JP3587579B2 - タンデム冷間圧延機における金属帯のプロフィール制御方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、被圧延材の断面形状を制御するためのタンデム冷間圧延機における金属帯のプロフィール制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷間圧延された金属帯の板厚精度に対する需要家の要求は、次第に厳しくなってきており、金属帯の圧延方向の板厚精度ばかりでなく、板幅方向の板厚精度も要求されるようになってきている。図5は、冷間圧延後の金属帯のプロフィールを示す概念図である。金属帯のプロフィール、すなわち板幅方向の板厚分布は、板幅中央部の板厚Tが最も大きく、板端部に向かって緩やかに減少し、板端部近傍において急激に減少している。前者の緩やかな板厚減少領域はセンタクラウン領域Cと呼ばれ、後者の板端部近傍における急激な板厚減少領域はエッジドロップ領域Eと呼ばれている。前記センタクラウン領域Cにおいては、金属帯のプロフィールは冷間圧延前の素材プロフィールと相似形となる。このため冷間タンデム圧延機でのプロフィールの改善量は非常に小さい。一方エッジドロップ領域Eにおいては、タンデム冷間圧延時の塑性流動によってエッジドロップが生ずるので、冷間圧延条件によって金属帯のプロフィールが変動する。このため金属帯のプロフィール制御は、事実上エッジドロップ領域のプロフィール制御を意味する。なおエッジドロップ領域Eにおいては、金属帯の塑性流動によって局部的に板幅端部寄りの板厚が板幅中央部寄りの板厚よりも厚くなる、いわゆるエッジアップと呼ばれる現象が生ずることがある。エッジアップは金属帯をコイル状に巻取る際、その部分で局部的な巻太りが生じ、コイルの形状を悪化させるので、その発生を防止する必要がある。前記エッジドロップおよびエッジアップは、金属帯の板幅方向の板厚精度を大幅に低下させるので、従来からその改善が強く望まれている。金属帯のプロフィールを改善する方法としては、次のような先行技術が開示されている。
【0003】
特開平6−269820号公報に開示されている先行技術は、上下一対のワークロール、軸線方向にシフト可能な中間ロールおよびバックアップロールを備える6重冷間圧延機を少なくとも1基含むタンデム冷間圧延機において、6重圧延機の中間ロールシフト、ワークロールベンダおよび中間ロールベンダを用いて金属帯のプロフィールを改善する方法である。この方法は、ベンディング力によって板端部近傍のワークロール間隔を調整して金属帯の板端部近傍の塑性流動を減少させることができるので、プロフィールが改善される。
【0004】
なお前記先行技術におけるプロフィール制御のための板厚検出位置としては、通常板幅中央部と板幅端部の複数の位置とが用いられている。すなわち板幅中央部と板幅端部の複数の位置との板厚差をパラメータとして金属帯のプロフィール制御が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のようにタンデム冷間圧延機において、板幅中央部と板幅端部の複数の位置との板厚差により、金属帯のプロフィール制御を行う場合、次のような問題がある。すなわちプロフィール検出手段として金属帯の板幅方向に往復走行可能なトラバース式X線板厚測定装置を用いる場合、板幅端部の測定タイミングと板幅中央部の測定タイミングには、プロフィール検出手段が板幅端部から板幅中央部まで移動する時間分だけ時間的なずれが生ずる。この間、金属帯は走行しているので、板幅中央部と板幅端部の走行方向板厚測定位置が大きくずれ、走行方向の板厚変動によって金属帯のプロフィール制御の精度が低下する。この問題は、板幅中心部と板幅端部とにX線板厚測定装置をそれぞれ個別に設けることで解決できるけれども、この場合には設備費の大幅な増大を招く。
【0006】
本発明の目的は、前記問題を解決し、プロフィール検出手段がトラバース式であっても、金属帯のプロフィール制御の精度向上を図ることのできる金属帯のプロフィール制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プロフィール調整手段を備える6重冷間圧延機を少なくとも1基含むタンデム冷間圧延機における金属帯のプロフィール制御方法において、
プロフィール調整手段の制御量を金属帯のプロフィールが予め定める範囲を満たすように制御する際、
6重冷間圧延機の下流側に設けられた金属帯のトラバース式プロフィール検出手段によって、金属帯の板幅端部から100〜200mmの範囲内に設定された内側検出位置の板厚と、内側検出位置よりも板幅端部側に設定された外側検出位置の板厚とを検出し、内側検出位置と外側検出位置との板厚差が予め定める範囲を満たすように制御することを特徴とするタンデム冷間圧延機における金属帯のプロフィール制御方法である。
また本発明は、前記外側検出位置が板幅端部から30mm以内であることを特徴とする。
さらにまた本発明の前記板厚の検出は、金属帯の板幅方向に往復走行可能なトラバース式X線板厚測定装置によって行うことを特徴とする。
【0008】
【作用】
本発明に従えば、タンデム冷間圧延機においてトラバース式プロフィール検出手段によって検出された金属帯の板幅端部から100〜200mmの範囲内に設定された内側検出位置の板厚と、内側検出位置よりも板幅端部側に設定された外側検出位置の板厚との板厚差が予め定める範囲を満たすように金属帯のプロフィール制御が行われる。このように板厚の検出位置である内側検出位置と外側検出位置との板幅方向の間隔が非常に短く設定されているので、プロフィール検出手段が金属帯の板幅方向に往復走行して板厚を測定するトラバース式であっても、内側検出位置と外側検出位置との測定タイミングの時間的なずれが短くなり、金属帯のプロフィール制御の精度を大幅に向上することができる。
【0009】
また本発明に従えば、板厚の検出位置である外側検出位置は、板幅端部から30mm以内の位置に設定される。この位置はエッジアップおよびエッジドロップの生じやすい位置であるので、プロフィール制御によってエッジアップおよびエッジドロップを確実に改善することができる。
【0010】
また本発明に従えば、板厚の検出は、金属帯の板幅方向に往復走行可能なトラバース式X線板厚測定装置によって行われるので、複数個のプロフィール検出手段を板幅方向に設けなくても、金属帯のプロフィール制御を確実に行うことができる。
【0011】
【実施例】
図1は、本発明の金属帯のプロフィール制御方法を好適に適用することができるタンデム冷間圧延機の系統図であり、図2は図1に示すタンデム冷間圧延機の初段スタンドを上流側から見た簡略化された正面図であり、図3は図2に示す初段スタンドの中間ロール近辺の簡略化された構成を示す側面図である。
【0012】
タンデム冷間圧延機5は、複数たとえば4基のスタンドを有し、少なくとも1基の6重冷間圧延機を含む。本実施例では全スタンドが6重冷間圧延機であり、初段スタンド1、第2スタンド2、第3スタンド3、最終スタンド4をこの順序に直列に配列して構成される。鋼帯などの金属帯10は、上流側から搬送され、ルーパ12を経て、タンデム冷間圧延機5で冷間圧延され、最終スタンド4の下流側に設けられているトラバース式プロフィール検出手段9でプロフィールを測定された後、巻取りリール16でコイル状に巻取られる。タンデム冷間圧延機5には、金属帯10のプロフィール制御装置11が備えられている。
【0013】
プロフィール制御装置11は、金属帯10のプロフィールを検出するトラバース式プロフィール検出手段9と、各スタンド1〜4に設けられ、金属帯10のプロフィールを調整するプロフィール調整手段8と、金属帯10のプロフィール制御を行うプロセスコンピュータ7とを含む。
【0014】
上位コンピュータ6には、入力手段24から金属帯10の素材情報や冷間圧延条件などが事前に入力されている。実際に冷間圧延する際には、プロセスコンピュータ7にこれらの情報が入力され、プロセスコンピュータ7はこれらの情報に基づいて各スタンド1〜4毎に冷間圧延条件をプリセットする。また冷間圧延中には、プロフィール検出手段9の測定値がプロセスコンピュータ7に入力され、プロセスコンピュータ7は、これらの測定値に基づいてプロフィール調整手段8の制御量を算出し、金属帯10のプロフィールが予め定める範囲を満たすようにプロフィール調整手段8を駆動して金属帯10のプロフィール制御を行う。
【0015】
金属帯10の板幅方向に往復走行可能なトラバース式プロフィール検出手段9は、たとえばトラバース式X線板厚測定装置であり、X線源を走行する金属帯10の板幅方向に全幅にわたって往復走行させ、金属帯10の板幅方向の板厚分布を検出することができる。なおトラバース式X線板厚測定装置のトラバース速度は、たとえば50mm/秒であり、金属帯10の板幅はたとえば1000mmである。このため、X線源が金属帯10の板幅一端部から他端部までトラバースするのに20秒を要する。
【0016】
金属帯10のプロフィール制御を行うための板厚検出位置としては、基準点となる内側検出位置が金属帯10の板幅端部から100〜200mmの範囲内に設定され、エッジドロップやエッジアップの検出点となる外側検出位置が内側検出位置よりも板幅端部側である金属帯10の板幅端部から30mm以内に設定される。基準点となる内側検出位置を金属帯10の板幅端部から100〜200mmの範囲に設定した理由は、100mm未満では、内側検出位置が板幅の急激に減少するエッジドロップ領域に設定されることになり、安定した板厚が要求される基準点として好ましくないからであり、一方200mmを越えると、板厚の内側検出位置と外側検出位置との板幅方向の間隔が大きくなり、トラバース式プロフィール検出手段9による内側測定位置と外側測定位置との板厚測定タイミングの時間的ずれが大きくなるからである。
【0017】
本実施例では、板厚検出の基準点である内側検出位置としては、金属帯10の板幅端部から100mmの位置が設定される。また外側検出位置としては、前記エッジドロップの検出位置として金属帯10の板幅端部から10mmの位置が設定され、前記エッジアップの検出位置として金属帯10の板幅端部から30mmの位置が設定される。なお金属帯10の板幅端部から30mmの位置は、エッジドロップを制御して減少させるとき、経験的にエッジアップの生じやすい位置に相当する。
【0018】
これによって、板幅中央部を基準点とする従来技術と比較して、本実施例では内側測定位置と外側測定位置における板厚の測定タイミングの時間的ずれが約10秒から約2秒に極めて大幅に短縮される。このため金属帯10の走行に伴う走行方向板厚測定位置のずれが小さくなり、走行方向の板厚変動によるプロフィールの検出誤差が小さくなり、金属帯のプロフィール制御の精度向上を図ることができる。
【0019】
前記エッジドロップE10およびエッジアップE30は、金属帯10の板端部から10mm,30mm,100mmの位置における板厚をそれぞれh10,h30,h100とすれば、次式(1),(2)でそれぞれ表される。
【0020】
E10 = h100 − h10 …(1)
E30 = h100 − h30 …(2)
本実施例では、前記エッジドロップE10,エッジアップE30によって金属帯10のプロフィール制御を行う。
【0021】
タンデム冷間圧延機5の初段スタンド1は、図2に示すように金属帯10の上下にワークロール13a,13b、中間ロール14a,14bおよびバックアップロール15a,15bがそれぞれ配置されて構成される。ワークロール13a,13bとバックアップロール15a,15bとは、それらの軸線方向には変位しないように構成されており、中間ロール14a,14bは、それらの軸線方向に油圧シリンダ22,23によって往復変位可能に構成されている。なお本実施例で用いられるワークロール13a,13bはロール胴部を直円柱状に研削した、いわゆるフラットロールである。
【0022】
図3に示すように、初段スタンド1の金属帯10の走行位置上方には、案内突部17,18が設けられており、この案内突部17,18には、シフトブロック19が図3の紙面に垂直方向に変位可能に嵌合されている。シフトブロック19には、ロールチョック20が油圧シリンダ21を介して保持されており、ロールチョック20には、中間ロール14aが図3の紙面に垂直方向の軸線まわりに回転自在に支持されている。油圧シリンダ21は、ロールチョック20を上下に変位可能であり、中間ロール14aにベンディング力を付与することができる。これら油圧シリンダ21およびロールチョック20は、中間ロールベンダ装置を形成する。またシフトブロック19には、油圧シリンダ22が設けられており、油圧シリンダ22はシフトブロック19、ロールチョック20および中間ロール14aを中間ロール14aの軸線方向、すなわち図3の紙面に垂直方向に往復変位させることができる。これら油圧シリンダ22およびシフトブロック19は、中間ロールシフト装置を形成する。なお初段スタンド1の金属帯10の走行位置下方にも同一構成の中間ロールベンダ装置および中間ロールシフト装置が金属帯10の板幅方向断面の中心点Oを中心に点対称に配置されている。またワークロール13a,13bには、前記中間ロールベンダ装置と同一構成のワークロールベンダ装置が設けられている。なお第2スタンド2、第3スタンド3、最終スタンド4の構成は、前記初段スタンド1の構成と全く同一である。
【0023】
プロフィール調整手段8は、前記ワークロールベンダ装置、中間ロールベンダ装置および中間ロールシフト装置からなり、たとえばワークロール13a,13bおよび中間ロール14a,14bへのベンディング力の付与ならびに中間ロールシフト位置の変位によって、上下一対のワークロール13a,13bの軸線方向ロール間隙分布を特に板端部近辺において変化させることができる。このためプロフィール調整手段8の駆動によって、金属帯10のプロフィールが調整される。なお本実施例においては、タンデム冷間圧延機5を構成する4スタンド1〜4のうち、最終スタンド4を除く各スタンド1〜3において金属帯10のプロフィール制御を行い、最終スタンド4において金属帯10の平坦度制御を行う。
【0024】
図4は、本発明にかかわる金属帯のプロフィール制御方法を説明するためのフローチャートである。ステップs1では、プロセスコンピュータ7に上位コンピュータ6から金属帯10の素材情報や冷間圧延条件などが入力される。素材情報としては、素材プロフィール、素材の材質、寸法およびプロフィール制御の要否などが入力される。
【0025】
ステップs2では、金属帯10がプロフィール制御対象材であるか否かが判断される。この判断が否定であれば、ステップs3に進み、非プロフィール制御用、すなわちエッジドロップの改善を行わない圧延条件が設定される。これには、たとえばエッジドロップが有効に活用されている溶融めっき用原板などが該当する。ステップs3における圧延条件設定後、ステップs8に進み、圧延条件を固定してタンデム冷間圧延が行われる。ステップs2における判断が肯定であれば、ステップs4に進む。
【0026】
ステップs4では、プロフィール制御用圧延条件が設定される。圧延条件の設定に際しては、プロセスコンピュータ7によって前記素材情報と製造品種毎に予め求められている影響係数に基づき初段スタンド1から第3スタンド3におけるエッジドロップの最適改善量が算出され、それに応じてプロフィール調整手段8の制御量が設定される。すなわちエッジドロップE10が予め定める範囲を満たすように初段スタンド1〜第3スタンド3におけるワークロールベンディング力、中間ロールベンディング力および中間ロールシフト位置の制御量がそれぞれプリセットされる。
【0027】
ステップs5では、冷間圧延後の金属帯10のプロフィールがトラバース式プロフィール検出手段9によって測定される。金属帯10のプロフィール測定値はプロセスコンピュータ7に入力され、前記エッジドロップE10およびエッジアップE30が(1),(2)式に基づき算出される。前述のように本実施例では、基準点である内側検出位置と、エッジドロップやエッジアップの検出点である外側検出位置におけるトラバース式プロフィール検出手段9による板厚の測定タイミングの時間的ずれが従来技術に比べて非常に短いので、金属帯10の走行に伴う走行方向板厚検出位置のずれが小さくなり、走行方向の板厚変動による金属帯10のプロフィールの検出誤差が小さくなる。このため前記エッジドロップE10やエッジアップE30の算出を高精度に行うことができる。
【0028】
ステップs6では、エッジアップE30が予め定める目標範囲内か否かが判断される。この判断が否定であれば、エッジアップが発生していると判断され、ステップs7に進む。
【0029】
ステップs7では、圧延条件の変更が行われる。圧延条件の変更は、エッジアップが解消されるようにプロフィール調整手段8の制御量を変更することによって行われる。すなわち、プロフィール調整手段8のワークロールベンディング力を変更する場合には、エッジドロップを改善するために上下のワークロール13a,13b間を離反させる方向に付与されているいわゆるインクリースワークロールベンディング力が上下のワークロール13a,13b間を近接させ、エッジアップを解消させるために低減される。またプロフィール調整手段8の中間ロールシフト位置を変更する場合には、中間ロール14a,14bの胴端部を金属帯10の板幅端部側に変位させ、すなわち図2において上中間ロール14aを右方に、下中間ロール14bを左方に油圧シリンダ22,23によって変位させて、前記インクリースワークロールベンディング力が付与されても上下のワークロール13a,13b間を離反しにくくしてエッジアップを解消させる。
【0030】
ステップs7における圧延条件の変更後、処理ステップは再度ステップs5に戻り、金属帯10のプロフィールの測定が行われる。このステップs5,s6,s7をめぐる処理ループは、ステップs6の判断が肯定になるまで繰返される。ステップs6における判断が肯定であれば、エッジアップが発生していないと判断され、ステップs8に進み、圧延条件を固定して、金属帯10の全長のタンデム冷間圧延を行う。
【0031】
またエッジドロップについては、ステップs4におけるプリセット制御のみが行われ、フィードバック制御は行われない。これはプリセットで設定した圧延条件からさらにエッジドロップを改善しようとすれば、金属帯10の板端部における張力が過大となり、金属帯10に破断の生ずるおそれがあるためである。なおステップs5において求められたエッジドロップE10の算出値は、学習効果によってプリセット精度を高めるために用いられる。
【0032】
このように本実施例では、プリセットによってエッジドロップの改善条件が設定され、金属帯10の頭部においてエッジアップの発生が認められる場合のみエッジアップ回避のためのフィードバック制御を行い、エッジアップ解消後は冷間圧延条件を固定して全長の冷間圧延を実施する。このため短時間の制御によって、金属帯10の全長にわたって良好なプロフィールを得ることができる。
【0033】
また本実施例では、前述のように前記板厚の内側検出位置と外側検出位置の間隔が非常に短く設定されているので、プロフィール検出手段が金属帯10の板幅方向に往復走行して板厚を測定するトラバース式プロフィール検出手段9であっても金属帯10のプロフィールの検出誤差が非常に小さくなる。このため前記エッジドロップE10やエッジアップE30の算出を高精度に行うことができ、金属帯10のプロフィール制御の大幅な精度向上を図ることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、タンデム冷間圧延機において金属帯のプロフィール制御は、板厚の検出位置である内側検出位置と外側検出位置との板幅方向の間隔を非常に短く設定して行われる。これによって内側検出位置と外側検出位置における測定タイミングの時間的なずれが短くなるので、金属帯のプロフィール制御の精度が大幅に向上する。このため金属帯の板幅方向の板厚精度が向上し、製品歩留りを高めることができる。
【0035】
また本発明によれば、エッジアップおよびエッジドロップの生じやすい位置において金属帯のプロフィール制御が行われるので、エッジアップおよびエッジドロップを確実に改善することができ、エッジアップによるコイルの局部的巻太りを防止することができる。
【0036】
また本発明によれば、板厚の検出は金属帯の板幅方向に往復走行して行われるので、複数個のプロフィール検出手段を板幅方向に設けなくても、金属帯のプロフィール制御を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属帯のプロフィール制御方法を好適に適用することができるタンデム冷間圧延機の系統図である。
【図2】図1に示すタンデム冷間圧延機の初段スタンドを上流側から見た簡略化された正面図である。
【図3】図2に示す初段スタンドの中間ロール近辺の簡略化された構成を示す側面図である。
【図4】本発明にかかわる金属帯のプロフィール制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】冷間圧延後の金属帯のプロフィールを示す概念図である。
【符号の説明】
5 タンデム冷間圧延機
7 プロセスコンピュータ
8 プロフィール調整手段
9 トラバース式プロフィール検出手段
10 金属帯
11 プロフィール制御装置
13a,13b ワークロール
14a,14b 中間ロール
19 シフトブロック
20 ロールチョック
21,22,23 油圧シリンダ
Claims (3)
- プロフィール調整手段を備える6重冷間圧延機を少なくとも1基含むタンデム冷間圧延機における金属帯のプロフィール制御方法において、
プロフィール調整手段の制御量を金属帯のプロフィールが予め定める範囲を満たすように制御する際、
6重冷間圧延機の下流側に設けられた金属帯のトラバース式プロフィール検出手段によって、金属帯の板幅端部から100〜200mmの範囲内に設定された内側検出位置の板厚と、内側検出位置よりも板幅端部側に設定された外側検出位置の板厚とを検出し、内側検出位置と外側検出位置との板厚差が予め定める範囲を満たすように制御することを特徴とするタンデム冷間圧延機における金属帯のプロフィール制御方法。 - 前記外側検出位置が板幅端部から30mm以内であることを特徴とする請求項1記載のタンデム冷間圧延機における金属帯のプロフィール制御方法。
- 前記板厚の検出は、金属帯の板幅方向に往復走行可能なトラバース式X線板厚測定装置によって行うことを特徴とする請求項1または2記載のタンデム冷間圧延機における金属帯のプロフィール制御方法。
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