さである]。 - 【請求項14】 ディスコティック液晶性分子の円盤面
の法線の透明支持体面への正射影の平均方向と透明支持
体の遅相軸の平均方向との角度が実質的に45゜である
請求項1乃至13のうちのいずれかの項に記載の光学補
償シート。 - 【請求項15】 ディスコティック液晶性分子から形成
した光学異方性層、透明支持体、偏光膜、そして透明保
護膜の順序、または透明支持体、ディスコティック液晶
性分子から形成した光学異方性層、偏光膜、そして透明
保護膜の順序で設けられている楕円偏光板であって、透
明支持体が、下記式(I)により定義されるReレター
デーション値が10乃至70nmの範囲にあり、下記式
(II)により定義されるRthレターデーション値が70
乃至400nmの範囲にあり、そして、遅相軸角度の標
準偏差が1.5°以下であるポリマーフイルムからな
り、透明支持体の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸と
のなす角度の絶対値が3°以下になるように配置されて
いることを特徴とする楕円偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。 - 【請求項16】 ベンド配向モードの液晶セルおよびそ
の両側に配置された二枚の偏光板からなる液晶表示装置
であって、少なくとも一方の偏光板が、ディスコティッ
ク液晶性分子から形成した光学異方性層、透明支持体、
偏光膜、そして透明保護膜の順序、または透明支持体、
ディスコティック液晶性分子から形成した光学異方性
層、偏光膜、そして透明保護膜の順序で設けられている
楕円偏光板であり、透明支持体が、下記式(I)により
定義されるReレターデーション値が10乃至70nm
の範囲にあり、下記式(II)により定義されるRthレタ
ーデーション値が70乃至400nmの範囲にあり、そ
して、遅相軸角度の標準偏差が1.5°以下であるポリ
マーフイルムからなり、透明支持体の遅相軸の平均方向
と偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対値が3°以下にな
るように配置されていることを特徴とする液晶表示装
置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。 - 【請求項17】 ディスコティック液晶性分子から形成
した光学異方性層、透明支持体、透明保護膜、偏光膜、
そして透明保護膜の順序、または透明支持体、ディスコ
ティック液晶性分子から形成した光学異方性層、透明保
護膜、偏光膜、そして透明保護膜の順序で設けられてい
る楕円偏光板であって、透明支持体が、下記式(I)に
より定義されるReレターデーション値が10乃至70
nmの範囲にあり、下記式(II)により定義されるRth
レターデーション値が70乃至400nmの範囲にあ
り、そして、遅相軸角度の標準偏差が1.5°以下であ
るポリマーフイルムからなり、透明支持体の遅相軸の平
均方向と偏光膜の透過軸とのなす角度の絶対値が3°以
下になるように配置されていることを特徴とする楕円偏
光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。 - 【請求項18】 透明支持体と偏光膜との間の透明保護
膜が、下記式(I)により定義されるReレターデーシ
ョン値が10乃至70nmの範囲にあり、下記式(II)
により定義されるRthレターデーション値が70乃至4
00nmの範囲にあり、そして、遅相軸角度の標準偏差
が1.5°以下であるポリマーフイルムからなり、透明
保護膜の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸とのなす角
度の絶対値が3°以下になるように配置されている請求
項17に記載の楕円偏光板: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、透明支持体面内の遅相軸方向の屈折率
であり;nyは、透明支持体面内の進相軸方向の屈折率
であり;nzは、透明支持体の厚み方向の屈折率であ
り;そして、dは、透明支持体の厚さである]。 - 【請求項19】 ベンド配向モードの液晶セルおよびそ
の両側に配置された二枚の偏光板からなる液晶表示装置
であって、少なくとも一方の偏光板が、ディスコティッ
ク液晶性分子から形成した光学異方性層、透明支持体、
透明保護膜、偏光膜、そして透明保護膜の順序、または
透明支持体、ディスコティック液晶性分子から形成した
光学異方性層、透明保護膜、偏光膜、そして透明保護膜
の順序で設けられている楕円偏光板であり、透明支持体
および透明支持体と偏光膜との間の透明保護膜が、それ
ぞれ、下記式(I)により定義されるReレターデーシ
ョン値が10乃至70nmの範囲にあり、下記式(II)
により定義されるRthレターデーション値が70乃至4
00nmの範囲にあり、そして、遅相軸角度の標準偏差
が1.5°以下であるポリマーフイルムからなり、透明
支持体の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸とのなす角
度の絶対値が3°以下になるように配置されていること
を特徴とする液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、ポリマーフイルム面内の遅相軸方向の
屈折率であり;nyは、ポリマーフイルム面内の進相軸
方向の屈折率であり;nzは、ポリマーフイルムの厚み
方向の屈折率であり;そして、dは、ポリマーフイルム
の厚さである]。 - 【請求項20】 ベンド配向モードの液晶セルおよびそ
の両側に配置された二枚の偏光板からなる液晶表示装置
であって、液晶セルと少なくとも一方の偏光板との間
に、ディスコティック液晶性分子から形成した光学異方
性層および透明支持体からなる光学補償シートと透明保
護膜とが配置されており、透明支持体および透明保護膜
が、それぞれ、下記式(I)により定義されるReレタ
ーデーション値が10乃至70nmの範囲にあり、下記
式(II)により定義されるRthレターデーション値が7
0乃至400nmの範囲にあり、そして、遅相軸角度の
標準偏差が1.5°以下であるポリマーフイルムからな
り、透明支持体の遅相軸の平均方向と偏光膜の透過軸と
のなす角度の絶対値が3°以下になるように配置されて
いることを特徴とする液晶表示装置: (I) Re=(nx−ny)×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d [式中、nxは、ポリマーフイルム面内の遅相軸方向の
屈折率であり;nyは、ポリマーフイルム面内の進相軸
方向の屈折率であり;nzは、ポリマーフイルムの厚み
方向の屈折率であり;そして、dは、ポリマーフイルム
の厚さである]。 - 【請求項21】 透明支持体と透明保護膜とが同一のポ
リマーフイルムである請求項19または20に記載の液
晶表示装置。
Priority Applications (7)
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---|---|---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2006126733A (ja) * | 2004-11-01 | 2006-05-18 | Optimax Technology Corp | 光学補償膜及び光学補償膜に積層された偏光板、及び、液晶ディスプレイ |
JP2008250237A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Fujifilm Corp | 液晶表示装置 |
US7462382B2 (en) | 2002-12-16 | 2008-12-09 | Fujifilm Corporation | Optical compensating sheet, production method thereof, optical film, and polarizing plate and liquid crystal display device using the same |
-
2001
- 2001-03-14 JP JP2001071845A patent/JP2002236215A/ja not_active Withdrawn
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