JPH0620552Y2 - スロットマシンの固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、スロットマシンの固定装置に関する。

［従来の技術］ スロットマシンを保有する遊技場においては、通常、上
下に配設した木製の取付枠の内側にスロットマシンを収
納し、スロットマシンの外周壁を構成するキャビネット
の底面及び上面をそれぞれ２箇所ずつ合計４箇所を釘で
止めることにより、スロットマシンを固定するようにし
ている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、このような釘による固定では、スロット
マシンを据え付けるとき或は交換や修理等のためにスロ
ットマシンを取り外すときの作業が煩雑で手間がかかる
という問題点があった。

これを解決するものとして、例えば実開昭62−202889号
公報に示すように、スロットマシンの上面に設けた孔か
らてこを利用して凸状部材を突出させ、取付枠の受け孔
に差し込んで固定するようにした取付装置が提案されて
いる。しかし、この取付装置にあっては、てこを利用し
た機構で上面の凸状部材を出没させるようにしているた
め、構造が煩雑であることに加えて、スロットマシンの
取付け又は取外しの際には操作レバーをスロットマシン
の背面側から操作しなければならず、作業が面倒であ
る。更に、下面にも位置決め用の凸状部材を設けると共
に上下の凸状部材に対応する孔を取付枠に穿設する必要
があり、全体として手間のかかる構造になっている。

本考案は、これらの問題点に鑑みてなされたものであ
り、簡潔な機構でスロットマシンを取付枠に容易に固定
したり取外したりできる固定装置を提供することを目的
とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、スロットマシンを取付枠に固定する固定装置
であって、取付枠に対向するスロットマシンの外周壁に
位置する滑り止め部材と、前記外周壁の内側に位置して
滑り止め部材を押圧する蝶ボルト形の雄ねじ部材と、該
雄ねじ部材と螺合して滑り止め部材を前記外周壁に対し
出没自在に支持する雌ねじ部材とから成り、雄ねじ部材
の蝶部を回すことにより滑り止め部材を前記外周壁から
突出させて取付枠に押し付けるように構成したことを特
徴とする。

本考案の実施態様では、滑り止め部材は鋸歯状の歯を有
し、雄ねじ部材の回転で歯が取付枠に食い込むように構
成される。

なお、滑り止め部材を設ける外周壁は、通常、スロット
マシンの上面であるが、これに限らず、取付枠に対向す
る面（例えば左右側面）であればよい。

［作用］ 本考案の固定装置によれば、スロットマシンの据付けの
際には、取付枠の中にスロットマシンを収納した状態
で、雄ねじ部材の蝶部すなわちボルト頭部を指で回すこ
とにより、滑り止め部材をスロットマシンの外周壁から
突出させて取付枠に押し付ける。その押圧力により、取
付枠に対向するスロットマシンの外周壁が固定されると
共に、当該外周壁の反対側の面が取付枠に密着して固定
される。

このようにして固定したスロットマシンを取り外す場合
は、雄ねじ部材の蝶部を反対方向に回して、滑り止め部
材を取付枠からスロットマシンの外周壁の方に戻すと、
スロットマシンの固定が解除されるので、直ちに取付枠
の中から引き出すことができる。

なお、上記の機能を有する滑り止め部材としては、外側
にゴム板等の摩擦材料を装着したものを使用できるが、
雄ねじ部材の回転で取付枠に食い込む鋸歯状の歯を備え
ることにより、取付枠への固定をより確実にすることが
できる。

［実施例］ 第１図及び第２図は、スロットマシン１のキャビネット
上部に本考案の固定装置を取り付けた場合を示す。スロ
ットマシン１は、例えば第３図に示すようなもので、こ
れを図示しない上下取付枠内の所定位置に設置し、本考
案の固定装置を使用して固定する。

第１図及び第２図に示すように、スロットマシン１の前
面上部に蓋２が開閉可能に設けられ、その内部は空室３
になっており、中に手を差し込むことができる。スロッ
トマシン１の外周壁を構成するキャビネット上面４には
開口部５が設けられ、その中に鋸歯状の歯６を上に向け
た滑り止め部材７が出没自在に配置されている。

滑り止め部材７は一対の案内棒８を有し、各案内棒８は
雌ねじ部材９に穿設された案内孔１２を上下方向に貫通
している。なお、滑り止め部材７を図のように取り付け
た後、各案内棒８の下端に抜け止め部材を装着すること
等により、滑り止め部材７がキャビネット上面４から容
易に離脱しないようにすることが好ましい。滑り止め部
材７の下方には蝶ボルトから成る雄ねじ部材１０が設け
られ、そのボルト先端が滑り止め部材７の下面に当接す
るようになっている。この雄ねじ部材１０は、キャビネ
ット上面４の内側にねじ等で固着した金属板から成る雌
ねじ部材９のねじ部１１に螺合している。

従って、滑り止め部材７は、雄ねじ部材１０の蝶部（ボ
ルト頭部）を指で回すことにより、案内棒８に案内され
て上下動する。滑り止め部材７を上方に移動させると、
歯６の先が開口部５から突出して上部取付枠１３の底面
に押し付けられる。この時、雄ねじ部材１０の蝶部を更
に回して締め付ければ、滑り止め部材７の歯６が取付枠
１３に食い込んでキャビネット上部を取付枠１３に固定
すると共に、キャビネットの底を下部取付枠に強く押し
付けるので、スロットマシン１が全体として取付枠に確
実に固定される。

また、上記のように固定した状態において、雄ねじ部材
１０の蝶部を反対方向に回して滑り止め部材７の歯６を
取付枠１３に押し付ける力を除くと、キャビネット上下
の押付けによる固定が解除されるので、スロットマシン
１を取付枠から取外すことができる。

図示の実施例は、スロットマシン１の外周壁を形成する
キャビネットの上面４に固定装置を設けたものである
が、スロットマシン１の左右に取付枠があれば、上部空
室３の左右両側壁１４に固定装置を設けてスロットマシ
ン１を固定することも可能である。また、滑り止め部材
としては、鋸歯状の歯に代えて、ゴム板等の摩擦力の大
きい材料を装着したものを用いてもよい。

［考案の効果］ 上記のように、本考案の固定装置は、スロットマシンの
外周壁に位置する滑り止め部材と外周壁の内側に位置す
るねじ部材とから成る簡潔な機構であり、雄ねじ部材の
蝶部を指で回す簡単な操作で、スロットマシンを取付枠
に固定したり取付枠から取外したりできるので、作業性
が向上すると共に、据え付けの際には反対側の外周壁も
取付枠に押し付けられるので、スロットマシンを取付枠
の内側に設置した状態で簡単且つ確実に固定できるとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を取り付けたスロットマシンの
キャビネット上部を示す斜視図、 第２図はそのキャビネット上部の断面図、 第３図はスロットマシンの外観を示す斜視図である。 １……スロットマシン、 ２……蓋、３……空室、 ４……キャビネット上面、 ５……開口部、６……鋸歯状の歯、 ７……滑り止め部材、８……案内棒、 ９……雌ねじ部材、１０……雄ねじ部材、 １１……ねじ部、１２……案内孔、 １３……上部取付枠。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スロットマシンの取付枠に固定する固定装
   置であって、前記取付枠に対向するスロットマシンの外
   周壁に位置する滑り止め部材と、前記外周壁の内側に位
   置して該滑り止め部材を押圧する蝶ボルト形の雄ねじ部
   材と、該雄ねじ部材と螺合して前記滑り止め部材を前記
   外周壁に対し出没自在に支持する雌ねじ部材とから成
   り、前記雄ねじ部材の蝶部を回すことにより前記滑り止
   め部材を前記外周壁から突出させて前記取付枠に押し付
   けるようにしたことを特徴とするスロットマシンの固定
   装置。
2. 【請求項２】前記滑り止め部材が鋸歯状の歯を有し、前
   記雄ねじ部材の回転で該歯が前記取付枠に食い込むよう
   にした請求項１記載のスロットマシンの固定装置。