JP7067541B2 - 圧延機の制御方法および制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延機の制御方法および制御装置に関する。
一般的に、自動車や飲料缶等に使用される鋼板は、連続鋳造、熱間圧延および冷間圧延を施され、焼鈍および鍍金工程を経た後に、各々の形に即した加工が行われる。また、熱間圧延工程後および冷間圧延工程後は、製品の要求に応じて鋼板に軽微な圧下を加えて材料の品質を整える調質圧延工程が実施される。
圧延工程で制御される品質の一つとして平坦度がある。平坦度は、板の板幅方向における伸び差率Δε[%]で評価される。また、伸び差率Δεは、例えば図5に示すように、一定区間Lにおける板の板幅方向の伸び差ΔLに基づいて、「Δε=ΔL/L」で示され、これに10を乗じた値が「I-unit」という単位で呼ばれている。
鋼板の平坦度不良は、圧延工程中に板幅方向における鋼板の伸び率が揃わないことにより発生し、平坦度が大きいと、板幅方向の伸び差の分だけ鋼板が波打つ現象が発生する。このような鋼板は、後のプレス等で不具合を引き起こす他、めっき工程においてもめっきの不均等を引き起こす。更に、圧延工程において平坦度を上手く制御できない場合、圧延スタンドに鋼板が折り重なった状態で入り込む「絞り込み」という現象も発生する。
ここで、圧延時に平坦度を測定する手法としては、例えばロールを幅方向に分割してそれぞれに荷重検出センサを埋め込んだディスク構造の平坦度計を用いて、鋼板とロール間の接触荷重を測定して形状を算出する手法がある。また、平坦度を制御するアクチュエータ(形状制御アクチュエータ)としては、ワークロールの軸心たわみを変化させて形状を制御するために、ロールの両端にベンダ力を付与するロールベンダ機構や、片テーパの中間ロールを幅方向にシフトする中間ロールシフト機構などがある。また、液圧によりロールクラウンを操作するVCロール機構などもある。
また、鋼板の平坦度を制御する一般的な方法としては、例えば圧延後の鋼板の平坦度を測定する装置を設け、それにより測定される平坦度を圧延スタンドにフィードバックして形状制御アクチュエータ(ワークロールベンダ)を動作させるフィードバック制御が行われている(例えば特許文献1)。
特に熱間圧延後の低圧下率の場合においては、熱間圧延工程、冷却工程および巻き取り工程における形状(平坦度)の変化を予測し、調質圧延後の形状を最適とするように設定値を決定する圧延制御手法も提案されている(例えば特許文献2,3)。
特許第2964887号公報 特許第5971292号公報 特許第5971293号公報
一般的な圧延工程では、絞りを防止するために、圧延時の鋼板の平坦度をリアルタイムで測定して、目標値と一致するように形状制御アクチュエータを操作することが行われている。しかしながら、圧延前の鋼板の平坦度が非常に悪い場合には、圧延後の板形状を平坦に制御していても、絞りと呼ばれるスジ欠陥が発生するため、歩留まり低下や圧延機の稼働率低下が問題となる。例えば特許文献1の手法は、圧延後における平坦度を制御する目的で圧延を行っているものの、圧延前の鋼板の平坦度が非常に悪い(大きい)場合については想定していない。また、特許文献2,3の手法は、調質圧延前の形状を想定しているものの、形状の制御という観点でのみ制御を行っており、絞り込み抑制の観点による制御が行われていない。
そこで、本発明者らは、圧延前の鋼板に面外変形が生じている場合には、圧延時に、圧延機のロール直下で面外変形が強制的に平坦化されたことによりせん断応力が発生し、このせん断応力によって圧延機入側で鋼板が座屈して線状シワが形成されることを知見した。そして、この線状シワが圧延によってロールで押し潰されて絞りとなる。このように、本発明者らは、圧延前の鋼板の平坦度が非常に悪い場合には、絞り込み抑制の観点で制御を行わないと、圧延時に、圧延機入側の鋼板に線状シワが形成されて、この線状シワにより圧延機出側で絞りが発生することを知見した。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、一つの同じ圧延工程において、圧延時に圧延機入側の金属帯に形成された線状シワが圧延機出側で絞りとなることを防止することができる圧延機の制御方法および制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る圧延機の制御方法は、形状制御アクチュエータを有する圧延機の制御方法であって、前記圧延機の入側に設置されたシワ検出装置を用いて金属帯のシワ発生を監視する監視ステップと、前記圧延機の入側での金属帯に、圧延方向に対して斜めの線状シワが発生している場合には、前記線状シワの発生方向に応じて、前記線状シワが平坦となるように前記形状制御アクチュエータを制御する制御ステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御方法は、上記発明において、前記制御ステップは、前記線状シワが前記圧延機のロールに近づくほど前記金属帯の板幅中央部へ向かうように発生している場合には、当該板幅中央部を前記金属帯の板幅端部よりも圧下するように前記形状制御アクチュエータを制御するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御方法は、上記発明において、前記制御ステップは、前記線状シワが前記圧延機のロールに近づくほど前記金属帯の板幅端部へ向かうように発生している場合には、当該板幅端部を前記板幅中央部よりも圧下するように前記形状制御アクチュエータを制御するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御方法は、上記発明において、前記圧延機の出側に設定された平坦度計を用いて、前記圧延機の出側での金属帯の形状を測定する測定ステップ、をさらに含み、前記制御ステップは、前記圧延機の入側での金属帯に前記線状シワが発生していない場合には、前記平坦度計で測定した金属帯の形状が平坦となるように、前記形状制御アクチュエータで前記圧延機の出側での金属帯の形状を制御しつつ圧延するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御装置は、形状制御アクチュエータを有する圧延機の制御装置であって、前記圧延機の入側に設置され、金属帯のシワ発生を監視するシワ検出装置と、前記圧延機の入側での金属帯に、圧延方向に対して斜めの線状シワが発生している場合には、当該線状シワの発生方向に応じて、前記線状シワが平坦となるように前記形状制御アクチュエータを制御する制御部とを有することを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御装置は、上記発明において、前記制御部は、前記線状シワが前記圧延機のロールに近づくほど前記金属帯の板幅中央部へ向かうように発生している場合には、当該板幅中央部を前記金属帯の板幅端部よりも圧下するように前記形状制御アクチュエータを制御することを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御装置は、上記発明において、前記制御部は、前記線状シワが前記圧延機のロールに近づくほど前記金属帯の板幅端部へ向かうように発生している場合には、当該板幅端部を前記板幅中央部よりも圧下するように前記形状制御アクチュエータを制御することを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御装置は、上記発明において、前記圧延機の出側に設定され、前記圧延機の出側での金属帯の形状を測定する平坦度計、をさらに有し、前記制御部は、前記圧延機の入側での金属帯に前記線状シワが発生していない場合には、前記平坦度計で測定した金属帯の形状が平坦となるように、前記形状制御アクチュエータで前記圧延機の出側での金属帯の形状を制御しつつ圧延することを特徴とする。
本発明によれば、圧延機の入側での金属帯のシワ発生を監視して、金属帯に圧延方向に対して斜めの線状シワが発生する場合は、線状シワの発生方向に応じて形状制御アクチュエータを制御することによって、絞りの発生を抑制することができる。
図1は、実施形態における圧延機の構成を示す模式図である。 図2は、圧延機の入側で鋼板に線状シワが発生する場合を説明するための模式図である。 図3は、圧延機の入側で鋼板に線状シワが発生する場合を説明するための模式図である。 図4は、実施例の実験結果を示す図である。 図5は、板の伸びを説明するための模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態における圧延機の制御方法および制御装置について説明する。
[1.圧延機]
図1は、実施形態における圧延機の構成を示す模式図である。図1に示すように、圧延機1は、ワークロール11,12、バックアップロール13,14、形状制御アクチュエータ15、シワ検出装置16、平坦度計17を備える。この圧延機1は、金属帯である鋼板Wを圧延するものであり、冷間圧延機により構成されている。つまり、実施形態では、冷間圧延工程において鋼板Wを圧延する場合を対象とする。
ワークロール11,12は、鋼板Wを圧延方向(長手方向)に搬送する搬送経路を挟んで、鋼板Wの板厚方向に対向配置されている。ワークロール11,12は、搬送経路に沿って順次搬送される鋼板Wをその板厚方向において挟み込みながら回転(自転)することにより、鋼板Wを連続的に圧延する。
バックアップロール13,14は、一対のワークロール11,12を挟んで対向配置されている。上側のバックアップロール13は、上側のワークロール11の外周面に上方向から接触し、ワークロール11を下方向に押圧する。これにより、バックアップロール13は、鋼板Wの圧延に要する荷重をワークロール11に付与する。また、下側のバックアップロール14は、下側のワークロール12の外周面に下方向から接触し、ワークロール12を上方向に押圧する。これにより、バックアップロール14は、鋼板Wの圧延に要する荷重をワークロール12に付与する。
形状制御アクチュエータ15は、圧延機1による圧延後の鋼板Wの形状を制御する形状制御部として機能する。図1に示す形状制御アクチュエータ15は、バックアップロール13を介してワークロール11に撓みまたは傾斜を付与し、これにより、圧延機1による圧延後の鋼板Wの形状を制御する。また、形状制御アクチュエータ15は、制御装置2によって制御される。
また、形状制御アクチュエータ15は、鋼板Wの耳伸びや腹伸びを変更できるものであればよく、種類は特に限定されない。例えば、形状制御アクチュエータ15は、ロールベンダ、片テーパの中間ロールシフト、AS―U、VCロールなどにより構成されてよい。例えば、ワークロールベンダは、鋼板Wの板クラウンを制御するものであり、鋼板Wの板クラウンの制御を目的として、鋼板Wの板厚方向にワークロール11,12をそれぞれ曲げるロール曲げ動作を行う。ワークロールベンダはワークロール11,12のそれぞれに配置されている。例えば、上側のワークロールベンダはワークロール11のロール軸を回転可能に軸支しつつ、鋼板Wの板厚方向の曲げ力をワークロール11に付与する。その際、圧延反力として鋼板Wからワークロール11に付与される曲げ力の方向(上方向)は、バックアップロール13からワークロール11に加えられる荷重の方向(下方向)とは反対の方向となる。また、下側のワークロールベンダはワークロール12のロール軸を回転可能に軸支しつつ、鋼板Wの板厚方向の曲げ力をワークロール12に付与する。その際、圧延反力として鋼板Wからワークロール12に付与される曲げ力の方向(下方向)は、バックアップロール14からワークロール12に加えられる荷重の方向(上方向)とは反対の方向となる。
シワ検出装置16は、圧延機1の入側に設置され、圧延機1の入側での鋼板Wの形状を測定し、線状シワを検出する。例えば、シワ検出装置16は、カメラや、レーザスキャナなどにより構成される。そして、シワ検出装置16による測定結果は制御装置2に入力される。圧延機1では、制御装置2がシワ検出装置16を利用して、圧延機入側での鋼板Wのシワ発生の有無を監視する。なお、シワの検出方法は、鋼板Wの線状シワを検出することができるものであればよく、種類は特に限定されない。例えば、シワ検出装置16による測定を行い、人による目視確認または画像解析によりシワ発生を判断してもよい。
平坦度計17は、圧延機1の出側に設置され、圧延機1の出側での鋼板Wの形状をリアルタイムに測定する。例えば、平坦度計17は、ロール式や振動式により構成される。平坦度計17による測定結果は制御装置2に入力される。
制御装置2は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用の情報処理装置によって実現されるものであり、例えばCPU、ROM、RAM等を主要構成部品としている。この制御装置2は、圧延機1を制御するものである。制御装置2には、圧延中にシワ検出装置16および平坦度計17からの信号が入力される。そして、制御装置2は、シワ検出装置16および平坦度計17から入力された信号(測定値)に基づいて各種演算処理を実行し、形状制御アクチュエータ15を制御する。制御装置2から形状制御アクチュエータ15に指令信号が出力される。
制御装置2は、演算処理部21と、制御部22と、を有する。演算処理部21は、シワ検出装置16による監視の結果、線状シワの発生方向に応じて、線状シワを平坦にするための制御値を算出する。制御部22は、演算処理部21により算出された制御値に基づいて、形状制御アクチュエータ15を制御する。
例えば、制御装置2は、圧延機1の入側での鋼板Wに圧延方向に対して斜めの線状シワPが発生している場合には、線状シワの発生方向に応じて、線状シワを平坦にするように形状制御アクチュエータ15を制御する。これより、圧延機1の出側でのシワ発生を抑制して、圧延機出側の線状シワが絞りの起点となることを防止する。また、制御装置2は、鋼板Wのうち線状シワが発生しない範囲では、圧延機1の出側での鋼板Wの形状ができるだけ平坦となるように形状制御アクチュエータ15を制御する。これにより、絞りが発生せず、かつ平坦な鋼板Wを製造することができる。一方、鋼板Wに線状シワが発生していない場合には、制御装置2は、平坦度計17によって測定した圧延機1の出側での鋼板Wの形状に基づいて、鋼板Wの当該出側の形状ができるだけ平坦となるように形状制御アクチュエータ15を制御する。
[2.線状シワの発生方向]
ここで、図2および図3を参照して、線状シワの発生方向について説明する。
図2には、圧延機1の入側での鋼板Wについて、圧延方向に鋼板Wが進む際、線状シワPの圧延方向先端部P1が鋼板Wの板幅中央部W1側から先に圧延機1のロールに近づくような形状のシワが発生している場合が例示されている。図2に示す形状の線状シワPが発生している鋼板Wは、耳伸びした状態である。耳伸びとは、鋼板Wの板幅方向の板幅端部W2の伸びが板幅中央部W1の伸びに対して大きくなっている現象のことである。
そして、制御装置2は、図2示すように、圧延機1の入側の鋼板Wにおいて、線状シワPが板幅中央部W1側から先に圧延機1のロールへと近づくような形状で発生している場合には、ロール直下の鋼板Wについて、板幅中央部W1を板幅端部W2よりも圧下するように、形状制御アクチュエータ15を制御する。この場合、板幅中央部W1の圧下荷重を板幅端部W2の圧下荷重よりも大きくする。あるいは、板幅中央部W1の圧下率を板幅端部W2の圧下率よりも大きくする。なお、変更前の板幅中央部W1の圧下荷重よりも変更後の板幅中央部W1の圧下荷重を大きくしてもよい。同様に、変更前の板幅中央部W1の圧下率よりも変更後の板幅中央部W1の圧下率を大きくしてもよい。
図3には、圧延機1の入側での鋼板Wについて、圧延方向に鋼板Wが進む際、線状シワPの圧延方向先端部P1が板幅端部W2側から先に圧延機1のロールに近づくような形状の線状シワPが発生している場合が例示されている。図3に示す形状の線状シワPが発生している鋼板Wは、腹伸びした状態である。腹伸びとは、耳伸びとは逆の現象で、鋼板Wの板幅方向の板幅中央部W1の伸びが板幅端部W2の伸びに対して大きくなっている現象のことである。
そして、制御装置2は、図3に示すように、圧延機1の入側の鋼板Wにおいて、線状シワPが板幅端部W2側から先に圧延機1のロールへと近づくような形状で発生している場合には、ロール直下の鋼板Wについて、板幅端部W2を板幅中央部W1よりも圧下するように、形状制御アクチュエータ15を制御する。この場合、板幅端部W2の圧下荷重を板幅中央部W1の圧下荷重よりも大きくする。あるいは、板幅端部W2の圧下率を板幅中央部W1の圧下率よりも大きくする。なお、変更前の板幅端部W2の圧下荷重よりも変更後の板幅端部W2の圧下荷重を大きくしてもよい。同様に、変更前の板幅端部W2の圧下率よりも変更後の板幅端部W2の圧下率を大きくしてもよい。
[3.制御方法]
制御装置2は、耳伸びの鋼板Wに対しては耳伸びを相殺するように形状制御アクチュエータ15を制御し、腹伸びの鋼板Wに対しては腹伸びを相殺するように形状制御アクチュエータを制御する。
例えば、耳伸びが大きい鋼板Wでは、板幅端部W2の伸びが板幅中央部W1の伸びと比べて大きい状態となり、板幅端部W2に面外変形が生じている。仮に、この耳伸びの鋼板Wを、本発明を適用せずに従来通りに圧延すると、圧延機1のロール直下で板幅端部W2側の面外変形が強制的に平坦化されたことで発生したせん断応力により、圧延機入側で鋼板Wが座屈して、圧延方向に対して斜めの線状シワPが形成される。この線状シワPが圧延機1で圧延されることにより絞りが発生する。
そこで、本実施形態では、耳伸びの鋼板Wを圧延機1で圧延する際、制御装置2は、板幅中央部W1を板幅端部W2よりも大きく圧下するように形状制御アクチュエータ15を制御する。これにより、圧延機1の出側での板幅端部W2の伸びを小さくして、相対的に圧延機1の入側での板幅端部W2の伸びが大きい状態を緩和することができ、絞りの発生を防止することができる。
同様に、腹伸びの鋼板Wを圧延機1で圧延する際、制御装置2は、板幅端部W2を板幅中央部W1よりも大きく圧下するように形状制御アクチュエータ15を制御する。これにより、圧延機1の出側での板幅中央部W1の伸びを小さくして、相対的に圧延機1の入側での板幅中央部W1の伸びが大きい状態を緩和することによって、絞りの発生を防止することができる。
(実施例)
実施例では、板厚1.0mm、板幅700mmの軟鋼板を圧下率1%で圧延した。ユニット張力は入側20MPa、出側40MPaに設定した。圧延機1は、図1に示すように、4Hi圧延機を用いた。圧延機1のワークロール径はΦ450mm、バックアップロール径はΦ1200mmである。圧延機1には、形状制御アクチュエータ15としてワークロールベンダが設けられている。圧延機1の入側には、シワ検出装置16として光切断方式の3Dスキャナが1台設置されている。圧延機1の出側には、ロール式の平坦度計17が1台設置されている。上述した実施形態に基づいて、制御装置2は、3Dスキャナにより検出した線状シワPの発生方向に応じてワークロールベンダを操作した。一方、鋼板Wに線状シワPが発生していない場合には、制御装置2は、ロール式の平坦度計17を用いて測定した圧延機1の出側での鋼板Wの形状ができるだけ平坦となるようにワークロールベンダを操作した。この実験の結果を図4に示す。
図4に示すように、従来の操業では、500コイル圧延して3回絞りが発生した。一方、上述した実施形態を適用した本実施例では、絞りの発生回数が500コイル中0回となった。以上のように、本実施形態を適用することによって、絞りが発生することなく圧延することが可能となる。
なお、上述した実施形態および実施例では冷間圧延工程において鋼板Wを圧延する場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明は、薄物熱延材を単機ミルで圧延する場合(熱延スキンパス設備での調質圧延を含む)にも適用可能である。すなわち、本発明は、調質圧延工程で圧延される金属帯を対象とすることも可能である。
1 圧延機
2 制御装置
11,12 ワークロール
13,14 バックアップロール
15 形状制御アクチュエータ
16 シワ検出装置
17 平坦度計
W 鋼板
W1 板幅中央部
W2 板幅端部

Claims (8)

  1. 形状制御アクチュエータを有する圧延機の制御方法であって、
    前記圧延機の入側に設置されたシワ検出装置を用いて金属帯のシワ発生を監視する監視ステップと、
    前記圧延機の入側での金属帯に、圧延方向に対して斜めの線状シワが発生している場合には、前記線状シワの発生方向に応じて、前記線状シワが平坦となるように前記形状制御アクチュエータを制御する制御ステップと
    を含むことを特徴とする圧延機の制御方法。
  2. 前記制御ステップは、
    前記線状シワが前記圧延機のロールに近づくほど前記金属帯の板幅中央部へ向かうように発生している場合には、当該板幅中央部を前記金属帯の板幅端部よりも圧下するように前記形状制御アクチュエータを制御するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧延機の制御方法。
  3. 前記制御ステップは、
    前記線状シワが前記圧延機のロールに近づくほど前記金属帯の板幅端部へ向かうように発生している場合には、当該板幅端部を前記板幅中央部よりも圧下するように前記形状制御アクチュエータを制御するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧延機の制御方法。
  4. 前記圧延機の出側に設定された平坦度計を用いて、前記圧延機の出側での金属帯の形状を測定する測定ステップ、をさらに含み、
    前記制御ステップは、前記圧延機の入側での金属帯に前記線状シワが発生していない場合には、前記平坦度計で測定した金属帯の形状が平坦となるように、前記形状制御アクチュエータで前記圧延機の出側での金属帯の形状を制御しつつ圧延するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の圧延機の制御方法。
  5. 形状制御アクチュエータを有する圧延機の制御装置であって、
    前記圧延機の入側に設置され、金属帯のシワ発生を監視するシワ検出装置と、
    前記圧延機の入側での金属帯に、圧延方向に対して斜めの線状シワが発生している場合には、当該線状シワの発生方向に応じて、前記線状シワが平坦となるように前記形状制御アクチュエータを制御する制御部と
    を有することを特徴とする圧延機の制御装置。
  6. 前記制御部は、
    前記線状シワが前記圧延機のロールに近づくほど前記金属帯の板幅中央部へ向かうように発生している場合には、当該板幅中央部を前記金属帯の板幅端部よりも圧下するように前記形状制御アクチュエータを制御する
    ことを特徴とする請求項5に記載の圧延機の制御装置。
  7. 前記制御部は、
    前記線状シワが前記圧延機のロールに近づくほど前記金属帯の板幅端部へ向かうように発生している場合には、当該板幅端部を前記板幅中央部よりも圧下するように前記形状制御アクチュエータを制御する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の圧延機の制御装置。
  8. 前記圧延機の出側に設定され、前記圧延機の出側での金属帯の形状を測定する平坦度計、をさらに有し、
    前記制御部は、前記圧延機の入側での金属帯に前記線状シワが発生していない場合には、前記平坦度計で測定した金属帯の形状が平坦となるように、前記形状制御アクチュエータで前記圧延機の出側での金属帯の形状を制御しつつ圧延する
    ことを特徴とする請求項5から7のうちのいずれか一項に記載の圧延機の制御装置。
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