JP2902383B2 - 調質圧延における伸び率の制御方法 - Google Patents

調質圧延における伸び率の制御方法

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JP2902383B2
JP2902383B2 JP9193490A JP19349097A JP2902383B2 JP 2902383 B2 JP2902383 B2 JP 2902383B2 JP 9193490 A JP9193490 A JP 9193490A JP 19349097 A JP19349097 A JP 19349097A JP 2902383 B2 JP2902383 B2 JP 2902383B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項の発明は、帯状の金属
板にいわゆる調質圧延を施すにあたり、所定の伸び率を
得るための制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】調質圧延とは、焼鈍後の鋼板等に、表面
の材質調整や平坦度修正を行う目的で軽圧下をかける圧
延をいう。たとえば、ブリキ板(すずメッキ鋼板)の原
板とされる薄鋼板は、焼鈍ののち、2スタンドのタンデ
ム圧延機によって伸び率1〜3%程度の調質圧延が施さ
れる。伸び率が1〜3%ということは、その程度だけ横
断面積を減少させる軽い圧延を行うことを意味する。伸
び率を所定の値に保つことができないと、板材の表面性
状等が不均一になるため、調質圧延においては伸び率を
正確に制御することが重要である。
【0003】調質圧延用の一般的な圧延機(2スタンド
のもの)の主要部分は、たとえば図4のように構成され
ている。各圧延機(スタンド)1・2は、圧下手段1c
・2cにより圧延ロールを圧下しながら、モータ1a・
2aによって各ロールを回転させることにより板材Xを
調質圧延する。モータ1a・2aには速度差が付けら
れ、それによって圧延機1・2間の板材Xにはいわゆる
スタンド間張力T0 が付与されている。板材Xの伸び率
εは、圧延機1の上流側にあるブライドルロール3の周
速vE と圧延機2の下流側にあるブライドルロールの周
速vD とが検出されたうえ、 ε = (vD−vE)/vE などという演算式によって求められる。
【0004】2スタンドまたはそれ以上のスタンドを用
いて調質圧延する場合の伸び率の制御は、従来、基本的
にはスタンド間張力を操作することによって行われてき
た。スタンド間張力とは、複数(上記のように2スタン
ドかまたはそれ以上)配置したタンデム圧延機のスタン
ド間で測定される板材(帯状板)の張力である。その張
力は、スタンド間の圧延速度(圧延ロールの回転速度)
の差を制御することにより操作できるが、その操作によ
り、伸び率が目標伸び率に一致するよう制御するのであ
る。
【0005】調質圧延の伸び率制御については、特開平
4−305305号公報や特開平6−262230号公
報などに記載がある。前者の記載は、通常は張力を一定
にしておくが、伸び率が設定範囲を外れた場合にはロー
ル速度を変更することにより伸び率を制御するものであ
る。また後者は、通常は圧延荷重(圧下力)と張力とに
よって伸び率制御をし、圧延速度が変動した場合にはそ
の荷重と張力とについて鋼種等に応じた補正量を加える
というものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】調質圧延において所定
の伸び率を得ることが難しいのは、ライン速度(圧延機
を通る帯板の速度)が上昇したときである。ライン速度
が上がると、スタンドの間に滞留してスタンド間張力を
受ける時間が短くなるため、張力が同じであっても伸び
率は小さく変化してしまうのである。したがってライン
速度が上昇するとスタンド間張力を高めることにより伸
び率を一定に保つのが一般的であるが、板材の抗張力や
金属組織などとの関係で張力を無制限に上げるわけには
いかないため、ライン速度が相当に高い場合にどう制御
するかが問題になる。近年では、生産性を高める目的で
ライン速度を上昇させることが求められるため、高速時
にも安定して伸び率制御のできることは極めて重要であ
る。
【0007】しかし、従来の制御手段では、ライン速度
が高くなった場合の伸び率を常に円滑に制御できるとは
限らない。たとえば、前記した特開平4−305305
号公報の技術は、ロール速度を自由に変更して張力を上
げられる場合は問題ないが、通常は被圧延材質によって
張力(および速度)が規制されてしまうため広い範囲で
の変更ができず、したがって、ライン速度を高く保ちな
がら伸び率を十分に制御することは必ずしも容易でない
と考えられる。また前記の特開平6−262230号公
報では、圧延速度が上がった場合に圧延荷重と張力とを
具体的にどのように制御するのか明らかでない。荷重と
張力とを同等に増やしていくのだとすれば、上述のよう
に高速時に張力が限界値に達してしまい好ましくないほ
か、荷重の変化が張力の外乱となるため円滑な制御が困
難である。
【0008】請求項の発明は、ライン速度がかなり高く
なった場合にも伸び率を円滑に制御できる手段を提供せ
んとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した調質
圧延における伸び率の制御方法は、 2スタンド以上の圧延機をタンデムに配列して板材
の調質圧延を行うにあたり、 計測した伸び率と設定された目標伸び率とが一致す
るようにスタンド間張力を自動操作し、 その張力が上昇して所定の値に達した場合には、少
なくとも一方の圧延機の圧下力を徐々に増加させる− ことを特徴とする。上記のは、板材の伸び率を計
測し、ライン速度が変化したとき等にもその伸び率(計
測値)を目標伸び率に近づけるよう自動的にスタンド間
張力を操作することをいう。圧下力(荷重)の変化が張
力にとって外乱となりやすいことを考慮し、スタンド間
張力が所定の値に達しないうちは圧下力を一定に保つの
がよい。また上記のでは徐々に、つまり圧下力の増加
による伸び率(計測値)の増大がで計測されて張力の
操作が追随する程度に徐々に、圧下力を増加させる。
【0010】この請求項1の方法では、ライン速度(す
なわち圧延速度)があまり高くない場合に上記・に
よって伸び率を所定値(目標伸び率)に保つことができ
るほか、ライン速度がかなり高い場合にも、スタンド間
張力を極端には高くすることなく円滑に伸び率を制御す
ることができる。その理由はつぎのとおりである。ま
ず、ライン速度が上昇する場合、前述したように伸び率
が小さくなるため上記によってスタンド間張力を自動
的に高めることになる。しかし、速度が相当高くなって
その張力が所定の値に達すると、上記にしたがって少
なくとも一方の圧延機の圧下力を増加させ、もってスタ
ンド間張力を下げるからである。張力を下げることがで
きるのは、同じ張力のもとで圧下力を増加させると当然
ながら伸び率が高くなるので、の制御が有効な程度に
その圧下力の増加が緩やかである以上は、張力が自動的
に徐々に減少するためである。その張力についての上記
「所定の値」は、圧延される板材の抗張力や金属組織等
との関係で定められるが、この請求項1の制御方法によ
ると、ライン速度が上がっても張力がその値を超えるこ
とがないため、板材は機械的および組織的な不都合のな
い状態で円滑に調質圧延される。
【0011】請求項2に記載の制御方法は、請求項1の
方法においてとくに、’スタンド間張力について上限
値および上々限値を設定しておき、その張力が上々限値
に達した場合に少なくとも一方の圧延機の圧下力を徐々
に増加させ、 その張力が上限値にまで下がったとき
上記圧下力の増加を止める−ことを特徴とする。’
にいう張力の「上々限値」は、請求項1についてに記
載した「所定の値」に相当する。そして「上限値」は、
「上々限値」よりも低い値である。
【0012】この請求項2の制御方法は、前記・の
ほか前記と同等な上記’の構成を含むため、請求項
1の方法と同じく、ライン速度が高い場合にもスタンド
間張力が過大になるのを防ぎながら円滑な伸び率制御を
実現する。請求項2のこの方法は、さらに上記のを含
むため、圧延機の圧下力が過剰になることをも効果的に
防止する。
【0013】圧延機の圧下力を増せば前記のように板材
の伸び率が増大するためスタンド間張力を下げることが
できるが、その圧下力についても実は限界があり、それ
が過大になると板材の表面性状や組織等に悪影響が及
ぶ。しかし、請求項2の方法では、圧下力を徐々に増す
ことにより張力が適当な値(上限値)にまで下がると、
その時点でによって圧下力の増加を止めるため、その
ような不都合は避けられる。その時以降、さらにライン
速度が上昇するなどして伸び率が小さくなれば、上々限
値から下がって余裕の生じた張力を再び上げ、または圧
下力に余裕があれば圧下力を再び徐々に増加させるとよ
い。このような制御を行うことにより、張力だけでなく
圧下力をも限界内に保つという制約の下でも、相当に高
いライン速度にまで円滑な調質圧延を行うことが可能に
なる。なお、増加を止めた圧下力については、たとえ
ば、張力が上記の上限値よりもさらに小さい一定の値に
まで下がったときなどに減少させるとよい。
【0014】請求項3に記載の制御方法は、前記のを
とくに、’スタンド間張力が所定の値に達しない範囲
でライン速度が変化した場合、その張力を、ライン速度
に対応づけて定めた予想値にまず変更し、そのうえで、
計測した伸び率と設定された目標伸び率とが一致するよ
うにスタンド間張力を操作する−こととしたものであ
る。
【0015】前記のを一般的なフィードバック制御に
よって実現する場合、ライン速度が変動したとき伸び率
を適正にするのに多少時間がかかる。変化して適正でな
くなった伸び率を実際に計測し、それと目標伸び率との
偏差を演算したうえで張力の操作量を決定しその操作を
するため、計測や演算に時間がかかって実際の処理が遅
れがちになるのである。
【0016】その点、この請求項3の制御方法は、ライ
ン速度が大幅に変化したときにも伸び率を速やかに適正
化する。ライン速度が変化したときには、上記の計測や
演算を省略し、上記’のとおりライン速度に対応づけ
て定めた予想値にスタンド間張力をまず直ちに変更する
ことによって、瞬時のうちに伸び率を概ね適正化するか
らである。こうして伸び率が概ね適正になった後は、計
測と演算等を含む上記のような制御を開始して目標伸び
率に一致するよう伸び率を適正化するが、その制御の開
始時には実際の伸び率(計測値)と目標伸び率との差が
小さくなっているので、適正化に要する時間は短い。な
お、上記の予想値は、一定の圧延条件下でライン速度が
変化した場合にスタンド間張力をいくらにすれば伸び率
を所定値に保てるかをあらかじめ調査して、ライン速度
と好ましい張力との関係を把握しておき、その関係に基
づいて定めるとよい。
【0017】
【発明の実施の形態】発明の実施について一形態を図1
〜図3に紹介する。図はいずれも、ブリキ用原板である
厚さ約0.23mm・幅1200mm前後のストリップ
(帯状鋼板)Xに調質圧延を施す際の伸び率制御に関す
るものである。
【0018】まず、調質圧延を行う圧延設備とその制御
手段の構成を図3の制御ブロック図に基づいて説明す
る。調質圧延を行う主要な機械部分として2基(2スタ
ンド)の圧延機1・2(第1圧延機1と第2圧延機2)
をタンデム(直列)に配置し、その上流側と下流側との
それぞれにブライドルロール3・4を設けている。図4
に示したものと同じく、各圧延機1・2の圧延ロール
は、圧下手段1c・2cによって圧下されながらモータ
1a・2aにより回転してストリップXの圧延を行う。
図示は省略したが、ブライドルロール3の上流側には巻
出しリールやストリップ端部の連結用溶接機などが設置
され、一方のブライドルロール4の下流側には、サイド
トリマーや切断機(シャー)、巻取りリールなどが設置
されている。ストリップXはそれらの機器のすべてを一
連に通過するが、第2圧延機2の下流側での速度(後述
する周速vD に等しい)をライン速度とし、それより上
流側での速度は、ライン全体をストリップXが円滑に通
過するよう、そのライン速度と圧延機1・2による伸び
率εとを基準にして(つまり第1圧延機1での速度に合
わせて)調整される。
【0019】圧延機1・2によるストリップXの伸び率
εを計測する手段としては、ブライドルロール3・4の
うち各一のロールに周速センサー11・12を取り付
け、両者を伸び率計算機13に接続している。各センサ
ー11・12がブライドルロール3・4について検出す
る周速vE・vDに基づいて、伸び率計算機13が、 ε = (vD−vE)/vE という演算式により実際の伸び率εを求める。そしてそ
の伸び率εを、事前に設定される目標伸び率ε0 ととも
に減算器14に入力し、その結果を伸び率制御器15に
通している。図の圧延設備における伸び率εの制御は、
基本的には、上記した伸び率制御器15の出力に応じて
張力調節部(後述)が適切なスタンド間張力(やはり後
述)を決定し、それに基づいて、操作部である駆動装置
(速度制御器)33・34等が実際の張力を操作する
−といった手順で行っている。
【0020】圧延機1・2間のストリップXに張力T、
すなわちスタンド間張力Tをかけるべく、速度検出器1
b・2bを付属したモータ1a・2aには適当な速度差
が付けられるが、そのための手段はつぎのとおりであ
る。まず、第2圧延機2用モータ2aの駆動装置34に
ライン速度信号線30を接続して、その圧延機2の周速
をライン速度と同一に保つ。そして第1圧延機1用のモ
ータ1aの駆動装置33には後述の張力調節部を接続し
て、圧延機1の周速を適宜にコントロールする。こうし
て圧延機1・2の周速に差を設ければ、その間のストリ
ップXに適切な張力Tをかけることができるのである。
【0021】第1圧延機1に接続した張力調節部の構成
はつぎのとおりである。まず、上記した伸び率制御器1
5に接続して加算器21を設け、ストリップXの断面寸
法や鋼種等の圧延条件に合わせて事前に入力される張力
の設定初期値T0'と、その伸び率制御器15の出力とを
二つの入力部につなぐ。加算器21からは上記二つの入
力の加算値である張力設定値T0 が出力されるが、その
出力部は、張力設定値T0 が下限値TL 以上で上々限値
HHを超えないことを検知するリミッター22・23を
経由させて減算器25につなぐ。そして減算器25の減
算部には、実際のスタンド間張力Tを測定する張力計2
4を接続する。張力計24は、2基の圧延機1・2間の
ストリップXをローラにて厚さ方向に押すときの反力か
らそのストリップXの張力Tを測定するもので、そのよ
うに押し付けられるローラと押付け反力を検出するロー
ドセルなどとを含んでいる。減算器25の出力部は張力
制御器26に接続し、さらにその出力部は加算器32の
一方の加算部に接続する。加算器32の他方の加算部に
は速度比率演算器31を介してライン速度信号線30を
接続し、その出力部を第1圧延機1のモータ1a用の駆
動装置33に接続する。このように構成した張力調節部
では、初期設定値T0'と伸び率制御器15の出力とから
定まる張力設定値T0 に基づいて張力制御器26が圧延
機1・2間に必要な周速差を決定し、それを加算器32
がライン速度(すなわち圧延機2の周速)に加算するこ
とにより第1圧延機1の周速指令とするわけである。
【0022】圧下手段1c・2c(いずれも油圧シリン
ダを使用)のそれぞれには荷重制御手段46・48であ
る油圧ユニットを接続するとともに、各圧延機1・2の
ロールに荷重計47・49をそれぞれ取り付けている。
荷重計47・49によって実際の圧下力を検出しなが
ら、荷重制御手段46・48によって前述のとおり圧延
ロールに圧下力をかけるのである。
【0023】その圧下手段1c・2cに関して図示の圧
延設備では、第2圧延機2の圧下力p2 を、事前に定め
た設定圧下力p20に保つとともに、第1圧延機1の圧下
力p は、スタンド間張力の設定値T0 等に応じて適宜変
更することとしている。その変更のためには、まず張力
設定値T0 を出力する加算器21の出力部を判定器41
にも接続し、その判定器41を積分器42を介して加算
器43の入力部につないでいる。加算器43の他方の入
力部には、事前に定める設定圧下力p10を入力し、出力
部は、リミッター44・45を介して荷重制御手段46
に接続している。判定器41において張力設定値T0
上々限値THHを超えれば、積分器42と加算器43とに
よって圧下力p1 を徐々に高め、その張力設定値T0
上限値TH 以下になった時点でその圧下力p1 の上昇を
止める。なお、リミッター44・45は、その圧下力p
1 が適当な上・下限値の範囲内にあることを検知するも
のである。
【0024】以上のように構成した制御手段を有するこ
の圧延設備においては、図1のフローによる伸び率制御
を行いながらストリップXの調質圧延を行うことができ
る。
【0025】すなわち、まず、ライン速度が一定値以上
であるかどうかを確認し(ステップS1・S2)、一定
値以上であれば伸び率の制御を開始し(ステップS
4)、そうでなければその制御を見合わせる(ステップ
S3)。ライン速度が低いときに伸び率制御を行わない
のは、低速時には図3に示す周速センサー11・12に
よる周速vE・vDの検出が正確でないため、伸び率の制
御を十分な制度では行い難いからである。ステップS4
で開始する伸び率制御とは、図3においては、センサー
11・12の出力等を受けた伸び率制御器15の出力に
応じて張力制御器26などの張力調節部が適切なスタン
ド間張力を発生するための圧延機1の周速を決定し、操
作部である駆動装置33等が実際に張力Tを操作する
−という前述の基本的制御をさす。
【0026】図1のフローにおいて伸び率制御を開始し
たのちは、張力設定値T0 が下限値TL 以上であるかど
うかを判断してそれ以上に保ち(ステップS5・S
6)、また、その設定値T0 が上々限値THHを超えない
かどうかも判断する(ステップS7)。
【0027】ライン速度が上昇すると張力設定値T0
上昇するが、たとえばライン速度が1400m/min
程度になって設定値T0 が上々限値THHに達した場合に
は、図3に示した積分器42や加算器43・荷重制御手
段46などを用いて第1圧延機1の圧下力p1 を徐々に
高める(ステップS8)。圧下力p1 を高めると、張力
Tが同じのままでは伸び率εが増すため、前記ステップ
S4で始めた基本的制御により張力設定値T0 が自動的
に下がる(したがって実際の張力Tも下がる。ステップ
S9)。そして張力設定値T0 が上限値TH 以下にまで
下がれば圧下力p1 の上昇を停止し(ステップS10・
S11)、ステップS5の判断に戻って以下を繰り返
す。
【0028】このような制御において、ある時刻に張力
設定値T0 が上々限値THH以上になったと仮定し、その
前後に当該設定値T0 および圧下力p1 がどのように変
化するか、その一例を図2に示す。時刻t1 以前には圧
下力p1 は一定値を保っていて上昇することはないが、
張力設定値T0が時刻t1に上々限値THHに達すると圧下
力p1 が徐々に上昇し、それに連れて設定値T0 は徐々
に低くなる。時刻t2に設定値T0 が上限値TH にまで
下降すると、圧下力p1 の上昇を停止する。もし張力設
定値T0 がその後に再び上昇して時刻t3 に上々限値T
HHに達すれば、その時点から再び圧下力p1 を上昇させ
て設定値T0 を下げる。
【0029】張力設定値T0 だけでなく適宜に圧下力p
1 をも操作するこの伸び率制御方法においては、ライン
速度が高くない場合はもちろん、本来ならスタンド間張
力を極端に高しなければならないほどにライン速度が上
昇した場合にも、その張力の過剰増加を防止して伸び率
εを円滑に制御することができる。ライン速度が相当高
くなってその張力設定値T0 が所定の上々限値THHに達
すると、上記のように圧下力p1 を増加させることによ
りその設定値T0 を下げるからである。また、設定値T
0 が上限値TH にまで下がると圧下力p1 の増加を止め
るため、圧下力p1 が過剰になるという不都合も避けら
れる。増加を止めた圧下力p1 については、張力設定値
0 が上記の上限値よりもさらに小さい一定値(たとえ
ば標準値(図示せず))にまで下がったとき等に減少さ
せるとよい。
【0030】なお、この実施形態では、第1圧延機1の
圧下力p1 のみを増加させたが、それに代えて、または
それとともに第2圧延機2の圧下力p2 を、ステップS
8において徐々に増加させるようにしてもよい。ブリキ
板用原板である鋼板の調質圧延を例にとって説明した
が、それに限るものではなく、広く金属板の調質圧延に
同じ発明を使用することができる。
【0031】そのほか、図1のステップS4で開始した
伸び率制御において応答の迅速化を図るためには、ライ
ン速度が上昇した場合に張力設定値T0 をオープンルー
プ的に変化させることも好ましい。具体的には、たとえ
ば、ライン速度に応じてほぼ適切と見込まれる張力設定
値(いわば予想値)を出力するようあらかじめセットさ
れた関数発生器(図示せず)を、図3におけるライン速
度信号線30に接続してその出力を張力制御器26に加
える。このようにすれば、張力設定値T0 が上々限値T
HHに達しない範囲でライン速度が変化した場合、その設
定値T0 を、ライン速度に対応づけた予想値にまず変更
し、そのうえでステップS4以降の基本的な伸び率制御
により張力Tを操作する、という制御を行える。そのよ
うな制御では、伸び率の変化の計測や張力操作量の演算
を行わずに瞬時のうちに概ね適正な張力設定値T0 を定
めるので、ライン速度が大幅に変化したときにも伸び率
を迅速に適正化することができる。
【0032】
【発明の効果】請求項1に記載した調質圧延における伸
び率の制御方法では、ライン速度(つまり圧延速度)が
あまり高くない場合に伸び率を所定値に保つ制御ができ
ることに加え、ライン速度がかなり高い場合にも円滑に
その制御を行うことができる。ライン速度が上がっても
スタンド間張力が抑制されるため、板材に機械的および
組織的な不都合が生じないからである。またこのように
ライン速度の高速化に対応できると、圧延速度を高くし
て生産性を向上させることも可能になる。
【0033】請求項2に記載の制御方法によると、さら
に、圧延機の圧下力が過剰になることも効果的に防止さ
れる。すなわち、張力と圧下力とを好ましい限界内に保
ちながら、相当に高いライン速度においても円滑な調質
圧延を行うことができる。
【0034】請求項3に記載の制御方法では、ライン速
度が大幅に変化したとき等にも伸び率を速やかに適正化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施について一形態を示す図であり、調
質圧延における伸び率制御方法についてのフローチャー
トである。
【図2】図1の制御方法を実施する場合のスタンド間張
力(の設定値)T0と圧下力p1との各時間的変化の一例
を示すタイムチャートである。
【図3】図1の調質圧延を行うための機械的設備と制御
手段とを示す機能ブロック図である。
【図4】調質圧延を行う従来の一般的な圧延機の主要部
分を示す模式図である。
【符号の説明】
1・2 圧延機 X 板材(ストリップ) ε (計測した)伸び率 ε0 目標伸び率 T0 スタンド間張力(張力設定値) THH (スタンド間張力の)上々限値 TH (スタンド間張力の)上限値 p1・p2 (圧延機1・2の)圧下力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−23418(JP,A) 特公 平5−34090(JP,B2) 特公 昭53−8542(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 37/56

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2スタンド以上の圧延機をタンデムに配
    列して板材の調質圧延を行うにあたり、 計測した伸び率と設定された目標伸び率とが一致するよ
    うにスタンド間張力を自動操作し、 その張力が上昇して所定の値に達した場合には、少なく
    とも一方の圧延機の圧下力を徐々に増加させることを特
    徴とする調質圧延における伸び率の制御方法。
  2. 【請求項2】 スタンド間張力について上限値および上
    々限値を設定しておき、その張力が上々限値に達した場
    合に少なくとも一方の圧延機の圧下力を徐々に増加さ
    せ、 その張力が上限値にまで下がったとき上記圧下力の増加
    を止めることを特徴とする請求項1に記載の調質圧延に
    おける伸び率の制御方法。
  3. 【請求項3】 スタンド間張力が所定の値に達しない範
    囲でライン速度が変化した場合、その張力を、ライン速
    度に対応づけて定めた予想値にまず変更し、そのうえ
    で、計測した伸び率と設定された目標伸び率とが一致す
    るようにスタンド間張力を操作することを特徴とする請
    求項1または2に記載の調質圧延における伸び率の制御
    方法。
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