JPS645634Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のルーフ部に取り付け設置
されるルーフキヤリアのステー装置に係り、さら
にいえば、荷台バー固定機構とステー固定機構と
を各々独立した構造としてステー枠内に設置して
成るルーフキヤリアのステー装置に関する。

従来のルーフキヤリアステー装置も、一応は荷
台バー固定機構およびステー固定機構を具備した
構成であつた。

しかし、従来の荷台バー固定機構及びステー固
定機構は、その固有の機能目的を追及するがあま
り、操作、使用の向き、姿勢を大きく異にした構
成となつていた。このためルーフキヤリアの取り
付け作業がしにくく、手間がかかる欠点があつ
た。

そこで、この考案の目的は、荷台バー用固定機
構及びステー固定機構を共通方向から同一姿勢で
操作、使用することができ、ルーフキヤリア取り
付け作業の容易な構成に改良した自動車用ルーフ
キヤリアのステー装置を提供することにある。

上記目的を達成するために、この考案のステー
装置は、上部に荷台バーを通す孔を設けた中空構
造のステー枠を主体としている。そして、前記ス
テー枠における孔の下方部分に、前記荷台バーを
通す方向に一定角度の傾斜壁を設け、該傾斜壁に
沿つて移動自在なストツパーを設置し、該ストツ
パーを移動させる操作ねじを設置して荷台バー固
定機構を構成している。また、前記中空構造のス
テー枠内の下部に駆動ねじを前記操作ねじと略平
行な向きに回転自在に設置し、該駆動ねじにねじ
込まれた板ナツトを移動自在に設け、車体ルーフ
部の側縁に引掛けて止めるフツクの基端を前記板
ナツトと連結してステー固定機構を構成してい
る。

つまり、荷台バー固定機構の操作ねじを回すこ
とにより、荷台バーの強固な取り付け又は取り外
しを自由自在にできる。また、ステー固定機構の
駆動ねじを回すことによりステーの強固な取り付
け固定又は取り外しを自由自在に行なうことがで
きる。

とりわけ、操作ねじと駆動ねじとは、略平行な
向きに設けているので、例えば１本のドライバー
があれば、共通方向から同一の姿勢で操作がで
き、よつてルーフキヤリアの取り付け作業を容易
に能率良く迅速に行なうことができて至便なので
ある。

次に、図示した実施例を説明する。

第１図は、この考案に係る自動車用ルーフキヤ
リアの全体を示している。図中１は荷台バー、
２，２は前記荷台バー１の両端を支持するものと
して自動車のルーフ部に取り付け固定される一対
のステー装置である。

ステー装置２の詳細及び使用状態は、第２図と
第３図に示したとおりである。

図中３は上部に荷台バー１を通す角孔４を設け
た細長い略台形状で中空構造のステー枠である。
このステー枠３は、高さが約10cmぐらいの大きさ
であり、アクリル等の合成樹脂で一体成形されて
いる。

前記ステー枠３において、角孔４の下方部分に
同角孔４の下方を一部切り欠いた形の凹所５を形
成し、同凹所５の底壁は、角孔４中に荷台バー１
を通す方向に約8゜ぐらいの角度で傾斜した傾斜壁
６に形成されている。

図中７は下面が前記傾斜壁６上に摺接し、上端
が丁度角孔４に臨むぐらいの高さの厚肉板状をな
すストツパーであり、これもアクリル等の合成樹
脂で成形されている。

図中８は操作ねじであり、これは傾斜壁６にお
ける第３図中右端に直立せしめた垂直壁１０のボ
ルト孔１１に通し、前記ストツパー７の長孔８ａ
中に通し、その左端部に板ナツト９がねじ込ま
れ、かくして荷台バー固定機構Ａが構成されてい
る。板ナツト９は、凹所５内において、操作ねじ
８の軸方向へ移動は自在であるが、回転は不可能
に設置されている。

従つて、操作ねじ８をドライバー等で正転方向
に回すと、板ナツト９とのねじ運動により同板ナ
ツト９が第３図中右方向へ進み、これに押されて
ストツパー７が同方向に移動される。よつて、ス
トツパー７は、傾斜壁６に沿つて上昇し、角孔４
中に通された荷台バー１の下面に圧接しこれを強
固に押圧固定する。他方、操作ねじ８を逆転方向
に回すと、ストツパー７が下降してゆるみ、荷台
バー１は角孔４に対し自由に出し入れ操作するこ
とができるのである。

次に、図中１２は駆動ねじであり、これはステ
ー枠３における中空部１３の下部の底壁１４にビ
ス１５，１５で固定された支持金具１６に、上記
操作ねじ８と略平行な向きとして回転自在に両端
支持されている。

図中１７は前記駆動ねじ１２にねじ込まれた板
ナツト、１８は第２図に示したように自動車のル
ーフ部１９の側縁１９ａに引掛けて止める細長い
板状のフツクであり、両者は第４図に示したとお
り板ナツト１７の両側突部１７ａ，１７ａがフツ
ク１８の基端に形成されたカール部１８ａ，１８
ａ中に押し込まれ連結されている。１８ｂは支持
金具１６との干渉を避けるべくフツク１８の長手
方向に設けた切欠き、１８ｃはルーフ部１９の側
縁１９ａに掛止める鉤部である。

従つて、ステー装置２を自動車ルーフ部１９上
所定の位置に載置し、フツク１８を側縁１９ａに
引掛け、しかる後に駆動ねじ１２をドライバー等
で正転方向に回す。すると、ねじ運動によつて板
ナツト１７が第３図中左方向に進み、これに伴な
つてフツク１８が同方向に移動し、該フツク１８
は側縁１９ａに強固に引掛け固定される。即ち、
第１図に示した一対のステー装置２，２が荷台バ
ー１を介して相互に引張り合い結果、前記引掛け
固定の作用効果が奏されるのである。他方、駆動
ねじ１２を逆転方向に回すと、フツク１８はゆる
み、ステー装置２は自動車のルーフ部１９から簡
単に取り外すことができ、同ルーフ部１９を傷つ
けるようなことはないのである。

第３図中２０はステー枠３の下面に装着した軟
らかいゴム製のベース、２１はステー枠３の中空
部１３の前面を閉じる着脱自在の蓋板である。蓋
板２１の下部はステー枠３の爪孔２２，２２（第
２図）に図示省略の爪を入れ込んで止め、上部は
第３図に示したとおり蓋板２１のフツク２１ａを
ば、垂直壁１０の止め孔２３に挿し込んで止める
ように構成されている。

つまり、蓋板２１を取り付けることによりステ
ー装置２の外観は第１図に示したとおりスマート
な台形状をなすものとされる。この蓋板２１を外
すと、上記操作ねじ８及び駆動ねじ１２の頭が露
出する（第２図）ので、使用者は共通方向から略
同一姿勢により二つのねじを操作して楽に迅速に
ルーフキヤリアの取り付け、取り外し作業を進め
ることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るルーフキヤリアの全体
構造を示した斜視図、第２図はステー装置の操
作、使用の状態を示した斜視図、第３図は同じく
ステー装置の使用状態を示した断面図、第４図は
板ナツトとフツクの関係を示した斜視図である。 １……荷台バー、３……ステー枠、４……孔、
６……傾斜壁、７……ストツパー、８……操作ね
じ、１２……駆動ねじ、１７……板ナツト、１８
……フツク、Ａ……荷台バー固定機構、Ｂ……ス
テー固定機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に荷台バーを通す孔を設けた中空構造のス
   テー枠と、前記ステー枠における孔の下方部分に
   荷台バーを通す方向に一定角度の傾斜壁を設け、
   該傾斜壁に沿つて移動自在なストツパーを設置
   し、該ストツパーを移動させる操作ねじを設置し
   て成る荷台バー固定機構と、前記ステー枠内の下
   部に駆動ねじを前記操作ねじと略平行な向きに回
   転自在に設置し、該駆動ねじにねじ込まれた板ナ
   ツトを移動自在に設け、車体ルーフ部の側縁に引
   掛けて止めるフツクの基端を前記板ナツトと連結
   して成るステー固定機構とにより構成したことを
   特徴とする自動車用ルーフキヤリアのステー装
   置。