JPS6210372Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、蝶番におけるスライド板の脱落防止
装置に関するものである。

これは、ドアに取着固定されるドアベースと、
該ドアベースに枢設したクランクベースと、該ク
ランクベースと家具側板等に夫々取着固定される
座金等からなる蝶番において、当該蝶番をドア、
家具側板等へ取付けるべく座金を取外した場合
や、此等の構成片の取付け作業時に、座金の開口
部に遊嵌支持されるスライド板が抜け落ち易く、
その為脱落して紛失し、作業停止の因ともなり、
円滑な作業性を損なうものであつた。本考案は、
斯様な前記諸点に鑑みて案出したものであつて、
座金の開口部よりスライド板を抜け落ちないよう
に支持し、此種蝶番の取付け作業を円滑に可能な
らしめたものである。

本考案の実施態様を各種家具の側板Ａ等にドア
Ｂを開閉自在に枢設支持する蝶番Ｓに基いて説明
する。

先ず、蝶番Ｓの主たる構成片は、ドアＢに取着
固定されるドアベース１と、該ドアベース１に枢
設したクランクベース２と、該クランクベース２
と家具側板Ａ等に夫々取着固定される座金３等か
らなる。

平面横Ｌ字状にダイカスト成形されたドアベー
ス１は、裏面に角溝４を凹設し、その外周縁部を
横Ｕ字状に突設した裏枠部５と、その上下両端部
に前方へ張出し形成した軸受用腕部６，６とから
なる。７，７は当該腕部６，６の前端部に穿設し
た通孔、８，８は裏枠部５の上下中央位置、左側
中央位置に穿設した通孔であつて、当該通孔８，
８を介して取付用固定ねじ９，９をドアＢの側端
部裏面へ螺合固定する。

平面クランク状にダイカスト成形されたクラン
クベース２は、前記ドアベース１に内設係合する
平面横Ｌ字状の係合板部１０と、その端部に後方
へ延設した側面逆凸字状の取付板部１１とからな
る。１２は係合板部１０の基端部に穿設した通孔
であつて、これと前記通孔７，７に軸ピン１３を
軸着固定している。１４は取付板部１１の後部側
面の中央位置に穿設した鍵穴状の長孔、１５は取
付板部１１の前部側面の中央部に螺合支持した調
節ねじ、１６は取付板部１１の後端部に切欠形成
した切欠部、１７は切欠部１６の右側端縁に突設
した係合突条である。

側面逆凸字状にダイカスト成形された座金３に
は、その側面中央部に矩形状の開口部１８を形成
している。１９，１９は座金３の上下両側方への
張出突部２０，２０に穿設した通孔、２１は座金
３の前部中央位置に突設した逆凸字状の突部、２
２は突部２１に穿設した通孔であつて、該通孔２
２と前記通孔１９，１９へ夫々貫挿した取付用固
定ねじ２３，２３によつて、座金３を家具側板Ａ
等へ螺合固定する。２４は座金３の後部中央位置
に突設した凸字状の突部、２５は突部２４の上部
左側面に刻設した鋸歯状の係合歯部であつて、前
記係合突条１７が噛合係合する。２６は開口部１
８内に裏当てし上下にスライド自在に遊嵌支持し
たスライド板であつて、その前後両端部に凹凸条
係合部２７，２７を設けている。２８，２８は開
口部１８の前後端に位置する突部２１，２４の対
応内壁面に凹凸成した被係合部であつて、これに
前記スライド板２６の係合部２７，２７を係合支
持している。２９，２９は開口部１８裏面の上下
に凹成した凹部、３０，３０は凹部２９，２９の
中央に突設した係合突起、３１は上下両端部に通
孔３２，３２を穿設した平板であつて、前記突起
３０，３０に平板３１の通孔３２，３２を嵌着固
定し、これにより開口部１８からのスライド板２
６の抜落を防止する。３３はスライド板２６の中
心部に穿設した螺孔であつて、該螺孔３３にクラ
ンクベース２の鍵穴状長孔１４を介して取付調節
用固定ねじ３４を螺合固定する。

次に、蝶番Ｓの取付例を説明するに、先ずドア
Ｂの一端部にドアベース１を当接支持し、その裏
枠部５の通孔８，８を介して固定ねじ９，９を螺
合し、これにて蝶番Ｓの一方をドアＢの側端部に
取着固定する。

次いで、固定ねじ３４を弛緩して座金３をクラ
ンクベース２の長孔１４から取外し、当該座金３
を固定ねじ２３，２３によつて家具側板Ａ等の内
側所定位置へ螺合し、これにて蝶番Ｓの他方の座
金３を家具側板Ａ等へ取着固定する。更に、ドア
Ｂを家具のドア取付位置へ嵌め込み、スライド板
２６に螺合支持した固定ねじ３４をクランクベー
ス２の長孔１４に嵌挿係合し、ドアＢの取付位置
を正確にセツトした状態に保持し乍ら、当該固定
ねじ３４を締め付け、これにて座金３にクランク
ベース２を取着固定する。このとき、座金３に対
するクランクベース２の前後方向と上下方向の微
調整は、固定ねじ３４を適宜弛緩させ、取付板部
１１の係合突条１７を座金３の係合歯部２５の適
宜段に噛合係合せしめたり、スライド板２６を上
下にスライド操作することにより行なう。また、
座金３に対するクランクベース２の左右方向の微
調整は、取付板部１１の調節ねじ１５を螺進操作
し、座金３に対してクランクベース２の前部を拡
開状とすることによつて行なう。

本考案は、前記の如くドアに取着固定されるド
アベースと、該ドアベースに枢設したクランクベ
ースと、該クランクベースと家具側板等に夫々取
着固定される座金等からなり、その内、クランク
ベースに長孔を穿設し、座金に開口部を形成し、
当該開口部にスライド板を係合支持し、前記長孔
を介してスライド板に固定ねじを螺合固定した蝶
番において、前記開口部の裏面に平板を連結固定
し、該平板によつてスライド板を支持したので、
これによつてスライド板の脱落が容易に防止で
き、此種の蝶番取付け作業の円滑化に優れる等の
実用的諸効果をもたらす。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の全体概要を示す分解斜視図、
第２図は蝶番の取付状態を示す横断平面図、第３
図はドア開成時の左側面図、第４図は座金の裏面
図である。 符号表、Ｓ……蝶番、Ａ……側板、Ｂ……ド
ア、１……ドアベース、２……クランクベース、
３……座金、１４……長孔、１８……開口部、２
６……スライド板、３１……平板、３４……ね
じ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアＢに取着固定されるドアベース１と、該ド
   アベース１に枢設したクランクベース２と、該ク
   ランクベース２と家具側板Ａ等に夫々取着固定さ
   れる座金３等からなり、その内、クランクベース
   ２に長孔１４を穿設し、座金３に開口部１８を形
   成し、当該開口部１８にスライド板２６を係合支
   持し、前記長孔１４を介してスライド板２６に固
   定ねじ３４を螺合固定した蝶番において、前記開
   口部１８の裏面に平板３１を連結固定し、該平板
   ３１によつてスライド板２６を支持したことを特
   徴とするスライド板の脱落防止装置。