JP3421718B2 - スキンパスミルにおける蛇行防止方法 - Google Patents

スキンパスミルにおける蛇行防止方法

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JP3421718B2
JP3421718B2 JP2001242937A JP2001242937A JP3421718B2 JP 3421718 B2 JP3421718 B2 JP 3421718B2 JP 2001242937 A JP2001242937 A JP 2001242937A JP 2001242937 A JP2001242937 A JP 2001242937A JP 3421718 B2 JP3421718 B2 JP 3421718B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に記載の発明は、板の
平坦度や表面性状を高めるために使用されるスキンパス
ミル(調質圧延機)において、圧延(スキンパス圧延)
中の板が蛇行するのを防止する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】スキンパスミルは、熱間圧延機(ホット
ストリップミル)等で圧延されたストリップ(帯状の金
属板)に対し、常温において圧下率が0.1〜3.0%
程度の軽圧下をかけ、そのストリップを一様に伸ばすこ
とによって平坦度や表面性状を向上させたり材質の調整
を行ったりする圧延機である。構造的には、たとえば図
4(a)・(b)に示すように一対のワークロール11
・12が水平に配置されており、それらが上下のバック
アップロール13・14を介して圧下手段(油圧シリン
ダなど)15および枠型のハウジング17に連結されて
いる。枠型のハウジング17op・17drはストリッ
プxの通過するラインをはさんで左右両側、すなわちオ
ペレーションサイドとドライブサイドとのそれぞれに配
置され、圧下手段15op・15drもそれぞれの側に
設けられている。
【0003】熱間圧延機等に比べると圧延荷重の低い領
域で使用されることに関連して、スキンパスミルではス
トリップに蛇行が発生しやすい。荷重が低いために、ス
トリップにかかる実際の荷重と荷重計等にて検出される
荷重との間に誤差が生じやすく、また機械各部の隙間の
影響が発生しやすいなど、ストリップに作用する荷重が
多くの要因で安定的でないからである。ストリップが蛇
行を起こす直接の原因は、ワークロールを介して圧下手
段から作用する圧延荷重が、その左右(オペレーション
サイドとドライブサイド)において均一でないことにあ
る。左右いずれかにおいて圧延荷重が他方よりも大きく
なると、その荷重の小さい側へストリップが移動して蛇
行を起こす。蛇行が激しくなるとラインの運転を停止せ
ざるを得ないので、蛇行の程度や発生頻度によっては生
産性が大幅に低下して深刻な事態を招くことがある。
【0004】スキンパスミルにおけるストリップの蛇行
を防止するために、従来、つぎのような手段がとられて
いる。すなわち、イ ) 圧延中に左右の各圧下手段における圧下量(ストロ
ーク)変位と圧下力(荷重)とを監視し、それに基づい
て適切な自動制御を行う。たとえば特開平7−2451
5号公報には、そうして監視する変位や圧下力の左右間
の偏差が所定量以上になったとき、圧下力を一定にする
方式と変位を一定にする方式との間で制御を切り替える
という蛇行防止方法が記載されている。同公報に記載の
方法は、圧下力一定の方式で図6(a)のように上下の
ワークロールによりストリップを圧延するのを基本と
し、(b)のようにストリップが左右いずれかへ偏る
(つまり蛇行が発生する)と、圧下量変位の偏差が所定
量以上になったことを検知して(c)のように変位(ス
トローク)を所定値にとる制御方式に切り替え、それに
よってストリップが(d)のように中央に復帰すると、
圧下力の偏差が所定値以下になったことを検知して再び
圧下力一定の制御方式に切り替える−というものであ
る。
【0005】ロ) 左右の圧下手段について一定荷重で定
期的にゼロ点調整を行う。オペレーションサイドとドラ
イブサイドとではハウジングの剛性(ミル定数)などが
異なるため、各側で同じ位置(ストローク)にまでワー
クロールを圧下しても、いわゆるミル伸びの違いが生じ
て左右の圧延荷重が一致しなくなることが多い。そこ
で、定期的に一定の荷重(左右同じ荷重)でロールを圧
下させ、そのときの各圧下手段のストロークをそれぞれ
の基準点に定めるというゼロ点調整を行うのである。そ
してその後の圧延は、各圧下手段につき、当該基準点に
対するストロークの変化量が左右で同じになるようにす
る。ただし、従来のゼロ点調整は、100トンや200
トンなど、スキンパスミルごとに定められた一定の大き
さの荷重でロールを圧下させることにより行い、ロール
交換の直後など特別な場合を除けば1日に1回とするな
ど、一定の時間間隔で実施するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】スキンパスミルにおけ
る従来の蛇行防止方法は、つぎのような点で十分なもの
とはいえない。つまり、イ ) 圧延中、各圧下手段の圧下量(ストローク)変位と
圧下力(荷重)とを監視して自動制御を行う方法をとる
場合には、精密な制御機器を多数使用するにもかかわら
ず、十分な効果を得ることが難しい。効果を得にくいの
は、圧下量変位や圧下力の監視によってストリップの蛇
行を知るとはいえ、蛇行そのものを検出するのではない
ために検出を誤る場合があり得るからである。また、前
記したようにストリップにかかる実際の荷重と荷重計等
にて検出される荷重との間に誤差が生じやすいこと、ま
た、オペレーションサイドとドライブサイドとの間の圧
延機特性(左右間のミル定数の差異)に対応する何らか
の処置をとらないと、ストリップの形状(左右間の厚さ
の差)等に起因する蛇行を防止することができてもミル
定数の左右差に起因する蛇行を防止することが難しいこ
と、にも起因する。
【0007】ロ) 左右の圧下手段について一定荷重で定
期的にゼロ点調整を行う方法では、実際の圧延時に左右
間でミル伸びの違いが生じやすいため、ストリップの蛇
行を必ずしも防止することができない。左右間でミル伸
びに違いができやすいのは、実際の圧延時における荷重
がゼロ点調整時の荷重と一致するとは限らないからであ
る。実際の圧延荷重がゼロ点調整時の荷重と異なる場
合、オペレーションサイドとドライブサイドの各ミル伸
びはゼロ点調整時におけるものとは一致せず、左右間
(サイド間)でミル定数が微妙に相違することに基づい
て互いに異なるものとなる。圧延時に左右間でミル伸び
に違いが生じると、結果として左右の圧延荷重が相違す
ることになり、ストリップが蛇行しがちになる。またこ
の方法では、ミル定数の左右差に基づくストリップの蛇
行は防止できるものの、ストリップの形状等に起因する
蛇行を防止することはできない。
【0008】発明した蛇行防止方法は、スキンパスミル
におけるストリップの蛇行に関し、ミル特性に基づくも
のとストリップ自体の形状に起因するものとの双方を、
より効果的に防止しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載したスキ
ンパスミルにおける蛇行防止方法は、スキンパスミル
において先行材が通過した後、次材の圧延開始前に、左
右の圧下手段により次材の設定圧延荷重でロールを圧下
させ、そのときの各圧下手段のストロークをそれぞれ基
準点に定めるゼロ点調整を行い、 次材の圧延開始の
際、左右の圧下手段の間で上記基準点に対するストロー
クの変化に差がないようにロールを圧下させて設定圧延
荷重をかけ、 運転中は、左右(つまりストリップの幅
方向)いずれかの向きへのストリップの偏りをセンサー
を用いて検出し、その偏り度合いに応じて左右の各圧下
手段のストローク(つまり圧下量または圧下位置)を自
動操作することを特徴とする。
【0010】この蛇行防止方法は、前記した )の方法と
同じく、運転開始前に左右の圧下手段についてゼロ点調
整を行うものである。しかし前記の方法とは違って、
のとおりゼロ点調整を、スキンパスミルごとに定められ
た一定の荷重でではなく次にスキンパス圧延するストリ
ップ(次材)の設定圧延荷重で行い、また、一定の時間
間隔でではなく次材の圧延開始前に実施する。次材の実
際の圧延荷重を左右の各圧下手段に出力させてゼロ点調
整を行ううえ、のように、当該調整時に定めた基準点
からのストローク変化が左右間で差がないようにロール
を圧下させて圧延を行うので、左右間に荷重差がないよ
う適切にゼロ点調整を行っている限り、圧延中のミル伸
びはゼロ点調整時におけるものとそれぞれ一致し、か
つ、左右間に荷重差がほとんど生じない。そのため、こ
の方法によると、スキンパスミルにおける構造上の特徴
(つまりミル定数の左右差)に起因する蛇行をとくに効
果的に防止することができる。左右間で厚さが不均一で
あるといったストリップの形状に起因する蛇行は、上記
のとおりストリップの偏りを検出し各圧下手段のスト
ロークを自動操作することによって解消する。そのため
この方法においては、前記 )の方法と異なり、運転中
に、左右の圧下手段における荷重差に基づく制御も、同
手段におけるストローク差に基づく制御も行う必要がな
い。 ところで、この蛇行防止方法では、運転中、左右い
ずれかへのストリップの偏りを検出することによって蛇
行の発生を知り、検出した偏り度合いに応じて左右の各
圧下手段を自動操作する。ストリップは、左右のうち圧
延荷重の大きい側から小さい側へ偏るよう移動する性質
があるので、各側の圧下手段のストロークを適宜に自動
操作すればストリップの蛇行を修正できるのである。
【0011】従来(前記イ))のように圧下量変位や圧下
力の監視によって間接的に蛇行を検出するのではなく、
左右へのストリップの偏り、すなわち蛇行そのもの(定
点で観測されるもの)を直接に検出して必要な操作を行
うことから、この方法による蛇行検出の精度は従来より
も格段に高い。実際値との間に誤差を生じやすい荷重計
の検出値ではなく、正確な検出が容易なストリップの偏
りを主たる制御量におくので、蛇行防止効果にもすぐれ
ている。しかも、上記のようにストリップの偏りを検出
することも圧下手段のストロークを操作することも、蛇
行の発生原因(ミル定数に起因するかストリップの形状
に起因するか)を問わず、あらゆる蛇行を検出および修
正することができる。したがって、この蛇行防止方法
は、スキンパスミルにおけるストリップの蛇行を広くか
つ効果的に防止できるといえる。
【0012】請求項2に記載した蛇行防止方法はとく
に、ストリップの偏りの検出を、ストリップの左右各縁
部付近をはさんで投光器に対向配置した受光センサーの
それぞれに受光幅を感知させることによって行うことを
特徴とする。
【0013】この蛇行防止方法によると、ストリップの
偏りの検出が簡単に精度よく行われる。ストリップの左
右各側において、ストリップの縁部付近をはさむ上下に
投光器と受光センサーとを対向配置し、各投光器から発
せられる光のうちストリップの縁部付近で遮られなかっ
たものを各受光センサーが受けてその受光幅を感知する
ようにすることは、低コストで困難なく構成でき、また
そのように構成すれば、各受光センサーが感知する受光
幅をもとにストリップの偏りを正確に知ることができる
からである。たとえば、左右いずれかの受光センサーに
よる受光幅が他方の受光センサーによる受光幅よりも狭
くなっていることが感知されたときは、受光幅の狭い側
に、受光幅の差(の半分)に相当する分だけストリップ
が偏っていることを正しく知ることができる。
【0014】この蛇行防止方法における圧下手段の自動
操作は、検出したストリップの偏りだけでなく、そのス
トリップの板厚や板幅・ライン速度(ストリップの送り
速度)・圧延荷重といった運転条件をも考慮して、スト
リップの偏り修正のための左右各圧下手段のストローク
を求めることにより行うのがよい。ストリップの偏り
は、圧延荷重が左右不均一であることだけでなく板厚・
板幅などの運転条件によっても影響を受けるため、この
ように運転条件をも考慮して適正なストロークを求める
方がストリップの蛇行を一層効果的に防止できることに
なる。
【0015】
【0016】
【0017】請求項3に記載の蛇行防止方法はさらに、
上記の各受光センサー(ストリップの偏りの検出に用い
るもの)が感知する受光幅をもとに、ストリップの幅を
も同時に検出することを特徴とする。
【0018】左右の各側でストリップの縁部付近をはさ
むように投光器と受光センサーとを対向配置し、ストリ
ップの縁部付近で遮られなかった光を各受光センサーが
受けてその受光幅を感知するようにすれば、上記したよ
うにストリップの偏りを検出することが可能である。し
かし、左右の各受光センサーが感知した受光幅に関する
データを重ね合わせるなら、同時にストリップの幅を知
ることも可能になる。各受光センサーによる受光幅の合
計が大きいならストリップの幅は小さく、逆に受光幅の
合計が小さいならストリップの幅は大きいわけである。
ストリップの幅を検出すると、そのデータをもとに巻取
機を制御したり板幅を切り揃えたりすることが可能にな
る。ストリップの偏りと幅とを、そのように同一の受光
センサーを用いて同時に検出するなら、検出器(センサ
ー)の所要数が少なくなって設備コストが削減されるほ
か、設置スペースの点でも有利になる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の実施の形態】発明の実施に関する一形態を図1
〜図5に紹介する。図1は、スキンパスミル10の運転
中にストリップxの蛇行防止をなす制御について概略を
示す模式図である。図2は、スキンパスミル10を含む
スキンパスラインの全体を示すレイアウト図であり、図
3は、図2におけるIII−III断面図である。図4は、ス
キンパスミル10の構造を示す正面図(図4(a))お
よび側面図(同(b))。図5は、スキンパスミル10
において圧延対象のストリップxを変更する際の手順を
示すフローチャートである。
【0026】スキンパスミル10は図2のようなスキン
パスライン中にあり、熱間圧延機(図示せず)で圧延さ
れたストリップ(帯状鋼板)xを軽圧下することによっ
て、その板の平坦度や表面性状の向上および材質調整を
行う圧延機である。スキンパスミル10の構造は図4
(a)・(b)に示すとおりで、一対のワークロール1
1・12が水平に配置され、それらが、上下のバックア
ップロール13・14を介して圧下手段(油圧シリン
ダ)15およびハウジング17に連結されている。ハウ
ジング17は、ストリップxの通過するラインをはさむ
左右(すなわちオペレーションサイドとドライブサイ
ド)のそれぞれに概ね同形状の枠型ハウジング17op
・17drを備えてなり、圧下手段15としても左右下
部に同様の構造の圧下手段15op・15drがあり、
それぞれがハウジング17op・17 の内側に配置
されている。圧下手段15op・15drのストローク
(シリンダがした伸縮変位の量)を増して下部のバック
アップロール13やワークロール12を押し上げれば、
ハウジング17op・17dr等にて拘束されたバック
アップロール14およびワークロール12との間に圧延
荷重をかけ、ストリップxを圧下することができる。そ
して、そのとき作用する圧延荷重の大きさは、上部のバ
ックアップロール14(の左右の各軸受部)と左右の各
ハウジング17op・17drとの間に取り付けた荷重
計(ロードセル)16op・16drによって知ること
ができる。なお、スキンパスミルとしては、図4のもの
とはロールの数が異なる(もしくはバックアップロール
がない)もの、または圧下手段が下部ではなく上部にあ
るものを使用することも可能である。
【0027】図2のように、スキンパスラインにおいて
は、ペイオフリール1に取り付けられたコイルからスト
リップxが巻き出されてスキンパスミル10に通され、
そこでスキンパス圧延の施されたストリップxがテンシ
ョンリール8によって巻き取られる。ペイオフリール1
とスキンパスミル10との間には、ストリップxを案内
するサイドガイド2や切断用のシャー3が設けられ、ス
キンパスミル10とテンションリール8との間には、ス
トリップxの厚さ計測手段4と幅計測手段5、表面性状
検査台6およびサイドガイド7が配置されている。
【0028】ペイオフリール1とテンションリール8と
にはストリップxの位置調整手段1aおよび8aがそれ
ぞれ付設されている。位置調整手段1aは、油圧シリン
ダ1eを用いてペイオフリール1(のコイル)を左右
(ストリップxの幅の方向)に位置調整するもので、ス
トリップxの左右への位置ずれを検出する光学センサー
1bと、その信号をもとにストリップxのずれ量(蛇行
量)を演算する計測手段1c、演算結果からシフト量を
求めて油圧シリンダ1eを操作する制御手段1dとを含
む。位置調整手段8aも同様に、油圧シリンダ8eによ
りペイオフリール8(のコイル)について左右位置を調
整するもので、ストリップxの左右へのずれを検出する
光学センサー8bと、ずれ量(蛇行量)の計測手段8
c、計測の結果に応じて油圧シリンダ8eを操作する制
御手段8dとを組み合わせたものである。ペイオフリー
ル1に位置調整手段1aが付設されていること等から、
図2のラインでは、スキンパスミル10に対して左右の
中央付近に正しくストリップxが送り込まれる。
【0029】しかし、スキンパスミル10の前後(上流
側・下流側)でストリップxが正しく送られるとして
も、スキンパスミル10において左右いずれかに偏った
荷重がストリップxに作用すれば、そこでは左右いずれ
かに向かう力がストリップxに作用し、蛇行が発生す
る。ストリップxがワークロール間にはさまれているこ
とから、ここで発生する蛇行はペイオフリール1やテン
ションリール8の位置調整によっても解消しない。そこ
で、図2のスキンパスミル10では、このような蛇行を
防止するためにつぎのような策を講じている。
【0030】蛇行防止策の第一は、スキンパスミル10
の運転中につぎのような制御を行うことである。すなわ
ち、スキンパスミル10の直前(または直後)の位置に
図2および図3のとおり投光器21と受光センサー22
とを配置し、その受光センサー22の出力信号に基づ
き、図1の構成および手順にしたがって、蛇行を修正す
べく圧下手段15op・15drを自動操作する。詳し
く述べるとつぎのとおりである。
【0031】まず、投光器21と受光センサー22と
は、図3のように、ストリップxの左右各縁部付近をは
さんで上下に対向させて配置する。つまり、オペレーシ
ョンサイドの縁部付近には投光器21opと受光センサ
ー22opの組を置き、ドライブサイドの縁部付近には
投光器21drと受光センサー22drの組を配置す
る。下方に設けた各投光器21(21op・21dr
が発する光のうちストリップxによって遮られないもの
が上方の各受光センサー22(22op・22dr)に
届くようにする。投光器21としては蛍光灯を用い、受
光センサー22としては、ストリップxの幅方向にフォ
トダイオードを多数配列したものを使用する。そうした
フォトダイオード群が受光幅に応じた信号を出力するこ
とによって、受光センサー22op・22drは、スト
リップxに遮られない受光の幅aまたはbをそれぞれ感
知でき、もって、ストリップxの正規の通過中心線から
各縁部までの距離AまたはBをそれぞれ出力することが
できる。なお、各受光センサー22op・22drは、
1mm程度以下の精度で受光幅を感知できることが望ま
しい。
【0032】受光センサー22(22op・22dr
の双方には、図2のように第一演算手段23と第二演算
手段24および操作手段25とを接続し、その操作手段
25を圧下手段15(15op・15dr)用の油圧サ
ーボ弁18(18op・18 dr、図1)につないでい
る。まず第一演算手段23には、図1に示すとおり、各
受光センサー22が出力した距離AおよびBに基づいて
ストリップxの偏りδ(δ=(B−A)/2)を算出さ
せる。第二演算手段24には、算出された偏りδと、そ
のときの板厚t・板幅w・ライン速度v・圧延荷重P等
とについての関数fにより、各圧下手段15のストロー
クの操作量であるレベリング量αを算出させる。関数f
は、スキンパスミル10ごとに行う事前の実測によっ
て、上記各変数間の関係を表すよう定めたものである。
関数fを用いるこの手順により、たとえば、図3のよう
にドライブサイドへストリップxが偏ったときには、レ
ベリング量αとして正(+)の値が算出される。そして
レベリング量αにしたがい、操作手段25に、サーボ弁
18を介して圧下手段15のストロークを調整させる。
すなわち、オペレーションサイドとドライブサイドの元
のストロークがそれぞれHoo・Hdoであったなら、
算出されたレベリング量αに応じて圧下手段15op
ストロークをHoo−αとし、圧下手段15drのスト
ロークをHdo+αに変更する。図3のようにドライブ
サイドへストリップxが偏ったときには、ドライブサイ
ドの圧下手段15drにつきストロークを増して圧延荷
重を高める一方、オペレーションサイドの圧下手段15
opは圧延荷重を減らすことになり、ストリップxのそ
の偏りが修正されて蛇行防止がなされることになる。な
お、図1中の符号19は、圧下手段15のための油圧供
給源(ポンプ等)である。
【0033】第二の蛇行防止策は、先の圧延材(先行
材)のコイルからのストリップxの供給が終わって次の
圧延材(次材)のコイルに切り替えるとき、ラインを停
止したのち再び運転を始めるまでの間に、ゼロ点調整を
含む特徴的な操作をすることである。図2・図4に示し
た構成を参照しながら図5にしたがってその操作を説明
すると、つぎのとおりである。
【0034】まず、先行材についてスキンパスラインを
運転中、ペイオフリール1の付近に配置されたセンサー
(図示せず)でコイル(ストリップx)の尾端が検出さ
れると、ラインを減速して停止する(ステップS1〜S
4)。ペイオフリール1上の残量が30m程度になった
ときにラインを減速し始め、あと1m前後で尾端がスキ
ンパスミル10を通過するほどの時点でラインを停止さ
せるのがよい。つづいて、圧下手段15を縮めてワーク
ロール11・12間を開いたうえ、テンションリール8
にてゆっくりとストリップxを巻き取り、その尾端がス
キンパスミル10を通過するのを待つ(ステップS5〜
S6)。そうして先行材がスキンパスミル10のワーク
ロール11・12間から出ると、スキンパスミル10に
おいて、次にスキンパス圧延をするストリップx(次
材)に対応させたゼロ点調整(ゼロ調)を行う(ステッ
プS10)。
【0035】ゼロ調はつぎのように行う。まず、上位コ
ンピュータより、次材のデータ(鋼種・板厚・板幅等)
とともに当該次材の設定圧延荷重の伝送を受けると、圧
下手段15によりワークロール11・12間を閉じ合わ
せ(ステップS11)、両者間の荷重を次材の設定圧延
荷重にまで高める。左右の圧下手段15について荷重差
がほとんどないように調整した段階でゼロ調が完了した
ものとし(ステップS12)、そのときの圧下手段15
のストロークを基準点として機側のコンピュータに記憶
させ、ワークロール11・12間を開く(ステップS1
3)。
【0036】ゼロ調の完了後は、当該次材をペイオフリ
ール1からスキンパスミル10へ送ってその先端をワー
クロール11・12間に通し、さらに圧下手段15を伸
ばしてワークロール11・12によりストリップxを圧
下する(ステップS21〜S23)。この圧下は、オペ
レーションサイドとドライブサイドの各圧下手段15
op・15drを同調させ、ゼロ調完了時に設定し記憶
した基準点からのストロークの変化を同量にして、各荷
重計16op・16drの値が上記の設定圧延荷重に到
達するまでストロークを伸ばすことにより行う。荷重が
設定圧延荷重に到達するとテンションリール8等をも起
動してスキンパスラインの運転を開始する(ステップS
30)。
【0037】運転開始前にこのような操作を行うと、ス
トリップxの左右にはつねに均一な圧延荷重が作用し、
スキンパスミル10における構造上の左右差に起因する
蛇行が効果的に防止される。左右の圧下手段15op
15drにおける圧延中のストロークは、基準点をもと
に同調させて変位させたため左右間での差がないこと、
また、圧延中の荷重は、基準点を定めたゼロ調時のもの
と同じであって左右間にも差はないとみなせるので、圧
延中に、ゼロ調時とは異なるミル伸びが生じて左右間で
ミル伸びに差が生じるおそれもないこと、がその理由で
ある。
【0038】そして、運転を開始したのちは、図3に示
した受光センサー22や図1の演算手段23・24およ
び操作手段25などを使用して、発生する蛇行の検出と
修正をはかる。運転開始前に上記の操作を行ってスキン
パスミル10の構造に起因する蛇行を防止しても、スト
リップxの形状(左右間での厚さの不均一など)に起因
する蛇行は発生し得るからである。運転開始(図5のス
テップS30)後のその手順は、受光センサー22の感
知信号を受けて、図1の第一演算手段23がストリップ
xの偏りδを算出する(ステップS31)、さらには第
二演算手段24がレベリング量αを決定する(ステップ
S32)、そして操作手段25が、各サーボ弁18(1
op・18dr)のストロークを操作する(ステップ
S33〜S35)、というものである。このような手順
を、たとえば1秒間に何回か繰り返して行うことによ
り、運転中のストリップの蛇行は効果的に解消される。
【0039】なお、以上に述べた実施の形態において
は、図2のように、ストリップxの偏りδを検出する手
段(投光器21と受光センサー22)とは別に幅計測手
段5を配置したが、両者を共用にすることも可能であ
る。すなわち、上記の受光センサー22(22op・2
dr)を他の(第三の)演算手段(図示せず)にも接
続し、その演算手段に、受光センサー22による受光幅
に関する信号からストリップxの幅を算出させ出力させ
るのである。あるいは逆に、幅計測手段5のうちに、上
記したのと同様の投光器と受光センサーとを配置し、そ
の受光センサーの信号を第一演算手段23にも並行して
入力することとし、スキンパスミル10の直前に配置し
た投光器21と受光センサー22とを省略するのであ
る。そのようにすれば、スキンパスラインに必要なセン
サーの数が少なくなり、設備コストや設置スペースの点
で有利になる。
【0040】
【発明の効果】請求項1に記載したスキンパスミルにお
ける蛇行防止方法は、運転開始前に適切なゼロ点調整を
行うため、スキンパスミルにおけるミル定数の左右差に
起因する蛇行をとくに効果的に防止できる。また、運転
中、蛇行そのものを直接に検出して蛇行防止のための操
作を行うこと等から、あらゆる蛇行を効果的に防止でき
る。
【0041】請求項2に記載した蛇行防止方法による
と、受光センサー等によってストリップの偏りを簡単に
精度よく検出できる。
【0042】
【0043】請求項3に記載の蛇行防止方法は、ストリ
ップの偏りの検出に用いる各受光センサーをストリップ
の幅の検出にも用いるので、設備コストや検出器(セン
サー)設置スペースの点で有利である。
【0044】
【0045】
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】スキンパスミル10の運転中にストリップxの
蛇行防止をなす制御について、その概略を示す模式図で
ある。
【図2】スキンパスミル10を含むスキンパスラインに
ついて全体を示すレイアウト図である。
【図3】受光センサー22等の配置を示す図で、図2に
おけるIII−III断面図である。
【図4】図2のスキンパスラインに含まれるスキンパス
ミル10について、構造を示す正面図(図4(a))お
よび側面図(同(b))である。
【図5】スキンパスミルにおいて圧延の対象とする鋼板
を先行材から次材へと変更する際の手順を示すフローチ
ャートである。
【図6】スキンパスミルにおける従来の蛇行防止方法を
示す模式図で、制御の手順を図(a)〜(d)の順に示
す。
【符号の説明】
10 スキンパスミル 11・12 ワークロール(ロール) 15(15op・15dr) 圧下手段 16(16op・16dr) 荷重計 22(22op・22dr) 受光センサー 23 第一演算手段 24 第二演算手段 25 操作手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−333509(JP,A) 特開 平8−39122(JP,A) 特開 平3−216208(JP,A) 特開 平5−115912(JP,A) 特開 平5−177229(JP,A) 特開 平8−132117(JP,A) 特開 昭63−63517(JP,A) 実公 昭63−27847(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/68 B21B 1/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スキンパスミルにおいて先行材が通過し
    た後、次材の圧延開始前に、左右の圧下手段により次材
    の設定圧延荷重でロールを圧下させ、そのときの各圧下
    手段のストロークをそれぞれ基準点に定めるゼロ点調整
    を行い、 次材の圧延開始の際、左右の圧下手段の間で上記基準点
    に対するストロークの変化に差がないようにロールを圧
    下させて設定圧延荷重をかけ、 運転中は、 左右いずれかの向きへのストリップの偏りを
    センサーを用いて検出し、その偏り度合いに応じて左右
    の各圧下手段のストロークを自動操作することを特徴と
    するスキンパスミルにおける蛇行防止方法。
  2. 【請求項2】 ストリップの偏りの検出は、ストリップ
    の左右各縁部付近をはさんで投光器に対向配置した受光
    センサーのそれぞれに受光幅を感知させることによって
    行うことを特徴とする請求項1に記載したスキンパスミ
    ルにおける蛇行防止方法。
  3. 【請求項3】 上記の各受光センサーが感知する受光幅
    をもとに、ストリップの幅をも同時に検出することを特
    徴とする請求項2に記載したスキンパスミルにおける蛇
    行防止方法。
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