JPS64131B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、圧延ラインの最終工程におけるダウ
ンコイラ用に設けられたサイド・ガイドの制御方
法に関するものである。

(ロ) 従来技術 冷間または熱間圧延ラインの最終工程において
は、圧延鋼帯をコイル状に巻き取るダウンコイラ
が設けられている。鋼帯のセンタリングを行つて
鋼帯をダウンコイラに円滑かつ正確に誘導するた
めに、ダウンコイラ入側にサイド・ガイドが設け
られている。

従来のサイド・ガイドは大別して２種類ある。
その１つは、サイド・ガイドの案内面を耐摩耗性
のライナで被覆し、このライナを鋼帯エツジに係
合させて鋼帯を案内するものである。この種のサ
イド・ガイドは摩擦抵抗が大きいので、鋼帯のボ
トムが圧延機列の最終スタンドを通過した後、鋼
帯にバツク・テンシヨンを与け、鋼帯の蛇行を防
止する反面、鋼帯トツプがサイド・ガイドを通過
するさいに鋼帯エツジに耳折れや耳疵等が発生す
る。

他の１つは、サイド・ガイドの案内面に垂直ロ
ーラまたはローラ・デイスクを設け、これらロー
ラ等によつて鋼帯エツジを案内するものである。
この種のサイド・ガイドは摩擦抵抗が小さいの
で、前述した長所と短所が逆になる。

結局、従来のサイド・ガイドでは両者の長所を
生かし、両者の短所を解消させることはできなか
つた。

(ハ) 発明の目的 本発明の目的は、鋼帯トツプの耳折れ、耳疵の
発生を防止するとともに、鋼帯ボトムの蛇行を防
止することができるダウンコイラ用サイド・ガイ
ドの制御方法を得ることにある。

(ニ) 発明の構成 本発明のダウンコイラ用サイド・ガイドの制御
方法は、圧延鋼帯のダウンコイラ巻取工程におい
て、該ダウンコイラ入側にサイド・ガイドを設け
て鋼帯のセンタリングを行うこと、該サイド・ガ
イドの案内面を耐摩耗性ライナによつて被覆する
こと、該案内面に進退駆動自在のローラを設ける
こと、鋼帯のトツプおよびボトムが圧延機列の最
終スタンドを通過する時点を検出すること、鋼帯
のトツプが該最終スタンドを通過した時点から鋼
帯ボトムが該最終スタンドを通過する直前の時点
までは前記ローラを前記案内面上のライナよりも
突出させて鋼帯エツジに係合させること、鋼帯の
ボトムが前記最終スタンドを通過した後は前記ロ
ーラを前記ライナから後退させて該ライナを鋼帯
エツジに係合させることからなつている。

前記ローラは垂直ローラまたはデイスク・ロー
ラでもよい。また、ローラの進退駆動は流体圧シ
リンダまたはねじ機構でもよい。

次に、図面を参照して、本発明のサイド・ガイ
ド制御方法について具体的に説明する。第１図は
本発明の方法の適用例を示す説明図である。冷間
または熱間圧延機列１を通過した圧延鋼帯２は、
サイド・ガイド３によつて適正にセンタリングを
された後にダウンコイラ４に巻き取られる。鋼帯
２のトツプおよびボトムの位置検出は、圧延機列
１の最終スタンド１１に設けたロード・セル５の
荷重変化をとらえることによつて行う。位置検出
信号は制御装置６に送られ、鋼帯のトツプの通過
であるかまたは鋼帯のボトムの通過であるかを設
定値と比較して判断し、後述する制御信号をサイ
ド・ガイド３に送る。

本発明の方法にもとづいて構成されるサイド・
ガイド３の構造を第２図から第４図までを参照し
て説明する。サイド・ガイド３は、テーブル・ロ
ーラ７上に相互に干渉しないように設けられれ、
鋼帯２の幅に合せて調節される。幅調節機構は周
知であるので説明を省略する。

サイド・ガイド３の案内面３１は耐摩耗性のラ
イナ３２によつて被覆される。さらに、案内面３
１には進退駆動自在にローラ３３が設けられる。
ローラ３３は、第４図に最もよく示されているよ
うに、Ｕ字形ホルダ３４に回転自在に支持され、
ホルダ３４はサイド・ガイド３に固定されたブラ
ケツト３５に滑動自在に取り付けられる。ブラケ
ツト３５には流体圧シリンダ３６が固定され、そ
のピストン・ロツド３６１の先端がホルダ３４に
連結される。

流体圧シリンダ３６の作動によつて、ローラ３
３はサイド・ガイド３の案内面３１よりも突出し
た位置（第５図Ａ）と案内面３１よりも後退した
位置（第５図Ｂ）とをとることができる。

ローラ３３をサイド・ガイド３に連結して設け
ることによつて、鋼帯２の幅変更に合せて自動的
に相対移動ができる。しかし、ローラ３３をサイ
ド・ガイド３と独立して設置して、ローラ３３お
よびサイド・ガイド３を別個に進退駆動してもよ
い。

ローラ３３の大きさおよび設置ピツチは、サイ
ド・ガイド３の大きさに合せて適当に選定すれば
よい。

上述したローラ３３は、鋼帯エツジに対して垂
直姿勢で係合するいわゆる垂直ローラであつた
が、第６図に示すように、鋼帯エツジに対して傾
斜姿勢で係合するいわゆるデイスク・ローラ３３
ａでもよい。

ローラ３３の進退駆動機構として、流体圧シリ
ンダ３６に代えて、慣用のねじ、ナツト、モータ
からなるねじ機構でもよい。

以上のように構成したサイド・ガイド３の制御
方法について第１図および第５図を参照して説明
する。鋼帯２のトツプが最終スタンド１１を通過
したとき、ロード・セル５が通過を検出し、制御
装置６に検出信号を送り、制御装置６がサイド・
ガイド３に制御信号を送る。この制御信号に応答
して、サイド・ガイド３はローラ３３を案内面３
１上のライナ３２よりも突出させてローラ３３の
間隔を鋼帯の幅に合せる。鋼帯２のトツプがサイ
ド・ガイド３を通過するさいには、第５図Ａに示
すように、ローラ３３が鋼帯２のエツジに係合す
る。ローラ３３と鋼帯２のエツジとの摩擦抵抗は
非常に小さいので、鋼帯２のエツジには第７図に
示すような耳疵２１は発生しない。

同様に、鋼帯２のボトムが最終スタンド１１を
通過するさいにも制御装置６から制御信号がサイ
ド・ガイド３に送られる。この制御信号に応答し
て、サイド・ガイド３はローラ３３を案内面３１
上のライナ３２よりも後退させ、ライナ３２の間
隔を鋼帯の幅に合せる。このとき、ライナ３２は
第５図Ｂに示すように、鋼帯２のエツジに係合す
る。ライナ３２と鋼帯２のエツジとの摩擦抵抗は
大きくなるので、最終スタンド１１を抜け出た鋼
帯のボトムをしつかりと挟み付け、鋼帯にバツ
ク・テンシヨンを与え、鋼帯の蛇行を防止する。

(ホ) 実施例 成品厚み1.2mm×幅1200mm×重量20〜30tonの熱
間圧延鋼帯、35本について本発明の方法を適用し
た結果、従来法では鋼帯トツプ約30ｍに耳折れ、
耳疵が発生していたものが、約５ｍに低下した。
鋼帯のボトムの蛇行も防止することができた。

(ヘ) 効果 本発明のサイド・ガイドの制御方法によれば、
サイド・ガイドのわずかな改良によつて鋼帯の耳
折れ、耳疵を防止するとともに鋼帯ボトムの蛇行
を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法の適用例を示す説明図。
第２図は本発明の方法にもとづいて構成されるサ
イド・ガイドの平面図。第３図は第２図の−
線からみた側面図。第４図は第２図の−線か
らみた正面図。第５図は本発明の方法を説明した
サイド・ガイドの平面図。第６図はローラの別の
構成を示す第４図と同様な正面図。第７図は耳疵
を説明した鋼帯の平面図。 １：圧延機列、２：鋼帯、３：サイド・ガイ
ド、４：ダウンコイラ、５：ロード・セル、７：
テーブル・ローラ、１１：最終スタンド、３１：
案内面、３２：ライナ、３３：ローラ、３６：流
体圧シリンダ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧延鋼帯のダウンコイラ巻取工程において、
   該ダウンコイラ入側にサイド・ガイドを設けて鋼
   帯のセンタリングを行うこと、該サイド・ガイド
   の案内面を耐摩耗性ライナによつて被覆するこ
   と、該案内面に進退駆動自在のローラを設けるこ
   と、鋼帯のトツプおよびボトムが圧延機列の最終
   スタンドを通過する時点を検出すること、鋼帯の
   トツプが該最終スタンドを通過した時点から鋼帯
   ボトムが該最終スタンドを通過する直前の時点ま
   では前記ローラを前記案内面上のライナよりも突
   出させて鋼帯エツジに係合させること、鋼帯のボ
   トムが前記最終スタンドを通過した後は前記ロー
   ラを前記ライナから後退させて該ライナを鋼帯エ
   ツジに係合させることからなるダウンコイラ用サ
   イド・ガイドの制御方法。 ２ 前記ローラは垂直ローラであることを特徴と
   した特許請求の範囲第１項に記載の方法。 ３ 前記ローラはデイスク・ローラであることを
   特徴とした特許請求の範囲第１項に記載の方法。 ４ 前記ローラの進退駆動は流体圧シリンダを用
   いることを特徴とした特許請求の範囲第１項に記
   載の方法。 ５ 前記ローラの進退駆動はねじ機構を用いるこ
   とを特徴とした特許請求の範囲第１項に記載の方
   法。