JPH0824921A - 金属帯のタンデム圧延機の運転開始方法および制御装置 - Google Patents

金属帯のタンデム圧延機の運転開始方法および制御装置

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JPH0824921A
JPH0824921A JP6160355A JP16035594A JPH0824921A JP H0824921 A JPH0824921 A JP H0824921A JP 6160355 A JP6160355 A JP 6160355A JP 16035594 A JP16035594 A JP 16035594A JP H0824921 A JPH0824921 A JP H0824921A
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tension
stand
rolling mill
metal strip
rolling
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Inventor
Takashi Sugino
隆 杉野
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラインスタート時にスタンド間で張力が低下
するのを防ぎ、スタンド間張力を確保し、安定した圧延
操業を行う。 【構成】 金属帯20は、初段スタンドの圧延機21、
2段目スタンドの圧延機22および3段目スタンドの圧
延機23を連続的に通板して圧延される。静止状態から
の運転開始であるストールスタートは、ストールスター
ト制御装置30によって制御され、スタンド間の張力が
規定張力、たとえば所要圧延張力の70%以上に達して
から所定の加速レートよりも低い加速レートで金属帯2
0の通板を立上げる。張力が規定値に到達し、通板速度
も一定値に到達してから、さらに通板速度を上げる場合
には加速レートを本来の加速レートに復帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属帯を複数スタンド
の圧延機に連続的に通板して圧延するタンデム圧延機
を、静止状態から立ち上げる際の運転開始方法およびそ
のための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8に示すような、初段スタンド1、2
段目スタンド2、3段目スタンド3、ブライドルロール
4、2Hロール5、デフレクタロール6、およびテンシ
ョンリール7を含むタンデム式冷間圧延機8は、たとえ
ば、特開平5−212410号公報や特開平5−228
504号公報などに開示されている。このような、金属
帯のタンデム式冷間圧延機8では、ラインスタート時や
連続圧延時にスタンド間張力制御を行っている。スタン
ド間張力制御では、各スタンド間の張力を検出しなが
ら、各スタンドの圧延機の速度および圧下をフィードバ
ック制御することによって、圧延張力が目標値になるよ
うに制御を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のスタンド間張力
制御では、ライン停止状態からラインスタートするとき
には、図9に示すように、スタンド間で張力がダウンす
る現象が発生し、正常な圧延作業が行えなくなることが
ある。すなわち、図9(1)に示すようなライン速度の
基準速度指令に対し、図9(2)に示すようにスタンド
間張力が急激に低下してしまう現象である。この現象の
原因としては、次のようなものが考えられる。
【0004】a)各スタンドの圧延機が異なるタイプで
あると、負荷がアンバランスとなり、揃速性が合わない
ことがある。前述の公報で開示されているタンデム式冷
間圧延機では、初段スタンドの圧延機と後段スタンドの
圧延機とを異なるタイプとして多機能性を持たせている
ので、初段スタンドと2段目スタンドとの間で張力ダウ
ンが生じ易い。また、初段スタンドと2段目スタンドと
の間の距離が他のスタンド間距離よりも長くなっている
ことも、初段スタンドと2段目スタンドとの間で張力ダ
ウンし易い原因である。
【0005】b)溶接部を圧延せずに通板する方法とし
て、逐次圧延法がある。逐次圧延法では、溶接部が各ス
タンドの圧延機を通過する際、その圧延機を一旦停止し
てロールを一時的にオープンにする。ロールオープン時
は、図10に示すように、一度圧延された部分が圧延機
の上流側に戻り、ロールクローズ後の起動時はその部分
をもう一度圧延することになる。一度圧延しているの
で、圧延荷重が低くなり、起動し易くなる。起動後、未
圧延部を圧延するようになると、圧延トルクに必要な電
流までロール駆動用モータの電流が増加する間は、その
圧延機に関連する他の制御系が制御制限にかかりロック
されることになるので、スタンド間の張力ダウンが生じ
易くなる。
【0006】すなわち、図10(1)に示す圧延中の状
態から、図10(2)のようにロールをオープンする
と、その時点t0では、図11(1)および(2)に示
すように、入側の張力T1Eと出側の張力T12とは均
等する。しかし、初段スタンドや2段目スタンドには機
械的なガタなどや、ブライドルロール4以前のルーパ装
置などの張力によって、一度圧延された部分が上流側へ
戻ってしまう、あるいは戻してしまう。図10(3)に
示すようにロールをクローズして圧延を再開する際に
は、図12(1)に示すように一度圧延したところを再
度圧延することになる。図12(2)および(3)に荷
重およびモータ電流の変化としてそれぞれ示すように、
立ち上げ時点t1では、一度圧延した部分を再度圧延す
ることになるので、破線で示す負荷が大きい場合よりも
実線で示すように軽負荷で起動しやすい状態となる。こ
のように軽負荷で立ち上がってから、図10(4)に示
す未圧延部の圧延状態に入る。
【0007】本発明の目的は、ラインスタート時にスタ
ンド間で張力が低下するのを防ぎ、スタンド間張力を確
保し、安定した圧延操業を行うことができる金属帯のタ
ンデム圧延機の運転開始方法およびその制御装置を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、停止状態のタ
ンデム圧延機に金属帯を通板して圧延を開始する運転開
始方法において、上流側のスタンドを停止させたまま下
流側のスタンドで金属帯を引っ張り、張力が予め定める
基準張力に到達してから、上流側スタンドおよび下流側
スタンドを予め定める通板速度増加率に従って立ち上が
るように制御することを特徴とする金属帯のタンデム圧
延機の運転開始方法である。
【0009】また本発明の前記制御は、スタンド相互間
の距離が他のスタンド相互間の距離よりも大きい連続ス
タンド間で行うことを特徴とする。
【0010】また本発明の前記基準張力は、所要圧延張
力の70±10%の範囲であることを特徴とする。
【0011】さらに本発明は、停止状態のタンデム圧延
機に金属帯を通板して圧延を開始するための装置におい
て、上流側スタンドと下流側スタンドとの間で金属帯の
張力を測定する張力測定手段と、張力測定手段からの出
力に応答して、上流側のスタンドを停止させたまま下流
側のスタンドで金属帯を引っ張り、張力が予め定める基
準張力に到達してから、上流側スタンドおよび下流側ス
タンドを予め定める通板速度増加率に従って立ち上がる
ように制御する制御手段とを含むことを特徴とする金属
帯のタンデム圧延機の制御装置である。
【0012】
【作用】本発明に従えば、停止状態のタンデム圧延機に
金属帯を通板して圧延を開始する際に、上流側のスタン
ドを停止させたまま下流側のスタンドで金属帯を引っ張
り、張力が予め定める基準張力に到達してから、上流側
スタンドおよび下流側スタンドを予め定める通板速度増
加率に従って立ち上がるように制御する。金属帯に確実
に圧延張力を付加することができるので安定した圧延操
業を行うことができる。
【0013】また本発明に従えば、スタンド相互間の距
離が他のスタンド相互間の距離よりも大きく、張力低下
の生じ易い連続スタンド間で、立ち上がり時に安定した
張力を付与することができる。
【0014】また本発明に従えば、所要圧延張力の70
±10%の範囲を基準張力として、立ち上がり時の通板
速度制御を開始するので、張力低下を起こすことなく安
定な操業を行うことができる。
【0015】さらに本発明に従えば、停止状態のタンデ
ム圧延機に金属帯を通板して圧延を開始するために、張
力測定手段は、上流側スタンドと下流側スタンドとの間
で金属帯の張力を測定し、制御手段は、上流側のスタン
ドを停止させたまま下流側のスタンドで金属帯を引っ張
り、張力が予め定める基準張力に到達してから、上流側
スタンドおよび下流側スタンドを予め定める通板速度増
加率に従って立ち上がるように制御する。金属帯に確実
に圧延張力を付加することができるので安定した圧延操
業を行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例につき図1〜図7に従
って説明する。図1は本発明の一実施例の電気的構成を
示し、図2は図1の実施例における制御の概念を示し、
図3は図1の実施例の制御状態を示し、図4は図3の立
ち上がり時の金属帯の状態を示し、図5は図1の実施例
の動作データを示し、図6は図1の実施例における通板
速度制御のための構成を示し、図7は図1の実施例にお
ける張力制御の考え方を示す。
【0017】図1において、ステンレス鋼帯などの金属
帯20は、初段スタンドの圧延機21、2段目スタンド
の圧延機22、3段目スタンドの圧延機23によって連
続的に圧延される。初段スタンドの圧延機21の上流側
のブライドルロール24および3段目スタンド23の下
流側の2Hロール25は、圧延に必要な張力を金属帯2
0に付与するために設けられる。圧延された金属帯20
は、デフレクタロール26を介してテンションリール2
7によって巻取られる。このように構成されるタンデム
式圧延機28から連続的に繰り出される金属帯20は走
間剪断機29によって、コイル単位で切り離される。タ
ンデム式圧延機28はたとえば多機能形に構成され、初
段スタンドの圧延機21のロール構成は他と異なり、ま
た2段目スタンドの圧延機22までの距離も長い。
【0018】運転開始(以下、「ストールスタート」と
略称する。)制御装置30は、タンデム式圧延機28
を、静止状態から立ち上げる制御を行う。2段目スタン
ドおよび3段目スタンドの圧延機22,23に対する張
力制御は、それぞれ1〜2スタンド間張力制御装置31
および2〜3スタンド間張力制御装置32によって行
う。3段目スタンド23の出側に対する張力制御は、2
Hロール25またはテンションリール27に対してそれ
ぞれ設けられている3スタンド出側張力制御装置33ま
たは34によって行う。この切換えは切換えスイッチ3
5によって行う。ストールスタート制御装置30に対す
るスタートの入力はスタートスイッチ36によって行
う。
【0019】ブライドルロール24は、1スタンド入側
の張力制御を、張力検出器70と、1スタンド入側張力
制御装置39によって行う。各圧延機21,22,23
に対する速度制御は、自動速度制御(以下、「ASR」
と略称する。)装置41,42,43によって行う。2
Hロール25に対する電流制御または速度制御は、自動
電流制御(以下、「ACR」と略称する。)またはAS
Rが切換え可能なACR/ASR装置44によって行
う。テンションリール27に対する張力制御は、ACR
装置45によって行う。
【0020】各圧延機21,22,23および2Hロー
ル25に対する圧下系の制御は、定位置制御と定荷重制
御とが切換え可能な定位置/定荷重制御装置50,5
1,52,53によって行う。テンションリール27に
対しては、トルクの最大値を制限する最大トルク制御装
置54を設ける。各圧延機21,22,23および2H
ロール25に対する圧下力の発生は、油圧圧下装置6
0,61,62,63によって行う。
【0021】各圧延機21,22,23の出側における
金属帯20の張力は、張力計71,72,73よってそ
れぞれ行う。
【0022】ストールスタート制御装置30は、スター
トスイッチ36の操作に応答して、1〜2スタンド間張
力制御装置31および2〜3スタンド間張力制御装置3
2を制御する。
【0023】図2は、図1のストールスタート制御装置
30による静止状態から金属帯20の通板を立上げるス
トールスタート制御の概念を示す。時刻t10でオペレ
ータが3段目スタンド23の出側での金属帯20の通板
速度として7mpmまたは30mpmを選択してスター
トスイッチ36を押すと、各スタンド間の張力制御が入
る。ステップa1では、初段スタンドと2段目スタンド
との間の自動張力制御(以下、「ATR」と略称す
る。)が1〜2スタンド間張力制御装置31によって行
われる。2〜3スタンド間張力制御装置32も2段目ス
タンドと3段目スタンドとの間でATR制御を行う。次
にステップa2でたとえば設定張力の70%以上の張力
が確立されると、速度指令MRHが0ならば、本来のラ
インスタートを行う。ラインスタートの時点t11から
は、速度指令MRHの値を、選択された通板速度までた
とえば150秒で上昇するような増加率で通板を開始す
る。時刻t11以降、速度の増加中は、ステップa4で
示すように自動板厚制御(以下、「AGC」と略称す
る。)を張力によって行う張力AGC制御を行い、AT
RはOFFとする。またステップa5で示すように、第
2スタンドの圧延機である2ミルのパススケジュールに
基づく補正値SSRHによる補正をロックオンする。こ
の補正は、速度指令MRH=0でクリアされる。また走
間ゲージ変更(FGC)を行うときにも0にクリアされ
る。なお、ステップa2では、基準張力を設定張力の7
0%以上としているけれども、70±10%の範囲な
ら、ほぼ同等の制御を行うことができる。
【0024】時刻t12において、スタンド間張力が設
定張力に達し、さらに3段目スタンドの出側でのライン
速度が7mpmに到着すると、通板速度の上昇率である
加速レートが本来のレートに復帰する。スタート時点
で、オペレータが30mpmを選択していれば、時刻t
11〜t12までの加速レートのたとえば10倍の加速
レートである0から設定速度までの時間が15秒である
加速レートに復帰する。スタート時点で30mpmを選
択した場合には、破線で示すように直ちに30mpmま
で加速する。スタート時点では7mpmを選択し、時刻
t13で改めてオペレータが30mpmを選択するとき
には、実線で示すように加速され、時刻t14で30m
pmに達する。
【0025】図3は、ライン速度として(1)で3段目
スタンドの出側速度V3、張力として(2)で初段スタ
ンドおよび2段目スタンド間の張力T12の立上がり状
態をそれぞれ示す。図4は、図3の時刻t10とt11
との間での張力制御についてのイメージを示す。図4
(1)に示すように、初段スタンドの圧延機21と2段
目スタンドの圧延機22との間の金属帯20は、静止状
態では張力が低下している場合がある。図4(2)に示
すように、初段スタンドの圧延機21を停止させて、2
段目スタンドの圧延機22のロールを回せば張力を確保
することができる。
【0026】図5は、本実施例によるストールスタート
制御の際の張力変化の実測データを示す。図5(1)の
ような速度指令が与えられたとき、初段と2段目とのス
タンド間の張力は図5(2)のように変化し、2段目と
3段目のスタンド間の張力は図5(3)のように変化す
る。瞬間的な張力の変化は見られるけれども、図9のよ
うな張力ダウンの現象は発生しない。このように本実施
例によれば、圧延機の構成が異なる上に距離が長く、張
力ダウンし易い初段と2段目スタンド間でも張力ダウン
は発生しない。
【0027】図6は、図1の実施例における速度制御に
ついての構成を示す。ストールスタート制御装置30内
には、動作モード指令80、リミッタ(以下、「LI
M」と略称する。)81、ルーパ位置検出器82、基準
速度指令(以下、「MRH」と略称する。)発生器8
3、乗算器84、係数発生器85、乗算器86が含まれ
る。ルーパ位置検出器82は、図1のタンデム式圧延機
28の上流側に設けられるルーパ装置内に貯蔵されてい
る金属帯20の量に対応するルーパ位置を検出する。ル
ーパ装置は、上流側に設けられる焼鈍装置や脱スケール
装置内の通板速度を一定とし、タンデム式圧延機28内
では変化し得るように、一定量の金属帯20を貯蔵しな
がら通板速度の調整を行う。このようなルーパ装置にほ
とんど金属帯20が貯蔵されていないときには、通板速
度の上限をLIMで制御する必要がある。MRH発生器
83から発生される基準速度指令は、乗算器84を介し
てASR装置41に与えられるとともに、乗算器86で
係数発生器85からの係数と乗算されて、ATR装置4
0に与えられる。係数発生器85は、初段スタンドの圧
延機21の入側と出側との通板速度の違いを補正する。
【0028】1〜2スタンド間張力制御装置31内に
は、初段スタンドの圧延機21におけるパススケジュー
ルを考慮して係数SSRHを発生するSSRH発生器9
0、発生されたSSRHを補正する補正器91、補正の
前後のSSRHの比を演算する演算器92および乗算器
93が含まれる。補正器91からの出力は、乗算器84
に与えられる。2〜3スタンド間張力制御装置32内に
は、SSRH発生器100、補正器101、演算器10
2、乗算器103および乗算器104が含まれる。SS
RH発生器100からは、2段目スタンドの圧延機22
のパススケジュールに従って係数が発生される。この係
数は、補正器101によって補正され、乗算器104で
演算器92からの出力と乗算され、その出力は乗算器9
3と演算器102に与えられる。乗算器93からの出力
はASR装置42に与えられる。3スタンド出側張力制
御装置33内には、SSRH発生器110、補正器11
1、乗算器113および乗算器114が含まれる。補正
器111からの出力は、乗算器114に与えられ、演算
器102からの出力と乗算される。この出力は乗算器1
03に与えられ、その出力がASR装置43に与えられ
るとともに乗算器113にも与えられる。乗算器113
には、3スタンド出側張力制御装置34内の係数発生器
120からの出力も与えられる。乗算器113の出力
は、ACR/ASR装置44に与えられる。
【0029】なお、補正器91,101,111は、各
スタンドの張力制御やAGCに基づいて係数SSRHの
補正を行う。
【0030】図7は、張力制御についての考え方を示
す。自動張力制御(略称「ATR」)は、図7(1)に
示すように、張力が目標値になるように連続的にフィー
ドバック制御する。張力制限制御(略称「ATL」)
は、図7(2)に示すように、張力変動がある範囲のバ
ンド幅を超えたときのみ張力制御を行い、張力値を制限
範囲内に収めるフィードバック制御である。冷間圧延に
おけるスタンド間張力制御の考え方として、スタンド間
張力、圧延荷重および板厚の全てを制御することは不可
能であり、3つの変数のうち、2変数を一定値に制御す
ると、残りの1変数は変動が大きくなるけれども、1変
数のみを一定値にすると残りの2変数の変動は小さくな
ることが知られている。このため、本実施例では、図1
のスタンド間張力制御装置31,32は、張力が目標値
となるように連続的にフィードバック制御するATRを
主として採用している。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、通常の単
なる圧延開始とか前記逐次圧延法における圧延開始とか
において、停止状態のタンデム圧延機に金属帯を通板し
て圧延を開始する際に、上流側のスタンドを停止させた
まま下流側のスタンドで金属帯を引っ張り、張力が予め
定める基準張力に到達してから、上流側スタンドおよび
下流側スタンドを予め定める通板速度増加率に従って立
ち上がるように制御する。金属帯に確実に圧延張力を付
加することができるので、取り分けラインスタート時に
スタンド間で張力が低下するのを防ぎ、スタンド間張力
を確保し、安定した圧延操業を行うことができる。
【0032】また本発明によれば、各スタンドの圧延機
が異なるタイプで構成されていても、またスタンド相互
間の距離が他のスタンド相互間の距離よりも大きく、張
力低下の生じ易い連続スタンド間であっても、立ち上が
り時に圧延張力を確保し、安定した操業を行うことがで
きる。
【0033】また本発明によれば、所要圧延張力の70
±10%の範囲を基準張力として、立ち上がり時の通板
速度制御を開始するので、張力低下を起こすことなく安
定な操業を行うことができる。
【0034】さらに本発明によれば、停止状態のタンデ
ム圧延機に金属帯を通板して圧延を開始するために、張
力測定手段は、上流側スタンドと下流側スタンドとの間
で金属帯の通板方向についての張力を測定する。制御手
段は、上流側のスタンドを停止させたまま下流側のスタ
ンドで金属帯を引っ張り、張力が予め定める基準張力に
到達してから、上流側スタンドおよび下流側スタンドを
予め定める通板速度増加率に従って立ち上がるように制
御する。これによって、ラインスタート時にスタンド間
で張力が低下するのを防ぎ、スタンド間張力を確保し、
安定した圧延操業を行うことができる。
【0035】したがって本発明によれば、種々の理由で
停止状態にあるタンデム圧延機に金属帯を通板して圧延
を開始または再開するために、良好な張力制御状態を自
動的に確保することができて、安定した連続圧延操業が
可能となる。
【0036】このように圧延開始または再開から停止に
至るまでに良好な張力制御状態を実現できることは、A
GCなどによる板厚制御にも大きく寄与して、被圧延板
の良好な板厚精度を確保することが可能となり、被圧延
材のオフゲージ対策およびその製造歩留の向上に大きく
貢献する。また連続圧延の能力や生産性の向上にも大き
く寄与するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電気的構成を示すブロック
図である。
【図2】図1の実施例における制御の概念を示すグラフ
およびブロック図である。
【図3】図1の実施例の制御状態を示すタイムチャート
である。
【図4】図1の実施例でラインスタート時の金属帯の状
態を示す簡略化した断面図である。
【図5】図1の実施例の動作データを示すグラフであ
る。
【図6】図1の実施例における通板速度制御のための構
成を示すブロック図である。
【図7】図1の実施例における張力制御の考え方を示す
グラフである。
【図8】タンデム式圧延機のライン構成を示す簡略化し
た正面図である。
【図9】タンデム式圧延機における張力ダウン現象を示
すグラフである。
【図10】圧延中の金属帯に対するロールオープンの影
響を示す簡略化した正面図である。
【図11】ロールオープン時に金属帯に付加される張力
の変化を示すタイムチャートである。
【図12】ロールオープンおよびクローズ時の金属帯の
状態を示す簡略化した正面図、および荷重とモータ電流
との変化を示すグラフである。
【符号の説明】
20 金属帯 21 初段スタンド 22 2段目スタンド 23 3段目スタンド 24 ブライドルロール 25 2Hロール 27 テンションリール 28 タンデム式圧延機 30 ストールスタート制御装置 31 1〜2スタンド間張力制御装置 32 2〜3スタンド間張力制御装置 33,34 3スタンド出側張力制御装置 36 スタートスイッチ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 8315−4E B21B 37/00 129

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 停止状態のタンデム圧延機に金属帯を通
    板して圧延を開始する運転開始方法において、 上流側のスタンドを停止させたまま下流側のスタンドで
    金属帯を引っ張り、張力が予め定める基準張力に到達し
    てから、上流側スタンドおよび下流側スタンドを予め定
    める通板速度増加率に従って立ち上がるように制御する
    ことを特徴とする金属帯のタンデム圧延機の運転開始方
    法。
  2. 【請求項2】 前記制御は、スタンド相互間の距離が他
    のスタンド相互間の距離よりも大きい連続スタンド間で
    行うことを特徴とする請求項1記載の金属帯のタンデム
    圧延機の運転開始方法。
  3. 【請求項3】 前記基準張力は、所要圧延張力の70±
    10%の範囲であることを特徴とする請求項1または2
    記載の金属帯のタンデム圧延機の運転開始方法。
  4. 【請求項4】 停止状態のタンデム圧延機に金属帯を通
    板して圧延を開始するための装置において、 上流側スタンドと下流側スタンドとの間で金属帯の張力
    を測定する張力測定手段と、 張力測定手段からの出力に応答して、上流側のスタンド
    を停止させたまま下流側のスタンドで金属帯を引っ張
    り、張力が予め定める基準張力に到達してから、上流側
    スタンドおよび下流側スタンドを予め定める通板速度増
    加率に従って立ち上がるように制御する制御手段とを含
    むことを特徴とする金属帯のタンデム圧延機の制御装
    置。
JP6160355A 1994-07-12 1994-07-12 金属帯のタンデム圧延機の運転開始方法および制御装置 Withdrawn JPH0824921A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101856670A (zh) * 2009-04-01 2010-10-13 株式会社日立制作所 滚轧机的控制装置及其控制方法
CN101856671A (zh) * 2009-04-10 2010-10-13 株式会社日立制作所 轧制装置、轧制装置的控制方法及轧制设备
CN105344712A (zh) * 2015-11-26 2016-02-24 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 一种冷连轧机的原料板启车方法

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