JP3552651B2 - 圧延機の平衡圧下装置および初期圧下調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、板又は帯状物の圧延機の作業ロールを圧下開放した後の作業ロールの両サイド(駆動側と操作側)のレベリング不良を防止するための圧延機の平衡圧下装置および初期圧下調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鋼帯のプロセスライン(酸洗、連続焼鈍、めっきなど)のインライン調質圧延機として4重式圧延機が使用されている。このような設備では、自動車、家電製品向けの製品などを製造していて、鋼板表面外観に対する要求度が高い。特に係る圧延機では、作業ロールの表面は鋼板の表面品質に大きな影響を与える。また作業ロールは常に過酷な条件下で使用されるので、ロール表面傷などの事故の発生が多い。そのため、作業ロールの異常組替をかなりの頻度で行わざるをえない。また、ロールに事故が発生しなくても、圧延距離が長くなるにつれてロール表面が摩耗して表面粗さが変化する。鋼板の表面粗さの管理も重要であるので、ロール摩耗によって定期的に作業ロールの組替を行っている。
【0003】
一方、控えロールは、鋼板表面品質に与える影響が作業ロール程大きくないので、作業ロールのような厳格な管理を必要としない。そのため、異常組替は少なく、殆どが定期組替である。定期組替の場合、圧延距離も使用期間も長くなるので、ロール表面の摩耗がかなり大きくなる。この場合、ロール表面の摩耗量が駆動側と操作側で均一にならないで、両者の摩耗度に差(偏摩耗)が発生することが多い。
【0004】
プロセスラインのインライン調質圧延機で作業ロールを組替える場合、鋼板を走行させたまま、あるいは短時間ラインを停止させて行う。鋼板を走行させたままで作業ロールを組替える場合、上下の作業ロール(以下、旧ロール)、上下の控えロールの圧下を開放し、旧ロールの取出、新作業ロール(以下、新ロール)の装着、新ロールによる圧延開始までの一連の作業が短時間で実施され、さらに走行中の鋼板に対して予め設定されている所要の圧下条件に調整されて圧延が再開される。ラインを停止させて作業ロールを組み替える場合も上記操作が短時間で実施される。
【0005】
また、製品によっては圧延を行わないことがあり、このような場合、上下の作業ロール、上下の控えロールの圧下を開放し、待機位置又は圧下開放限で待機し、圧延を行う製品が到達した時に、待機位置又は圧下開放限から圧延開始位置まで再圧下され、圧延が再開される。
【0006】
作業ロールを開放位置から圧下し、再び圧延を開始するときに、控えロールに偏摩耗があると、その偏摩耗がそのまま上下作業ロールの両サイド(駆動側と操作側)の間隙差になって作業ロールのレベリングの不具合となる。両サイドの間隙差が酷い状態でロールに荷重を加えた場合、レベリングの調整が僅かでも遅れると鋼板に絞りや片伸びなどの品質トラブルが発生し、最悪の場合鋼板の破断に至ることがある。
【0007】
前記したトラブルを防止するため、新ロールに組替を行った後又は開放位置にあるロールを初期圧下時に両サイドの間隙差の調整を以下のようにして行っている。
【0008】
(1)操作員が両サイドに配置してある圧下力検出器(ロードセル)の表示の差値を監視しながら、両者の差が発生しないようにレベリングを操作しながら、徐々に圧下力を増加させてゆく。ライン停止して初期圧下を行う場合は、あらかじめ設定されている所定の軽荷重に到達した後にレベリング調整を行う。その後、鋼板を走行させながら所定の圧延荷重に到達するまでの間同様な操作が実施される。
【0009】
この方法は、鋼板を走行させながら行う調整なので、トラブル防止のためには圧下力を一気に増加できない。そのため、所定の調質圧延条件を満足していない部分が長く混入して鋼板の歩留が低下する。また、検出器の測定可能最大値に対する差値が1%未満のレベルで表示誤差があり、さらに初期圧下時には高荷重を付与できないので両者の荷重差が小さいため判断が難しい。そのため、熟練した操作員であってもレベリング不良を確実に防止できず、絞りトラブルの発生も多い。
【0010】
(2)操作員が徐々に圧下力を増加させながら走行している鋼板の圧延状態(特に形状)を監視して片伸びにならないように圧下力調整する。
【0011】
この方法も、前記(1)と同様に微調整が必要であり、調質圧延条件を満足していない部分が長くなり、歩留が低下する。又、(1)と同様、熟練した操作員であってもレベリング不良を確実に防止することができず、絞りトラブルの発生が多く、更に絞りによる異常組替も発生する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点を考慮して、圧延機の作業ロールを開放状態から圧下する時に、作業ロールの両サイドのレベリング不良を確実に防止できる、圧延機の平衡圧下装置および初期圧下調整方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の手段は、以下の通りである。
(1)圧延機において、作業ロールを圧下開放する前の作業ロール使用時の両サイドの圧下装置の圧下位置をそれぞれ検出し、両サイドの圧下位置の差を演算して記憶する手段が付設され、かつ作業ロールを組替後又は再圧下時に、両サイドの圧下装置の圧下位置の差を前記で記憶した圧下位置差にする制御装置が配設されていることを特徴とする圧延機の平衡圧下装置。
【0015】
(2)圧延機において作業ロール圧下開放後のロール初期圧下を行うに際して、作業ロール圧下開放する前の作業ロール使用時の両サイドの圧下位置をそれぞれ検出し、両サイドの圧下位置の差を記憶しておき、作業ロールを組替又は再圧下する時に両サイドの圧下装置の圧下位置差が前記で記憶した圧下位置差になるように制御してロール初期圧下を行うことを特徴とする圧延機の初期圧下調整方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
先ず、図1(a)〜(c)を用いて本発明における作業ロールの両サイドのレベリングを均一にする方法の考え方について説明する。図1において、1a,1bは作業ロール、2a,2bは控えロール、3a,3bはそれぞれ作業側、駆動側(駆動装置は省略)の油圧圧下シリンダー、4a,4bはシリンダーロッド、5a,5bはそれぞれ作業側、駆動側の圧下力検出器(ロードセル)、6は鋼板である。
【0018】
(a)は、作業ロール1a,1b、控えロール2a,2bともに研磨後の新ロールを組み合わせた場合の圧延状態を示す。作業ロール1a,1b間の両サイドの間隙は均一であり、両サイドのレベリングの補正は一般的に不要である。この場合、鋼板6の板厚は均一で平坦な形状が得られる。
【0019】
(b)は、控えロール2a,2bが長期間の使用によってロールの片側が摩耗した状態であり、この状態で作業ロール1a,1bを研磨した新ロールに組替え、両サイドの油圧圧下シリンダー3a,3bを同調して圧下した場合の圧延状態を示す。作業ロール1a,1bは両サイドの間隙(レベリング)が不均一となっている。この場合、鋼板6に片伸びが発生する。この間隙の差が大きい場合には絞り込みが発生する。
【0020】
(c)は、(b)と同様、控えロール2a,2bが長期間の使用によってロールの片側が摩耗した状態であり、この状態で作業ロール1a,1bを研磨した新ロールに組替え、更に油圧圧下シリンダー3aと3bの圧下位置を変える(本図では、摩耗した側のシリンダーロッド4bの位置をシリンダーロッド4aの位置より上昇する)ことによって、控えロール2a,2bの片側に発生している摩耗差分を補正し、作業ロール1a,1bの両サイドの間隙を均一にした場合である。この場合、鋼板6は平坦な形状となる。
【0021】
控えロール2a,2bには1000μmオーダーの摩耗差が発生することもある。このような摩耗差が発生していても、図1(c)のようにして、油圧圧下シリンダー3aと3bを用いて前記摩耗差に応じて適正なレベル調整が行われて圧延が実行されていれば、鋼板6は平坦な形状となり、絞り込みが発生しない。
【0022】
正常な圧延状態では、圧延作業開始からロール組替前の圧延終了段階に至るまでの間、図1(c)のような適正なレベル調整が行われて圧延されている。従って、ロール圧下開放を実施する前、望ましくは直前の両サイドの油圧圧下シリンダー3aと3bの圧下位置を検出し、両サイドの位置差を予め記憶しておき、作業ロール組替後のロール初期圧下時又は作業ロールを開放位置から再圧下時に両サイドの油圧圧下シリンダー3a,3bについて前記で記憶した位置差分の補正をして圧下すると作業ロール1a,1bの両サイドのギャップが均一になり、圧延開始時の絞り込みの発生を防止できる。
【0023】
近年、圧延機では、マグネスケール等を内蔵した油圧圧下シリンダーでロール位置を調整するのが主流であり、またその制御精度も非常に高度である。係る圧延機において、ロール圧下開放直前の両サイドの油圧圧下シリンダーの圧下位置の位置差を求めておき、ロール組替後のロール初期圧下又は開放位置から再圧下を行う際に、両サイドの油圧圧下シリンダーの圧下位置の位置差がロール圧下開放前に求めた前記の圧下位置の位置差になるように自動制御すると、短時間でしかも極めて高精度にレベリングでき、圧延開始後の形状不良や絞り込みの発生を確実に防止できるようになる。
【0024】
本発明は、このような考えに基づくものである。以下、本発明の実施の形態について図2を用いて詳細に説明する。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態に係る4重式圧延機の制御系統図の一例である。図2において、11は圧下位置指令装置、12はレベリング手動操作スイッチ、13はレベリング量指令装置、21a,21bは圧下位置制御装置、22a,22bはサーボ弁、23a,23bは油圧圧下シリンダー、24a,24bはシリンダーロッド、25a,25bは圧下位置演算器、26a,26bはサーボアンプ装置である。
【0026】
シリンダーロッド24a,24bの昇降によって、上下作業ロール(図示なし)、上下控えロール(図示なし)の圧下、あるいは圧下開放が可能に配設されている。またシリンダーロッド24a,24bの位置は、図示されていないマグネスケール等を用いて検出可能に配設されている。これらは、従来より圧延機に配設されているものである。図2では、前記に加えて、更に圧下位置差演算器31、圧下位置差記憶装置33が付設されていることが特徴である。なお、図2において、数字の後の符号a,bは、それぞれ、操作側、駆動側の操作を行うためのものであることを示している。
【0027】
図2において、ロール圧下時および鋼板の圧延作業中、圧下位置指令装置11から圧下位置制御装置21a,21bに対して被圧延材(鋼板)への所要の圧下指令が行われる。前記指令に基づいて、圧下位置制御装置21a,21bはそれぞれサーボ弁22a,22bを介して油圧圧下シリンダー23a,23bを動作させ、鋼板は所定の圧下力で圧延される。油圧圧下装置の圧下位置、即ち油圧圧下シリンダー23a,23bのシリンダーロッド24a,24bの位置がマグネスケール等で測定され、測定結果はそれぞれ圧下位置演算器25a,25bに送られ、圧下位置演算器25a,25bでの演算結果はさらにそれぞれ圧下位置制御装置21a,21bに送られる。
【0028】
また、圧下位置演算器25a,25bの演算結果は圧下位置差演算器31に送られ、圧下位置差演算器31は両者の位置差ΔDを演算して求める。
【0029】
作業ロール組替又は圧下開放を行う場合、ロール圧下開放指令信号に基づいて、圧下位置差書き込みスイッチ32の接点が閉じられ、圧下位置差演算器31で求めた位置差ΔDが圧下位置差記憶装置33に送られて記憶され、偏差値ΔDが記憶されたら圧下位置差書き込みスイッチ32の接点を開く。その後、油圧圧下シリンダー23a,23bのシリンダーロッド24a,24bを下限位置まで降下させて、上下作業ロール(旧ロール)と上下控えロールの圧下を開放する。次に、作業ロールを組み替える場合は、旧ロールを圧延機外に取り出し、予め準備されている一対の作業ロール(新ロール)を圧延機に組み込む。
【0030】
従来法では、ロールを圧下した後に、[従来の技術]の(1)又は(2)に記載したように、操作員が、レベリング手動操作スイッチ12を用いて、両サイドの油圧圧下装置を手動操作して、新ロールの初期圧下のレベリング調整を行うか、所定の圧下力差となるように平衡圧下装置でレベリング調整を行っていた。この場合、前記[従来の技術]で記載した通りの問題点があった。
【0031】
本発明では、次のようにして、新ロールの初期圧下調整、又は圧下開放位置からの再圧下を行う。
【0032】
新作業ロールの組み込みを終了、又は圧延を開始するタイミングに到達したら、圧下位置指令装置11は、圧下位置制御装置21a,21bにロール圧下を指令する。圧下位置制御装置21a,21bは、それぞれサーボアンプ装置26a,26b、サーボ弁22a,22bを介して、油圧圧下シリンダー23aのシリンダーロッド24a、油圧圧下シリンダー23bのシリンダーロッド24bを上昇させ、控えロールおよび作業ロールを自動上昇する。
【0033】
その際、圧下開始するまでに操作側と駆動側の油圧圧下シリンダー23aと23bの圧下位置差が圧下位置差記憶装置33から送られてきた前記メモリー値ΔDになるように制御する。この場合、作業ロール1が、被圧延材である鋼板6に接触する直前の安全な位置(鋼板6と作業ロール1b上部の間隙を数mm程度確保した位置)まで油圧圧下シリンダーロッド24a,24bを同調して上昇し、その後前記メモリー値ΔDになるように操作側と駆動側の油圧圧下シリンダーロッド24aと24b圧下位置差を調節し再び上昇する、あるいは調整しつつ上昇する。
【0034】
その他の方法として、操作側と駆動側の油圧圧下シリンダーロッド24aと24bの圧下位置差が前記メモリー値ΔDになるように圧下上昇開始位置から制御しながら上昇してもよく、あるいはライン(鋼板)を停止して圧下上昇する場合には、作業ロール1が鋼板6に接触し圧下力が発生した後ライン走行させるまでに前記メモリー値ΔDになるように操作側と駆動側の油圧圧下シリンダーロッド24aと24bの圧下位置を調節してもよい。
【0035】
操作側と駆動側の圧下位置指令の具体的な演算は次のように行われる。
油圧圧下シリンダー特定位置(前記鋼板6に接触する直前の安全な位置)信号に基づいて圧下位置差読み出しスイッチ34の接点を閉じ、前記メモリー値ΔDを圧下位置差記憶装置33からレベリング量指令装置13を介して(この時レベリング手動操作スイッチ12からの操作量はゼロ)圧下位置指令装置11へ伝送する。控えロール2bの直径、作業ロール1bの直径、鋼板6の板厚、初期圧下力などにより決定される油圧圧下シリンダー23a,23bの圧下目標位置に、前記メモリー値ΔDの半分の量(ΔD/2)を補正量として操作側と駆動側に振り分けて加算・減算した結果を圧下位置指令値として操作側と駆動側の圧下位置制御装置21a,21bに伝送する。
【0036】
例えば、HWS:操作側の油圧圧下シリンダーロッド位置検出値、HDS:駆動側の油圧圧下シリンダーロッド位置検出値とし、前記メモリー値ΔDを、ΔD=HWS−HDSとした場合、操作側と駆動側の圧下位置指令値SWSとSDSは次のようになる。
SWS=S+0.5×ΔD
SDS=S−0.5×ΔD
ここに、S:控えロール2bの直径、作業ロール1bの直径、鋼板6の板厚、初期圧下力などにより決定される油圧圧下シリンダー23a,23bの圧下目標位置である。
【0037】
その他の方法として、油圧圧下シリンダー23a,23bの圧下目標位置に前記メモリー値ΔDを補正量として操作側あるいは駆動側のいずれかに加算した結果を圧下位置指令値として操作側と駆動側の圧下位置制御装置21a,21bに伝送してもよい。
【0038】
例えば、前者と同様に前記メモリー値ΔDを、ΔD=HWS−HDSとした場合、操作側と駆動側の圧下位置指令値SWSとSDSは次のようになる。
SWS=S+ΔD、SDS=S
あるいは、
SWS=S、SDS=S−ΔD
前記メモリー値ΔDは控えロールを交換した時にゼロにリセットする。またレベリング手動操作スイッチ12から操作された操作量は圧下解放後にゼロにリセットする。
【0039】
ロードセル(図示なし)で検出する圧下荷重が予め設定されている所定の圧延荷重になった時点(作業ロールと板が接触し、ある程度圧下した状態)でロールのセットアップ完了となり、引き続き所定の圧延条件で圧延を開始する。
【0040】
作業ロールの組替後のロールの初期圧下調整又は作業ロール再圧下時に前記のようにして行うと、控えロールの操作側と駆動側の位置が、常に控えロールの摩耗量に応じた位置差を補償する関係を維持して上昇することになるので、図1(c)に示すように、圧延開始時の両サイドのレベリングを均一にすること、即ち鋼板にかかる圧力分布を幅方向に均一化することができる。これによって、鋼板圧延開始時に起こる片伸びや絞り込みの問題を解消できる。また、前記の操作は自動化されているので、熟練した操作員でなくても、確実且つ迅速に、適正な圧延作業を開始できるので、形状不良や圧延不足による歩留の低下を防止できる。
【0041】
本発明は、鋼板のプロセスラインのインライン調質圧延機だけに限定されず、帯状物や板の圧延機において広く適用できる。圧延機は、4重式に限定されず、5重式、6重式であってもよい。また、本発明は、帯状物や板を走行させながら作業ロールを開放状態から圧下する場合だけでなく、帯状物や板を停止して作業ロールを開放状態から圧下する場合であっても有効である。
【0042】
【実施例】
連続焼鈍設備を備える連続溶融亜鉛めっきラインにおいて、図2で説明した制御系統を備えるインライン調質圧延機を用いて、本発明法によってロール組替後の初期圧下調整を行った場合の作業ロールの組替頻度、作業ロール組替後の絞り発生頻度を表1に示す(本発明例)。また比較のために、前記ラインとは別の連続焼鈍設備を備える連続溶融亜鉛めっきラインのインライン調質圧延機において、従来法によってロール組替後の初期圧下調整を行った場合について、作業ロールの組替頻度、作業ロール組替後の絞り発生頻度を表1に示す(従来例)。
【0043】
【表1】
【0044】
従来例ではロール組替後の鋼板の絞り発生割合が85%もあるが、本発明例では絞りレベリング不良による鋼板の絞り発生が認められず、絞り込み等による作業ロール損傷に伴う異常ロール組替の発生もなかった。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、作業ロールの組替後のロールの初期圧下調整又はロール再圧下時の際に控えロールの操作側と駆動側の位置が、常に控えロールの摩耗量に応じた位置差を補償する関係を維持して上昇することになるので、圧延開始時の両サイドのレベリングを均一にすることできる。これによって、鋼板圧延開始時に起こる片伸びなどの形状不良や絞り込みの問題を解消できる。
【0046】
また、前記の操作は自動化されているので、熟練した操作員でなくても、確実且つ迅速に、適正な圧延作業を開始できるので、形状不良や圧延不足による歩留の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における作業ロールのレベリングを均一にする方法の考え方を説明する図で、(a)は、作業ロール、控えロールともに新ロールの組み合わせの圧延状態、(b)は、控えロールの片側が摩耗した状態で作業ロールを新ロールに組替え、かつ両サイドの油圧圧下シリンダーを同調して圧下した場合の圧延状態、(c)は、ロールの片側が摩耗した状態で作業ロールを新ロールに組替え、更に両サイドの油圧圧下シリンダーの圧下位置を調整して控えロールの摩耗分を補正した場合の圧延状態を示す。
【図2】本発明の実施の形態に係る圧延機の制御系統図の一例を示す図。
【符号の説明】
1a,1b 作業ロール
2a,2b 控えロール
3a,3b 油圧圧下シリンダー
4a,4b シリンダーロッド
5a,5b 圧下力検出器(ロードセル)
6 鋼板
11 圧下位置指令装置
12 レベリング手動操作スイッチ
13 レベリング量指令装置
21a,21b 圧下位置制御装置
22a,22b サーボ弁
23a,23b 油圧圧下シリンダー
24a,24b シリンダーロッド
25a,25b 圧下位置演算器
26a,26b サーボアンプ装置
31 圧下位置差演算器
32 圧下位置差書き込みスイッチ
33 圧下位置差記憶装置
34 圧下位置差読み出しスイッチ
Claims (2)
- 圧延機において、作業ロールを圧下開放する前の作業ロール使用時の両サイドの圧下装置の圧下位置をそれぞれ検出し、両サイドの圧下位置の差を演算して記憶する手段が付設され、かつ作業ロールを組替後又は再圧下時に、両サイドの圧下装置の圧下位置の差を前記で記憶した圧下位置差にする制御装置が配設されていることを特徴とする圧延機の平衡圧下装置。
- 圧延機において作業ロール圧下開放後のロール初期圧下を行うに際して、作業ロール圧下開放する前の作業ロール使用時の両サイドの圧下位置をそれぞれ検出し、両サイドの圧下位置の差を記憶しておき、作業ロールを組替又は再圧下する時に両サイドの圧下装置の圧下位置差が前記で記憶した圧下位置差になるように制御してロール初期圧下を行うことを特徴とする圧延機の初期圧下調整方法。
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