JP3418740B2 - スキンパスミルにおける蛇行防止方法 - Google Patents

スキンパスミルにおける蛇行防止方法

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JP3418740B2
JP3418740B2 JP2001242936A JP2001242936A JP3418740B2 JP 3418740 B2 JP3418740 B2 JP 3418740B2 JP 2001242936 A JP2001242936 A JP 2001242936A JP 2001242936 A JP2001242936 A JP 2001242936A JP 3418740 B2 JP3418740 B2 JP 3418740B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に記載の発明は、板の
平坦度や表面性状を高めるために使用されるスキンパス
ミル(調質圧延機)において、圧延(スキンパス圧延)
中の板が蛇行するのを防止する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】スキンパスミルは、熱間圧延機(ホット
ストリップミル)等で圧延されたストリップ(帯状の金
属板)に対し、常温において圧下率が0.1〜3.0%
程度の軽圧下をかけ、そのストリップを一様に伸ばすこ
とによって平坦度や表面性状を向上させたり材質の調整
を行ったりする圧延機である。構造的には、たとえば図
4(a)・(b)に示すように一対のワークロール11
・12が水平に配置されており、それらが上下のバック
アップロール13・14を介して圧下手段(油圧シリン
ダなど)15および枠型のハウジング17に連結されて
いる。枠型のハウジング17op・17drはストリッ
プxの通過するラインをはさんで左右両側、すなわちオ
ペレーションサイドとドライブサイドとのそれぞれに配
置され、圧下手段15op・15drもそれぞれの側に
設けられている。
【0003】熱間圧延機等に比べると圧延荷重の低い領
域で使用されることに関連して、スキンパスミルではス
トリップに蛇行が発生しやすい。荷重が低いために、ス
トリップにかかる実際の荷重と荷重計等にて検出される
荷重との間に誤差が生じやすく、また機械各部の隙間の
影響が発生しやすいなど、ストリップに作用する荷重が
多くの要因で安定的でないからである。ストリップが蛇
行を起こす直接の原因は、ワークロールを介して圧下手
段から作用する圧延荷重が、その左右(オペレーション
サイドとドライブサイド)において均一でないことにあ
る。左右いずれかにおいて圧延荷重が他方よりも大きく
なると、その荷重の小さい側へストリップが移動して蛇
行を起こす。蛇行が激しくなるとラインの運転を停止せ
ざるを得ないので、蛇行の程度や発生頻度によっては生
産性が大幅に低下して深刻な事態を招くことがある。
【0004】スキンパスミルにおけるストリップの蛇行
を防止するために、従来、つぎのような手段がとられて
いる。すなわち、イ ) 左右の圧下手段について一定荷重で定期的にゼロ点
調整を行う。オペレーションサイドとドライブサイドと
ではハウジングの剛性(ミル定数)などが異なるため、
各側で同じ位置(ストローク)にまでワークロールを圧
下しても、いわゆるミル伸びの違いが生じて左右の圧延
荷重が一致しなくなることが多い。そこで、定期的に一
定の荷重(左右同じ荷重)でロールを圧下させ、そのと
きの各圧下手段のストロークをそれぞれの基準点に定め
るというゼロ点調整を行うのである。そしてその後の圧
延は、各圧下手段につき、当該基準点に対するストロー
クの変化量が左右で同じになるようにする。ただし、従
来のゼロ点調整は、100トンや200トンなど、スキ
ンパスミルごとに定められた一定の大きさの荷重でロー
ルを圧下させることにより行い、ロール交換の直後など
特別な場合を除けば1日に1回とするなど、一定の時間
間隔で実施するものである。
【0005】ロ) 圧延中に左右の各圧下手段における圧
下量(ストローク)変位と圧下力(荷重)とを監視し、
それに基づいて適切な自動制御を行う。たとえば特開平
7−24515号公報には、そうして監視する変位や圧
下力の左右間の偏差が所定量以上になったとき、圧下力
を一定にする方式と変位を一定にする方式との間で制御
を切り替えるという蛇行防止方法が記載されている。同
公報に記載の方法は、圧下力一定の方式で図5(a)の
ように上下のワークロールによりストリップを圧延する
のを基本とし、(b)のようにストリップが左右いずれ
かへ偏る(つまり蛇行が発生する)と、圧下量変位の偏
差が所定量以上になったことを検知して(c)のように
変位(ストローク)を所定値にとる制御方式に切り替
え、それによってストリップが(d)のように中央に復
帰すると、圧下力の偏差が所定値以下になったことを検
知して再び圧下力一定の制御方式に切り替える−という
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】スキンパスミルにおけ
る従来の蛇行防止方法は、つぎのような点で十分なもの
とはいえない。つまり、イ ) 左右の圧下手段について一定荷重で定期的にゼロ点
調整を行う方法では、実際の圧延時に左右間でミル伸び
の違いが生じやすいため、ストリップの蛇行を必ずしも
防止することができない。左右間でミル伸びに違いがで
きやすいのは、実際の圧延時における荷重がゼロ点調整
時の荷重と一致するとは限らないからである。実際の圧
延荷重がゼロ点調整時の荷重と異なる場合、オペレーシ
ョンサイドとドライブサイドの各ミル伸びはゼロ点調整
時におけるものとは一致せず、左右間(サイド間)でミ
ル定数が微妙に相違することに基づいて互いに異なるも
のとなる。圧延時に左右間でミル伸びに違いが生じる
と、結果として左右の圧延荷重が相違することになり、
ストリップが蛇行しがちになる。
【0007】ロ) 圧延中、各圧下手段の圧下量(ストロ
ーク)変位と圧下力(荷重)とを監視して自動制御を行
う方法をとる場合には、高速性能をもつ精密な制御機器
を多数配置しなければならないために相当のコストが必
要になる。また、コストをかけてそのような方法を実施
しても、十分な効果を得ることが難しい。効果を得にく
いのは、前記したようにストリップにかかる実際の荷重
と荷重計等にて検出される荷重との間に誤差が生じやす
いこと、また、オペレーションサイドとドライブサイド
との間の差異を解消する何らかの処置をとらないと、ス
トリップの形状(左右間の厚さの差)等に起因する蛇行
を防止することができてもスキンパスミルのミル定数の
左右差に起因する蛇行を防止することが難しいこと、に
よる。
【0008】発明した蛇行防止方法は、高級な制御機器
をほとんど使用しなくてもストリップの蛇行を効果的に
防止することのできる、スキンパスミルにおける蛇行防
止方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載したスキ
ンパスミルにおける蛇行防止方法は、 1) 先行材の通過後、次材の圧延(スキンパス圧延)を
開始する前に、左右の圧下手段により次材の設定圧延荷
重(左右の各圧下手段についてのもの)でロール(ワー
クロールを含む)を圧下させ、そのときの各圧下手段の
ストローク(圧下位置)をそれぞれ基準点に定めるゼロ
点調整を行い、 2) 次材の圧延(スキンパス圧延)の開始の際、左右の
圧下手段の間で上記基準点に対するストロークの変化に
差がないようにロールを圧下させて当該次材に設定圧延
荷重をかけ、圧延中その荷重を維持することを特徴とす
る。
【0010】この蛇行防止方法は、前記イ)の方法と同じ
く左右の圧下手段についてゼロ点調整を行うものではあ
るが、上記1)のとおりつぎの点でイ)の方法と異なる。す
なわち、ゼロ点調整を、スキンパスミルごとに定められ
た一定の荷重で行うのではなく次材の設定圧延荷重で行
い、また、一定の時間間隔で行うのではなく先行材の通
過後・次材の圧延開始前に行うのである。つまりこの蛇
行防止方法では、次材の圧延開始直前に、当該次材の設
定圧延荷重にてゼロ点調整を実施するものである。
【0011】圧延中、スキンパスミルには幾分かのミル
伸びが発生しており、その伸びの大きさは左右(すなわ
ちオペレーションサイドとドライブサイド)間で等しい
とは限らない。しかし、この発明の蛇行防止方法では、
1)のとおり実際の圧延時と等しい荷重を左右の各圧下手
段に出力させてゼロ点調整を行ううえ、2)のように、ゼ
ロ点調整時に定めた基準点からのストローク変化が左右
間で差がない(つまり左右いずれもがストリップの板厚
に基づく寸法だけストローク変化を起こすものの、左右
間では差がない)ようにロールを圧下させて圧延を行う
ので、左右間に荷重差がないこと等を満たすよう適切に
ゼロ点調整を行っている限り、圧延中のミル伸びはゼロ
点調整時におけるものとそれぞれ一致し、かつ、左右間
に荷重差がほとんど生じない。そのため、この方法によ
ると、スキンパスミルにおける構造上の特徴(つまりミ
ル定数の左右差)に起因する蛇行を効果的に防止するこ
とができる。
【0012】この蛇行防止方法は、ストリップのうちに
左右間で厚さの一致しない部分があるなどストリップの
形状に起因する蛇行を積極的に防止するものではない。
しかし、下記の理由でそのことはほとんど問題にならな
い。すなわち、a)熱間圧延機等における形状制御特性が
向上したことに基づいてストリップの形状に起因する蛇
行は少なくなっている、b)ゼロ点調整時と実際の圧延時
との間に大きな荷重差(数トン〜数十トン)が生じがち
であった従来の蛇行防止方法に比べると、当該荷重差に
基づく左右間の大きなミル伸び差が解消されるので、ス
トリップの形状に基づいて左右間に僅かな荷重差・ミル
伸び差が生じたとしても、蛇行防止上の効果は十分に得
られる、c)上記a)・b)の点から、ストリップの形状等に
起因して生じる蛇行の防止を作業員の手動操作(蛇行状
況を観察し適宜に圧下手段のストロークを操作する)に
よって修正することも容易である−からである。
【0013】
【0014】
【0015】請求項2に記載の蛇行防止方法はとくに、
上記のゼロ点調整を、左右の圧下手段による荷重を次材
の設定圧延荷重にまで上げたのち均等にし(すなわちレ
ベリングして、左右間の差がたとえば1%以内に入るよ
うにする)、一定時間(たとえば5秒間以上。また実用
上の便宜を考慮してたとえば1分間以内)その状態が保
持された時点で各圧下手段のストロークを基準点に定め
ることにより行うことを特徴とする。
【0016】この方法によると、左右間に荷重差のない
ことを満たす適切なゼロ点調整を行うことができる。左
右の圧下手段の出力を上記のように均等にして一定時間
の継続性を確認するからである。スキンパスミルのハウ
ジングは単一部品によって構成されているのではなく、
圧下手段による荷重(圧下力)はハウジング中の複数の
部材および複数のロール等に作用するため、同手段に一
定の出力を発揮させたとき、各部材が弾性的に伸縮変形
を起こすほか、部材間に微少なずれや永久変形が生じ得
るためしばらくの後にその荷重が変化する可能性があ
る。したがって、何秒間か荷重が変化しないことを確認
することにより、ゼロ点調整時の荷重を正確に次材の設
定圧延荷重に合わせることができ、かつ、左右間の荷重
差をなくすことができる。
【0017】請求項3に記載の蛇行防止方法は、さら
に、次材の設定圧延荷重が先行材におけるものと同じで
あるか否かを判断し、同じであれば、ゼロ点調整(前記
1))を行うことなく、先行材について定めた(つまり先
行材の圧延開始前に定めた)基準点を次材の基準点に用
いて次材の圧延(前記2))を行う一方、同じでないなら
ば、上記したゼロ点調整を行うことを特徴とする。
【0018】スキンパスミルにおける設定圧延荷重とし
ては、圧延しようとするストリップの鋼種や板厚、板幅
に応じ、理論上および経験上事前に定められた値を用い
る。次材の設定圧延荷重が先行材におけるものと同じで
あるのは、したがって、先行材と次材とが鋼種・板厚・
板幅等について同じである場合である。そのような場合
には改めてゼロ点調整を行わずに、先行材について定め
た基準点を用いることとするので、この方法によると、
同一仕様の圧延が連続することの多い場合に、ストリッ
プの蛇行を防止をはかりながらスキンパスミルの運転を
能率的に行えることになる。
【0019】
【発明の実施の形態】発明の実施に関する一形態を図1
〜図4に紹介する。図1は、スキンパスミルにおいて圧
延の対象とする鋼板(ストリップ)を先行材から次材へ
と変更する際の手順を示すフローチャートであり、図2
は、図1のフローのうち、ゼロ点調整の過程を中心とし
た要部を詳しく示すフローチャートである。図3は、ス
キンパスミル10を含むスキンパスラインの全体を示す
レイアウト図。そして図4は、スキンパスミル10の構
造を示す正面図(図4(a))および側面図(同
(b))である。
【0020】スキンパスミル10は図3のようなスキン
パスライン中にあり、熱間圧延機(図示せず)で圧延さ
れたストリップ(帯状鋼板)xを軽圧下することによっ
て、その板の平坦度や表面性状の向上および材質調整を
行う圧延機である。スキンパスミル10の構造は図4
(a)・(b)に示すとおりで、一対のワークロール1
1・12が水平に配置され、それらが、上下のバックア
ップロール13・14を介して圧下手段(油圧シリン
ダ)15およびハウジング17に連結されている。ハウ
ジング17は、ストリップxの通過するラインをはさむ
左右(すなわちオペレーションサイドとドライブサイ
ド)のそれぞれに概ね同形状の枠型ハウジング17op
・17drを備えてなり、圧下手段15としても左右下
部に同様の構造の圧下手段15op・15drがあり、
それぞれがハウジング17op・17 の内側に配置
されている。圧下手段15op・15drのストローク
(シリンダがした伸縮変位の量)を増して下部のバック
アップロール13やワークロール12を押し上げれば、
ハウジング17op・17dr等にて拘束されたバック
アップロール14およびワークロール12との間に圧延
荷重をかけ、ストリップxを圧下することができる。そ
して、そのとき作用する圧延荷重の大きさは、上部のバ
ックアップロール14(の左右の各軸受部)と左右の各
ハウジング17op・17drとの間に取り付けた荷重
計(ロードセル)16op・16drによって知ること
ができる。なお、スキンパスミルとしては、図4のもの
とはロールの数が異なる(もしくはバックアップロール
がない)もの、または圧下手段が下部ではなく上部にあ
るものを使用することも可能である。
【0021】図3のように、スキンパスラインにおいて
は、ペイオフリール1に取り付けられたコイルからスト
リップxが巻き出されてスキンパスミル10に通され、
そこでスキンパス圧延の施されたストリップxがテンシ
ョンリール8によって巻き取られる。ペイオフリール1
とスキンパスミル10との間には、ストリップxを案内
するサイドガイド2や切断用のシャー3が設けられ、ス
キンパスミル10とテンションリール8との間には、ス
トリップxの厚さ計測手段4と幅計測手段5、表面性状
検査台6およびサイドガイド7が配置されている。
【0022】ペイオフリール1とテンションリール8と
にはストリップxの位置調整手段1aおよび8aがそれ
ぞれ付設されている。位置調整手段1aは、油圧シリン
ダ1eを用いてペイオフリール1(のコイル)を左右に
位置調整するもので、ストリップxの左右への位置ずれ
を検出する光学センサー1bと、その信号をもとにスト
リップxのずれ量(蛇行量)を演算する計測手段1c、
演算結果からシフト量を求めて油圧シリンダ1eを操作
する制御手段1dとを含む。位置調整手段8aも同様
に、油圧シリンダ8eによりペイオフリール8(のコイ
ル)について左右位置を調整するもので、ストリップx
の左右へのずれを検出する光学センサー8bと、ずれ量
(蛇行量)の計測手段8c、計測の結果に応じて油圧シ
リンダ8eを操作する制御手段8dを組み合わせたもの
である。ペイオフリール1に位置調整手段1aが付設さ
れていること等から、図3のラインでは、スキンパスミ
ル10に対して左右の中央付近に正しくストリップxが
送り込まれる。
【0023】しかし、スキンパスミル10の前後(上流
側・下流側)でストリップxが正しく送られるとして
も、スキンパスミル10において左右いずれかに偏った
荷重がストリップxに作用すれば、そこでは左右いずれ
かに向かう力がストリップxに作用し、蛇行が発生す
る。スキンパスミル10におけるこのような蛇行を防止
するために、図3のスキンパスラインではつぎのような
策を講じている。すなわち先の圧延材(先行材)のコイ
ルからのストリップxの供給が終わって次の圧延材(次
材)のコイルに切り替えるとき、ラインを停止したのち
再びライン運転を始めるまでの間に、図1および図2に
示す特定の操作をするのである。以下、図3・図4に示
したスキンパスミル10およびスキンパスラインの構成
を引用しながらその操作を紹介する。
【0024】蛇行防止のための当該操作の概要は図1に
示すとおりである。まず、先行材についてスキンパスラ
インを運転中、ペイオフリール1の付近に配置されたセ
ンサー(図示せず)でコイル(ストリップx)の尾端が
検出されると、ラインを減速して停止する(ステップS
1〜S4)。ペイオフリール1上の残量が30m程度に
なったときにラインを減速し始め、あと1m前後で尾端
がスキンパスミル10を通過するほどの時点でラインを
停止させるのがよい。つづいて、圧下手段15を縮めて
ワークロール11・12間を開いたうえ、テンションリ
ール8にてゆっくりとストリップxを巻き取り、その尾
端がスキンパスミル10を通過するのを待つ(ステップ
S5〜S6)。そうして先行材がスキンパスミル10の
ワークロール11・12間から出たのち、スキンパスミ
ル10において、次にスキンパス圧延をするストリップ
x(次材)に対応させたゼロ点調整(ゼロ調)を行う
(ステップSZ)。ゼロ調が完了すると、当該次材をペ
イオフリール1からスキンパスミル10へ送り、そのコ
イル(ストリップx)の先端をワークロール11・12
間に通し、さらに、圧下手段15を伸ばしてワークロー
ル11・12でストリップxを圧下し、またテンション
リール8等をも起動してスキンパスラインの運転を開始
する(ステップS17〜S23)。
【0025】図1におけるゼロ調(ステップSZ)とそ
の前後の操作について詳細を示すと図2のようになる。
操作は、スキンパスミル10の機側のコンピュータを使
用して、スキンパスミル10を下記1)〜8)のように機能
させるものである。
【0026】1) 先行材の尾端付近においてラインが停
止すると(ステップS4)、圧下手段15のストローク
を変位させてワークロール11・12間を開き、ロール
ギャップを約15mmにする(ステップS5)。
【0027】2) 先行材の尾端がスキンパスミル10を
通過したのち(ステップS6)、上位コンピュータよ
り、次材のデータ(鋼種・板厚・板幅等)とともに当該
次材の設定圧延荷重の伝送を受ける(ステップS7)。
【0028】3) 次材の設定圧延荷重を受け取り、それ
が先行材における値と異なると判断すると(ステップ
8)それに応じたゼロ調を行い(ステップSZ)、もし
先行材の荷重と同じであればゼロ調を行わず、先行材に
用いたデータ(先行材の荷重がさらに先行する材料のも
のと同じなら、当該さらに先行する材料に用いたデー
タ)を記憶したまま次材をスキンパスミル10に通す
(ステップS17)。
【0029】4) ゼロ調はつぎのように行う。まず、圧
下手段15のストロークを変化させてワークロール11
・12間を閉じ合わせ、つづけて、各荷重計16(16
op・16dr)による荷重を参照しながらそのロール
11・12間の荷重を徐々に増やし、ステップS7で受
け取った次材の設定圧延荷重にまで到達させる(ステッ
プS9・S10)。ロール11・12間の荷重(荷重計
16op・16drの計測値)が設定圧延荷重に達する
と(ステップS10)、圧下手段15(15 ・15
dr)の各圧下力を微調整し、左右、すなわちオペレー
ションサイドとドライブサイドとについて荷重差を所定
範囲(たとえば設定圧延荷重の1%、または絶対値で1
〜2トン差)内におさめるレベリングを行う(ステップ
S11・S12)。レベリングが完了すると、圧下手段
15のストローク(圧下位置)をそのままに保持し、保
持中に荷重が変化しないかどうかチェックする(ステッ
プS13・S14)。つまり、荷重差が上記の所定範囲
内にある状態が一定時間(たとえば30秒)以上持続す
るならゼロ調が完了したとして、そのときの圧下手段1
5のストロークを基準点に定めて機側のコンピュータに
記憶させる(ステップS15)。
【0030】5) 上記によってゼロ調が完了すると、圧
下手段15によりワークロール11・12間を開いて1
5mm前後のロールギャップをもたせ(ステップS1
6)、次材ストリップxのスレッディングを開始する
(ステップS17)。
【0031】6) そして当該ストリップxについてコイ
ルの先端がスキンパスミル10を通過すると(ステップ
S18)、先にステップS7で受け取った設定圧延荷重
を圧下力の到達目標にして圧下手段15のストロークを
伸ばし、ワークロール11・12を閉じてストリップx
の圧下を始める(ステップS20)。圧下は、左右(す
なわちオペレーションサイドおよびドライブサイド)の
各圧下手段15op・15drを同調させ、ゼロ調完了
時に設定し記憶した基準点からのストロークの変化を同
量にして(ステップS21)、各荷重計16op・16
drの値が上記の設定圧延荷重に到達するまで(ステッ
プS22)ストロークを伸ばすことにより行う。
【0032】7) 荷重が設定圧延荷重に到達すると、ス
キンパスラインの運転を開始する(ステップS23)。
左右の圧下手段15op・15drにおける圧延中のス
トロークは、ゼロ調時に定めた基準点からみると、スト
リップxの板厚相当分だけ変化しているとはいえ、基準
点をもとに同調させて変位させたため(ステップS2
1)左右間での差はない。また圧延中の荷重は、基準点
を定めたゼロ調時のものと同じであって左右間にも差は
ないとみなせるので、圧延中に、ゼロ調時とは異なるミ
ル伸びが生じて左右間でミル伸びに差が生じることもな
い。そのため、ストリップxの左右にはつねに均一な圧
延荷重が作用し、スキンパスミル10における構造上の
左右差に起因する蛇行が効果的に防止される。
【0033】8) 運転中、ストリップxがその形状(左
右間での厚さの不一致等)に起因する小規模の蛇行を起
こす可能性があるが、蛇行が生じた場合には、作業員に
よる手動介入によってそれを解消する。すなわち、作業
員が目視観察にて蛇行を発見し(ステップS24)、左
右間で荷重の偏差がなくなるように手動操作にて圧下手
段15op・15drのストロークを調整するのである
(ステップS25)。ただし、このような手動介入に代
えて、たとえば蛇行センサーをストリップxの通過経路
上に配置して蛇行を検知させ、その検知信号を受ける制
御手段に左右の圧下手段15op・15drのストロー
ク制御を行わせるようにするのもよい。その際、蛇行セ
ンサーとしては、ペイオフリール1またはテンションリ
ール8の付近に設けてあるのと同様の光学センサーを使
用し、制御手段には、蛇行量(ストリップxが左右へず
れた度合い)が一定値を超えた時点で板厚や板幅、スト
リップxの送り速度、圧延荷重等から自動的に適切なス
トロークを演算して各圧下手段15op・15drに指
令を送る機能をもたせるのが望ましい。
【0034】
【発明の効果】請求項1に記載したスキンパスミルにお
ける蛇行防止方法によると、圧延中、左右すなわちオペ
レーションサイドとドライブサイドとの間で荷重差がほ
とんど発生せず、スキンパスミルにおける構造上の特徴
に起因する蛇行が効果的に防止される。
【0035】
【0036】請求項2に記載の蛇行防止方法では、左右
の圧下手段の出力を均等にして一定時間の継続性を確認
するため、左右間に荷重差のないことを満たすとくに適
切なゼロ点調整が可能になり、さらに効果的に蛇行防止
が行える。
【0037】請求項3に記載の蛇行防止方法によると、
同一仕様の圧延が連続することの多い場合に、ストリッ
プの蛇行防止をはかりながらスキンパスミルの運転を能
率的に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スキンパスミルにおいて圧延の対象とする鋼板
を先行材から次材へと変更する際の手順を示すフローチ
ャートである。
【図2】図1のフローのうち、ゼロ点調整の過程を中心
とした要部を詳しく示すフローチャートである。
【図3】図1・図2のフローに係るスキンパスラインに
ついて全体を示すレイアウト図である。
【図4】図3のスキンパスラインに含まれるスキンパス
ミル10について、構造を示す正面図(図4(a))お
よび側面図(同(b))である。
【図5】スキンパスミルにおける従来の蛇行防止方法を
示す模式図で、制御の手順を図(a)〜(d)の順に示
す。
【符号の説明】
10 スキンパスミル 11・12 ワークロール(ロール) 15(15op・15dr) 圧下手段 16(16op・16dr) 荷重計 SZ(ステップSZ) ゼロ調(ゼロ点調整)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−305314(JP,A) 特開 平10−263656(JP,A) 特開 平11−333506(JP,A) 特開 平3−226304(JP,A) 特開 平7−24515(JP,A) 特開 平7−80521(JP,A) 特開 平9−262615(JP,A) 特開 昭61−296912(JP,A) 特開2000−271620(JP,A) 特開2002−86205(JP,A) 特開2002−178019(JP,A) 国際公開99/043452(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/68 B21B 1/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルごとにコイル先端の誘導を行うバ
    ッチ式のスキンパスミルを使用し、先行材の通過後、次
    材の圧延開始前に、左右の圧下手段により次材の設定圧
    延荷重でロールを圧下させ、そのときの各圧下手段のス
    トロークをそれぞれ基準点に定めるゼロ点調整を行い、 次材の圧延開始の際、左右の圧下手段の間で上記基準点
    に対するストロークの変化に差がないようにロールを圧
    下させて設定圧延荷重をかけ、圧延中その荷重を維持す
    ことを特徴とするスキンパスミルにおける蛇行防止方
    法。
  2. 【請求項2】 ゼロ点調整は、左右の圧下手段による荷
    重を次材の設定圧延荷重にまで上げたのち、左右の荷重
    が均等になるように圧下手段のストロークを調整し、一
    定時間その状態が保持された時点で各圧下手段のストロ
    ークを基準点に定めることにより行う ことを特徴とする
    請求項1に記載したスキンパスミルにおける蛇行防止方
    法。
  3. 【請求項3】 次材の設定圧延荷重が先行材におけるも
    のと同じであるか否かを判断し、同じであれば、ゼロ点
    調整を行うことなく、先行材について定めた基準点を次
    材の基準点に用いて次材の圧延を行う一方、同じでない
    ならば、上記したゼロ点調整を行う ことを特徴とする請
    求項1または2に記載したスキンパスミルにおける蛇行
    防止方法。
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