JP3230320B2 - ワークロールシフトミルを用いた板厚制御法 - Google Patents

ワークロールシフトミルを用いた板厚制御法

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JP3230320B2 JP05397793A JP5397793A JP3230320B2 JP 3230320 B2 JP3230320 B2 JP 3230320B2 JP 05397793 A JP05397793 A JP 05397793A JP 5397793 A JP5397793 A JP 5397793A JP 3230320 B2 JP3230320 B2 JP 3230320B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板幅方向へのワークロ
ールシフト機構を備えたワークロールシフトミルを用い
て例えば熱延鋼帯等の金属板を圧延する際の板厚制御法
に関する。さらに詳しくは、本発明は、圧延中にワーク
ロールシフトを行ったことが原因で発生する、板幅方向
の両端側間の板厚差であるウェッジを解消ないしは抑制
することができる板厚制御法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば熱延鋼帯や冷延鋼帯等の金属板の
圧延では、板幅方向の板厚分布が均一になるように圧延
を行うことが品質上および操業上の双方の観点から極め
て重要である。
【0003】金属板の板幅方向の板厚分布の不良には、
圧延時のワークロールのたわみや偏平変形に起因して板
幅方向のほぼ中央部を凸部としてほぼ対称な板厚分布を
呈する板クラウンと、板幅方向の一方の端部から他方の
端部に向けて板厚がほぼ直線的に変化するウェッジとが
知られている。特に、後者のウェッジが発生すると、板
幅方向の一方の端部に平坦不良が発生するばかりでな
く、場合によってはキャンバと呼ばれる板の横曲がりも
発生してしまう。このため、製品の品質上大きな問題と
なるばかりでなく、最悪の場合には操業トラブル(ライ
ン停止)の原因ともなってしまう。
【0004】特に、近年、積極的に導入が推進されてい
る連続鋳造工程−熱間圧延工程の連続化を達成するため
にはかかる操業トラブルは絶対に発生してはならない。
したがって、ウェッジの発生を抑制することは連続鋳造
工程−熱間圧延工程の連続化を達成するという観点から
も極めて重要である。
【0005】図4は、板幅方向 (同図中の両矢印方向)
へのワークロールシフト機構を備えていない従来の圧延
ミル7を用いて圧延材1を圧延している際の状況を示す
説明図であり、同図において、符号2a、2bはそれぞれ上
下のワークロールを、符号3a、3bはそれぞれ上下のバッ
クアップロールを、符号4a、4bはそれぞれ圧下装置を、
符号5a、5bはそれぞれ圧延反力測定装置を、さらに符号
6は演算器を示している。
【0006】同図において、圧延ミル7により熱間圧延
を行われている圧延材1にはhW <hD なるウェッジが
発生しており、これは上下のワークロール2a、2bのそれ
ぞれの両端側における圧延反力PWL、PDLの差によって
生じるワークロール2a、2bそれぞれの両端側におけるロ
ール開度の不均一が主な原因である。
【0007】従来、圧延材1にこのようなウェッジが発
生すると、実測した圧延反力PWL、PDLに基づいて、バ
ックアップロールの両端側に配置された圧下装置4a、4b
を用いてワークロール両端側におけるロール開度をそれ
ぞれ適正に修正することによりウェッジの解消を図って
いた。
【0008】図4において、例えば、圧延前には上下の
ワークロール2a、2bの両端側についてロール開度がほぼ
等しく設定されており、圧延中に上下のワークロール2
a、2bの両端側における圧延反力PWL、PDLに偏差が生
じたとすると、発生するロール開度の不均一 (ウェッ
ジ) は、下記式
【0009】
【数1】 hD −hW =M (αD ×PDL−αW ×PWL) ・・・・・・・ ただし、M:ワークロールの両端側における平均ミル剛
性 αD 、αW :ワークロールの両端側における圧延反力の
開度変化に及ぼす影響係数 により表される。このようにして算出されるウェッジは
圧延反力が大きい側の板厚が厚くなるため、従来は、圧
延反力が大きい側 (例えば図4の例では同図中の右側)
の圧下量を増加し、圧延反力が小さい側(同図中の左
側)の圧下量を減少することにより圧延後にウェッジが
解消されるように、ロール開度の不均一の修正を行って
いた。具体的には、上下のワークロール2a、2bそれぞれ
の両端側における圧延反力PDL、PWLを圧延反力測定装
置5a、5bによりそれぞれ実測し、これらの実測値を演算
器6に送って演算器6により上下のワークロール2a、2b
それぞれの両端側におけるロール開度の修正量を演算
し、この演算結果に基づいて圧下装置4a、4bを用いて上
下のワークロール2a、2bの圧下位置の修正を行ってい
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、金属
板に対しては従来よりも断面形状を一層向上させること
が要求されており、かかる要求に対応するために圧延ミ
ルでは、板幅方向へのワークロールシフト機構を備えた
ワークロールシフトミルが提案されている。このワーク
ロールシフトミルは、ワークロールを板幅方向 (ロール
胴長方向) にシフトすることにより板クラウンを低減す
ることが可能な圧延ミルであって、近年設置される圧延
工程には積極的に導入ないしは導入が予定されている。
【0011】従来、このようなワークロールシフトミル
を用いて圧延を行う場合にも図4に示すようなウェッジ
が圧延材1に発生すれば、前述したのと同様な方法によ
り上下のワークロールの両端側の圧下量をそれぞれ調整
することにより、ウェッジの解消ないしは抑制を図って
いる。
【0012】しかし、本発明者の検討結果によれば、こ
のようなワークロールシフトミルを用いて圧延中にワー
クロールをロール胴長方向へシフトさせながら、図4を
参照しながら説明した従来のウェッジの抑制法を行う
と、意外にも、圧延材のウェッジは従来のようには解消
されず、最悪の場合には従来のウェッジの抑制法を適用
しない場合よりも逆にウェッジが増加してしまうことも
あることが判明した。
【0013】ここに、本発明の目的は、板幅方向へのワ
ークロールシフト機構を備えたワークロールシフトミル
を用いて例えば熱延鋼帯等の金属板を圧延する際の板厚
制御法を提供することにあり、さらに詳しくは、圧延中
にワークロールをシフトしたことに起因する成品のウェ
ッジを解消または抑制することができるワークロールシ
フトミルの板厚制御法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ワークロー
ルシフトミルの上下のワークロールをそれぞれシフトし
た際の状況を詳細に検討した結果、圧延時にワークロー
ルシフトミルの上下ワークロールをそれぞれ逆方向にシ
フトすると、圧延材にオフセンタ等が発生していなくと
も上下のワークロールそれぞれの両端側における圧延反
力が変化してしまうこと、具体的には、上下のワークロ
ールそれぞれのシフト時のワークロールシフト力により
発生するモーメントの影響を受けて、シフト方向側の圧
延反力が増加するとともにシフト方向と反対方向側の圧
延反力が減少してしまうことが分かった。
【0015】また、本発明者は、通常、シフト方向は上
下のワークロールでそれぞれ逆方向であるためにワーク
ロールシフトによるワークロールの両端側の圧延反力の
増減は上下のワークロールで逆方向となることから、結
果的に、ワークロールシフトミルを用いる場合には前述
の式により算出されるワークロールの両端側のロール
開度の不均一は殆ど発生しないことが分かった。
【0016】したがって、本発明者は、前述の図4を参
照しながら説明した、上ワークロール2aおよび下ワーク
ロール2bの圧延反力の実測値に基づいた従来のウェッジ
の抑制法をワークロールシフトミルに適用すると、ワー
クロールシフトに起因して発生するワークロールの両端
側の圧延反力の偏差のため、ウェッジはむしろ拡大して
しまうことを知見した。
【0017】そこで、本発明者はさらに鋭意検討を重ね
た結果、ワークロールシフトを行う前にワークロールシ
フトに基づいて発生する圧延反力の増減を予め予測して
おき、このような圧延反力の増減の影響を受けないよう
にして上下のワークロールの圧下位置、すなわちロール
開度を調整することにより、前述の目的を完全に達成す
ることが可能となることを知見して、本発明を完成し
た。
【0018】ここに、本発明の要旨とするところは、板
幅方向へのワークロールシフト機構を備えたワークロー
ルシフトミルの上下のワークロールを圧延時にそれぞれ
逆方向にシフトしながら上下のワークロールそれぞれの
両端側における圧延反力の実測値の変化に基づいて上下
のワークロールそれぞれの圧下位置を調整する、ウェッ
ジを解消または抑制できる圧延材の板厚制御方法であっ
て、上下のワークロールをそれぞれシフトすることによ
り発生するシフト方向側の圧延反力の増加量、およびシ
フト方向と反対方向側の圧延反力の減少量をそれぞれシ
フト前に予測しておき、シフト時には、シフト方向側の
実測圧延反力から圧延反力の増加量を減じた圧延反力
と、シフト方向と反対方向側の実測圧延反力から圧延反
力の減少量を加えた圧延反力とを用いて、圧延材のウェ
ッジ量を算出し、この算出したウェッジ量に基づいて、
上下のワークロールそれぞれの圧下位置を調整し、ウェ
ッジを防止することを特徴とするワークロールシフトミ
ルを用いた板厚制御法である。
【0019】本発明は、略述すれば、圧延中にワークロ
ールシフトを行った場合に発生する上下のワークロール
それぞれの両端側における圧延反力の増減をシフト前に
予測しておき、シフト時には、上下のワークロールそれ
ぞれの両端側における圧延反力の実測値から前述の予測
値を除いた圧延反力を用いて、上下のワークロールの圧
下位置すなわちロール開度を調整することにより、圧延
材に発生したウェッジを解消し、キャンバ等の形状不良
の発生やこの形状不良に起因した操業トラブルの発生等
を根本的に解決するものである。
【0020】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。ワ
ークロールシフトミルを用いて圧延を行う際に、特に圧
延中にワークロールシフトを行うと、ワークロールシフ
ト力により発生するモーメントの影響を受けて、シフト
方向側のワークロールの圧延反力は増加するとともにシ
フト方向と反対方向側のワークロールの圧延反力は減少
してしまう。通常、このようなワークロールの両端側の
圧延反力差が生じると、圧延機剛性から両端側のロール
開度差が発生し、その結果、圧延材にウェッジが生じる
ことになる。ウェッジが発生すると、製品の寸法不良と
なるばかりでなく蛇行等数々の圧延トラブルの原因とな
るため、ウェッジを防止する必要があり、そのために、
ワークロールの両端側の開度調整を行う必要がある。
【0021】しかし、従来のように、実測した両端側の
圧延反力を用いてウェッジ量を演算し、左右のロール開
度を調整する方法では、このウェッジを解消することは
できず、最悪の場合にはむしろウェッジが拡大してしま
う。
【0022】そこで、本発明では、ワークロールのシフ
ト前に予め、上下のワークロールのシフトによる圧延反
力の増加量および減少量を求めておき、シフト時には、
この圧延反力の増減を除いた値で、ウェッジ発生量を演
算し、上下のワークロールそれぞれの圧下位置を調整す
る。
【0023】したがって、本発明によれば、ワークロー
ルシフト力により発生するモーメントの影響でウェッジ
発生量の演算誤差が拡大することがないためにワークロ
ールシフトミルを用いた圧延においても、確実にウェッ
ジを解消または抑制することが可能となる。
【0024】次に、添付図面を参照しながら、ウェッジ
が発生した圧延材の圧延時にワークロールシフトを行う
際のワークロールの両端側における圧延反力の予測手順
を、図1を参照しながら詳述する。
【0025】図1は、板幅方向 (同図中の両矢印方向)
へのワークロールシフト機構を備えた4Hiワークロール
シフトミル11の上下のワークロール9a、9b (ワークロー
ル直径:DW ) を圧延時にそれぞれ逆方向(上ワークロ
ール9a:図面向かって右方、下ワークロール9b:図面向
かって左方) にシフトしながら圧延材8の圧延を行って
いる状況を示す説明図である。なお、符号10a 、符号10
b はそれぞれ上下のバックアップロール (バックアップ
ロール直径:DB ) を示す。また、同図においては、ワ
ークロール9a、9bおよびバックアップロール10a 、10b
に作用する外力を矢印により併せて示す。
【0026】同図において、圧延材8に対する圧延荷重
Pの作用位置が、4Hiワークロールシフトミル11の中心
(バックアップロール10a 、10b の胴長方向中心を意味
し、図1においては一点鎖線A−A' により示す) から
O だけ図面向かって右側へずれており、上下のロール
それぞれの両端の圧延反力PWU、PDU、PWLおよびPDL
それぞれの値を算出する場合を示す。
【0027】上下のワークロール9a、9bのそれぞれのシ
フト位置は、上下のバックアップロール10a 、10b の胴
長方向中心と上下のワークロール9a、9bの胴長方向中心
とが一致する位置を基準位置 (ワークロールシフト位置
=0mm) とし、上ワークロール9aは基準位置から図面向
かって右側に、下ワークロール9bは基準位置から図面向
かって左側にワークロール9a、9bの胴長方向中心がある
場合を正として、バックアップロールの胴長方向中心と
ワークロールの胴長方向中心との間の胴長方向距離WRS
を用いて、表わすこととする。
【0028】また、図1においては、ワークロール9a、
9bおよびバックアップロール10a 、10b のそれぞれのチ
ョック間に作用するディクリーズベンダをPD により、
ワークロール9a、9bのそれぞれのチョック間に作用する
インクリーズベンダをPI によりそれぞれ示す。
【0029】図1において、上下のワークロール9a、9b
がシフト位置:WRS にそれぞれあってシフト力:FSU
SLにより正の方向に移動している場合、上下のワーク
ロール9a、9bとバックアップロール10a 、10b との間に
おけるシフト方向 (水平方向) の摩擦力をFR とし、圧
延材8とワークロール9a、9bとの間のシフト方向の摩擦
力をFS とすると、ワークロール9a、9bおよびバックア
ップロール10a 、10bそれぞれの垂直方向の力のつり合
いと、ワークロール9a、9bさらにはバックアップロール
10a 、10b それぞれの軸芯および胴長方向中心の交点を
中心としたモーメントの釣合いとから、上下のワークロ
ール9a、9bの両端側の圧延反力PWU、PDU、PWLおよび
DLは下記式ないし式により、それぞれ表わされ
る。
【0030】
【数2】
【0031】ここで、上記式ないし式を構成する各
項は、概説すると、圧延荷重オフセンタにより生じる圧
延反力差、シフト位置に影響されるインクリーズベンダ
力が原因である圧延反力差、さらにワークロールシフト
を行うことにより発生する圧延反力差を含んでいるた
め、以下式ないし式を構成する各項について詳述す
る。
【0032】上記の式ないし式の右辺における第1
項中の(LO /L) ×(P/2) は、LO の圧延荷重オフセンタ
により生じるワークロール9a、9bの両端側における圧延
反力差を表わす項であり、上ワークロール9aの反力
DU、PWUと下ワークロール9bの圧延反力PDL、PWL
の同一側では正負が同じになるためウェッジの発生要因
となる。したがって、圧延反力差に応じて上下のワーク
ロール9a、9bの両端側におけるロール開度をそれぞれ修
正する必要がある。例えば、無負荷状態では上下のワー
クロール9a、9bの両端側におけるロール開度の不均一が
存在しない場合は、圧延時には図面向かって右側の圧下
位置を(LO /L)x(P/2)xMだけしめ込むとともに図面向か
って左側の圧下位置を(LO /L)x(P/2)xMだけ開放するこ
とを行わなければ、上下のワークロール9a、9bの両端側
におけるロール開度の不均一が発生し、ウェッジが生じ
ることになる。なお、Mはミル剛性であって上下のワー
クロール9a、9bの両端側で等しい場合を示す。
【0033】次に、式ないし式の右辺における第2
項中の(WRS/L)xPI は、上下のワークロール9a、9bのシ
フト位置に影響されるインクリーズベンダ力が原因であ
る上下のワークロール9a、9bの両端側における圧延反力
差を示す項である。この項は、上ワークロール9aのみあ
るいは下ワークロール9bのみで考えると、上下のワーク
ロール9a、9bの両端側における圧延反力差が生じるが、
ワークロール9a、9bのシフト位置が同じであれば相殺さ
れるため、結果的に、本要因によるワークロール9a、9b
の両端側におけるロール開度差は発生しない。したがっ
て、ワークロール9a、9bそれぞれにこのような圧延反力
差が生じたとしてもウェッジは発生しない。
【0034】以上説明した式ないし式における第1
項および第2項に示される圧延反力差の要因は、ワーク
ロールの両端におけるロール開度の不均一を修正する従
来法においても既に考慮されている。
【0035】これに対し、式ないし式の右辺におけ
る第3項および第4項に示される圧延反力差の要因が本
発明者により新たに判明した、圧延時にワークロールシ
フトを行う場合に生じる圧延反力差の発生要因を示す項
である。この圧延反力差は、シフト時のワークロール9
a、9bとバックアップロール10a 、10b との間の摩擦力
R と、圧延材11とワークロール9a、9bとの間の摩擦力
S とにより発生し、ワークロールシフトを行わなけれ
ば、FR 、FS ともに0である。これらの第3項および
第4項は、インクリーズベンダの影響項と同様に、上下
のワークロール9a、9bと同じ側であって正負が逆とな
り、ワークロール9a、9bの両端における圧延反力差があ
ってもウェッジは発生しない。また、正負からも判るよ
うに、DB >DW であるからワークロール9a、9bのシフ
ト方向側の圧延反力は増加し、シフト方向と反対方向側
は減少する。
【0036】このようにして、ウェッジが発生した圧延
材の圧延時にワークロールシフトを行う際のワークロー
ルの両端側における圧延反力を予測する。次に、式な
いし式を用いて、ワークロールシフト時のワークロー
ルの両端側におけるロール開度の調整および、この調整
による板厚制御法を説明する。
【0037】通常のワークロールの両端側におけるロー
ル開度の調整法によるウェッジ防止では、図4を参照し
ながら説明したように、上バックアップロール3aあるい
は下バックアップロール3bのどちらか一方の両端側に圧
延反力を測定する圧延反力測定装置5a、5b (例えばロー
ドセル) をそれぞれ設置し、これらの圧延反力測定装置
5a、5bを用いて実測した圧延反力に基づいて式により
示したワークロール2a、2bの両端側におけるロール開度
の不均一 (ワークロール3a、3bの両端板厚差)を予測し
てロール開度の調整を行う。具体的には、圧延反力が大
きいと圧延反力による圧延ミルの伸びも大きくなってロ
ール開度の不均一の拡大量も大きくなるため、圧延反力
が大きい側の圧下装置の圧下量を増加させる。圧下装置
のこのような操作では、従来はインクリーズベンダによ
る圧延反力差を除くことは行っていたものの、基本的に
は実測した圧延反力値そのものを用いていた。
【0038】しかし、図1を参照しながら説明したよう
に、圧延時にワークロールシフトを行う場合には、ワー
クロール9a、9bをシフトすることに起因してワークロー
ル9a、9bの両端側において圧延反力差が生じてしまう。
従来の方法では、ワークロールシフトに起因した圧延反
力差を含んだ形でワークロール9a、9bの両端側における
ロール開度を調整することになる。つまり、式ないし
式において、ウェッジの発生原因である圧延荷重オフ
センタLO がLO =0であったとしても(ウェッジ発生
が0)、式ないし式における第3項および第4項に
示す圧延反力差によりロール開度修正が行われ、ウェッ
ジを発生させてしまう。このことから、例えば、下ワー
クロール9bの実測圧延反力PDL、PWLを用いて、
【0039】
【数4】
【0040】の圧延反力の予測値PDL' 、PWL' を算出
し、こうして算出した圧延反力PDL'、PWL' に基づい
てワークロール9a、9bの両端側のロール開度の調整を行
わなければならない。
【0041】式ないし式の右辺における第3項およ
び第4項が圧延中に下ワークロール9bのシフトを開始す
ると同時に発生する圧延反力の増減分であり、本発明者
により新たに判明した点である。ところで、FR 、FS
はともにシフト時にワークロール9a、9bに作用する摩擦
力であるため、ワークロール9a、9bとバックアップロー
ル10a 、10b との間の摩擦係数μR と、圧延材8とワー
クロール9a、9bとの間の摩擦係数μS とをそれぞれ予め
求めておけば、
【0042】
【数5】
【0043】で求めることが可能である。なお、圧延荷
重Pは、 P=PDL+PWL−2PI ・・・・・・・ であるため、実測した圧延反力により算出することが可
能である。さらに、本発明を実施例を参照しながら詳述
するが、これは本発明の例示であり、これにより本発明
が限定されるものではない。
【0044】
【実施例】本発明の実施例として、図1に構造を示すワ
ークロールシフトミル11を用いた例について説明する。
なお、ワークロールのシフト位置等は、前述した手段に
より示す。
【0045】ワークロールシフトミル11の寸法は、
W :200 mm、DB :350 mm、L:370mm、バックアッ
プロール10a 、10b の胴長:400 mm、ワークロール9a、
9bの胴長:500 mmであって、ワークロール9a、9bは板幅
方向へ最大で±50mmシフト可能に構成されている。
【0046】圧延材8は、成品板厚:2mm、成品板幅:
300 mmの低炭素鋼からなる熱延鋼板の圧延素材であっ
て、圧延温度:900 ℃、圧下率:20%、入側張力:2kg
f/mm2、出側張力:1.5kgf/mm2、圧延速度:60m/分、ワ
ークロールベンダ力PI :2.3ton 、PD :1ton の圧
延条件で熱間圧延を行った。
【0047】この熱間圧延の際に、上下のワークロール
9a、9bをシフト位置:0mmから正方向へ図2にグラフで
示すようにシフトした。この時の下ワークロール9b側で
測定したワークロール9bの両端側における圧延反力
WL、PDLそれぞれの実測値を示す。
【0048】図2から、ワークロール9aおよび9bのシフ
ト開始と同時に下ワークロール9bのシフト方向側の圧延
反力PWLが約4トン増加し、シフト方向と反対方向側の
圧延反力PDLが約4トン減少したことがわかる。また、
上ワークロール9aがシフト中でも、圧延反力を実測して
いる下ワークロール9bのシフトが停止すると同時に、下
ワークロール9bの実測反力はシフト開始前の値に戻っ
た。この時の圧延荷重は、50トンであってベンダ力が小
さいためにシフト位置の変化による圧延反力の変動は無
視することができ、式ないし式を用いてワークロー
ル9a、9bのシフト時における圧延反力の変化量ΔPを求
めると、式ないし式の右辺における第3項および第
4項により示される変化量は4.1 トンとなって、ほぼ実
測値と一致した。
【0049】ところで、大型の圧延ミルでは、ロールチ
ャックおよびハウジング間の摩擦やワークロールおよび
スピンドルのカップリング部間の摩擦等、装置各部の抵
抗力の大きさが無視できなくなり、式ないし式の予
測誤差が大きくなってしまうことも考えられる。このよ
うな場合には、式ないしから分かるように、圧延反
力の変化量ΔPは圧延荷重Pの関数となるため、実測し
た圧延反力のデータに基づいて、例えばΔP=a+b・
P(a, b は係数) という形で式ないし式の右辺にお
ける第3項および第4項に対応した反力変化予測式を作
成して使用してもよい。
【0050】さらに、図3(a) には、本発明により板厚
制御を行った熱延鋼板の板プロフィルの実測例を示す。
なお、図3(b) には、図4に示す従来の板厚制御を行っ
た熱延鋼板の板プロフィールの実測例を示す。従来法の
圧延条件は上記の条件と全く同一である。
【0051】従来法によりロール開度の不均一を調整す
る方法では、実測した圧延反力PWL、PDLを直接開度調
整に用いた場合、ワークロールのシフト開始直後から発
生する圧延反力PWL、PDLの変化により、ワークロール
の両端側におけるロール開度修正が行われる。この場
合、圧延反力PWLが4トン増加するとともに圧延反力P
DLが4トン減少するため、ミル剛性55ton/mmから、図面
向かって左側に位置する圧下装置は75μm 圧下をしめ込
み、右側に位置する圧下装置は75μm 圧下を開放した。
【0052】その結果、従来法によれば、図3(b) に示
すように左側の板厚が薄くなるウェッジが約60μm 発生
した。これに対し、本発明にかかるワークロールシフト
ミルを用いた板厚制御法によれば、実測した圧延反力か
らワークロールシフトによる圧延反力の増減を相殺した
圧延反力を用いてロール開度の調整を行うため、ワーク
ロールの両端側におけるロール開度の調整は殆ど行われ
ずに、図3(a) に示すようにウェッジが殆ど発生しない
板プロフィルが得られた。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、板
幅方向の両端部における板厚差であるウェッジが発生し
た圧延材を、板幅方向へのワークロールシフト機構を備
えロール開度が調整自在のワークロールシフトミルを用
いて圧延する際に、成品のウェッジを解消ないしは抑制
することができる。
【0054】より具体的には、本発明により、圧延時に
ワークロールをシフトしても、ウェッジやキャンバの発
生および、これらに起因した圧延材の蛇行等のトラブル
を防止することができ、ワークロールシフトミルを用い
て安定して圧延を行うことが可能となった。
【0055】また、圧延中ワークロールシフトが可能と
なるため、熱間圧延のヒートクラウン分散を圧延中に確
実かつ簡単に行うことができる。したがって、連続圧延
時間を長くすることができ、生産性向上およびコスト低
減を図ることが可能となる。
【0056】さらに、ワークロールシフトを行って板プ
ロフィルを制御する各種方法において、圧延時における
シフト位置の変更が可能となり、板クラウンやエッジド
ロップの低減にも効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】板幅方向 (同図中の両矢印方向) へのワークロ
ールシフト機構を備えた4Hiワークロールシフトミル11
の上下のワークロール9a、9bを圧延時にそれぞれ逆方向
にシフトしながらウェッジが発生した圧延材8の圧延を
行っている状況を示す説明図である。
【図2】実施例における下ワークロールのシフト位置、
および圧延反力の変化を経時的に示すグラフである。
【図3】実施例において得られた熱延鋼板の板プロフィ
ールを示すグラフであり、図3(a) は本発明法を用いた
場合を、図3(b) は比較法を用いた場合をそれぞれ示
す。
【図4】板幅方向 (同図中の両矢印方向) へのワークロ
ールシフト機構を備えていない従来の圧延ミル7を用い
て圧延材1を圧延している際の状況を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1:圧延材 2a、2b:ワークロール 3a、3b:バックアップロール 4a、4b:圧下装置 5a、5b:圧延反力測定装置 6:演算器 7:圧延ミル 8:圧延材 9a、9b:ワークロール 10a 、10b :バックア
ップロール 11:ワークロールシフトミル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板幅方向へのワークロールシフト機構を
    備えたワークロールシフトミルの上下のワークロールを
    圧延時にそれぞれ逆方向にシフトしながら前記上下のワ
    ークロールそれぞれの両端側における圧延反力の実測値
    の変化に基づいて前記上下のワークロールそれぞれの圧
    下位置を調整する圧延材の板厚を制御する方法であっ
    て、前記上下のワークロールをそれぞれシフトすること
    により発生するシフト方向側の圧延反力の増加量、およ
    びシフト方向と反対方向側の圧延反力の減少量をそれぞ
    れシフト前に予測しておき、シフト時には、シフト方向
    側の実測圧延反力から前記圧延反力の増加量を減じた圧
    延反力と、シフト方向と反対方向側の実測圧延反力から
    前記圧延反力の減少量を加えた圧延反力とから、前記圧
    延材のウエッジ発生量を演算し、この演算結果に基づ
    き、前記上下のワークロールそれぞれの圧下位置を調整
    し、ウェッジを防止することを特徴とするワークロール
    シフトミルを用いた板厚制御法。
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