JPH08215728A - タンデム冷間圧延機における金属帯のエッジドロップ制御方法および装置 - Google Patents

タンデム冷間圧延機における金属帯のエッジドロップ制御方法および装置

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JPH08215728A
JPH08215728A JP7023211A JP2321195A JPH08215728A JP H08215728 A JPH08215728 A JP H08215728A JP 7023211 A JP7023211 A JP 7023211A JP 2321195 A JP2321195 A JP 2321195A JP H08215728 A JPH08215728 A JP H08215728A
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metal strip
edge drop
flatness
profile
cold rolling
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Application number
JP7023211A
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English (en)
Inventor
Masaki Otsuka
正樹 大塚
Junya Hayakawa
淳也 早川
Toshinori Miki
俊典 三喜
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属帯の破断や耳割れを生ずることなく、エ
ッジドロップの改善を最大限行うことができる金属帯の
エッジドロップ制御方法および装置を提供する。 【構成】 タンデム冷間圧延機における金属帯のエッジ
ドロップ制御装置12は、金属帯11の平坦度を検出す
る平坦度検出手段10と、金属帯11のプロフィールを
検出するプロフィール検出手段9と、金属帯11の形状
およびプロフィールを変化させる形状プロフィール制御
手段8と、平坦度検出手段およびプロフィール検出手段
の出力に応答して形状プロフィール制御手段の制御量を
演算し、金属帯の平坦度およびエッジドロップが予め定
める範囲を満たすように形状プロフィール制御手段を駆
動する制御手段とを含む。これによって金属帯11の最
大張力が過大にならないようにエッジドロップ制御が行
われるので、金属帯11は破断や耳割れを生ずることな
くエッジドロップを最大限改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンデム冷間圧延機に
おいて冷間圧延時発生する金属帯のエッジドロップを改
善する制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年冷間圧延された金属帯の板厚精度に
対する需要家の要求は、次第に厳しくなってきており、
金属帯の圧延方向の板厚精度ばかりでなく、板幅方向の
板厚精度も要求されるようになってきている。図6は、
冷間圧延後の金属帯のプロフィールを示す概念図であ
る。金属帯のプロフィール、すなわち板幅方向の板厚分
布は、板幅中央部の板厚Tがもっとも大きく、板端部に
向かって緩やかに減少し、板端部近傍において急激に減
少している。前者の緩やかな板厚減少領域はセンターク
ラウン領域Cと呼ばれ、後者の板端部近傍における急激
な板厚減少領域はエッジドロップ領域Eと呼ばれてい
る。エッジドロップは、金属帯の板幅方向の板厚精度を
大幅に低下させるので、従来からその抑制、改善が強く
望まれている。またエッジドロップは、冷間圧延時の塑
性流動に起因して生じるものであり、冷間圧延条件によ
ってその大きさが変動する。エッジドロップを改善する
方法としては、次のような先行技術が開示されている。
【0003】特開平5−64381号公報および特公平
6−71611号公報に開示されている先行技術は、ロ
ール胴端部が先細になるように研削した、いわゆるテー
パワークロールを板幅方向にシフトさせるテーパワーク
ロールシフト法である。この方法は、板端部近傍のワー
クロール間隙を大きくして金属帯の板端部近傍の塑性流
動を減少させることができるので、エッジドロップが改
善される。
【0004】特開平5−64381号公報に開示されて
いる先行技術は、上下一対のワークロール、軸線方向に
シフト可能な中間ロールおよびバックアップロールを備
える6重冷間圧延機において中間ロールシフト、ワーク
ロールベンダおよび中間ロールベンダを用いてテーパワ
ークロールを用いないでエッジドロップを改善する方法
である。この方法もベンディング力によって板端部近傍
のワークロール間隔を大きくして、金属帯の板端部近傍
の塑性流動を減少させることができるので、エッジドロ
ップが改善される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記先行
技術においては、エッジドロップの改善に伴い次のよう
な問題が発生する。
【0006】図7は、金属帯のプロフィールと、平坦度
と板幅方向張力分布との関係を定性的に示す概念図であ
る。金属帯のプロフィールが均一である場合には、図7
(1)に示すように金属帯の平坦度はフラットであり、
板幅方向張力分布も均一に分布する。金属帯のプロフィ
ールとしてエッジドロップが発生している場合には、図
7(2)に示すように金属帯の平坦度はフラットでなく
板端部に圧延方向Rに沿っていわゆる耳伸びが発生して
おり、張力分布としては板幅Bセンター部分の張力が高
く、板端部の張力が低くなる。金属帯のプロフィールと
して板端部の板厚が厚くなっている場合には、図7
(3)に示すように金属帯の平坦度はフラットでなく、
板幅中央部に圧延方向Rに沿っていわゆる中伸びが発生
しており、張力分布としては板幅Bセンター部分の張力
が低く、板端部の張力が高くなる。
【0007】図8は金属帯のエッジドロップ改善量と板
端近傍の張力との関係を示す特性図であり、図9は中間
ロールシフト、ワークロールベンダおよび中間ロールベ
ンダの制御量と金属帯の板端近傍の張力との関係を示す
特性図である。これらの特性図は、4スタンドタンデム
冷間圧延機におけるシミュレーション計算によって求め
たものである。計算に用いた金属帯の材質は普通鋼であ
り、冷間圧延前後の板厚はそれぞれ2.5mm,0.6
mmであり、板幅は1200mmである。図8からエッ
ジドロップ改善量が大きくなるほど、金属帯の板端近傍
の張力が増大することが判る。また図9(a)から中間
ロールのシフト位置を示すHCδが小さくなるほど、す
なわち中間ロール胴端部が金属帯の板幅端部より板幅中
央部寄りに位置するほど板端近傍の張力が大きくなるこ
とが判り、図9(b),(c)からワークロール間隙を
離反させる方向のいわゆるインクリースワークロールベ
ンダ力およびインクリース中間ロールベンダ力が大きく
なるほど板端近傍の張力が大きくなることが判る。これ
らの板端近傍の張力が大きくなる条件は、いずれも金属
帯の板端近傍の塑性流動を減少させ、金属帯のエッジド
ロップを改善する条件と一致する。
【0008】このように金属帯のエッジドロップの改善
は、板端近傍の張力の増大を招来する。この板端近傍の
張力の増大は、金属帯の破断や板端部の割れ(以後耳割
れと略称する)をもたらすおそれがあるので、タンデム
冷間圧延においては回避することが好ましい。
【0009】このような問題に対して従来から行われて
いる対策としては、テーパワークロールシフト、ワーク
ロールベンダ、中間ロールベンダおよび中間ロールシフ
トなどの各形状プロフィール制御手段を操作した場合に
おける金属帯のエッジドロップ、平坦度および板端部張
力変化を前述のように事前に実験や解析等で求めておい
て、タンデム冷間圧延時において金属帯の破断や耳割れ
が生じないで、かつエッジドロップをできるだけ改善で
きる各形状プロフィール制御手段の操作量を設定する方
法がとられている。しかしながら実際のタンデム冷間圧
延時においては、冷間圧延時の圧延荷重や張力などが変
動することが多い。このためこれらの変動要因を最大限
見込んで条件設定を行えば、金属帯の破断や耳割れ防止
が主体となり、エッジドロップの改善は制約をうけるこ
とになり、逆に変動要因を最小限見込んで条件設定を行
えば、エッジドロップは改善されるけれども金属帯の破
断や耳割れが発生するおそれがある。
【0010】本発明の目的は、前記問題を解決して金属
帯の破断や耳割れを生ずるおそれがなく、かつエッジド
ロップの改善を最大限行うことができる金属帯のエッジ
ドロップ制御方法および装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、形状プロフィ
ール制御手段を備える複数の6重圧延機を直列に配列し
て構成されるタンデム冷間圧延機における金属帯のエッ
ジドロップ制御方法において、最終スタンドを除く複数
のスタンドで金属帯のエッジドロップが予め定める範囲
を満たすように形状プロフィール制御手段の制御量を制
御する際、少なくとも一箇所のスタンド間における金属
帯の最大張力が予め定める範囲を満たすように形状プロ
フィール制御手段の制御量を補正することを特徴とする
タンデム冷間圧延機における金属帯のエッジドロップ制
御方法である。また本発明の前記最大張力は、金属帯の
板幅方向の平坦度から算出することを特徴とする。また
本発明は、複数の6重圧延機を直列に配列して構成され
るタンデム冷間圧延機における金属帯のエッジドロップ
制御装置において、少なくとも一箇所のスタンド間に設
けられ、金属帯の平坦度を検出する平坦度検出手段と、
最終スタンドの下流側に設けられ金属帯のプロフィール
を検出するプロフィール検出手段と、各スタンドに設け
られ、上下一対のワークロールの軸線方向ロール間隙分
布を変化させる形状プロフィール制御手段と、平坦度検
出手段およびプロフィール検出手段の出力に応答して形
状プロフィール制御手段の制御量を演算し、金属帯の平
坦度およびエッジドロップが予め定める範囲を満たすよ
うに形状プロフィール制御手段を駆動する制御手段とを
含むことを特徴とするタンデム冷間圧延機における金属
帯のエッジドロップ制御装置である。
【0012】
【作用】本発明に従えば、タンデム冷間圧延機において
少なくとも一箇所のスタンド間における金属帯の最大張
力が予め定める範囲を満たすように形状プロフィール制
御手段の制御量が補正されて金属帯のエッジドロップ制
御が行われる。このように金属帯の過大張力の発生が防
止された状態でエッジドロップの制御が行われるので、
金属帯の破断や耳割れを生ずることなく、エッジドロッ
プの改善が最大限行われる。
【0013】また本発明に従えば、最大張力は金属帯の
板幅方向の平坦度から算出されるので、金属帯の板幅が
変化しても確実に最大張力を検出することができる。
【0014】また本発明に従えば、タンデム冷間圧延機
における金属帯のエッジドロップ制御装置は、少なくと
も一箇所のスタンド間に設けられた平坦度検出手段によ
って金属帯の平坦度(張力)を検出し、最終スタンドの
下流側に設けられたプロフィール検出手段によって金属
帯のプロフィールを検出し、それらの出力に応答して制
御手段によって各スタンドに設けられた形状プロフィー
ル制御手段を駆動して、金属帯の平坦度(張力)および
エッジドロップを予め定める範囲を満たすように制御す
ることができる。このため金属帯のエッジドロップ制御
装置は、金属帯の破断や耳割れを生ずることなく、エッ
ジドロップを最大限改善することができる。
【0015】
【実施例】図1は本発明の一実施例であるタンデム冷間
圧延機における金属帯のエッジドロップ制御装置の全体
構成を示すブロック図であり、図2は図1に示すタンデ
ム冷間圧延機の初段スタンドを上流側から見た簡略化さ
れた正面図であり、図3は図2に示す初段スタンドの中
間ロール近辺の簡略化された構成を示す側面図である。
タンデム冷間圧延機5は、複数たとえば4スタンドの6
重圧延機、すなわち初段スタンド1,第2スタンド2,
第3スタンド3,最終スタンド4をこの順序に直列に配
列して構成される。
【0016】タンデム冷間圧延機における金属帯のエッ
ジドロップ制御装置(以後、エッジドロップ制御装置と
略称する)12は、冷間圧延鋼帯など金属帯11の平坦
度を検出する平坦度検出手段10と、金属帯11のプロ
フィールを検出するプロフィール検出手段9と、各スタ
ンドに設けられ金属帯11の形状およびプロフィールを
変化させる形状プロフィール制御手段8と、平坦度検出
手段およびプロフィール検出手段の出力に応答して形状
プロフィール制御手段の制御量を演算し、金属帯の平坦
度およびエッジドロップが予め定める範囲を満たすよう
に形状プロフィール制御手段を駆動するプロセスコンピ
ュータである制御手段7とを含んで構成される。
【0017】平坦度検出手段10は、たとえば分割ロー
ル型平坦度検出器などによって実現され、軸線方向に複
数個分割された分割ロールによって金属帯11の板幅方
向の張力分布および平坦度を検出することができる。こ
のため金属帯11の板幅が変化しても金属帯11の板幅
方向の張力分布および平坦度は確実に検出される。また
金属帯11の平坦度は、金属帯11の板幅方向の張力分
布から算出することが可能であり、逆に金属帯11の板
幅方向の張力分布は金属帯11の平坦度から算出するこ
とができる。平坦度検出手段10は、タンデム冷間圧延
機5の少なくとも一箇所のスタンド間に設けられる。前
述のように、金属帯11の破断や耳割れは、エッジドロ
ップの改善に伴って板端部の張力が過大になって発生す
るので、平坦度検出手段10の設置位置はエッジドロッ
プ制御を行うスタンドの下流側に設けることが好まし
い。本実施例では、平坦度検出手段10は初段スタンド
1と第2スタンド2とのスタンド間に設けられている。
【0018】また前記位置に平坦度検出手段10を設け
ることは、最終スタンド4出側の金属帯11の平坦度を
良好に保つために、特に平坦度不良の生じやすい高強度
を有する金属帯11に対して有効である。さらに本実施
例のように初段スタンド1出側に設けられている平坦度
検出手段10は、金属帯11の蛇行検出器としても有効
に機能する。すなわち平坦度検出手段10によって検出
された板幅方向張力分布の不均一性が大きくなると、金
属帯11の蛇行の前兆もしくは蛇行と判断することがで
きる。なお平坦度検出手段10として電磁力型平坦度検
出器などを用いてもよい。
【0019】プロフィール検出手段9は、たとえばトラ
バース型X線板厚計などによって実現され、X線源を走
行する金属帯11の板幅方向に往復走行させ、金属帯1
1の板幅方向の板厚分布を検出する構成を有している。
プロフィール検出手段9は、タンデム冷間圧延機5の最
終スタンド4の下流側に設けられている。
【0020】タンデム冷間圧延機5の初段スタンド1
は、6重圧延機であり、図2に示すように金属帯11の
上下にワークロール13a,13b、中間ロール14
a,14bおよびバックアップロール15a,15bが
それぞれ配置されて構成される。ワークロール13a,
13bとバックアップロール15a,15bとは、それ
らの軸線方向には変位しないように構成されており、中
間ロール14a,14bは、それらの軸線方向に油圧シ
リンダ22,23によって往復変位可能に構成されてい
る。なお本実施例で用いられるワークロール13a,1
3bはロール胴部を直円柱状に研削した、いわゆるフラ
ットロールであり、前記テーパワークロールは使用しな
い。
【0021】図3に示すように、初段スタンド1の金属
帯11の走行位置上方には、案内突部17,18が設け
られており、この案内突部17,18には、シフトブロ
ック19が図3の紙面に垂直方向に変位可能に嵌合され
ている。シフトブロック19には、ロールチョック20
が油圧シリンダ21を介して保持されており、ロールチ
ョック20には、中間ロール14aが図3の紙面に垂直
方向の軸線まわりに回転自在に支持されている。油圧シ
リンダ21は、ロールチョック20を上下に変位可能で
あり、中間ロール14aにベンディング力を付与するこ
とができる。これら油圧シリンダ21およびロールチョ
ック20は、中間ロールベンダ装置を形成する。またシ
フトブロック19には、油圧シリンダ22が設けられて
おり、油圧シリンダ22はシフトブロック19、ロール
チョック20および中間ロール14aを中間ロール14
aの軸線方向すなわち図3の紙面に垂直方向に往復変位
させることができる。これら油圧シリンダ22およびシ
フトブロック19は、中間ロールシフト装置を形成す
る。なお初段スタンド1の金属帯11の走行位置下方に
も同一構成の中間ロールベンダ装置および中間ロールシ
フト装置が金属帯11の板幅方向断面の中心点Oを中心
に点対称に配置されている。またワークロール13a,
13bには、前記中間ロールベンダ装置と同一構成のワ
ークロールベンダ装置が設けられている。なお第2スタ
ンド2,第3スタンド3,最終スタンド4の構成は、前
記初段スタンド1の構成と全く同一である。
【0022】形状プロフィール制御手段8は、前記ワー
クロールベンダ装置、中間ロールベンダ装置および中間
ロールシフト装置から成り、たとえばワークロール13
a,13bおよび中間ロール14a,14bへのベンデ
ィング力の付与ならびに中間ロールシフト位置の変位に
よって、上下一対のワークロール13a,13bの軸線
方向ロール間隙分布を特に板端部近辺において変化させ
ることができる。このため形状プロフィール制御手段8
の駆動によって、金属帯11のエッジドロップおよび平
坦度(張力)が調整される。なお中間ロールシフト位置
は、通常中間ロール胴端部と金属帯11の板幅端部との
中間ロール軸線方向距離HCδによって表され、図2に
示すように中間ロール胴端部が金属帯11の板幅端部よ
り板幅中央部寄りに位置するときをマイナスで、その反
対側に位置するときをプラスで表示される。なお本実施
例においては、タンデム冷間圧延機5を構成する4スタ
ンド1〜4のうち、最終スタンド4を除く各スタンド1
〜3において金属帯11のエッジドロップ制御を行い、
最終スタンド4において金属帯11の平坦度制御を行
う。
【0023】図1に示すように、上位コンピュータ6に
は、入力手段16から金属帯11の素材情報や冷間圧延
条件などが入力されており、実際に冷間圧延を行う際
に、制御手段7にこれらの情報が出力される。制御手段
7は、これらの情報に基づいて各スタンド1〜4毎に冷
間圧延条件をプリセットする。また冷間圧延中には、平
坦度検出手段10およびプロフィール検出手段9の測定
値が制御手段7に出力される。制御手段7は、これらの
出力に応答して各スタンド1〜4に設けられた形状プロ
フィール制御手段8の制御量を演算し、金属帯11の平
坦度(張力)およびエッジドロップが予め定める範囲を
満たすように形状プロフィール制御手段8を駆動してフ
ィードバック制御を行う。
【0024】図4はエッジドロップ制御装置の動作を説
明するためのフローチャートであり、図5は急峻度の定
義を示す説明図である。ステップs1では、制御手段7
に上位コンピュータ6から金属帯11の素材情報や冷間
圧延条件などが入力される。素材情報としては、素材プ
ロフィールや素材の材質および寸法などが入力される。
【0025】ステップs2では、これらの情報に基づい
て制御手段7によってタンデム冷間圧延機5の各スタン
ド1〜4の冷間圧延条件が設定される。ここでは、同時
に金属帯11のエッジドロップが予め定める範囲を満た
すように初段スタンド1から第3スタンド3におけるエ
ッジドロップの最適改善量が演算され、それに基づいて
各形状プロフィール制御手段8の制御量がそれぞれ設定
される。すなわち最終スタンド4を除く各スタンド1〜
3におけるワークロール13a,13bおよび中間ロー
ル14a,14bのベンディング力ならびに中間ロール
シフト位置HCδがそれぞれプリセットされる。
【0026】ステップs3では、平坦度検出器10によ
って初段スタンド1と第2スタンド2とのスタンド間に
おける金属帯11の平坦度が連続的に測定される。平坦
度の測定値は、制御手段7に出力され、金属帯11の破
断や耳切れの発生に対する指標値が演算される。この指
標値としては、金属帯11の板端部における最大張力値
か、または中伸び急峻度すなわち板幅中央部分の急峻度
と、耳伸び急峻度すなわち板端部分の急峻度との差が用
いられる。急峻度は、金属帯11の平坦度不良の程度を
示す指標であり、図5に示すようにたとえば耳伸び25
を形成している金属帯11の波状の板幅端部において、
波高さをh,波周期をpとすると、急峻度λ(%)は次
式(1)のように定義される。なお急峻度λの定義は中
伸びに対しても同様である。
【0027】 λ=h/p×100 …(1) ステップs4では、前記金属帯11の板端部における最
大張力値、または中伸び急峻度と耳伸び急峻度との差が
予め定める目標範囲内か否かが判断される。この判断が
否定であれば、金属帯11の板端部における最大張力値
が過大張力であり破断や耳切れのおそれがあると判断さ
れ、ステップs7に進む。ステップs7では、形状プロ
フィール制御手段8の制御量が補正され、それに伴い設
定値が変更される。この設定値の変更は、金属帯11の
板端部における最大張力値が低下するように行われる。
すなわちたとえばワークロールベンディング力が上下の
ワークロール13a,13b間を離反させる方向に付与
されている場合には、金属帯11のエッジドロップの改
善を抑制してエッジドロップが大きくなるように、ワー
クロールベンディング力が低減される。ステップs7に
おける設定値の変更後、処理は再度ステップs3に戻
り、金属帯11の平坦度の測定が行われる。このステッ
プs3,s4,s7にわたる処理ループは、ステップs
4の判断が肯定になるまで繰返される。ステップs4に
おける判断が肯定であれば、金属帯11の破断や耳割れ
のおそれがないと判断され、ステップs5に進む。
【0028】ステップs5では、最終スタンド4の出側
に設けられているプロフィール検出手段9によって金属
帯11のプロフィールが測定される。金属帯11のプロ
フィールの測定値は、制御手段7に出力され、エッジド
ロップが演算される。エッジドロップは、たとえば次の
ようにして求められる。金属帯11の板幅中央部の板厚
をTC、たとえば板端部から10mm板幅中央部寄りの
位置の板厚をT10とするとき、その位置のエッジドロ
ップE10は次式(2)で求められる。
【0029】 E10=TC−T10 …(2) なおエッジドロップを求める位置は、製造品種に応じて
変更することが可能である。
【0030】ステップs6では、エッジドロップが予め
定める目標範囲内か否かが判断される。この判断が否定
であればステップs8に進む。ステップs8では、形状
プロフィール制御手段8の制御量が補正され、それに伴
い設定値が変更される。この設定値の変更は、エッジド
ロップが予め定める目標範囲を満たすように、金属帯1
1のプロフィール実測値および製造品種毎に予め定めら
れた影響係数を用いて、初段スタンド1〜第3スタンド
3におけるエッジドロップの最適改善量を演算して、そ
れに基づいて行われる。ステップs8における設定値の
変更後、処理は再度ステップs3に戻り、金属帯11の
平坦度の測定が行われる。このステップs3からステッ
プs8にわたる処理ループは、ステップs6の判断が肯
定になるまで繰返される。ステップs6における判断が
肯定であれば、ステップs9に進む。
【0031】ステップs9では、金属帯11がコイルの
尾端であるか否かが判断される。この判断が否定であれ
ば、ステップs3に戻り、この判断が肯定になるまでス
テップs3からステップs9にわたる処理ループを繰返
す。ステップs9における判断が肯定であれば、エッジ
ドロップ制御装置12の動作が終了する。
【0032】このように本実施例では、金属帯11のエ
ッジドロップが予め定める範囲を満たすようにプリセッ
トおよびフィードバック制御によって形状プロフィール
制御手段8の制御量を制御する際、初段スタンド1と第
2スタンド2とのスタンド間における金属帯11の最大
張力が過大張力にならないように形状プロフィール制御
手段8の制御量を補正して、金属帯11のエッジドロッ
プ制御が行われる。このため、金属帯11は破断や耳割
れを生ずることなくエッジドロップを最大限改善するこ
とができる。なお本実施例のエッジドロップ制御装置を
用いて、エッジアップ制御を同様の方法で実施すること
ができる。エッジアップとは、金属帯11の冷間圧延後
の板端部の板厚がそれよりも板幅中央部寄りの板厚より
厚くなる現象である。
【0033】また本発明の他の実施例として、タンデム
冷間圧延機5の全スタンド間に平坦度検出手段10を設
け、過大張力を発生させるスタンドにおけるエッジドロ
ップ改善量を低減し、そのエッジドロップ改善量を他の
スタンドに振替えて金属帯11のエッジドロップ改善と
破断、耳切れ防止との両立を図ることもできる。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、タンデム
冷間圧延機において少なくとも一箇所のスタンド間にお
ける金属帯の最大張力が予め定める範囲を満たすように
形状プロフィール制御手段の制御量が補正されて金属帯
のエッジドロップ制御が行われる。これによって金属帯
の破断や耳割れを生ずることなく、エッジドロップを最
大限改善することができるので、金属帯の板幅方向の板
厚精度が大幅に向上し、製品歩留りを高めることができ
る。
【0035】また本発明によれば、最大張力は金属帯の
板幅が変化しても確実に検出することができるので、金
属帯の板幅変更時の破断や耳割れを確実に防止すること
ができる。
【0036】また本発明によれば、金属帯のエッジドロ
ップ制御装置は、金属帯の平坦度(張力)およびエッジ
ドロップを予め定める範囲を満たすように制御すること
ができるので、金属帯の破断や耳割れを生ずることな
く、エッジドロップを最大限改善することができる。こ
れによって金属帯の破断によるライン休止時間が低減さ
れ、ラインの稼働率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるタンデム冷間圧延機に
おける金属帯のエッジドロップ制御装置の全体構成を示
すブロック図である。
【図2】図1に示すタンデム冷間圧延機の初段スタンド
を上流側から見た簡略化された正面図である。
【図3】図2に示す初段スタンドの中間ロール近辺の簡
略化された構成を示す側面図である。
【図4】エッジドロップ制御装置の動作を説明するため
のフローチャートである。
【図5】急峻度の定義を示す説明図である。
【図6】冷間圧延後の金属帯のプロフィールを示す概念
図である。
【図7】金属帯のプロフィールと、平坦度と、板幅方向
張力分布との関係を定性的に示す概念図である。
【図8】金属帯のエッジドロップ改善量と板端近傍の張
力との関係を示す特性図である。
【図9】中間ロールシフト、ワークロールベンダおよび
中間ロールベンダの制御量と金属帯の板端近傍の張力と
の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
5 タンデム冷間圧延機 7 制御手段 8 形状プロフィール制御手段 9 プロフィール検出手段 10 平坦度検出手段 11 金属帯 12 エッジドロップ制御装置 13a,13b ワークロール 14a,14b 中間ロール 19 シフトブロック 20 ロールチョック 21,22,23 油圧シリンダ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形状プロフィール制御手段を備える複数
    の6重圧延機を直列に配列して構成されるタンデム冷間
    圧延機における金属帯のエッジドロップ制御方法におい
    て、 最終スタンドを除く複数のスタンドで金属帯のエッジド
    ロップが予め定める範囲を満たすように形状プロフィー
    ル制御手段の制御量を制御する際、 少なくとも一箇所のスタンド間における金属帯の最大張
    力が予め定める範囲を満たすように形状プロフィール制
    御手段の制御量を補正することを特徴とするタンデム冷
    間圧延機における金属帯のエッジドロップ制御方法。
  2. 【請求項2】 前記最大張力は、金属帯の板幅方向の平
    坦度から算出することを特徴とする請求項1記載のタン
    デム冷間圧延機における金属帯のエッジドロップ制御方
    法。
  3. 【請求項3】 複数の6重圧延機を直列に配列して構成
    されるタンデム冷間圧延機における金属帯のエッジドロ
    ップ制御装置において、 少なくとも一箇所のスタンド間に設けられ、金属帯の平
    坦度を検出する平坦度検出手段と、 最終スタンドの下流側に設けられ金属帯のプロフィール
    を検出するプロフィール検出手段と、 各スタンドに設けられ、上下一対のワークロールの軸線
    方向ロール間隙分布を変化させる形状プロフィール制御
    手段と、 平坦度検出手段およびプロフィール検出手段の出力に応
    答して形状プロフィール制御手段の制御量を演算し、金
    属帯の平坦度およびエッジドロップが予め定める範囲を
    満たすように形状プロフィール制御手段を駆動する制御
    手段とを含むことを特徴とするタンデム冷間圧延機にお
    ける金属帯のエッジドロップ制御装置。
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